JP4666783B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4666783B2
JP4666783B2 JP2001022703A JP2001022703A JP4666783B2 JP 4666783 B2 JP4666783 B2 JP 4666783B2 JP 2001022703 A JP2001022703 A JP 2001022703A JP 2001022703 A JP2001022703 A JP 2001022703A JP 4666783 B2 JP4666783 B2 JP 4666783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating film
film
gate electrode
semiconductor
transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001022703A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001298100A (ja
JP2001298100A5 (ja
Inventor
潤 小山
清 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2001022703A priority Critical patent/JP4666783B2/ja
Publication of JP2001298100A publication Critical patent/JP2001298100A/ja
Publication of JP2001298100A5 publication Critical patent/JP2001298100A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4666783B2 publication Critical patent/JP4666783B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本願発明はSOI(Silicon On Insulator)技術を用いて形成される薄膜トランジスタ(以下TFTという)で構成された不揮発性メモリおよびその作製方法に関する。特に、その駆動回路などの周辺回路と共に絶縁表面を有する基板上に一体形成された不揮発性メモリ、特にEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)に関する。また、薄膜トランジスタ(TFT)で構成された任意の回路と共に絶縁表面を有する基板上に一体形成された不揮発性メモリを具備する半導体装置に関する。
【0002】
なお、本願明細書において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能する装置全般を指し、例えば、液晶表示装置およびEL表示装置に代表される電気光学装置および電気光学装置を搭載した電子機器をその範疇に含んでいる。
【0003】
【従来の技術】
近年、急速に半導体装置の多機能化、高機能化かつ小型化が進んでおり、それに伴い、様々な半導体装置におけるメモリ使用頻度が増大してきている。そして、そのような需要を背景として、高性能、高記憶容量、高信頼性、かつ小型のメモリが要求されてきた。
【0004】
現在、半導体装置の記憶装置としては、磁気ディスクやバルクシリコンで作製された半導体不揮発性メモリが最もよく用いられている。
【0005】
磁気ディスクは、半導体装置に用いられる記憶装置の中で、最も記憶容量が大きいものの一つであるが、小型化が困難で、かつ、書き込み/読み出し速度が遅いという欠点がある。
【0006】
一方、半導体不揮発性メモリは、現在記憶容量に関しては磁気ディスクに劣るものの、その書き込み/読み出し速度は、磁気ディスクの数十倍である。また、半導体不揮発性メモリは、書き換え回数やデータ保持時間に関しても十分な性能を有するものが開発されてきている。このような背景から、最近半導体メモリを磁気ディスクの代替品として用いる動きが高まってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の半導体不揮発性メモリは、バルクシリコンを用いて作製され、パッケージに収められているため、このような半導体不揮発性メモリを半導体装置に搭載する場合、工程が増加し、かつそのパッケージサイズのために半導体装置の小型化に支障をきたしていた。
【0008】
本願発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、他の半導体装置の部品と一体形成され得、小型化が可能な不揮発性メモリを提供することを課題とする。また、小型化が可能な、不揮発性メモリを具備する半導体装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本願発明では、不揮発性メモリをSOI(Silicon On Insulator)技術を用いて形成される薄膜トランジスタ(TFT)を用いて構成する。
【0010】
本願発明により、不揮発性メモリは、薄膜トランジスタ(TFT)で構成された任意の回路と共に絶縁基板上に一体形成が可能となる。特に、メモリセル、その駆動回路(代表的には、アドレスデコーダ)およびその他の周辺回路とを絶縁基板上に一体形成することにより、小型化が可能な不揮発性メモリを提供することが可能となる。またさらに、他の半導体装置を構成する、TFTで構成された任意の回路と共に絶縁基板上に一体形成することにより、小型化が可能な、不揮発性メモリを備えた半導体装置を提供することが可能となる。
【0011】
具体的には、本願発明の不揮発性メモリは、メモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレイを有し、各メモリセルはメモリTFTとスイッチングTFTとを含む。また、メモリセルの駆動回路およびその他の周辺回路を含んでいてもよい。
【0012】
本願発明において、各メモリセルを構成するメモリTFTとスイッチングTFTの半導体活性層は、連続的につながっている。言い換えると、各メモリセルが有するメモリTFTとスイッチングTFTは、同じ半導体活性層上に形成される。このような構造をとることにより、各メモリセルを構成するメモリTFTとスイッチングTFTとを別々の半導体活性層上に形成した場合と比べて、メモリセル面積の縮小を図ることができる。
【0013】
また、メモリTFTの半導体活性層は、スイッチングTFTの半導体活性層よりも薄く、或は、膜厚が1〜100nm(好ましくは1〜50nm、より好ましくは10〜40nm)となるように形成される。このようにメモリTFTの半導体活性層を薄く形成することにより、膜厚が厚い場合と比べて効率的な書き込みが可能となる。このことはまた、より低駆動電圧での書き込みが可能であることを意味し、同時に、より多い書き換え回数に耐え得る構造となる。
【0014】
また、本願発明の不揮発性メモリの作製工程には、絶縁基板上に第1の非晶質半導体層と、第2の非晶質半導体層とを形成する工程と、これらの非晶質半導体層を結晶化させ、第1の膜厚を有する領域と第2の膜厚を有する領域とからなる結晶性半導体層を形成する工程と、が含まれる。
【0015】
このように形成された結晶性半導体層内において、第1の膜厚を有する領域を半導体活性層とするメモリTFTを形成し、第2の膜厚を有する領域を半導体活性層とするスイッチングTFTを形成することにより、メモリTFTとスイッチングTFTの半導体活性層が連続的につながったメモリセルを有する、不揮発性メモリを作製することが可能となる。さらに、第1の膜厚を第2の膜厚より薄く、あるいは、第1の膜厚が1〜100nm(好ましくは1〜50nm、より好ましくは10〜40nm)となるように形成することにより、本願発明の不揮発性メモリを作製することが可能となる。
【0016】
以下に、本願発明の構成を示す。
【0017】
メモリTFTとスイッチングTFTとから成るメモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレイを少なくとも備えた不揮発性メモリであって、
前記メモリTFTは、絶縁基板上に形成される第1の半導体活性層と、第1の絶縁膜と、フローティングゲート電極と、第2の絶縁膜と、コントロールゲート電極と、を少なくとも備えており、
前記スイッチングTFTは、前記絶縁基板上に形成される第2の半導体活性層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、を少なくとも備えており、
前記メモリTFTと前記スイッチングTFTとは、前記絶縁基板上に一体形成され、
前記第1の半導体活性層と前記第2の半導体活性層とは、連続的につながっており、
前記第1の半導体活性層の厚さは、前記第2の半導体活性層の厚さよりも薄いことを特徴とする不揮発性メモリが提供される。
【0018】
前記第1及び第2の半導体活性層の厚さは、1〜150nmであることが好ましい。
【0019】
メモリTFTとスイッチングTFTとから成るメモリセルがマトリクス状に配置された不揮発性メモリであって、
前記メモリTFTは、絶縁基板上に形成される第1の半導体活性層と、第1の絶縁膜と、フローティングゲート電極と、第2の絶縁膜と、コントロールゲート電極と、を少なくとも備えており、
前記スイッチングTFTは、前記絶縁基板上に形成される第2の半導体活性層と、ゲート絶縁膜と、ゲート電極と、を少なくとも備えており、
前記メモリTFTと前記スイッチングTFTとは、前記絶縁基板上に一体形成され、
前記第1の半導体活性層と前記第2の半導体活性層とは、連続的につながっており、
前記第1の半導体活性層の厚さは、1〜100nmであり、前記第2の半導体活性層の厚さは、1〜150nmであることを特徴とする不揮発性メモリが提供される。
【0020】
前記第1の半導体活性層の厚さは1〜50nmであり、前記第2の半導体活性層の厚さは10〜100nmであることが好ましい。
【0021】
前記第1の半導体活性層の厚さは10〜40nmであることがより好ましい。
【0022】
前記第1の半導体活性層は、前記第2の半導体活性層よりも、インパクトイオン化が起こりやすい厚さを有することが好ましい。
【0023】
前記メモリTFTのフローティングゲート電極と第1の半導体活性層との間に流れる第1のトンネル電流は、前記スイッチングTFTのゲート電極と第2の半導体活性層との間に流れる第2のトンネル電流の2倍以上であることが好ましい。
【0024】
前記メモリTFT及び前記スイッチングTFTは、pチャネル型TFTであることが好ましい。
【0025】
メモリセルの駆動回路を少なくとも備えており、前記メモリセルアレイと前記メモリセルの駆動回路とは、前記絶縁基板上に一体形成されることを特徴とする不揮発性メモリが提供される。
【0026】
絶縁基板上に複数の画素TFTがマトリクス状に配置された画素回路と、前記複数の画素TFTを駆動するTFTで構成された駆動回路と、前記不揮発性メモリと、を少なくとも備えた半導体装置であって、
前記画素回路と前記駆動回路と前記不揮発性メモリとは、前記絶縁基板上に一体形成される半導体装置が提供される。
【0027】
前記半導体装置として、液晶表示装置、或いはEL(electroluminescence)表示装置等が提供される。EL表示装置とは発光装置または発光ダイオードとも呼ばれる。また、本明細書のEL装置はトリプレット及びシングレットの発光装置も含まれる。
【0028】
前記半導体装置として、ディスプレイ、ビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、DVDプレーヤー、ゴーグル型ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、カーオーディオ等が提供される。
【0029】
メモリTFTとスイッチングTFTとから成るメモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレイを少なくとも備えた不揮発性メモリの作製方法であって、
絶縁基板上に第1の非晶質半導体層と、第2の非晶質半導体層とを形成する工程と、
前記第1の非晶質半導体層と、前記第2の非晶質半導体層とを結晶化させ、第1の膜厚を有する領域と第2の膜厚を有する領域とからなる結晶性半導体層を形成する工程と、
前記結晶性半導体層内において、前記第1の膜厚を有する領域を第1の半導体活性層とするメモリTFTを形成する工程と、前記第2の膜厚を有する領域を第2の半導体活性層とするスイッチングTFTを形成する工程と、
を含む不揮発性メモリの作製方法であって、
前記第1の膜厚は、前記第2の膜厚よりも薄いことを特徴とする不揮発性メモリの作製方法が提供される。
【0030】
前記不揮発性メモリの作製方法において、前記第1及び第2の膜厚は、1〜150nmであることが好ましい。
【0031】
メモリTFTとスイッチングTFTとから成るメモリセルがマトリクス状に配置されたメモリセルアレイを少なくとも備えた不揮発性メモリの作製方法であって、
絶縁基板上に第1の非晶質半導体層と、第2の非晶質半導体層とを形成する工程と、
前記第1の非晶質半導体層と、前記第2の非晶質半導体層とを結晶化させ、第1の膜厚を有する領域と第2の膜厚を有する領域とからなる結晶性半導体層を形成する工程と、
前記結晶性半導体層内において、前記第1の膜厚を有する領域を第1の半導体活性層とするメモリTFTを形成する工程と、
前記第2の膜厚を有する領域を第2の半導体活性層とするスイッチングTFTを形成する工程と、
を含む不揮発性メモリの作製方法であって、
前記第1の膜厚は、1〜100nmであり、前記第2の膜厚は、1〜150nmであることを特徴とする不揮発性メモリの作製方法が提供される。
【0032】
前記不揮発性メモリの作製方法において、前記第1の膜厚は1〜50nmであり、前記第2の膜厚は10〜100nmであることが好ましい。
【0033】
前記不揮発性メモリの作製方法において、前記第1の膜厚は10〜40nmであることがより好ましい。
【0034】
前記不揮発性メモリの作製方法において、前記第1の半導体活性層は、前記第2の半導体活性層よりも、インパクトイオン化が起こりやすい厚さを有することが好ましい。
【0035】
前記不揮発性メモリの作製方法において、前記メモリTFTのフローティングゲート電極と第1の半導体活性層との間に流れる第1のトンネル電流は、前記スイッチングTFTのゲート電極と第2の半導体活性層との間に流れる第2のトンネル電流の2倍以上であることが好ましい。
【0036】
前記不揮発性メモリの作製方法において、前記メモリTFT及び前記スイッチングTFTは、pチャネル型TFTであることが好ましい。
【0037】
メモリセルの駆動回路を少なくとも備えており、前記メモリセルアレイと前記メモリセルの駆動回路とは、前記絶縁基板上に一体形成されることを特徴とする不揮発性メモリの作製方法が提供される。
【0038】
前期不揮発性メモリの作製方法を用いる半導体装置の作製方法であって、
前記半導体装置は、画素部と、前記画素部を駆動する駆動回路と、前記不揮発性メモリの作製方法によって作製される不揮発性メモリと、を少なくとも備えており、
前記画素部と前記駆動回路と前記不揮発性メモリとは、絶縁基板上に一体形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法が提供される。
【0039】
前記半導体装置の作製方法として、液晶表示装置、或いはEL表示装置等の作製方法が提供される。
【0040】
前記半導体装置の作製方法として、ディスプレイ、ビデオカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、DVDプレーヤー、ゴーグル型ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、カーオーディオ等の作製方法が提供される。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本願発明の不揮発性メモリの回路図及びその駆動方法を、m×nビットの場合について説明する。また、不揮発性メモリを構成するメモリセルの上面構造、及び断面構造についても、例を挙げて説明する。
【0042】
また、本願発明の不揮発性メモリの作製方法についても簡単に説明する。なお、作製方法については実施例1及び2で詳しく説明する。
【0043】
なお、本実施の形態における不揮発性メモリは、その駆動回路(本実施の形態では、アドレスデコーダ)、および他の周辺回路と共に、さらに場合によっては、半導体装置の他の部品と共に、絶縁基板上に一体形成される。また、本実施の形態では、不揮発性メモリとして、特にEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)について述べる。
【0044】
図1に本願発明におけるm×nビット不揮発性メモリの回路図を示す。本実施の形態において、m×nビット不揮発性メモリは、複数の電気的消去可能なメモリTFT(メモリ素子、記憶素子)Tr1、複数のスイッチングTFTTr2、Xアドレスデコーダ101、Yアドレスデコーダ102、および他の周辺回路103、104によって構成される。他の周辺回路には、アドレスバッファ回路やコントロールロジック回路などが含まれ、必要に応じて設けられる。メモリTFTTr1は、フローティングゲートを有するTFTであり、1ビットのデータが記録される。また、本願発明において、メモリTFTTr1とスイッチングTFTTr2とは、同じ導電型TFTであることが必要である。なお、メモリTFTTr1とスイッチングTFTTr2はnチャネル型またはpチャネル型のいずれの導電型TFTでも良いが、pチャネル型TFTであることが好ましい。
【0045】
メモリTFTTr1のソース電極と、スイッチングTFTTr2のドレイン電極は電気的に接続されており、この2個のTFTの直列接続回路によって1ビットのメモリセルが構成される。本実施の形態では、このメモリセルが縦m個×横n個のマトリクス状に配列されている(m、nはそれぞれ1以上の整数)。各メモリセルは1ビットの情報を記憶することができるので、本実施の形態の不揮発性メモリは、m×nビットの記憶容量を有する。
【0046】
図1に示されるように、m×nビット不揮発性メモリを構成する各メモリセルには、(1、1)、(2、1)〜(n、m)という符号が付けられている。そして、各列に配置されているメモリセルは、A1、B1〜An、Bnという符号が付けられている信号線にその両端が接続されており、各行に配列されているメモリセルには、信号線C1、D1〜Cm、Dmが接続されている。具体的には、i番目の列に配置されている各メモリセル(i、1)、(i、2)〜(i、m)が有するメモリTFTTr1のドレイン電極に信号線Aiが接続され、スイッチングTFTのソース電極に信号線Biが接続されている(iは1以上n以下の整数)。また、j番目の行に配置されているメモリセル(1、j)、(2、j)〜(n、j)が有するメモリTFTTr1のコントロールゲート電極に信号線Cjが接続され、スイッチングTFTTr2のゲート電極に信号線Djが接続されている(jは1以上m以下の整数)。
【0047】
各信号線A1、B1〜An、Bn、およびC1、D1〜Cm、Dmは、それぞれXアドレスデコーダ101、およびYアドレスデコーダ102に接続されている。このXアドレスデコーダ101およびYアドレスデコーダ102によって、特定のメモリセルが指定され、データの書き込み、読み出し、および消去が行われる。
【0048】
ここで、本実施の形態の不揮発性メモリの動作について、図1におけるメモリセル(1、1)を例にとって説明する。
【0049】
まず、メモリTFTTr1にデータを書き込む場合は、信号線D1を介して、スイッチングTFTTr2をオンの状態にする。また、信号線A1とB1を介して、メモリTFTTr1のドレイン電極とスイッチングTFTTr2のソース電極の間に適度な電位差を与える。そして、信号線C1を介してメモリTFTTr1コントロールゲートに正の高電圧(例えば20V)を印加するとメモリTFTTr1のチャネル形成領域を移動するキャリア(この場合はホール)が加速され、弱いアバランシェ崩壊またはインパクトイオン化が起こり、多数の高エネルギー状態の電子(ホットエレクトロン)が発生する。そして、ホットエレクトロンはゲート絶縁膜のエネルギー障壁を乗り越え、フローティングゲート電極に注入される。このようにしてフローティングゲート電極に電荷が蓄積され、書き込みが行われる。メモリTFTTr1のしきい値電圧は、フローティングゲート電極に蓄積された電荷量に依存して変化する。
【0050】
メモリセルからデータを読み出す場合は、例えば、信号線D1を介してスイッチングTFTTr2をオンの状態にし、信号線C1を介してメモリTFTTr1のコントロールゲートに0Vを印加し、信号線B1を介してスイッチングTFTTr2のソースをGNDにおとすとよい。その結果、メモリTFTTr1のフローティングゲート電極に蓄積された電荷に応じて、メモリTFTTr1の導通または非導通が決まり、メモリセルに記憶されているデータが信号線A1から読み出される。
【0051】
次に、メモリTFTTr1に記憶されているデータを消去する場合、信号線D1を介してスイッチングTFTTr2をオンの状態にし、信号線B1介してスイッチングTFTTR1のソース電極をGNDにおとす。そして、信号線C1に負の高電圧(例えば−20V)を印加すると、フローティングゲート電極にトラップされている電子がトンネル電流によってドレイン領域へ放出される。その結果、記憶されていたデータが消去される。
【0052】
表1に、上述した動作に基づいて、信号線A1、B1、C1およびD1に印加される電圧の具体例を示す。なお、メモリTFTTr1とスイッチングTFTTr2はいずれもpチャネル型TFTであるとする。
【0053】
【表1】
Figure 0004666783
【0054】
なお、表1に示した信号線に印加される電圧は、一例であって、表1の値に限られるわけではない。例えば、メモリTFTに印加される電圧は、メモリTFTの半導体活性層の膜厚やコントロールゲート電極とフローティングゲート電極との間の容量等に依存する。そしてメモリTFTの動作電圧もそれに従って変化する。
【0055】
また、メモリTFTTr1とスイッチングTFTTr2がnチャネル型TFTであってもよい。その場合は、例えば、信号線D1に印加する電圧を全て+5Vとすればよい。なお、メモリTFTにnチャネル型TFTを用いた場合には、pチャネル型TFTを用いた場合よりも、書き込み時に大きな電流が流れ、劣化がはやい場合がある。従って、本実施の形態においては、メモリTFTTr1はpチャネル型であることが好ましい。
【0056】
また、本実施の形態において、メモリTFTの書き込み/消去を行う場合、メモリTFTのコントロ─ルゲート電極に一度に+20/−20Vの電圧を印加するのではなく、これよりも低い電圧を複数回のパルスで印加してもよい。この場合、TFTの劣化をある程度抑えることが出来る。
【0057】
次に、本願発明の不揮発性メモリを構成するメモリセルの上面構造、及び断面構造について、図7及び図2を用いて説明する。
【0058】
まず、本願発明の不揮発性メモリを構成するメモリセルの上面図の一例を示す。図7には、4つのメモリセル(1、1)、(1、2)、(2、1)、(2、2)(図1参照)を含む領域の上面図が示されている。
【0059】
図7において、領域701〜704は半導体活性層であり、メモリTFTTr1およびスイッチングTFTTr2を同一の半導体活性層上に構成している。第1の配線層711〜714のうち、配線713、714はスイッチングTFTTr2のゲート電極および信号線C1、C2として用いられ、また配線711、712は、信号線D1、D2として用いられる。なお、メモリTFTTr1のフローティングゲート電極715〜718は、第1の配線層711〜714と同時に形成される。第2の配線層731〜738のうち、配線731、732は、メモリTFTTr1のソース領域に接続される信号線A1、A2として用いられ、配線733、734はスイッチングTFTTr2のドレイン領域に接続される信号線B1、B2として用いられる。また、配線735〜738はメモリTFTTr1のコントロールゲート電極721〜724と信号線D1、D2とを接続する配線として用いられる。また、図中において、黒く塗りつぶされている部分は、その下部の配線あるいは半導体層とコンタクトをとっていることを示している。なお、図中において同一柄の配線は全て同一の配線層である。
【0060】
次に、本願発明の不揮発性メモリを構成するメモリセルの断面図を示す。図2は、図7に示したメモリセルの断面構造(例えばメモリセル(1、2)におけるA−A' の断面構造)を表したものである。
【0061】
図2において、左側のTFTがメモリTFTTr1であり、右側のTFTがスイッチングTFTTr2である。メモリTFTTr1およびスイッチングTFTTr2を形成する半導体活性層は、ソース・ドレイン領域201、202、203およびチャネル形成領域204、205を含む。絶縁膜206、210および207は、それぞれメモリTFTの第1のゲート絶縁膜、第2のゲート絶縁膜およびスイッチングTFTのゲート絶縁膜であり、電極208、211および209は、それぞれメモリTFTのフローティングゲート電極、コントロールゲート電極およびスイッチングTFTのゲート電極である。絶縁膜212は層間絶縁膜であり、配線213、214および215は、それぞれメモリTFTTr1のドレイン配線、スイッチングTFTTr2のソース配線、およびメモリTFTTr1のコントロールゲート配線である。
【0062】
図2(および図7)に示すように、本願発明においては、メモリTFTTr1の半導体活性層とスイッチングTFTTr2の半導体活性層は直接つながっている。言い換えると、メモリTFTTr1のソース領域とスイッチングTFTTr2のドレイン領域は、半導体活性層を共有することで、電気的に接続されている。このような構造とすることで、メモリTFTTr1とスイッチングTFTTr2とを別々の半導体活性層上に形成する場合と比べて、メモリセルの面積の大幅な縮小が可能となり、その結果、不揮発性メモリ、および不揮発性メモリを備えた半導体装置の小型化が可能となる。
【0063】
また図2に示すように、メモリTFTTr1の半導体活性層(厚さd1)は、スイッチングTFTTr2の半導体活性層(厚さd2)よりも薄く形成されている。つまり、d1<d2が成り立っている。このような構造にすることで、メモリTFTTr1の半導体活性層ではインパクトイオン化(impact ionization、インパクトイオナイゼイション、あるいは衝突電離)がより起こりやすくなり、その結果、メモリTFTTr1のフローティングゲート電極への電荷の注入が起こりやすくなる。なお、Xアドレスデコーダ101、Yアドレスデコーダ102、および他の周辺回路を構成するTFTの半導体活性層の厚さは、スイッチングTFTTr2の厚さd2と同様とすればよい。
【0064】
また、メモリTFTTr1のソース領域202とフローティングゲート領域208とはゲート絶縁膜206を介して一部重なっており、消去時トンネル電流を確保している。メモリTFTTr1の半導体活性層に流れるトンネル電流は、スイッチングTFTTr2の半導体活性層に流れるトンネル電流の2倍以上であることが好ましい。
【0065】
メモリセルの断面構造の例については、本実施の形態の他にも、実施例2を参照することができる。このように、本願発明では、メモリTFTTr1の半導体活性層は、アドレスデコーダやその他の周辺回路を構成するTFTおよびスイッチングTFTの半導体活性層よりも薄く、あるいは、膜厚が1〜100nm(好ましくは1〜50nm、より好ましくは10〜40nm)となるように形成される。
【0066】
不揮発性メモリは、書き換え可能な回数と情報保持時間が重要である。そして書き換え可能な回数を向上するために、メモリTFTのコントロールゲート電極に印加される電圧を小さくすることが要求される。本願発明の不揮発性メモリでは、上述したように、メモリTFTの半導体活性層が薄く形成されるため、インパクトイオン化が起こりやすく、メモリTFTの書き込み及び消去を低電圧で行うことが出来る。これは、従来バルクシリコンで作製された不揮発性メモリでは、ゲート絶縁膜が比較的薄い為に、ゲート絶縁膜の劣化が生じていた事、あるいはフロ─ティングゲート電極に蓄積されていたキャリアが温度の上昇により流出してしまう事、に対する革新的な解決方法である。
【0067】
次に、本願発明の不揮発性メモリの作製方法について簡単に説明する。なお、詳しい作製方法については実施例1および実施例2を参照することができる。
【0068】
まず、絶縁基板上に第1の非晶質半導体層を形成しパターニングした後に、第2の非晶質半導体層とを形成する。そして、2つの非晶質半導体層を結晶化させ、第1の膜厚を有する領域と第2の膜厚を有する領域とからなる結晶性半導体層を形成する。メモリセルの駆動回路および他の周辺回路を絶縁基板上に一体形成する場合は、その領域に第2の膜厚を有する結晶性半導体層を形成する。
【0069】
なお、本願明細書において非晶質半導体膜とは、非晶質構造を含む半導体膜全体を指し、いわゆる非晶質半導体膜および微結晶半導体膜を含む。さらに非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜を用いても良い。
【0070】
また、本願明細書において結晶性半導体層とは、結晶構造を含む半導体層全体を指し、いわゆる単結晶半導体膜も多結晶半導体膜も含まれる。また、特に結晶性の優れた多結晶半導体膜として特開平10−247735号公報記載の技術によって作製される、棒状結晶が集まって並んだ結晶構造でなる半導体膜(実施例1参照)を含む。
【0071】
その後、第1の膜厚を有する領域を半導体活性層とするメモリTFT、および第2の膜厚を有する領域を半導体活性層とするスイッチングTFTを形成することにより、メモリTFTとスイッチングTFTの半導体活性層が連続的につながったメモリセルを有する、不揮発性メモリを作製することが可能となる。また、第2の膜厚を有する結晶性半導体層を半導体活性層とするCMOS回路を同時に形成することにより、メモリセルの駆動回路および他の周辺回路を一体形成することが可能となる。
【0072】
もちろん、第1の膜厚と第2の膜厚とは、装置の許す範囲内で自由に設定することが可能であり、第1の膜厚を第2の膜厚より薄く、あるいは、第1の膜厚を1〜100nm(好ましくは1〜50nm、より好ましくは10〜40nm)となるように形成することにより、本願発明の不揮発性メモリを作製することが可能となる。
【0073】
上記の不揮発性メモリの作製方法によって、本発明の不揮発性メモリは、薄膜技術を用いて作製され得るいかなる半導体装置の部品とも一体形成され得る。
【0074】
また、実施例1に示す作製方法を用いると、高特性を示すTFTを作製することが可能である。その結果、移動度、しきい値電圧等において高特性を示すTFTが要求される周辺回路および半導体装置の部品と一体形することにより、多様な不揮発性メモリ、及び不揮発性メモリを備えた半導体装置を実現することが可能となる。
【0075】
【実施例】
(実施例1)
本実施例では、本願発明を用いた、不揮発性メモリの作製方法を図3〜図6を用いて説明する。なお、図3〜図6には、本実施例の不揮発性メモリを構成するTFTとして、メモリセルを構成するメモリTFT(pチャネル型TFT)およびスイッチングTFT(pチャネル型TFT)、ならびにアドレスデコーダやその他の周辺回路を構成する回路として代表的なCMOS回路を構成する2つのTFT(pチャネル型TFTおよびnチャネル型TFT)を例にとって説明する。
【0076】
また、以下に示す不揮発性メモリの作製方法によると、本発明の不揮発性メモリは、薄膜技術を用いて作製され得るいかなる半導体装置の部品とも、一体形成され得ることが理解される。
【0077】
なお、メモリセル、アドレスデコーダおよびその他のTFTで構成される回路を同じ絶縁基板上に有する不揮発性メモリおよび半導体装置を実現するためには、移動度、しきい値電圧等において高特性を有するTFTが要求される。特に、従来よく用いられている非晶質珪素の半導体活性層を備えたTFTだけでは十分ではない。以下の作製方法によると、高特性のTFTを作製することができ、本願発明の不揮発性メモリおよび半導体装置を実現することが可能となる。
【0078】
図3を参照する。まず、絶縁表面を有する基板として石英基板301を準備する。石英基板の代わりに熱酸化膜を形成したシリコン基板を用いることもできる。また、石英基板上に一旦非晶質珪素膜を形成し、それを完全に熱酸化して絶縁膜とする様な方法をとっても良い。さらに、絶縁膜として窒化珪素膜を形成した石英基板、セラミックス基板を用いても良い。
【0079】
次に、厚さ25nmの非晶質珪素膜302を公知の成膜法で形成する(図3(A))。なお、非晶質珪素膜に限定する必要はなく、非晶質半導体膜(微結晶半導体膜、および非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜を含む)であれば良い。
【0080】
次に、レジスト膜を形成し、パターニングすることによってマスク311を形成する(図3(B))。その後、非晶質珪素膜302をエッチングし、基板上に部分的に形成された非晶質珪素膜321を形成する(図3(C))。なお、非晶質珪素膜321のエッチングには、ドライエッチングあるいはウエットエッチングのいずれを行ってもよい。ドライエッチングの場合には、例えばCF4+O2を用いるとよく、ウエットエッチングの場合には、フッ素酸+硝酸等のエッチング液を用いるとよい。
【0081】
次に、再び上述した方法で非晶質珪素膜を厚さ50nmに形成し、図3(D)に示すような非晶質珪素膜331、332を形成する。ここでは、最終的な膜厚が、非晶質珪素膜331は50nm、かつ非晶質珪素膜332が75nmとなるように調節した。なお、ここでも非晶質珪素膜に限定する必要はなく、非晶質半導体膜(微結晶半導体膜、および非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜を含む)であれば良い。
【0082】
なお、2度目の非晶質珪素膜の形成の前には、非晶質珪素膜321および石英基板301の表面を清浄化しておくことが望ましい。
【0083】
また、非晶質珪素膜331、332の形成にあたっては、別の方法を用いてもよい。例えば、上述した方法によって非晶質珪素膜を全体に75nmに形成し、部分的にマスクを形成し、上述したエッチングによって部分的に膜厚を減少させた非晶質珪素膜を得ることもできる。
【0084】
なお、非晶質珪素膜331は、後にメモリTFTの半導体活性層となり、非晶質珪素膜332は、後にスイッチングTFTおよび周辺のCMOS回路等の半導体活性層となる。
【0085】
なお、最終的な半導体活性層の厚さが150nm以上、特に200nm以上の場合は、SOI特有のインパクトイオン化の発生がきわめて少なく、バルクシリコンを用いた不揮発性メモリで発生するケースと殆ど変わらなくなってしまう。よってSOI技術による不揮発性メモリの特性を引き出すことができない。このため、本発明においては、最終的な半導体活性層の厚さは、共に1〜150nmであることが好ましい。
【0086】
また、本実施例では、上述したようにメモリTFTの非晶質珪素膜331の最終的な膜厚を50nm、スイッチングTFTおよび周辺のCMOS回路等の非晶質珪素膜332の最終的な膜厚を75nmとしたが、それぞれ1〜100nm(好ましくは1〜50nm、さらに好ましくは10〜40nm)、1〜150nm(好ましくは10〜100nm)の範囲に形成すればよく、本実施例の膜厚に限定されるわけではない。
【0087】
次に、非晶質珪素膜331、332の結晶化工程を行う。ここから図4(B)までの工程は本出願人による特開平10−247735号公報を完全に引用することができる。同公報ではNi等の元素を触媒として用いた半導体膜の結晶化方法に関する技術を開示している。
【0088】
まず、開口部404、405を有する保護膜400〜402を形成する。本実施例では150nm厚の酸化珪素膜を用いる。そして、保護膜400〜402の上にスピンコート法によりニッケル(Ni)を含有する層(Ni含有層)403を形成する。このNi含有層の形成に関しては、前記公報を参考にすれば良い(図4(A))。
【0089】
なお、触媒元素としてはニッケル以外にも、コバルト(Co)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、ゲルマニウム(Ge)、鉛(Pb)、インジウム(In)等を用いることができる。
【0090】
また、上記触媒元素の添加工程はスピンコート法に限らず、レジストマスクを利用したイオン注入法、プラズマドーピング法またはスパッタ法を用いることもできる。この場合、添加領域の占有面積の低減、結晶成長距離の制御が容易となるので、微細化した回路を構成する際に有効な技術となる。
【0091】
次に、図4(B)に示すように、不活性雰囲気中で570℃、14時間の加熱処理を加え、非晶質珪素膜331、332の結晶化を行う。この際、Niが接した領域(以下、Ni添加領域という)411、412を起点として、基板と概略平行に結晶化が進行し、棒状結晶が集まって並んだ結晶構造でなる結晶性珪素膜413が形成される。結晶性珪素膜413は、個々の結晶が比較的揃った状態で集合しているため、全体的な結晶性に優れるという利点がある。なお、加熱処理温度は、好ましくは500〜700℃(代表的には550〜650℃)とし、処理時間は、好ましくは4〜24時間とすればよい。
【0092】
次に、図4(C)に示すように、保護膜400〜402をそのままマスクとして15族に属する元素(好ましくはリン)をNi添加領域411、412に添加する。こうして高濃度にリンが添加された領域(以下、リン添加領域という)421、422が形成される。
【0093】
次に、図4(C)に示すように、不活性雰囲気中で600℃、12時間の加熱処理を加える。この熱処理により結晶性珪素膜423中に存在するNiは移動し、最終的には殆ど全て矢印が示すようにリン添加領域421、422に捕獲されてしまう。これはリンによる金属元素(本実施例ではNi)のゲッタリング効果による現象であると考えられる。
【0094】
この工程により結晶性珪素膜423中に残るNiの濃度はSIMS(質量二次イオン分析)による測定値で少なくとも2×1017atoms/cm3にまで低減される。Niは半導体にとってライフタイムキラーであるが、この程度まで低減されるとTFT特性には何ら悪影響を与えることはない。また、この濃度は殆ど現状のSIMS分析の測定限界であるので、実際にはさらに低い濃度(2×1017atoms /cm3以下)であると考えられる。
【0095】
こうして触媒を用いて結晶化され、且つ、その触媒がTFTの動作に支障を与えないレベルにまで低減された結晶性珪素膜423が得られる。その後、保護膜400〜402を除去し、リン添加領域421、422を含まない、結晶性珪素膜423のみを用いた島状半導体層(活性層)431〜433をパターニング工程により形成する。この時、島状半導体活性層431は非晶質珪素膜331、332を結晶化して得られる厚さの異なる2つの活性領域を含むようにする(図4(D))。なお、島状半導体活性層431のうち、非晶質珪素膜331を結晶化して得られる薄い活性領域は、メモリTFTの半導体活性層となり、非晶質珪素膜332を結晶化して得られる厚い活性領域は、スイッチングTFTの半導体活性層となる。
【0096】
次に、島状半導体活性層431のうち、後にメモリTFTのソース領域となる領域503以外をレジストマスクで覆い、p型を付与する不純物元素(p型不純物元素ともいう)の添加を行う(図5(A))。本実施例では、ボロン(B)を不純物元素として用い、不純物添加時の加速電圧は、10keV程度とする。この工程により形成されるp型不純物領域503には、p型不純物元素が1×1020〜1×1021atoms/cm3(代表的には2×1020〜5×1020atoms /cm3)の濃度で含まれるようにドーズ量を調節する。また、p型不純物元素としては、ボロン(B)の他に、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などを用いてもよい。なお、この工程により形成されるp型不純物領域503は、後に形成されるメモリTFTのフローティングゲート電極の一部と、ゲート絶縁膜を介して重なる領域を有するように形成すればよい。よって、レジストマスクで覆われる領域は、本実施例(図5(A))に限定されるわけではなく、島状半導体活性層431のうちの少なくとも、後にメモリTFT及びスイッチングTFTのチャネル形成領域となる領域、および島状半導体活性層432、433を含めばよい。
【0097】
その結果、島状半導体活性層431のうち、後にメモリTFTのソース領域となる領域503が形成される。島状半導体活性層431の残りの領域および、島状半導体活性層432、433は、レジストマスク501、502で覆われているので、不純物は添加されない。
【0098】
その後、レジストマスク501、502を除去し、珪素を含む絶縁膜でなるゲート絶縁膜511を形成する(図5(B))。ゲート絶縁膜511の膜厚は後の熱酸化工程による増加分も考慮して10〜250nmの範囲で調節すれば良い。なお、メモリTFTの島状半導体活性層のゲート絶縁膜の厚さを10〜50nmとし、他のゲート絶縁膜の厚さを50〜250nmとしてもよい。また、成膜方法は公知の気相法(プラズマCVD法、スパッタ法等)を用いれば良い。本実施例では、50nm厚の窒化酸化シリコン膜をプラズマCVD法により形成する。
【0099】
次に、酸化雰囲気中で950℃、1時間の加熱処理を加え、熱酸化工程を行う。なお、酸化雰囲気は酸素雰囲気でも良いし、ハロゲン元素を添加した酸素雰囲気でも良い。この熱酸化工程では活性層と上記窒化酸化シリコン膜との界面で酸化が進行し、熱酸化膜の分だけゲート絶縁膜511の膜厚は増加する。この様にして熱酸化膜を形成すると、非常に界面準位の少ない半導体/絶縁膜界面を得ることができる。また、活性層端部における熱酸化膜の形成不良(エッジシニング)を防ぐ効果もある。
【0100】
次に、200〜400nmの導電膜を形成し、パターニングを行いゲート電極521〜524を形成する(図5(C))。このゲート電極521〜524の線幅によってCMOS回路を構成する2つのTFT及びスイッチングTFTのチャネル長が決定する。またこの時、メモリTFTのゲート電極521(後にフローティングゲート電極となる)は、p型不純物領域503とゲート絶縁膜511を介して一部重なるように形成する。この重なった領域は、メモリTFTが消去を行うときに流れるトンネル電流を十分に確保するための領域である。
【0101】
なお、ゲート電極は単層の導電膜で形成しても良いが、必要に応じて二層、三層といった積層膜とすることが好ましい。ゲート電極の材料としては公知の導電膜を用いることができる。具体的には、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、シリコン(Si)から選ばれた元素でなる膜、または前記元素の窒化物でなる膜(代表的には窒化タンタル膜、窒化タングステン膜、窒化チタン膜)、または前記元素を組み合わせた合金膜(代表的にはMo−W合金、Mo−Ta合金)、または前記元素のシリサイド膜(代表的にはタングステンシリサイド膜、チタンシリサイド膜)を用いることができる。
【0102】
本実施例では、50nm厚の窒化タングステン(WN)膜と、350nm厚のタングステン(W)膜とでなる積層膜を用いる。これはスパッタ法で形成すれば良い。また、スパッタガスとしてキセノン(Xe)、ネオン(Ne)等の不活性ガスを添加すると応力による膜はがれを防止することができる。
【0103】
次に、一導電性を付与する不純物元素の添加工程を行う。不純物元素としてはn型ならばリン(P)または砒素(As)、p型ならばボロン(B)、ガリウム(Ga)またはインジウム(In)などを用いれば良い。
【0104】
まず、図5(D)に示すように、ゲート電極521〜524をマスクとして自己整合的にn型不純物元素(本実施例ではリン)を添加し、低濃度不純物領域(n-領域)を形成する。この低濃度不純物領域は、リンの濃度が1×1017atoms/cm3〜1×1019atoms/cm3となるように調節する。また、加速電圧は80keV程度とすればよい。
【0105】
次にゲート電極521〜524をマスクとしてゲート絶縁膜511をドライエッチング法によりエッチングし、601〜604にパターニングする(図6(A))。
【0106】
次に、図6(A)に示すように、pチャネル型TFTの全体、およびnチャネル型TFTの一部を覆う形でレジストマスク605、606を形成し、n型不純物元素を添加して高濃度にリンを含む不純物領域607、608を形成する。この時、n型不純物元素の濃度は1×1020〜1×1021atoms/cm3(代表的には2×1020〜5×1020atoms/cm3)となるように調節する。本実施例では、リン(P)を不純物元素として用い、不純物添加時の加速電圧は、10keV程度とする。
【0107】
この工程によってnチャネル型TFTのソース・ドレイン領域607、608が形成される。特に、nチャネル型TFTは、図5(D)の工程で形成した低濃度不純物領域(n-領域)536の一部が残る。この残された領域が、nチャネル型TFTのLDD領域となる。よって、nチャネル型TFTのソース・ドレイン領域607、608、LDD領域609、およびチャネル形成領域610が形成される。
【0108】
次に、図6(B)に示すように、レジストマスク605、606を除去し、新たにレジストマスク617を形成する。そして、p型不純物元素(本実施例ではボロン)を添加し、高濃度にボロンを含む不純物領域611〜615を形成する。ここではジボラン(B26)を用いたイオンドープ法により1×1020〜1×1021atoms/cm3(代表的には2×1020〜5×1020atoms/cm3)の濃度となるようにボロンを添加する。
【0109】
こうしてpチャネル型TFTのソース・ドレイン領域611〜616(フローティングゲート電極と、ゲート絶縁膜を介して一部重なるソース領域を含む)、およびチャネル形成領域618〜620が形成される(図6(B))。
【0110】
次に、図6(C)に示すように、レジストマスク617を除去した後、珪素を含む絶縁膜621を形成する(図6(C))。この絶縁膜621は、メモリTFTにおいて、フローティングゲート電極とコントロールゲート電極の間のゲート絶縁膜となる。絶縁膜621の膜厚は10〜250nmとすれば良い。また、成膜方法は公知の気相法(プラズマCVD法、スパッタ法等)を用いれば良い。なお、本実施例では、50nm厚の窒化酸化珪素膜をプラズマCVD法により形成する。
【0111】
その後、それぞれの濃度で添加されたn型またはp型不純物元素を活性化する。活性化手段としては、ファーネスアニール、レーザーアニール、ランプアニール等を組み合わせるとよい。本実施例では電熱炉において窒素雰囲気中、550℃、4時間の熱処理を行う。またこの時、添加工程で受けた活性層の損傷も修復される。活性化手段としては、ファーネスアニール法が好ましい。
【0112】
次に、200〜400nmの導電膜を形成し、パターニングを行いコントロールゲート電極622を形成する(図6(C))。コントロールゲート電極622は、絶縁膜621を介してフローティングゲート電極の一部または全体と重なるように形成する。
【0113】
なお、コントロールゲート電極は単層の導電膜で形成しても良いが、必要に応じて二層、三層といった積層膜とすることが好ましい。ゲート電極の材料としては公知の導電膜を用いることができる。具体的には、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、シリコン(Si)から選ばれた元素でなる膜、または前記元素の窒化物でなる膜、または前記元素を組み合わせた合金膜、または前記元素のシリサイド膜を用いることができる。
【0114】
本実施例では、50nm厚の窒化タングステン(WN)膜と、350nm厚のタングステン(W)膜とでなる積層膜をスパッタ法で形成する。スパッタガスとしてキセノン(Xe)、ネオン(Ne)等の不活性ガスを添加すると応力による膜はがれを防止することができる。
【0115】
次に、層間絶縁膜631を形成する。層間絶縁膜631としては珪素を含む絶縁膜、有機性樹脂膜、或いはその中で組み合わせた積層膜を用れば良い。また、膜厚は400nm〜1.5mmとすれば良い。本実施例では、500nm厚の窒化酸化珪素膜とする。
【0116】
次に、図6(D)に示すように、層間絶縁膜631、及び絶縁膜621に対してコンタクトホールを形成し、ソース・ドレイン配線632〜636及びコントロールゲート配線637を形成する。なお、本実施例ではこの配線を、Ti膜を100nm、Tiを含むアルミニウム膜を300nm、Ti膜150nmをスパッタ法で連続形成した3層構造の積層膜とする。勿論、他の導電膜でも良い。
【0117】
最後に、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い水素化処理を行う。この工程は熱的に励起された水素により半導体膜の不対結合手を水素終端する工程である。本実施例では、350℃の水素雰囲気で2時間の熱処理を行い水素化処理を行う。また、水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。また、水素化処理はコンタクトホールを形成する前に行っても良い。
【0118】
以上の工程によって、図6(D)に示す様な構造のTFTを作製することができる。
【0119】
(実施例2)
本実施例では、逆スタガー型のTFTによって不揮発性メモリを構成する場合について図9〜図11を用いて説明する。なお、図9〜図11には、本実施例の不揮発性メモリを構成するTFTとして、メモリセルを構成するメモリTFT(pチャネル型TFT)およびスイッチングTFT(pチャネル型TFT)、ならびにアドレスデコーダやその他の周辺回路を構成する回路として代表的なCMOS回路を構成する2つのTFT(pチャネル型TFTおよびnチャネル型TFT)を例にとって説明する。
【0120】
図9を参照する。まず、ガラス基板901上に酸化珪素膜でなる下地膜902を設け、その上にゲート電極903〜906を形成する。ゲート電極903は、後にメモリTFTのコントロールゲート電極になり、ゲート電極904は、後にスイッチングTFTのゲート電極となる。本実施例では、ゲート電極903〜906として200〜400nmの厚さのクロム膜を使用するが、アルミニウム合金、タンタル、タングステン、モリブデン、導電性を付与した珪素膜等を用いてもよい。
【0121】
次に、ゲート電極903〜906上にゲート絶縁膜907を100〜200nmの厚さに形成する。ゲート絶縁膜907としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜と窒化珪素膜との積層膜等を用いる。
【0122】
また、このメモリTFT側のゲート絶縁膜は、次の工程で形成するフローティングゲート電極とコントロールゲート電極との間の容量を規定するものであり、その膜厚を変えることによりフローティングゲート電極に印加される電圧を調整することが可能である。よって、ゲート絶縁膜907の厚さは、上記の範囲に限られるわけではなく、また、部分的に膜厚を変えてもよい。
【0123】
次に、フローティングゲート電極911を形成する(図9(B))。本実施例では、フローティングゲート電極としてクロム膜を使用するが、アルミニウム合金、タンタル、タングステン、モリブデン、導電性を付与した珪素膜等を用いてもよい。
【0124】
次に、絶縁膜912を10〜50nmの厚さに形成する。絶縁膜912としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜と窒化珪素膜との積層膜等を用いる。
【0125】
次に、非晶質珪素膜921、922を実施例1の図3(A)〜(D)に示した方法によって形成する(図9(C))。なお、本実施例では、メモリTFTの非晶質珪素膜921の最終的な膜厚を50nm、スイッチングTFTの非晶質珪素膜922の最終的な膜厚を75nmとしたが、それぞれ1〜100nm(好ましくは1〜50nm、より好ましくは10〜40nm)、1〜150nm(好ましくは10〜100nm)の範囲に形成すればよく、本実施例の膜厚に限定されるわけではない。また、アドレスデコーダや周辺回路を構成するTFTの非晶質珪素膜の膜厚は、スイッチングTFTと同じ膜厚とする。
【0126】
また、非晶質珪素膜に限定する必要はなく、非晶質半導体膜(微結晶半導体膜、および非晶質シリコンゲルマニウム膜などの非晶質構造を含む化合物半導体膜を含む)であれば良い。
【0127】
次に、非晶質珪素膜921、922をレーザー光あるいはレーザー光と同等の強度を持つ強光の照射を行い、非晶質珪素膜の結晶化を行う(図9(D))。レーザー光としては、エキシマレーザー光が好ましい。エキシマレーザーとしては、KrF、ArF,XeClを光源としたパルスレーザを利用すればよい。
【0128】
また、レーザー光と同等の強度を持つ強光としては、ハロゲンランプまたはメタルハライドランプからの強光、赤外光または紫外光ランプからの強光を利用することができる。
【0129】
本実施例では、線状に加工されたエキシマレーザー光を基板の一端から他端へ走査し、非晶質珪素膜の全面を結晶化する。この時、レーザー光のスウィープ速度は1.2mm/s、処理温度は室温、パルス周波数は30Hz、レーザーエネルギーは300〜315mJ/cm2とする。この工程によって結晶性珪素膜が得られる。
【0130】
なお、本実施例の非晶質半導体膜の結晶化法として、実施例1で用いられた結晶化方法を用いても良い。また逆に、実施例1の非晶質半導体膜の結晶化法として、本実施例の結晶化方法を用いることも可能である。
【0131】
次に図10を参照する。まず、結晶性珪素膜をパターンニングして、活性層1001〜1003を形成する(図10(A))。
【0132】
次に、一導電性を付与する不純物元素の添加を行う。不純物元素としてはn型ならばリン(P)または砒素(As)、p型ならばボロン(B)、ガリウム(Ga)またはインジウム(In)などを用いれば良い。
【0133】
最初にレジストマスク1011〜1014を形成し、p型を付与する不純物元素(p型不純物元素ともいう)の添加を行う(図10(B))。その結果、pチャネル型TFTのソース領域・ドレイン領域1015〜1019及びチャネル形成領域1020〜1022が形成される。なお、本実施例では、p型不純物元素としてボロンを用い、ボロン濃度が1×1020〜1×1021atoms /cm3(代表的には2×1020〜5×1020atoms/cm3)となるように調節する。
【0134】
次に、レジストマスク1011〜1014を除去し、レジストマスク1031および1032を形成する。そして、n型不純物元素(本実施例ではリンを用いる。)を添加して、1×1017〜1×1019atoms/cm3程度の低濃度不純物領域1033、および1034を形成する(図10(C))。
【0135】
次に、レジストマスク1031および1032を除去し、レジストマスク1041および1042を形成する。そして、再びn型不純物元素を図10(C)の工程よりも高濃度(1×1020〜1×1021atoms/cm3)に添加してN型TFTのソース・ドレイン領域1043および1044を形成する。なお、領域1045は低濃度不純物領域、領域1046はチャネル形成領域である(図10(D))。
【0136】
次に、レジストマスク1041および1042を除去した後、エキシマレーザー光を照射する(レーザーアニール)ことによって、不純物元素注入時のダメージの回復と添加した不純物の活性化を行う(図11(A))。
【0137】
レーザーアニールが終了したら、層間絶縁膜1111を300〜500nmに形成する(図11(B))。層間絶縁膜1111は、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、有機性樹脂、あるいはそれらの積層膜によって構成される。
【0138】
次に、層間絶縁膜1111にコンタクトホールを形成し、金属薄膜で成るソース・ドレイン電極1112〜1116形成する。この金属薄膜としては、アルミニウム、タンタル、チタン、タングステン、モリブデン、またはそれらの積層膜を用いればよい(図11(B))。
【0139】
最後に、全体に対して水素雰囲気中、350℃で2時間程度の加熱処理を行い、膜中(特にチャネル形成領域)の不対結合手を水素終端する。以上の工程によって図11(B)に示すような構造のTFTを作製することができる。
【0140】
(実施例3)
図2に示したメモリセルの断面図では、メモリTFTの半導体活性層(厚さd1)は、スイッチングTFTの半導体活性層(厚さd2)よりも薄い構造としているが、d1が1〜100nm(好ましくは1〜50nm、より好ましくは10〜40nm)、d2が1〜150nm(好ましくは10〜100nm)の範囲に形成されればよい。特に、メモリTFTの半導体活性層とスイッチングTFTの半導体活性層は同じ厚さであっても構わない。
【0141】
なお、メモリセルの駆動回路および他の周辺回路を構成するTFTの半導体活性層は、メモリTFTの半導体活性層と同じ厚さに形成しても、回路の駆動周波数が低下しない範囲でメモリTFTの半導体活性層よりも厚く形成しても構わない。
【0142】
本実施例は、実施例1及び2の作製方法を用いることが可能である。その場合、異なる膜厚を有する半導体活性層を形成する必要がなく、作製工程は簡略化される。
【0143】
(実施例4)
本実施例では、図1に示した不揮発性メモリにおけるメモリセルの回路図とは異なる例を図8を用いて説明する。図8は、メモリセルをマトリクス状に配置したメモリセルアレイのうち、同じ行に配置された、となりあうメモリセルの回路図である。図8では、2つのとなりあうメモリセルで、スイッチングTFTのソース電極に接続する信号線(信号線Bと呼ぶ)を共有した構造となっている。
【0144】
具体的には、信号線AおよびA'はそれぞれ左右のメモリTFTTr1及びTr1’のドレイン電極に接続されており、信号線BはスイッチングTFTTr2およびTr2'のソース電極に接続されている。また、信号線CはメモリTFTTr1、Tr1'のコントロールゲート電極に接続され、信号線DはスイッチングTFTTr2、Tr2'のゲート電極に接続されている。そして、2つのメモリセル内では、信号線Bに対して左右対称にメモリTFTとスイッチングTFTが設けられた構造となっている。
【0145】
このような構造をとることにより、図1に示した構成と比べて、信号線Bの数を減らすことができ、メモリセルをより高密度に配置することが可能となる。その結果、不揮発性メモリの小型化あるいは大容量化が可能となる。
【0146】
なお、本実施例は、実施例1〜3のいずれの構成とも組み合わせることが可能である。
【0147】
(実施例5)
本実施例では、まず安価な低級グレードの石英基板を用意する。次に、その石英基板をCMP(化学機械研磨)等の手法により理想状態(凹凸部の差の平均値が5nm以内、代表的には3nm以内、好ましくは2nm以内)にまで研磨する。
【0148】
この様に、安価な石英基板であっても研磨によって優れた平坦性を有する絶縁性基板として利用することができる。石英基板を用いると非常に下地が緻密となるので下地/半導体薄膜界面の安定度が高い。また、基板からの汚染の影響も殆どないので非常に利用価値が高い。
【0149】
なお、本実施例は、実施例1〜4のいずれの構成とも組み合わせることが可能である。
【0150】
(実施例6)
実施例1及び実施例2では、珪素の結晶化を助長する触媒元素をゲッタリングする工程において15族に属する元素(実施例1および2ではリン)を用いる例を示した。本願発明では、触媒元素のゲッタリング工程にハロゲン元素を用いることも可能である。
【0151】
本実施例では、半導体活性層上にゲート絶縁膜を形成(図5(A)参照)した後の加熱処理において、ハロゲン元素を含んだ処理雰囲気を用いることによって、触媒元素のゲッタリング工程を行う。
【0152】
なお、ハロゲン元素によるゲッタリング効果を十分に得るためには、上記加熱処理を700℃を超える温度で行うことが好ましい。この温度以下では処理雰囲気中のハロゲン化合物の分解が困難となり、ゲッタリング効果が得られなくなる恐れがある。そのため加熱処理温度を好ましくは800〜1000℃(代表的には950℃)とし、処理時間は0.1〜6時間、代表的には0.5〜1時間とする。
【0153】
代表的な実施例としては酸素雰囲気中に対して塩化水素(HCl)を0.5〜10体積%(本実施例では3体積%)の濃度で含有させた雰囲気中において、950℃、30分の加熱処理を行えば良い。HCl濃度を上記濃度以上とすると、半導体活性層の表面に膜厚程度の凹凸が生じてしまうため好ましくない。
【0154】
また、ハロゲン元素を含む化合物してはHClガス以外にもHF、NF3、HBr、Cl2、ClF3、BCl3、F2、Br2等のハロゲン元素を含む化合物から選ばれた一種または複数種のものを用いることが出来る。
【0155】
この工程においては、半導体活性層中のニッケルが塩素の作用によりゲッタリングされ、揮発性の塩化ニッケルとなって大気中へ離脱して除去される。そして、この工程により半導体活性層中のニッケルの濃度は5×1017atoms /cm3以下(代表的には2×1017atoms/cm3以下)にまで低減される。なお、本発明者らの経験によれば、ニッケル濃度が1×1018atoms/cm3以下(好ましくは5×1017atoms/cm3以下)であればTFT特性に悪影響はでない。
【0156】
また、上記ゲッタリング処理はニッケル以外の他の金属元素にも効果的である。珪素膜中に混入しうる金属元素としては、主に成膜チャンバーの構成元素(代表的にはアルミニウム、鉄、クロム等)が考えられるが、上記ゲッタリング処理を行えば、それら金属元素の濃度も5×1017atoms/cm3以下(好ましくは2×1017atoms/cm3以下)にすることが可能である。
【0157】
なお、上記ゲッタリング処理を行うと、半導体活性層中にはゲッタリング処理に使用したハロゲン元素が1×1016〜1×1020atoms/cm3の濃度で残存する。
【0158】
また、上記加熱処理により半導体活性層とゲート絶縁膜との界面では熱酸化反応が進行し、熱酸化膜の分だけゲート絶縁膜の膜厚は増加する。この様にして熱酸化膜を形成すると、非常に界面準位の少ない半導体/絶縁膜界面を得ることができる。また、活性層端部における熱酸化膜の形成不良(エッジシニング)を防ぐ効果もある。
【0159】
以上のようにして、ハロゲン元素を用いた触媒元素のゲッタリング工程が実施される。なお、その他の工程については、実施例1または実施例2に示す作製工程に従えば良い。その結果、実施例1または実施例2と同じ特徴を有する不揮発性メモリが得られる。
【0160】
なお、本実施例は、実施例3〜5のいずれの構成とも組み合わせることが可能である。
【0161】
(実施例7)
本実施例では、実施例1又は実施例2で説明した作製方法において、ゲート電極にタンタル(Ta)またはTa合金を用い、メモリTFTのフローティングゲート電極とコントロールゲート電極の間の絶縁膜として、TaまたはTa合金からなるゲート電極の熱酸化膜を用いる場合について説明する。
【0162】
実施例1で説明した作製方法の場合、メモリTFTのフローティングゲート電極にTaまたはTa合金を用い、これを熱酸化するとよい。また、実施例2で説明した作製方法では、コントロールゲート電極にTaまたはTa合金を用い、これを熱酸化するとよい。
【0163】
TaまたはTa合金をゲート電極に用いた場合、約450℃から約600℃で熱酸化することができ、Ta23等の膜質の良い酸化膜がゲート電極上に形成される。
【0164】
このようにして形成された絶縁膜の比誘電率は、例えばTa23の場合は11.6前後と、珪素を含む絶縁膜と比較して大きく、同じ膜厚を用いた場合に、フローティングゲートとコントロールゲートの間に、より大きな容量が形成される。その結果、TaまたはTa合金の熱酸化膜を用いることによって、珪素を含む絶縁膜と比較して、フローティングゲートに電荷が注入されやすい構造の不揮発性メモリを作製することが可能となる。
【0165】
また、本実施例は、実施例3〜6のいずれの構成とも組み合わせることが可能である。
【0166】
(実施例8)
本願発明の不揮発性メモリには、様々な用途がある。本実施例では、特に本願発明の不揮発性メモリをメモリ部として備えた電気光学装置(代表的には、液晶表示装置およびEL表示装置)について説明する。
【0167】
まず、本願発明の不揮発性メモリと、画素部と、画素部を駆動する駆動回路と、γ(ガンマ)補正回路とを少なくとも有する電機光学装置の例を図12を用いて説明する。
【0168】
γ補正回路とはγ補正を行うための回路である。γ補正とは画像信号に適切な電圧を付加することによって、画素電極に印加される電圧とその上の液晶又はEL層の透過光強度との間に線形関係を作るための補正である。
【0169】
なお、本実施例では、画素部を駆動する駆動回路として、ソース配線駆動回路およびゲート配線駆動回路をそれぞれ1つずつ設けているが、それぞれ複数の駆動回路を設けても構わない。また、画素部、画素部を駆動する駆動回路、およびγ(ガンマ)補正回路については、公知の回路構造を用いれば良い。
【0170】
本実施例の電気光学装置は、絶縁基板上に形成されたTFTによって構成され、本願発明の不揮発性メモリの作製方法を用いることによって作製することができる。なお、液晶またはEL層の形成等のTFT形成後の工程については公知の方法を用いて作製すれば良い。
【0171】
図12は上記電気光学装置のブロック図である。画素部75の周辺にソース配線駆動回路76、ゲート配線駆動回路77が設けられ、さらにγ補正回路78、不揮発性メモリ79が設けられている。また、画像信号、クロック信号若しくは同期信号等は、FPC(フレキシブルプリントサーキット)80を経由して送られてくる。
【0172】
不揮発性メモリ79には、パソコン本体やテレビ受信アンテナ等から送られてきた画像信号にγ補正をかけるための補正データが格納(記憶)されており、その補正データを参照してγ補正回路78が画像信号に対してγ補正を行う。
【0173】
γ補正のためのデータは電気光学装置を出荷する前に一度格納しておけば良いが、定期的に補正データを書き換えることも可能である。また、同じように作成した電気光学装置であっても、微妙に液晶の光学応答特性(先の透過光強度と印加電圧の関係など)が異なる場合がある。その場合も、本実施例では電気光学装置毎に異なるγ補正データを格納しておくことが可能なので、常に同じ画質を得ることが可能である。
【0174】
なお、不揮発性メモリ79に対してγ補正の補正データを格納する際、本出願人による特願平10−156696号に記載された手段を用いることは好ましい。また、γ補正に関する説明も同出願になされている。
【0175】
また、不揮発性メモリに格納する補正データはデジタル信号であるので、必要に応じてD/Aコンバータ若しくはA/Dコンバータを同一基板上に形成することが望ましい。
【0176】
次に、本願発明の不揮発性メモリと、画素部と、画素部を駆動する駆動回路と、メモリコントローラ回路とを少なくとも有する電気光学装置の例を図13を用いて説明する。
【0177】
本実施例におけるメモリコントローラ回路とは不揮発性メモリに画像データを格納したり読み出したりという動作を制御するための制御回路である。
【0178】
なお、本実施例では、画素部を駆動する駆動回路として、ソース配線駆動回路およびゲート配線駆動回路をそれぞれ1つずつ設けているが、それぞれ複数の駆動回路を設けても構わない。また、画素部、画素部を駆動する駆動回路、およびメモリコントローラ回路については、公知の回路構造を用いれば良い。
【0179】
本実施例の電気光学装置は、絶縁基板上に形成されたTFTによって構成され、本願発明の不揮発性メモリの作製方法を用いることによって作製することができる。なお、液晶またはEL層の形成等のTFT形成後の工程については公知の方法を用いて作製すれば良い。
【0180】
図13は本実施例の電気光学装置のブロック図である。画素部81の周辺にソース配線駆動回路82、ゲート配線駆動回路83が設けられ、さらにメモリコントローラ回路84、本願発明の不揮発性メモリ85が設けられている。また、画像信号、クロック信号若しくは同期信号等は、FPC(フレキシブルプリントサーキット)86を経由して送られてくる。
【0181】
不揮発性メモリ85には、パソコン本体やテレビ受信アンテナ等から送られてきた画像信号が1フレーム毎に格納(記憶)されており、その画像信号を順次画素部に入力して表示を行う。不揮発性メモリ85には画素部81に表示される画像1フレーム分の画像情報が記憶される。例えば、6ビットのデジタル信号が画像信号として送られてくる場合、画素数×6ビットに相当するメモリ容量を必要とする。
【0182】
なお、不揮発性メモリに格納する補正データはデジタル信号であるので、必要に応じてD/Aコンバータ若しくはA/Dコンバータを同一基板上に形成することが望ましい。
【0183】
本実施例の構成とし、画素部81に表示された画像を常に不揮発性メモリ85に記憶することで、画像の一時停止などの動作を容易に行うことができる。即ち、メモリコントローラ回路84により不揮発性メモリ85に格納された画像信号を常に画素部81へ送るようにすることで、ビデオデッキ等に録画することなくテレビ放送を自由に一時停止することが可能となる。
【0184】
また、本実施例では1フレーム分を格納する例を示したが、さらに数百フレーム、数千フレーム分といった画像情報を格納しうる程度まで不揮発性メモリ85のメモリ容量を増やすことができたならば、一時停止だけでなく、数秒若しくは数分前の画像を再生(リプレイ)することも可能となる。
【0185】
なお、本実施例の構成は、実施例1〜7のいずれの構成とも自由に組み合わせて実施することができる。
【0186】
(実施例9)
本願発明の不揮発性メモリには、様々な用途がある。本実施例では、これらの不揮発性メモリを用いた電子機器について説明する。
【0187】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター(リア型またはフロント型)、ヘッドマウントディスプレイ、ゴーグル型ディスプレイ、ゲーム機、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)、DVDプレーヤーなどが挙げられる。それらの一例を図14、15に示す。
【0188】
図14(A)はディスプレイであり、筐体2001、支持台2002、表示部2003等を含む。本願発明の不揮発性メモリは、表示部2003やその他の信号制御回路と一体形成されてもよい。
【0189】
図14(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106で構成される。本願発明の不揮発性メモリは、表示部2102やその他の信号制御回路と一体形成されてもよい。
【0190】
図14(C)はヘッドマウントディスプレイの一部(右片側)であり、本体2201、信号ケーブル2202、頭部固定バンド2203、表示部2204、光学系2205、表示部2206等を含む。本願発明の不揮発性メモリは表示部2206やその他の信号制御回路と一体形成されてもよい。
【0191】
図14(D)は記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体2301、記録媒体2302、操作スイッチ2303、表示部2304、2305等で構成される。なお、この装置は記録媒体としてDVD(Digital Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。本願発明の不揮発性メモリは表示部2304やその他の信号制御回路と一体形成されてもよい。
【0192】
図14(E)はゴーグル型ディスプレイであり、本体2401、表示部2402、アーム部2403を含む。本願発明の不揮発性メモリは表示部2402やその他の信号制御回路と一体形成されてもよい。
【0193】
図14(F)はパーソナルコンピュータであり、本体2501、筐体2502、表示部2503、キーボード2504等で構成される。本願発明の不揮発性メモリは、表示部2503やその他の信号制御回路と一体形成されてもよい。
【0194】
図15(A)は携帯電話であり、本体2601、音声出力部2602、音声入力部2603、表示部2604、操作スイッチ2605、アンテナ2606を含む。本願発明の不揮発性メモリは表示部2604やその他の信号制御回路と一体形成されてもよい。
【0195】
図15(B)は音響再生装置、具体的にはカーオーディオであり、本体2701、表示部2702、操作スイッチ2703、2704を含む。本願発明の不揮発性メモリは表示部2702やその他の信号制御回路と一体形成されてもよい。また、本実施例では車載用オーディオを示すが、携帯型や家庭用の音響再生装置に用いても良い。
【0196】
以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜8のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。
【0197】
【発明の効果】
本願発明によると、不揮発性メモリが、その駆動回路および他の周辺回路と共に絶縁基板上に一体形成され、小型化を図ることができる。
【0198】
また、本願発明によると、不揮発性メモリを構成する各メモリセルにおいて、メモリTFTとスイッチングTFTが同一の半導体活性層上に形成されるため、不揮発性メモリの小型化を図ることができる。
【0199】
また、本願発明によると、不揮発性メモリの半導体活性層の膜厚が比較的薄いので、インパクトイオン化が起こりやすく、低電圧駆動でかつ劣化の少ない不揮発性メモリが実現される。
【0200】
さらに、本願発明の不揮発性メモリは、TFTで構成された任意の回路と絶縁基板上に一体形成することにより、不揮発性メモリを具備する半導体装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の不揮発性メモリの回路構成を示す図。
【図2】 本願発明の不揮発性メモリを構成するメモリセルの断面図。
【図3】 実施例1の不揮発性メモリの作製工程を示す図。
【図4】 実施例1の不揮発性メモリの作製工程を示す図。
【図5】 実施例1の不揮発性メモリの作製工程を示す図。
【図6】 実施例1の不揮発性メモリの作製工程を示す図。
【図7】 本願発明の不揮発性メモリを構成するメモリセルの上面図。
【図8】 実施例4の不揮発性メモリを構成するメモリセルの回路図。
【図9】 実施例2の不揮発性メモリの作製工程を示す図。
【図10】 実施例2の不揮発性メモリの作製工程を示す図。
【図11】 実施例2の不揮発性メモリの作製工程を示す図。
【図12】 実施例8の不揮発性メモリを用いた電気光学装置。
【図13】 実施例8の不揮発性メモリを用いた電気光学装置。
【図14】 実施例9の不揮発性メモリを用いた電子機器。
【図15】 実施例9の不揮発性メモリを用いた電子機器。
【符号の説明】
101 Xアドレスデコーダ
102 Yアドレスデコーダ
103、104 周辺回路
201、202、203 ソース・ドレイン領域
204、205 チャネル形成領域
206 第1のゲート絶縁膜
207 ゲート絶縁膜
208 フローティングゲート電極
209 ゲート電極
210 第2のゲート絶縁膜
211 コントロールゲート電極
212 層間絶縁膜
213、214 ソース・ドレイン配線
215 コントロールゲート配線
Tr1 メモリTFT
Tr2 スイッチングTFT

Claims (2)

  1. 第1の半導体層と、前記第1の半導体層上の第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上の第1のゲート電極と、を有する第1のトランジスタと、
    第2の半導体層と、前記第2の半導体層上の第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上の第2のゲート電極と、を有する第2のトランジスタと、
    第3の半導体層と、前記第3の半導体層上の第3のゲート絶縁膜と、前記第3のゲート絶縁膜上の第3のゲート電極と、を有する第3のトランジスタと、
    第4の半導体層と、前記第4の半導体層上の第4のゲート絶縁膜と、前記第4のゲート絶縁膜上の第4のゲート電極と、前記第4のゲート電極上の第5のゲート絶縁膜と、前記第5のゲート絶縁膜上の第5のゲート電極と、を有する第4のトランジスタと、を有し、
    前記第4のゲート電極は、フローティングゲート電極であり、
    前記第5のゲート電極は、コントロールゲート電極であり、
    前記第1のトランジスタはLDD領域を有するNチャネル型のトランジスタであり、
    前記第2のトランジスタはPチャネル型のトランジスタであり、
    前記第3のトランジスタはPチャネル型のスイッチングトランジスタであり、
    前記第4のトランジスタはPチャネル型のメモリトランジスタであり、
    前記第3の半導体層と前記第4の半導体層とが連続的につながっている半導体装置の作製方法であって、
    前記第1乃至第4の半導体層を形成し、
    前記第1乃至第3の半導体層上及び前記第4の半導体層の一部上に第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクをマスクとして、前記第4のトランジスタのソース領域となる領域及び前記第4のゲート電極の一部と重なる領域に第1のP型不純物元素を添加し、
    前記第1のレジストマスクを除去し、
    前記第1乃至第4の半導体層上に絶縁膜を形成し、
    前記絶縁膜上に前記第1乃至第4のゲート電極を形成し、
    前記第1乃至第4のゲート電極をマスクとして、前記第1乃至第4の半導体層に自己整合的に第1のN型不純物元素を添加し、
    前記第1乃至第4のゲート電極をマスクとして、前記絶縁膜をエッチングして、前記第1乃至第4のゲート絶縁膜を形成し、
    前記第2乃至第4のゲート電極上、前記第2乃至第4の半導体層上、前記第1のゲート電極の一部上、及び前記第1のトランジスタの前記LDD領域となる領域上に第2のレジストマスクを形成し、
    前記第2のレジストマスクをマスクとして、前記第1のトランジスタのソース領域及びドレイン領域となる領域に第2のN型不純物元素を添加し、
    前記第2のレジストマスクを除去し、
    前記第1の半導体層上及び前記第1のゲート電極上に第3のレジストマスクを形成し、
    前記第3のレジストマスクをマスクとして、前記第2乃至第4の半導体層に第2のP型不純物元素を添加し、
    前記第3のレジストマスクを除去し、
    前記第1乃至第4のゲート電極上に前記第5のゲート絶縁膜を形成し、
    前記第5のゲート絶縁膜上に前記第5のゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 第1の半導体層と、前記第1の半導体層上の第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上の第1のゲート電極と、を有する第1のトランジスタと、
    第2の半導体層と、前記第2の半導体層上の第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上の第2のゲート電極と、を有する第2のトランジスタと、
    第3の半導体層と、前記第3の半導体層上の第3のゲート絶縁膜と、前記第3のゲート絶縁膜上の第3のゲート電極と、を有する第3のトランジスタと、
    第4の半導体層と、前記第4の半導体層上の第4のゲート絶縁膜と、前記第4のゲート絶縁膜上の第4のゲート電極と、前記第4のゲート電極上の第5のゲート絶縁膜と、前記第5のゲート絶縁膜上の第5のゲート電極と、を有する第4のトランジスタと、を有し、
    前記第4のゲート電極は、フローティングゲート電極であり、
    前記第5のゲート電極は、コントロールゲート電極であり、
    前記第1のトランジスタはLDD領域を有するNチャネル型のトランジスタであり、
    前記第2のトランジスタはPチャネル型のトランジスタであり、
    前記第3のトランジスタはPチャネル型のスイッチングトランジスタであり、
    前記第4のトランジスタはPチャネル型のメモリトランジスタであり、
    前記第3の半導体層と前記第4の半導体層とが連続的につながっている半導体装置の作製方法であって、
    半導体膜を形成し、
    前記半導体膜上に複数の開口部を有する保護膜を形成し、
    前記複数の開口部内に触媒元素を添加し、
    第1の加熱処理を行い前記半導体膜を結晶化させ、
    前記保護膜をマスクとして、前記複数の開口部内にリンを添加してリン添加領域を形成し、
    第2の加熱処理を行うことにより、前記リン添加領域に前記触媒元素を移動させ、
    前記保護膜を除去し、
    少なくとも前記リン添加領域が除去されるように前記半導体膜をエッチングして、前記第1乃至第4の半導体層を形成し、
    前記第1乃至第3の半導体層上及び前記第4の半導体層の一部上に第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクをマスクとして、前記第4のトランジスタのソース領域となる領域及び前記第4のゲート電極の一部と重なる領域に第1のP型不純物元素を添加し、
    前記第1のレジストマスクを除去し、
    前記第1乃至第4の半導体層上に絶縁膜を形成し、
    前記絶縁膜上に前記第1乃至第4のゲート電極を形成し、
    前記第1乃至第4のゲート電極をマスクとして、前記第1乃至第4の半導体層に自己整合的に第1のN型不純物元素を添加し、
    前記第1乃至第4のゲート電極をマスクとして、前記絶縁膜をエッチングして、前記第1乃至第4のゲート絶縁膜を形成し、
    前記第2乃至第4のゲート電極上、前記第2乃至第4の半導体層上、前記第1のゲート電極の一部上、及び前記第1のトランジスタの前記LDD領域となる領域上に第2のレジストマスクを形成し、
    前記第2のレジストマスクをマスクとして、前記第1のトランジスタのソース領域及びドレイン領域となる領域に第2のN型不純物元素を添加し、
    前記第2のレジストマスクを除去し、
    前記第1の半導体層上及び前記第1のゲート電極上に第3のレジストマスクを形成し、
    前記第3のレジストマスクをマスクとして、前記第2乃至第4の半導体層に第2のP型不純物元素を添加し、
    前記第3のレジストマスクを除去し、
    前記第1乃至第4のゲート電極上に前記第5のゲート絶縁膜を形成し、
    前記第5のゲート絶縁膜上に前記第5のゲート電極を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
JP2001022703A 2000-02-01 2001-01-31 半導体装置の作製方法 Expired - Fee Related JP4666783B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001022703A JP4666783B2 (ja) 2000-02-01 2001-01-31 半導体装置の作製方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-23656 2000-02-01
JP2000023656 2000-02-01
JP2001022703A JP4666783B2 (ja) 2000-02-01 2001-01-31 半導体装置の作製方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001298100A JP2001298100A (ja) 2001-10-26
JP2001298100A5 JP2001298100A5 (ja) 2008-03-13
JP4666783B2 true JP4666783B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=26584612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001022703A Expired - Fee Related JP4666783B2 (ja) 2000-02-01 2001-01-31 半導体装置の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4666783B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4498685B2 (ja) * 2002-03-22 2010-07-07 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体記憶素子の作製方法
AU2003242913A1 (en) * 2002-07-08 2004-01-23 Koninklijke Philips Electronics N.V. Erasable and programmable non-volatile cell
WO2007138754A1 (ja) * 2006-05-31 2007-12-06 Sharp Kabushiki Kaisha 半導体装置、その製造方法、及び、表示装置
US7791172B2 (en) * 2007-03-19 2010-09-07 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Nonvolatile semiconductor memory device
KR100873705B1 (ko) 2007-06-22 2008-12-12 삼성모바일디스플레이주식회사 유기전계발광표시장치 및 그의 제조방법
KR101420603B1 (ko) * 2007-06-29 2014-07-17 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치 및 그 제조 방법
JP5297610B2 (ja) * 2007-08-10 2013-09-25 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
JP4592739B2 (ja) * 2007-11-15 2010-12-08 シャープ株式会社 表示装置、携帯機器
US9082652B2 (en) 2010-03-23 2015-07-14 Sharp Kabushiki Kaisha Semiconductor device, active matrix substrate, and display device
KR102021808B1 (ko) * 2012-12-04 2019-09-17 삼성전자주식회사 3차원 구조의 메모리 셀 어레이를 포함하는 불휘발성 메모리

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000252373A (ja) * 1999-03-04 2000-09-14 Toshiba Corp 不揮発性半導体メモリ、不揮発性半導体メモリを備えた表示装置及びその製造方法
JP2000294658A (ja) * 1999-04-02 2000-10-20 Matsushita Electronics Industry Corp 不揮発性半導体記憶装置及びその駆動方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2887506B2 (ja) * 1990-07-13 1999-04-26 カシオ計算機株式会社 薄膜トランジスタメモリ
US5471422A (en) * 1994-04-11 1995-11-28 Motorola, Inc. EEPROM cell with isolation transistor and methods for making and operating the same
JPH09135030A (ja) * 1995-11-08 1997-05-20 Hitachi Ltd 半導体集積回路装置およびそれを用いたコンピュータシステム、ならびに半導体集積回路装置の製造方法
JP3943245B2 (ja) * 1997-09-20 2007-07-11 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000252373A (ja) * 1999-03-04 2000-09-14 Toshiba Corp 不揮発性半導体メモリ、不揮発性半導体メモリを備えた表示装置及びその製造方法
JP2000294658A (ja) * 1999-04-02 2000-10-20 Matsushita Electronics Industry Corp 不揮発性半導体記憶装置及びその駆動方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001298100A (ja) 2001-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7858985B2 (en) Integrated circuit, semiconductor device comprising the same, electronic device having the same, and driving method of the same
JP3943245B2 (ja) 半導体装置
JP4776801B2 (ja) メモリ回路
US6646288B2 (en) Electro-optical device and electronic equipment
US6577531B2 (en) Nonvolatile memory and semiconductor device
JP3980178B2 (ja) 不揮発性メモリおよび半導体装置
JP5046464B2 (ja) 半導体記憶素子の作製方法
US20020113268A1 (en) Nonvolatile memory, semiconductor device and method of manufacturing the same
US6337235B1 (en) Semiconductor device and manufacturing method thereof
JP4531194B2 (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP2001326289A (ja) 不揮発性メモリおよび半導体装置
JP4666783B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4761646B2 (ja) 不揮発性メモリ
JP5041839B2 (ja) 半導体装置
JP2004297048A (ja) 集積回路、該集積回路を有する半導体表示装置及び集積回路の駆動方法
JP3993630B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4712156B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP3934538B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4499754B2 (ja) 半導体装置
JP2001274405A (ja) 半導体装置およびその作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080125

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees