例えば、電力系統の故障ないし異常発生時における警報出力を入出力装置側にて報知するものとして、遠方監視制御装置から入力された電力系統の状態を表わすSV情報、TM情報の変化を検出し、検出された変化が電力系統の故障ないし異常によるものか否かを照合して判定し、得られた判定結果に基づいて警報出力を報知するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
図10および図11は、そのような広域警報監視システムの一例を示す構成図である。図10は、従来の広域警報監視システムの一例を示す構成図であり、図10に示す従来の広域警報監視システムでは、すべての計測点100、200から発生する警報信号が外部電話回線311を通して、直接、中央監視所300に送信され蓄積される。計測点100、200は、プロセス量を監視する箇所であり、監視計測手段101、201と警報発信手段102、202を有する。図ではそれぞれ1つずつしか示していないが、1つ以上の監視計測手段101、201と1つの警報発信手段102、202を有する。中央監視所300は、すべての計測点100、200から発生する警報情報を蓄積するものであり、中央処理サーバ301、302、記憶手段303、ルータ304、警報受信手段305を有し、計測点100、200における警報履歴は一括して中央監視所300で管理される。
中央監視所300は、警報が発生するとイントラネット310を介して所轄の監視所120、220に警報情報を送信し、監視所120、220では対応指示書を発行する。監視所120、220は、警報発生時に対応する係員が常駐する場所であり、ルータ123、223、対応指示手段122、222、対応指示書発行手段121、221を有し、警報が発生した場合には「対応指示書」という文書を発行する。各計測点100、200がどの監視所120、220に属するかは、計測点100、200が存在する地域によって決定される。この図10においては、計測点100は監視所120の所轄とし、計測点200は監視所220の所轄としている。
計測点100には、状態の監視を行う監視計測手段101と、中央監視所300に警報信号を送信する警報発信手段102がある。同様に、計測点200にも監視計測手段201と警報発信手段202とがある。計測点100の監視計測手段101が異常値を感知すると、警報発信手段102は警報信号を発する。警報発信手段102は中央監視所300に対して電話をかける。電話が接続した場合は、外部電話回線311を介して、警報信号を中央監視所300に送信する。
中央監視所300では警報信号を外部電話回線311に接続された警報受信手段305にて受信する。受信した警報信号は中央処理サーバ301と中央処理サーバ302に送られ、ここで警報信号を警報情報に変換して記憶手段303に保存する。なお、警報情報の重要性から、中央処理サーバは二重化されており、どちらか一方の「主たる」中央処理サーバが、記憶手段303に警報情報の書き込みを行う。以下ここでは、中央処理サーバ301を「主たる」中央処理サーバとする。
計測点100に関する警報情報が記憶手段303に書き込まれると、中央処理サーバ301はその情報を読み出し、計測点100を所轄する監視所120に送信する。中央監視所300のルータ304からイントラネット310を介して、監視所120のルータ123がこの警報情報を受信する。監視所120では、受信した警報情報を基にして、対応指示手段122が対応指示書の作成を行い、対応指示書発行手段121から、対応指示書を自動発行する。係員は、この対応指示書を基に計測点100から発せられた警報信号に対して適切な処置を行う。計測点200から警報信号が発せられた場合も同様の処理を行う。警報信号を外部電話回線311で中央監視所300に送信・蓄積し、その警報情報をイントラネット310を介して監視所220に送信し対応指示書の発行を行う。
図11は、従来の広域警報監視システムの他の一例を示す構成図である。この一例は、図10に示した一例に対し、地域統括管理所110、210を設け、イントラネット310を介して中央監視所300および監視所120、220に接続するようにしたものである。地域統括管理所110、210には外部電話回線130、230を介して計測点100、200が接続されている。地域統括管理所110、210は、地域単位で計測点を統括する場所であり、警報受信手段111、211、ローカル警報処理手段112、212、記憶手段113、213、ルータ114、214を有し、計測点100、200と中央監視所300との中間に位置し警報情報を蓄積する。
図11における従来の広域警報監視システムでは、計測点110、200から発生する警報信号が外部電話回線130、230を通して、一旦、所轄の地域統括管理所110、210へ送信され蓄積される。中央監視所300への送信は、地域統括管理所110、210からイントラネット310を経由して送信・蓄積される。また、警報が発生すると、地域統括管理所110、210から所轄の監視所120、220に警報情報を送信し対応指示書を自動発行する。
ここで、図11においては、計測点100は地域統括管理所110・監視所120の所轄とし、計測点200は地域統括管理所210・監視所220の所轄としている。計測点100には、状態の監視を行う監視計測手段101と地域統括管理所に警報信号を送信する警報発信手段102とを有し、同様に、計測点200にも監視計測手段201と警報発信手段202とを有する。
計測点100の監視計測手段101が異常値を感知すると、警報発信手段102は警報信号を発する。警報発信手段102は所轄の地域統括管理所110に対して電話をかける。電話が接続した場合は、外部電話回線130を介して警報信号を所轄の地域統括管理所110に送信する。
所轄の地域統括管理所110では警報信号を外部電話回線130に接続された警報受信手段111にて受信する。受信した警報信号はローカル警報処理手段112に送られ、ここで警報信号を警報情報に変換して記憶手段113に保存する。記憶手段113に計測点100に関する警報情報が書き込まれると、ローカル警報処理手段112はその情報を読み出し、計測点100を所轄する監視所120に送信する。地域統括管理所110のルータ114からイントラネット310を介して、監視所120のルータ123がこの警報情報を受信する。
監視所120では、受信した警報情報を元にして対応指示手段122が対応指示書の作成を行い、対応指示書発行手段121から、対応指示書を自動発行する。係員は、この対応指示書を基に計測点100から発せられた警報信号に対して適切な処置を行う。地域統括管理所110からは警報情報を一定の周期で中央監視所300に送信する。ローカル警報処理手段112が記憶手段113から警報情報を読み出し、ルータ114からイントラネット310に送信する。中央監視所300では警報情報をイントラネット310に接続されたルータ304にて受信する。受信した警報情報は中央処理サーバ301と中央処理サーバ302に送られ、記憶手段303に保存する。なお、警報情報の重要性から、中央処理サーバは二重化されており、どちらか一方の「主たる」中央処理サーバが記憶手段303に警報情報の書き込みを行う。
計測点200から警報信号が発せられた場合も同様の処理を行う。警報信号を外部電話回線230で所轄の地域統括管理所210に送信・蓄積し、その警報情報をイントラネット310を介して監視所220に送信し、対応指示書の発行を行うと共に、中央監視所300にも警報情報を送信・蓄積する。
ここで、計測点100,200から発せられる警報信号には、非常に緊急度の高いものも含まれるので、警報信号は迅速かつ確実に監視所120、220や中央監視所300に伝送し、係員によって適切に処置される必要がある。また、過去の警報履歴を保存することも必要である。これらの観点から警報信号の伝送経路は複数の経路を確保する必要があるとともに、警報情報の欠損や伝送失敗などが起こらないようにしなければならない。
特開平11−32448号公報
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる広域警報監視システムの全体構成図である。図11に示した従来例に対し、計測点100の警報発信手段102から外部電話回線230に接続される接続線11を設けるとともに、計測点200の警報発信手段202から外部電話回線130に接続される接続線12が設けられている。また、中央監視所300は2つのルータ304、305を有し二重化されている。図11と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
接続線11、12は、所轄の地域統括管理所電話番号に接続できないときは、予め登録された別の地域統括管理所の電話番号に自動的に切り替えて接続するものである。すなわち、計測点100で警報情報が発生したときは、外部電話回線130により所轄の地域統括管理所110に電話番号に接続する。このとき、その電話番号に接続できないときは、予め登録された別の地域統括管理所210の電話番号に、接続線11および外部電話回線230により自動的に切り替えて接続する。同様に、計測点200で警報情報が発生したときは、外部電話回線230により所轄の地域統括管理所210の電話番号に接続するとともに、その電話番号に接続できないときは、予め登録された別の地域統括管理所110の電話番号に、接続線12および外部電話回線130により自動的に切り替えて接続する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる広域警報監視システムの主要部の構成図であり、広域警報監視システムの計測点100、200および地域統括管理所110、210部分を示している。遠隔地にある2つの地域統括管理所110、210は1つの組を構成している。図2では計測点100、200にはそれぞれ1つの監視計測手段101、201を有している場合を示し、地域統括管理所110、210にはそれぞれ1つの計測点100、200を監視対象としている場合を示しているが、1つの計測点100、200には1つ以上の監視計測手段101、201を持ち、1つの地域統括管理所110、210では1つ以上の計測点100、200を管理対象とする。また、1つの地域統括管理所110、210は、計測点100、200からの警報信号を受け取るために、1つ以上の電話番号を持つ。ただし、すべての計測点に対応するだけの電話番号は持たないものとする。
各計測点100(200)には、それ自身が属する地域統括管理所110(210)が予め決められており、警報信号は所轄の地域統括管理所110(210)に外部電話回線130(230)を通して送信される。このため、所轄の地域統括管理所110(210)の電話番号が予め警報発信手段102(202)に登録されている。ただし、所轄の地域統括管理所110(210)と組をなすバックアップ地域統括管理所210(110)の電話番号も、予め警報発信手段202(102)に登録されている。
いま、計測点100の監視計測手段101が計測異常を感知し、それによって警報信号が発生したとする。そうすると、警報発信手段102はその警報信号を受け取り、所轄の地域統括管理所110に電話をかける。外部電話回線130がつながると、警報発信手段102は外部電話回線130を通して、所轄の地域統括管理所110の警報受信手段111に送信される。所轄の地域統括管理所110では、警報受信手段111が受信した警報信号がローカル警報処理手段112に送られ、ローカル警報処理手段112で警報信号を警報情報に変換した上で記憶手段113に保存される。
一方、所轄の地域統括管理所110の外部電話回線がすべて使用中の場合や、所轄の地域統括管理所110に異常がある場合には、計測点100は所轄の地域統括管理所110に電話をかけることができず、警報信号を送信することができない。そこで、警報発信手段102は、警報受信手段111に接続できない場合は、警報発信手段102に登録されたもう一つの電話番号、すなわち、所轄の地域統括管理所110と組をなすバックアップ地域統括管理所210に電話をかけて、警報信号をバックアップ地域統括管理所210に送信する。
この場合、外部電話回線がつながると、警報発信手段102は外部電話回線230を通して、バックアップ地域統括管理所210の警報受信手段211に警報信号を送信する。バックアップ地域統括管理所210では、警報受信手段211が受信した警報信号がローカル警報処理手段212に送られ、ローカル警報処理手段212で警報信号を警報情報に変換した上で、記憶手段213に格納される。
地域統括管理所210が所轄する計測点200の場合でも同様の動作を行う。すなわち、計測点200の監視計測手段201から発せられた警報信号は、所轄の地域統括管理所210で警報情報に変換され、記憶手段213に保存されるが、所轄の地域統括管理所210に伝送できない場合は、バックアップ地域統括管理所110の記憶手段113に保存される。
第1の実施の形態によれば、外部電話回線が使用中の場合、外部電話回線の異常、所轄の地域統括管理所自体の異常の場合などの原因で、計測点と地域統括管理所との間で外部電話回線が接続できない場合でも、バックアップ地域統括管理所との外部電話回線を通して警報信号を確実に伝送することが可能である。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係わる広域警報監視システムの主要部の構成図であり、広域警報監視システムの計測点100、200、地域統括管理所110、210およびイントラネット310部分を示している。また、図4は本発明の第2の実施の形態に係わる広域警報監視システムのソフトウェア処理の流れを説明したブロック図である。
この第2の実施の形態は、第1の実施の形態に対し、1つの組をなす2つの地域統括管理所110、210間でイントラネット310を介して警報情報を相互に交換しバックアップするようにしたものである。
図3において、計測点100から発せられた警報信号は、第1の実施の形態で説明した通り、外部電話回線130、230の状態によっては、2つの地域統括管理所110、210に分散して書き込まれる場合がある。従って、警報情報が分散している場合は、これらを一つに纏める必要があり、また、警報情報は異常監視とその後の対策のために重要であるので記憶手段113、213を多重化する。
以下、記憶手段113、213の多重化について、地域統括管理所110が所轄する計測点100で警報信号が発生した場合について説明する。なお、地域統括管理所210が所轄する計測点200の警報信号についても、同様の処理を行うことは言うまでもない。
互いに遠隔地に存在する地域統括管理所110、210間で、相互に警報情報を伝送する。この場合の警報情報の伝送の流れは2方向であり、この2方向の伝送は表裏一体の関係にある。一つは、所轄の地域統括管理所110からバックアップ地域統括管理所210への伝送であり、もう一つは、バックアップ地域統括管理所210から所轄の地域統括管理所110への伝送である。前者は警報情報の二重化を目的として行われるものであり、後者は外部電話回線接続が失敗した場合の警報情報の埋め合わせを目的として行われるものである。
これら2つの処理は、それぞれ独立して、常時あるいは定周期で行われる。いずれの場合も、図4に示すように警報情報を送信する「地域統括管理所(更新系)400」と、警報情報を受信する「地域統括管理所(引継系)410」とから構成されるが、どちらの地域統括管理所(所轄/バックアップ)がその役割を担うかは伝送方向によって異なってくる。
最初に、地域統括管理所110から地域統括管理所210への伝送について説明する。この場合、図4における「地域統括管理所(更新系)400」は地域統括管理所110であり、「地域統括管理所(引継系)410」は地域統括管理所210である。
計測点100から警報信号が地域統括管理所110(400)に正常に伝送されると、ローカル警報処理手段112の更新処理401によって、警報情報の内容が記憶手段113(402)に更新記憶される。このとき、記憶手段113(402)に対する更新内容として引継用ログ403が作成される(A)。
一方で、地域統括管理所210(410)のローカル警報処理手段212においては、引継項目受付処理414が常時あるいは定周期で動作しており、イントラネット310を介して、地域統括管理所110(400)に引継用ログ403が存在するかどうかを監視している。そして、引継用ログ403が作成されている場合は、地域統括管理所110(400)のルータ114・イントラネット310・地域統括管理所210(410)のルータ214を介して地域統括管理所210(410)に取り込み、ローカル警報処理手段212の引継項目受付処理414によって、引継用ログ413に更新する(B)。
引継用ログ413が更新されると、地域統括管理所210(410)では、ローカル警報処理手段212の引継処理411が引継用ログ413をチェックする。このとき、記憶手段113(402)に関する更新記録が引継用ログ413に存在しない場合は何もしないが、何らかの更新記録が存在する場合は、ローカル警報処理手段212の引継処理411は、更新記録の内容に基づき、イントラネット310を介して記憶手段113(402)より該当する警報情報を取り出し、記憶手段213(412)に更新すると同時に、引継用ログ413に更新が完了したことの印を付け内容を削除する。この時点で地域統括管理所間の引継は完了する(C)。
この後処理として、地域統括管理所110(400)の引継用ログ403を消去する処理を行う。地域統括管理所110(400)のローカル警報処理手段112においては、引継項目削除処理404が常時あるいは定周期で動作しており、イントラネット310を介して、地域統括管理所210(410)の引継用ログ413に更新完了の印が存在するかどうかを監視している。そして、印が存在する場合は、引継用ログ403の内容を消去すると共に、地域統括管理所110(400)のルータ114・イントラネット310・地域統括管理所210(410)のルータ214を介して地域統括管理所210(410)の引継用ログ413の更新完了の印を消去して引継処理を完了させる(D)。
次に、地域統括管理所210から地域統括管理所110への伝送について説明する。この場合、図4における「地域統括管理所(更新系)400」は地域統括管理所210であり、「地域統括管理所(引継系)410」は地域統括管理所110である。ちょうど、更新系と引継系との関係が先の場合とは逆になる。
計測点100からの警報信号を地域統括管理所110(410)に正常に伝送することができず、地域統括管理所210(400)に伝送・更新されたとすると、ローカル警報処理手段212の更新処理401によって、警報情報の内容が記憶手段213(402)に更新される。このとき、記憶手段213(402)に対する更新内容として引継用ログ403が作成される(A)。
一方で、地域統括管理所110(410)のローカル警報処理手段112においては、引継項目受付処理414が常時あるいは定周期で動作しており、イントラネット310を介して、地域統括管理所210(400)に引継用ログ403が存在するかどうかを監視している。そして、引継用ログ403が作成されている場合は、地域統括管理所210(400)のルータ214・イントラネット310・地域統括管理所110(410)のルータ114を介して地域統括管理所110(410)に取り込み、ローカル警報処理手段112の引継項目受付処理414によって引継用ログ413に更新する(B)。
引継用ログ413が更新されると、地域統括管理所110(410)では、ローカル警報処理手段112の引継処理411が引継用ログ413をチェックする。このとき、記憶手段213(402)に関する更新記録が引継用ログ413に存在しない場合は何もしないが、何らかの更新記録が存在する場合は、ローカル警報処理手段112の引継処理411は、更新記録の内容に基づき、イントラネット310を介して記憶手段213(402)より該当する警報情報を取り出し、記憶手段113(412)に更新すると同時に、引継用ログ413に更新が完了したことの印を付け内容を削除する。この時点で地域統括管理所間の引継は完了する(C)。
この後処理として、地域統括管理所210(400)の引継用ログ403を消去する処理を行う。地域統括管理所210(400)のローカル警報処理手段212においては、引継項目削除処理404が常時あるいは定周期で動作しており、イントラネット310を介して、地域統括管理所110(410)の引継用ログ413に更新完了の印が存在するかどうかを監視している。そして、印が存在する場合は、引継用ログ403の内容を消去すると共に、地域統括管理所210(400)のルータ214・イントラネット310・地域統括管理所110(410)のルータ114を介して地域統括管理所110(410)の引継用ログ413の、更新完了の印を消去して、引継処理を完了させる(D)。
この2つの処理が、組み合わせを成している2つの遠隔地にある地域統括管理所間で、計測点の警報情報の二重化と、外部電話回線の異常などによる警報情報の欠損の埋め合わせを、同時に実現するものである。
第2の実施の形態によれば、遠隔地にある地域統括管理所110、210に分散して保存されている同一計測点の警報情報について、イントラネット310経由で相互に同期することで相互の情報を同期すると共に、遠隔地間での二重化により、どちらかの地域統括管理所が機能を喪失しても、もう一方の地域統括管理所で警報情報を欠損なく処理することが可能である。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図5は本発明の第3の実施の形態に係わる広域警報監視システムの主要部の構成図であり、広域警報監視システムの計測点100、200、地域統括管理所110、210、イントラネット310および監視所120、220部分を示している。この第3の実施の形態は、第2の実施の形態に対し、地域統括管理所において演算処理した警報信号を予め登録された複数の監視所に同時に送信するようにしたものである。
図5において、計測点100は地域統括管理所110が管理するが、これとは別に警報発生時に対応する係員が常駐する監視所120、220があり、1つの監視所では、その地域にある計測点について係員が対応する。よって、1つの計測点に1つの監視所が対応することになる。第3の実施の形態では、所轄の監視所とは別にバックアップ監視所として、1つの計測点に1つ以上の監視所を追加登録しておく。
いま、地域統括管理所110の所轄の計測点100で警報が発生したすると、その内容が記憶手段113に書き込まれるが、書き込みが完了すると直ちにその警報情報がローカル警報処理手段112によって読み出され、ルータ114に送られる。ルータ114は、所轄の監視所120に警報情報をイントラネット310を介して送信する。所轄の監視所120では、警報情報をルータ123を通して対応指示手段122が受け取り、その内容を基に対応指示書発行手段121に対して対応指示書の発行を要求する。
そして、第3の実施の形態では、所轄の監視所120の他にバックアップ監視所にも同一内容の情報の伝送を行う。ここで、バックアップ監視所として監視所220が登録されているとすると、所轄の監視所120と同時にバックアップ監視所220に対しても警報情報をイントラネット310を介して送信する。バックアップ監視所220では、警報情報をルータ223を通して対応指示手段222が受け取り、その内容を基に対応指示書発行手段221に対して対応指示書の発行を要求する。
ここで、所轄の地域統括管理所110に異常があり、警報情報の伝送ができない場合は、バックアップ地域統括管理所210が所轄の地域統括管理所110に代わって同一の処理を行う。この場合、第2の実施の形態で述べたように、2つの地域統括管理所110、210間の記憶手段113、213の内容は同期しているので、地域統括管理所110、210間での代替処理は可能である。
第3の実施の形態によれば、複数の監視所に同時に警報情報を送信することにより、所轄の監視所が機能を喪失しても、別の監視所でこれをバックアップすることができる。また、所轄の地域統括管理所が機能を喪失した場合でも、別の地域統括管理所がその機能をバックアップすることで処理の継続が可能である。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図6は本発明の第4の実施の形態に係わる広域警報監視システムの主要部の構成図であり、広域警報監視システムの計測点100、200、地域統括管理所110、210、イントラネット310および監視所120、220部分を示している。この第4の実施の形態は、第3の実施の形態に対し、所轄の監視所との伝送ができない場合のみ、自動的にバックアップ監視所に警報情報を伝送するようにしたものである。
図6において、地域統括管理所110の所轄の計測点100で警報が発生したすると、その内容が記憶手段113に書き込まれるが、書き込みが完了すると直ちにその警報情報がローカル警報処理手段112によって読み出され、ルータ114に送られる。ルータ114は、所轄の監視所120に警報情報をイントラネット310を介して送信する。所轄の監視所120では、警報情報をルータ123を通して対応指示手段122が受け取り、その内容を基に対応指示書発行手段121に対して対応指示書の発行を要求する。
この場合、イントラネット310を介した所轄の地域統括管理所110と所轄の監視所120の間の伝送に異常がある場合は、警報情報を所轄の監視所120に伝送することができないので、第4の実施の形態では、所轄の監視所120に伝送できないときだけ、地域統括管理所110のルータ114が伝送先を自動的にバックアップ監視所220に切り替えて、バックアップ監視所220から対応指示書の発行を行う。また、所轄の地域統括管理所110の異常で伝送ができない場合は、バックアップ地域統括管理所210が所轄の地域統括管理所110に代わって同一の処理を行う。
第4の実施の形態によれば、所轄の監視所との伝送に異常がある場合でも、自動的に送信先監視所を変えることで、別の監視所でこれをバックアップすることができる。
次に、本発明の第5の実施の形態を説明する。図7は本発明の第5の実施の形態に係わる広域警報監視システムの主要部の構成図であり、広域警報監視システムの地域統括管理所110、210、イントラネット310および中央監視所300部分を示している。この第5の実施の形態は、第2の実施の形態に対し、地域統括管理所のローカル警報処理手段は、相互にバックアップする他方の地域統括管理所のローカル警報処理手段が中央監視所に警報情報を伝送することができないときは、その警報情報の伝送をバックアップするようにしたものである。
すべての計測点から発生する警報信号は、通常、所轄の地域統括管理所を経由して、中央監視所へ送られ蓄積される。計測点における警報履歴は一括して中央監視所で管理される。地域統括管理所110の所轄の計測点100における警報信号は、記憶手段113に記録されているが、これを一定の周期でイントラネット310を介して中央監視所300に伝送し、ルータ304を介して中央処理サーバ301、302に送られる。中央監視所300では中央処理サーバを二重化しており、どちらか一方に異常がある場合でも運用を継続することができる。警報情報はどちらか一方の中央処理サーバによって記憶手段303に更新され長期間保管される。過去の警報履歴はこの記憶手段303を参照することで行われる。
ところで、地域統括管理所110の所轄の計測点100からの警報信号は、バックアップ地域統括管理所210にも保存されており、互いにバックアップと同期処理を行っていることは既に説明した通りであるが、中央監視所300への伝送についても、バックアップ地域統括管理所が肩代わりする。すなわち、計測点100の情報は、所轄の地域統括管理所110に異常がある場合や、所轄の地域統括管理所110と中央監視所300との間の伝送に異常がある場合は、バックアップ地域統括管理所210に保存されている情報を中央監視所300に伝送する。
第5の実施の形態によれば、所轄の地域統括管理所から中央監視所への伝送ができない場合でも、バックアップ地域統括管理所との間で警報情報を二重化していることで、欠損なく迅速に中央監視所への警報情報の伝送が可能である。
次に、本発明の第6の実施の形態を説明する。図8は本発明の第6の実施の形態に係わる広域警報監視システムの主要部の構成図であり、広域警報監視システムの地域統括管理所110、210、イントラネット310および中央監視所300部分を示している。この第6の実施の形態は、中央監視所は、複数の地域統括管理所との伝送状態を常時監視し、地域統括管理所との伝送ができない場合に自動的に伝送元を別の地域統括管理所に切り替えるようにしたものである。中央監視所300は1つであるのに対して地域統括管理所は複数存在するため、イントラネット310と中央監視所300との間の伝送路が少ない場合は、ここで情報の混雑が発生する可能性がある。第6の実施の形態は、これを緩和するものである。
図8において、中央監視所300に複数台のルータ304、305を設置し負荷を分散する。地域統括管理所110の所轄の計測点100は、地域統括管理所110から中央監視所300への伝送時に中央監視所300側のルータ304を経由する。一方、地域統括管理所210の所轄の計測点200は、地域統括管理所210から中央監視所300への伝送時に中央監視所300側のルータ305を経由する。複数台のルータの設置は信頼性向上の意味もある。すなわち、ルータ304に異常が発生した場合は、各地域統括管理所は自動的に送信相手をルータ305に切り替えて送信を継続する。
第6の実施の形態によれば、中央監視所への経路を複数にすることで、警報情報の送信時の輻輳の影響を軽減でき、また信頼性の向上も可能で、欠損なく迅速に中央監視所への警報情報の伝送が可能である。
次に、本発明の第7の実施の形態を説明する。図9は本発明の第7の実施の形態に係わる広域警報監視システムの主要部の構成図であり、広域警報監視システムの計測点100、200,外部電話回線130、230、地域統括管理所110、210、イントラネット310、監視所120、220および中央監視所300部分を示している。この第7の実施の形態は、地域統括管理所のローカル警報処理手段は、監視所と中央監視所との両方へ同時に警報情報を送信するようにしたものである。すなわち、地域統括管理所110から送信する計測点100に関する警報情報をイントラネット310を通して、中央監視所300と監視所120とに同時に伝送する。第7の実施の形態によれば、警報情報について、すべての関連する部課に迅速にその情報を伝送することが可能である。
上述した各実施の形態において記載した手法は、コンピューターに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピューターは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行するものである。
100、200…計測点、101、201…監視計測手段、102、202…警報発信手段、300…中央監視所、301、302…中央処理サーバ、303…記憶手段、304…ルータ、305…警報受信手段、310…イントラネット、311…外部電話回線、120、220…監視所、121、221…対応指示書発行手段、122、222…対応指示手段、123、223…ルータ、110、210…地域統括管理所、111、211…警報受信手段、112、212…ローカル警報処理手段、113、213…記憶手段、114、214…ルータ、130、230…外部電話回線、