JP4674389B2 - 車両の変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速機の変速をアクチュエータで行う車両の変速制御装置に係り、特に、アクチュエータ故障時の変速制御をバックアップする車両の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラクタヘッドにトレーラを連結する形式の大型のトラックなどでは、トレーラに荷を満載している場合、トレーラが空の場合、トラクタヘッド単体の場合などで、総重量負荷が大きく異なるが、どの場合の運転でも良好なエンジン状態を保ちつつ快適運転を行うために、普通の荷台付きトラックよりも変速段数をかなり多くしてある。例えば、4段変速が可能な主変速機の前段・後段に、副変速機として比較的変速比の小さい2段変速のスプリッタと比較的変速比の大きい2段変速のレンジとを挿入し、これらスプリッタ、主変速機、レンジの組み合わせにより、総合で16段変速が可能な構成としたものがある。このように多段変速を採用することにより、広い速度範囲にわたり良好なエンジン状態が得られるギア段選択を可能にすると共に無理のない加減速を行うことができる。
【0003】
ギア段の切替えは、コンピュータ等からなる変速制御部を介しアクチュエータで行われるが、そのシフトチェンジ操作は、変速制御部が自動で行う自動変速操作と、マニュアルチェンジ操作とが可能である。チェンジレバーは、安定位置であるDポジション(=Hポジション)から瞬時的に前傾・後傾させることが可能に構成されており、マニュアルチェンジの場合、チェンジレバーをHポジションから前傾させるとシフトアップ操作、後傾させるとシフトダウン操作が運転者の要求として変速制御部に認識される。そして、変速制御部が現在のギア段をそれより高速(または低速)のギア段に切り替える。このシフトアップ操作(またはシフトダウン操作)を繰り返すことで現状のギア段より順次高い(または低い)ギア段に変速できる。チェンジレバーがHポジションに保持されていれば、現状のギア段が維持される。自動変速の場合、チェンジレバーは操作することなくDポジションのままで、変速制御部がエンジン状態や車速を考慮して最適のギア段を選択し、変速を実行する。自動変速の場合でも、運転者がチェンジレバーをDポジションから前傾、後傾させると、変速制御部は現在選択しているギア段からのシフトアップ・シフトダウンを受けつけるようになっている。
【0004】
16段変速機能を持つとはいっても、常に初速段1stから最高速段16thまで幅広く使用するわけではなく、前記した重量負荷や運転状況に応じて適宜選択することができる。例えば、トレーラ連結の場合の発進時には、荷が相当に重ければ1st、2nd等の極低速段を選択することになるが、荷がさほど重くなければやや高い4th乃至6thの準低速段を選択するのが一般的である。準低速段でも無理なくかつ十分に加速して快適な発進を行うことができるだけでなく、極低速段で発進してから、順次シフトアップする場合に比べてクラッチ断接の頻度が減るので、クラッチ摩耗を少なくして寿命を延ばすことができる。トレーラ非連結の場合は9thなどのさらに高い中速段を選択したほうが快適な発進を行うことができる。
【0005】
また、シフトアップ・シフトダウンについても、現在のギア段から順次1段高い(または低い)ギア段に切り替えなければ円滑な変速ができないというわけではなく、現在のギア段より2段以上高いまたは低いギア段に切り替えることも可能である(これをスキップシフトという)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ギア段の切替えがアクチュエータで行われる車両においては、アクチュエータが駆動指令どおりに作動することが重要である。アクチュエータになんらかの不良があって作動しない場合、変速制御部がアクチュエータを駆動しても、目的とするギア段の組み合わせの通りに実際の変速機のギアが入るとは限らない。このため、ギア段切替えが円滑にできなくなったり、その時の車速や運転状況に合わせて選んだはずのギア段に切り替わらず、走行の快適さが損なわれてしまう。
【0007】
車両は、アクチュエータが故障であっても、とりあえず走行できることが望ましく、従って、変速制御装置にはアクチュエータ故障時のバックアップ機能を備えるのが好ましい。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、アクチュエータ故障時の変速制御をバックアップする車両の変速制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、主変速機と、副変速機である高速H、低速L、ニュートラルNのポジションを有するスプリッタとを組み合わせて多段変速を可能に構成し、各変速機には変速のためのアクチュエータを取り付け、これらアクチュエータを駆動してギア段切替えを行う変速制御部を設けた車両の変速制御装置において、前記スプリッタのアクチュエータとして、シリンダに電磁バルブで構成されるSH用バルブ、SL用バルブ、SN用バルブを接続し、前記SL用バルブのみオンさせると前記スプリッタが低速Lのポジションに移動して保持され、前記SN用バルブのみオンさせると前記スプリッタが高速Hのポジションに移動して保持され、前記SN用バルブと前記SH用バルブをオンさせると前記スプリッタがニュートラルNのポジションに移動して保持されるよう構成し、前記変速制御部は、前記電磁バルブ毎に配置され、その電磁バルブの作動不良を検出する作動不良検出手段を有し、前記スプリッタの変速を伴う前記主変速機の変速を行う場合においては、前記主変速機のギア抜きが完了するまで前記スプリッタをニュートラルNのポジションに保持すると共に当該ニュートラルNのポジションに保持されている状態で前記作動不良検出手段により前記スプリッタのアクチュエータのいずれかの電磁バルブについて作動不良が検出されたときには、現在のギア段から前記作動不良が検出された電磁バルブの作動を伴うギア段への切替えを禁止すると共に、作動不良の判定結果に基づいて、前記SL用バルブをオンすることによる前記ニュートラルNのポジションに保持されている状態からの切替えと前記SH用バルブをオフすることによる前記ニュートラルNのポジションに保持されている状態からの切替えとのいずれかを実行するものである。
【0010】
前記変速制御部は、前記スプリッタを高速Hまたは低速Lのいずれか一方のポジションに固定させた状態とし、スキップシフトによる変速を行ってもよい。
【0011】
前記変速制御部は、設定発進段が前記スキップシフト段に該当しない場合には、低いギア段の内、設定発進段に一番近いギア段を発進段としてもよい。
【0012】
前記主変速機と副変速機に、もうひとつの副変速機として高速H、低速Lのポジションを有するレンジを組み合わせてもよい。
【0013】
前記変速制御部は、前記レンジのアクチュエータが作動不良である場合に、前記レンジの作動を伴うギア段への切替えを禁止し、前記スプリッタまたは前記主変速機による変速を行ってもよい。
【0014】
前記変速制御部は、設定発進段が前記レンジの作動を伴う禁止されたギア段に該当する場合には、前記レンジがHのポジションにあるときは一番低いギア段を発進段とし、前記レンジがLのポジションにあるときは一番高いギア段を発進段としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0016】
本発明に係る変速制御装置は、複数の変速機を組み合わせて多段変速を可能に構成し、各変速機には変速のためにストロークするアクチュエータを取り付け、これらアクチュエータを駆動してギア段切替えを行う変速制御部を設けたものであり、通常時にはマニュアル変速或いは自動変速によって全てのギア段が選択可能であるが、アクチュエータ故障時には選択可能なギア段が制約される。その制約は、変速機の形態や故障時ストローク位置に応じて異なる。図1にはニュートラルポジションのない変速機に関する故障時バックアップ処理の実施形態を、図2及び図9にはニュートラルポジションを有する変速機に関する故障時バックアップ処理の実施形態を、また、図3には故障自己診断処理の実施形態を示す。
【0017】
本発明を適用するに好適な車種として、トラクタヘッドにトレーラを連結し、多段変速を採用したデイーゼルエンジン車両を例にとる。以下、その車両の要部を説明する。
【0018】
図4に示されるように、変速制御装置を含むエンジン駆動系は、クラッチ504(図5に示す)を介してエンジンに結合された多段変速機構401、多段変速機構401のアクチュエータを構成する空圧シリンダ系402、エンジン回転数を検出するエンジン回転センサ403、多段変速機構401の出力軸の回転数を制御用の車速信号として検出するアウトプット回転センサ404、多段変速機構401のギア段切替えを制御する変速制御部とクラッチを制御するクラッチ制御部とを構成するコントローラ(多段T/Mコントロールユニット)405、アクセルペダルの踏み込み量から要求アクセル開度を検出するアクセルセンサ406、運転者の変速操作をコントローラ405に伝えるチェンジレバー407、変速操作における自動変速/マニュアル変速を選択するA/M切換スイッチ(図示せず)、非常時等の特別な場合にギア段を強制的に設定する非常用変速スイッチ408、マニュアル断接を可能とするクラッチペダル409、現在選択されているギア段を数字で表示する集合計器コンソール内のギア表示部410、エンジンに制御アクセル開度や燃料噴射時期を指令するエンジン制御部を構成するコントローラECU(エンジンコントロールユニット)411、クラッチの断接用アクチュエータ412、その断接用アクチュエータ412の位置検出に使用するストロークセンサ(図示せず)、ブレーキペダルの軽い踏み込みを検出するブレーキセンサ(図示せず)、トラクタヘッドの後部に設けられてトレーラブレーキランプ点灯信号をトレーラに伝達するトレーラソケット(図示せず)、車両にトレーラが連結されているか否かを検出するトレーラ検出器(図示せず)、などを備えている。コントローラ405は、エンジン回転センサ403、アウトプット回転センサ404、その他からの運転状態を示す信号を入力し、内蔵されたシフトアップマップおよびシフトダウンマップ等のデータを読み出すと共に、多重タイマ割り込みにより数十ms等の時間間隔で各種の処理を実行することができる。コントローラ405とコントローラECE411とはバスケーブル等により接続されており、相互に連絡可能である。チェンジレバー207は、後進(R)、ニュートラル (N)、ドライブ(D)またはホールド(H)の安定ポジションと、シフトアップ操作要求(UP)、シフトダウン操作(DOWN)の瞬時的ポジションとを有し、レバー頂部に自動変速/マニュアル変速を切り替えるA/M切換スイッチを配置したものである。
【0019】
多段変速機構及び空圧シリンダ系の詳細を図5に示す。
【0020】
多段変速機構401は、4段変速が可能な主変速機501の前段に比較的変速比の小さい2段変速のスプリッタ(副変速機)502を挿入し、主変速機501の後段に比較的変速比の大きい2段変速のレンジ(副変速機)503を挿入したものである。スプリッタ502は、高速(H)、低速(L)、ニュートラルの3ポジションを有し、図4の断接用アクチュエータ412を作動させて断・接させたとき、クラッチ504内のドリブンプレートが取り出したインプットシャフト505の回転を、スプリッタ502がL側のときは主変速機501の4thギアのドグギア515と一体のメインギア518に常時噛合するカウンタギア517を介し、スプリッタ502がH側のときはスプリッタギアに常時噛合するカウンタギアを介し、カウンタシャフト506にLまたはHの変速比で伝達するかまたは遮断するものである。
【0021】
主変速機(メインギア段)501は、1st、2nd、3rd、4th、Revの各メインギア及びニュートラルの6ポジションを有し、スプリッタ502がL側のときインプットシャフト505の回転を4thのメインギア518を介し、また、スプリッタ502がH側のときは、インプットギアとインプットカウンタギアを介して取り込み、カウンタシャフト506と一体の複数のカウンタギア517に常時噛合するメインギア518と一体の複数のドグギア515に対し、適宜のスリーブ516を空圧シリンダ系402の作動によりスライドさせることにより、いずれかのドグギア515の回転を前進4段に変速、または反転してメインシャフト507に取り込むかまたは遮断することができる。
【0022】
レンジ503は、遊星歯車機構の中心に位置するサンギア508をメインシャフト507に固定し、サンギア508の外側に位置するプラネタリギア509を同軸保持するキャリア510をアウトプットシャフト511に固定して構成され、プラネタリギア509の外側に位置するリングギア512の結合をハウジング側のスプライン519またはアウトプットシャフト511側のスプライン520に切り換えることでメインシャフト507の回転をアウトプットシャフト511にLまたはHの変速比で伝達することができる。
【0023】
カウンタシャフト506には、回転を制動するカウンタシャフトブレーキ513と、回転数を検出するカウンタシャフト回転センサ514とが設けられている。メインシャフト507上には、カウンタシャフト506に一体のカウンタギア517に常時噛合するメインギア518と一体の複数のドグギア515と、メインシャフト507に一体の複数のスリーブ516とが設けられている。
【0024】
空圧シリンダ系は、3つの電磁バルブ531,532,533でストローク制御されるスプリッタ用シリンダ530と、3つの電磁バルブ541,542,543でストローク制御されるセレクト用シリンダ540と、2つの電磁バルブ551,552でストローク制御されるスリーブシフト用シリンダ550と、2つの電磁バルブ561,562でストローク制御されるレンジ用シリンダ560と、1つの電磁バルブ571でオンオフ制御されるカウンタシャフトブレーキ513とを有し、これらの電磁バルブをコントローラ405によって制御し、組み合わせ動作させて、多段変速機構401の各部を切り替えるようになっている。580はエア源である。
【0025】
スプリッタ用シリンダ530は、シリンダ基底部に電磁バルブ531(以下、MVHという)、シリンダ胴部に電磁バルブ532(MVF)、シリンダ頭頂部に電磁バルブ533(MVG)をそれぞれ接続し、シリンダ胴部には両側にロッド534,535を備えたヘッド536を収容し、シリンダ基底部にはロッドを持たない単体ヘッド537を収容したものである。
【0026】
MVFのみ動作させると、ヘッド536がシリンダ頭頂部方向(図の右側)に移動するので、ロッド535に連結されたスプリッタ502内のスプリッタスリーブがLポジションに移動する。MVGのみ動作させると、ヘッド536がシリンダ基底部方向(図の左側)に移動するので、前記スプリッタスリーブがHポジションに移動する。MVGとMVHとを動作させると、単体ヘッド537がシリンダ胴部方向に移動するので、ヘッド536のシリンダ基底部方向への移動はロッド534が単体ヘッド537に規制されて中間位置で止まり、スプリッタスリーブはニュートラルポジションに止まることになる。
【0027】
セレクト用シリンダ540は、シリンダ基底部に電磁バルブ541(MVE)、シリンダ胴部に電磁バルブ542(MVD)、シリンダ頭頂部に電磁バルブ543(MVC)をそれぞれ接続し、シリンダ胴部には両側にロッド544,545を備えたヘッド546を収容し、シリンダ基底部にはロッドを持たない単体ヘッド547を収容したものである。
【0028】
MVDのみ動作させると、ヘッド546がシリンダ頭頂部方向(図の下側)に移動するので、ロッド545に連結されたセレクタ591がN3ポジションのシフタ592まで移動する。N3ポジションでは主変速機501を3rdか4thにギア入れすることができる。MVCのみ動作させると、ヘッド546がシリンダ基底部方向(図の上側)に移動するので、セレクタ591がN1ポジションのシフタ593まで移動する。N1ポジションでは主変速機501をRevにギア入れすることができる。MVCとMVEとを動作させると、単体ヘッド547がシリンダ胴部方向に移動するので、ヘッド546はシリンダ基底部方向への移動が単体ヘッド547によりロッド544が規制されるため中間位置で止まり、セレクタ591がN2ポジションのシフタ594の位置に止まる。N2ポジションでは主変速機501を1stか2ndにギア入れすることができる。
【0029】
スリーブシフト用シリンダ550は、シリンダ頭頂部に電磁バルブ551(MVB)、シリンダ基底部に電磁バルブ552(MVA)をそれぞれ接続し、シリンダ胴部にロッド553を備えたヘッド554を収容したものである。
【0030】
MVAのみ動作させると、ヘッド554がシリンダ頭頂部方向(図の左側)に移動するので、ロッド553に連結されたセレクタ591がシフタ592,593,594からなるシフタ群のRev,2nd,4th側に移動する。MVBのみ動作させると、ヘッド554がシリンダ基底部方向(図の右側)に移動するので、ロッド553に連結されたセレクタ591がシフタ群の1st,3rd側に移動する。MVAとMVBとを動作させると、ヘッド554は中立状態となり、セレクタ591は中立状態となる。
【0031】
各シフタ592,593,594は主変速機501の該当段のスリーブ516に連結されているので、セレクト用シリンダ540によりセレクタ591をN1,N2,N3のいずれかのポジションに移動させ、スリーブシフト用シリンダ550によりセレクタ591を移動させると、所望のスリーブ516を所望のドグギア515に嵌合させて主変速機501を前進4段及び後進段に変速することができる。また、セレクタ591を中立状態とすることで主変速機501をニュートラルにすることができる。
【0032】
レンジ用シリンダ560は、シリンダ頭頂部に電磁バルブ561(MVI)、シリンダ基底部に電磁バルブ562(MVJ)をそれぞれ接続し、シリンダ胴部にロッド563を備えたヘッド564を収容したものである。
【0033】
MVIのみ動作させると、ヘッド564がシリンダ基底部方向(図の右側)に移動するので、ロッド563に連結されたレンジ503内のレンジスリーブがHポジションに移動する。MVJのみ動作させると、ヘッド564がシリンダ頭頂部方向(図の左側)に移動するので、レンジスリーブがLポジションに移動する。
【0034】
以上の空圧シリンダ系の各電磁バルブを組み合わせてオンオフすることにより、多段変速機構401を前進16段(図8参照)及び後進2段に切り替えることができると共に、スプリッタニュートラル及び主変速機ニュートラルの2つのニュートラル状態を得ることができる。
【0035】
次に、クラッチを作動させるアクチュエータ系を図6に示す。
【0036】
このアクチュエータ系は、断接用アクチュエータ412を構成するクラッチブースタ601、このクラッチブースタ601に空圧でストローク量を与える比例バルブ602、この比例バルブ602の上流で空気供給を遮断するオンオフバルブ603、クラッチを強制的に完断する非常用バルブ604、クラッチブースタ601のリレーピストン605を油圧で駆動するクラッチペダル409などからなる。611はエア源、612はダブルチェックバルブである。クラッチブースタ601は、供給された空気量に比例して部材606をストロークさせるもので、この部材606がクラッチ504のプレッシャープレートに連結されている。
【0037】
コントローラ405は、車両のキースイッチにより主電源が投入されたときにオンオフバルブ603をオンにして比例バルブ602への空気供給を可能にする。主電源が切られたときには、オンオフバルブ603をオフにして比例バルブ602からの空気抜けによるエア源611の圧力低下を防止する。クラッチ断接の際には、コントローラ405より比例バルブ602に制御電流を与える。比例バルブ602は電流に比例した空気圧をクラッチブースタ601に供給するので、クラッチ完接から完断までの任意のクラッチ位置が電流で制御できることになる。従って、半クラッチ等の繊細な制御もコントローラ405によるクラッチ位置制御で行うことができる。非常用バルブ604は、クラッチ504を急速に完断することができ、車両の異常時に飛び出しを防止するために使用される。非常用バルブ604のオンオフはコントローラ405から指令する他に、図示しない非常用スイッチよって手動操作することもできる。クラッチペダル409が踏まれた場合には、油圧によって部材606がストロークされると同時に、リレーピストン605が駆動されてクラッチブースタ601にエアーが供給され、部材606のストロークが支援される。
【0038】
多段変速機構401の動作を説明する。
【0039】
自動変速の場合、コントローラ405によりアクセル開度と制御系の車速とでシフトアップマップまたはシフトダウンマップ(図示せず)が参照され、最適なギア段に目標ギア段が設定されると、断接用アクチュエータ412によりクラッチ504が開放され、スプリッタ502、主変速機501、レンジ503がそれぞれ前述のように空圧シリンダ系402によって位置制御されることにより、目標ギア段への切替えが行われ、そのギア入れ完了後、クラッチ504が接続されるように制御される。マニュアル変速の場合は、運転者のチェンジレバー407の前傾によるシフトアップ操作または後傾によるシフトダウン操作をコントローラが認識して現在のギア段より高速または低速の目標ギア段が設定され、ギア段切替えが行われる。クラッチの断接及びギア段切替えの動作は、自動変速でもマニュアル変速でも同じであり、以下に説明する。
【0040】
図7は、主変速機501、スプリッ502、レンジ503のそれぞれで行われる動作を時間的順序に沿って表したものである。四角枠内は動作内容を枠右上はその動作に入る条件を示す。多段変速機構401の変速動作が開始され、同時に断接用アクチュエータ412によりクラッチ開放が開始される。クラッチストロークセンサによりクラッチ504が半クラッチ直前まで開き始めたことが検出されると、主変速機501ではスリーブシフト用シリンダ550によるギア抜きが開始される。また、目標ギア段が現在のギア段からスプリッタ変速を要する場合には、主変速機501のギア抜きと並行してスプリッタ502においてもスプリッタ用シリンダ530を作動させてニュートラル位置へのギア抜きが開始される。
【0041】
主変速機側では、主変速機501のギア抜きが完了しニュートラルになったことを条件に、セレクト用シリンダ540による主変速機501のセレクトが開始される。同時に、目標ギア段がレンジ303の変速を要する場合には、レンジ用シリンダ560によりレンジ503がH側からL側へまたはL側からH側へ切り替えられる。
【0042】
一方、スプリッタ側では、ストロークセンサ(図示せず)の信号により、クラッチ504が完全に開放されたことが検出されるか、またはギアポジションセンサ(図示せず)の信号により、主変速機501のギア抜きが完了したことが検出されたことを条件に、スプリッタ用シリンダ530により側HまたはL側へのギア入れが実行される。スプリッタ502には図示しないがメカニカルなシンクロ機構が設けられているため、インプットシャフト505の回転数とスプリッタ502のHまたはLのドグギアの回転数とが同期され、円滑なスリーブの移動によるギア入れが達成される。なお、目標ギア段が現在のギア段からスプリッタ変速のみで可能な場合には、この段階で切り替えが完了する。
【0043】
スプリッタ502のギア入れが終了し、レンジ503の切り替えが終了した時点で、主変速機501のギア抜きが完了していることを条件に、ドグギア回転制御手段による電子シンクロ制御が開始される。
【0044】
電子シンクロ制御では、ドグギア515の回転数がスリーブ516の回転数より所定値以上高いときには、カウンタシャフトブレーキ制御を行う。即ち、電磁バルブ571をオンにすることによりカウンタシャフトブレーキ513をオンにしてドグギア515の回転数を下げる。ドグギア515の回転数がスリーブ516の回転数より所定値以上低いときには、ダブルクラッチ制御及びエンジン制御を行う。即ち、クラッチ504を一時的に接続してエンジン回転をインプットシャフト505に伝え、インプットシャフト505の回転数を高めてドグギ515の回転数を高める。このような電子シンクロ制御により、ドグギア515の回転数とスリーブ516の回転数との差を予め設定した許容値以内に制御することができる。
【0045】
ドグギア515の回転数は、カウンタシャフト回転センサ514の出力から計算される。主変速機501に複数あるドグギア515のうち、切替えの目標となっているギア段のドグギア515の回転数を得るには、当該ギア段のカウンタギア517とメインギア518との歯数比をカウンタシャフト回転数に掛ける。また、スリーブ516の回転数は、アウトプット回転センサ404の出力から計算される。レンジ503がH側であればアウトプットシャフト回転数をそのままスリーブ回転数とし、レンジ503がL側であればアウトプットシャフト回転数にL段の歯数比を掛けてスリーブ回転数とする。このスリーブ回転数が変速目標となっているギア段の回転数となる。
【0046】
主変速機501のセレクトが終了し、電子シンクロ制御において回転数差が許容値以内に達していれば、クラッチ504が完全に開放されていることを確認した上で、スリーブシフト用シリンダ550による主変速機501のシフト(ギア入れ)が実行される。ドグギア515の回転数とスリーブ516の回転数との差が許容値以内であるため、円滑なギア入れが達成される。この後、オートクラッチ制御によりクラッチ504が接続される。
【0047】
次に、ニュートラルポジションのない変速機であるレンジ503のアクチュエータ、即ち、レンジ用シリンダ560の作動不良が検出されたときの変速制御装置の動作を説明する。既に説明したようにレンジ用シリンダ560は2つの電磁バルブ561(MVI),562(MVJ)でストロークされるが、これら電磁バルブの故障によってストローク等の作動不良が生じることがある。各電磁バルブの故障は後述の故障自己診断処理によって検出されているものとする。以下、MVIはH用バルブ、MVJはL用バルブと呼ぶ。
【0048】
図1に示されるように、H用バルブが故障かどうかを判定する(S11)。H用バルブが故障であれば、禁止ギア段決定処理S13に移行する。H用バルブが故障でなければ、L用バルブが故障かどうかを判定する(S12)。L用バルブが故障であれば、禁止ギア段決定処理に移行する。L用バルブが故障でなければ、電磁バルブは両方とも健全であり、本処理を終了する。
【0049】
禁止ギア段決定処理S13では、現レンジをチェックする。現レンジはギア段切り替え動作の終了後にステータスとして記憶しておいてもよいし、多段変速機構401内にギア位置検出スイッチを設けておき、このスイッチを読み取るようにしてもよい。現レンジがHのときは、1st〜8thへの切替えを禁止する。図8に示されるように、1st〜8thはレンジがLであるため、現レンジがHであると、1st〜8thへ切り替えるためにはレンジ用シリンダ560による変速が伴うことになる。H用バルブ又はL用バルブが故障のときにレンジ用シリンダ560による変速を行うのは好ましくないので、禁止する。9th〜16thはレンジがHであるため、現レンジがHであれば、レンジ用シリンダ560による変速を行うことなく切り替えることができるので、禁止しない。一方、現レンジがLのときは、9th〜16thへの切替えを禁止し、1st〜8thへの切替えは禁止しない。
【0050】
このように、H用バルブ又はL用バルブが故障のためにレンジ用シリンダ560の作動が健全でないと判断されるときには、作動不良以外の残りのアクチュエータを作動させ、レンジのH側またはL側の一方に固定させた状態とし、スプリッタまたはメインギア段による変速を行うことにより、現レンジが維持される条件でギア段切替えを行うようにしたので、とりあえず現レンジを使って車両を走行させることが可能になる。禁止ギア段決定処理S13では、発進ギア段の訂正も行う。
【0051】
制御系が正常時には、本発明の変速制御装置は、車両が発進するときに、現ギア段から予め設定された発進ギア段へ切り替えるが、その際、車両にトレーラが連結されていれば、準低速段を発進ギア段とし、車両にトレーラが連結されていなければ中速段を発進ギア段とする。また、変速制御装置が選択した発進ギア段を運転者がシフトアップ操作(またはシフトダウン操作)によって変更した場合にはその発進ギア段を学習して次回の発進ギア段とすることもできる。ここでは連結時4th、非連結時9thの発進ギア段が設定されているものとする。
【0052】
しかし、レンジ用シリンダ560が健全でないと判断されるときには、発進に際しても、現レンジが維持される条件でギア段切替えを行うのが望ましい。よって、1st〜8thへの切替えが禁止されているときには、9th以上に限定され、トレーラ非連結の場合は、もともとの設定どおり9thを発進ギア段とし、12thまでは許容される。トレーラ連結の場合においても禁止されないギア段で最も4thに近い9thを発進ギア段とするので、結局、9thを発進ギア段とすることになる。
【0053】
また、9th〜16thへの切替えが禁止されているときには、8th以下に限定されるため、トレーラが連結されていない場合、禁止されないギア段で最も9thに近い8thが発進ギア段に限定される。トレーラが連結されている場合は、もともと設定されている発進ギア段のままで問題なく、4thが基本発進ギア段となる。
【0054】
このように、H用バルブ又はL用バルブが故障のためにレンジ用シリンダ560が健全でないと判断されたために、スプリッタまたはメインギア段による変速を行うとしたときの発進時に、設定発進段が禁止されたギア段に該当する場合、例えば、設定発進段がレンジのL側を使用する4thであって、レンジのH側のみが使用可能なときは、H側を使用する一番低いギア段(9th)を発進段とし、例えば、設定発進段がレンジのH側を使用する9thであって、レンジのL側のみが使用可能なときは、L側を使用する一番高いギア段(8th)を発進段とすることにより、現レンジが維持される条件で発進ギア段を選択するようにしたので、とりあえず現レンジを使って車両を発進させることが可能になる。
【0055】
次に、ニュートラルポジションを有する変速機であるスプリッタ502のアクチュエータ、即ち、スプリッタ用シリンダ530の作動不良が検出されたときの変速制御装置の動作を説明する。既に説明したようにスプリッタ用シリンダ530は3つの電磁バルブ541,542,543により高速ギア位置からニュートラル位置を経て低速ギア位置までストロークされるが、これら電磁バルブの故障によってストローク等の作動不良が生じることがある。各電磁バルブの故障は後述の故障自己診断処理によって検出されているものとする。以下、MVHをSH用バルブ、MVFをSL用バルブ、MVGをSN用バルブと呼ぶ。
【0056】
図2に示されるように、SH用バルブが故障かどうかを判定する(S21)。SH用バルブが故障であれば、禁止ギア段決定処理S90に移行する。SH用バルブが故障でなければ、SL用バルブが故障かどうかを判定する(S22)。SL用バルブが故障であれば、禁止ギア段決定処理S90に移行する。SL用バルブが故障でなければ、SN用バルブが故障かどうかを判定する(S23)。SN用バルブが故障であれば、禁止ギア段決定処理S90に移行する。SN用バルブが故障でなければ、電磁バルブは3個とも健全であり、本処理を終了する。
【0057】
禁止ギア段決定処理S90では、図9に示すフローに進み以下処理される。まず、現スプリッタの位置をチェックする(S91,S91’)。現スプリッタはギア段切り替え動作の終了後にステータスとして記憶しておいてもよいし、多段変速機構401内にギア位置検出スイッチを設けておき、このスイッチを読み取るようにしてもよい。現スプリッタがL側のときは、偶数段への切替えを禁止する(S92)。図8に示されるように、偶数段はスプリッタがH側であるため、現スプリッタがL側であると、偶数段へ切り替えるためにスプリッタ用シリンダ530による変速が伴うことになる。SH用バルブ又はSL用バルブ又はSN用バルブが故障のときにスプリッタ用シリンダ530による変速を行うのは好ましくないので禁止する。奇数段はスプリッタがL側であるため、現スプリッタがL側であればスプリッタ用シリンダ530による変速を行うことなく切り替えることができるので禁止しない。一方、現スプリッタがH側のときは、奇数段への切替えを禁止し、偶数段への切替えは禁止しない(S93)。
【0058】
このように、現スプリッタがH側かL側の場合は、前述のレンジのバルブ故障の場合と同様に現スプリッタが維持される条件でギア段切替えを行うようにしたので、とりあえず現スプリッタを使って車両を走行させることが可能になる。
【0059】
現スプリッタがH側でもL側でもなくスプリッタニュートラルのときは、この状態を維持してはギア段切替えが達成されず、車両を走行させることができないので、スプリッタをL側かH側に移動させなくてはならない。そこで、SL用バルブが故障かどうかを判定する(S94)。SL用バルブが故障のときには、スプリッタニュートラルになっていることから、SL用バルブを駆動してもオン相当にならない故障と考えられる。そこで、奇数段への切替えを禁止してSL用バルブを使用しないようにする(S96)。SL用バルブが故障でないときには、スプリッタニュートラルになっていることから、SH用バルブが駆動していない故障とは考えられず、かつN用バルブがどのような故障か不明のため仮にH用バルブを駆動してもニュートラルになる可能性があると考えられる。そこで、偶数段への切替えを禁止してSL用バルブだけを使用するようにする(S95)。
【0060】
このように、スプリッタ用シリンダ530がニュートラル位置にある場合には、作動良好な方向への作動を伴うギア段への切替えは禁止せず、作動不良な方向への作動を伴うギア段への切替えのみを禁止するので、確実にギア段を切替えて走行することが可能となる。
【0061】
以上、作動不良アクチュエータが副変速機のスプリッタ用である場合の制御内容をまとめると、作動不良以外の残りのアクチュエータを作動させ、スプリッタのH側またはL側の一方に固定させた状態とし、偶数段のみ又は奇数段のみを用いた変速、即ち、スキップシフトによる変速を行うことになる。
【0062】
スプリッタ切替え用電磁バルブが故障のときの発進ギア段の訂正では、偶数段への切替えが禁止されているとき(S92,S95)、トレーラ連結の場合は禁止されないギア段で最も4thに近く低いほうの3rdを発進ギア段とし、トレーラ非連結の場合はもともとの設定どおり9thを発進ギア段とする。奇数段への切替えが禁止されているとき(S93,S96)、トレーラ連結の場合はもともとの設定どおり4thを発進ギア段とし、トレーラ非連結の場合は禁止されないギア段で最も9thに近く低いほうの8thを発進ギア段とする。
【0063】
このように、スプリッタ用シリンダ530の作動不良が検出されたためにスキップシフトによる変速を行うとしたときの発進時に、設定発進段が前記スキップシフトで変速できるスキップシフト段に該当しない場合には、その設定発進段より低いギア段の内一番近いギア段を発進段とする。
【0064】
次に、図3の故障自己診断処理を説明する。ここで、図10に示されるように、コントローラ405内には、空圧シリンダ系402の電磁バルブ101(これは各電磁バルブ531〜562に相当する)を駆動するトランジスタ102に並列させて電磁バルブ駆動電圧検出回路103が設けられているものとする。トランジスタ102は電源とアースの間に電磁バルブ101の作動コイル104と直列に配置されている。トランジスタ102を導通させると作動コイル104に電流が印加されて電磁バルブ101が作動し、シリンダの該当部位に空圧が供給される。トランジスタ102を開放すると電磁バルブ101が非作動となり、シリンダの該当部位は大気開放となる。
【0065】
電磁バルブ駆動電圧検出回路103は、トランジスタ102の出力電圧を分圧した検出電圧が高電圧であれば電磁バルブ101にオフ相当電圧が印加され、検出電圧が低電圧であれば電磁バルブ101にオン相当電圧が印加されていると判定する。
【0066】
故障自己診断処理では、まず、コントローラ405が電磁バルブを駆動している制御状態か否かを判定する(S31)。電磁バルブをオンしている制御状態の場合、その電磁バルブにオフ相当電圧が印加されているか否かを判定する(S32)。オフ相当電圧であれば、トランジスタか作動コイルに問題があるかもしれないので、カウンタをインクリメント(単位量だけ増加)する。オフ相当電圧でなければ、問題はないので、カウンタをデクリメント(単位量だけ減少)する。電磁バルブをオフしている制御状態の場合、その電磁バルブにオン相当電圧が印加されているか否かを判定する(S33)。オン相当電圧でなければ、問題はないので、カウンタをデクリメントする。オン相当電圧であれば、トランジスタに問題があるかもしれないので、カウンタをインクリメントする。
【0067】
カウンタを増減した後、カウンタが予め設定した設定値より大きいかどうか判定する(S34)。カウンタが設定値より大きいとき、問題のある状態が続いていると考えられるので、当該電磁バルブは故障であるという診断結果を出す。カウンタが設定値より小さいときは、当該電磁バルブは健全かほぼ良好と考え、正常という診断結果を出す。このような診断を空圧シリンダ系402の各々の電磁バルブについて行う。
【0068】
以上のように、コントローラ405の制御状態と実際の印加電圧とが整合していないかどうかを監視することにより、アクチュエータの作動不良が検出できる。なお、ここでは電磁バルブの駆動電圧を診断に利用したが、アクチュエータにストローク位置センサを取り付け、コントローラ405の制御状態と実際のストローク位置との整合を監視するようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0070】
(1)ギアを移動させるアクチュエータにストローク不良があっても、ギアの現在位置が維持される条件でギア段切替えを行うので、確実に車両を走行させることが可能になる。
【0071】
(2)ギアがニュートラルになっている場合は、ストロークが良好な方向にギアを移動させる条件でギア段切替えを行うので、確実に車両を走行させることが可能になる。
【0072】
(3)設定された発進ギア段が禁止されたギア段である場合は、その発進ギア段に近くかつ禁止されないギア段を発進ギア段とするので、確実に車両を発進させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す故障時バックアップ処理の流れ図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示す故障時バックアップ処理の流れ図である。
【図3】本発明の変速制御装置が行う故障自己診断処理の流れ図である。
【図4】本発明の変速制御装置を用いた車両の要部構成図である。
【図5】図4中の多段変速機構及び空圧シリンダ系の詳細構成図である。
【図6】図4の車両のクラッチアクチュエータ系の構成図である。
【図7】本発明に関係するギア段切替え処理の流れ図である。
【図8】図5の多段変速機構で16段変速を行うギア位置組み合わせ図である。
【図9】図2の故障時バックアップ処理で使用される禁止ギア段決定処理の流れ図である。
【図10】本発明の故障自己診断に利用が可能な電磁バルブ駆動電圧検出回路の回路図である。
【符号の説明】
405 コントローラ(変速制御部)
401 多段変速機構
502 スプリッタ
503 レンジ
530 スプリッタ用シリンダ
531 電磁バルブ(MVH)
532 電磁バルブ(MVF)
533 電磁バルブ(MVG)
560 レンジ用シリンダ
561 電磁バルブ(MVI)
562 電磁バルブ(MVJ)

Claims (6)

  1. 主変速機と、副変速機である高速H、低速L、ニュートラルNのポジションを有するスプリッタとを組み合わせて多段変速を可能に構成し、各変速機には変速のためのアクチュエータを取り付け、これらアクチュエータを駆動してギア段切替えを行う変速制御部を設けた車両の変速制御装置において、前記スプリッタのアクチュエータとして、シリンダに電磁バルブで構成されるSH用バルブ、SL用バルブ、SN用バルブを接続し、前記SL用バルブのみオンさせると前記スプリッタが低速Lのポジションに移動して保持され、前記SN用バルブのみオンさせると前記スプリッタが高速Hのポジションに移動して保持され、前記SN用バルブと前記SH用バルブをオンさせると前記スプリッタがニュートラルNのポジションに移動して保持されるよう構成し、
    前記変速制御部は、前記電磁バルブ毎に配置され、その電磁バルブの作動不良を検出する作動不良検出手段を有し、前記スプリッタの変速を伴う前記主変速機の変速を行う場合においては、前記主変速機のギア抜きが完了するまで前記スプリッタをニュートラルNのポジションに保持すると共に当該ニュートラルNのポジションに保持されている状態で前記作動不良検出手段により前記スプリッタのアクチュエータのいずれかの電磁バルブについて作動不良が検出されたときには、現在のギア段から前記作動不良が検出された電磁バルブの作動を伴うギア段への切替えを禁止すると共に、作動不良の判定結果に基づいて、前記SL用バルブをオンすることによる前記ニュートラルNのポジションに保持されている状態からの切替えと前記SH用バルブをオフすることによる前記ニュートラルNのポジションに保持されている状態からの切替えとのいずれかを実行することを特徴とする車両の変速制御装置。
  2. 前記変速制御部は、前記スプリッタを高速Hまたは低速Lのいずれか一方のポジションに固定させた状態とし、スキップシフトによる変速を行うことを特徴とする請求項1記載の車両の変速制御装置。
  3. 前記変速制御部は、設定発進段が前記スキップシフト段に該当しない場合には、低いギア段の内、設定発進段に一番近いギア段を発進段とすることを特徴とする請求項2記載の車両の変速制御装置。
  4. 前記主変速機と副変速機に、もうひとつの副変速機として高速H、低速Lのポジションを有するレンジを組み合わせたことを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の車両の変速制御装置。
  5. 前記変速制御部は、前記レンジのアクチュエータが作動不良である場合に、前記レンジの作動を伴うギア段への切替えを禁止し、前記スプリッタまたは前記主変速機による変速を行うことを特徴とする請求項4記載の車両の変速制御装置。
  6. 前記変速制御部は、設定発進段が前記レンジの作動を伴う禁止されたギア段に該当する場合には、前記レンジがHのポジションにあるときは一番低いギア段を発進段とし、前記レンジがLのポジションにあるときは一番高いギア段を発進段とすることを特徴とする請求項5記載の車両の変速制御装置。
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