[遊技機の構成]
最初に図1〜図4を用いて、本実施形態に係わるパチンコ遊技機の外観構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1の全体構成を示す斜視図である。図2は、装飾ドア10を取外した状態で、遊技盤8と遊技盤8を取り付けるベースドア3との分解斜視図である。図3は、装飾ドア10の裏面側から見た斜視図である。また、図4は、パチンコ遊技機1を後面側から見た斜視図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、主な構成として外枠2にベースドア3、遊技盤8の前面を覆う透明部材(以下「保護ガラス16a」という)を支持する装飾ドア10、及び操作部4を取り付けた構成となっている。遊技盤8の前面を覆う透明部材としては、ガラス、強化プラスチック等を用いることができる。
図2に示すように、遊技盤8は、外レール20及び内レール21からなる案内レール19を備えた遊技板表面ユニット24と、遊技板裏面ユニット9と、及び表面側に遊技板表面ユニット24を取り付け、裏面側に遊技板裏面ユニット9を取り付けた遊技板11とから構成されている。ベースドア3には、遊技盤8や、遊技球を発射する図示せぬ発射装置などが配設されている。
また、外枠2には、図4に示すように、パチンコ遊技機1を制御する回路基板などからなる、表示制御装置28、メイン制御装置29、球払出制御装置30、払出・発射制御装置31等の各種制御装置や、外部端子27、電源ユニット32などが取り付けられている。球払出制御装置30は、補充用ホッパー26から補充した遊技球を貯留する図示せぬ球貯留タンクや図示せぬ球通路などを制御して、球貯留タンクに貯留されている遊技球を後述する上皿5、下皿6に排出する制御を行うことができる。
装飾ドア10は、ベースドア3に対して開閉自在に軸着されており、装飾ドア10の上部には、左右一対のスピーカ装置17が配設されている。また、装飾ドア10の中央に形成された開口には、光透過性を有する保護ガラス16aが支持されている。この保護ガラス16aは、装飾ドア10が閉鎖された状態で、後述する遊技盤8の前面を覆うように配設されている。
図3には、装飾ドア10を裏面側から見た斜視図を示しており、遊技盤8は、装飾ドア10の後方に位置するように配設されることになる。装飾ドア10の裏面側には、装飾ドア10の前面側に配設した上皿5に遊技球を払出す払出口5a、上皿5で溢れた遊技球を下皿6に排出する排出口6a等が形成されている。
図2に示すように、遊技板11の表面側には外レール20及び内レール21からなる案内レール19を備えた遊技板表面ユニット24がネジ等の固着手段によって取り付けられている。遊技板表面ユニット24を構成する案内レール19等は、光透過性を有する合成樹脂材によって構成されている。また、遊技盤8の裏面側には、ベースドア3で支持された液晶表示装置18が配設されている。ベースドア3の前面側における上方部位には、図示せぬ発光装置や左右一対のスピーカ装置17などが配設されている。
遊技板11もその全部が、光透過性を有する板形状の合成樹脂によって形成されている。これにより、遊技盤8としては、光透過性部材により一部又は全部の領域において後方を視認可能に構成されている。このため、ベースドア3の後方に配設される、後述する液晶表示装置18の表示画面18aが、光透過性を有する遊技板11と遊技板表面ユニット24及び保護ガラス16aを介して、前方から視認可能となっている。
遊技板11及び遊技板表面ユニット24を構成する光透過性を有する合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質を用いることができる。
操作部4は、装飾ドア10の下方側の部位に配設されている。図1に示すように、操作部4には、遊技球の貸し出し用操作、メニューの選択、決定、取り消しなどを行うメニュー操作などを行う操作部材、上皿5、下皿6、灰皿などが設けられている。
上皿5は、遊技に使用する遊技球を貯留すると共に、賞として払い出される遊技球を払出口5aから受け入れることができる。上皿5からオーバーフローした遊技球等は、下皿6への排出口6aを介して下皿6に排出することができる。また下皿6の右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル7がベースドア3に設けられている。
液晶表示装置18は、図2に示すように、ベースドア3に形成された開口を介して、遊技盤8の後方(背面側)に配設されている。液晶表示装置18は、遊技に関する画像を表示するための表示画面18aを有しており、表示画面18aがベースドア3に形成された開口を介して遊技盤8の全部又は一部と背面側から奥行き方向に重なるように配設されている。
表示画面18aには、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う図示せぬ演出表示部、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることになる。つまり、液晶表示装置18は、表示制御装置28からの制御信号によって、遊技に関する演出画像を表示画面18aに表示させることができる。
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置18を用いた例について説明しているが、これに限らず他の態様の画像表示装置を用いることもできる。例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットマトリックス状に配設したLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマディスプレイ等からなる画像表示装置を使用することもできる。
遊技盤8はその前面において、ハンドル7の操作によって発射された遊技球が転動可能な遊技領域12を有している。遊技領域12は、図2に示すように、その表面に外レール20と内レール21とから構成される案内レール19で囲まれた略円形の領域として構成されている。遊技領域12内には、遊技球の流下方向を変更させる図示せぬ複数の釘や風車等の障害部材が配設されている。
内レール21と外レール20との間に形成した遊技球の案内通路の下流側には、同案内通路から飛び出した遊技球が再び案内通路内に戻らないように規制する可撓性のゲート部材39が配設されている。また、遊技領域内における外レール20には、返しゴム25が配設されており、外レール20で案内されて来た遊技球が、返しゴム25に衝突することで元来た方向に跳ね返されることになる。
発射ハンドル7の周縁には、図示せぬタッチセンサ、図示せぬ発射停止スイッチなどが設けられている。遊技者がタッチセンサに触接したときには、遊技者により発射ハンドル7が握持されたものとして検知される。発射ハンドル7が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、回動操作された回動角度に応じて図示せぬ発射装置が制御されて、発射される遊技球の初速度を変更することができる。
また、発射ハンドル7が回動操作されている場合であっても、前記発射停止スイッチを操作することによって、発射装置による遊技球の発射を停止されることができる。
尚、発射ハンドル7に設けられるタッチセンサとしては、遊技者が発射ハンドル7を握持した状態を判別できるセンサであればよく、光学的に検知するセンサや、熱により検知するセンサ、静電容量を変化させるセンサ等、各種センサを用いることができる。
遊技領域12内における表示部としては、複数の特別図柄を変動表示すると共に演出画像を表示する図示せぬ演出表示部、普通図柄を変動表示する図示せぬ普通図柄表示部(演出表示部の一部を用いて画像表示される)が配設されている。これらの図柄は、液晶表示装置18の表示画面18aに表示させることができる。
遊技盤8は、遊技店の管理者などによって他の遊技盤に交換することが可能な構成となっており、必要に応じてバリエーションに富んだ新しい遊技盤や新しい演出が提供される遊技盤と交換することができる。尚、遊技盤8をパチンコ遊技機1専用の遊技盤として、固定した構成としておくこともできる。
遊技領域12内には、一般入賞口については図示を省略したが遊技球を入賞させる複数の入賞口44、45、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域12内から排出するアウト口47、球通過検出器50などが配設されている。図示せぬ演出表示部の周囲には、遊技板11の表面から立設したガイドレール23が設けられており、ガイドレール23によって遊技球が演出表示部の演出面側を落下しながら通過するのを防止している。
また、図示せぬ演出表示部の下辺側には、側方から飛び込んで来た遊技球を一時的に滞留させ、一時的に滞留させた遊技球を後述する始動入賞口44に流下させるステージ48が設けられている。
上記入賞口44、45等は、その機能によって複数種類に分かれて構成されている。図示せぬ一般入賞口は、遊技球が入賞したことを条件として所定数の賞球を排出する入賞口として構成されており、始動入賞口44は、図示せぬ演出表示部における特別図柄の変動表示を開始させる入賞口として構成されている。
また、大入賞口45は、図示せぬ演出表示部における図柄の停止表示態様が所定の入賞態様を構成した場合に、所定時間及び所定回数だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換えられる入賞口として構成されている。
大入賞口45の入口には、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能である図示せぬシャッタが配設されている。シャッタの上方には、図示せぬ始動入賞球センサを備えた始動入賞口44が設けられている。
始動入賞口44の左右上方には球通過検出器50が設けられており、遊技球が球通過検出器50上を通過したのを検出することができる。また、始動入賞口44の上部左右には、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で切換可能なチューリップ状の普通電動役物が設けられている。
球通過検出器50が遊技球の通過を検出することで、普通図柄表示部における普通図柄の変動表示を開始させることができる。普通図柄表示部において「当たり」となった場合には、通常の状態では遊技球を受け入れ難い状態となっている普通電動役物を、所定時間(例えば、0.3秒間)だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換える。普通電動役物は、始動入賞口44の上部に配されている。
球通過検出器50を通過した通過球の個数は、例えば4個まで記憶することができる。記憶された通過球の入賞記憶に基づいて、普通図柄表示部における図柄の変動表示が行なわれる。演出表示部には、球通過検出器50の通過記憶個数を表示する、例えば4個の普通図柄記憶LEDが設けられている。普通図柄記憶LEDの点灯個数は、球通過検出器50で検出した通過球の記憶個数を表示することができる。また、通過球を幾つまで記憶させるかに応じて普通図柄記憶LEDの設置個数を決めることができる。
始動入賞口44に遊技球が入賞した場合には、特別図柄ゲームが開始され、図示せぬ演出表示部において特別図柄を変動表示する変動表示状態に移行する。特別図柄の可変表示開始条件としては、本実施例では、始動入賞口44に遊技球が入賞したことを条件としており、普通図柄表示部における図柄の可変表示開始条件としては、本実施例では、球通過検出器50で検出する始動領域を遊技球が通過したことを条件としている。
特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示中に、新たな遊技球が始動入賞口44へ入賞した場合には、演出表示部において可変表示中の特別図柄が導出表示されるまで、当該始動入賞口44への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留される。
つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合(所定の可変表示保留条件が成立した場合)には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、特別図柄の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。
特別図柄の可変表示の実行が保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示の実行が開始される。尚、特別図柄が導出表示された場合に実行される特別図柄の可変表示の実行は一回分である。例えば、特別図柄の可変表示の実行が三回分保留されている状態で、特別図柄が導出表示された場合には、保留されている特別図柄の可変表示のうち一回分が実行され、残りの二回分は保留される。
また、特別図柄の可変表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、四回を上限として特別図柄の可変表示が保留される。このように特別図柄ゲームにおける識別情報の可変表示が保留された場合には、その保留個数を図示せぬ特別図柄記憶LEDに表示することとなる。
尚、本実施例においては、四回を上限として特別図柄の可変表示を保留するように構成した例及び4個を上限として球通過検出器50の通過記憶個数を保留するように構成した例を説明したが、これに限らず、別の態様で構成することもできる。例えば、一回(1個)又は複数回(複数個)を上限として、特別図柄の可変表示又は球通過検出器50の通過記憶個数を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、特別図柄の可変表示や球通過検出器50の通過記憶個数を保留しないように構成してもよい。
また、実施例の説明において、球通過検出器50が通過球の検出を行ったことや始動入賞口44に遊技球が入賞したことを所定の可変表示開始条件とした例について説明を行ったが、これに限らず、別の態様で所定の可変表示開始条件を設定することもできる。
図示せぬ演出表示部は、遊技領域12のほぼ中央に設けられた液晶表示装置18に設けられ、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。また、演出表示部では、特別図柄の可変表示以外にも、遊技状態に対応したアニメーション表示を行うことにより、遊技中の演出を行うことができる。
演出表示部に表示される特別図柄は、複数の図柄列(例えば、3列)から構成され、それぞれの列毎に独立して複数の図柄のうちから表示される構成となっている。複数の図柄列で構成する代わりに、例えば、一列の図柄列で構成することもできる。特別図柄としては、数字や記号等からなる図柄を用いることができ、例えば、“0”から“9”の数字と“−”の絵柄を用いることができる。
また、例えば、演出表示部において導出表示された特別図柄が特定の表示態様となった場合を「大当たり」としている。「大当たり」となった場合には、一般遊技と比較して遊技者にとって有利な特定遊技を行うことができる。特定の表示態様としては、通常大当たり図柄による表示態様、確変大当たり図柄による表示態様などを設定することができる。
通常大当たり図柄の表示態様としては、例えば、“8”−“8”−“8”などの偶数数字が導出表示される「通常大当たり」態様である。演出表示部での導出表示が通常大当たり図柄の表示態様となった場合には、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させ、移行させた大当たり遊技状態を最大15回のラウンド制御を行わせることができる。
確変大当たり図柄による表示態様としては、例えば、“7”−“7”−“7”、“9”−“9”−“9”などの奇数数字が演出表示部に導出表示される「確率変動(確変)大当たり」態様である。演出表示部での導出表示が確変大当たり図柄による表示態様となった場合には、遊技状態を大当たり遊技状態に移行させる。移行させた大当たり遊技状態の終了後には、特定遊技状態としての確変状態に移行する。この確変状態は、通常遊技状態よりも相対的に大当たり遊技状態に移行し易い状態であり、確変状態としては、通常遊技状態よりも相対的に大当たり遊技状態に移行する確率が高まる状態である。
大当たり遊技状態としては、例えば大入賞口45の入口を遮断している図示せぬシャッタを、所定時間及び所定回数だけ遊技球を受け入れ易い状態に開放して、一般遊技よりも多くの遊技球を入賞させることができる。これにより、大当たり遊技状態になると、多くの賞球を獲得することができる。
大入賞口45には、図示せぬ始動入賞球センサ及びカウントセンサを有する一般領域があり、同領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで前記シャッタは開放状態に駆動されることになる。
つまり、前記シャッタが開放状態であるときにおいて、大入賞口45への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタを閉じて大入賞口45に遊技球の受け入れを難い状態にすることができる。前記シャッタが開いてから閉じるまでの間を1ラウンドと称している。
例えば「通常大当たり」態様となって最大15ラウンドの大当たり遊技状態への移行が可能となっている場合には、1ラウンド終了する毎に大当たり遊技状態への移行を可能とするラウンド数が減算される。このため1つのラウンドが終了して、開放状態から閉鎖状態となった前記シャッタは、大当たり遊技状態への移行を可能とするラウンド数が残っていることを条件に、再度開放状態に駆動される。これを、ラウンド数がゼロになるまで繰り返されることになる。
尚、本実施形態における大入賞口45、前記シャッタは、遊技球が転動可能な遊技領域に設けられ、遊技球を受け入れ易い状態と、遊技球を受け入れ難い状態との間で変化可能な可変入賞装置の一例を説明したものである。
また、上述した「可変表示」とは、変動可能に表示される概念で用いているものであり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を包含しているものである。更に、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。尚、本明細書においては、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
図示せぬ普通図柄表示部は、図示せぬ演出表示部内における画像として表示されるようになっており、例えば2個の普通図柄が交互に点滅するようになっている。2個の普通図柄の点滅が終了して「当たり」が表示された場合には、始動入賞口44に設けられた普通電動役物を、所定時間だけ遊技球を受け入れ易い状態に切り換える。これにより、遊技球を始動入賞口44に入賞させ易くすることができる。
普通図柄表示部は、上述した構成の他に2個の普通図柄表示LEDを備えた構成とすることもできる。また、例えば7セグメント表示器等により構成することもできる。この場合には、7セグメント表示器に表示する普通図柄として、例えば「0」「1」「2」…「7」「8」「9」等の数字を変動表示し、停止表示された数字が「3」あるいは「7」となった場合を「当たり」とすることができる。
[不正行為部材の侵入防止機構]
図5、図9には、本発明に関わるパチンコ遊技機1枠体間の隙間を通過して、不正行為部材であるピアノ線40が遊技盤8内に侵入した例を、パチンコ遊技機1の模式的な横断面形状として示している。また、図6には、不正行為部材が挿入されていないときにおける可動障害部材の作動例を、パチンコ遊技機1の模式的な横断面形状として示している。
更に、図7、図8には、可動障害部材の作動前、作動後におけるパチンコ遊技機1の模式的な縦断面形状を示している。尚、以下で説明する他の不正行為部材及び侵入防止機構を含めて、不正行為部材及び侵入防止機構の構成を説明し易くするため、図示における縦横比を誇張して示してある。
また、図5〜図9では、装飾ドア10とベースドア3との間における隙間に、侵入防止機構を配設した場合について説明を行うが、侵入防止機構の配設場所は装飾ドア10とベースドア3との間における隙間に限定されるものではなく、不正行為部材の侵入が行われる恐れのある他の隙間の部位に配設することもできる。
侵入防止機構としては、上下方向に可動する可動障害部材33a、33bと、圧縮バネ34a、34bと、偏心カム部材35a、35bと、偏心カム部材35a、35bを回動させる図示せぬ駆動モータ等とから構成されている。可動障害部材33aは、圧縮バネ34aによって装飾ドア10側に近づくように付勢されており、偏心カム部材35aの回動により装飾ドア10から離間してベースドア3に近接するように制御される。
装飾ドア10に配設した支持フランジ36aには、回動軸37aが回動自在に支持されており、回動軸37aには偏心カム部材35aが一体回転自在に取り付けられている。図示せぬ駆動モータを駆動制御することで回動軸37aを回動させ、可動障害部材33aを装飾ドア10に対して接離するように制御することができる。
同様に、ベースドア3側には可動障害部材33bが配設されており、圧縮バネ34bによってベースドア3側に近づくように付勢されている。偏心カム部材35bは、図示せぬ駆動モータによって回転制御される回動軸37bに一体回転自在に取り付けられている。偏心カム部材35bの回動により、可動障害部材33bをベースドア3に対して接離するように制御することができる。回動軸37bは、ベースドア3に配設した支持フランジ36bによって回動自在に支持されている。
図5及び図7は、偏心カム部材35a、35bをそれぞれ凹部38a、38b内に収納して、可動障害部材33a、33bをそれぞれ装飾ドア10側及びベースドア3側に付勢した状態を示している。図6及び図8は、偏心カム部材35a、35bをそれぞれ作動させて、装飾ドア10とベースドア3との隙間を、千鳥状に移動させた可動障害部材33a、33bによってジグザグの通路形状とした状態を示している。
偏心カム部材35a、35bの作動は、図示せぬ制御装置からの指令により行うことができる。制御装置から図示せぬ駆動モータに対して出力される制御信号は、予め設定した制御条件に基づいて出力させたり、外部操作により前記制御装置を操作することで制御信号を出力させたりすることができる。
また、図示せぬ駆動モータに加わる負荷を検出することで、装飾ドア10とベースドア3との隙間にピアノ線40が挿入されているか否かの有無を判断することができる。例えば、図5で示す状態のように装飾ドア10とベースドア3との隙間にピアノ線40が挿入された後に、可動障害部材33a、33bをそれぞれ作動させると、図9に示すように可動障害部材33a、33bがピアノ線40に当接した状態となる。
このとき、駆動モータは、可動障害部材33a、33bをそれぞれ図6で示す位置まで移動させようと回転を行うが、可動障害部材33a、33bの移動がピアノ線40に邪魔されることにより、駆動モータにおける負荷が上昇する。即ち、駆動モータに加わる負荷を検出しておくことにより、可動障害部材33a、33bがピアノ線40等の不正行為部材に当接したか否かが検知できる。
可動障害部材33a、33bがピアノ線40等の不正行為部材に当接した状態の検知は、駆動モータにおける負荷を検出する代わりに、偏心カム部材35a、35bの回動角度を検出したり、可動障害部材33a、33bの移動量を検出したりすることで、検知することもできる。
可動障害部材の構成としては、例えば、図10で示すような開口51が、パチンコ遊技機に形成されている場合などには、開口51の周囲から断続的に同開口51内に出没する可動障害部材43を配設する構成とすることもできる。可動障害部材43はそれぞれ、作動シリンダ42の作動によって開口51内に出没させることができる。可動障害部材43が開口51内に挿入した不正行為部材に当接した状態は、作動シリンダ42で発生する圧力上昇を検出したり、作動シリンダ42のストローク量を検出することで検知できる。
可動障害部材43の駆動方法としては、作動シリンダ42を用いた駆動方法以外にも、例えば、可動障害部材43にラックを形成しておき、同ラックに噛合するピニオンを駆動モータのモータ軸に配設する構成等の駆動方法を採用することもできる。また、可動障害部材の先端部を開口51内の内周面に沿って摺動させるように、可動障害部材を開口51内で回動させる構成とすることもできる。
侵入防止機構の構成としては、図11に示すように可動障害部材52を、遊技盤8における外レール20の外側に形成したガイド溝56に沿って摺動させる構成とすることもできる。即ち、可動障害部材52の被ガイド片52bをガイド溝56に係合させることで、ガイド溝56に沿った摺動を可動障害部材52に行わせることができる。可動障害部材52は、駆動プーリー54aと従動プーリー54bとの間に張り巡らしたロープ又はワイヤー53によって牽引駆動させることができる。可動障害部材52には、障害片52aが立設されている。駆動プーリー54aに対してワイヤー53は、2回転以上巻かれており駆動プーリー54aとワイヤー53との間での滑りを防止して、駆動モータ55によって正逆転駆動される駆動プーリー54aの回転に応じてワイヤー53が牽引される構成となっている。
遊技盤8内に侵入したピアノ線等の不正行為部材に障害片52aが当接した状態を、駆動プーリー54aを駆動する駆動モータの駆動負荷が上昇することで検出することができる。駆動モータの駆動負荷を検出する代わりに、可動障害部材52が摺動するガイド溝56の両端部近傍にリミットスイッチ等を配設した構成とすることもできる。可動障害部材52を摺動させてから所定時間が経過しても、他端側に可動障害部材52が到着していないことをリミットスイッチ等によって検出することで、可動障害部材52が摺動の途中で不正行為部材に当接してそれ以上の移動が行えない状態であることを検出することもできる。
図12に示す侵入防止機構は、歯付きの駆動プーリー68aと従動プーリー68bとの間に内側に歯が形成された無端ベルト69を掛け渡した構成となっている。無端ベルト69には複数の障害片70が立設されており、図示せぬ駆動モータにより駆動プーリー68aを回転駆動させると、複数の障害片70は無端ベルト69の移動軌跡に沿って移動することになる。
また、障害片70の先端部側は、装飾ドア10の内面に形成した案内溝57内に挿入させておくことができ、同案内溝57に沿って摺動することができる。これにより、無端ベルト69及び障害片70の移動に伴う包絡面によって、装飾ドア10とベースドア3との隙間を完全に塞ぐことができる。
障害片70が不正行為部材に当接した状態は、無端ベルト69を駆動する駆動モータの負荷を検出することにより、求めることができる。
図13に示す侵入防止機構は、駆動用ネジ棒65の回転によって可動障害部材60を案内筒62内で摺動させる構成となっている。可動障害部材60の両側面には、案内筒62の開口部62aに摺動係合するスリット溝61が形成されている。また、可動障害部材60は駆動用ネジ棒65と螺合しており、駆動用ネジ棒65の回転により可動障害部材60は、案内筒62内を直線摺動することができる。
可動障害部材60の上端面又は案内筒62より上方に露呈している側面部に、障害片60aを立設することができる。図13では、障害片60aを可動障害部材60の上端面に立設した例を示し、図14では、障害片60aを可動障害部材60の側面に立設した例を示している。
障害片60aは先端部側がコイル状の螺旋形状を有しており、コイル状の螺旋係合部で不正行為部材を捕捉し易い構成となっている。また、障害片60aによって、軸受け部材63及び駆動部材66の上方の空間をカバーできるように、障害片60aの先端部側は、軸受け部材63側及び駆動部材66側に傾いた形状に構成されている。障害片60aの形状としては、図11で示したように、直線状の形状とすることもできる。また、図11、図12で示した障害片52a、70をコイル状形状とすることもできる。
駆動用ネジ棒65の一端側には、駆動部材66が取り付けられており、他端側は軸受け部材63により回転自在に支持されている。駆動部材66内には、駆動ネジ棒65を回転駆動する駆動モータ等が収納されている。駆動用ネジ棒65の他端側は、軸受け部材63に形成した軸受け孔63a内を貫通して挿入される。軸受け孔63aを貫通した駆動ネジ棒65の端部には係合溝65aが形成されている。同係合溝65aに係合用ワッシャー64を係合させることにより、軸受け部材63から駆動ネジ棒65の抜け止め構成としている。
案内筒62の両端部には、それぞれ軸受け部材63及び駆動部材66に係合する係合片62c、62dが形成されており、係合片62cを軸受け部材63の係合溝63bに係合させて案内筒62と軸受け部材63とを固定することができる。また、係合片62dを駆動部材66の被係合部66aに係合させることで、案内筒62と駆動部材66とを固定することができる。また、軸受け部材63及び駆動部材66の端面に形成した段差部は、係合片62c、62dとの係合時に案内筒62内に挿入させることができる。
このように構成された侵入防止機構は、例えば、図14で示すように遊技盤8の各側面部を取囲むように配設することができる。これにより、遊技盤8とベースドア3との間に形成される隙間を有効利用して、遊技盤8の四方を侵入防止機構で囲繞した構成とすることができる。尚、図14で示した可動障害部材60では、遊技盤8の各側面部と平行に障害片60aを配設させるため、障害片60aは可動障害部材60の側面部側に配設している。
図14で示すように、図示せぬ駆動モータを駆動させることで、可動障害部材60を遊技盤8の各側面部に沿って摺動させるこができ、遊技盤8の遊技領域12内に不正行為部材が侵入してしまうのを防止することができる。しかも、駆動モータの負荷を検出することにより、不正行為部材の侵入を検出することができる。
また、図13で示すように、案内筒62の両端部近傍には、可動障害部材60を検出するリミットスイッチを配設しておくこともできる。リミットスイッチは案内筒62に形成した検出窓62bから案内筒62内に突出するように配設することができ、可動障害部材60が案内筒62の端部側に移動して来たことを検出することができる。
リミットスイッチによる検出で、案内筒62の一端部側から他端部側に向けて摺動させた可動障害部材が、所定時間経過しても他端側に配設したリミットスイッチによって検出されないときには、障害片60aが不正行為部材に係合しているものと判断することもできる。
上述したように、侵入防止機構をパチンコ遊技機1に配設することで、不正行為部材の侵入を確実に検出することができる。また、可動障害部材を外部操作により作動させることで、不正行為が行われている疑いの高いパチンコ遊技機1の台に対して、不正行為の存否を確認することもできる。しかも、この場合、同パチンコ遊技機1の台の前に居る遊技者に感ずかれることなく、不正行為の確認作業を行うことができる。
本発明に関わる侵入防止機構は、例えば、図24で示したようなパチスロ機に対しても配設することができる。パチスロ機内に形成されている空間に本発明に関わる侵入防止機構を配設することで、不正行為部材がパチスロ機内に侵入したことを検出することができる。
[不正行為の確認・警報手段]
図15には、不正行為部材を用いた不正行為の確認及び警報手段を示すブロック図を示している。制御装置は、予め設定した制御プログラムに従って、あるいは外部操作信号に基づいて、可動手段を駆動制御することができる。可動手段を駆動制御することにより、上述した可動障害部材を作動させることができる。
不正検知手段は可動障害部材又は障害片と不正行為部材との当接を検知するため、可動手段における駆動モータ等の作動負荷を検出したり、可動障害部材を摺動させてからの作動時間と、予め設定した作動時間とを比較したり、可動障害部材の作動量、摺動量を検出したりすることができる。
報知手段は、可動障害部材又は障害片と不正行為部材との当接を検知した不正検知手段からの検出信号、または、不正検知手段からの検出信号を入力した制御装置からの出力信号によって、不正行為の発生を報知することができる。報知手段としては、パチンコ遊技機1に配設した液晶表示装置18やスピーカ装置17、演出用の発光装置を利用することができる。液晶表示装置18に警報を表示したり、スピーカ装置17から警報音を発したり、あるいはパチンコ遊技機1の発光装置から警告用の光を発光させたり点滅させたりすることができる。
また、制御装置は、外部出力手段を介して遊技店内に配設した遊技機外部の表示機器や警報機器に対して、異常状態を表示させたり警報を発したりすることができる。外部出力手段からの出力信号は、図4における外部端子27から出力させることができる。また、外部端子27から無線等を用いて、遊技店内にいる従業員が携帯しているトランシーバー等に対して、警報情報を報知することもできる。
更にまた、制御装置は、撮影制御装置を制御することによって、パチンコ遊技機1に配設したカメラ14(図1参照)の撮影手段に不正行為者の静止画又は動画を撮影するように制御することもできる。また、前記撮影手段に対して、不正行為が行われているパチンコ遊技機周辺の様子を撮影するように制御することもできる。更には、必要に応じて遊技店内に配設してある防犯カメラで不正行為が行われているパチンコ遊技機周辺の様子を撮影するように制御することもできる。パチンコ遊技機1に配設したカメラ14や店内に配設してある防犯カメラで撮影した画像情報は、上述した表示機器や外部表示機器に表示させることもできる。
また、制御装置は、時間計測手段を制御して、不正行為の行われている時刻、不正行為が行われた継続時間等の不正行為が行われた時間を計測して、犯行時間として記憶させておくこともできる。犯行時間記憶手段で記憶した犯行時間は、上述した表示機器や外部表示機器に表示させることができる。
パチンコ遊技機1に配設したカメラ14等で撮影した画像情報に、犯行時間も同時に記録させておくことができる場合には、時間計測手段を別途設けない構成とすることもできる。図16には、パチンコ遊技機1に配設したカメラにて撮影した、不正行為者の顔写真及び犯行時間の撮影例を示している。
また、払出装置での遊技媒体の払出制御を行う払出制御装置に対して、払出の停止を制御できる払出停止手段に対しての制御を、制御装置によって行うことができる。払出停止手段を制御することで、遊技媒体の払出しを停止させることができる。これにより、不正行為が行われたパチンコ遊技機1では、遊技媒体の払い出しが停止されることになる。従って、不正行為よる遊技店側の損害を最小に抑えておくことができる。また、不正行為者に対して、不正行為を行っても何ら利益を得ることができないことを、身をもって体験させることができる。
以下では、パチンコ遊技機1のメイン制御装置29(図4参照)で実行されるメイン処理のうちで、賞球に関わる主なメイン処理のフローについて、図17〜図19を用いて説明する。また、サブ制御で行われる不正行為の表示等に関わる主なサブルーチン処理のフローについて、図20から図23を用いて説明する。
[賞球に関わるメイン処理]
図4で示した払出・発射制御装置31には、図24においてパチンコ遊技機のブロックダイヤ図で示すように、発生制御回路、不正検知スイッチ、払出LED、トラブルLED、下皿満タンスイッチや球切れスイッチ、カードユニット等を接続したり配置した払出制御基板を備えている。
尚、不正検知スイッチは、図24では主制御基板、副制御基板及び払出制御基板のそれぞれに接続された構成を示しているが、不正検知スイッチを、主制御基板、副制御基板又は払出制御基板のいずれかに接続した構成とし、不正検知スイッチからの検知信号を入力した上記制御基板から他の制御基板に対して検知信号等を送信する構成とすることもできる。
払出制御基板上に配設したメインCPUでは、パチンコ遊技機の賞球制御に関するメイン処理を実行することになる。また、払出・発射制御装置31は、主制御基板を備えたメイン制御装置29と接続されており、メイン制御装置29から供給される各種のコマンドも参照して実行されることになる。
図17に示すように、ステップS11では、賞球制御に関わる作業領域等を初期化する初期化処理を実行する。そして、ステップS12では、球貸し制御を行うための、球貸し制御処理を実行する。球貸し制御処理としては、金銭の投入等により、遊技球の払出し(球貸しする)を行うためのデータを生成する球貸し信号出力データ生成処理、生成した球貸し信号出力データに基づいた球貸し払出処理、経路切換え処理を行うことになる。また、後述するように不正検知入力データがセットされており、不正行為が実行されていることを検出している場合には、球貸し制御処理として、貸し球の払出を停止させる制御を行うことになる。
ステップS13では、賞球制御処理を実行する。賞球制御処理としては、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータを生成する賞球信号出力データ生成処理、生成した賞球信号出力データに基づいた賞球払出処理、受信したメイン制御装置29からの賞球コマンドを解析する賞球制御コマンド処理を行うことになる。また、後述するように不正検知入力データがセットされており、不正行為が実行されていることを検出している場合には、賞球制御処理として、賞球の払出を停止させる制御を行うことになる。
ステップS14では、枠スイッチ検知処理を実行する。枠スイッチ検知処理では、上述した侵入防止機構を用いた不正検知手段によって行われる、不正行為の検知処理や球切れ検知処理を行うことになる。具体的には、払出制御基板上に接続された不正検知スイッチからの入力信号の有無を判断し、不正検知スイッチからの入力信号があった場合には、不正検知データをセットする。
ステップS15では、エラー表示処理を実行する。エラー表示処理としては、球切れ、満タン、通信エラー等が生じたときに、パチンコ遊技機1に配設した報知LEDを点灯制御することになる。ステップS15が終了すると、ステップS12に戻ってステップS12からステップS15の各制御を順次繰り返して実行することになる。
[コマンド割込処理]
メインCPUにおけるメイン処理の実行中に、所定のタイミング(例えば、メインCPUからの各種コマンドが出力されたタイミングなど)により、メイン処理を中断してコマンド割込処理を実行することになる。このコマンド割込処理のフローについて図18を用いて説明する。
ステップS21では、メイン処理を中断させるため、メイン処理において実行中のデータや割込を行う前のアドレス等をレジスタに退避させておく処理を実行する。
ステップS22では、受信コマンドをバッファーに記憶しておく処理を実行する。即ち、メイン制御装置29からの賞球コマンドを記憶しておく。
ステップS23では、ステップS21でレジスタに退避させていたデータ等を復帰させる処理を実行する。
ステップS24では、コマンド割込処理を終了させて、割込発生前のアドレスへ復帰し、中断させていたメイン処理を引き続いて実行させる。
[システムタイマ処理]
図24で示す主制御基板におけるメイン処理の実行中に、メイン処理を中断してシステムタイマ割込処理を実行する場合がある。システムタイマ割込処理は、リセット用クロックパルス発生回路から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、システムタイマ割込処理が実行される。このシステムタイマ割込処理のうちで、賞球制御に関わるシステムタイマ割込処理のフローついて、図19を用いて説明する。
ステップS31では、メイン処理を中断させるため、メイン処理で実行中のデータや割込を行う前のアドレス等をレジスタに退避させておく処理を実行する。
ステップS32では、カードユニット通信処理を実行する。カードユニット通信処理としては、カードユニットとの接続確認の処理を行い、カードユニットと球貸しに関する通信処理を行う。
ステップS33では、計数スイッチ検知処理を実行する。計数スイッチ検知処理としては、計数スイッチ(カウントスイッチ)で計数した値を検出して、払い出された遊技球の数を計数することになる。
ステップS34では、エラー検知処理が実行される。エラー検知処理としては、遊技球の過剰な払出しや球詰まりを検出することや、計数スイッチの短絡処理、計数スイッチにおける作動状態のチェック処理、所定時間内で球が流れたかどうかを監視して球詰まりを監視するタイマチェック処理を行うことになる。
ステップS35では、払出ソレノイド駆動制御処理を実行する。払出ソレノイド駆動制御処理としては、遊技球の払出状態において、払出用のモータやソレノイドなどの各アクチュエータを駆動させるための制御データとなる、例えば、払出用のソレノイドを駆動させる駆動時間や駆動回数等のデータをセットすることになる。
ステップS36では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理としては、払出ソレノイド駆動制御処理においてセットされた、払出用のモータやソレノイドなどの各アクチュエータを駆動させるデータに基づいて、各アクチュエータの駆動信号を出力することになる。
ステップS37では、ステップS31でレジスタに退避させていたデータ等をメイン処理に復帰させる処理を実行する。
ステップS38では、メイン処理において行っていた割込処理を終了させて、割込発生前のアドレスへ復帰し、中断させていたメイン処理を引き続いて実行させる。
[サブCPUにおけるメイン制御]
図24で示すようにメイン制御装置29(図4参照)の主制御基板は、表示制御装置28(図4参照)にある副制御基板と接続している。主制御基板から供給される各種コマンドに応じて、副制御基板に配設されたサブCPUによって、演出表示部における表示制御、スピーカ装置から発生させる音声に関する制御、装飾ランプなどを含むランプ装置などの制御を行うことになる。
サブCPUで実行されるメイン処理のフローについて図20を用いて説明する。尚、このサブCPUにおけるメイン処理は、電源が投入されたときに開始されることになる。
ステップS41では、サブCPUにおいて、ワークRAMへのアクセス許可、作業領域の初期化処理を実行する。
ステップS42では、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理としては、ワークRAMの所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する。
ステップS43では、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理としては、入力した各種コマンド、例えば、図柄の変動表示を行うための「変動パターンコマンド」などを解析し、解析したそれぞれのコマンドに応じたデータをセットする処理を実行することになる。
ステップS44では、表示制御処理を実行する。表示制御処理としては、液晶表示装置18(図2参照)に表示する図柄やキャラクター、不正行為発生時における警告文字、警告画像等の表示制御を行うことになる。
ステップS45では、スピーカ装置17(図1参照)から発生させる音の制御を行う音声制御処理を実行する。音声制御処理としては、遊技の興趣を高める音響効果やバックグランド・ミュージック(BGM)、不正行為発生時における警告音等の音声制御を行うことになる。
ステップS46では、ランプ制御処理を実行する。ランプ制御処理としては、装飾ランプに対する発光制御や不正行為報知ランプに対する発光制御を行うことになる。不正行為報知ランプとしては、専用のランプをパチンコ遊技機に配設することもできる。また、装飾ランプにおける発光の形態を通常とは異ならせることで、装飾ランプを利用した構成にすることもできる。
ステップS47では、障害部材駆動処理を実行する。障害部材駆動処理としては、上述した可動障害部材を作動させる上述した可動手段を駆動制御することになる。可動手段の駆動制御と同時に、不正検知手段を作動させて、可動障害部材が不正行為部材に当接したか否かの検知を行うことになる。
ステップS48では、撮影制御処理を実行する。撮影制御処理としては、ステップS47において不正行為部材のパチンコ遊技機内への侵入が検知された場合に、パチンコ遊技機に配設したカメラ14(図1参照)を作動させて、不正行為者の写真を含む撮影を行うことになる。また、撮影した画像をカメラに記憶させる処理を行う。
カメラとしては、静止画像を撮影するカメラを用いることも、動画を撮影するカメラを用いることも、静止画と動画とを選択的に撮影することにできるカメラを用いることもできる。また、必要に応じて遊技店内に配設してある防犯カメラを作動させる構成とすることもできる。
ステップS49では、時間計測処理を実行する。時間計測処理としては、ステップS47において不正行為部材のパチンコ遊技機内への侵入が検知された場合に、不正行為の犯行時間、例えば、不正行為が行われた時刻や不正行為が行われていた継続時間を計測する処理を行うとともに、計測した時間を記憶する処理を行うことになる。
これらの処理が終了した場合には、再度、ステップS42に処理を移し、ステップS42からステップS49までの処理を繰り返し実行することになる。
このように、サブCPUにおけるメイン処理においては、ステップS41での初期設定処理が終了した後においては、ステップS42からステップS49の各処理が繰り返し実行されることになる。
[サブCPUにおけるコマンド受信割込処理]
サブCPUでは、所定のタイミング(例えば、メインCPUからの各種コマンドがサブCPUに入力されたタイミングなど)により、サブCPUにおけるメイン処理を中断して、コマンド受信割込処理を実行することになる。このコマンド受信割込処理のフローについて図21を用いて説明する。
ステップS51では、サブCPUにおけるメイン処理を中断させるため、サブCPUにおけるメイン処理において実行中のデータや割込を行う前のアドレス等をレジスタに退避させておく処理を実行する。
ステップS52では、受信したコマンドをバッファーに記憶しておく処理を実行する。即ち、図24で示す主制御基板に配設したメインCPUから受信した制御コマンドを記憶しておく。
ステップS53では、ステップS21でレジスタに退避させていたデータ等を復帰させる処理を実行する。
ステップS54では、コマンド割込処理を終了させて、割込発生前のアドレスへ復帰し、中断させていたサブCPUにおけるメイン処理を引き続いて実行させる。
[サブCPUにおけるタイマ割込処理]
サブCPUにおける割込処理として、コマンド受信割込処理以外にもタイマ割込処理がある。タイマ割込処理では、定期的に受信した割込信号に基づいた処理を実行することになる。定期的に割込信号を受信するとサブCPUは、サブCPUにおいて実行していたメイン処理を中断して、タイマ割込処理を実行することになる。このタイマ割込処理のフローについて図22を用いて説明する。
ステップS61では、サブCPUにおけるメイン処理を中断させるため、サブCPUにおけるメイン処理において実行中のデータや割込を行う前のアドレス等をレジスタに退避させておく処理を実行する。
ステップS62では、タイマの値を更新する処理を行う。これにより、例えば、1/60secごとに、更新したタイマの値に応じた処理に切り換えることができる。
ステップS63では、スイッチ入力検知処理を実行する。スイッチ入力検知処理としては、副制御基板に接続された不正検知スイッチからの入力信号の有無を判断し、不正検知スイッチからの入力があった場合には、不正検知入力データをセットする。そして、ステップS63から矢印で示した処理が実行される。
即ち、ステップS71では、不正検知スイッチ入力処理が実行される。不正検知スイッチ入力処理としては、上述した可動障害部材を駆動する駆動モータ等の可動手段における負荷を検知することや、可動障害部材が所定の間隔を所定の時間内で移動したかを検知することになる。これらの物理量を検知することによって、可動障害部材又は可動障害部材に立設した障害片が不正行為部材に当接して可動障害部材のそれ以上の移動が停止しているか否かを検知する。
ステップS72では、操作スイッチ入力検知処理を実行する。操作スイッチは、パチンコ遊技機1に設けられ、遊技店の店員等が操作可能なスイッチであり、以下のステップS83で後述するように、撮影画像を表示させるために用いられる。
ステップS73では、スイッチ入力検知処理を終了させる。
ステップS64に戻ってステップS64では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理としては、警告LEDに対する電源信号の出力、可動障害部材を駆動する可動手段に対して駆動信号の出力を行うことになる。
ステップS65では、ステップS61でレジスタに退避させていたデータ等をメイン処理に復帰させる処理を実行する。
ステップS66では、サブCPUにおけるメイン処理において行っていた割込処理を終了させて、割込発生前のアドレスへ復帰し、中断させていたサブCPUにおけるメイン処理を引き続いて実行させる。
[表示制御処理]
表示制御処理としては、通常の遊技状態において表示する各種表示情報と、パチンコ遊技機が使用されていないときに表示するデモ画像とを、液晶表示装置18(図2参照)に表示する処理を行うことになる。しかも、本発明では表示制御処理として、不正行為が行われたときの警告表示やパチンコ遊技機1に配設したカメラ14で撮影した画像を、液晶表示装置18において表示させる処理を行わせることになる。
また、表示制御処理としては、パチンコ遊技機1の外部機器に配設した表示装置に対して、不正行為が行われたときの警告表示やパチンコ遊技機に配設したカメラ14で撮影した画像を表示させる処理を行わせることもできる。
尚、不正行為が行われたときの警告表示やパチンコ遊技機1に配設したカメラ14で撮影した画像を表示する表示装置を、液晶表示装置18とは別構成でパチンコ遊技機1に別途設けた構成とすることもできる。
[表示制御処理のフロー]
表示制御処理のフローについて図23を用いて説明する。
ステップS81では、不正検知スイッチがONとなっていて、不正行為が行われている状況が検出されているのか、あるいは、不正検知スイチがOFFとなっていて、不正行為の発生が検知されていないかの判断を行う。不正検知スイッチがONとなっている場合には、ステップS82に移って、警告表示処理を実行する。
即ち、図15で示す報知手段を作動させて、パチンコ遊技機1内の表示装置に警告表示を表示させることになる。
ステップS83では、操作スイッチがON状態か否かの判断を行う。外部出力手段、撮影制御手段等の操作を行う操作スイッチがON状態の時には、ステップS84に移って、撮影画像表示処理を実行する。即ち、パチンコ遊技機に配設したカメラ14で撮影した画像を、パチンコ遊技機内の表示装置やパチンコ遊技機の外部に配設した表示装置に表示させる。
ステップS84の処理が終了後、ステップS85に移って表示制御処理を終了する。
尚、ステップS81において不正検知スイッチがONとなっている場合には、ステップS82の代わりにステップS83及びステップS84の処理を先に実行して、ステップS84の実行後にステップS82の処理を実行させるフローとすることもできる。この場合、ステップS82として記載した警告表示処理が終了した後には、ステップS85における表示制御処理の終了処理を実行することになる。
ステップS81において、不正行為の発生が検知されていないときにはステップS86に移る。ステップS86では、変動パターンデータがセットされているか否かの判断を行う。即ち、遊技状態に応じて演出表示部に表示される特別図柄の可変表示や普通等の変動表示を行う変動パターンデータが、セットされているかの判断を行う。
ステップS86において、変動パターンデータがセットされている場合には、ステップS87に移って、変動表示処理を実行する。変動表示処理としては、ステップS86でセット状態を検出した変動パターンデータに基づいた表示処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS85移って、表示制御処理を終了する。
ステップS86において、変動パターンデータがセットされていない場合には、ステップS88に移って、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS85移って、表示制御処理を終了する。
上述した本発明の実施例では、パチンコ遊技機1を例示して説明を行ったが、本発明は図24で示すようなスロットマシーンに対しても有効に適用することができる。また、図1及図24におけるカメラ14の配設位置としては、少なくとも不正行為者の顔写真を撮影することができる場所であればよく、図1及図24で示した配設位置以外にも適宜の場所にカメラ14を配設することができる。また、装飾ドア10に形成したキャラクター模様等にカメラを紛れ込ませることで、カメラが配設されていることを認識され難く構成することもできる。
1・・・パチンコ遊技機、2・・・外枠、3・・・ベースドア、8・・・遊技盤、10・・・装飾ドア、14・・・カメラ、18・・・液晶表示装置、27・・・外部端子、33a、33b・・・可動障害部材、35a、35b・・・偏心カム部材、40・・・ピアノ線、42・・・作動シリンダ、43・・・可動障害部材、52・・・可動障害部材、52a・・・障害片、53・・・ワイヤー、54a・・・駆動プーリー、54b・・・従動プーリー、55・・・駆動モータ、56・・・ガイド溝、57・・・案内溝、60・・・可動障害部材、60a・・・障害片、62・・・案内筒、63・・・軸受け部材、65・・・駆動用ネジ棒、66・・・駆動部材、68a・・・駆動プーリー、68b・・・従動プーリー、69・・・無端ベルト、70・・・障害片。