JP4679546B2 - プレス成形方法 - Google Patents

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本発明は1次成形された熱可塑性樹脂板状体に対し、転写板が取付けられた金型により加圧および転写を行う熱可塑性樹脂板状体のプレス成形方法に関するものである。
従来一次成形された熱可塑性樹脂板状体に対し、パターンが形成された上金型によって加圧および転写を行い、導光板を得るプレス成形装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。プレス成形により導光板の表面に転写を行なう際には、加圧時には金型温度を比較的高温にして転写を行い、離型時には金型温度を比較的低温にして離型を行なうことが、良好に微細なパターンを転写するために特に重要である。ところが前記特許文献1に記載されたものは、1成形サイクル中に上金型の温度の昇降制御を行うものではないため、転写を良好にするために上金型の温度を高く設定すると、導光板の冷却が長くなり、その結果、成形サイクル時間が長くなってしまい、また成形サイクル時間を短縮させるために上金型の温度を低くすると良好な転写ができないという問題があった。
また樹脂成形の分野において、1成形サイクル中における金型の温度を前期において上昇させ、後期において急速に下降させるものとしては、特許文献2に記載されたものが知られている。前記特許文献2に記載されたものは、積層基板の製造工程において絶縁ベースフィルムと銅箔等を加熱・加圧した後に、冷却を行い積層品の各材料を均一に温度降下させ、積層品にしわが発生するのを防止することを目的とするものである。しかし特許文献2は、熱可塑性樹脂板状体の表面に転写板によって加圧しプレス成形を行うことを目的とするものではないので転写板を有しておらず、したがって転写板の温度と加圧力を均一にするための手段等については何等記載されていない。
また特許文献3に記載されたものは、射出成形による光ディスクの製造金型において、樹脂材料の射出時には、スタンパを温度調節部から離反させ誘導加熱によりスタンパを加熱し、その後樹脂材料の凝固時にはスタンパ支持部に温度調節部を接触させ、樹脂材料を迅速に凝固させて光ディスクの生産性を高めるものである。しかし特許文献3についても、高温・高圧の溶融樹脂を型内に射出する射出成形に用いられるものであるため、熱可塑性樹脂板状体の表面に転写板によって加圧しプレス成形を行うことを目的とするものとは技術分野が相違するものであり、したがって転写板による加圧力を均一にするための手段等については何等記載されていない。更に特許文献3は、スタンパを1成形サイクル中に直接加熱および冷却するものであるが、スタンパまたはスタンパ支持プレートを誘導加熱するための加熱装置が複雑化する上に、誘導加熱の渦電流の作用を利用するので、ディスク等の円形製品に転写を行うスタンパ等の加熱に適し、略矩形の転写板の均一な加熱には適さないという問題があった。また成形される前の熱可塑性樹脂板状体は、反りや厚さが不均一な場合があった。
特開2001−133772号公報(請求項1、図6) 特開2001−79865号公報(請求項1、図1ないし図5) 特開平8−132498号公報(請求項6、図1ないし図4)
そこで本発明は、反りや厚さが不均一な熱可塑性樹脂板状体に対して、均一に加圧および転写を行うことができるプレス成形方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1のプレス成形方法は、第一の型と第二の型との間で熱可塑性樹脂板状体の加圧を行うプレス成形方法において、押出成形によって1次成形された熱可塑性樹脂板状体に対して、両面側から厚さ0.2ないし2.5mmのフッ素ゴムまたはシリコンゴムの弾性体を介して加熱可能な0.1mmないし1.0mmのニッケル製スタンパ(凹凸のないブランクスタンパを含む)からなる転写手段をそれぞれ当接させ、前記転写手段を前記熱可塑性樹脂板状体のガラス転移温度よりも高くするとともに真空ポンプによって成形空間内の減圧を行い、その後に本格的に加圧を行うとともに前記転写手段の冷却を行い、均一な転写を行うことを特徴とする。
本発明は、第一の型と第二の型との間で熱可塑性樹脂板状体の加圧を行うプレス成形方法において、押出成形によって1次成形された熱可塑性樹脂板状体に対して、両面側から厚さ0.2ないし2.5mmのフッ素ゴムまたはシリコンゴムの弾性体を介して加熱可能な0.1mmないし1.0mmのニッケル製スタンパ(凹凸のないブランクスタンパを含む)からなる転写手段をそれぞれ当接させ、前記転写手段を前記熱可塑性樹脂板状体のガラス転移温度よりも高くするとともに真空ポンプによって成形空間内の減圧を行い、その後に本格的に加圧を行うとともに前記転写手段の冷却を行い、均一な転写を行うことを特徴とするので、熱可塑性樹脂板状体に僅かな寸法誤差があったとしても弾性体により前記の寸法誤差をある程度吸収することができ、良好に転写された成形品を成形することができる。
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図5を参照して説明する。図1は本発明のプレス成形装置の断面図である。図2は本発明のプレス成形装置による加圧成形時の断面図である。図3は本発明のプレス成形装置による成形時におけるタイムチャートである。図4と図5は本発明のプレス成形装置による成形時におけるフローチャートである。
図1において、本発明のプレス成形装置1には、ベッド2に載置された第一の型である下型3と、加圧手段である図示しない加圧シリンダによって昇降自在に駆動されるラム4に固着された上可動盤5に取付けられた第二の型である上型6が設けられている。プレス成形装置1は、前記した下型3と上型6の両方に転写板であるスタンパ7,7が設けられ、前記した下型3と上型6との間で、略矩形の熱可塑性樹脂板状体A(以下の詳細な説明では板状体Aと略す)の両面に前記スタンパ7,7により加圧および転写を行い、導光板の成形を行う。なおプレス成形装置1の加圧手段については、前記加圧シリンダによるものに限定されず、電動機により駆動されるクランク機構やトグル機構を用いたものでもよく、サーボモータとボールネジ等の組合わせを用いた加圧手段であってもよい。またプレス成形装置1は第一の型である下型3が加圧手段によって昇降されるものでもよい。また板状体Aについては、略矩形のものに限定されず、ディスク基板等の他の形状のものであってもよく、スタンパ7,7の間で同時に複数の成形品の成形を行うことも可能である。
下型3について説明すると、下型3には平板状の冷却盤8が設けられている。冷却盤8はその内部に複数の温調用媒体通路9が形成され、図示しない温調器から温調用媒体が流通されることにより、成形時には所定の温度に制御される。平面からなる冷却盤8の表面10には、冷却盤8と後述する抵抗加熱板15との間を電気的に絶縁する第一の絶縁体であって弾性体であるゴムシート11が全面に貼り付けられている。第1の実施の形態に用いられるゴムシート11は、厚さが1.5mmのフッ素ゴムシート(クレハエラストマー株式会社製)であり、電気的な絶縁性、耐熱性、強度に優れた性質のものである。ただしゴムシート11は、前記したフッ素ゴムシートに限定されず、電気的な絶縁性、耐熱性を満たすものであれば、シリコンゴムシートや他のゴムシート、エラストマーシートであってもよく、厚さは0.2mmないし2.5mm程度のものが望ましい。また前記ゴムシート11より硬度が低く、気泡率の高いフッ素スポンジやシリコンスポンジを用いる場合は更に厚いものでもよい。また第一の絶縁体は、冷却盤8と後述する抵抗加熱板15との間を電気的に絶縁するものであれば、抵抗加熱板15の裏面22および/または冷却盤8の表面10に貼り付けられていればよく、更には両者の間に別の部材によって保持されたものでもよい。そしてゴムシート11の抵抗加熱板15、冷却盤8への取付けは、焼付による方法、耐熱性の接着剤により貼付ける方法、爪等により取付ける方法などいずれの取付け方法でもよい。上記の構成により冷却盤8と抵抗加熱板15とはゴムシートを介して密着可能となっている。
また冷却盤8には複数の箇所(第1の実施の形態では4箇所)に凹部12が設けられ、前記凹部12には離隔手段である油圧シリンダ13がロッド14を突出可能に取付けられている。前記油圧シリンダ13のロッド14の先端は、支持部16が固着されており、前記支持部16はその表面に貼付けられた絶縁体であるゴムシート17を介して抵抗加熱板15の裏面22に固着されている。また抵抗加熱板15の冷却盤8への取付けは、抵抗加熱板15の熱膨張が許容されるよう取付けがなされている。そして冷却盤8の一側には図示しない近接スイッチが取付けられ、抵抗加熱板15と冷却盤8がゴムシート11を介して当接状態にあるかどうか検出可能に設けられている。なお離隔手段は後述する抵抗加熱板15等を冷却盤8に対して離隔移動可能にするものであって、油圧シリンダ13に替えてエアシリンダを用いてもよく、シリンダの取付け位置は冷却盤8の側方に取付けてもよい。更に離隔手段は、バネ等の弾発体を用いたものでもよく、ステッピングモータ等の電動機や気体や液体を入れることにより膨張するゴム袋やゴム膜を設けるものであってもよい。そして離隔手段が前記したゴム袋やゴム膜の場合は、離隔手段と絶縁体が兼用されることもあり得る。
この第1の実施の形態では、抵抗加熱板15は厚さが3mm、長手方向の長さ530mm、幅370mmの略矩形の金属板であるステンレス板からなる鏡面板からなり、20インチ以下の導光板を成形するのに用いられる板状体Aの表面を加熱可能なものである。なお抵抗加熱板15の厚さは1mmないし4mmが望ましい。そして抵抗加熱板15の長手方向の一側端部と他側端部には端子部18a,18bがそれぞれ複数設けられ、端子部18a,18bには図示しない直流電源から電線19,19が接続され、抵抗加熱板15に通電可能に設けられている。抵抗加熱板15が略矩形であるのは、前記複数の端子部18aと複数の端子部18bのうちの向い合う端子部18a,18bの間隔をそれぞれ略等しくすることができ、抵抗加熱板15を均等に加熱できるためである。この第1の実施の形態では、抵抗加熱板15へは、5.6V、4000Aの電流が通電されるが、この数値に限定されるものではなく、更に別の抵抗値の大きい材質や厚さの薄い抵抗加熱板15を用いて、電流値等を小さくしてもよい。また抵抗加熱板15の端子部18a,18bについては、抵抗加熱板15の一定以上の離隔を規制する抵抗加熱板ホルダーを抵抗加熱板15の一側と他側の側に設け、抵抗加熱板ホルダーの抵抗加熱板15との当接部から抵抗加熱板15に通電するようにしてもよい。
また抵抗加熱板15の表面20には抵抗加熱板15と板状体Aを直接加圧する転写板であるスタンパ7との間を絶縁する第二の絶縁体であるゴムシート21が設けられている。この第1の実施の形態では抵抗加熱板15の表面20にゴムシート21が貼り付けられ、ゴムシート21の表面にスタンパ7が貼り付けられているが、抵抗加熱板15および/またはスタンパ7にゴムシート21が取付けられたものであればよい。またゴムシート21およびスタンパ7は保持爪等の別の部材によって抵抗加熱板15に取付けられたものでもよい。また第1の実施の形態では、第一の絶縁体であるゴムシート11と、第二の絶縁体であるゴムシート21は、同じゴムシートが用いられているが、少なくとも一方が耐熱性ゴムシート等の弾性体からなっていればよく、絶縁体を弾性体とすることにより板状体Aに僅かな凹凸や反り等の寸法誤差があったり、金型の側に僅かな寸法誤差があったとしても、加圧時にその誤差を吸収し、均一な加圧および転写をすることが可能である。またゴムシート11,21についてはいずれかのゴムシートの厚さを厚くしてもよい。
また前記において、抵抗加熱板15を絶縁する第一の絶縁体および第二の絶縁体であるゴムシート11,21は、ゴムシートを貼付けるのではなく、フッ素ゴムまたはシリコンゴムを含有しており塗装後に所定の耐熱性、電気的な絶縁性、および弾性を有するゴム系塗料により、前記抵抗加熱板15の表裏面、冷却盤8の表面、スタンパ7の裏面等に塗装したものであってもよい。その場合、塗装の方法は、焼付塗装、静電塗装、粉体塗装、浸漬塗装など方法を問わない。そして前記塗装においては塗装後の絶縁塗装層の厚さが0.1mmないし0.5mm程度とすることが望ましい。
そしてこの抵抗加熱板15には温度を測定するための温度センサ23が取付けられている。第1の実施の形態では温度センサ23は下型3の抵抗加熱板15に取付けられているが、センサの取付位置についてはこれに限定されない。
また抵抗加熱板15の表面20側には前記した第二の絶縁体であるゴムシート21を介して転写板(転写手段)であるスタンパ7が交換可能に取付けられている。スタンパ7は、その表面に板状体Aに微小なミクロンオーダーの凹凸溝(深さ1μmないし100μm、溝間隔10μmないし100μm)やマイクロドット(深さ1μmないし200μm、ドットの幅および長さ10μmないし200μm)を転写するためのパターン転写面24が形成され、外形は前記した抵抗加熱板15と同じであり、厚さが0.1mmないし1.0mmのニッケル製の板である。転写板であるスタンパ7は、この実施の形態においては抵抗加熱板15と別に設けられているが、抵抗加熱板15の表面にニッケルリンメッキが施され、前記ニッケルリンメッキに前記スタンパ7と同様のパターン転写面が形成されたような転写手段が直接設けられたものでもよい。その場合、抵抗加熱板15にパターンが形成されたものか、或いは抵抗加熱板15にスタンパ7が直接貼付けられたものかいずれでもよい。その場合は第二の絶縁体が必要ないことは言うまでもない。またスタンパ7の上方には、板状体Aをスタンパ7の所定位置に位置決めするための枠体25が形成され、前記したスタンパ7のパターン転写面24は、枠体25の中に位置している。前記したスタンパ7および枠体25については、ほとんどの場合、成形される導光板に応じて変更される。また枠体25については、図示しない板状体Aを搬入する搬入装置の精度を向上させれば、必須のものではない。またこの実施の形態では下型3はベッド2の上に固定的に設けられているが、冷却盤8や抵抗加熱板15を含む下型3全体を水平方向に移動可能として、プレス成形装置1の外で板状体Aの搬入を行なうようにしてもよい。更に前記において、水平方向に移動可能なのは、抵抗加熱板15のみとしてもよい。
また上型6についても下型3と同様に、所定の温度に温度制御される冷却盤8と、冷却盤8から離隔手段によって1成形サイクル中に所定の間隔に離隔され少なくとも離隔時に昇温制御される抵抗加熱板15と、前記抵抗加熱板15と冷却盤8との間を絶縁する第一の絶縁体であるゴムシート11または絶縁塗装層と、前記抵抗加熱板15の表面20側に設けられ板状体Aを直接加圧する転写板であるスタンパ7と、前記スタンパ7と前記抵抗加熱板15との間を絶縁する第二の絶縁体であるゴムシート21または絶縁塗装層とが設けられている。
ただし本発明は下型3または上型6のいずれか一方に、上記の冷却盤8や抵抗加熱板15等を含む機構が設けられたものでもよい。そして一方の型のみに抵抗加熱板15およびスタンパ7を含む機構が設けられ、板状体Aの片面のみに転写板による転写を行う場合は、他方の型には、抵抗加熱板15にスタンパ7を取付けないか、または凹凸のないブランクスタンパを取付け、板状体Aに反りが生じないように両方の面を略同温にすることが望ましい。また他方の型に抵抗加熱板15を設けずに、他方の型を板状体Aが成形時に反りを生じない温度に保つようにしてもよい。
そしてプレス成形装置1は、第一の型である下型3と第二の型である上型6の間に前記した下型3のスタンパ7と上型6のスタンパ7とによって板状体Aが直接加圧される成形空間26が形成される。第1の実施の形態では前記成形空間26は、ベッド2と上可動盤5との間に設けられたベローズ27によって外気とは隔絶可能に設けられ、図示しない減圧手段である真空ポンプによって前記成形空間26は減圧可能に設けられている。また成形空間26を外部と隔絶するものとしては、ベローズ27ではなく、真空室内にプレス成形装置1を設けてもよい
次に本発明の板状体Aのプレス成形装置1の作動について図3に示されるタイムチャート、図4,図5に示されるフローチャートにより説明する。
板状体Aの搬入前には、前回の成形サイクルにおいて、プレス成形装置1の上型6は、図示しないシリンダによって昇降移動されるラム4により上方に移動されており、下型3と上型6の抵抗加熱板15,15は離隔手段である油圧シリンダ13の伸長によって冷却盤8から離隔された位置にある。冷却盤8は図示しない温調器から送られる温調用媒体である水によって20℃となるよう所定の温度に制御されている。なお冷却盤8の所定の温度とは、15℃ないしは40℃が望ましいが、水道水をそのまま冷却盤8に流して、所定の温度に温度制御しない場合も有り得る。
第1の実施の形態において成形に用いられる板状体Aについては、15インチ導光板用の均一な3mm厚のアクリル板を用いた成形について記載する。導光板をプレス成形するための板状体Aとしては他にポリカーボネートや、シクロオレフィン系樹脂を用いてもよい。
図3によりステップ順に説明する。
ステップS1、図示しない搬入手段または作業者により、板状体Aをプレス成形装置1の下型3の転写手段であるスタンパ7のパターン転写面24上に載置・当接させる。この際板状体Aは、枠体25にガイドされることによって正規の加圧位置に位置決めされる。なおこの正規の加圧位置については転写板であるスタンパ7に板状体Aが直接載置・当接される位置の他、スタンパ7と直接当接しない対向位置に図示しない保持手段によって保持され、ラム4の駆動により板状体Aとスタンパ7が直接当接するものでもよい。
ステップS2、板状体Aが正規の加圧位置に位置決めされたかどうかを図示しない光電管により検知し、正規の加圧位置に位置決めされていたら(Y)、次のステップS3に進み、正規の加圧位置に位置決めされていない場合(N)は、再度位置決めされているかどうかを検知し、所定時間が経過しても正規の加圧位置に位置決めされていないときはプレス成形装置1を停止する(図示せず)。
ステップS3、ベローズ27により成形空間26を外気から隔絶する。
ステップS4、図示しない減圧手段である真空ポンプをオンにして成形空間26の減圧を開始する。
ステップS5、真空ポンプにより成形空間26の減圧を開始してから所定時間が経過すると、図示しない加圧シリンダを制御し、ラム4により抵抗加熱板15を含めた上型6全体を下降させる。
ステップS6、板状体Aと上型6のスタンパ7が当接したかどうかを図示しない光電管等により確認し、板状体Aと上型6のスタンパ7が当接されたら(Y)、次のステップS7に進み、当接されていない場合(N)は、加圧シリンダを制御し、上型6のスタンパ7を板状体Aと当接させるまで下降させる。
ステップS7、上型6のスタンパ7と板状体Aが当接されたことが確認されたら、図示しない加圧シリンダを制御し、ラム4の下降を一時停止する。この状態において、板状体Aは、冷却盤8から離隔した状態のスタンパ7,7間に挟まれているので、まだ加圧手段によって本格的に加圧はされていない。
ステップS8、下型3と上型6の抵抗加熱板15に通電を開始し、抵抗加熱板15の昇温制御を開始する。このことにより同時にスタンパ7も昇温制御が開始される。
ステップS9、成形空間26の気圧が20hPaに達したかどうかを図示しない気圧計により確認し、気圧が20hPaに達していたら(Y)、次のステップS10に進み、達していない場合(N)は、20hPaに達するまで減圧を継続する。
ステップS10、下型3に設けられた抵抗加熱板15の温度が160℃に達したかどうかを温度センサ23により確認し、温度が160℃に達したら(Y)、次のステップS11に進み、温度が160℃に達していない場合は、160℃になるまで抵抗加熱板15に通電を継続し、昇温制御する。
ステップS11、下型3と上型6の抵抗加熱板15の通電を終了する。ただし、実際には抵抗加熱板15に通電を終了した後もオーバーシュートによりしばらくの間抵抗加熱板15およびスタンパ7の温度は、160℃よりも更に上昇する。そしてスタンパ7に当接された板状体Aの表面をガラス転移温度よりも高くし、熱変形可能な状態とする。
ステップS12、下型3と上型6の離隔手段である油圧シリンダ13を同時に収縮させ、
ステップS13、下型3と上型6の抵抗加熱板15に対して冷却盤8が、第一の絶縁体であるゴムシート11を介して当接されたことが図示しない近接スイッチにより検出されたら(Y)、次のステップS14に進む。近接スイッチにより検出されない場合(N)は、近接スイッチにより検出されるまで油圧シリンダ13を収縮させる。
ステップS14、図示しない加圧シリンダを制御し、ラム4の再下降を開始し、前記表面のみが熱変形可能な状態となった板状体Aに対してスタンパ7により微小な凹凸の転写を開始する。この際に抵抗加熱板15およびスタンパ7は、抵抗加熱板15がゴムシート11を介して冷却盤8に当接されることによって冷却が進行する。
ステップS15、板状体Aに対する単位面積当たりの圧力が3MPaに達するまで増圧し、図示しない圧力センサーにより単位面積当たりの圧力が3MPaに達したことに相当する圧力が検知されたら(Y)、次のステップS16に進み、単位面積当たりの圧力が3MPaに達したことに相当する圧力が検知されない場合(N)は、単位面積当たりの圧力が3MPaに達したことに相当する圧力が検知されるまで加圧シリンダにより加圧を行う。
ステップS16、板状体Aに対する単位面積当たりの圧力が3MPaになるよう図示しない加圧シリンダの加圧力の制御を継続し、
ステップS17、所定時間が経過したら真空ポンプの駆動を停止させ、スロープで減圧解除を開始して成形空間26の気圧を徐々に大気圧に近づけるよう制御する。
ステップS18、下型3に設けられた抵抗加熱板15の温度が50℃に達したかどうかを確認し、温度が50℃に達したら(Y)、次のステップS19に進み、抵抗加熱板15の温度が50℃に達していない場合は、そのままの状態を継続し、抵抗加熱板15およびスタンパ7の温度を下降させる。
ステップS19、図示しない加圧シリンダを制御し、ラム4を上昇させ、板状体Aへの加圧力をスロープで減圧する。
ステップS20、ラム4が上昇位置に到達したかどうかを図示しない近接スイッチにより検出し、ラム4の上昇完了が確認されたら(Y)、次のステップS21に進み、ラム4の上昇完了が確認されないときは更にラム4を上昇させる。
ステップS21、成形空間26が大気圧になっているかどうかを図示しない気圧計によって測定し、大気圧になっていることが確認されたら(Y)、次のステップS22に進み、大気圧になっていない場合(N)は、さらに減圧解除を行う。
ステップS22、成形空間26を外気に開放する。
ステップS23、図示しない略矩形の熱可塑性樹脂成形品取出手段により略矩形の熱可塑性樹脂成形品である導光板をプレス成形装置1から取出す。
ステップS24、油圧シリンダ13を伸長させ、冷却盤8と抵抗加熱板15を離隔させる。
本発明では上記のステップにより抵抗加熱板15およびスタンパ7の温度を制御しつつスタンパ7に当接された板状体Aに加圧および転写を行う。なお、上記のステップの制御は、下型3に設けられた抵抗加熱板15の温度を検出して、加圧開始等の制御を行ったが、上型6の温度か、または両方の抵抗加熱板15,15の温度を検出して制御を行うものでもよい。更に抵抗加熱板15,15の温度の検出ではなく、スタンパ7の温度、板状体Aの温度、成形空間26の真空度、抵抗加熱板15への通電時間等を検出して制御を行うものでもよい。また抵抗加熱板15への通電による昇温制御の開始は、冷却盤8と抵抗加熱板15とが離隔と同時か僅かに前後して(10秒以内の範囲で)行ってもよい。また前記昇温制御の開始は、スタンパ7に板状体Aを当接させた後に限定されず、板状体Aをスタンパ7に当接させるのと同時か、またはその前から昇温制御を行ってもよい。抵抗加熱板15に通電がなされ、抵抗加熱板15およびスタンパ7が既に昇温制御されている場合は、板状体Aをスタンパ7の上に載置したら、なるべく速く上方のスタンパ7も下降させ板状体Aの上面に当接させた方が、板状体Aの反りを防止することができる。そして成形空間26を真空としない場合は、抵抗加熱板15への通電開始を板状体Aの載置、当接よりも前から行った方が成形サイクル時間を短縮できる。特に上型6の側にのみ抵抗加熱板15とスタンパ7が配設される場合は、下型3に板状体Aを載置する前から抵抗加熱板15に通電し、昇温制御させておいても反りの影響を受けずに成形サイクル時間を短縮できる。そしてまたプレス成形装置1の図示しない加圧シリンダや油圧シリンダ13の制御については、近接スイッチや光電管によらずに、油圧を検出して行ってもよい。更に温度センサ23によって所定の温度を検出し、抵抗加熱板15およびスタンパ7を所定の温度になった後は一定の温度となるように昇温制御してから抵抗加熱板15と冷却盤8とをゴムシート11を介して当接させ冷却させるようにしてもよい。その場合通電をON・OFF制御してもよく、電流値を制御してもよい。更にまた抵抗加熱板15と冷却盤8とをゴムシート11を介して当接させた後も、抵抗加熱板15に電源から通電される電流値を制御しつつ通電を継続し、抵抗加熱板15の温度を所望の温度カーブで低下させてもよい。更にタイマー等によって油圧シリンダ13が作動され、冷却盤8と抵抗加熱板15が当接したことを検出して抵抗加熱板15への通電を停止してもよい。しかしいずれにしても抵抗加熱板15への通電を停止するのと同時かあるいは僅かに前後して(前後10秒程度の範囲で)抵抗加熱板15と冷却盤8とを当接させることが望ましい。
またこの実施の形態では、抵抗加熱板15の温度は160℃に達したら、抵抗加熱板15への通電を中止し加圧を開始しているが、抵抗加熱板15への通電を中止する温度は、成形される樹脂の熱変形温度(ASTM D648)よりも50℃〜90℃、好ましくは60℃〜80℃高い温度に設定されることが望ましい。この実施の形態の場合、アクリルの熱変形温度(ASTM D648)は約95℃であるから、抵抗加熱板15への通電を中止し加圧を開始する温度は145℃〜185℃、更に好ましくは155℃〜175℃の間で通電を中止し加圧を開始する。また加圧を終了し、離型する際の温度は、40℃ないし65℃が望ましい。更にまた、板状体Aを加圧する際の真空度は、10hPaないし50hPa程度が望ましいが、上記よりも低い真空度や大気圧で行うことも可能である。そして板状体Aを加圧し転写を行う際の成形品の単位面積当たりの圧力は、1MPaないし5MPaの範囲が望ましい。そして本発明では既に表面が熱変形可能な状態となっている板状体Aに微小な凹凸を転写するので、プレス成形としては比較的低い加圧力を用いれば足り、絶縁体を弾性体としたことによる加圧力の均一化がより一層行える。また前記板状体Aを加圧する圧力が低い場合は、抵抗加熱板15の温度を高くすることが望ましい。更にプレス成形装置1に搬入される板状体Aは常温のものを用いる以外に、プレヒートして所定の温度としたものを用いてもよく、射出成形機や押出機によって成形された樹脂板の温度が低下しないうちにプレス成形装置1に搬入してもよい。そしてこの第1の実施の形態の絶縁体にゴムシートを用いた例では、プレス成形装置の機械平行度に誤差があったとしても、弾性体により誤差を吸収することができ、板状体A全体に均一な加圧および転写を行うことができる。また成形される前の板状体Aは押出成形等によって成形されるので、反りや厚さが不均一な場合もあるが、弾性体により全体に均一な転写を行うことができる。
次に前記の第1の実施の形態のプレス成形装置を用いて行なったテストとその結果について記載する。図8は、本発明のプレス成形装置により第一の絶縁体の厚さを変えて成形を行なった際のテスト結果を表す説明図である。このテストでは、成形に用いられる板状体Aは、15インチ表示装置用の厚さ8mmのアクリルからなる板状体を使用した。そして前記板状体Aに対してスタンパ7により、深さ25μm、ピッチ間隔50μmの溝の転写成形を試みた。このテストにおける前記転写成形時の抵抗加熱板15の最高発熱温度は160℃、加圧手段による加圧力は2.7MPaで、真空成形空間中において転写成形を行った。そしてこのテストでは上記の成形条件において、冷却盤8と抵抗加熱板15の間に使用される第一の絶縁体であるシリコンゴムシート11を厚さの異なるものに変更してテストを行なった。因みに今回のすべてのテストについて抵抗加熱板15とスタンパ7との間の第二の絶縁体は、抵抗加熱板15にゴム系塗料を塗装したものを使用した。その結果、図8に示されるようにシリコンゴムシート11の厚さは1.0mm以上の場合に良好なクッション効果が得られるが、冷却時間はシリコンゴムシート11が厚いものほど長い時間が必要であることが解った。テスト結果では厚さ2.0mmのシリコンゴムシート11を用い、60秒の冷却時間(加圧時間に近似)の場合に転写率が100%のものが得られた。ただしこれはこのテスト結果に限定してのことであり、成形される樹脂、樹脂板の厚さや面積、加圧力、スタンパの厚さ、転写されるパターンの深さや形状等の条件が相違すれば、テスト結果も異なるものと考えられる。
次に図6に示される第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態のプレス成形装置31は、加圧手段である加圧シリンダ32が取付けられたベッド33の4隅にタイバー34が立設されており、タイバー34の上部には上盤35が取付けられている。そして前記上盤35の下面には、平板状の冷却盤36が固着されている。また加圧シリンダ32によって昇降されるラム37には可動盤38が固着され、前記可動盤38の上面にも平板状の冷却盤39が固着されている。
なお加圧手段は可動盤38の移動手段と別に設けてもよい。また前記上盤35に固着される前記冷却盤36と、前記可動盤38に固着される前記冷却盤39との間においては、一以上の平板状の他の冷却盤40が設けられている。他の冷却盤40の枚数については、設計事項であって限定されるものではない。他の冷却盤40は両側に載置爪41,41が設けられ、成形時以外は、両側に設けられた段部42,42の上に載置されることにより、所定の間隔を有して配設可能に設けられている。そして成形時には、他の冷却盤40は、可動盤38を上昇させることにより前記冷却盤36,39、および他の冷却盤40等(具体的には冷却盤36と他の冷却盤40の間、他の冷却盤40の同士の間、他の冷却盤40と冷却盤39の間の組合せがある)の間で板状体Aの多段プレス成形が行われる。そして前記冷却盤36,39、および他の冷却盤40等については第1の実施の形態と同様に温調用媒体通路43が形成され、図示しない温調器から温調用媒体が流通されることにより、前記冷却盤36等を所定の温度に保つように制御される。またこれらの上盤35、冷却盤36,39、および他の冷却盤40等、可動盤38を含んで構成される多段プレス成形が行われる成形空間44は、真空室を形成する隔壁部45によって外気とは隔絶可能に設けられ、図示しない真空ポンプにより減圧可能に設けられている。
そしてこれらの冷却盤36,39、および他の冷却盤40等にも第1の実施の形態とほぼ同様の抵抗加熱板46、第三の絶縁体であるゴムシート47または絶縁塗装層,第四の絶縁体であるゴムシート48または絶縁塗装層、スタンパ49等からなる機構が形成されている。すなわち前記冷却盤36および前記冷却盤39には、その表面50のみにゴムシート47が貼り付け、またはゴム系塗料が塗布されるとともに、前記冷却盤36および前記冷却盤39と抵抗加熱板46とを離隔、および当接させる離隔手段が設けられている。また前記冷却盤36と前記冷却盤39の中間に配設される他の冷却盤40には表面(上面)と裏面(下面)に、抵抗加熱板46、第三の絶縁体であるゴムシート47または絶縁塗装層,第四の絶縁体であるゴムシート48または絶縁塗装層、スタンパ49等からなる機構が形成されている。第2の実施の形態において離隔手段は、弾発体であるバネ51から構成されている。そして加圧シリンダ32のラム37の上昇時にバネ51は収縮され、抵抗加熱板46と平板状の冷却盤36等が当接される。そして前記バネ51には絶縁体であるセラミック板52を介して抵抗加熱板46が取付けられ、抵抗加熱板46の表面53には第四の絶縁体であるゴムシート48を介しスタンパ49が取付けられている。また第三の絶縁体であるゴムシート47は、前記抵抗加熱板46の裏面54および/または前記冷却盤36等の表面50に取付けられたものであってもよい。
図6に示される第2の実施の形態のプレス成形装置31によるプレス制御については、第1の実施の形態のプレス成形装置1の制御と成形条件等は異なるものの基本原理についてはほぼ同じである。プレス成形装置31の1成形サイクル中において、可動盤38が上昇されておらず、他の冷却盤40が所定の間隔に保たれているときは、抵抗加熱板46は前記冷却盤36,39および他の冷却盤40等に対して離隔されている。板状体Aがスタンパ49の上に載置、当接されると、次に可動盤38が上昇され、冷却盤39と他の冷却盤40が上盤35に固着された前記冷却盤36に向けて移動され、板状体Aとその上方のスタンパ49が当接されると、可動盤38の上昇は一時停止される。そして前記抵抗加熱板46に通電がなされ、抵抗加熱板46およびスタンパ49の昇温制御を開始する。そしてスタンパ49等が所定の温度に達すると、抵抗加熱板46への通電は停止され、再度加圧シリンダが作動し、可動盤38が上昇される。そして抵抗加熱板46がゴムシート47を介して、前記冷却盤36,39および他の冷却盤40等に当接される。その後なおも加圧シリンダ32により、冷却盤36,39および他の冷却盤40等の間で、スタンパ49により板状体Aに対して加圧および転写が行われる。なお抵抗加熱板46への通電の停止は、前記冷却盤36,39および他の冷却盤40等に対して抵抗加熱板46が当接するのと同時か、或いは僅かに前後であればよい。
次に図7に示される第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態のプレス成形装置61は、平板状の冷却盤62に対して離隔手段によって離隔移動される抵抗加熱板63が取付けられ、冷却盤62の表面64に弾性体からなる第五の絶縁体であるゴムシート65または絶縁塗装層が取付けられたものが第一の型である下型と第二の型である上型の少なくとも一方に設けられている点については、第1の実施の形態のプレス成形装置1と近似している。第3の実施の形態のプレス成形装置61においては、抵抗加熱板63の表面66側に、第1の実施の形態のように転写板であるスタンパ7が設けられていない。第3の実施の形態においては、スタンパ67は成形される板状体Aに当接されて共にプレス成形装置61に搬入・搬出される。この例ではスタンパ67の裏面側にスタンパ67と抵抗加熱板63の間を絶縁する第六の絶縁体であるゴムシート68が貼付けられるか、または絶縁塗装層が設けられている。そして抵抗加熱板63との間を絶縁するゴムシート68が貼付けられた2枚のスタンパ67が板状体Aの上下に当接されたものが、移載機69によりプレス成形装置61の下型の抵抗加熱板63の上に載置され、また成形後には搬出されるように設けられている。また第3の実施の形態では、抵抗加熱板63の表面66には絶縁体であるゴムシートが貼付けられ、ゴムシート68が貼付けられていないスタンパ67と板状体Aが当接されたものを、プレス成形装置61の抵抗加熱板63に貼付けられたゴムシートの上に搬入・搬出されるように設けてもよい。
また図7に示される第3の実施の形態の別の実施例として、スタンパ67を1枚のみとし、スタンパ67のパターン転写面71を板状体Aの片面のみに当接させ、板状体Aの片面のみに転写を行うようにしてもよい。また一枚のスタンパ67のパターン転写面71に比較的小さい板状体Aを複数枚当接させ、複数枚の板状体Aを同時に加圧し、転写成形を行うことも可能である。第3の実施の形態のプレス成形装置61は、第2の実施の形態のプレス成形装置31のような多段成形を行うことも可能である。更に第1の実施の形態のプレス成形装置1を用い、複数枚の板状体Aとスタンパ67とを交互に重ねて同時に成形を行うことも可能であるが、その場合は加圧時間等の成形条件の設定を考慮する必要がある。また、プレス成形装置61の制御方法については第1の実施の形態のプレス成形装置1の制御方法と基本原理についてはほぼ同じである。ただし下型が水平方向に移動可能な場合は、スタンパ67と板状体Aを当接させたものを、下型の抵抗加熱板63の上に載置させ、下型を上型の下方に移動させることにより、下型と上型の間に搬入する。
また図7に示される第3の実施の形態の更に別の実施例として、抵抗加熱板63の表面66を絶縁する第六の絶縁体は、移動可能な帯状の樹脂フィルムからなる例であってもよい。その場合、板状体Aに転写を行うスタンパ67と板状体Aが帯状の樹脂フィルムの上に載置され、図示しないロール等の樹脂フィルム搬送手段により帯状の樹脂フィルムを一方から他方へ移動させることにより前記抵抗加熱板63により加圧される成形空間70に対してスタンパ67とともに板状体Aを搬入し、プレス成形装置61で加圧および転写した上で搬出することができる。その場合の帯状の樹脂フィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニール樹脂、ポリイミド、フッ素系樹脂等の比較的耐熱温度が高い樹脂からなるフィルムが用いられる。よって第六の絶縁体として樹脂フィルムを用いる場合は、帯状の樹脂フィルムがキャリアフィルムの役割をするので、移載機69を設ける必要はない。そして板状体Aの上面側もスタンパ67によって転写する(凹凸のないブランクスタンパを含む)場合は、帯状の樹脂フィルムを上下に設けるようにする。また樹脂フィルムは、帯状のキャリアフィルムとしてではなく、所定の大きさに切断されたものを使用してもよい。
また次に図9に示される第4の実施の形態のプレス成形装置81について説明する。第4の実施の形態のプレス成形装置81には、加圧時における抵抗加熱板83の凹凸や温度ムラをより一層少なくするための機構が設けられている。プレス成形装置81は、平板状の冷却盤82に対して離隔手段によって離隔移動される抵抗加熱板83が、第一の型である下型と第二の型である上型の少なくとも一方に設けられている点については、第1の実施の形態のプレス成形装置1と同じである。プレス成形装置81では、第1の実施の形態においては第一の絶縁体に相当するゴムシート84が抵抗加熱板83の裏面側に当接され、前記ゴムシート84の裏面側に、前記ゴムシート84と同じ大きさの厚さ2mmのステンレス製の押圧板85が更に当接されている。よってゴムシート84は接着剤等を用いずに抵抗加熱板83と前記押圧板85との間にサンドイッチ状に配設されている。また金属製の押圧板85は、転写手段により成形される板状体Aの外形形状を最低限カバーする大きさに設けられている。そして前記押圧板85は、冷却盤82に取付けられた絶縁体押圧手段であるシリンダ86により抵抗加熱板83の側に押圧されており、冷却盤82に対する抵抗加熱板83の離隔とともに移動される。よってゴムシート84は、その裏面側から押圧板85により抵抗加熱板83に向けて押圧されている。第4の実施の形態は前記構成により、加圧時に抵抗加熱板83の表面に、接着剤の塗布ムラによる凹凸が発生することを防止している。またゴムシート84が均一に抵抗加熱板83に当接されるため、抵抗加熱板83の温度ムラをなくすことができる。
第4の実施の形態において抵抗加熱板83の離隔手段は、弾発体であるバネ87からなっており、バネ87は抵抗加熱板83の両端側に固定された抵抗加熱板取付部88に当接されている。そしてバネ87は抵抗加熱板83等の自重に対応する分だけ、下型側のバネ87の方が上型側のバネ87より弾発作用の強いものが用いられている。またベッドおよび上可動盤の側には、ホルダー89が設けられている。そして抵抗加熱板83が冷却盤82から離隔された際には、前記ホルダー89が前記抵抗加熱板取付部88に当接し、抵抗加熱板83の冷却盤82からの一定以上の離隔が規制される。第4の実施の形態では、抵抗加熱板取付部88のバネ87が当接する部分や、ホルダー89の内面は絶縁層となっている。また抵抗加熱板83は、その表面に転写パターンが形成されており、抵抗加熱板取付部88は直流電源に接続されている。なお、上型側の絶縁体押圧手段等の機構は、ゴムシート84が自重で抵抗加熱板83の裏面に当接されるために必ずしも必要はない。そして、第4の実施の形態において、絶縁体押圧手段は、シリンダ86に替えてバネを用いてもよく、離隔手段にシリンダを用いてもよい。そして離隔手段やホルダー89は冷却盤82に取付けられたものでもよい。また離隔手段の変形例として絶縁体押圧手段であるシリンダ86やバネにより、押圧板85等を介して抵抗加熱板83を冷却盤82に対して離隔させるようにしてもよい。第4の実施の形態の押圧手段を含む機構は、第2、第3の実施の形態でも採用可能である。第4の実施の形態のプレス成形装置81の制御方法は第1の実施の形態とほぼ同じであるが、離隔手段がバネ87の場合は、図示しない加圧シリンダにより、冷却盤82を上昇させたときに、冷却盤82に対して抵抗加熱板83と押圧板85の離隔がなされる。そして加圧時に、抵抗加熱板83は、押圧板85とゴムシート84を介して冷却盤82により冷却される。
前記第1の実施の形態ないし第4の実施の形態においては、転写板としてスタンパ7等を用いるか、または抵抗加熱板に転写手段が直接設けられた導光板を製造するプレス成形装置1,31,61,81について記載した。しかし成形される熱可塑性樹脂成形品については導光板に限定されず、レンズ、ディスク基板、メモリーカード、液晶表示装置の光拡散板等の他の光学製品の転写成形に用いてもよく、精密回路基板、パソコン用部品等や、その他の薄板状成形品に転写板により転写成形を行うものに用いてもよい。更に本発明は、熱可塑性樹脂板状体の成形について記載してきたが熱硬化性樹脂にも適用することができる。
本発明のプレス成形装置の断面図である。 本発明のプレス成形装置による加圧成形時の断面図である。 本発明のプレス成形装置による成形時におけるタイムチャートである。 本発明のプレス成形装置による成形時におけるフローチャートである。 本発明のプレス成形装置による成形時におけるフローチャートであって図4の続きを示すものである。 本発明の第2の実施の形態のプレス成形装置の一部断面図である。 本発明の第3の実施の形態のプレス成形装置の断面図である。 本発明のプレス成形装置により第一の絶縁体の厚さを変えて成形を行なった際のテスト結果を表す説明図である。 本発明の第4の実施の形態のプレス成形装置の断面図である。
1,31,61,81…… プレス成形装置
2,33…… ベッド
3 ……… 下型
4,37…… ラム
5 ……… 上可動盤
6 ……… 上型
7,49,67 ……… スタンパ
8,36,39,62,82 …… 冷却盤
9,43…… 温調用媒体通路
10,20,50,53,64,66 …… 表面
11,17,21,47,48,65,68,84…… ゴムシート
12 …… 凹部
13 …… 油圧シリンダ
14 …… ロッド
15,46,63,83…… 抵抗加熱板
16 …… 支持部
18a,18b …… 端子部
19 …… 電線
22,54
…… 裏面
23 …… 温度センサ
24,71
…… パターン転写面
25 …… 枠体
26,44,70 …… 成形空間
27 …… ベローズ
32 …… 加圧シリンダ
34 …… タイバー
35 …… 上盤
38 …… 可動盤
40 …… 他の冷却盤
41 …… 載置爪
42 …… 段部
45 …… 隔壁部
51,87
…… バネ
52 …… セラミック板
69 …… 移載機
85 …… 押圧板
86 …… シリンダ
88 …… 抵抗加熱板取付部
89 …… ホルダー
A ……… 略矩形の熱可塑性樹脂板状体

Claims (1)

  1. 第一の型と第二の型との間で熱可塑性樹脂板状体の加圧を行うプレス成形方法において、
    押出成形によって1次成形された熱可塑性樹脂板状体に対して、両面側から厚さ0.2ないし2.5mmのフッ素ゴムまたはシリコンゴムの弾性体を介して加熱可能な0.1mmないし1.0mmのニッケル製スタンパ(凹凸のないブランクスタンパを含む)からなる転写手段をそれぞれ当接させ、前記転写手段を前記熱可塑性樹脂板状体のガラス転移温度よりも高くするとともに真空ポンプによって成形空間内の減圧を行い、その後に本格的に加圧を行うとともに前記転写手段の冷却を行い、均一な転写を行うことを特徴とするプレス成形方法。
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