<第1実施形態>
以下、本発明の好適な第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、記録用紙にインクを吐出して文字や画像などを記録するインクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。
図1は、本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンタの概略断面図である。図1に示すように、画像記録装置であるインクジェットプリンタ1は、内部に空間を有する筐体10を有している。筐体10内には、上方から順に、副走査方向(図1の左右方向)に沿って並んだ4つのインクジェットヘッド2とメンテナンスユニット50、搬送機構21、給紙装置30(供給部)、上下方向に並んだ2つの待機ユニット40を有する再送経路60及びインクタンクカセット70が配置されている。また、筐体10の上面には、排紙部80が設けられている。さらに、インクジェットプリンタ1には、各種動作を制御する制御部100(図3参照)が含まれている。なお、上下方向に並んだ2つの待機ユニット40は、上方から順に待機ユニット40a、40bとする。
インクジェットプリンタ1の筐体10内には、給紙装置30から排紙部80に向けて図1に示す太矢印に沿って用紙が搬送される用紙搬送経路と、当該用紙搬送経路に沿って搬送された用紙が図1に示す白抜き矢印に沿って搬送される再送経路60とが形成されている。
給紙装置30は、積層された複数の用紙を収容可能な給紙カセット31と、給紙カセット31から用紙を送り出す給紙ローラ32と、給紙ローラ32を回転させる給紙モータ132(図3参照)とを有している。給紙装置30がインクジェットヘッド2の下方に配置されているため、副走査方向に関してインクジェットプリンタ1を小型化することができる。
給紙ローラ32は、給紙カセット31内に収容された複数の用紙のうち、最も上方にある用紙と回転しながら接触することで当該用紙を送り出す。筐体10内における搬送機構21の図1中左方であって、給紙カセット31から搬送機構21に至る用紙搬送経路には、給紙カセット31から搬送機構21に向かって湾曲しながら延在する搬送ガイド27a〜27cと、搬送ガイド27a〜27c間に配置されたローラ対26a、26b及び分離ローラ対26cとが設けられている。なお、ローラ対26a、26b及び分離ローラ対26cの一方のローラは、図示しない送りモータによって回転する駆動ローラであり、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラである。給紙ローラ32と接触した用紙は、搬送ガイド27a〜27cによりガイドされ且つローラ対26a、26b及び分離ローラ対26cによって挟持されつつ搬送機構21へ搬送される。
搬送機構21は、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト8と、搬送ベルト8の下側ループにおいてその内周面に接触しつつ下方に付勢されることで搬送ベルト8にテンションを付加するテンションローラ9a、9bと、ベルトローラ7を回転させる搬送モータ133(図3参照)とを有しており、用紙を水平な搬送方向(副走査方向)に搬送させる。ベルトローラ7は、搬送モータ133の駆動により図1中時計回りに回転する駆動ローラである。ベルトローラ6は、ベルトローラ7の回転により搬送ベルト8が走行するのに伴って図1中時計回りに回転する従動ローラである。
搬送ベルト8の外周面は、シリコーン処理が施されることで、粘着性を有している。用紙搬送経路上において搬送ベルト8を挟んでベルトローラ6と対向する位置には、ニップローラ4が配置されている。ニップローラ4は、給紙カセット31から送り出された用紙を搬送ベルト8の外周面に押さえ付ける。搬送ベルト8の外周面に押さえ付けられた用紙は、当該外周面の粘着力によって外周面上に保持されつつ、図1中右方へと搬送される。
また、ベルトローラ7の搬送方向下流側の側方には、剥離プレート5が設けられている。剥離プレート5は、搬送ベルト8の外周面に保持されている用紙を外周面から剥離する。筐体10内における搬送機構21から排紙部80に至る用紙搬送経路には、搬送機構21から排紙部80に向かって湾曲しながら延在する搬送ガイド29a〜29cと、搬送ガイド29a〜29c間に配置されたローラ対28b、28cとが設けられている。また、搬送ガイド29aの搬送方向下流側先端には、ローラ対28aが設けられている。なお、ローラ対28a〜28cの一方のローラは、図示しない送りモータによって回転する駆動ローラであり、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラである。また、筐体10内における搬送機構21から待機ユニット40に至る用紙搬送経路には、搬送ガイド29cから分岐した搬送ガイド29d、58、61と、ローラ対59が設けられている。
剥離プレート5によって搬送ベルト8の外周面から剥離された用紙は、両面印刷時には搬送ガイド29b、29cによりガイドされ且つローラ対28b、28cによって挟持されつつ上方へ送られる。その後、上方に送られた用紙は、搬送ガイド29aにガイドされ且つローラ対28aに挟持されつつ排紙部80に搬送される。また、剥離プレート5によって搬送ベルト8の外周面から剥離された用紙は、片面印刷時には搬送ガイド29dによりガイドされつつ下方へ送られる。搬送ガイド29cと搬送ガイド29dの分岐地点には、後述する分岐板65と同様の構成の分岐板が設けられており、搬送機構21から搬送された用紙を搬送ガイド29aまたは搬送ガイド29dのいずれかに選択的に搬送することが可能となっている。
また、ローラ対28a〜28cの一方の駆動ローラは、スイッチバックローラとなっており、搬送ベルト8から送られて排紙部80へ搬送するときの回転方向と逆方向に回転可能となっている。排紙部80へ搬送された用紙の後端をローラ対28aに挟持させたまま、ローラ対28a〜28cが逆方向に回転することで、用紙は下方の再送経路60を構成する搬送ガイド58へスイッチバックして送られる。なお、搬送ガイド29cと再送経路60を構成する搬送ガイド58の合流地点には、後述する分岐板65と同様の構成の分岐板が設けられており、スイッチバックされた用紙を搬送ガイド58に向けて搬送させることが可能となっている。
再送経路60は、搬送ガイド58、61、62a〜62cと、ローラ対59、63a、63bと、待機ユニット40a、40bとを有している。なお、ローラ対59、63a、63bの一方のローラは、図示しない送りモータによって回転する駆動ローラであり、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラである。搬送ガイド61cは、搬送ガイド27cと合流している。
搬送ガイド61は、図2に示すように、2つの待機ユニット40a、40bに向かって途中部から2つに分岐した分岐ガイド61a、61bと、搬送ガイド58から送られた用紙を2つの分岐ガイド61a、61bのいずれかに振り分ける分岐板65とを有している。
分岐板65は、2つの分岐ガイド61a、61bの交差する先端部61cから搬送ガイド61の側壁まで延在している。分岐板65は、先端部61cに接触する一端を軸として振分モータ134(図3参照)の駆動により、図2に示す実線の位置から破線の位置まで揺動可能に設けられている。
分岐板65が図2に示す実線の位置にある場合には、搬送ガイド58から送られた用紙は分岐ガイド61aによりガイドされ、2つの待機ユニット40a、40bのうち上方に位置する待機ユニット40aに搬送される。また、分岐板65が図2に示す破線の位置にある場合には、搬送ガイド58から送られた用紙は分岐ガイド61bによりガイドされ、2つの待機ユニット40a、40bのうち下方に位置する待機ユニット40bに搬送される。なお、本実施形態における分岐板65、振分モータ134及び後述するモータドライバ124が、本発明における振分機構に相当する。
図1に戻って、待機ユニット40は、副走査方向に沿って並んだ複数のローラ対41と、上下方向に2つずつ配置され、複数のローラ対41間に副走査方向に沿って並んだ複数の電熱線42(乾燥手段)とを有している。待機ユニット40に搬送された用紙は、複数のローラ対41によって挟持されて副走査方向に沿って略平らに保持される。また、電熱線42に電圧を印加することにより生じた熱により待機ユニット40内は高温になっており、待機ユニット40に搬送されローラ対41に挟持された用紙は、副走査方向に沿って略平らな状態で乾燥する。ローラ対41の上方に位置する一方のローラ(直前に画像が記録された用紙の面と接触するローラ)は、用紙の画像が記録された面の浸透しきれていないインクが付着しにくいように拍車ローラとなっている。
これにより、画像が記録された用紙を電熱線42により生じた熱により迅速に乾燥させることができ、インクを用紙に迅速に浸透させることができるとともに、用紙のカールを防止することができる。また、電熱線42を有していない場合に比べて、待機ユニット40での待機時間を短くすることができる。さらに、電熱線42が設けられた待機ユニット40が、給紙カセット31を挟んでインクジェットヘッド2の下方の離れた位置に配置されていることで、電熱線42によって生じた熱によるインクジェットヘッド2の吐出影響を小さくすることができる。
スイッチバックして搬送ガイド58によりガイドされ且つローラ対59によって挟持されつつ下方へ送られた用紙は、待機ユニット40a、40bのいずれかを通過して、搬送ガイド62a〜62cによりガイドされ且つローラ対63a、63bによって挟持されつつ搬送機構21へ搬送される。再送経路60から搬送機構21に搬送された用紙は、給紙カセット31から搬送機構21に搬送された用紙と反対側の面をインクジェットヘッド2と対向させることとなり、用紙の両面に印刷可能となる。
筐体10の一部である側壁10aは、搬送ガイド61とともに、主走査方向に延在した軸10bを中心として回転可能となっている。2つの待機ユニット40a、40bは、側壁10a及び搬送ガイド61を時計回りに回転させることで形成された空間を介して副走査方向に沿って筐体10から分離可能となっている。仮に、待機ユニット40の着脱方向が主走査方向であったとすると、筐体10内と抜き出された待機ユニット40との間に跨って残っている用紙が、待機ユニット40を抜き出すときに破れてしまうが、待機ユニット40の着脱方向が搬送方向(副走査方向)であることで、待機ユニット40を筐体10から抜いたときに、筐体10内に残った用紙が見やすく、待機ユニット40におけるジャム処理が容易となる。
4つのインクジェットヘッド2は、インクを吐出する複数のノズルが形成された吐出面2aを有しており、それぞれ副走査方向と直交する主走査方向に沿って延在し、副走査方向に並設されて、フレーム3を介して筐体10に支持されている。つまり、インクジェットプリンタ1は、主走査方向について固定され、用紙の両面に印刷可能なライン式のカラーインクジェットプリンタである。4つのインクジェットヘッド2が副走査方向に沿って並んでいることで、用紙への高速印字が可能となる。
メンテナンスユニット50は、吐出不良などに陥っていたインクジェットヘッド2の吐出動作を回復させるパージ動作及びインクジェットヘッド2の吐出面2aの払拭動作を行うものである。メンテナンスユニット50は、4つのインクジェットヘッド2と同様の間隔で副走査方向に並設された4つのキャップ51と、4つのキャップ51を図示しないバネを介して上方に付勢するトレイ52と、4つのキャップ51を挟んで配置された2つの図示しないバネを介して4つのキャップ51の上方を主走査方向に沿って移動可能な可動板54と、可動板54の上面に配置された4つのキャップ51の副走査方向に関する長さよりも若干長く、ゴムなどの弾性材料からなるワイパー55とを有している。
メンテナンスユニット50は、吐出不良などに陥っていたインクジェットヘッド2の吐出動作を回復させるパージ動作及びインクジェットヘッド2の吐出面2aの払拭動作を行うものである。メンテナンスユニット50は、4つのインクジェットヘッド2と同様の間隔で副走査方向に並設された4つのキャップ52と、4つのキャップ52を図示しないバネを介して上方に付勢するトレイ51と、4つのキャップ52を挟んで配置された2つの図示しないバネを介して4つのキャップ52の上方を主走査方向に沿って移動可能な可動板53と、可動板53の上面に配置された4つのキャップ52の副走査方向に関する長さよりも若干長く、ゴムなどの弾性材料からなるワイパー54とを有している。
メンテナンスユニット50は、インクジェットヘッド2のメンテナンス非実行時には、インクジェットヘッド2の副走査方向に沿った側方のインクジェットヘッド2と対向しない退避位置にて待機状態として静止している。このメンテナンス非実行時において、可動板53及びワイパー54はキャップ52の主走査方向端部よりも外側に位置している。
メンテナンス実行時には、まず、インクジェットヘッド2の吐出面2aがワイパー54の先端よりも高い位置となるまで図示しない昇降機構によりインクジェットヘッド2を上昇させる。そして、メンテナンスユニット50をインクジェットヘッド2に対向したメンテナンス位置へと図示しない移動機構により退避位置から水平に移動させる。その後、昇降機構によりインクジェットヘッド2を下降させ、インクジェットヘッド2の吐出面2aの周縁部にキャップ52を当接させる。
このように、キャップ52と吐出面2aの周縁部とが当接することで、キャップ52と吐出面とで囲まれた密閉空間の気密性が向上し、ノズル内のインクの乾燥を防ぐ。また、インクジェットヘッド2の吐出面2aの周縁部にキャップ52を当接させて、図示しない吸引ポンプで密閉空間内を負圧に吸引することで、インクジェットヘッド2からインクが強制吐出されるパージ動作を行う。キャップ52内に溜まったインクは、キャップ52の底面に形成された図示しない孔から廃液タンクに排出される。
パージ動作終了後、インクジェットヘッド2の吐出面2aがワイパー54の先端とわずかに接触する位置まで昇降機構によりインクジェットヘッド2を上昇させる。そして、図示しない水平移動機構により可動板53をキャップ52の主走査方向一端から他端まで移動させることで、ワイパー54をインクジェットヘッド2の吐出面2aに接触させながら副走査方向に移動させて、吐出面2aに付着したインクを拭き取る払拭動作を行う。
搬送ベルト8のループ内には、4つのインクジェットヘッド2及びメンテナンスユニット50と対向するように、ほぼ直方体形状のプラテン19が配置されている。プラテン19の上面は、搬送ベルト8の上側ループの内周面と接触しており、搬送ベルト8の内周側からこれを支持している。これにより、搬送ベルト8の上側ループの外周面とインクジェットヘッド2の下面とが対向しつつ平行になり、且つ、インクジェットヘッド2の下面と搬送ベルト8の外周面との間に僅かな隙間が形成される。当該隙間は、用紙搬送経路の一部を構成している。搬送ベルト8の外周面上に保持されつつ搬送されてきた用紙が4つのインクジェットヘッド2のすぐ下方を順に通過する際に、用紙の上面に向けて各色のインクが吐出されることで、用紙上に所望のカラー画像が形成される。
4つのインクジェットヘッド2は、インクタンクカセット70内の副走査方向に沿って配設された4つのインクタンク71と接続されている。つまり、4つのインクタンク71にはそれぞれ対応するインクジェットヘッド2の色のインクが貯留されており、各インクタンク71からチューブ(図示せず)などを介してインクジェットヘッド2にインクが供給される。
また、排紙部80の上方には、スキャナ(読取部)90が設けられている。スキャナ90は、ガラス板からなる平坦な読取面91と、読取面91上に載置された用紙の画像を読み取る読取ユニット92と、読取面91を覆うカバー93とを有している。そして、スキャナ90は、読取面91に画像が形成された用紙が載置された後にカバー93が閉じられた状態で、読取ユニット92により当該用紙の画像を読み取る。
次に、インクジェットプリンタ1の制御系について、図3を参照しつつ説明する。図3は、図1に示すインクジェットプリンタのブロック図である。制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)とを有している。これらは、ヘッド制御部101、搬送制御部102、待機判断部103、乾燥制御部104、振分制御部105などとして機能する。
ヘッド制御部101は、PC200から受信した用紙への画像の記録データに基づいて、対応するインクジェットヘッド2からインクが吐出されるように、ヘッド駆動回路121を制御する。
搬送制御部102は、給紙モータ132の駆動により給紙ローラ32が回転して給紙カセット31内の最も上にある用紙が搬送ベルト8上に送り出されるようにモータドライバ122を制御すると共に、搬送モータ133の駆動によりベルトローラ7が回転して用紙が搬送ベルト8上に保持されつつ搬送されるようにモータドライバ123を制御する。
待機判断部103は、PC200から受信した用紙への画像の記録データに基づいて、インクジェットヘッド2によって画像が記録された用紙を待機ユニット40に保持し停止させる必要があるか否かを判断する。具体的には、PC200から受信した用紙への画像の記録データからインクジェットヘッド2から吐出されるインク量を算出して、そのインク量に応じて待機ユニット40に保持し停止させる待機時間を決定する。インク量が所定の量よりも多い場合には、インク量が所定の量のときに待機ユニット40に保持し停止させる所定時間を基準として、待機時間を比例させて長くする。インク量が所定の量よりも少ない場合には、待機ユニット40に保持し停止させる必要がないと判断する。
乾燥制御部104は、待機判断部103によって画像が記録された用紙を待機ユニット40に保持し停止させる必要があると判断されたときに、電熱線42に電圧を印加して熱を生じさせ、待機ユニット40内を高温環境に保持させる。
振分制御部105は、振分モータ134の駆動により分岐板65を揺動させて、スイッチバックされて再送経路60に搬送された用紙を2つの待機ユニット40a、40bのいずれかに選択的に振り分けるようにモータドライバ124を制御する。
次に、片面印刷時の用紙の搬送動作について説明する。まず、インクジェットプリンタ1は、搬送制御部102の制御により給紙モータ132を駆動して、給紙ローラ32を回転させることで、給紙カセット31内の最も上方にある用紙を搬送ガイド27a〜27cでガイドして且つローラ対26a、26b及び分離ローラ対26cによって挟持しつつ搬送機構21へ搬送する。
そして、インクジェットプリンタ1は、ヘッド駆動回路121を制御して搬送ベルト8上を搬送される用紙にインクジェットヘッド2からインクを吐出し、用紙に所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された用紙を搬送ガイド29dでガイドしつつ下方へ搬送する。
用紙が給紙され、この用紙に画像が記録されるまでの間に、インクジェットプリンタ1は、待機判断部103によって画像が記録された用紙を待機ユニット40aに保持し停止させるか否かを判断する。待機判断部103によって保持し停止させる必要があると判断された場合には、インクジェットプリンタ1は、下方に搬送された用紙を再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。その後、インクジェットプリンタ1は、この用紙を待機ユニット40aで所定の待機時間だけ保持し停止させる。
待機ユニット40a内は電熱線42により生じた熱で高温環境に保持されているため、画像が記録された用紙は乾燥する。そして、所定の待機時間が経過すると、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに保持されていた用紙を搬送ガイド27a、27b、62a〜62cでガイドして且つローラ対26a、26b、63a、63bによって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。その後、インクジェットプリンタ1は、用紙へ画像の記録を行わずに、搬送機構21に搬送された用紙を搬送ガイド29a〜29cでガイドして且つローラ対28a〜28cによって挟持しつつ排紙部80に排出する。
また、待機判断部103によって待機させる必要がないと判断された場合には、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された用紙を再送経路60に搬送せずに、搬送ガイド29a〜29cでガイドして且つローラ対28a〜28cによって挟持しつつ排紙部80に排出する。このように、待機判断部103によって用紙を待機ユニット40で保持し停止させるか否かを判断して、停止させる必要がない場合には、この用紙を待機ユニット40に搬送せずに排紙部80に排出することで、用紙の待機ユニット40での待機を必要最低限にすることができる。
2枚目以降の用紙への画像の記録も上述したように行うが、1枚目の用紙の待機時間が経過しておらず、待機ユニット40aに保持された1枚目の用紙がまだ排出されていない場合には、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す破線の位置に移動させ、2枚目の画像が記録された用紙を搬送ガイド61bでガイドして待機ユニット40bに搬送する。仮に、待機ユニット40が1つであり、待機ユニット40に先行した用紙が保持されていると、その用紙が待機ユニット40から排出されるまで、次の用紙を待機ユニット40に保持することができない。そこで、待機ユニット40を複数配置し、用紙を分岐板65により複数の待機ユニット40のいずれかに選択的に振り分けることで、高速搬送が可能となる。
次に、両面印刷時の用紙の搬送動作について説明する。なお、本実施形態においては、画像が記録された全ての用紙は、待機判断部103によって待機ユニット40に待機させる必要があると判断されるものとする。
まず、インクジェットプリンタ1は、搬送制御部102の制御により給紙モータ132を駆動して、給紙ローラ32を回転させることで、給紙カセット31内の最も上方にある用紙を搬送ガイド27a〜27cでガイドして且つローラ対26a、26b及び分離ローラ対26cによって挟持しつつ搬送機構21へ搬送する。
そして、インクジェットプリンタ1は、ヘッド駆動回路121を制御して搬送ベルト8上を搬送される1枚目の用紙の吐出面2aと対向する表面にインクジェットヘッド2からインクを吐出し、1枚目の用紙の表面に所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、表面に画像が記録された1枚目の用紙を搬送ガイド29a〜29cでガイドして且つローラ対28a〜28cによって挟持しつつ上方へ搬送する。
次に、インクジェットプリンタ1は、上方に搬送された1枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、この1枚目の用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。その後、インクジェットプリンタ1は、この1枚目の用紙を待機ユニット40aで所定の待機時間だけ保持し停止させる。待機ユニット40内は、電熱線42により生じた熱で高温環境に保持されているため、1枚目の表面に画像が記録された用紙は乾燥する。
1枚目の用紙が待機ユニット40aで保持されている間に、インクジェットプリンタ1は、給紙カセット31から2枚目の用紙を給紙し、この2枚目の用紙の表面に上述した同様の動作にて所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された2枚目の用紙を搬送ガイド29a〜29cでガイドして且つローラ対28a〜28cによって挟持しつつ上方へ搬送する。
次に、インクジェットプリンタ1は、上方に搬送された2枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す破線の位置に移動させ、この2枚目の用紙を搬送ガイド61bでガイドして待機ユニット40bに搬送する。その後、インクジェットプリンタ1は、この2枚目の用紙を待機ユニット40bで所定の待機時間だけ保持し停止させる。待機ユニット40内は、電熱線42により生じた熱で高温環境に保持されているため、2枚目の表面に画像が記録された用紙は乾燥する。
そして、1枚目及び2枚目の用紙が待機ユニット40a、40bで保持されている間に、インクジェットプリンタ1は、給紙カセット31から3枚目の用紙を給紙し、この3枚目の用紙の表面に上述した同様の動作にて所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された3枚目の用紙を搬送ガイド29a〜29cでガイドして且つローラ対28a〜28cによって挟持しつつ上方へ搬送する。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに保持されていた1枚目の用紙を搬送ガイド62a〜62cでガイドして且つローラ対63a、63bによって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。すると、1枚目の用紙の裏面がインクジェットヘッド2の吐出面2aと対向する。そして、1枚目の用紙の裏面に上述した同様の動作にて所望の画像が記録されている間に、インクジェットプリンタ1は、上方に搬送された3枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、この3枚目の用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに搬送された3枚目の用紙を待機ユニット40aで保持し停止させる。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40bに保持されていた2枚目の用紙を搬送ガイド62a〜62cでガイドして且つローラ対63a、63bによって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。すると、2枚目の用紙の裏面がインクジェットヘッド2の吐出面2aと対向する。そして、2枚目の用紙の裏面に上述した同様の動作にて所望の画像が記録されている間に、インクジェットプリンタ1は、裏面に画像が記録された1枚目の用紙を搬送ガイド29dでガイドしつつ下方の再送経路60に搬送する。
そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す破線の位置に移動させ、この1枚目の用紙を搬送ガイド61bでガイドして待機ユニット40bに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40bに搬送された1枚目の用紙を待機ユニット40bで保持し停止させる。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに保持されていた3枚目の用紙を搬送ガイド62a〜62cでガイドして且つローラ対63a、63bによって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。すると、3枚目の用紙の裏面がインクジェットヘッド2の吐出面2aと対向する。そして、3枚目の用紙の裏面に上述した同様の動作にて所望の画像が記録されている間に、インクジェットプリンタ1は、裏面に画像が記録された2枚目の用紙を搬送ガイド29dでガイドしつつ下方の再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、この2枚目の用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに搬送された2枚目の用紙を待機ユニット40aで保持し停止させる。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40bに保持されていた1枚目の用紙を搬送ガイド62a〜62cでガイドして且つローラ対63a、63bによって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。その間に、インクジェットプリンタ1は、裏面に画像が記録された3枚目の用紙を搬送ガイド29dでガイドしつつ下方の再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す破線の位置に移動させ、この3枚目の用紙を搬送ガイド61bでガイドして待機ユニット40bに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40bに搬送された3枚目の用紙を待機ユニット40bで保持し停止させる。
そして、インクジェットプリンタ1は、両面に画像が記録され、搬送機構21により搬送された1枚目の用紙を搬送ガイド29a〜29cでガイドして且つローラ対28a〜28cによって挟持しつつ排紙部80に排出する。次に、2枚目及び3枚目の用紙が待機ユニット40a、40bで保持されている間に、インクジェットプリンタ1は、給紙カセット31から4枚目の用紙を給紙し、この4枚目の用紙の表面に上述した同様の動作にて所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された4枚目の用紙を搬送ガイド29a〜29cでガイドして且つローラ対28a〜28cによって挟持しつつ上方へ搬送する。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに保持されていた2枚目の用紙を搬送ガイド62a〜62cでガイドして且つローラ対63a、63bによって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。その間に、インクジェットプリンタ1は、上方に搬送された4枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、この4枚目の用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに搬送された4枚目の用紙を待機ユニット40aで保持し停止させる。
その後、インクジェットプリンタ1は、両面に画像が記録され、搬送機構21に搬送された2枚目の用紙を搬送ガイド29a〜29cでガイドして且つローラ対28a〜28cによって挟持しつつ排紙部80に排出する。このような動作を継続することで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1において、複数枚の用紙に両面印刷が可能となる。
なお、上述した両面印刷では、画像が記録された全ての用紙は待機判断部103によって待機ユニット40に待機させる必要があると判断されるものとしていたが、待機ユニット40に待機させる必要がない用紙を含んでいた場合には、その用紙だけ待機ユニット40で停止させず通過させて搬送機構21へ搬送するか、排紙部80に排出すればよい。
以上のように、第1実施形態のインクジェットプリンタ1では、待機ユニット40がインクジェットヘッド2の下方に配置され、排紙部80がインクジェットヘッド2の上方に配置されているため、副走査方向に関してプリンタを小型化することができる。また、再送経路60に待機ユニット40を配置していることで、別個に待機ユニット40を配置するスペースが必要なく、プリンタを小型化することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係るインクジェットプリンタの概略断面図である。第2実施形態は、第1実施形態における排紙部80の構成が異なっているだけで、それ以外の構成は第1実施形態と同様である。なお、第1実施形態と同様なものについては、同符号で示し説明を省略する。
本実施形態においては、第1実施形態において搬送機構21から排紙部80に至る用紙搬送経路が、搬送機構21からステージ190に至る用紙搬送経路となっている。ステージ190は、筐体10内においてインクジェットヘッド2の上方に配置されており、画像が記録された用紙を再送経路60にスイッチバックさせて搬送する際に一旦保持する平面となっている。筐体10内における搬送機構21からステージ190に至る用紙搬送経路には、搬送機構21からステージ190に向かって湾曲しながら延在する搬送ガイド129a、129bと、搬送ガイド129a、129b間に配置されたローラ対128bとが設けられている。また、搬送ガイド129aの搬送方向下流側先端には、ローラ対128aが設けられている。なお、ローラ対128a、128bの一方のローラは、図示しない送りモータによって回転する駆動ローラであり、他方のローラは一方のローラの回転に伴って回転する従動ローラである。
また、ローラ対128a、128bの一方の駆動ローラは、スイッチバックローラとなっており、搬送ベルト8から送られてステージ190へ搬送するときの回転方向と逆方向に回転可能となっている。搬送機構21からステージ190に搬送された用紙は、ステージ190へ搬送された用紙の後端をローラ対128aに挟持させたまま、ローラ対128a、128bが逆方向に回転することで、下方の再送経路60へスイッチバックして送られる。
また、第1実施形態において用紙を待機ユニット40から搬送機構21へ再度搬送する用紙搬送経路が、用紙を待機ユニット40から搬送機構21または排紙部180のいずれかへ選択的に搬送する用紙搬送経路となっている。排紙部180は、筐体10の上面に設けられている。
待機ユニット40から搬送された用紙は、搬送ガイド161、162a、162bによりガイドされ且つローラ対163によって挟持されつつ搬送機構21へ搬送されるか、もしくは、搬送ガイド161、181a〜181eによりガイドされ且つローラ対182a〜182dによって挟持されつつ排紙部180へ排出される。搬送ガイド161の待機ユニット40aから搬送された用紙を搬送機構21または排紙部180へ搬送する分岐地点、及び、待機ユニット40bから搬送された用紙を搬送機構21または排紙部180へ搬送する分岐地点には、上述した分岐板65と同様の構成の分岐板が設けられており、待機ユニット40a、40bから搬送された用紙を搬送機構21または排紙部180へ選択的に搬送することが可能となっている。
次に、片面印刷時の用紙の搬送動作について説明する。まず、インクジェットプリンタ1は、搬送制御部102の制御により給紙モータ132を駆動して、給紙ローラ32を回転させることで、給紙カセット31内の最も上方にある用紙を搬送ガイド27a〜27cでガイドして且つローラ対26a〜26cによって挟持しつつ搬送機構21へ搬送する。
そして、インクジェットプリンタ1は、ヘッド駆動回路121を制御して搬送ベルト8上を搬送される用紙にインクジェットヘッド2からインクを吐出し、用紙に所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された用紙を搬送ガイド129a、129bでガイドして且つローラ対128a、128bによって挟持しつつ上方のステージ190へ搬送する。
用紙が給紙され、この用紙に画像が記録されるまでの間に、インクジェットプリンタ1は、待機判断部103によって画像が記録された用紙を待機ユニット40aに保持し停止させるか否かを判断する。待機判断部103によって保持し停止させる必要があると判断された場合には、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。その後、インクジェットプリンタ1は、この用紙を待機ユニット40aで所定の待機時間だけ保持し停止させる。
待機ユニット40a内は電熱線42により生じた熱で高温環境に保持されているため、画像が記録された用紙は乾燥する。そして、所定の待機時間が経過すると、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに保持されていた用紙を搬送ガイド161、181a〜181eでガイドして且つローラ対182a〜182dによって挟持しつつ排紙部180に排出する。
また、待機判断部103によって待機させる必要がないと判断された場合には、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送し、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。その後、インクジェットプリンタ1は、この用紙を待機ユニット40aで停止させずに通過させて、搬送ガイド161、181a〜181eでガイドして且つローラ対182a〜182dによって挟持しつつ排紙部180に排出する。このように、待機判断部103によって用紙を待機ユニット40で保持し停止させるか否かを判断して、停止させる必要がない場合には、この用紙を待機ユニット40で停止させずに通過させて排紙部80に排出することで、用紙の待機ユニット40での待機を必要最低限にすることができる。
2枚目以降の用紙への画像の記録も上述したように行うが、1枚目の用紙の待機時間が経過しておらず、待機ユニット40aに保持された1枚目の用紙がまだ排出されていない場合には、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す破線の位置に移動させ、2枚目の画像が記録された用紙を搬送ガイド61bでガイドして待機ユニット40bに搬送する。仮に、待機ユニット40が1つであり、待機ユニット40に先行した用紙が保持されていると、その用紙が待機ユニット40から排出されるまで、次の用紙を待機ユニット40に保持することができない。そこで、待機ユニット40を複数配置し、用紙を分岐板65により複数の待機ユニット40のいずれかに選択的に振り分けることで、高速搬送が可能となる。
次に、両面印刷時の用紙の搬送動作について説明する。なお、本実施形態においては、画像が記録された全ての用紙は、待機判断部103によって待機ユニット40に待機させる必要があると判断されるものとする。
まず、インクジェットプリンタ1は、搬送制御部102の制御により給紙モータ132を駆動して、給紙ローラ32を回転させることで、給紙カセット31内の最も上方にある用紙を搬送ガイド27a〜27cでガイドして且つローラ対26a〜26cによって挟持しつつ搬送機構21へ搬送する。
そして、インクジェットプリンタ1は、ヘッド駆動回路121を制御して搬送ベルト8上を搬送される1枚目の用紙の吐出面2aと対向する表面にインクジェットヘッド2からインクを吐出し、1枚目の用紙の表面に所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、表面に画像が記録された1枚目の用紙を搬送ガイド129a、129bでガイドして且つローラ対128a、128bによって挟持しつつステージ190へ搬送する。
次に、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された1枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、この1枚目の用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。その後、インクジェットプリンタ1は、この1枚目の用紙を待機ユニット40aで所定の待機時間だけ保持し停止させる。待機ユニット40内は、電熱線42により生じた熱で高温環境に保持されているため、1枚目の表面に画像が記録された用紙は乾燥する。
1枚目の用紙が待機ユニット40aで保持されている間に、インクジェットプリンタ1は、給紙カセット31から2枚目の用紙を給紙し、この2枚目の用紙の表面に上述した同様の動作にて所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された2枚目の用紙を搬送ガイド129a、129bでガイドして且つローラ対128a、128bによって挟持しつつステージ190へ搬送する。
次に、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された2枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す破線の位置に移動させ、この2枚目の用紙を搬送ガイド61bでガイドして待機ユニット40bに搬送する。その後、インクジェットプリンタ1は、この2枚目の用紙を待機ユニット40bで所定の待機時間だけ保持し停止させる。待機ユニット40内は、電熱線42により生じた熱で高温環境に保持されているため、2枚目の表面に画像が記録された用紙は乾燥する。
そして、1枚目及び2枚目の用紙が待機ユニット40a、40bで保持されている間に、インクジェットプリンタ1は、給紙カセット31から3枚目の用紙を給紙し、この3枚目の用紙の表面に上述した同様の動作にて所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された3枚目の用紙を搬送ガイド129a、129bでガイドして且つローラ対128a、128bによって挟持しつつステージ190へ搬送する。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに保持されていた1枚目の用紙を搬送ガイド161、162a、162bでガイドして且つローラ対163によって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。すると、1枚目の用紙の裏面がインクジェットヘッド2の吐出面2aと対向する。そして、1枚目の用紙の裏面に上述した同様の動作にて所望の画像が記録されている間に、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された3枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、この3枚目の用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに搬送された3枚目の用紙を待機ユニット40aで保持し停止させる。
その後、インクジェットプリンタ1は、裏面に画像が記録された1枚目の用紙を搬送ガイド129a、129bでガイドして且つローラ対128a、128bによって挟持しつつステージ190へ搬送する。次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40bに保持されていた2枚目の用紙を搬送ガイド161、162a、162bでガイドして且つローラ対163によって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。すると、2枚目の用紙の裏面がインクジェットヘッド2の吐出面2aと対向する。そして、2枚目の用紙の裏面に上述した同様の動作にて所望の画像が記録されている間に、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された1枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。
そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す破線の位置に移動させ、この1枚目の用紙を搬送ガイド61bでガイドして待機ユニット40bに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40bに搬送された1枚目の用紙を待機ユニット40bで保持し停止させる。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに保持されていた3枚目の用紙を搬送ガイド161、162a、162bでガイドして且つローラ対163によって挟持しつつ搬送機構21へ再度搬送する。すると、3枚目の用紙の裏面がインクジェットヘッド2の吐出面2aと対向する。そして、3枚目の用紙の裏面に上述した同様の動作にて所望の画像が記録されている間に、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された2枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、この2枚目の用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに搬送された2枚目の用紙を待機ユニット40aで保持し停止させる。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40bに保持され、両面に画像が記録された1枚目の用紙を搬送ガイド161、181a〜181eでガイドして且つローラ対182a〜182dによって挟持しつつ排紙部180へ排出する。そして、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された3枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す破線の位置に移動させ、この3枚目の用紙を搬送ガイド61bでガイドして待機ユニット40bに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40bに搬送された3枚目の用紙を待機ユニット40bで保持し停止させる。
次に、2枚目及び3枚目の用紙が待機ユニット40a、40bで保持されている間に、インクジェットプリンタ1は、給紙カセット31から4枚目の用紙を給紙し、この4枚目の用紙の表面に上述した同様の動作にて所望の画像を記録する。その後、インクジェットプリンタ1は、画像が記録された4枚目の用紙を搬送ガイド129a、129bでガイドして且つローラ対128a、128bによって挟持しつつステージ190へ搬送する。
次に、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに保持され、両面に画像が記録された2枚目の用紙を搬送ガイド161、181a〜181eでガイドして且つローラ対182a〜182dによって挟持しつつ排紙部180へ排出する。そして、インクジェットプリンタ1は、ステージ190に搬送された4枚目の用紙をスイッチバックさせて、再送経路60に搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、振分制御部105により搬送ガイド61に配置された分岐板65を図2に示す実線の位置に移動させ、この4枚目の用紙を搬送ガイド61aでガイドして待機ユニット40aに搬送する。そして、インクジェットプリンタ1は、待機ユニット40aに搬送された4枚目の用紙を待機ユニット40aで保持し停止させる。このような動作を継続することで、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1において、複数枚の用紙に両面印刷が可能となる。
なお、上述した両面印刷では、画像が記録された全ての用紙は待機判断部103によって待機ユニット40に待機させる必要があると判断されるものとしていたが、待機ユニット40に待機させる必要がない用紙を含んでいた場合には、その用紙だけ待機ユニット40で停止させず通過させて搬送機構21へ搬送するか、排紙部180に排出すればよい。
以上のように、第2実施形態のインクジェットプリンタ1においても、待機ユニット40がインクジェットヘッド2の下方に配置され、排紙部180がインクジェットヘッド2の上方に配置されているため、副走査方向に関してプリンタを小型化することができる。また、再送経路60に待機ユニット40を配置していることで、別個に待機ユニット40を配置するスペースが必要なく、プリンタを小型化することができる。
次に、上述した第1及び第2実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。但し、上述した本実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
上述した第1及び第2実施形態においては、用紙の乾燥時間を短縮させるために、待機ユニット40に電熱線42を設けていたが、長い乾燥時間を確保可能であれば、待機ユニット40に電熱線42を設けなくてもよい。
また、電熱線42に限らず、ハロゲンヒータ、遠赤外線ヒータ、近赤外線ヒータなどのヒータが待機ユニット40の主走査方向側方に設けられており、このヒータの駆動によって生じた熱をファンからの気流により用紙に当てて用紙を乾燥させてもよい。
さらに、待機ユニット40での待機時間が長くかかる場合や早く印刷動作を行いたい場合には、待機ユニットの段数を増やせばよい。仮に、待機ユニット40が1つであり、待機ユニット40に先行した用紙が保持されていると、その用紙が排紙部に排出されるまで、次の用紙を待機ユニット40に保持することができない。そこで、待機ユニット40を複数配置し、用紙を分岐板65により複数の待機ユニット40のいずれかに選択的に振り分けることで、待機させることができる用紙の枚数が増加して高速搬送が可能となる。つまり、待機ユニットの段数は、待機時間や印刷動作に応じて1以上の個数であればよい。
また、制御部100が待機判断部103を有しておらず、常に待機ユニット40に用紙を待機させてもよい。これにより、制御部100による制御が容易となる。
さらに、上述の実施形態のようなインクジェットプリンタに限定されず、画像記録装置であれば、様々な装置に適用可能である。