JPH05315126A - モールドコイルおよびその製造法 - Google Patents

モールドコイルおよびその製造法

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JPH05315126A
JPH05315126A JP32011291A JP32011291A JPH05315126A JP H05315126 A JPH05315126 A JP H05315126A JP 32011291 A JP32011291 A JP 32011291A JP 32011291 A JP32011291 A JP 32011291A JP H05315126 A JPH05315126 A JP H05315126A
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JP
Japan
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mold
synthetic resin
resin liquid
liquid
coil
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Pending
Application number
JP32011291A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoyoshi Matsui
吾良 松井
Tetsuya Koyama
哲也 小山
Hitoshi Kuroi
斉 黒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Risho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Risho Kogyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Risho Kogyo Co Ltd filed Critical Risho Kogyo Co Ltd
Priority to JP32011291A priority Critical patent/JPH05315126A/ja
Publication of JPH05315126A publication Critical patent/JPH05315126A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の一つの目的はコロナ放電が少なく
機械的強度に優れたモールドコイルドコイルを提供する
ことであり、他の目的はこのようなモールドコイルドコ
イルを容易に製造できる製造法を提供することである。 【構成】 この発明は、第1の構成として、巻線のまわ
りにモールド樹脂層を形成したモールドコイルにおい
て、前記モールド樹脂層が低粘度の合成樹脂液を充填し
て巻線内部の隙間まで含浸させた内側の液層と、その回
りに充填剤入りの合成樹脂液を囲繞した外側の液層とを
同時に反応硬化させることにより一体に形成したモール
ド樹脂層であることを特徴とするものであり、第2の構
成として、中に巻線をセットしたモールド型内に低粘度
の合成樹脂液を注入する第1工程、低粘度の合成樹脂液
が注入されたモールド型内に充填剤入りの合成樹脂液を
注入し、低粘度の合成樹脂液の一部をモールド型の外に
排出させる第2工程、モールド型内の低粘度の合成樹脂
液および充填剤入り合成樹脂液を反応硬化させる第3工
程を経ることを特徴とするモールドコイルの製造方法に
あります。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はモールドコイルおよび
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】モールドコイルは、一般
に、巻線の回りに合成樹脂がモールドされ、巻線よりの
導線がモールド層の外側に引き出された構造になってい
る。このような構造のモールドコイルはモールド樹脂層
内部或いは巻線とモールド樹脂層との界面などに空気ボ
イドが存在すると、この空気ボイド部の周辺に電荷が集
中してコロナ放電が発生し易くなり、コロナ放電量が多
くなると破壊の原因に成ることがある。従ってコロナ放
電の原因となる空気ボイドの発生を極力少なくしなけれ
ばならない。従来、モールド樹脂の中の空気ボイドを少
なくする手段として、真空含浸法がある。これは、金型
に巻線をセットし低粘度の合成樹脂液を金型内に注入
し、全体を真空引きして注入した合成樹脂液中に抱き込
んでいる空気や巻線の層間等の隙間に未だ合成樹脂液が
浸入し得ず空気を抱き込んだままになっている空気等を
強制的に真空脱気して、巻線の層間等の隙間まで低粘度
の合成樹脂液を含浸させる方法である。このようにして
内部ボイドを少なくした後、金型内に注入した低粘度の
合成樹脂液を反応硬化させて金型より樹脂モールドされ
たモールドコイルを取り出すと、空気ボイドの少ないモ
ールドコイルを得ることができる。しかし、空気ボイド
を少なくするために低粘度の合成樹脂液を使用するので
その硬化樹脂は機械強度的に劣るものとなると云う問題
点がある。また、空気ボイドが少なく機械的強度に優れ
るモールドコイルとして、巻線の回りに前記真空含浸法
により低粘度の合成樹脂を充填して含浸させ、これを反
応硬化させて、先ず内側の樹脂モールド層を形成し、次
いでこの内側の樹脂モールド層の回りに充填剤を入れた
合成樹脂液で囲繞してこれれを反応硬化させて外側の樹
脂モールド層を形成した巻線の周りのモールド層が二層
構造に形成したものがある。このモールド層が二層構造
のモールドコイルは、電位傾度が大となる内側の樹脂モ
ールド層は空気ボイドが少なく、外側のモールド層は充
填剤を入れることにより機械的強度が増加すると云う長
所を有するが、内側の樹脂モールド層と外側の充填剤入
り樹脂モールド層との間に界面が生じ、この界面に外気
温の変化や通電時の熱的変化の際の膨張収縮率の差によ
るストレスが発生し、長期に使用している間に微少なギ
ャップが生じたり、このストレスが大きくなるとクラッ
クが生じるなどの問題点がある。この発明は、叙上の点
に鑑み、コロナ放電が少なく機械的強度に優れ製造が容
易なモールドコイルおよびその製造法を提供することを
目的になされたものである。
【0003】
【問題点を解決するための手段】この発明は、上記問題
点を解決するために、巻線のまわりにモールド樹脂層を
形成したモールドコイルにおいて、前記モールド樹脂層
が低粘度の合成樹脂液を充填して巻線内部の隙間まで含
浸させた内側の液層と、その回りに充填剤入りの合成樹
脂液を囲繞した外側の液層とを同時に反応硬化させるこ
とにより一体に形成したモールド樹脂層であることを特
徴とするモールドコイルに構成したのである。また、こ
のようなモールドコイルの製造法として、中に巻線をセ
ットしたモールド型内に低粘度の合成樹脂液を注入する
第1工程、低粘度の合成樹脂液が注入されたモールド型
内に充填剤入りの合成樹脂液を注入し、低粘度の合成樹
脂液の一部をモールド型の外に排出させる第2工程、モ
ールド型内の低粘度の合成樹脂液および充填剤入り合成
樹脂液を反応硬化させる第3工程を経ることを特徴とす
るモールドコイルの製造法に構成したのである。モール
ド樹脂としては、熱可塑性の樹脂であってもよく、熱硬
化性の樹脂であってもよい。またモールド樹脂層の内側
の合成樹脂と外側の合成樹脂とが同一の樹脂であっても
良く別異の合成樹脂であってもよいが、別異の合成樹脂
を用いる場合は化学反応により結合するものが好まし
い。モールド樹脂層の内側に使用する合成樹脂液は巻線
の層間等の細部の隙間に容易に浸入できる程度の低粘性
のものが必要である。粘度は巻線の構造にもよるが常温
(25℃)で600〜800cps、適度の加温、例え
ば60℃、で200cps以下であるものが好ましい。
また、反応硬化後には高電気絶縁性を有すものを用い
る。充填剤は特に限定しないがモールド樹脂層の外側の
合成樹脂との接着性に優れ、熱的機械的強度に優れたも
のほど好ましい。
【0004】
【作用】モールド樹脂層の内側には低粘度の合成樹脂液
を使用するので、粘性抵抗が小さくなって巻線の層間等
の細部の隙間に合成樹脂液が容易に浸透し内部ボイドを
少なくすることができる。巻線をセットしたモールド型
内に低粘度の合成樹脂液を注入し、巻線の層間等の細部
の隙間へも充分に浸入させながら巻線の周囲に充満させ
た後に、充填剤入り合成樹脂液を注入していくと、巻線
の層間等の細部の隙間に浸入している低粘度の合成樹脂
液は粘性抵抗が大になるので移動せず巻線の周りの流動
し易い部分の低粘度の合成樹脂液が押し退けられるよう
に移動してそこに充填剤入り合成樹脂液が置き代わると
共に、移動した低粘度の合成樹脂液がモールド型の外に
排出されて行き、モールド型内には巻線の周りに内側に
低粘度の合成樹脂液が位置し、その外側に充填剤入り合
成樹脂液で囲繞した構造に充填された状態になる。この
状態で、巻線内部の隙間には残留空気の量は少なくなっ
ているが、更に残留空気の量を少なくしたい場合は全体
を真空引きして強制的に脱気する。モールド樹脂層の内
側および外側の合成樹脂液を同時進行的に反応させるこ
とにより、内側の合成樹脂と外側の充填材入り合成樹脂
が接面部において化学的に結合して一体に形成できる。
硬化したモールド樹脂層は、外側には充填材が入ってい
るので機械的強度を向上させることができるすと共に熱
的強度も向上させることができる。また、内側の合成樹
脂液と外側の合成樹脂液とを同時に反応硬化させるの
で、間に界面が生じず、内側と外側を一体化したものに
することができる。
【0005】
【発明の効果】この発明は、一回のモールド作業で巻線
の周りに内側の低粘度の合成樹脂液と外側の充填剤入り
合成樹脂液とがその接面部において化学的に結合して一
体化できるので、モールド作業が容易で時間を短縮で
き、而も熱的機械的強度に優れたものを得ることができ
る効果がある。
【0006】
【実施例】先ず、巻線1およびモールド型6を準備す
る。巻線1は層間に絶縁材料として可透気性の絶縁紙や
不織布等の層間材2を介して所定の仕様により巻回した
ものである。モールド型6は巻線1との間にモールド樹
脂層を形成するためスペーサ7により空間を設ける大き
さの空間が形成してあり、底部に低粘度のエポキシ樹脂
液3′を注入するための第1注入孔6a、上部には充填
材入りエポキシ樹脂液4′を注入するための第2注入孔
6bが設けてあり、上部側面の適宜の液面レベル位置に
低粘度のエポキシ樹脂液をオーバーフローする排出孔6
cを設けた構造になっている。次に、巻線1をモールド
型6にセットして全体を予め真空加熱乾燥炉により不要
な水分等を取り除き、そのモールド型6内に低面に設け
た第1注入孔6aより低粘度のエポキシ樹脂液3′を徐
々に注入して行き所定高さ(ほぼ排出孔6c位置)にな
るまで注入する(第1工程)。この際に、エポキシ樹脂
液3′は低粘度(600〜800cps)のため粘性抵
抗が小さくなり、巻線1の層間等の細部の隙間に浸入で
き内部まで充分に浸透し、内部の隙間は低粘度のエポキ
シ樹脂液3′に置き換えることができる。続けて、上部
の第2注入孔6bより充填材入りエポキシ樹脂液4′を
注入して行くと、低粘度の合成樹脂液4′は順次モール
ド型6の排出孔6c外に排出されるが、巻線1の層間等
の細部の隙間に浸入したエポキシ樹脂液3′は粘性抵抗
を受けて移動できないので、巻線の周りの低粘度のエポ
キシ樹脂液3′の流動し易い所から順次モールド型6の
排出孔6cより外に排出され、そこに充填剤入り合成樹
脂液4′が置き換わっていくので、モールド型6内には
巻線1の周りに、内側に低粘度のエポキシ樹脂液3′が
位置し、その外側に充填剤入りエポキシ樹脂液4′で囲
繞した構造に充填されることになる(第2工程)。この
状態で巻線1の層間等の細部の隙間に残留する空気量は
少なくなっているが、更に残留空気の量を少なくしたい
場合は全体を真空に引いて強制的に脱気することもでき
る。その後に、全体を加熱して巻線1の周りの内側の低
粘度のエポキシ樹脂液3′および外側の充填剤入りのエ
ポキシ樹脂液4′を60℃程度まで加温して同時進行的
に反応硬化させる(第3工程)。この同時進行させる硬
化反応により、内側のエポキシ樹脂3と外側の充填材入
りエポキシ樹脂4はそれぞれ反応硬化すると共に接面部
においては内側と外側のポキシ樹脂3,4間でも化学的
に結合し一体に形成したものになる。このモールドコイ
ルはコロナ放電電荷量が少なく、冷熱サイクル試験によ
るコロナ放電電荷量の増加が殆どなく、クラックの発生
も生じなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】モールドコイルの実施例を示す説明図である。
【図2】モールドコイルの製造法の実施例を示す説明図
である。
【図3】従来のモールドコイルを示す説明図である。
【符号の説明】
1 … 巻線 2 … 層間材 3 … 内側のエポキシ樹脂硬化成形物 3′… 低粘度のエポキシ樹脂液 4 … 外側の充填剤入りエポキシ樹脂硬化成形物 4′… 充填剤入りエポキシ樹脂液 5 … 界面 5a… クラック 6 … モールド型 6a… 第1注入孔 6b… 第2注入孔 6c… 排出孔 7 … スペーサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線のまわりにモールド樹脂層を形成し
    たモールドコイルにおいて、前記モールド樹脂層が低粘
    度の合成樹脂液を充填して巻線内部の隙間まで含浸させ
    た内側の液層と、その回りに充填剤入りの合成樹脂液を
    囲繞した外側の液層とを同時に反応硬化させることによ
    り一体に形成したモールド樹脂層であることを特徴とす
    るモールドコイル。
  2. 【請求項2】 中に巻線をセットしたモールド型内に低
    粘度の合成樹脂液を注入する第1工程、低粘度の合成樹
    脂液が注入されたモールド型内に充填剤入りの合成樹脂
    液を注入し、低粘度の合成樹脂液の一部をモールド型の
    外に排出させる第2工程、モールド型内の低粘度の合成
    樹脂液および充填剤入り合成樹脂液を反応硬化させる第
    3工程を経ることを特徴とするモールドコイルの製造方
    法。
JP32011291A 1991-09-26 1991-09-26 モールドコイルおよびその製造法 Pending JPH05315126A (ja)

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JP32011291A JPH05315126A (ja) 1991-09-26 1991-09-26 モールドコイルおよびその製造法

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JP (1) JPH05315126A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010238929A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Denso Corp リアクトル及びその製造方法
JP2014515190A (ja) * 2011-04-15 2014-06-26 シーメンス リミタダ タップパネルを備える変圧器、乾式配電変圧器のタップパネルの電気絶縁方法、及び乾式配電変圧器用のタップパネル
JP2014197663A (ja) * 2013-03-06 2014-10-16 株式会社東芝 インダクタ及びその製造方法

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