JP2004197772A - トランスミッション制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定速走行制御中の車速維持機能と燃費性能を両立できるトランスミッション制御装置を提供する。
【解決手段】定速走行制御中にクルーズ設定車速と現車速の差が設定値を超えるまで現車速が下がったときに変速機のシフトダウン制御するトランスミッション制御装置において、上記設定値101,102を変速段により異ならせるシフトダウン制御機能を備え、シフトダウン制御機能は、オートクルーズ中の現ギヤ段が、設定のギヤ段より大きいか小さいかを判断し、設定のギヤ段より現ギヤ段が大きいときには、設定値101を小さく、現ギヤ段が小さいときには設定値102を大きく設定し、クルーズ設定車速に対して現車速と設定値を加算した合計値が小さいときに現ギヤ段をシフトダウン操作104するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】定速走行制御中にクルーズ設定車速と現車速の差が設定値を超えるまで現車速が下がったときに変速機のシフトダウン制御するトランスミッション制御装置において、上記設定値101,102を変速段により異ならせるシフトダウン制御機能を備え、シフトダウン制御機能は、オートクルーズ中の現ギヤ段が、設定のギヤ段より大きいか小さいかを判断し、設定のギヤ段より現ギヤ段が大きいときには、設定値101を小さく、現ギヤ段が小さいときには設定値102を大きく設定し、クルーズ設定車速に対して現車速と設定値を加算した合計値が小さいときに現ギヤ段をシフトダウン操作104するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の定速走行制御装置(所謂オートクルーズシステム)を構成するトランスミッション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近ではドライバの負担を軽減するため、トラクタや大型トラック等の比較的大型の車両においても自動クラッチや自動変速機を採用する例が多く見られ、また、アクセル操作無しに一定速での走行を実現するため、定速走行制御装置(以下オートクルーズ装置という)を装備する例も多く見られる。
【0003】
このオートクルーズ走行中は、オートクルーズ設定時のギヤ段が維持され、路面抵抗の変化に応じて変化する現車速を基に燃料噴射量を増減してエンジン回転を制御してクルーズ設定車速になるようにしている。また、上り坂などを走行する場合には、燃料噴射量を増加してもエンジン回転が増大せずに車速が、クルーズ設定車速に対して設定値まで下がったならば、シフトダウンを行い、また下り坂では、燃料噴射量を減少させてもエンジン回転が増大するためにシフトダウンを行うようにしてクルーズ設定車速になるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
実公平7−8290号公報
【特許文献2】
特開昭63−17129号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、オートクルーズ走行中の自動変速をクルーズ設定車速と現車速との乖離状態によりシフトアップ,ダウンを行うシステムにおいては、クルーズ設定車速の維持機能とクルーズ中の車両燃費は相反する性能であり、クルーズ設定車速の維持の性能に重きをおけば燃費が悪くなるという問題がある。
【0006】
すなわち、最高速ギヤ段近くで、オートクルーズ設定がなされた場合、その最高速ギヤ段近くからシフトダウンする場合には、適正なギヤ段までシフトダウンを行えば、クルーズ設定車速と現車速との乖離状態が長く続けばシフトダウン操作が繰り返し行われて燃費が悪くなる。
【0007】
そこで、本願発明の目的は上記課題を解決し、定速走行制御中の車速維持機能と燃費性能を両立できるトランスミッション制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、定速走行制御中にクルーズ設定車速と現車速の差が設定値を超えるまで現車速が下がったときに変速機のシフトダウン制御するトランスミッション制御装置において、上記設定値を変速段により異ならせるシフトダウン制御機能を備えたトランスミッション制御装置である。
【0009】
請求項2の発明は、シフトダウン制御機能は、オートクルーズ中の現ギヤ段が、設定のギヤ段より大きいか小さいかを判断し、設定のギヤ段より現ギヤ段が大きいときには、設定値を小さく、現ギヤ段が設定のギヤ段以下のときには設定値を大きく設定する請求項1記載のトランスミッション制御装置である。
【0010】
請求項3の発明は、シフトダウン制御機能は、シフトダウン制御する際に、シフトダウンするギヤ段でのエンジン回転数がオーバーランするかどうかを判断し、オーバーランしないときにシフトダウン操作を行う請求項1又は2に記載のトランスミッション制御装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
図2に本実施形態に係る車両の自動変速装置を示す。ここでは車両がトレーラを牽引するトラクタであり、エンジン1が電子ガバナ1dを備えたディーゼルエンジンとなっている。図示するように、エンジン1にクラッチ2を介して変速機3が取り付けられ、変速機3の出力軸4(図3参照)がプロペラシャフト(図示せず)等を介して駆動輪である後輪(図示せず)に連結される。エンジン1はエンジンコントロールユニット(ECU)6によって電子制御される。即ち、ECU6は、主にエンジン回転センサ7とアクセル開度センサ8とによって検知されるエンジン回転数とアクセル開度との値に基づいて目標燃料噴射量を算出し、この目標燃料噴射量と等しい量の燃料噴射が実際に行われるように、燃料噴射ポンプ1aの電子ガバナ1dを制御する。
【0013】
図3に示すように、エンジンのクランク軸にフライホイール1bが取り付けられ、フライホイール1bの外周にリングギヤ1cが形成され、リングギヤ1cの歯が通過する度にエンジン回転センサ7がパルスを出力し、ECU6が単位時間当たりのパルス数をカウントしてエンジン回転数を算出する。
【0014】
図2に示すように、クラッチ2と変速機3は、トランスミッション制御装置(コントロールユニット:TMCU)9の制御信号に基づいて自動制御される。ECU6とTMCU9とは互いにバスケーブル等を介して接続され、相互に連絡可能である。
【0015】
図2、図3及び図4に示すように、クラッチ2は機械式摩擦クラッチであり、入力側をなすフライホイール1b、出力側をなすドリブンプレート2a、及びドリブンプレート2aをフライホイール1aに押圧接触又は離反させるプレッシャプレート2bから構成される。そしてクラッチ2は、クラッチブースタ10によりプレッシャプレート2bを軸方向に操作され、基本的には自動断接され、ドライバの負担を軽減し得るものとなっている。一方、微低速バックに際しての微妙なクラッチワークや、非常時のクラッチ急断を可能とするため、クラッチペダル11によるマニュアル断接も可能となっている。所謂セレクティブオートクラッチの構成である。クラッチ2自体のストローク(即ちプレッシャプレート2bの位置)を検知するクラッチストロークセンサ14と、クラッチペダル11の踏込みストロークを検知するクラッチペダルストロークセンサ16とが設けられ、それぞれTMCU9に接続されている。
【0016】
図4に示すように、クラッチブースタ10は実線で示す二系統の空圧通路a,bを通じてエアタンク5に接続され、エアタンク5から供給される空圧で作動する。一方の空気通路aがクラッチ自動断接用、他方の空気通路bがクラッチマニュアル断接用である。一方の空気通路aは二股状に分岐され、そのうちの一方に自動断接用の電磁弁MVC1,MVC2が直列に設けられ、他方に非常用の電磁弁MVCEが設けられる。分岐合流部にダブルチェックバルブDCV1が設けられる。他方の空気通路bに、クラッチブースタ10に付設される油圧作動弁12が設けられる。両空気通路a,bの合流部にもダブルチェックバルブDCV2が設けられる。ダブルチェックバルブDCV1,DCV2は差圧作動型の三方弁である。
【0017】
上記電磁弁MVC1,MVC2,MVCEはTMCU9によりON/OFF制御され、ONのとき上流側を下流側に連通し、OFF のとき上流側を遮断して下流側を大気開放する。まず自動側を説明すると、電磁弁MVC1は単にイグニッションキーのON/OFFに合わせてON/OFFされるだけである。イグニッションキーOFF 、つまり停車中はOFF となり、エアタンク5からの空圧を遮断する。電磁弁MVC2は比例制御弁で、供給又は排出エア量を自由にコントロールできる。これはクラッチ2の断接速度制御を行うためである。電磁弁MVC1,MVC2がともにONだとエアタンク5の空圧がダブルチェックバルブDCV1,DCV2をそれぞれ切り換えてクラッチブースタ10に供給される。これによりクラッチ2が分断される。クラッチ2を接続するときはMVC2のみがOFF され、これによりクラッチブースタ10の空圧がMVC2から排出されてクラッチ2が接続される。
【0018】
ところでもし仮にクラッチ分断中に電磁弁MVC1又はMVC2に異常が生じ、いずれかがOFF となると、ドライバの意思に反してクラッチ2が急接されてしまう。そこでこのような異常がTMCU9の異常診断回路(図示せず)で検知されたら、即座に電磁弁MVCEをONする。すると電磁弁MVCEを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV1を逆に切り換えてクラッチブースタ10に供給され、クラッチ分断状態が維持され、クラッチ急接が防止される。
【0019】
次にマニュアル側を説明する。クラッチペダル11の踏込み・戻し操作に応じてマスタシリンダ13から油圧が給排され、この油圧が破線で示す油圧通路13aを介して油圧作動弁12に供給される。これによって油圧作動弁12が開閉され、クラッチブースタ10への空圧の給排が行われ、クラッチ2のマニュアル断接が実行される。油圧作動弁12が開くと、これを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV2を切り換えてクラッチブースタ10に至る。なお、クラッチ2の自動断接とマニュアル断接とが干渉した場合はマニュアル断接を優先させるようになっている。
【0020】
図3に詳細に示すように、変速機3は基本的に常時噛み合い式のいわゆる多段変速機となっており、前進16段、後進2段に変速可能である。また変速機3自体は手動変速機と同様の構成をなす。変速機3は入力側と出力側とにそれぞれ副変速機としてのスプリッタ17及びレンジギヤ19を備え、これらの間にメインギヤ段18を備えている。そして、入力軸15に伝達されてきたエンジン動力をスプリッタ17、メインギヤ段18、レンジギヤ19へと順に送って出力軸4に出力する。
【0021】
変速機3を自動変速すべくギヤシフトユニットGSUが設けられ、これはスプリッタ17、メインギヤ段18、レンジギヤ19それぞれの変速を担当するスプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22から構成される。これらアクチュエータ20,21,22もクラッチブースタ10同様空圧で作動され、TMCU9によって制御される。変速機3の現ギヤ段はギヤポジションスイッチ23(図2参照)によって検知される。カウンタシャフト32の回転速度がカウンタシャフト回転センサ26で検知され、出力軸4の回転速度が出力軸回転センサ28で検知される。これら検知信号はTMCU9に送られる。
【0022】
この自動変速機ではマニュアルモードが設定され、ドライバのシフトチェンジ操作に基づくマニュアル変速も可能となっている。この場合、図2に示すように、クラッチ2の断接制御及び変速機3の変速制御は運転席に設けられたシフトレバー装置29からの信号を合図に行われる。即ち、シフトレバー装置29には、シフトレバー29aのマニュアル操作に応じて信号を出力するシフトスイッチ(図示せず)が内蔵されており、ドライバがシフトレバー29aをシフト操作すると、信号がTMCU9に送られ、これを基にTMCU9はクラッチブースタ10、スプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22を適宜作動させ、一連の変速操作を実行する。なおTMCU9は現ギヤ段をモニター31に表示する。このようにマニュアルモードに限って言えば、変速機3は、シフトスイッチの出力信号に基づいてTMCU9により変速制御される遠隔操作型の手動変速機となっている。つまりシフトケーブル等機械的連結手段を介すことなく、アクチュエータ20,21,22により、ドライバの指示段に手動変速機を自動変速するものとなっている。
【0023】
図2に示すシフトレバー装置29において、Rはリバース、Nはニュートラル、Dはドライブ、UPはシフトアップ、DOWNはシフトダウンをそれぞれ意味し、各ポジションにシフトレバー29aが操作されると、それらポジションに応じた信号が出力される。また運転席に、変速モードを自動とマニュアルに切り換えるモードスイッチ24と、変速を1段ずつ行うか1段飛ばしで行うかを切り換えるスキップスイッチ25とが設けられる。
【0024】
自動変速モードのとき、シフトレバー29aをDレンジに入れておけば車速等に応じて自動的に変速が行われる。またこの自動変速モードでも、ドライバがシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作すれば、マニュアルでのシフトアップ又はシフトダウンが可能である。この自動変速モードにおいて、スキップスイッチ25がOFF (通常モード)なら変速は1段ずつ行われる。これはトレーラ牽引時等、積載荷重が比較的大きいときに有効である。またスキップスイッチ25がON(スキップモード)なら変速は1段飛ばしで行われる。これはトレーラを牽引してないときや荷が軽いときなどに有効である。
【0025】
一方、マニュアル変速モードのときは、変速は完全にドライバの意思に従う。シフトレバー29aがDレンジのときは変速は行われず、現在ギヤが保持され、ドライバの積極的な意思でシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作したときのみ、シフトアップ又はシフトダウンがなされる。このときも前記同様、スキップスイッチ25がOFF なら変速は1段ずつ行われ、スキップスイッチ25がONなら変速は1段飛ばしで行われる。
【0026】
なお、運転席に非常用変速スイッチ51が設けられ、GSUの電磁弁等が故障したときは非常用変速スイッチ51の手動切換により変速できるようになっている。
【0027】
図3に示すように、変速機3にあっては、入力軸15、メインシャフト33及び出力軸4が同軸上に配置され、カウンタシャフト32がそれらの下方に平行配置される。入力軸15がクラッチ2のドリブンプレート2aに接続され、入力軸15とメインシャフト33とが相対回転可能に支持される。
【0028】
まずスプリッタ17とメインギヤ段18の構成を説明する。入力軸15にスプリットハイギヤSHが回転可能に取り付けられる。またメインシャフト33にも前方(入力軸15側)から順にメインギヤM4,M3,M2,M1,MRが回転可能に取り付けられる。MRを除くギヤSH,M4,M3,M2,M1は、それぞれカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCH,C4,C3,C2,C1に常時噛合される。ギヤMRはアイドルリバースギヤIRに常時噛合され、アイドルリバースギヤIRはカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCRに常時噛合される。
【0029】
入力軸15及びメインシャフト33に取り付けられた各ギヤSH,M4,M3,M2,M1,MRに、当該ギヤを選択し得るようスプライン36が一体的に設けられ、これらスプライン36に隣接して入力軸15及びメインシャフト33に第1〜第4スプライン37〜40が固設される。第1〜第4スプライン37〜40に常時係合して第1〜第4スリーブ42〜45が前後(シフト方向)にスライド可能に設けられる。第1〜第4スリーブ42〜45を適宜選択してスライド移動させ、ギヤ側スプライン36と係合・離脱させることによりギヤ入れ・ギヤ抜きを行える。第1スリーブ42の移動をスプリッタアクチュエータ20で行い、第2〜第4スリーブ43〜45の移動をメインアクチュエータ21で行う。
【0030】
このように、スプリッタ17とメインギヤ段18とは各アクチュエータ20,21によって自動変速され得る常時噛み合い式の構成とされる。特に、スプリッタ17のスプライン部には通常の機械的なシンクロ機構が存在するものの、メインギヤ段18のスプライン部にはシンクロ機構が存在しない。このため、メインギヤ段18の変速を行うときにはシンクロ制御を行ってエンジン回転とギヤ速度とを調速し、シンクロ機構なしで同期できるようになっている。ここではメインギヤ段18以外にスプリッタ17にもニュートラルポジションが設けられ、所謂ガラ音対策がなされている(特開2001-140997 号公報参照)。
【0031】
次にレンジギヤ19の構成を説明する。レンジギヤ19は遊星歯車機構34を採用しており、ハイ・ローいずれかのポジションに切り替えることができる。遊星歯車機構34は、メインシャフト33の最後端に固設されたサンギヤ65と、その外周に噛合される複数のプラネタリギヤ66と、各プラネタリギヤ66の外周に噛合される内歯を有したリングギヤ67とからなる。各プラネタリギヤ66は共通のキャリア68に回転可能に支持され、キャリア68は出力軸4に連結される。リングギヤ67は管部69を一体的に有し、管部69は出力軸4の外周に相対回転可能に嵌め込まれて出力軸4とともに二重軸を構成する。
【0032】
第5スプライン41が管部69に一体的に設けられる。また第5スプライン41の後方に隣接して、出力軸スプライン70が出力軸4に一体的に設けられる。第5スプライン41の前方に隣接して、ミッションケース側に固定された固定スプライン71が設けられる。第5スプライン41に常時係合して第5スリーブ46が前後スライド可能に設けられる。第5スリーブ46はレンジアクチュエータ22で移動される。レンジギヤ19の各スプライン部にはシンクロ機構が存在する。
【0033】
第5スリーブ46が前方に移動するとこれが固定スプライン71に係合し、第5スプライン41と固定スプライン71とが連結される。これによりリングギヤ67がミッションケース側に固定され、出力軸4が1より大きい減速比で回転駆動されるようになる。これがローのポジションである。
【0034】
一方、第5スリーブ46が後方に移動するとこれが出力軸スプライン70に係合し、第5スプライン41と出力軸スプライン70とが連結される。これによりリングギヤ67とキャリア68とが互いに固定され、出力軸4が1の減速比で直結駆動されるようになる。これがハイのポジションである。
【0035】
このように、この変速機3では、前進側において、スプリッタ17でハイ・ローの2段、メインギヤ段18で4段、レンジギヤ19でハイ・ローの2段に変速可能であり、計2×4×2=16段に変速することができる。また後進側では、スプリッタ17のみでハイ・ローを切り替えて2段に変速することができる。
【0036】
次に、各アクチュエータ20,21,22について説明する。アクチュエータ20,21,22はエアタンク5の空圧で作動する空圧シリンダと、空圧シリンダへの空圧の給排を切り替える電磁弁とで構成される。そしてこれら電磁弁がTMCU9で選択的に切り替えられ、空圧シリンダを選択的に作動させるようになっている。
【0037】
スプリッタアクチュエータ20は、ダブルピストンを有した空圧シリンダ47と三つの電磁弁MVH,MVF,MVGとで構成される。スプリッタ17をニュートラルにするときはMVH/ON,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をハイにするときはMVH/OFF,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をローにするときはMVH/OFF,MVF/ON,MVG/OFFとされる。
【0038】
メインアクチュエータ21は、ダブルピストンを有しセレクト側の動作を担当する空圧シリンダ48と、シングルピストンを有しシフト側の動作を担当する空圧シリンダ49とを備える。各空圧シリンダ48,49に対し三つずつ電磁弁MVC,MVD,MVE及びMVB,MVAが設けられる。
【0039】
セレクト側空圧シリンダ48は、MVC/OFF,MVD/ON,MVE/OFFのとき伸張(図の下方に移動)し、メインギヤの3rd、4th又はN3を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/ONのとき図示の如き中立となり、メインギヤの1st、2nd又はN2を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/OFFのとき縮退(図の上方に移動)し、メインギヤのRev又はN1を選択可能とする。
【0040】
シフト側空圧シリンダ49は、MVA/ON,MVB/ONのとき中立となり、メインギヤのN1、N2又はN3を選択可能とし、MVA/ON,MVB/OFFのとき伸張(図の左側に移動)し、メインギヤの2nd,4th又はRevを選択可能とし、MVA/OFF,MVB/ONのとき縮退(図の右側に移動)し、メインギヤの1st又は3rdを選択可能とする。
【0041】
レンジアクチュエータ22は、シングルピストンを有した空圧シリンダ50と二つの電磁弁MVI,MVJとで構成される。空圧シリンダ50は、MVI/ON,MVJ/OFFのとき縮退(図の右側に移動)し、レンジギヤをハイとし、MVI/OFF,MVJ/ONのとき図の左側に移動し、レンジギヤ19をローとする。
【0042】
ところで、上記シンクロ制御に際してカウンタシャフト32を制動するため、カウンタシャフト32にはカウンタシャフトブレーキ27が設けられる。カウンタシャフトブレーキ27は湿式多板ブレーキであって、エアタンク5の空圧で作動する。この空圧の給排を切り替えるため電磁弁MV BRKが設けられる。電磁弁MV BRKがONのときカウンタシャフトブレーキ27に空圧が供給され、カウンタシャフトブレーキ27が作動状態となる。電磁弁MV BRKがOFFのときにはカウンタシャフトブレーキ27から空圧が排出され、カウンタシャフトブレーキ27が非作動となる。
【0043】
次に、自動変速制御の内容を説明する。TMCU9にはシフトアップ時又はシフトダウン時の各ギヤ段におけるアクセル開度(%)と出力軸(アウトプットシャフト)回転数(rpm )との関係(シフトアップマップ、シフトダウンマップ)が予め記録されている。TMCU9は、自動変速モードの場合、これらの関係に従って自動変速するようになっている。このとき、スキップモードであっても通常モードであっても、シフトダウン・アップは1段ずつ行われる。
【0044】
一方、マニュアルモードの場合、TMCU9はこれらマップと無関係にドライバのシフトアップ・ダウン操作に従って変速を実行する。通常モードなら1回のシフトチェンジ操作で1段変速し、スキップモードなら1回のシフトチェンジ操作で2段変速する。
【0045】
現在のアクセル開度はアクセル開度センサ8により検知され、現在の出力軸回転数は出力軸回転センサ28により検知される。TMCU9は、現在の出力軸回転数の値から現在の車速を換算し、これをスピードメータに表示する。つまり車速が出力軸回転数から間接的に検知され、出力軸回転数と車速とは相互に対応している。
【0046】
また、TMCU9はECU6のクルーズコントローラ6aと連携し、車両の定速走行を実現する定速走行制御をも行うようになっている。
【0047】
クルーズコントローラ6aは、基本的な定速走行制御を行うものであり、ドライバにより設定されたクルーズ設定車速に実車速を一致させるようにエンジンの燃料噴射量を制御するようになっている。
【0048】
図5に示すように、ECU6(クルーズコントローラ6a)には、各スイッチ81〜85及び各ランプ81a,82aが接続されている。
【0049】
メインスイッチ81は、定速走行制御スタンバイ状態とするためのものであり、ドライバにONされることで運転室のメインランプ81aを点灯させる。スタンバイ状態の解除はメインスイッチ81のOFF又はキースイッチ(図示せず)のOFFにより行われ、解除と同時にメインランプ81aが消灯される。セットスイッチ82は、ドライバにONされると同時にクルーズ設定車速を設定し、定速走行制御を開始し、運転室のセットランプ82aを点灯する。キャンセルスイッチ83は、ドライバにONされると定速走行制御を解除する。定速走行制御解除と同時にセットランプ82aが消灯される。コーストスイッチ84は、ドライバにONされている間は車両を惰行状態とする。この状態からコーストスイッチ84がOFFされると、その時の実車速が新たなクルーズ設定車速として更新設定される。リジュームスイッチ85は、ドライバにONされると、クルーズ設定車速がセットスイッチ82をONしたときの最初の値に復帰される。
【0050】
なお、周知のように、定速走行制御の解除は、他にもメインスイッチ81のOFF、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込み(ブレーキスイッチON)、又はクラッチペダル11の踏み込み(クラッチペダルストロークセンサ16の値が所定値以上)によって行われる。
【0051】
さて、本発明においては、TMCU9は、定速走行制御中にクルーズ設定車速と現車速の差が設定値を超えるまで現車速が下がったときに変速機のシフトダウン制御するに際して、上記設定値を変速段により異ならせるシフトダウン制御機能を備え、クルーズ設定車速に対して現車速と設定値を加算した合計値が小さいときに現ギヤ段をシフトダウンするようにしたもので、より具体的には、オートクルーズ中の現ギヤ段が、設定のギヤ段より大きいか小さいかを判断し、設定のギヤ段より現ギヤ段が大きいときには、設定値を小さく、現ギヤ段が設定のギヤ段以下のときには設定値を大きく設定するシフトダウン制御機能を備えている。
【0052】
これにより、オートクルーズ中の車速失速時、最高速ギヤ段(もしくは設定のギヤ段)からのシフトダウン車速とそれ以外のギヤ段からのシフトダウン車速を変えることができる。一般的に走行抵抗の増加で最も車速変化が大きくなる最高ギヤ段からのシフトダウンを早めにし、またシフトダウン後は、車速がクルーズ設定車速に近づこうとしなくてもそのギヤ段を保持して走行を続けることで燃費向上となる。その後、現車速の減速が続けば、シフトダウン後のエンジン回転がオーバーランしない設定回転以下となる低速ギヤ段まで変速し、それ以上の失速を止め、車速を増速させるように制御する。
【0053】
このように、クルーズ設定車速により、車両失速時のシフトダウンタイミングを異ならせ、駆動力が小さい最高ギヤ段で、シフトダウンを早めに行い、それ以外は遅くすることで、車速維持機能と燃費性能を両立させることができる。
【0054】
このシフトダウン制御機能のフローを図1により説明する。
【0055】
制御がスタート100し、step1で、クルーズ制御中かどうかを判断し、クルーズ制御中であれば(YES)、step2で、自動変速モードかどうかを判断し、自動変速モードであれば(YES)、step3で、現ギヤ段が設定ギヤ段より大きいかどうかを判断する。
【0056】
なお、step1でクルーズ制御中でなければ(NO)、またstep2で自動変速モードでなければ(NO)、制御を終了105する。
【0057】
step3の判断での設定ギヤ段は、16段トランスミッションの場合には、15thとする。
【0058】
このstep3で、現ギヤ段が設定ギヤ段(15th)より大きければ(YES)、ΔSpeed=設定値1に設定101し、大きくなければ(NO)、ΔSpeed=設定値2に設定102にする。
【0059】
この設定値1は、例えば4km/hを、設定値2は、例えば9km/hとする。
【0060】
次に、step4で、クルーズ設定車速に対して、現車速と設定値1(または設定値2)の合計値(車速)が高いかどうかを判断し、クルーズ設定車速が合計値(車速)より低ければ、制御を終了105して、現ギヤ段でオートクルーズ走行を続ける。
【0061】
次に、step4で、クルーズ設定車速が高ければ(YES)、変速後のエンジン回転(=現アウトプットシャフト回転数×(現ギヤ段−1)のギヤ比)103を求め、step5の判断で、変速後のエンジン回転が上限値(オーバーラン回転)を超えるかどうかを判断し、上限値を超えるなら(NO)、制御を終了105して、現ギヤ段でオートクルーズ走行を続ける。
【0062】
さて、step5の判断で、上限値(大型商用車用ディーゼルの場合1900rpm)を超えなければ(YES)、目標ギヤ段を現ギヤ段−1にシフトダウン操作104をして制御を終了105する。
【0063】
このように、オートクルーズ走行中の現ギヤ段をstep3で判断し、オートクルーズ走行時の現ギヤ段が高速段(15th)以上かどうかを判断し、そのギヤ段より上であれば、例えば、設定値1を4km/hとし、設定のギヤ段以下であれば、設定値2を、例えば9km/hとすることで、step4の判断で、設定のギヤ段より上のときに早めにシフトダウン操作が行え、設定のギヤ段以下のときには、クルーズ設定車速に対して9km/h以下まで車速が落ちたときにシフトダウン操作をすることで、車速維持性能を保ちつつ燃費性能を向上させることができる。
【0064】
なお、本実施の形態ではディーゼルエンジンの場合について述べたがこれに限るものではない。エンジンはガソリンエンジン等、他の種別のものであってもよい。自動変速機は、少なくとも自動変速可能なものであれば、マニュアル変速モードの無いものやスキップモードの無いのものであってもよい。車両も大型車両に限らず、小型トラック、乗用車等が可能である。また、上述した各数値は具体例であり、適宜変更してよい。
【0065】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、定速走行時の車速維持性能と燃費性能を両立させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すフローチャート図である。
【図2】本発明に係る車両の自動変速装置を示す構成図である。
【図3】自動変速装置のスケルトン図である。
【図4】自動クラッチ装置を示す構成図である。
【図5】エンジンコントロールユニットと各種スイッチの構成図である。
【符号の説明】
3 変速機
9 トランスミッション制御装置
101 設定値1
102 設定値2
104 シフトダウン操作
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の定速走行制御装置(所謂オートクルーズシステム)を構成するトランスミッション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近ではドライバの負担を軽減するため、トラクタや大型トラック等の比較的大型の車両においても自動クラッチや自動変速機を採用する例が多く見られ、また、アクセル操作無しに一定速での走行を実現するため、定速走行制御装置(以下オートクルーズ装置という)を装備する例も多く見られる。
【0003】
このオートクルーズ走行中は、オートクルーズ設定時のギヤ段が維持され、路面抵抗の変化に応じて変化する現車速を基に燃料噴射量を増減してエンジン回転を制御してクルーズ設定車速になるようにしている。また、上り坂などを走行する場合には、燃料噴射量を増加してもエンジン回転が増大せずに車速が、クルーズ設定車速に対して設定値まで下がったならば、シフトダウンを行い、また下り坂では、燃料噴射量を減少させてもエンジン回転が増大するためにシフトダウンを行うようにしてクルーズ設定車速になるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
実公平7−8290号公報
【特許文献2】
特開昭63−17129号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、オートクルーズ走行中の自動変速をクルーズ設定車速と現車速との乖離状態によりシフトアップ,ダウンを行うシステムにおいては、クルーズ設定車速の維持機能とクルーズ中の車両燃費は相反する性能であり、クルーズ設定車速の維持の性能に重きをおけば燃費が悪くなるという問題がある。
【0006】
すなわち、最高速ギヤ段近くで、オートクルーズ設定がなされた場合、その最高速ギヤ段近くからシフトダウンする場合には、適正なギヤ段までシフトダウンを行えば、クルーズ設定車速と現車速との乖離状態が長く続けばシフトダウン操作が繰り返し行われて燃費が悪くなる。
【0007】
そこで、本願発明の目的は上記課題を解決し、定速走行制御中の車速維持機能と燃費性能を両立できるトランスミッション制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、定速走行制御中にクルーズ設定車速と現車速の差が設定値を超えるまで現車速が下がったときに変速機のシフトダウン制御するトランスミッション制御装置において、上記設定値を変速段により異ならせるシフトダウン制御機能を備えたトランスミッション制御装置である。
【0009】
請求項2の発明は、シフトダウン制御機能は、オートクルーズ中の現ギヤ段が、設定のギヤ段より大きいか小さいかを判断し、設定のギヤ段より現ギヤ段が大きいときには、設定値を小さく、現ギヤ段が設定のギヤ段以下のときには設定値を大きく設定する請求項1記載のトランスミッション制御装置である。
【0010】
請求項3の発明は、シフトダウン制御機能は、シフトダウン制御する際に、シフトダウンするギヤ段でのエンジン回転数がオーバーランするかどうかを判断し、オーバーランしないときにシフトダウン操作を行う請求項1又は2に記載のトランスミッション制御装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0012】
図2に本実施形態に係る車両の自動変速装置を示す。ここでは車両がトレーラを牽引するトラクタであり、エンジン1が電子ガバナ1dを備えたディーゼルエンジンとなっている。図示するように、エンジン1にクラッチ2を介して変速機3が取り付けられ、変速機3の出力軸4(図3参照)がプロペラシャフト(図示せず)等を介して駆動輪である後輪(図示せず)に連結される。エンジン1はエンジンコントロールユニット(ECU)6によって電子制御される。即ち、ECU6は、主にエンジン回転センサ7とアクセル開度センサ8とによって検知されるエンジン回転数とアクセル開度との値に基づいて目標燃料噴射量を算出し、この目標燃料噴射量と等しい量の燃料噴射が実際に行われるように、燃料噴射ポンプ1aの電子ガバナ1dを制御する。
【0013】
図3に示すように、エンジンのクランク軸にフライホイール1bが取り付けられ、フライホイール1bの外周にリングギヤ1cが形成され、リングギヤ1cの歯が通過する度にエンジン回転センサ7がパルスを出力し、ECU6が単位時間当たりのパルス数をカウントしてエンジン回転数を算出する。
【0014】
図2に示すように、クラッチ2と変速機3は、トランスミッション制御装置(コントロールユニット:TMCU)9の制御信号に基づいて自動制御される。ECU6とTMCU9とは互いにバスケーブル等を介して接続され、相互に連絡可能である。
【0015】
図2、図3及び図4に示すように、クラッチ2は機械式摩擦クラッチであり、入力側をなすフライホイール1b、出力側をなすドリブンプレート2a、及びドリブンプレート2aをフライホイール1aに押圧接触又は離反させるプレッシャプレート2bから構成される。そしてクラッチ2は、クラッチブースタ10によりプレッシャプレート2bを軸方向に操作され、基本的には自動断接され、ドライバの負担を軽減し得るものとなっている。一方、微低速バックに際しての微妙なクラッチワークや、非常時のクラッチ急断を可能とするため、クラッチペダル11によるマニュアル断接も可能となっている。所謂セレクティブオートクラッチの構成である。クラッチ2自体のストローク(即ちプレッシャプレート2bの位置)を検知するクラッチストロークセンサ14と、クラッチペダル11の踏込みストロークを検知するクラッチペダルストロークセンサ16とが設けられ、それぞれTMCU9に接続されている。
【0016】
図4に示すように、クラッチブースタ10は実線で示す二系統の空圧通路a,bを通じてエアタンク5に接続され、エアタンク5から供給される空圧で作動する。一方の空気通路aがクラッチ自動断接用、他方の空気通路bがクラッチマニュアル断接用である。一方の空気通路aは二股状に分岐され、そのうちの一方に自動断接用の電磁弁MVC1,MVC2が直列に設けられ、他方に非常用の電磁弁MVCEが設けられる。分岐合流部にダブルチェックバルブDCV1が設けられる。他方の空気通路bに、クラッチブースタ10に付設される油圧作動弁12が設けられる。両空気通路a,bの合流部にもダブルチェックバルブDCV2が設けられる。ダブルチェックバルブDCV1,DCV2は差圧作動型の三方弁である。
【0017】
上記電磁弁MVC1,MVC2,MVCEはTMCU9によりON/OFF制御され、ONのとき上流側を下流側に連通し、OFF のとき上流側を遮断して下流側を大気開放する。まず自動側を説明すると、電磁弁MVC1は単にイグニッションキーのON/OFFに合わせてON/OFFされるだけである。イグニッションキーOFF 、つまり停車中はOFF となり、エアタンク5からの空圧を遮断する。電磁弁MVC2は比例制御弁で、供給又は排出エア量を自由にコントロールできる。これはクラッチ2の断接速度制御を行うためである。電磁弁MVC1,MVC2がともにONだとエアタンク5の空圧がダブルチェックバルブDCV1,DCV2をそれぞれ切り換えてクラッチブースタ10に供給される。これによりクラッチ2が分断される。クラッチ2を接続するときはMVC2のみがOFF され、これによりクラッチブースタ10の空圧がMVC2から排出されてクラッチ2が接続される。
【0018】
ところでもし仮にクラッチ分断中に電磁弁MVC1又はMVC2に異常が生じ、いずれかがOFF となると、ドライバの意思に反してクラッチ2が急接されてしまう。そこでこのような異常がTMCU9の異常診断回路(図示せず)で検知されたら、即座に電磁弁MVCEをONする。すると電磁弁MVCEを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV1を逆に切り換えてクラッチブースタ10に供給され、クラッチ分断状態が維持され、クラッチ急接が防止される。
【0019】
次にマニュアル側を説明する。クラッチペダル11の踏込み・戻し操作に応じてマスタシリンダ13から油圧が給排され、この油圧が破線で示す油圧通路13aを介して油圧作動弁12に供給される。これによって油圧作動弁12が開閉され、クラッチブースタ10への空圧の給排が行われ、クラッチ2のマニュアル断接が実行される。油圧作動弁12が開くと、これを通過した空圧がダブルチェックバルブDCV2を切り換えてクラッチブースタ10に至る。なお、クラッチ2の自動断接とマニュアル断接とが干渉した場合はマニュアル断接を優先させるようになっている。
【0020】
図3に詳細に示すように、変速機3は基本的に常時噛み合い式のいわゆる多段変速機となっており、前進16段、後進2段に変速可能である。また変速機3自体は手動変速機と同様の構成をなす。変速機3は入力側と出力側とにそれぞれ副変速機としてのスプリッタ17及びレンジギヤ19を備え、これらの間にメインギヤ段18を備えている。そして、入力軸15に伝達されてきたエンジン動力をスプリッタ17、メインギヤ段18、レンジギヤ19へと順に送って出力軸4に出力する。
【0021】
変速機3を自動変速すべくギヤシフトユニットGSUが設けられ、これはスプリッタ17、メインギヤ段18、レンジギヤ19それぞれの変速を担当するスプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22から構成される。これらアクチュエータ20,21,22もクラッチブースタ10同様空圧で作動され、TMCU9によって制御される。変速機3の現ギヤ段はギヤポジションスイッチ23(図2参照)によって検知される。カウンタシャフト32の回転速度がカウンタシャフト回転センサ26で検知され、出力軸4の回転速度が出力軸回転センサ28で検知される。これら検知信号はTMCU9に送られる。
【0022】
この自動変速機ではマニュアルモードが設定され、ドライバのシフトチェンジ操作に基づくマニュアル変速も可能となっている。この場合、図2に示すように、クラッチ2の断接制御及び変速機3の変速制御は運転席に設けられたシフトレバー装置29からの信号を合図に行われる。即ち、シフトレバー装置29には、シフトレバー29aのマニュアル操作に応じて信号を出力するシフトスイッチ(図示せず)が内蔵されており、ドライバがシフトレバー29aをシフト操作すると、信号がTMCU9に送られ、これを基にTMCU9はクラッチブースタ10、スプリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ21及びレンジアクチュエータ22を適宜作動させ、一連の変速操作を実行する。なおTMCU9は現ギヤ段をモニター31に表示する。このようにマニュアルモードに限って言えば、変速機3は、シフトスイッチの出力信号に基づいてTMCU9により変速制御される遠隔操作型の手動変速機となっている。つまりシフトケーブル等機械的連結手段を介すことなく、アクチュエータ20,21,22により、ドライバの指示段に手動変速機を自動変速するものとなっている。
【0023】
図2に示すシフトレバー装置29において、Rはリバース、Nはニュートラル、Dはドライブ、UPはシフトアップ、DOWNはシフトダウンをそれぞれ意味し、各ポジションにシフトレバー29aが操作されると、それらポジションに応じた信号が出力される。また運転席に、変速モードを自動とマニュアルに切り換えるモードスイッチ24と、変速を1段ずつ行うか1段飛ばしで行うかを切り換えるスキップスイッチ25とが設けられる。
【0024】
自動変速モードのとき、シフトレバー29aをDレンジに入れておけば車速等に応じて自動的に変速が行われる。またこの自動変速モードでも、ドライバがシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作すれば、マニュアルでのシフトアップ又はシフトダウンが可能である。この自動変速モードにおいて、スキップスイッチ25がOFF (通常モード)なら変速は1段ずつ行われる。これはトレーラ牽引時等、積載荷重が比較的大きいときに有効である。またスキップスイッチ25がON(スキップモード)なら変速は1段飛ばしで行われる。これはトレーラを牽引してないときや荷が軽いときなどに有効である。
【0025】
一方、マニュアル変速モードのときは、変速は完全にドライバの意思に従う。シフトレバー29aがDレンジのときは変速は行われず、現在ギヤが保持され、ドライバの積極的な意思でシフトレバー29aをUP又はDOWNに操作したときのみ、シフトアップ又はシフトダウンがなされる。このときも前記同様、スキップスイッチ25がOFF なら変速は1段ずつ行われ、スキップスイッチ25がONなら変速は1段飛ばしで行われる。
【0026】
なお、運転席に非常用変速スイッチ51が設けられ、GSUの電磁弁等が故障したときは非常用変速スイッチ51の手動切換により変速できるようになっている。
【0027】
図3に示すように、変速機3にあっては、入力軸15、メインシャフト33及び出力軸4が同軸上に配置され、カウンタシャフト32がそれらの下方に平行配置される。入力軸15がクラッチ2のドリブンプレート2aに接続され、入力軸15とメインシャフト33とが相対回転可能に支持される。
【0028】
まずスプリッタ17とメインギヤ段18の構成を説明する。入力軸15にスプリットハイギヤSHが回転可能に取り付けられる。またメインシャフト33にも前方(入力軸15側)から順にメインギヤM4,M3,M2,M1,MRが回転可能に取り付けられる。MRを除くギヤSH,M4,M3,M2,M1は、それぞれカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCH,C4,C3,C2,C1に常時噛合される。ギヤMRはアイドルリバースギヤIRに常時噛合され、アイドルリバースギヤIRはカウンタシャフト32に固設されたカウンタギヤCRに常時噛合される。
【0029】
入力軸15及びメインシャフト33に取り付けられた各ギヤSH,M4,M3,M2,M1,MRに、当該ギヤを選択し得るようスプライン36が一体的に設けられ、これらスプライン36に隣接して入力軸15及びメインシャフト33に第1〜第4スプライン37〜40が固設される。第1〜第4スプライン37〜40に常時係合して第1〜第4スリーブ42〜45が前後(シフト方向)にスライド可能に設けられる。第1〜第4スリーブ42〜45を適宜選択してスライド移動させ、ギヤ側スプライン36と係合・離脱させることによりギヤ入れ・ギヤ抜きを行える。第1スリーブ42の移動をスプリッタアクチュエータ20で行い、第2〜第4スリーブ43〜45の移動をメインアクチュエータ21で行う。
【0030】
このように、スプリッタ17とメインギヤ段18とは各アクチュエータ20,21によって自動変速され得る常時噛み合い式の構成とされる。特に、スプリッタ17のスプライン部には通常の機械的なシンクロ機構が存在するものの、メインギヤ段18のスプライン部にはシンクロ機構が存在しない。このため、メインギヤ段18の変速を行うときにはシンクロ制御を行ってエンジン回転とギヤ速度とを調速し、シンクロ機構なしで同期できるようになっている。ここではメインギヤ段18以外にスプリッタ17にもニュートラルポジションが設けられ、所謂ガラ音対策がなされている(特開2001-140997 号公報参照)。
【0031】
次にレンジギヤ19の構成を説明する。レンジギヤ19は遊星歯車機構34を採用しており、ハイ・ローいずれかのポジションに切り替えることができる。遊星歯車機構34は、メインシャフト33の最後端に固設されたサンギヤ65と、その外周に噛合される複数のプラネタリギヤ66と、各プラネタリギヤ66の外周に噛合される内歯を有したリングギヤ67とからなる。各プラネタリギヤ66は共通のキャリア68に回転可能に支持され、キャリア68は出力軸4に連結される。リングギヤ67は管部69を一体的に有し、管部69は出力軸4の外周に相対回転可能に嵌め込まれて出力軸4とともに二重軸を構成する。
【0032】
第5スプライン41が管部69に一体的に設けられる。また第5スプライン41の後方に隣接して、出力軸スプライン70が出力軸4に一体的に設けられる。第5スプライン41の前方に隣接して、ミッションケース側に固定された固定スプライン71が設けられる。第5スプライン41に常時係合して第5スリーブ46が前後スライド可能に設けられる。第5スリーブ46はレンジアクチュエータ22で移動される。レンジギヤ19の各スプライン部にはシンクロ機構が存在する。
【0033】
第5スリーブ46が前方に移動するとこれが固定スプライン71に係合し、第5スプライン41と固定スプライン71とが連結される。これによりリングギヤ67がミッションケース側に固定され、出力軸4が1より大きい減速比で回転駆動されるようになる。これがローのポジションである。
【0034】
一方、第5スリーブ46が後方に移動するとこれが出力軸スプライン70に係合し、第5スプライン41と出力軸スプライン70とが連結される。これによりリングギヤ67とキャリア68とが互いに固定され、出力軸4が1の減速比で直結駆動されるようになる。これがハイのポジションである。
【0035】
このように、この変速機3では、前進側において、スプリッタ17でハイ・ローの2段、メインギヤ段18で4段、レンジギヤ19でハイ・ローの2段に変速可能であり、計2×4×2=16段に変速することができる。また後進側では、スプリッタ17のみでハイ・ローを切り替えて2段に変速することができる。
【0036】
次に、各アクチュエータ20,21,22について説明する。アクチュエータ20,21,22はエアタンク5の空圧で作動する空圧シリンダと、空圧シリンダへの空圧の給排を切り替える電磁弁とで構成される。そしてこれら電磁弁がTMCU9で選択的に切り替えられ、空圧シリンダを選択的に作動させるようになっている。
【0037】
スプリッタアクチュエータ20は、ダブルピストンを有した空圧シリンダ47と三つの電磁弁MVH,MVF,MVGとで構成される。スプリッタ17をニュートラルにするときはMVH/ON,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をハイにするときはMVH/OFF,MVF/OFF,MVG/ONとされる。スプリッタ17をローにするときはMVH/OFF,MVF/ON,MVG/OFFとされる。
【0038】
メインアクチュエータ21は、ダブルピストンを有しセレクト側の動作を担当する空圧シリンダ48と、シングルピストンを有しシフト側の動作を担当する空圧シリンダ49とを備える。各空圧シリンダ48,49に対し三つずつ電磁弁MVC,MVD,MVE及びMVB,MVAが設けられる。
【0039】
セレクト側空圧シリンダ48は、MVC/OFF,MVD/ON,MVE/OFFのとき伸張(図の下方に移動)し、メインギヤの3rd、4th又はN3を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/ONのとき図示の如き中立となり、メインギヤの1st、2nd又はN2を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/OFFのとき縮退(図の上方に移動)し、メインギヤのRev又はN1を選択可能とする。
【0040】
シフト側空圧シリンダ49は、MVA/ON,MVB/ONのとき中立となり、メインギヤのN1、N2又はN3を選択可能とし、MVA/ON,MVB/OFFのとき伸張(図の左側に移動)し、メインギヤの2nd,4th又はRevを選択可能とし、MVA/OFF,MVB/ONのとき縮退(図の右側に移動)し、メインギヤの1st又は3rdを選択可能とする。
【0041】
レンジアクチュエータ22は、シングルピストンを有した空圧シリンダ50と二つの電磁弁MVI,MVJとで構成される。空圧シリンダ50は、MVI/ON,MVJ/OFFのとき縮退(図の右側に移動)し、レンジギヤをハイとし、MVI/OFF,MVJ/ONのとき図の左側に移動し、レンジギヤ19をローとする。
【0042】
ところで、上記シンクロ制御に際してカウンタシャフト32を制動するため、カウンタシャフト32にはカウンタシャフトブレーキ27が設けられる。カウンタシャフトブレーキ27は湿式多板ブレーキであって、エアタンク5の空圧で作動する。この空圧の給排を切り替えるため電磁弁MV BRKが設けられる。電磁弁MV BRKがONのときカウンタシャフトブレーキ27に空圧が供給され、カウンタシャフトブレーキ27が作動状態となる。電磁弁MV BRKがOFFのときにはカウンタシャフトブレーキ27から空圧が排出され、カウンタシャフトブレーキ27が非作動となる。
【0043】
次に、自動変速制御の内容を説明する。TMCU9にはシフトアップ時又はシフトダウン時の各ギヤ段におけるアクセル開度(%)と出力軸(アウトプットシャフト)回転数(rpm )との関係(シフトアップマップ、シフトダウンマップ)が予め記録されている。TMCU9は、自動変速モードの場合、これらの関係に従って自動変速するようになっている。このとき、スキップモードであっても通常モードであっても、シフトダウン・アップは1段ずつ行われる。
【0044】
一方、マニュアルモードの場合、TMCU9はこれらマップと無関係にドライバのシフトアップ・ダウン操作に従って変速を実行する。通常モードなら1回のシフトチェンジ操作で1段変速し、スキップモードなら1回のシフトチェンジ操作で2段変速する。
【0045】
現在のアクセル開度はアクセル開度センサ8により検知され、現在の出力軸回転数は出力軸回転センサ28により検知される。TMCU9は、現在の出力軸回転数の値から現在の車速を換算し、これをスピードメータに表示する。つまり車速が出力軸回転数から間接的に検知され、出力軸回転数と車速とは相互に対応している。
【0046】
また、TMCU9はECU6のクルーズコントローラ6aと連携し、車両の定速走行を実現する定速走行制御をも行うようになっている。
【0047】
クルーズコントローラ6aは、基本的な定速走行制御を行うものであり、ドライバにより設定されたクルーズ設定車速に実車速を一致させるようにエンジンの燃料噴射量を制御するようになっている。
【0048】
図5に示すように、ECU6(クルーズコントローラ6a)には、各スイッチ81〜85及び各ランプ81a,82aが接続されている。
【0049】
メインスイッチ81は、定速走行制御スタンバイ状態とするためのものであり、ドライバにONされることで運転室のメインランプ81aを点灯させる。スタンバイ状態の解除はメインスイッチ81のOFF又はキースイッチ(図示せず)のOFFにより行われ、解除と同時にメインランプ81aが消灯される。セットスイッチ82は、ドライバにONされると同時にクルーズ設定車速を設定し、定速走行制御を開始し、運転室のセットランプ82aを点灯する。キャンセルスイッチ83は、ドライバにONされると定速走行制御を解除する。定速走行制御解除と同時にセットランプ82aが消灯される。コーストスイッチ84は、ドライバにONされている間は車両を惰行状態とする。この状態からコーストスイッチ84がOFFされると、その時の実車速が新たなクルーズ設定車速として更新設定される。リジュームスイッチ85は、ドライバにONされると、クルーズ設定車速がセットスイッチ82をONしたときの最初の値に復帰される。
【0050】
なお、周知のように、定速走行制御の解除は、他にもメインスイッチ81のOFF、ブレーキペダル(図示せず)の踏み込み(ブレーキスイッチON)、又はクラッチペダル11の踏み込み(クラッチペダルストロークセンサ16の値が所定値以上)によって行われる。
【0051】
さて、本発明においては、TMCU9は、定速走行制御中にクルーズ設定車速と現車速の差が設定値を超えるまで現車速が下がったときに変速機のシフトダウン制御するに際して、上記設定値を変速段により異ならせるシフトダウン制御機能を備え、クルーズ設定車速に対して現車速と設定値を加算した合計値が小さいときに現ギヤ段をシフトダウンするようにしたもので、より具体的には、オートクルーズ中の現ギヤ段が、設定のギヤ段より大きいか小さいかを判断し、設定のギヤ段より現ギヤ段が大きいときには、設定値を小さく、現ギヤ段が設定のギヤ段以下のときには設定値を大きく設定するシフトダウン制御機能を備えている。
【0052】
これにより、オートクルーズ中の車速失速時、最高速ギヤ段(もしくは設定のギヤ段)からのシフトダウン車速とそれ以外のギヤ段からのシフトダウン車速を変えることができる。一般的に走行抵抗の増加で最も車速変化が大きくなる最高ギヤ段からのシフトダウンを早めにし、またシフトダウン後は、車速がクルーズ設定車速に近づこうとしなくてもそのギヤ段を保持して走行を続けることで燃費向上となる。その後、現車速の減速が続けば、シフトダウン後のエンジン回転がオーバーランしない設定回転以下となる低速ギヤ段まで変速し、それ以上の失速を止め、車速を増速させるように制御する。
【0053】
このように、クルーズ設定車速により、車両失速時のシフトダウンタイミングを異ならせ、駆動力が小さい最高ギヤ段で、シフトダウンを早めに行い、それ以外は遅くすることで、車速維持機能と燃費性能を両立させることができる。
【0054】
このシフトダウン制御機能のフローを図1により説明する。
【0055】
制御がスタート100し、step1で、クルーズ制御中かどうかを判断し、クルーズ制御中であれば(YES)、step2で、自動変速モードかどうかを判断し、自動変速モードであれば(YES)、step3で、現ギヤ段が設定ギヤ段より大きいかどうかを判断する。
【0056】
なお、step1でクルーズ制御中でなければ(NO)、またstep2で自動変速モードでなければ(NO)、制御を終了105する。
【0057】
step3の判断での設定ギヤ段は、16段トランスミッションの場合には、15thとする。
【0058】
このstep3で、現ギヤ段が設定ギヤ段(15th)より大きければ(YES)、ΔSpeed=設定値1に設定101し、大きくなければ(NO)、ΔSpeed=設定値2に設定102にする。
【0059】
この設定値1は、例えば4km/hを、設定値2は、例えば9km/hとする。
【0060】
次に、step4で、クルーズ設定車速に対して、現車速と設定値1(または設定値2)の合計値(車速)が高いかどうかを判断し、クルーズ設定車速が合計値(車速)より低ければ、制御を終了105して、現ギヤ段でオートクルーズ走行を続ける。
【0061】
次に、step4で、クルーズ設定車速が高ければ(YES)、変速後のエンジン回転(=現アウトプットシャフト回転数×(現ギヤ段−1)のギヤ比)103を求め、step5の判断で、変速後のエンジン回転が上限値(オーバーラン回転)を超えるかどうかを判断し、上限値を超えるなら(NO)、制御を終了105して、現ギヤ段でオートクルーズ走行を続ける。
【0062】
さて、step5の判断で、上限値(大型商用車用ディーゼルの場合1900rpm)を超えなければ(YES)、目標ギヤ段を現ギヤ段−1にシフトダウン操作104をして制御を終了105する。
【0063】
このように、オートクルーズ走行中の現ギヤ段をstep3で判断し、オートクルーズ走行時の現ギヤ段が高速段(15th)以上かどうかを判断し、そのギヤ段より上であれば、例えば、設定値1を4km/hとし、設定のギヤ段以下であれば、設定値2を、例えば9km/hとすることで、step4の判断で、設定のギヤ段より上のときに早めにシフトダウン操作が行え、設定のギヤ段以下のときには、クルーズ設定車速に対して9km/h以下まで車速が落ちたときにシフトダウン操作をすることで、車速維持性能を保ちつつ燃費性能を向上させることができる。
【0064】
なお、本実施の形態ではディーゼルエンジンの場合について述べたがこれに限るものではない。エンジンはガソリンエンジン等、他の種別のものであってもよい。自動変速機は、少なくとも自動変速可能なものであれば、マニュアル変速モードの無いものやスキップモードの無いのものであってもよい。車両も大型車両に限らず、小型トラック、乗用車等が可能である。また、上述した各数値は具体例であり、適宜変更してよい。
【0065】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、定速走行時の車速維持性能と燃費性能を両立させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すフローチャート図である。
【図2】本発明に係る車両の自動変速装置を示す構成図である。
【図3】自動変速装置のスケルトン図である。
【図4】自動クラッチ装置を示す構成図である。
【図5】エンジンコントロールユニットと各種スイッチの構成図である。
【符号の説明】
3 変速機
9 トランスミッション制御装置
101 設定値1
102 設定値2
104 シフトダウン操作
Claims (3)
- 定速走行制御中にクルーズ設定車速と現車速の差が設定値を超えるまで現車速が下がったときに変速機のシフトダウン制御するトランスミッション制御装置において、上記設定値を変速段により異ならせるシフトダウン制御機能を備えたことを特徴とするトランスミッション制御装置。
- シフトダウン制御機能は、オートクルーズ中の現ギヤ段が、設定のギヤ段より大きいか小さいかを判断し、設定のギヤ段より現ギヤ段が大きいときには、設定値を小さく、現ギヤ段が設定のギヤ段以下のときには設定値を大きく設定する請求項1記載のトランスミッション制御装置。
- シフトダウン制御機能は、シフトダウン制御する際に、シフトダウンするギヤ段でのエンジン回転数がオーバーランするかどうかを判断し、オーバーランしないときにシフトダウン操作を行う請求項1又は2に記載のトランスミッション制御装置。
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---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007100924A (ja) * | 2005-10-07 | 2007-04-19 | Toyota Motor Corp | 車両用変速機制御装置 |
JP2012526250A (ja) * | 2009-05-08 | 2012-10-25 | ボルボ ラストバグナー アーベー | 車両の自動フリーホイーリング機能を制御する方法及び装置 |
JP2017202760A (ja) * | 2016-05-12 | 2017-11-16 | いすゞ自動車株式会社 | ハイブリッド車両 |
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2002
- 2002-12-16 JP JP2002363802A patent/JP2004197772A/ja active Pending
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