JP4674021B2 - 安定第viii因子組成物 - Google Patents

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    • A61P7/04Antihaemorrhagics; Procoagulants; Haemostatic agents; Antifibrinolytic agents

Description

【0001】
技術分野
本発明は、血液凝固第VIII因子を含む医薬組成物に関し、該組成物はアルブミンの添加なしに、2価金属イオン、特にZn2+により安定化されている。本発明はまた、血漿由来タンパク質を含まず、2価金属イオン、特にZn2+を添加された培地で哺乳類細胞を培養することを含む、組換え第VIII因子の製造法に関する。
【0002】
背景技術
古典的血友病または血友病Aは、最も一般的な遺伝性の出血性疾患である。それは血液凝固第VIII因子の染色体X関連欠損に由来し、10,000人当り1人または2人の発生率で、殆ど排他的に雄に影響する。X染色体欠損は、血友病ではない雌キャリアーにより伝達される。血友病Aの臨床症状は、異常出血傾向であり、第VIII因子濃縮物での処置が導入される前、重症血友病の人の寿命は20年より短かった。
【0003】
血漿由来の第VIII因子の濃縮物の使用は、血友病患者の情況をかなり改善している。平均寿命は非常に延び、彼等の殆どは、おおよそ通常の寿命まで生存する可能性がある。しかし、血漿由来濃縮物およびその使用に関するある問題があり、その最も重要なものはウイルスの伝播である。種々のウイルス不活性化法が開発されているが、血漿由来第VIII因子でウイルス伝播の危険性を完全に無くすことは不可能であるように思える。
【0004】
組換え第VIII因子製品の開発が、血漿由来第VIII因子に対して、感染病因の伝播のより低い危険性に明らかに関与する。ヒト第VIII因子をコードするDNAの分子クローニングが、Genentech Inc. (Gitschier, J. et al. (1984) Nature 312, 326-330; Wood, W. I. et al. (1984) Nature 312, 330-337; Vehar, G. A. et al. (1984) Nature 312, 337-342)におよびGenetics Institute Inc. (Toole, J.J. et al. (1984) Nature 312, 342-347)に独立して記載されている。第VIII因子mRNAは、19アミノ酸シグナルペプチドを含む2351アミノ酸の前駆体タンパク質をコードする;したがって、製造された第VIII因子タンパク質は2332アミノ酸長である。アミノ酸配列は、A1:A2:B:A3:C1:C2で配置された3つのAドメイン、唯1つのBドメインおよび2つのCドメインからなるドメイン構造と予測される。凝血中、Bドメインは分子トロンビン活性化により除去され、その機能は未知である。
【0005】
組換えヒト第VIII因子の特徴付試験(Eaton, D.L. et al. (1987) J. Biol. Chem. 262, 3285-3290)は、血漿由来第VIII因子と構造的および機能的に非常に類似することを示している。プロテアーゼ阻害剤の存在下で調製された血漿において、第VIII因子は90−200kDa(ドメインA1およびA2、種々の長さのBドメインを伴う)の間の一つの重鎖が、80kDa軽鎖(ドメインA3:C1:C2)との組み合わさった複合体のように見える。鎖はEDTAにより解離され、それらが金属イオンにより保持されることを示す。
【0006】
組換え第VIII因子製品においてさえ、感染性病因の伝達の、小さいが、しかし確かな化膿性がまだ存在する。ヒトアルブミンは、現在の組換え第VIII因子製品Kogenate(登録商標)およびRecombinate(登録商標)(レビューのために、Roddie, P. H. & Ludlam, C. A. (1997) Blood Reviews 11, 169-177参照)を安定化するために使用されているため、感染源の可能性がある。組換え、アルブミン含有第VIII因子製品におけるヒトパルボウイルスB19 DNAの存在が報告されているEis-Huebinger, A. M. et al. (1996) Thrombosis and Haemostasis 76, p. 1120)。
【0007】
Bドメインを欠く組換え第VIII因子(r-VIII SQ)がPharmacia & Upjohnにより製造されている(レビューのために、Berntorp, E. (1997) Thrombosis and Haemostasis 78, 256-260参照;またEP-A-0506757参照)。リンカーペプチドにより接続された90kDa重鎖(ドメインA1:A2)および80kDa軽鎖(ドメインA3:C1:C2)から成るr-VIII SQタンパク質は、無血清であるが、ヒト血清アルブミンを含む培地中で培養されたCHO細胞中において産生される。アルブミンは最終製品を安定化する必要はなく、代わりに、表面吸着によりもたらされる活性の損失をもたらすことが示されている非イオン界面活性剤であるPolysorbate 80を含む(WO94/07510参照)。
【0008】
2価金属イオンは、第VIII因子の構造完全性およびコファクター機能に必須である。しかし、どのように金属イオンがこのような役割を満たすかに関して、利用可能な情報はほとんどない。第VIII因子サブユニットの金属依存性結合に関する種々のモデルが提案されている。第VIII因子は、カルシウム結合タンパク質複合体として正常血清中に循環すると示唆されている(Mikaelsson, M. et al. (1983) Blood 62, 1006-1015)。第VIII因子活性は、Ca(II)またはMn(II)の存在下、サブユニットの組換えにより再構築されている(Fay, P. J. (1988) Arch. Biochem. Biophys. 262, 525-531)。他の著者らは、銅原子がA1とA3度メインの間に位置し、重および軽鎖の間の結合の維持の必要条件であると提案している(Bihereau, N. et al. (1994) Eur. J. Biochem. 222, 41-84; Pan, Y. et al. (1995) Nature Structural Biology 2, 740-744; Pemberton, S. et al. (1997) Blood 89, 2413-2421)。
【0009】
US5,804,420(Chan et al./Bayer Corporatoin)は、血清由来タンパク質がなく、ポリオールおよび銅イオンを添加された培地における宿主細胞の培養を含む、組換え第VIII因子の製造法を記載する。
【0010】
溶液としてr-VIII SQを製造するためのCa2+イオンの添加およびイオン強度の増加により、数ヶ月、7℃での貯蔵安定性を到達することが可能である(Fatourus, A. et al. (1997) Int. Pharm. 155, 121-131)。更なる改善が、大量の源の添加により達成されている(Fatourus, A. et al. (1997) Pharm. Res. 14(12), 1679-1684)。しかし、理論的に上昇させたオスモル濃度の製剤で許容される長時間貯蔵安定性を有するものはない。
【0011】
第VIII因子の静脈内注射による代償療法は、通常患者の家庭で、患者の親または患者自身が行っている。投与前に、凍結乾燥された第VIII因子濃縮物を、不便で時間がかかる無菌条件下で再構築しなければならない。結果として、しばしば出血症状の発症と処置の間の実質的な遅延がある。この遅延は、慢性進行性関節損傷の危険性を増加し得る。
【0012】
安定な、すぐに使用できる(ready-to-use)溶液が患者に非常な利点であろう。簡便な投与形は、治療コンプライアンス、すなわち、より時宜を得た処置を促進すること予測され、それにより関節破壊の発症の徴候を減少させる。患者に対する明白な利点の他に、凍結乾燥段階の排除は製造工程を単純にし、製造および設備投資の両方の費用を減少させる。現在まで、入手可能な第VIII因子のすぐに使用できる溶液はない。溶液中の第VIII因子の安定性は非常に乏しい;Bドメイン欠失第VIII因子でも同じことが当てはまる。結果として、治療コンプライアンスを促進するため、および製造工程を単純にするための、第VIII因子の安定な、すぐに使用できる組成物の必要性がある。
【0013】
さらに、血漿由来第VIII因子に関して、クエン酸抗凝血剤の現在の使用は、血漿源における遊離2価イオンのレベルを減少させる。組換え第VIII因子に関して細胞培養法における収率は、細胞培養培地中の2価金属イオンの最適濃度に依存し得る。したがって、また組換え第VIII因子の製造における細胞培養段階を含む、第VIII因子の精製の方法の改善が必要である。
【0014】
図面の簡単な説明
図1:組換え第VIII因子(r-VIII SQ)のゲル濾過後の金属含量(A)および第VIII因子活性(B)の測定。
図2:血漿由来第VIII因子のゲル濾過後の金属含量(A)および第VIII因子活性(B)の測定。
図3:種々の量のZn2+を添加した細胞培養における組換え第VIII因子(r-VIII SQ)活性(IU/ml)。
図4:種々の量のCu2+を添加した細胞培養における組換え第VIII因子(r-VIII SQ)活性(IU/ml)。
図5:種々の量のZn2+およびCu2+を添加した細胞培養における組換え第VIII因子(r-VIII SQ)活性(IU/ml)。
図6:EDTA処理純粋組換え第VIII因子(r-VIII SQ)の、Zn2+、Cu2+およびCa2+の組み合わせの使用による、活性の再構成(実施例4)。
図7:そのままのr-VIII SQ、単離80kDaサブユニットおよび単離90kDaサブユニットの溶出パターンを示す、実施例4の再構成実験からのサンプルのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)。
図8:遊離80および90kDaサブユニットとCa2+またはCu2+と組み合わせたCa2+またはZn2+と組み合わせたCu2+またはCa2+、Cu2+およびZn2+の組み合わせと混合した後の溶出パターンを示す、実施例4の再構成実験からのサンプルのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)。
【0015】
本発明の記載
驚くべきことに、第VIII因子は3つの異なる金属イオン、すなわち、Ca2+、Cu2+およびZn2+を、各々第VIII因子のモル当たり1モル含んでいることが判明した。特に、第VIII因子における亜鉛イオンの存在は、先に報告または示唆もされていない。この発見は、血漿由来および組換え第VIII因子の両方の製造中の安定性および収率における改善を可能にする。
【0016】
血漿由来および組換え第VIII因子の両方に関して、所望により最適な濃度でCa2+および/またはM 2+と組み合わさったZn2+およびCu2+の存在は、精製および最終製剤の両方の間の第VIII因子の安定性および収率における有利な影響を有する。最終的に、特に水性溶液における第VIII因子の長期貯蔵安定性は、適当な量でのZn2+およびCu2+、および所望によりCa2+および/またはMn2+の組み合わせの添加により改善される。
【0017】
結果として、第1の態様において、本発明は第VIII因子および2価金属イオンを含む医薬組成物を提供し、該2価金属イオンはZn2+イオンおよびCu2+イオン、および所望によりCa2+および/またはMn2+との組み合わせを含み、該第VIII因子はアルブミンの添加なしで安定である。
【0018】
該2価金属イオンは、少なくとも6ヶ月、アルブミンなしで貯蔵中に第VIII因子活性の保存に充分な量で存在する。好ましくは、該Ca2+イオンはグルコン酸カルシウム、または好ましくは塩化カルシウムのようなカルシウム塩を含み、少なくとも0.1mM、例えば少なくとも約0.5mMの濃度で存在する。Mn2+が本発明の組成物に包含される場合、その濃度は少なくとも0.1mM、例えば、少なくとも約0.5mMであり得る。必要なZn2+およびCu2+イオンの量は、塩化物またはあるいは他の塩として添加した場合、賦形剤、特に緩衝性物質の選択に依存する。ヒスチジン、ホスフェートおよび通常タンパク質製剤に使用される他の緩衝剤は金属イオンキレート化剤である欠点を有する。したがって、Zn2+およびCu2+イオンは、溶液中の遊離金属イオンの存在をもたらすのに充分高い量で添加すべきである。したがって、必要な亜鉛および銅塩の総濃度は0.1μMから1mMの間で変化し得る。
【0019】
本発明の組成物は、すぐに使用できる、または、それと異なって乾燥され、使用前に再構築される水性溶液である。本発明の組成物において、第VIII因子は50から50,000IU/mlの濃度で存在する。第VIII因子はヒト血漿に由来し得、または第VIII因子の完全長または欠失誘導体、特にr-VIII SQとして同定される欠失誘導体であり得る。
【0020】
ヒト血漿由来の第VIII因子の精製は、当分野で既知の、例えば、Andersson, L. O. et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83, 2979-2983に記載のような方法により行うことができる。組換え第VIII因子の産生は、当分野で既知の方法により行うことができる、例えば、Wood, W. I. et al. (1984) Nature 312, 330-337;またはToole, J. J. et al. (1984) Nature 312, 342-347参照。有効な転写ユニットに組み込まれている第VIII因子cDNAは、第VIII因子タンパク質の発現のため適当な宿主生物に挿入できる。好ましくは、この生物は、正確な転写後修飾を確実にするために、脊椎動物の動物細胞系であるべきである。使用できる細胞系の好ましい例は、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞である。培養細胞の培地に蓄積した組換え第VIII因子タンパク質は、条件培地中の組換え第VIII因子と他の物質の間のサイズ、電荷、溶解性、疎水性、特異的親和性の差異を利用した方法を含む、種々の生化学的方法により濃縮および精製できる。本発明は、最適濃度の2価金属イオンを使用する、血漿由来または組換えの第VIII因子の精製の改善した方法を含む。
【0021】
“組換え第VIII因子の欠失誘導体”なる用語は、完全長第VIII因子ポリペプチドから、1個以上のアミノ酸の欠失により由来する、第VIII因子活性を有する1個以上のポリペプチド鎖として定義される。好ましくは、該欠失誘導体はほとんどのBドメインを欠くが、一次翻訳産物から2つのポリペプチド鎖へのインビボタンパク質分解的処理に必須であるBドメインのアミノ末端およびカルボキシ末端配列の部分を保持する。“r-VIII SQ”として同定される、このような第VIII因子誘導体の生産物がWO91/09122に記載されている、“r-VIII SQ”は、完全長第VIII因子に由来し、アミノ酸743から1636を欠くポリペプチド鎖として同定される。
【0022】
組換えまたは血漿由来の第VIII因子タンパク質は、当分野で既知の方法により本発明の医薬組成物に製剤できる、例えば、WO94/07510参照。第VIII因子タンパク質は、所望により薬学的アジュバントおよび/または担体を添加し得る生理学的に適合性の慣用の水性干渉溶液に溶解し得る。
【0023】
本発明の組成物は、好ましくは非イオン性界面活性剤を含み得る。第VIII因子および安定化剤としての非イオン性界面活性剤を含む組成物は、WO94/07510に記載されている。非イオン性界面活性剤は、好ましくは、ポロキサマーまたはポリオキシエチレン(20)脂肪酸エステル、例えばポリソルベート20またはポリソルベート80のようなブロックコポリマーから選択する。非イオン性界面活性剤は、臨界ミセル濃度(CMC)より上の量で存在すべきである(Wan & Lee (1974) J. Pharm. Sci. 63, 136参照)。本発明の組成物は、さらに0.1Mを超える濃度の塩化ナトリウムまたはカリウムを含み得る。本組成物はまたさらに少なくとも1mMの濃度でアミノ酸、例えばL−ヒスチジンを含み得る。
【0024】
本発明の好ましい形において、組成物は以下の成分を含む:
(i)50から50,000IU/mlの組換え第VIII因子;
(ii)少なくとも0.1mM、好ましくは少なくとも約0.5mMのカルシウム塩;例えば塩化カルシウム;
(iii)少なくとも1mMのL−ヒスチジン;
(iv)少なくとも0.1Mの塩化ナトリウム;
(v)少なくとも0.01mg/mlのポリオキシエチレン(20)脂肪酸エステル;
(vi)総量0.1μMから1mMの、所望により塩化銅のような銅イオンと組み合わせた、塩化亜鉛のような亜鉛塩。
【0025】
本発明の水性組成物は、減少した濃度の酸素を有するおよび/または抗酸化剤を含む組成物を含む。適当な抗酸化剤の例は、グルタチオン、アセチルシステインおよびメチオニンからなる群から選択されるものである。第VIII因子の酸素減少水性溶液の調製は、WO94/26286から既知である。本発明の組成物に、好ましくは100mg/mlを超える濃度のモノまたはジサッカライドまたは糖アルコール、好ましくはスクロースを、添加できる。減少した濃度の酸素を有するおよび/または抗酸化剤を含む水性第VIII因子溶液であり、更に少なくとも350mg/mlの濃度の炭水化物を含む溶液が、WO96/30041に記載されている。
【0026】
他の重要な態様において、本発明は(i)血漿由来タンパク質がない基礎培地および(ii)Cu2+およびZn2+イオンを含む2価金属イオンを含む、組換え第VIII因子の産生のための細胞培養培地を提供する。所望により、該2価金属イオンは更にCa2+イオンおよび/またはMn2+イオンを含む。好ましくは、Ca2+および/またはMn2+イオンの濃度は少なくとも約0.1mMである。該基礎培地は血漿由来タンパク質を含み得、または血漿由来タンパク質がない。
【0027】
該細胞培養培地におけるZn2+の量は、好ましくは少なくとも約0.2μMである。本発明はまたZn2+イオンの量が少なくとも約0.5μMから1μMである細胞培養培地を含む。Zn2+イオンの濃度範囲は好ましくは約0.2から約10μMである。本発明はまたZn2+イオンが約0.2から5μM;0.5から10μM;0.5から5μM;1から10μM;および1から5μMである細胞培養培地も含む。
【0028】
該細胞培養培地におけるCu2+イオンの濃度範囲は、好ましくは約0.05から約5μMである。本発明はまたCu2+イオンの量が0.05から2μM;0.1から5μM;および0.1から2μMである細胞培養培地を含む。
【0029】
更なる態様において、本発明は、組換え第VIII因子を、そのための遺伝子を担持する哺乳類細胞から産生する方法であり、上記で定義の本発明の細胞培養培地で該哺乳類細胞を培養することを含む方法を含む。
【0030】
実施例
本発明をここで更に、いかなる意味でも本発明を限定するものと解釈してはならない以下の実施例により記載する。
【0031】
実施例1
第VIII因子における金属イオン含量の測定
r-VIII SQ含有調製物(HIC−溶出液)を、Smeds A-L. et al. (1995) Thrombosis and Haemostasis 73, 1015により記載の精製法におけるブチル−セファロース段階から得た。血漿由来第VIII因子(pd-FVIII)調製物を本質的にAndersson, L. O. et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83, 2979-2983に記載のように精製し、計算平均質量値220kDaの185から280kDaの第VIII因子分子を含んだ。両方の調製物を−70℃で貯蔵した。調製中のサンプルの金属イオン汚染を最小限にするために特に用心をした。痕跡量の金属イオンのみの特別純粋な試薬を使用した。プラスチックで作られた容器、試験管、チップ等を使用し、10% HNOおよび水で使用前に洗浄した。
【0032】
第VIII因子サンプルの緩衝液を、室温で行ったゲル濾過により20mMトリス(pH7.4)、0.3M NaClに変えた。Sephadex G-25(登録商標)、中等品(PD-10、Amersam Pharmacia Biotech, Uppsala, Sweden)のプレパックカラムを使用した。カラムを25mlの0.1M HCl、続いて50mlの蒸留水で洗浄し、その後25mlの緩衝液で平衡化した。その後、1mlの第VIII因子サンプルをカラムに適用し、フラクションを溶出中に集めた。r-VIII SQ(図1)、またはpd――VIII(図2)のゲル濾過から集めたフラクションを金属イオン(パネルA)および第VIII因子活性(パネルB)に関して分析した。
【0033】
第VIII因子活性は、本質的にRosen (1984) J. Haematol. Vol. 33, Suppl. 40, 139-145;およびCarlebjoerk et al. (1987) Thrombosis Research Vol. 47, 5-14により記載のような、色素生産性基質を使用した2段階法により測定した。第VIII因子サンプルの金属分析は、Svensk Grundaemnesanalys AB (SGAB)により行った。使用した方法は、高分解能誘導結合プラズマ質量分析法(HR−ICP−MS)および誘導結合プラズマ原子発光分光分析法(ICP−AES)であった。緩衝剤中の金属含量は、第VIII因子の金属含量を計算するときに引いた。
【0034】
最高第VIII因子活性および金属含量を示すフラクション由来のサンプルを、タンパク質濃度の測定に関するアミノ酸分析により分析した。r-VIII SQに関して165,305Daおよびおよびpd-FVIIIに関して220,000Daの分子質量をモル濃度の計算に使用した。金属イオン対第VIII因子の分子比率を計算した。表Iに示す結果は、r-VIII SQおよびpd-FVIIIの両方とも、第VIII因子1モル当たり1モルの銅、カルシウムおよび亜鉛を含むことを示す。カルシウムの比率は、緩衝剤中の高いバックグラウンド濃度のために過大評価されているであろう。
【0035】
金属分析に使用した方法はまたマグネシウム、マンガン、ニッケル、鉄、コバルト、ストロンチウム等の定量を可能にするが、これらの金属イオンは第VIII因子調製物中に検出されなかった。
【0036】
【表1】
Figure 0004674021
【0037】
実施例2
2価金属イオンの存在下での第VIII因子組成物の安定性
本発明の第VIII因子組成物の安定性を、種々の量の2価金属イオンCa2+、Zn2+およびCu2+を有する組成物を調製することにより試験する。適当な期間の貯蔵後、第VIII因子を、例えば、Rosen (1984) J. Haematl. Vol. 33, Suppl. 40, 139-145;およびCarlebjoark et al. (1987) Thrombosis Research Vol. 47, 5-14により記載のような、当分野で既知の方法により測定する。結果は、最適な2価濃度を含む本発明の第VIII因子生産物が長期安定性に関して有利な特性を有することを示す。
【0038】
実施例3
細胞系発現組換え第VIII因子の培養中の2価金属イオンの効果
3.1. 材料および方法
rFVIIIを発現するように操作したチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHOTf667:16SQ)のクローン化変異株(clonal variant)(Lind, P. et al. (1995) Eur. J. Biochem. 232, 19-27)を全実験に使用した。細胞を専有の、組換えインシュリン(Nucellin-Zn(登録商標)またはNucellin-Na(登録商標), Eli Lilly)を含む無血清培地を使用してスピナーフラスコで懸濁培養として培養した。(コントロールを含む)全実験を通して、培養培地中のZn2+の濃度は0.3−0.9μMであり、Ca2+の濃度は0.3mMであることは注目すべきである。
【0039】
小スケール試験法を、培地成分添加剤のスクリーニングのために確立した。50ml Falcon試験管を装着したシェーカーテーブルAgCell(BeLach Bioteknik AB)を懸濁中に細胞を保持するために使用した。試験管の培養容量は5mlであり、細胞密度は1.5×10細胞/mlであった。培地を3日後に950rpm(182×g)で5分の遠心により変えた。
【0040】
培養物をシェーカーテーブル上で、130−140振盪/分の速度でインキュベートし、5日間追跡した。細胞密度、生存能およびr-VIII SQ濃度を3、4および5日目に測定した。細胞密度は典型的に1×10細胞/mlの付近であり、生存能は試験の最後で90%より高かった。第VIII因子濃度を色素生産性アッセイ、Coatest(登録商標)(Chromogenix)により定量した。参照:Rosen (1984) J. Haematol. Vol. 33, Suppl. 40, 139-145;およびCarlebjoark et al. (1987) Thrombosis Research Vol. 47, 5-14。
【0041】
3.2. 結果
コントロール
ポジティブコントロールは30mg/L Nucellin-Znを投与された。ポジティブコントロールの平均蓄積収率は5生産日後で56IU/ml r-VIII SQであった(表II)。インシュリンをすべて除くことは、乏しい生存および生存能をともにもたらし、結果として乏しい生産性であった。Nucellin-Znなしの蓄積値は8.5IU/mlに到達した。Nucellin-Zn(1、5、10、20および30mg/L最終濃度)で力価測定実験で試験したすべての濃度は、細胞の良好な生存をもたらした。試験した最低濃度(1mg/L)は明らかにまた良好な生産性を支持するには十分でなかった。力価測定は用量依存性相関を示す;Nucellin-Znが高いほど、産生される総蓄積が高い。最高濃度(30mg/L)は、1mg/Lと比較して、62%増加をした。
【0042】
培養培地への金属添加物の比較を可能にするために、亜鉛の変わりにナトリウムを含むインシュリンアナログ(Nucellin-Na, Eli Lilly)を使用した。Nucellin-Naの増加した濃度はNucellin-Znで見られた明らかな用量依存的効果をもたらさなかった。最低(1mg/L)および最高(30mg/L)濃度の間の蓄積生産物の差異は22%であった。
【0043】
Zn2+の増加した量
Nucellin-Na(1、5および20mg/L)の増加した量を、生産性におけるZn2+の評価のために増加したレベルのZnCl(0.15、0.75、1.5、3.0および4.5μM)と組み合わせた。
【0044】
試験した全Nucellin-Na量において、ZnClの添加は良好な生産物収率となった。5(図3参照)または20mg/L Nucellin-NaをZnClと組み合わせて使用して、57−58IU/mlの蓄積生産物収率をもたらした。これらの結果はポジティブコントロール(30mg/LのNucellin-Zn)で達成された収率と一致する。ZnClがないが、5mg/LのNucellin-Naのみを投与されたコントロールと比較して、57IU/mlの総蓄積量は14%の増加に対応した(表II参照)。5mg/L Nucellin-Naを超える増加が高い生産物力価を導かないため、この濃度を更なる実験に選択した。
【0045】
Cu2+の増加した量
培地への増加した量のCuCl(0.02、0.1、0.5、2および5μM)の添加は、61IU/mlの蓄積生産物収率をもたらした(図4および表II)。これは内部コントロールと比較して22%の増加であった。
【0046】
Zn2+とCu2+の組み合わせ
ZnCl(0.75、1.5、3.0および4.5μM)およびCuCl(0.1または0.5μM)の組み合わせで、生産物の総蓄積レベルは内部コントロールと比較して28%(64IU/ml)の増加であった(表II)。結果として、Zn2+およびCu2+の相乗効果が観察された。図5は0.5μM CuClで得た結果を示す。
【0047】
【表2】
Figure 0004674021
【0048】
実施例4
カルシウム、銅および亜鉛の、分離した金属イオン枯渇サブユニットの再会合(re-association)およびFVIII活性の再構築における影響
材料および方法
(i)FVIIIのサブユニットの分離
r-VIII SQ調製物は、実施例1に記載のような精製におけるブチル−セファロース段階由来の物質であった。r-VIII SQの重および軽鎖をr-VIII SQとキレート化剤EDTAのインキュベーションにより分離させた。第VIII因子活性は平衡して消失した。等量のr-VIII SQおよび0.5M EDTA、10mMトリス、pH7.4を混合し、室温に6時間放置した。EDTA−金属イオン錯体をセファロースG-25カラムで20mMトリス、0.3M NaCl、0.01% Tween 20、pH7.5で除去した。
【0049】
(ii)FVIIIの分離サブユニットの精製
r-VIII SQ調製物は実施例1に記載のような精製におけるブチル−セファロース段階由来の物質であった。等量のr-VIIIおよび0.5M EDTA、100mMトリス、pH8.0を混合し、一晩5℃で放置した。次いで混合物をFVIIIの80kDa鎖に向かうモノクローナル抗体を有する親和性カラムに適用した。遊離80kDa鎖ならびに170kDa鎖がカラムに結合した。遊離90kDa鎖を含むフロースルー貫流を回収した。カラムを次いで20mMトリス、50mM CaCl、50%エチレングリコール、0.02% Tween 80、pH6.8で溶出した。タンパク質含有フラクションを回収し、エチレングリコールがない同じ緩衝液で1:5に希釈し、90kDa鎖に配向するモノクローナル抗体を有する別の親和性カラムに適用した。170kDa鎖がカラムに結合した。80kDa鎖を含む貫流を回収した。貫流物質の一部を限外濾過(PallFiltronフィルター、30kカットオフ)により濃縮した。タンパク質濃度をアミノ酸分析またはLowry法(SIGMAのキット)により、標準としてBSAを使用して測定した。
【0050】
(iii)FVIIIサブユニットの再会合および活性の再構築
FVIIIサブユニットを再会合させ、FVIII活性を金属イオンの添加により再構築した。全実験において、塩化カルシウム(約5mM)を最初に添加した。次いで、一晩室温でインキュベーション後、塩化銅(II)および/または塩化亜鉛を添加した。Cu2+またはZn2+/r-VIII SQの最終モル比は50−67であった。混合物を更に1−5日間インキュベートした。第VIII因子凝血活性を実施例1に記載のような色素生産性基質法により測定した。
【0051】
結果
a)r-VIII SQとEDTAのインキュベーション後のFVIII活性の再構築
r-VIII SQを材料および方法の記載(i)にしたがって処理した。0日目に、r-VIII SQとEDTAの6時間インキュベーションおよびEDTA−金属イオン錯体の除去後、塩化カルシウム(5mM)をr-VIII SQの解離サブユニットに添加した。22℃で1日のインキュベーション後、混合物を4つに分け、等しく緩衝剤または塩化銅(II)および/または塩化亜鉛の溶液で希釈した。最終タンパク質濃度は88μg/mlであった。Cu2+およびZn2+/r-VIII SQのモル比は50であった。FVIII凝血活性(VIII:C)を次いで1週間の間1日1回測定した。完全な第VIII因子活性をこれらの実験で達成することが可能であった。図6に示すように、最高FVIII活性をカルシウム、銅および亜鉛の組み合わせで得た。
【0052】
b)分離および単離サブユニット由来のr-VIII SQのFVIII活性80+90kDa複合体の再構築
材料および方法の記載(ii)にしたがって調製したr-VIII SQの分離したおよび90および80kDa鎖を5mM塩化カルシウム(10mMヒスチジン、10mMトリス、0.3M NaCl、5mM CaCl、0.02% Tween 80、pH7.2)を含む緩衝液中(各々32μg)で混合した。5時間、22℃でインキュベーション後、混合物を4部に分け、それらを等しく緩衝液または塩化銅(II)および/または塩化亜鉛の溶液で希釈した。最終タンパク質濃度は197μg/mlであった。Cu2+およびZn2+/r-VIII SQのモル比は60であった。19時間、22℃でインキュベーション後、各サンプルのFVIII凝血活性(VIII:C)を測定した。以下の表IIIは本実験で得られた結果を示す。
【0053】
【表3】
Figure 0004674021
*再構築活性はそのままのr−VIII SQ(14.3IU/μg)の特異的活性のパーセントとして示す。
【0054】
上記表IIIに記載の再構築実験からのサンプルも、Superdex-200カラムのSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)により分析した。結果を図7に示し、その中で:
(A)r-VIII SQは、(80+90)kDa形の参照を示す;
(B)単離80kDa鎖を示す;そして
(C)単離90kDa鎖を示す。
【0055】
両方のサブユニットの調製物はほとんどモノマーの鎖を含むが、またいくぶんか凝集体を含む。保持指間は図に示す。
【0056】
上記表IIIに記載の再構築実験からのサンプルも、Superdex-200カラムのSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)により分析した。結果を図8に示し、その中で:
(A)Ca2+含有サンプルを示す;
(B)Ca2+およびCu2+含有サンプルを示す;
(C)Ca2+およびZn2+含有サンプルを示す;そして
(D)Ca2+、Cu2+およびZn2+含有サンプルを示す。
【0057】
重鎖、軽鎖ならびにこれらの凝集体の位置が(A)で示される。(80+90)kDaダイマーの位置は(D)で示される。点線は異なるクロマトグラムの比較を容易にするために追加する。
【0058】
実施例5
組換え第VIII因子を発現する細胞系の培養由来の無細胞上清における2価金属イオンの効果
rFVIIIを発現するように操作したチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHOTf667:16SQ)のクローン化変異株(Lind, P. et al. (1995) Eur. J. Biochem. 232, 19-27参照)をこれらの実験に使用した。この培養の細胞ブロスは、生理学的に活性な第VIII因子、軽80k鎖および重90k鎖の複合体、および遊離軽80k鎖および遊離重90k鎖を含んだ。細胞を、5mg/l組換えインシュリンNucellin-Zn(登録商標)(Nucellin-Zn(登録商標), Eli Lilly、0.3から1.08%の亜鉛を含む)に包含された0.2から0.8μM亜鉛、0.07μMZnSO・7HO、0.3mM CaClおよび0.2%ヒト血清アルブミンを含む通常の無血清細胞培養培地を使用してバイオリアクター中で懸濁培養として培養した。
【0059】
無細胞上清を懸濁培養からの細胞ブロスを950rpm(182×g)で5分遠心することにより得た。MnClおよびCuClの異なる組み合わせを、試験管中の25ml量として分配された無細胞上清に添加した。0または2.5mM MnClを上清に添加し、撹拌した。1時間後、0.53、1.58または9.5μM CuClを上清に添加し、撹拌した。次いで、0、1、2.5、5または23時間後、第VIII因子濃縮物を、金属色素生産性アッセイ、Coatest(登録商標)(Chromogenix)により定量した。参照:Rosen (1984) J. Haematol. Vol. 33, Suppl. 40, 139-145;およびCarlebjoerk et al. (1987) Thrombosis Research Vol. 47, 5-14。
【0060】
コントロール
コントロールは、金属添加上清アリコートと同じ撹拌および待ち時間操作であるが、金属添加がない無細胞上清であった。
【0061】
生物学的に活性なFVIII、FVIII力価の45%までの増加が、MnClおよびCuClの無細胞上清への添加により得られた。より高いFVIII力価は、CuClのみの添加と比較して、MnClおよびCuClの組み合わせの添加により得られた。金属イオン添加の効果は、5時間後に得られた十分な効果とともに迅速に観察された、下記表IV参照。(コントロールを含む)全実験を通して、培養培地中のZn2+の濃度は0.3−0.9μMであり、Ca2+の濃度は0.3mMであることは注目すべきである。
【0062】
【表4】
Figure 0004674021
*FVIIIは色素生産性アッセイ、Coatest(登録商標)(Chromogenix)により定量した第VIII因子濃度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 組換え第VIII因子(r-VIII SQ)のゲル濾過後の金属含量(A)および第VIII因子活性(B)の測定。
【図2】 血漿由来第VIII因子のゲル濾過後の金属含量(A)および第VIII因子活性(B)の測定。
【図3】 種々の量のZn2+を添加した細胞培養における組換え第VIII因子(r-VIII SQ)活性(IU/ml)。
【図4】 種々の量のCu2+を添加した細胞培養における組換え第VIII因子(r-VIII SQ)活性(IU/ml)。
【図5】 種々の量のZn2+およびCu2+を添加した細胞培養における組換え第VIII因子(r-VIII SQ)活性(IU/ml)。
【図6】 EDTA処理純粋組換え第VIII因子(r-VIII SQ)の、Zn2+、Cu2+およびCa2+の組み合わせの使用による、活性の再構成(実施例4)。
【図7】 そのままのr-VIII SQ、単離80kDaサブユニットおよび単離90kDaサブユニットの溶出パターンを示す、実施例4の再構成実験からのサンプルのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)。
【図8】 遊離80および90kDaサブユニットとCa2+またはCu2+と組み合わせたCa2+またはZn2+と組み合わせたCu2+またはCa2+、Cu2+およびZn2+の組み合わせと混合した後の溶出パターンを示す、実施例4の再構成実験からのサンプルのサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)。

Claims (20)

  1. 第VIII因子と2価金属イオンZn2+ Cu2+ およびCa 2+ を含む、医薬組成物。
  2. 更にMn2+イオンを含む、請求項に記載の組成物。
  3. 該Zn2+イオンが0.1μMから1mMの総濃度で存在する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. Ca 2+イオンが少なくとも0.1mMの濃度で存在するカルシウム塩に含まれる、請求項1からのいずれかに記載の組成物。
  5. 亜鉛および銅塩の総濃度が0.1μMから1mMの間である、請求項1からのいずれかに記載の組成物。
  6. 組成物がすぐに使用できる水性溶液である、請求項1からのいずれかに記載の組成物。
  7. 組成物を乾燥させ、使用前に再構築する、請求項1からのいずれかに記載の組成物。
  8. 第VIII因子が50から50,000IU/mlの濃度で存在する、請求項1からのいずれかに記載の組成物。
  9. 該第VIII因子が血漿由来である、請求項1からのいずれかに記載の組成物。
  10. 該第VIII因子が組換え第VIII因子の完全長または完全長第VIII因子ポリペプチドから、1個以上のアミノ酸の欠失により由来する、第VIII因子活性を有する1個以上のポリペプチド鎖である、請求項1からのいずれかに記載の組成物。
  11. 該第VIII因子が完全長第VIII因子に由来し、アミノ酸743から1636を欠くポリペプチド鎖である、請求項10に記載の組成物。
  12. 更に非イオン性界面活性剤を含む、請求項1から11のいずれかに記載の組成物。
  13. 該非イオン性界面活性剤が、少なくとも0.01mg/mlの濃度で存在するポリオキシエチレン(20)脂肪酸エステルである、請求項12に記載の組成物。
  14. 更に0.1Mを超える濃度の塩化ナトリウムまたはカリウムを含む、請求項1から13のいずれかに記載の組成物。
  15. 更に少なくとも1mMの濃度のアミノ酸を含む、請求項1から14のいずれかに記載の組成物。
  16. 該アミノ酸がL−ヒスチジンである、請求項15に記載の組成物。
  17. (i)50から50,000IU/mlの組換え第VIII因子;
    (ii)少なくとも0.1mMのカルシウム塩;
    (iii)少なくとも1mMのL−ヒスチジン;
    (iv)少なくとも0.1Mの塩化ナトリウム;
    (v)少なくとも0.01mg/mlのポリオキシエチレン(20)脂肪酸エステル;
    (vi)0.1μMから1mMの濃度の亜鉛塩
    を含む、請求項1から16のいずれかに記載の組成物。
  18. 減少した濃度の酸素を有するおよび/または抗酸化剤を含む、請求項1から17のいずれかに記載の組成物。
  19. 該抗酸化剤がグルタチオン、アセチルシステインおよびメチオニンからなる群から選択される、請求項18に記載の組成物。
  20. 更に少なくとも100mg/mlの濃度のモノまたはジサッカライドを含む、請求項1から19のいずれかに記載の組成物。
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