JP4672949B2 - 電気機械の巻線棒の絶縁物体を含浸する装置 - Google Patents

電気機械の巻線棒の絶縁物体を含浸する装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の、巻線棒の絶縁物体を含浸する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このタイプの装置はEP 0 831 575 A1から公知である。この公報では、容器は、巻線棒が挿入されている型である。蓋部で閉鎖可能な型は、蓋部が開いていても真空を容器内で維持することができるように、脱気用容器に設けられている。蓋部は含浸用樹脂の供給中に開けられたままである。事前設定可能な充填レベルに達した後にはじめて、蓋部は閉鎖位置にもたらされる。更に、脱気容器は大きな所要面積を必要とする。全体として見れば、複雑な型構造体及び連続する工程が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
明細書導入部に記載のタイプの装置を、僅かなコストで、絶縁物体に含浸剤が従来の技術より迅速に浸透されるように、製造することが課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この課題は、本発明に基づき、請求項1の特徴によって解決される。
【0005】
特徴によれば、容器は巻線棒を完全に囲繞している空密及び圧密の可撓性のスリーブである。空密のスリーブは圧密のスリーブによって囲まれており、2つのスリーブの間の空間には、事前設定可能な圧力が加えられている。空密のスリーブの内部空間と結合されている導管によって、この第1のスリーブには、低圧が発生される。第1のスリーブに流入する絶縁剤の圧力は、圧密のスリーブ内に支配的な圧力よりも小さい。
【0006】
直にスリーブに接続された真空発生器は、閉じられた容器によって、必要な真空を容器のない場合よりも迅速に発生することができる。閉じられた、放出のない工程の他に、短い含浸時間が達成される。容器の内部空間と圧密のスリーブの内部空間との間の差圧は、含浸された絶縁物体をプレス及び圧縮するために用いられる。
【0007】
本発明に係わる他の解決策は、請求項8の特徴により与えられている。この請求項では、容器は、脱気及び含浸工程中に巻線棒を形状係合で囲繞し、かつ複数の部分から構成されている型である。型の内部空間と、真空を形成するユニットの導管が結合されている。
【0008】
本発明に係わる解決策の他の実施の形態は従属の請求項から明らかである。
【0009】
【発明の実施の形態】
複数の実施の形態及び1乃至6の略図を基にして、本発明に係わる装置を説明する。図1及び2は、図示しない電気機械のステータ巻線の巻線棒1を示している。絶縁テープによる巻回によって、絶縁物体2が生じる。チューブ又は収縮チューブとして形成されかつ空密及び圧密の材料からなる可撓性のスリーブ3によって、巻線棒1は、全長に亘って被覆されている。導管4は、真空を形成するユニット5を、可撓性のスリーブ3の内部空間6と結合する。内部空間は、絶縁物体2によって占められる空間と実質的に同一視することができる。含浸剤として用いられる樹脂用の供給管7は、樹脂を収容するタンク15を、前記の内部空間6と結合する。導管4及び供給管7には、夫々、2つのバルブ8,9及び10,11が設けられている。圧密のスリーブ12は、導管4及び供給管7が貫通している空密及び圧密のスリーブ3を囲んでいる。例えば圧縮空気のような圧力伝達媒体は、圧力管13を通って、空密及び圧密のスリーブ3と圧密のスリーブ12との間の空間14に達する。
【0010】
絶縁物体2の含浸工程を準備するために、可撓性のスリーブ3の内部空間6を導管4を通して脱気した後に、2つのスリーブ3と12との間の空間14での予め設定可能な圧力の加圧がなされる。導管4にあるバルブ8,9の閉成後に及び供給管7に設けられたバルブ10,11の開成後に、含浸用樹脂はタンク15から絶縁物体2に注入される。この場合、供給圧力は、常に、圧密のスリーブ12内に支配的な圧力よりも小さい。これらの2つの圧力値の間の差は、含浸された絶縁物体2をプレス及び圧縮する圧力に対応する。脱気された絶縁物体のすべての中空空間に含浸用樹脂が充填されているとき、含浸は終了している。
【0011】
技術的に重要な含浸時間にとって、幾何学的なファクタの他に、含浸用樹脂の粘度及び含浸圧力のようなパラメータが重要である。実際に巻線棒の絶縁物体に入る樹脂量のみが工程に関係しているので、樹脂安定性を考慮する必要がない。このことは、含浸温度が、含浸用槽に多量の樹脂が蓄えられていなければならない公知の浸漬技術の場合よりも、著しく高い状態にある(約120℃まで)こと、を意味している。この高い含浸温度は樹脂の極端に低い初期粘度従ってまた非常に速い含浸工程を引き起こす。更に、含浸圧力を、同様に、比較的高く(約10bar)に選択することができる。その結果、従って、著しく速い含浸がなされることができる。従って、含浸工程の期間は著しく減じられる。
【0012】
熱硬化性の含浸用樹脂を用いる場合、巻線棒の従ってまた巻線棒の絶縁物体の加熱が必要である。このためには、巻線棒の、従ってまた巻線棒の含浸された絶縁物体の、電気による直接的な加熱を、選択することができる。室温で硬化される樹脂を選択するときは、このために適切でありかつ促進作用のある添加剤、それを含む絶縁テープを用いることができる。
【0013】
含浸工程中、圧密のスリーブ12内の過圧力は、含浸用樹脂がゲル化及び硬化されるまで、維持される。圧密のスリーブ12は、例えば、織物で強化された可撓性のチューブから、あるいは、巻線棒に適合した、分割された及び/又はフランジを付けられた圧力管からなることができる。含浸工程の終了後に、バルブ8,9,10,11が閉じられているとき、及びスリーブ12内での過圧力が解除された後に、このスリーブは除去され、巻線棒1はスリーブ3と共に取り出される。スリーブ3も除去された後では、巻線棒は規定通りに使用される。
【0014】
図3は3つの巻線棒1が同時に含浸されてなる実施の形態を示している。この場合、導管4からは複数の枝管が分かれている。それ故に、すべての巻線棒1を同時に真空にすることができる。供給管7からも、樹脂は、樹脂の同時的な導入を可能にするために、3本の枝管に分かれて導かれる。圧密のスリーブ12としては、この実施の形態では、オートクレーブが用いられている。
【0015】
ステータに用いられる巻線棒1の場合、巻線棒のいわゆる溝部分のためには、通常、高い機械的な横断面精度が必要である。図4は、巻線棒1の溝部分と、スリーブ3を形状係合で囲みかつスリーブ3と12との間の空間14に設けられている校正本体(Kalibrierkoerper)16との横断面を示している。校正本体16は個々の成形部分16a,16bから構成されており、溝部分の嵌合精度を保証する。
【0016】
図5に示すように、絶縁物体2を有する巻線棒1を型内収容部18に形状係合で収容する型17が設けられている。型17は上部17a及び下部17bからなり、両者は、囲繞しているパッキング19を仲介して、図示しないねじ結合体によって摩擦係合で互いに結合されている。型内収容部18によって形成されたチャンバは、事前設定可能な遊びを保ちつつ、巻線棒1の絶縁物体2を囲繞している。導管4によるチャンバの脱気がなされた後に、含浸用樹脂は、絶縁物体と絶縁物体の中空空間とが含浸されるまで、供給管7を通して供給される。流路20には、含浸又は硬化工程を支援するための加熱又は冷却装置が設けられている。型17は、脱気中及び含浸用樹脂の充填中に、完全に閉じられている。それ故に、放出物の漏れが回避される。
【0017】
図6は複数の型内収容部18を有する型17を示している。それ故に、型内収容部の数に対応する数の図示しない巻線棒を同時に脱気及び含浸することができる。上部及び下部17a,17bは、ここでも、囲繞しているパッキング19を仲介して摩擦係合で互いに結合されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 真空発生及び含浸用樹脂用の複数の接続部を有する巻線棒の側面図を示している。
【図2】 図1の線II−IIに沿った断面図を示している。
【図3】 複数の巻線棒を含浸するための装置の横断面図を示している。
【図4】 他の実施の形態の横断面図を示している。
【図5】 型を有する巻線棒の横断面図を示している。
【図6】 マルチ型の横断面図を示している。

Claims (11)

  1. 電気機械の巻線棒(1)の外周に絶縁棒の長さ方向に延びるように形成された絶縁物体(2)を含浸する装置であって、前記巻線棒を収容し、かつ含浸剤を含むタンク(15)と結合されている容器を具備し、この容器の内部空間に真空が発生可能であり、含浸剤が、事前設定可能な圧力で、前記容器に流入してなる装置において、
    前記容器は前記巻線棒(1)を完全に囲繞している空密及び圧密の可撓性のスリーブ(3)であること、前記容器は圧密のスリーブ(12)によって全体が囲まれていること、前記内部空間は、前記絶縁物体が全体に渡って占められるような空間であり、前記可撓性のスリーブ(3)と圧密のスリーブ(12)との間の空間には、事前設定可能な圧力が加えられること、前記容器の前記内部空間には、真空を形成するユニット(5)の導管(4)が結合されていること、及び前記容器に流入する含浸剤の圧力は、圧密のスリーブ(12)内に支配的な圧力よりも小さいことを特徴とする装置。
  2. 前記可撓性のスリーブ(3)は熱収縮チューブであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記可撓性のスリーブ(3)は、弾性チューブであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 前記可撓性のスリーブ(3)の部分領域は、前記巻線棒(1)を形状係合で取り囲む校正本体(16)によって囲繞されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載の装置。
  5. 前記圧密のスリーブ(12)は、可撓性の、織物で強化されているか又は金属のチューブからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の装置。
  6. 前記圧密のスリーブ(12)は金属の又は非金属の分割された及び/又はフランジを付けられた圧力管からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載の装置。
  7. 前記圧力管の一部分は織物で強化されているか又は金属のチューブと代替されていることを特徴とする請求項に記載の装置。
  8. 電気機械の巻線棒(1)の絶縁物体(2)を含浸する装置であって、前記巻線棒を収容し、かつ含浸剤を含むタンク(15)と結合されている容器を具備し、この容器の内部空間に真空が発生可能であり、含浸剤が、事前設定可能な圧力で、前記容器に流入する装置において、
    前記容器は、複数の部分から構成されており、かつ脱気及び含浸工程中に前記巻線棒(1)を、前記内部空間に、前記絶縁物体が全体に渡って占められるような形状係合で囲繞する型(17)であること、及び前記型の内部空間とは、真空を形成するユニット(5)の導管(4)が結合されていることを特徴とする装置。
  9. 前記含浸工程中に支配的な過圧力は、含浸剤がゲル化及び硬化されるまで、前記圧密のスリーブ(12)内で維持されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載の装置。
  10. 室温で硬化する樹脂は含浸剤として用いられていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の装置。
  11. 前記絶縁物体は、促進作用のある添加剤を含有し、前記巻線棒に巻回された絶縁テープであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1に記載の装置。
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