JP4678432B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置に係り、特に、スピーカを有する耳当てパッドを備えた撮像装置に関する。
画像入力部であるカメラ部と、このカメラ部で撮像した画像を記録する画像記録部とを一体にした所謂カメラ一体型画像記録装置(以下、単に撮像装置とも称する)が普及している。
画像記録部は、静止画、動画、音声などを記録媒体に記録し、その記録媒体として、テープ、HD(ハードディスク)、光ディスク、メモリカードなどが利用される。また、一般的に、記録媒体に記録された画像等の再生も可能である。
この撮像装置の形態としては、大別して、本体を肩に載せて撮影を行うショルダ型(肩のせ型)と、本体を手で持って撮影を行うハンドヘルド型(手持ち型)とがある。
家庭用では、誰でも簡単に操作できるように小型化,軽量化が進み、ハンドヘルド型が主流となっている。
一方、ショルダ型は、安定して撮影できるという利点があり、特に放送用、業務用、ハイアマチュア用として使用されている。
また、主に業務用途向けとして、種々の記録媒体を用いて記録または再生が可能となるように、撮像素子を備えた画像入力部の後部に画像記録部を着脱可能としたタイプがある。
このような撮像装置を使用する際に、撮影と音声モニタとを同時に行えるようにすることが要望されている。そして、それを可能にするため、ショルダ型の撮像装置本体にスピーカを内蔵したものが知られている。
ところが、近年、撮像装置本体の小型化が進み、本体の高さ方向の寸法も小さくなっている。このような小型化されたショルダ型の撮像装置では、本体を肩に載せた際の耳の位置が、その本体の上部に備えられたハンドル部に位置するようになってきた。
そこで、本願の出願人は、モニタ用スピーカと耳を当てた際に良好な圧接感が得られるためのパッドとを有するパッド部をハンドル部に設けた撮像装置を提案している(特許文献1参照)。
特開2006−303571号公報
ところで、ショルダ型のカメラ一体型撮像装置は、一般的に、多彩な撮影を可能にするために、レンズ交換が可能な構造となっている。
従って、撮像装置本体に、光軸方向の長さが短い短焦点系のレンズを装着した場合と光軸方向の長さが長い長焦点系のレンズを装着した場合とでは、レンズと本体とを合わせた装置全体の光軸方向の重心位置が異なる。
また、撮像装置が映像記録部を交換可能としたタイプである場合には、装着される映像記録部の種類により、光軸方向の重心位置が異なる。
使用者が撮像装置を肩に乗せる際には、安定した撮影姿勢をとるために、肩の上方に撮像装置の重心位置がくるようにその撮像装置を肩載せする。
従って、本体に装着されたレンズや画像記録部に応じて、肩に載せた撮像装置のハンドル部の前後方向位置が異なってくる。すなわち、ハンドル部に対する最適な耳の位置が前後方向にずれる。
特許文献1に記載された撮像装置は、パッド部が、ハンドル部の後部側支柱に対して前後方向の位置が固定されて取り付けられているものであった。
従って、使用者が、撮像装置を肩の上方に撮像装置の重心位置がくるように肩載せすると、装着したレンズや画像記録部によっては、耳の位置とパッド部の位置が前後方向でずれる場合があり、改善の余地があった。
また、撮像装置が小型になるに伴いその前後方向の長さ(全長)も短くなっていることもあり、撮像装置を肩に載せた場合の耳の位置がハンドル部の持ち手の部分に位置する場合がある。
しかしながら、ハンドル部の持ち手の部分にパッド部を配置すると、ハンドル部を手で持つときにパッド部が邪魔になって持ちにくくなるという問題が生じる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、撮像装置が小型であっても、また、装着するレンズや画像記録部の形状などによらず、安定した姿勢で肩載せしつつ良好な音声モニタが可能で、ハンドル部を手で持つ場合にもパッド部が邪魔にならず確実に手でハンドル部を把持できる撮像装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の1)〜3)の構成を有する。
1) レンズを介して入射した光を電気信号に変換する撮像素子(10Ha)を内部に有する略箱状の本体部(10H)と、
前記本体部(10H)の上面(10Ht)に取り付けられたハンドル部(107)と、
前記ハンドル部(107)に取り付けられ、ケース(KS)と前記ケース(KS)に収納したスピーカ(310)と前記スピーカ(310)からの音を外部に放出するよう前記ケース(KS)に設けられた放音孔部(108a)と前記ケース(KS)に取り付けられた耳当てパッド(303)とを有するパッド部(108)と、を備え、
前記パッド部(108)は、前記ハンドル部(107)に対して、前記放音孔部(108a)の中心(108aJ)位置を通らない位置に設定された回動軸(CL1)のまわりに回動可能なよう連結されており、
前記放音孔部(108a)は、前記パッド部(108)の回動に伴い前記レンズの光軸(CL)方向に移動するよう構成されていることを特徴とする撮像装置(10)である。
2) 一端側が前記スピーカ(310)に接続され他端側が前記ハンドル部(107)の内部に引き込まれているコード(306)と、前記コード(306)を前記スピーカ(310)と前記ハンドル部(107)との間で保持するコード保持部(304d)と、を有することを特徴とする1)に記載の撮像装置(50)である。
3) 前記パッド部(108)の所定の回動位置においてクリック感を発生させるクリック発生部(304e,301f2)を有することを特徴とする1)または2)に記載の撮像装置(50)である。
本発明によれば、装着するレンズや画像記録部の形状などによらず、安定した姿勢で肩載せしつつ良好な音声モニタが可能で、ハンドル部を手で持つ場合にもパッド部が邪魔にならず確実に手でハンドル部を把持できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図11を用いて説明する。
図1及び図2に示す実施例の撮像装置は、カメラ一体型の撮像装置10である。この撮像装置10はいわゆるショルダ型と呼ばれ、使用者の肩に載せて撮影などが行われるタイプである。
図1は撮像装置10の左側面側から見た側面図であり、図2は撮像装置10の右後ろ上方側から見た斜視図である。
ここで、前後左右上下は、図2に示すように、前を被写体側とし前後をレンズ部10Lの光軸CL方向とする。
撮像装置10は、撮像素子10Haと画像信号処理回路10Hd1と音声信号処理回路10Hd2とを内部に収めた本体部10Hを有する。
本体部10Hは、前方側のレンズ部10Lと後方側の画像記録部10Kとが着脱自在とされている。画像記録部10Kは再生機能を有していてもよい。
撮像素子10Haはレンズ部10Lを通過して入来した撮像光を電気信号に変換して出力する。
画像信号処理回路10Hd1は、撮像素子10Haから出力された電気信号に対して種々の処理を施し画像信号として出力する。この出力された画像信号に基づき、画像記録部10Kは記録媒体に画像を記録し、電子ビューファインダ102は画像を表示する。
音声信号処理回路10Hd2は、マイクロフォン106から出力された音声信号を処理して音声出力端子201に送出する。音声出力端子201はハンドル部107の後方側に設けられている。
音声出力端子201からは、マイクロフォン106で収音した音声信号の他、画像記録部が再生機能を有する場合の再生音声信号,外部入力端子201a(図2参照)から入力される外部のマイクロフォンや再生機器などからの音声信号が出力され、音声出力端子201に接続した再生機器(イヤホンや外部スピーカなど)によってモニタできるように構成されている。
レンズ部10Lは、長焦点レンズや短焦点レンズ、あるいはズームレンズ等種々のものから選択して装着が可能とされたレンズである。
画像記録部10Kは予め備えられた記録媒体、または着脱可能として装着された記録媒体に対して画像などを記録する。記録媒体としては、テープ、HD(ハードディスク)、光ディスク、メモリカードなどがある。
本体部10Hは略箱状の筐体10Hsを有する。
本体部10Hに装着された画像記録部10Kの底面(下面)側には、ショルダパッド101が配設されている。このショルダパットは、筐体10Hsまたは画像記録部10Kに連結されている。
また、筐体10Hsの上面部10Htには、ハンドル部107がねじ止め等により着脱自由に装着されている。
ハンドル部107の前方側にはアイカップ103を有する電子ビューファインダ102と上述のマイクロフォン106とが装着されている。また、左後方側にはパッド部108が装着されている。
パッド部108についての詳細は後述する。
レンズ部10Lのレンズ筐体104には、レンズグリップ105が備えられている。
図2において、ハンドル部107の後面107bcには、音声出力端子201及び外部入力端子201aが備えられている。上述のように、イヤホンや外部スピーカをこの音声出力端子201に接続することで、音声をモニタすることができる。
ハンドル部107は、マグネシウムなどの金属のダイキャストによって枠状またはアーム状に形成されている。ハンドル部107は樹脂の射出成形で形成してもよい。
枠状の場合の具体的形状としては、筐体10Hsの上面部10Htに装着するための取り付け部材などを具備した装着部107aと、装着部107aから前後にそれぞれ延びる前基部107b及び後基部107cと、前基部107b及び後基部107cのそれぞれの端部から上方に向けて延出した前支柱107dと後支柱107eと、前支柱107dと後支柱107eとの先端部を連結する把持部107fを、を有する。
装着部107a,前基部107b,前支柱107d,把持部107f,後支柱107e,及び後基部107cで囲まれて開口部107gが形成され、手でハンドル部107を把持する際には、この開口部107gに指が挿通される(図9参照)。
ハンドル部107には、パッド部108が取り付けられている。
具体的には、パッド部108は後支柱107bの把持部107fに近い側または両者の連結部近傍に取り付けられている。
パッド部108は、チークベース301とパッドホルダ302と(図3参照)が組み合わされてなる概ね閉じた箱状のケースKS、ケースKSの内部に収納したスピーカ310,スピーカ310に一端側が接続され他端側にプラグ307を有する接続コード306,ケースKSに取り付けられ弾力性を有する耳当て303,及びスピーカ310からの音声が外部に放出される孔としてケースKSに設けられた放音孔部108aを備えている。
そして、コード306の他端側のプラグ307を音声出力端子201に接続させることで、パッド部108による音声モニタが可能になっている。
パッド部108は、撮像装置50の左右方向に延在するよう設定された軸CL1の周りに回動して、ハンドル部107に対する前後方向の位置を調整できるように装着されている。この調整構造について、パッド部108の構造と共に次に詳述する。
図3は、パッド部108をハンドル部107に取り付けた状態における図1のB−B断面位置に相当する断面図である。
図4は、ハンドル部107の一部を含むパッド部108分解斜視図である。
図5はチークベース301の四面図と2つの断面図である。すなわち、図5(a)が正面図、図5(b)がC−C断面図、図5(c)が上面図、図5(d)がD−D断面図、図5(e)が右側面図、図5(f)が後面図である。
図6は、パッドホルダ302の六面図である。すなわち、図6(a)が正面図、図6(b)が下面図、図6(c)が上面図、図6(d)が左側面図、図6(e)が右側面図、図6(f)が後面図である。
パッド部108は、長丸状の底部301btを有しその対向面側が開放された略箱状のチークベース301と、チークベース301の開放端側を塞げるように形成された長丸平板状のパッドホルダ302と、パッドホルダ302の内面302a側に取り付けられたスピーカ310と、パッドホルダ302の外面302a2側に取り付けられる耳当て303と、を有している。
図4において、ハンドル部107の左側面107hにおける後支柱107bの把持部107fに近い側には、突出部107jが形成されている。
図7は、この突出部107jを示す三面図である。
図7(a)は、突出部107jの正面図(撮像装置10の左側面側から見た図)であり、図7(b)は、その右側面図であり、図7(c)はF−F断面図であり、図7(d)はG−G断面図である。
図4及び図7において、突出部107jには、左側面107hに直交する軸CL1を中心として略ダブルDカットの筒状に突出する筒状突部107j1及び一対のボス107j2が形成されている。ボス107j2にはそれぞれ下穴107j4が形成されている。
また、筒状突部107j1には中心CL1を挟んで互いに対向する位置に軸CL1方向に切り込まれたスリット107j3が一対形成されている。
また、ハンドル部107の左側面107hにおいて、突出部107jに対する前上方側には、ダボ107kが形成されている。
図4及び図6において、パッドホルダ302は、長丸形の平板状に形成されている。また、パッドホルダ302は、例えば樹脂の射出成形により形成されている。使用される樹脂の例としてABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂がある。
パッドホルダ302の内面302aには円環状に突出する環状壁部302bが形成されている。スピーカ310は、この環状壁部302bの内側に嵌り込むように収められる。
パッドホルダ302の内面302aにはボス302cが形成されており、そのボス302cの下孔に対してネジ312aをねじ込むことにより、板バネであるスピーカブラケット311が片持ち固定されている。
また、スピーカブラケット311の先端側がスピーカ310の後面310aをバネ力により付勢するようになっており、その付勢力でスピーカ310はパッドホルダ302に保持されている。
パッドホルダ302における、スピーカ310の放音面310bに対向する範囲には、音を外部に放出するための放音孔部108aが設けられている。
放音孔部108aは、小径の放音孔108a1が複数集合した概ね円形の領域として設けられている。
実施例では、スピーカ310の駆動軸KJと放音孔部108aの中心軸108aJとが一致するように設定されているが、一致せずにずれていてもよい。
スピーカ310には、接続コード306(図3に図示、図4及び図6には不図示)が電気的に接続されている。
図4及び図5に示すように、チークベース301は、長丸形状で一面側が開放した略箱状に形成されている。また、チークベース301は、例えば樹脂の射出成形により形成されている。使用される樹脂の例としてABS樹脂がある。
チークベース301は、短手方向及び長手方向の中心CTRの位置に対して、長手方向に距離d1だけ偏った位置を中心CTR1とする円形の開口部301dを有している。この開口部301dの縁部には、開放した一面側へ突出する環状の周壁部301eが形成されている。
また、開口部301dに対して長手方向反対側に、一対の貫通孔301cが形成されている。
また、チークベース301は、中心CTRを芯として、開放した一面側の反対側に向けて突出する環状突壁部301fが形成されている。環状突壁部301fの先端面は平坦面とされており、中心CTRから同心で所定の角度範囲θで延在するように円弧状の溝301bが設けられている。
実施例において、θ≒180°とされている。
環状突壁部301fの内側面には、円周面301f1と、その円周面301f1における中心CTRを挟んで対向する位置に形成された一対のクリック発生部301f2と、が設けられている。
一対のクリック発生部301f2は、円周面301f1の内径r1を小さくする方向に突出する一対の突部301f3をそれぞれ有している。
図4に示すように、ハンドル部107の突出部107jに対しては、テンションリング304,チークベース301,金属ワッシャ305,ポリスライダー(登録商標)で形成された一つ目のスライダリング306a,ウェーブワッシャ307,二つ目のスライダリング306b,及びテンションプレート308が、その順で重ねられ、ウェーブワッシャ307が適度につぶれるよう押しつけた状態でネジ312b、312cをボス107j2にねじ込むことにより、ハンドル部107に固定されている。
詳しくは、図3に示すように、金属ワッシャ305,スライダリング306a,ウェーブワッシャ307,及びスライダリング306bは、チークベース301の周壁部301eの外周面に嵌合するように取り付けられる。
テンションリング304は、チークベース301とハンドル部107との間で突出部107jに嵌り込むように取り付けられる。
ウェーブワッシャ307は図4の軸CL1方向の与圧を発生させるように設けられている。
テンションプレート308には、中央部分に、ハンドル部107の突出部107jの外形形状に対応した形状でその突出部107jを挿通する孔308cが形成されている。
従って、テンションプレート308は、ハンドル部107に対する軸CL1まわりの回動が規制されている。
そのため、チークベース301は、テンションプレート308及びハンドル部107に対して軸CL1まわりに、ウェーブワッシャ307の弾性反発力により生じる静止及び動(摺動)摩擦力に抗した回動が可能となっている。
ウェーブワッシャ307を挟むように配置されるスライダリング306a、306bは、チークベース301の回動に伴う磨耗を防ぎ、安定に摺動(回動)を行うために備えられている。
また金属ワッシャ305はチークベース301が変形して摺動が不安定になるのを防止するため、剛性の補強を目的としてチークベース301に当接するよう配置されている。
また、ハンドル部107のダボ107kは、チークベース301の後面301a側に、軸CL1と一致する中心CTRから同心に所定の角度範囲θ(図5参照)で設けられた円弧状の溝301bに係合する。
従って、チークベース301は、概ね角度範囲θでの回動が可能となっている。
繰り返しとなるが実施例ではθ≒180°とされている。
スピーカ310が取り付けられたパッドホルダ302は、チークベース301の一対の孔301cを貫通してパッドホルダ302の下穴302d(図6参照)にねじ込まれるねじ312d、312eによってチークベース301に固定される。これにより、チークベース301とパッドホルダ302とスピーカ310は、ハンドル部107に対して一体的に回動する。
スピーカ310に接続された接続コード306は、図3に示すように、突出部107jの内側を通過するように引き回され、テンションリング304により支持されている。
図8は、テンションリング304を示す図である。図8(a)は正面図であり、図4の左方側から見た平面図である。図8(b)は下側面図であり、図8(c)は上側面図であり、図8(d)は左側面図であり、図8(e)はE−E断面図であり、図8(f)は後面図である。
テンションリング304は、環状のリング部304aと、中心CTR304を挟んで対向するように一対設けられリング部304aから外方に所定の角度範囲で延出するフランジ304b1,304b2と、リング部304aから内方側に直線状に突出する一対の腕部304c1,304c2と、腕部304c1,304c2の先端側を連結するよう中心CTR304位置に設けられたコード保持部304dと、を有している。
コード保持部304dには、スピーカ310からの接続コード306を嵌合させて保持する切り込み部304d1が形成されている。
フランジ302b1,302b2が所定の角度範囲で形成されていることで、リング部304aにおけるフランジ302b1,302b2が形成されていない範囲が、径方向に弾性変形可能となっている。
また、フランジ302b1,302b2の外周面がチークベース301の環状突壁部301fの内周面にガイドされて、テンションリング304の中心CTR304を通る軸と、突出部107jの中心軸、すなわち、パッド部108の回動軸である軸CL1とが一致するようになっている。
テンションリング304は、樹脂の射出成形により形成される。好適な樹脂材料として、POM(ポリアセタール)樹脂がある。
テンションリング304は、ハンドル部107の突出部107jにおける一対のスリット107j3に、腕部304c1,304c2がそれぞれ嵌り込むように取り付けられる。
図3にも示されるように、スピーカ310に接続された接続コード306は、コード保持部304dの切り込み部304d1に嵌め込まれて保持される。
接続コード306がコード保持部304dに保持される位置は、突出部107jの中心部分となるので、チークベース301とパッドホルダ302などが一体となったパッド部108が軸CL1まわりに回動した際に、接続コード306が他の部材に引っ掛かったり、よじれたりすることが良好に防止される。従って、回動に伴う断線の可能性が極めて低く、長期にわたり高い信頼性を維持することができる。
また、テンションリング301のリング部304aには、中心CTR304を挟んで対向する位置に、外方向に突出する一対の円弧状の突起304eが形成されている。
突起304eの先端間距離L1(図8参照)は、チークベース301の環状突壁部301fにおける円周面301f1の内径r1よりも大きく設定されている。
従って、パッド部108を回動させた際に、テンションリング301の突起304eが円周面301f1を摺動するようになっており、リング部304aは内側に撓ませられて弾性反発力は発揮するので、その弾性反発力によりパッド部108の回動にはある程度の負荷が生じる。
使用者がパッド部108を回動させた際に、この負荷により良好な回動抵抗が感じられるように、各部材の寸法などが設定されている。
また、使用者は、パッド部108を回動させた際に、突起304eがクリック発生部301f2の突部301f3を乗り越えるとクリック感を感じることができる。また、パッド部108はその回動位置で簡易的に保持される。
実施例においては、クリック発生部301f2を対向する180°間隔で一対設けているが、これに限らず、任意の回動角度位置でクリック感を発生させるように、その回動角度に応じた位置にクリック発生部301f2を形成することは自由である。
スピーカ310と電気的に接続された接続コード306の引き回し経路は次の通りである。
接続コード306は、スピーカ310から延出した後、途中でテンションリング304のコード保持部304dと係合して保持される。その後ハンドル部107の内部に入り込み、ハンドル部107の突出部107jの根本部分に形成されハンドル部107の内外を連通するコード経路部107m(図4参照)を経由してハンドル部107の内部から外部へ引き出されている。
この経路に限らず、接続コード306は、先端側をプラグ307とせずにハンドル部107の内部を通って直接音声信号処理回路10Hd2に接続するようにされていてもよい。
パッドホルダ302の放音孔部108aには、外部のゴミや埃がスピーカ310に容易に到達しないように、不織布(図示せず)が貼付されている。
パッドホルダ302のスピーカ310とは反対側の面には、長丸状で環状のパッド303が取り付けられている。このパッド303は、表面層がPU(ポリウレタン)レザーで形成されると共に内部にはウレタンフォームが充填されて弾力性を有する。
以上詳述したように、実施例の撮像装置10は、ハンドル部107に取り付けられたパッド部108が、回動軸CL1のまわり(図2の矢印RT方向)に所定の角度範囲で回動するようになっている。この回動は、使用者が良好な回動抵抗を感じながら行うことができる。
実施例において角度範囲は約180°とされており、少なくともその両端側でクリック感が得られる。
また、パッド部108において、回動軸CL1は、パッド部108の外形形状の中心CTR、あるいは、スピーカ310からの音を放音する放音孔部108aの中心から所定の距離d1だけ偏倚した位置に設定されている。
また、実施例においてパッド部108の中心CTRは、スピーカ310の駆動軸と一致している。また、中心CTRは、耳に当接するパッド303の中心と一致するようになっている。
また、実施例では、パッド部108の回動角度範囲の両端において、パッド部108は、その長手方向が撮像装置10の光軸CLと平行になるように形状が決められている。
従って、パッド部108を軸CL1のまわりに回動させると、パッド部108の中心が光軸CL方向に移動する。実施例では、回動角度範囲が180°なので、d1の2倍の距離範囲の間で移動する。
図1は、パッド部108を回動範囲の一方端側に位置させた状態を示し、図9は、他方端側に位置させた状態を示している。
また、図10は、パッド部108の回動経路における3つの位置での姿勢を模式的に示した図である。
図10では、実線で示すパッド部108が、最も前方側に位置させた図1の姿勢位置を示し、一点鎖線で示すパッド部108が、最も後方側に位置させた図9の姿勢位置を示し、破線で示すパッド部108が、その中間の姿勢位置を示している。
これらの図から明らかなように、レンズ部10Lや画像記録部10Kを装着した撮像装置10を、安定した姿勢になるようにその重心を肩の上方に位置させて肩に載せた場合の使用者の耳の前後方向位置に、パッド部108のスピーカ310の駆動軸位置を、回動による調整で合わせることができる。
また、図9において、パッド部108は、ハンドル部107の開口部107gから退避した位置にある。
従って、ハンドル部107を手Mhで持つ場合には、パッド部108を図9の矢印RT1方向に回動させてハンドル部107の開口部107gから退避する位置に移動させることにより、パッド部が邪魔にならず、開口部107gに支障なく指を入り込ませることができるので、確実に手Mhでハンドル部を把持することができる
耳当てパッド部108をハンドル部107に取り付けた状態において、パッド303の耳に当接する面303a(図3参照)が本体部10Hの側面と略同一の面上にあるように各部品寸法を設定することが望ましい。
本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
実施例においてスピーカ310の駆動軸KJとチークベース301の中心CTRを通る軸とが一致しているが、必ずしも一致してなくてもよい。
また、スピーカ310の駆動軸kJと、放音孔部108aの中心軸とが一致していない場合には、少なくとも、回動軸CL1に対しスピーカ310からの音を放出する放音孔部108aの中心軸が偏倚した位置に設定されていればよい。
ハンドル部107の突出部107jは、ハンドル部107と一体でなくてもよい。
図11に示すように、ハンドル部107に対し、上下または左右方向に延在する長孔を介してネジなどで固定されるプレート1107に設けてもよい。
図11は、プレート1107の取り付けについて説明する模式図である。
ハンドル部107には、一対の雌ねじ107nを形成しておく。
プレート1107は、突出部107jに相当する突出部1107jと、上下方向に延在する一対の長孔1107jnが形成されている。
プレート1107にはパッド部108が予め取り付けられている。
雄ねじSCRを長孔1107jnに挿通して雌ねじ107nに螺合させ、ハンドル部107にパッド部108が取り付けられたプレート1107を固定する。
この構造によれば、プレート1107の固定位置をハンドル部107に対して上下方向に移動できるので、撮像装置10を肩載せした際のパッド部108への耳の当接を、よりきめ細かく調節することが可能である。
本発明の撮像装置の実施例を説明するための平面図(左側面図)である。 本発明の撮像装置の実施例を説明するための斜視図である。 本発明の撮像装置の実施例におけるパッド部を説明するための断面図である。 本発明の撮像装置の実施例におけるパッド部とその取り付け構造について説明する斜視的分解図である。 本発明の撮像装置の実施例におけるパッド部の構造を説明するための要部部品の図である。 本発明の撮像装置の実施例におけるパッド部の構造を説明するための他の要部部品の図である。 本発明の撮像装置の実施例におけるパッド部の取り付け構造を説明するための図である。 本発明の撮像装置の実施例におけるパッド部の構造を説明するための別の要部部品の図である。 本発明の撮像装置の実施例における作用効果を説明するための図である。 本発明の撮像装置の実施例におけるパッド部の回動について説明するための図である。 本発明の撮像装置の実施例における変形例を説明するための部分的斜視図である。
符号の説明
10 撮像装置
10H 本体部
10Ha 撮像素子
10Hd1 画像信号処理回路
10Hd2 音声信号処理回路
10Hs 筐体
10Ht 上面部
10K 画像記録部
10L レンズ部
101 ショルダパッド
102 電子ビューファインダ
103 アイキャップ
104 レンズ筐体
105 レンズグリップ
106 マイクロフォン
107 ハンドル部
107a 装着部
107b 前基部
107bc 後面
107c 後基部
107d 前支柱
107e 後支柱
107f 把持部
107g 開口部
107h 左側面
107j 突出部
107j1 筒状突部
107j2 ボス
107j3 スリット
107j4 下穴
107k ダボ
107m コード経路部
108 パッド部
108a 放音孔部
108a1 放音孔
108aJ (放音孔部の)中心
201 音声出力端子
201 外部入力端子
301 チークベース
301a 後面
301b 溝
301bt 底部
301c 貫通孔
301d 開口部
301e 周壁部
301f 環状突壁部
301f2 クリック発生部
301g 低部
302 パッドホルダ
302a 内面
302a2 外面
302b 環状壁部
302c ボス
302d 下穴
303 耳当て
304 テンションリング
304a リング部
304b1,304b2 フランジ
304c1,304c2 腕部
304d コード保持部
304d1 切り込み部
304e 突起
306 接続コード
307 プラグ
308 テンションプレート
310 スピーカ
310a 後面
310b 放音面
CL 光軸
CL1 (回動)軸
CTR 中心
KJ 駆動軸
KS (パッド部の)ケース
r1 内径

Claims (3)

  1. レンズを介して入射した光を電気信号に変換する撮像素子を内部に有する本体部と、
    前記本体部の上面に取り付けられたハンドル部と、
    前記ハンドル部に取り付けられ、ケースと前記ケースに収納したスピーカと前記スピーカからの音を外部に放出するよう前記ケースに設けられた放音孔部と前記ケースに取り付けられた耳当てパッドとを有するパッド部と、を備え、
    前記パッド部は、前記ハンドル部に対して、前記放音孔部の中心位置を通らない位置に設定された回動軸のまわりに回動可能なよう連結されており、
    前記放音孔部は、前記パッド部の回動に伴い前記レンズの光軸方向に移動するよう構成されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 一端側が前記スピーカに接続され他端側が前記ハンドル部の内部に引き込まれているコードと、前記コードを前記スピーカと前記ハンドル部との間で保持するコード保持部と、を有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記パッド部の所定の回動位置においてクリック感を発生させるクリック発生部を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の撮像装置。
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