JP4662600B2 - リチウム電池用電解液およびそれを用いた二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、充放電特性に優れた非水電解液、およびそれを用いた二次電池に関する。より詳細には、フッ化水素とカルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物と非水溶媒と電解質を含有するリチウム二次電池に適した電解液、およびそれを用いた二次電池に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
非水電解液を用いた電池は、高電圧でかつ高エネルギー密度を有しており、また貯蔵性などの信頼性も高いので、民生用電子機器の電源として広く用いられている。
【0003】
このような電池として非水電解液二次電池があり、その代表的存在は、リチウムイオン二次電池である。それに用いられる非水溶媒として、誘電率の高いカーボネート化合物が知られており、各種カーボネート化合物の使用が提案されている。また電解液として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの前記高誘電率カーボネート化合物溶媒と、炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒との混合溶媒に、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、Li2SiF6などの電解質を混合した溶液が用いられている。
【0004】
一方で、電池の高容量化を目指して電極の研究も進められており、リチウムイオン二次電池の負極として、リチウムの吸蔵、放出が可能な炭素材料が用いられている。特に黒鉛などの高結晶性炭素は、放電電位が平坦であるなどの特徴を有していることから、現在市販されているリチウムイオン二次電池の大半の負極として採用されている。
しかしながら、上述の負極上では、電解液の非水溶媒の種類によっては微少ながらも電解液が還元分解するという問題点があり、この還元分解は特に高温で顕著に現れる。還元分解が起こると、反応生成物が電極上を覆いリチウムイオンの移動を阻害し、電池の負荷特性が悪くなるといった問題点がある。
【0005】
このため、電解液に使用される高誘電率の非水溶媒として、常温で固体ではあるものの、還元分解反応が継続的に起こりにくいエチレンカーボネートを使用することや、様々な添加剤を加えることによって、還元分解反応を抑制しようとする試みがなされている。これらの対策により、電池の充放電特性の向上が図られてきたが、さらに、改善が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の要請に応えるために、電池の負荷特性の劣化を抑制し、その結果優れた負荷特性を与えるリチウム電池用電解液の提供を目的とする。また、また、この電解液を含む二次電池の提供を目的とする。
【0007】
本発明は、非水溶媒と、電解質と、非水溶媒および電解質に対して0.03〜0.7重量%のフッ化水素と、非水溶媒とリチウム塩に対して、0.01〜4.0重量%のカルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物とを含む非水電解液を提供する。
【0008】
前記カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物が、炭素数が4〜20で、分子内に2個以上のカルボキシル基または1個以上の無水カルボン酸基を有し、かつ炭素炭素不飽和基を有する化合物である非水電解液は本発明の好ましい態様である。
【0009】
前記非水溶媒が、下記一般式(1a)および(1b)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の環状炭酸エステルおよび/または鎖状炭酸エステルである非水電解液も本発明の好ましい態様である。
【化2】
(式中、R1〜R4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基である。)
【0010】
本発明は、前記の非水電解液を含む二次電池を提供する。
【0011】
また本発明は、金属リチウム、リチウム含有合金、またはリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化スズ、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化チタン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属の窒素化物およびリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能なシリコンから選ばれた少なくとも一種の負極活物質を含む負極と、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属の複合酸化物、導電性高分子材料および炭素材料から選ばれた少なくとも一種の正極活物質を含む正極と、請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解液とを含む二次電池を提供する。
【0012】
さらに本発明は、前記負極活物質が、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料であるリチウムイオン二次電池を提供する。
【発明の具体的説明】
次に、本発明に係る非水電解液およびこの電解液を用いた二次電池について具体的に説明する。本発明に係る非水電解液は、非水溶媒と、電解質と、フッ化水素と、カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物とを含むものである。以下にその各々について詳述する。
【0013】
フッ化水素
本発明の非水電解液は必須成分として、フッ化水素を含有する。
フッ化水素の電解液への添加方法としては、直接電解液にフッ化水素ガスを所定量吹き込む方法を採用することができる。
また、本発明で使用する電解質がLiPF6やLiBF4などのフッ素を含有するリチウム塩である場合は、下式に示した水と電解質の反応を利用して、水を電解液に添加し、電解液中で発生させても良い。
【式1】
LiMFn + H2O → LiPF(n-2)O +2HF
(ただし、M=P、Bなどの を表し、 M=Pの時はn=6で、M=Bの時n=4である。)
【0014】
水を電解液に添加し、間接的にHFを電解液中に生成させる場合、水1分子からHFがほぼ定量的に2分子生成するので、水の添加量は、望みのHF添加濃度にあわせて計算し添加する。具体的には、望みのHF量の0.45倍(重量比)の水を添加する。
【0015】
電解質との反応を利用して、HFを発生させる化合物は、水以外にも酸性度の強いプロトン性化合物を使用できる。このような化合物として、具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類を挙げることができる。
【0016】
カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物
1)カルボキシル基を有する化合物
本発明で使用されるカルボキシル基を有する化合物として、以下に例示した。
炭化水素基にカルボキシル基が結合した化合物
ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、シクロヘキシル酢酸など。
【0017】
炭素炭素不飽和基を含む炭化水素基にカルボキシル基が結合した化合物
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ソルビン酸、桂皮酸、10−ウンデセン酸、リノール酸、フマル酸、マレイン酸、ノルボルネンジカルボン酸、フランカルボン酸、オロチン酸、イミダゾールジカルボン酸、オロチン酸、アセチレンカルボン酸、アセチレンジカルボン酸、ノルボルネンカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ブテンジカルボン酸、ヘキセンジカルボン酸、オクテンジカルボン酸、シクロペンテンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シクロオクテンジカルボン酸など。
【0018】
ハロゲン化炭化水素基にカルボキシル基酸が結合した化合物
トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、パーフルオロデカノイックアシッド、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、ヘキサフルオログルタル酸、フルオロマロン酸、パーフルオロペンタン酸、パーフルオロノナン酸など。
【0019】
2個以上のカルボキシル基を有する化合物
シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸フマル酸、カンファー酸、リンゴ酸、グルタミン酸、ムチン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、アウリントリカルボン酸、クエン酸、エチレンジアミン4酢酸、ニトリロ−3−プロピオン酸など。
【0020】
芳香族基にカルボキシル基が結合した化合物
安息香酸、フタル酸、クミン酸、エトキシ安息香酸、エチル安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、ジメトキシ安息香酸、アセチル安息香酸、アミノ安息香酸、アントラニル酸、アセチルアントラニル酸、没食子酸、フルオロ安息香酸、プロトカテク酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、スルホサリチル酸リチウム、トルイル酸、バニリン酸、ベンゾイル安息香酸、ビフェニルカルボン酸、ブトキシ安息香酸、5(6)−カルボキシフルオレセイン、4−カルボキシ無水フタル酸、トリメシン酸、ピロメリット酸など。
【0021】
オキソ基、または、オキシ基を有する置換基にカルボキシル基が結合した化合物
アスパラギン酸、アセチルプロピオン酸、ベンゾイルぎ酸、カンファン酸、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、オキシぎ酸、オキシジ酢酸、オキソグルタル酸、グリコール酸、乳酸、グルコン酸グリセリン酸、ピルビン酸、メトキシ酢酸など。
【0022】
アミノ基を有する置換基にカルボキシル基が結合した化合物
アラニン、ベタイン、カルバミン酸など。
【0023】
含窒素芳香環にカルボキシル基が結合した化合物
ニコチン酸、シトラジン酸、イソシンコメロン酸、イソニコチン酸、ピリジンジカルボン酸など。
【0024】
以下の一般式(2)で表わされる化合物
【化3】
(R5、R6は、炭素数が1〜12の置換基を表わす。R7、R8は、水素または炭素数が1〜12の置換基を表わす。R5〜R8は同一でも異なっていてもよい。また、R5とR6は互いに化学結合してもよい。nは0〜6の整数である。)
【0025】
一般式(2)で表わされる化合物として、以下が挙げられる。
バルビツール酸−N,N−ジ(カルボキシエチル)、バルビツール酸−N−(カルボキシエチル)、ジエチルバルビツール酸−N,N−カルボキシエチル、ジエチルバルビツール酸−N−カルボキシエチル、カルボキシエチルアロキサン、ジカルボキシエチルアロキサン、N−カルボキシマレインイミド、N−カルボキシメチルマレインイミド、N−カルボキシエチルマレインイミド、N−カルボキシエチルフタル酸イミド、メチル−N−(カルボキシエチル)カルバメート、メチル−N,N−ジ(カルボキシエチル)カルバメート、メチル−N−メチル−N−カルボキシエチルカルバメート、N−(カルボキシエチル)ホルムアミド、N,N−ジ(カルボキシエチル)ホルムアミド、 N−メチル−N−カルボキシエチルホルムアミド、 N−(カルボキシエチル)アセトアミド、N,N−ジ(カルボキシエチル)アセトアミド、 N−メチル−N−カルボキシエチルアセトアミド、N−カルボキシエチル尿素、 N,N−ジ(カルボキシエチル)尿素、 N、N,N−トリ(カルボキシエチル)尿素、 N、N,N,N−テトラ(カルボキシエチル)尿素、N−カルボキシエチルピロリジノン、N−カルボキシエチルオキサゾリジノン、N−カルボキシエチルイミダゾリジノン、N,N−ジ(カルボキシエチルイミダゾリジノン)、N−カルボキシエチル−N−メチルイミダゾリジノン、カルバミン酸、N−メチルカルバミン酸、N,N−ジメチルカルバミン酸、N,N−ジエチルカルバミン酸、N−カルボキシエチルこはく酸イミド、ヒダントイン−N−カルボキシエチル、ヒダントイン−N,N−ジ(カルボキシエチル)、尿酸−N−カルボキシエチル、尿酸−N、N−ジ(カルボキシエチル)、尿酸−N,N,N−トリ(カルボキシエチル)、尿酸−N,N,N,N−テトラ(カルボキシエチル)、イソシアヌル酸トリカルボキシエチルなど。
【0026】
以上に例示したカルボキシル基を含有する化合物のうちで、炭素炭素不飽和基を含む置換基にカルボキシル基が結合した炭素数3〜20の化合物が望ましい。さらに、カルボキシル基は2個以上結合した炭素数4〜20の化合物がさらに望ましい。
炭素炭素不飽和基を有すると、寿命試験時の負荷特性の劣化を抑制するだけでなく、高温保存試験時の容量残存率を高める作用が顕著に現れるようになる。
【0027】
2)無水カルボン酸基を有する化合物
本発明で使用される無水カルボン酸基を有する化合物を以下に例示した。
炭化水素基に無水カルボン酸基が結合した化合物
無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、吉草酸無水物、カプロン酸無水物、シクロヘキシル酢酸無水物、マロン酸無水物、メチルマロン酸無水物、エチルマロン酸無水物、こはく酸、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物、ピメリン酸無水物、セバシン酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、クエン酸無水物など。
【0028】
炭素炭素不飽和基を含む置換基に無水カルボン酸基が結合した化合物
アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、クロトン酸無水物、イタコン酸無水物、ソルビン酸無水物、桂皮酸無水物、フマル酸無水物、マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、エチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、メチルエチルマレイン酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、フランカルボン酸無水物、アセチレンカルボン酸無水物、アセチレンジカルボン酸無水物、ノルボルネンカルボン酸無水物、ブテンジカルボン酸無水物、ヘキセンジカルボン酸無水物、オクテンジカルボン酸無水物、シクロペンテンジカルボン酸無水物、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シクロオクテンジカルボン酸無水物など。
【0029】
ハロゲン化炭化水素基に無水カルボン酸基が結合した化合物
トリフルオロ酢酸無水物、ジフルオロ酢酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、ジクロロ酢酸無水物、ヘキサフルオログルタル酸無水物、フルオロマロン酸無水物、パーフルオロペンタン酸無水物、パーフルオロノナン酸無水物など。
【0030】
芳香族基に無水カルボン酸基が結合した化合物
安息香酸無水物、フタル酸無水物、クミン酸無水物、エトキシ安息香酸無水物、エチル安息香酸無水物、ヒドロキシ安息香酸無水物、フルオロ安息香酸無水物、サリチル酸無水物、ベンゾイル安息香酸無水物、ビフェニルカルボン酸無水物など。
【0031】
オキソ基、または、オキシ基を有する置換基に無水カルボン酸基が結合した化合物
アスパラギン酸無水物、アセチルプロピオン酸無水物、酒石酸無水物、オキシジ酢酸無水物、オキソグルタル酸無水物、乳酸無水物、メトキシ酢酸無水物など。
【0032】
アミノ基を有する置換基に無水カルボン酸基が結合した化合物
アラニン無水物、ベタイン無水物、カルバミン酸無水物など。
【0033】
含窒素芳香環に無水カルボン酸基が結合した化合物
ニコチン酸無水物、イソニコチン酸無水物、ピリジンジカルボン酸無水物など。
【0034】
以上に例示した無水カルボン酸基を含有する化合物のうちで、無水マレイン酸誘導体やノルボルネンジカルボン酸無水物などのように、炭素炭素不飽和基を含む置換基に無水カルボン酸基が結合した炭素数4から20の化合物が望ましい。
炭素炭素不飽和基を有すると、寿命試験時の負荷特性の劣化を抑制するだけでなく、高温保存試験時の容量残存率を高める作用が顕著に現れるようになる。
【0035】
添加濃度
カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物は、単独で使用しても寿命試験後の電池の負荷特性劣化を抑制する作用がある。フッ化水素については、負荷特性劣化抑制の作用は顕著ではない。ところが、両化合物を併用すると相乗作用が生じ、負荷特性の低下を抑制する作用がさらに高まる。このような相乗作用を発現させ、かつ電池容量のロスも少なくするという観点から、フッ化水素の添加量は非水溶媒および電解質の合計量に対して0.03〜0.7重量%が好ましく、より好ましくは0.03〜0.3重量%、さらに好ましくは0.03〜0.2重量%である。
【0036】
また、カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物の添加量は、負荷特性劣化抑制の効果を発現させ、かつ電池容量のロスを少なくするという観点から、非水溶媒および電解質の合計量に対して0.01〜4重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3.5重量%、さらに好ましくは0.2〜3重量%である。
【0037】
フッ化水素とカルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物の併用比率で表わせば、重量比で、フッカ水素:カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物=1:400〜70:1が好ましく、より好ましくは1:200〜2:1、さらに好ましくは1:50〜1:1である。
【0038】
また、フッ化水素を間接的に生成させる為に電解液に水を添加する場合は、非水溶媒および電解質の合計量に対して、水を0.00045〜0.315重量%添加することが好ましく、より好ましくは0.0045〜0.135重量%、さらに好ましくは0.009〜0.09重量%添加する。電解質がLiPF6の場合、添加された水は3日間でほぼ定量的にフッ化水素に変化する。
【0039】
非水溶媒
本発明に係る非水電解液では、非水溶媒として、有機溶媒が好ましく、特に、下記一般式(1a)および(1b)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の環状炭酸エステルおよび/または鎖状炭酸エステルを含む非水溶媒を使用することが望ましい。
【0040】
使用できる非水溶媒としては、下記に示す一般式(1a)および(1b)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の環状炭酸エステルおよび/または鎖状炭酸エステルを挙げることができる。
【化4】
(式中、R1〜R4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、または炭素数1〜6のアルキル基である。)
この中でアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基を例示することができる。
【0041】
前記一般式(1a)または(1b)で表される環状炭酸エステルの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2‐ブチレンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボネート、1,2‐ペンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。特に、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適に使用される。電池寿命の向上を特に意図した場合は、特にエチレンカーボネートが好ましい。また、これら環状炭酸エステルは2種以上混合して使用してもよい。
【0042】
鎖状炭酸エステルとして具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネートなどが挙げられる。特に、粘度が低い、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好適に使用される。これら鎖状炭酸エステルは2種以上混合して使用してもよい。
【0043】
非水溶媒の環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの組合せとして具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、プロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとメチルエチルカーボネート、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートなどが挙げられる。
【0044】
このような鎖状炭酸エステルが非水溶媒中に含まれていると、非水電解液の粘度を低くすることが可能となり、電解質の溶解度をさらに高め、常温または低温での電気伝導性に優れた電解液とすることできる。このため電池の負荷特性を高める事ができる。
【0045】
また、非水溶媒中に、前記一般式(1a)および(1b)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の環状炭酸エステルおよび/または鎖状炭酸エステル(1a)および(1b)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとの混合割合は、重量比で表して、前記一般式(1a)および(1b)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の環状炭酸エステル:鎖状炭酸エステルが、0:100〜100:0、好ましくは5:95〜80:20、さらに好ましくは10:90〜70:30、特に好ましくは15:85〜55:45である。このような比率にすることによって、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができる為、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。
【0046】
したがって、本発明に係わる好ましい非水溶媒は、前記一般式(1a)および(1b)で表される化合物から選ばれた少なくとも1種の環状炭酸エステルおよび/または前記鎖状炭酸エステルを含むものである。またそれらに加えて、通常電池用非水溶媒として広く使用されている溶媒をさらに混合あるいは少量添加して使用することも可能である。
【0047】
このような溶媒としては、具体的には、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸メチルなどの鎖状エステル;リン酸トリメチルなどのリン酸エステル;1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどの鎖状エーテル;1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチル-1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソランなどの環状エーテル;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチル‐N,N‐ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート;γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、3-メチル-γ-ブチロラクトン、2-メチル-γ-ブチロラクトンなどの環状エステル;スルホランなどの環状スルホン;N‐メチルオキサゾリジノンなどの環状カーバメート;N‐メチルピロリドンなどの環状アミド;N,N‐ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア;4,4-ジメチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-エチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-プロピル- 5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ブチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジエチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-エチル-4-プロピル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-エチル-4-ブチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジプロピル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-プロピル-4-ブチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジブチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4,4-ジメチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-エチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-プロピル- 5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジエチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-エチル-4-プロピル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-エチル-4-ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジプロピル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-プロピル-4-ブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4,4-ジブチル-5-エチリデンエチレンカーボネート、4-メチル-4-ビニル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-アリル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-メトキシメチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-アクリルオキシメチル-5-メチレンエチレンカーボネート、4-メチル-4-アリルオキシメチル-5-メチレンエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;4-ビニルエチレンカーボネート、4,4-ジビニルエチレンカーボネート、4,5-ジビニルエチレンカーボネートなどのビニルエチレンカーボネート誘導体;4-ビニル-4-メチルエチレンカーボネート、4-ビニル-5-メチルエチレンカーボネート、4-ビニル-4,5-ジメチルエチレンカーボネート、4-ビニル-5,5-ジメチルエチレンカーボネート、4-ビニル-4,5,5-トリメチルエチレンカーボネートなどのアルキル置換ビニルエチレンカーボネート誘導体;4-アリルオキシメチルエチレンカーボネート、4,5-ジアリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;4-メチル-4-アリルオキシメチルエチレンカーボネート、4-メチル-5-アリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアルキル置換アリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;4-アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、4,5-アクリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアクリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;4-メチル-4-アクリルオキシメチルエチレンカーボネート、4-メチル-5-アクリルオキシメチルエチレンカーボネートなどのアルキル置換アクリルオキシメチルエチレンカーボネート誘導体;スルホラン、硫酸ジメチルなどのような含イオウ化合物;トリメチルリン酸、トリエチルリン酸などの含リン化合物;および下記一般式で表わされる化合物などを挙げることができる。HO(CH2CH2O)aH、HO{CH2CH(CH3)O}bH、CH3O(CH2CH2O)cH、CH3O{CH2CH(CH3)O}dH、CH3O(CH2CH2O)eCH3、CH3O{CH2CH(CH3)O}fCH3、C9H19PhO(CH2CH2O)g {CH(CH3)O}hCH3(Phはフェニル基)、CH3O{CH2CH(CH3)O}iCO{O(CH3)CHCH2}jOCH3(前記の式中、a〜fは5〜250の整数、g〜jは2〜249の整数、5≦g+h≦250、5≦i+j≦250である。)
【0048】
特に、溶媒の引火点を高くする目的では、溶媒は、一般式(1a)および(1b)で表わされる環状炭酸エステルと高沸点の溶媒の組み合わせである事が望ましい。高沸点の溶媒としては、γ−ブチロラクトン、スルホラン、リン酸トリアルキルなどが挙げられる。
【0049】
非 水 電 解 液
本発明の非水電解液は、非水溶媒と電解質とからなっており、さらに、前述したフッ化水素、および、カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物を含有するものである。使用される電解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、いずれをも使用することができる。
【0050】
電解質の具体例としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、Li2SiF6、LiC4F9SO3、LiC8F17SO3などのリチウム塩が挙げられる。また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。LiOSO2R8、LiN(SO2R9)(SO2R10)、LiC(SO2R11)(SO2R12)(SO2R13)、LiN(SO2OR14)(SO2OR15)(ここで、R8〜R15は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基である)。これらのリチウム塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0051】
これらのうち、特に、LiPF6、LiBF4、LiOSO2R8、LiN(SO2R9)(SO2R10)、LiC(SO2R11)(SO2R12)(SO2R13)、LiN(SO2OR14)(SO2OR15)が好ましい。
【0052】
このような電解質は、通常、0.1〜3モル/リットル、好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で非水電解液中に含まれていることが望ましい。
【0053】
本発明における非水電解液は、フッ化水素とカルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物と非水溶媒と電解質とを必須構成成分として含むが、必要に応じて他の添加剤等を加えてもよい。
【0054】
以上のような本発明に係る非水電解液は、リチウムイオン二次電池用の非水電解液として好適であるばかりでなく、一次電池用の非水電解液としても用いることが出来る。
【0055】
二 次 電 池
本発明に係る非水電解液二次電池は、負極と、正極と、前記の非水電解液とを基本的に含んで構成されており、通常負極と正極との間にセパレータが設けられている。
【0056】
負極を構成する負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭素材料、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な酸化スズ、酸化ニオブ、酸化バナジウム、リチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能な酸化チタン、またはリチウムイオンをドープ・脱ドープすることが可能なシリコン、リチウムイオンをドープ・脱ドープする事が可能な遷移金属窒素化物のいずれを用いることができる。これらの中でもリチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭素材料が好ましい。このような炭素材料は、グラファイトであっても非晶質炭素であってもよく、活性炭、炭素繊維、カーボンブラック、メソカーボンマイクロビーズ、天然黒鉛などが用いられる。
【0057】
負極活物質として、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましく、密度が1.70g/cm3以上である黒鉛またはそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
【0058】
正極を構成する正極活物質としては、MoS2、TiS2、MnO2、V2O5などの遷移金属酸化物または遷移金属硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiNiXCo(1-X)O2などのリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾール/ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料等が挙げられる。これらの中でも、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物が好ましい。負極がリチウム金属またはリチウム合金である場合は、正極として炭素材料を用いることもできる。また、正極として、リチウムと遷移金属の複合酸化物と炭素材料との混合物を用いることもできる。
【0059】
セパレータは多孔性の膜であって、通常微多孔性ポリマーフィルムが好適に使用される。特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、または多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルムを例示することができる。
【0060】
このような非水電解液二次電池は、円筒型、コイン型、角型、その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。次に、円筒型およびコイン型電池の構造について説明するが、各電池を構成する負極活物質、正極活物質およびセパレータは、前記したものが共通して使用される。
【0061】
例えば、円筒型非水電解液二次電池の場合には、負極集電体に負極活物質を塗布してなる負極と、正極集電体に正極活物質を塗布してなる正極とを、非水電解液を注入したセパレータを介して巻回し、巻回体の上下に絶縁板を載置した状態で電池缶に収納されている。
【0062】
代表例として円筒型非水電解液二次電池の構造を図1によって説明する。図1では、負極集電体9に負極活物質を塗布してなる負極1と、正極集電体10に正極活物質を塗布してなる正極2とを、非水電解液が注入されたセパレータ3を介して巻回し、この巻回体の上下に絶縁板4を載置した状態で電池缶5に収納したものである。電池缶5には、電池蓋7が封ロガスケット6を介してかしめることにより取り付けられ、それぞれ負極リード11および正極リード12を介して負極1あるいは正極2と電気的に接続され、電池の負極あるいは正極として機能している。
【0063】
この電池では、正極リード12は、電流遮断用薄板8を介して電池蓋7との電気的接続が図られている。電池内部の圧力が上昇すると、電流遮断用薄板8が押し上げられて変形し、正極リード12が上記薄板8と溶接された部分を残して切断され、電流が遮断されるようになっている。
【0064】
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、コイン型非水電解液二次電池にも適用することができる。コイン型電池では、円盤状負極、セパレータ、円盤状正極、およびステンレス、またはアルミニウムの板が、この順序に積層された状態でコイン型電池缶に収納されている。
【0065】
本発明の非水電解液二次電池は、上記構成の電池に、本発明の電解液を注入して得る事ができる。
本発明の実施にあたっては、電解液の構成成分、例えばカルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物を、予め電池中に含有させておき、該構成成分を含有しない電解液を注入することによって、予め含有させた該構成成分が、電解液に溶け出し、その結果、本発明の非水電解液を構成させる方法を採ることも可能である。
【0066】
この場合、添加剤を含有させる電池の部材としては、負極、正極、セパレーター、バインダ−が挙げられ、電極面に対してできるだけ均一に含有させる事が望ましい。含有させる濃度は、カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物の場合、後に注入する電解液量に対して、0.01〜4重量%である事が望ましい。
【0067】
また、フッ化水素については、電解質がLiPF6やLiBF4などのフッ素を含有する電解質の場合に、以下の方法であらかじめ電池中に、実質的に添加する事が可能である。電池に水分を含有させておき、電解液を注入後、電池中の水分が電解液に溶け出し、電解質と反応して、フッ化水素を生成させる。この場合、電池中に含有させる水の量は、0.0045〜0.36重量%であることが望ましい。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、実施例および比較例を通して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0069】
【実施例】
(実施例1〜5)(実施例1、2は参考例)
1.電池の作製
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)を、EC:MEC=4:6(重量比)の割合で混合した混合物を非水溶媒として用い、次に電解質であるLiPF6を非水溶媒に溶解し、電解質濃度が1.0モル/リットルとなるように調製した。電解液中で非水溶媒および電解質の合計量に対して0.2重量%のイソシアヌル酸トリカルボキシエチルを添加した。
続いて所定量の水を電解液に添加し、電解液中で非水溶媒および電解質の合計量に対して表1に示す割合のフッ化水素を生成させることによってフッ化水素の添加を行なった。フッ化水素の定量は、水を添加して3日後にアルカリによる滴定で行なった。
【0070】
<負極の作製>
天然黒鉛(中越黒鉛製LF−18A)87重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVDF)13重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリジノンに分散させ、天然黒鉛合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥させた後、圧縮成型し、これを14mmの円盤状に打ち抜いて、コイン状の天然黒鉛電極を得た。この天然黒鉛電極合剤の厚さは110μm、重量は20mg/Φ14mmであった。
【0071】
<LiCoO2電極の作製>
LiCoO2(本荘FMCエナジーシステムズ(株)製 HLC−21)90重量部と、導電剤の黒鉛6重量部及びアセチレンブラック1重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン3重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリドンに分散させ、LiCoO2合剤スラリーを調製した。
このLiCoO2合剤スラリーを厚さ20ミクロンのアルミ箔に塗布、乾燥させ、圧縮成型し、これをΦ13mmにうちぬき、LiCoO2電極を作製した。
このLiCoO2合剤の厚さは90μm、重量は35mg/Φ13mmであった。
【0072】
<電池の作製>
図2に示したコイン型電池を作製した。直径14mmの天然黒鉛電極(負極)13、直径13mmのLiCoO2電極(正極)14、厚さ25μm、直径16mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできたセパレータ15を、ステンレス製の2032サイズの電池缶16内に、天然黒鉛電極13、セパレーター3、LiCoO2電極14の順序で積層した。その後、セパレータに前記非水電解液0.03mlを注入し、アルミニウム製の板17(厚さ1.2mm、直径16mm)、およびバネ20を収納した。最後に、ポリプロピレン製のガスケット18を介して、電池缶蓋19をかしめることにより、電池内の気密性を保持し、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を作製した。
【0073】
2.電池特性の評価
前述のように作製したコイン電池を使用し、この電池を0.5mA定電流4.2V定電圧の条件で、4.2V定電圧の時の電流値が0.05mAになるまで充電し、その後、1mA定電流3.0V定電圧の条件で、3.0V定電圧の時の電流値が0.05mAになるまで放電した。次に、この電池を1mA定電流3.85V定電圧の条件で、3.85V定電圧の時の電流値が0.05mAになるまで充電した。
【0074】
その後、この電池を、60℃の恒温槽で24時間高温保存を行なった。高温保存後、1mAの定電流・定電圧条件で、終了条件を定電圧時の電流値0.05mAとして、4.2V〜3.0Vの充放電を一回行ない放電容量を測定した。これを「低負荷放電容量」とする。
【0075】
次に、同様の条件で4.2Vに充電した後、10mA定電流、電池電圧が3.0Vになった時点で放電を終了する条件で放電を行い、放電容量を測定した。これを、「高負荷放電容量」する。
【0076】
そして、この時の低負荷放電容量に対する高負荷放電容量の比率をもとめ、「負荷特性指標」とした。
【0077】
また、高温保存試験後、放電開始から2分後の電池電圧の変化から、電池の抵抗を求めた。この電池を再度4.2Vに充電し充電容量を測定した後、60℃で7日間高温保存を行い、保存後に3.0Vまで放電し残存容量を測定した。この時、電池の自己放電性を表わす指標として、充電容量に対する残存容量の割合を求めた。これを「残存率」と名付けた。
本実施例における評価の結果を表1に示した。
【0078】
(比較例1〜5)
実施例1〜5において、イソシアヌル酸トリカルボキシエチルの使用を省略するほかは同様にして実験を行なった。評価の結果を表1に示した。
【0079】
【表1】
【0080】
(実施例6〜13)
実施例1における非水電解液の調製を、下記の条件で行なうほかは同様にして実験を行なった。結果を表2に示した。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)を、EC:MEC=4:6(重量比)の割合で混合した混合物を非水溶媒として用い、次に電解質であるLiPF6を非水溶媒に溶解し、電解質濃度が1.0モル/リットルとなるように調製した。次にこの溶液に、非水溶媒および電解質の合計に対して表2に示す割合(重量%)となるように表2に示すカルボキシル基を有する化合物を添加した。
続いて所定量の水を電解液に添加し、電解液中で非水溶媒および電解質の合計に対して表2に示す割合のフッ化水素を生成させることによってフッ化水素の添加を行なった。フッ化水素の定量は、水を添加して3日後にアルカリによる滴定で行なった。
【0081】
(比較例6)
実施例6において、マレイン酸の使用を省略するほかは同様にして実験を行なった。結果を表2に示した。
【0082】
【表2】
【0083】
(実施例14〜19)
実施例1における非水電解液の調製を、下記の条件で行なうほかは同様にして実験を行なった。結果を表2に示した。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)を、EC:MEC=4:6(重量比)の割合で混合した混合物を非水溶媒として用い、次に電解質であるLiPF6を非水溶媒に溶解し、電解質濃度が1.0モル/リットルとなるように調製した。次にこの溶液に、非水溶媒および電解質の合計に対して表3に示す割合(重量%)となるように表3に示す無水カルボン酸基を有する化合物を添加した。
続いて所定量の水を電解液に添加し、電解液中で非水溶媒および電解質の合計に対して表3に示す割合のフッ化水素を生成させることによってフッ化水素の添加を行なった。フッ化水素の定量は、水を添加して3日後にアルカリによる滴定で行なった。
【0084】
【表3】
【0085】
(実施例20および21)(実施例20は参考例)
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)を、EC:MEC=4:6(重量比)の割合で混合した混合物を非水溶媒として用い、次に電解質であるLiPF6を非水溶媒に溶解し、電解質濃度が1.0モル/リットルとなるように調製した。
続いて所定量の水を電解液に添加し、電解液中で非水溶媒および電解質の合計に対して表4に示す割合のフッ化水素を生成させることによってフッ化水素の添加を行なった。フッ化水素の定量は、水を添加して3日後にアルカリによる滴定で行なった。
<負極の作製>
天然黒鉛(中越黒鉛製LF−18A)86.5重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVDF)12.9重量部とマレイン酸0.6重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリジノンに分散させ、天然黒鉛合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥させた後、圧縮成型し、これを14mmの円盤状に打ち抜いて、コイン状の天然黒鉛電極を得た。この天然黒鉛電極合剤の厚さは110μm、重量は20mg/Φ14mmであった。
【0086】
<電池の作製>
上記の電解液および負極を使用し、実施例1と同じ方法で電池を作製した。この時、注入した電解液に対する負極中に含有させたカルボキシル基を有する化合物の比率は0.2重量%であった。
【0087】
上記で作製された電池について、実施例1と同様に電池特性を評価した。結果を表4に示した。
【0088】
(比較例7および8)
実施例20および21において、負極の作製におけるマレイン酸の使用を省略するほかは同様にして実験を行なった。結果を表4に示した。
【0089】
【表4】
【0090】
【発明の効果】
本発明の非水電解液を使用する事によって、寿命試験(高温保存やサイクル試験など)を行なった後の負荷特性、電池抵抗、残存率を向上した非水電解液二次電池を得る事ができる。この非水電解液は、リチウムイオン二次電池用の電解液として特に好適である。
本発明は、上記非水電解液を使用した優れた性能を有する二次電池を提供する。特には、上記非水電解液を使用した優れた性能を有するリチウムイオン二次電池を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる非水電解液を適用した円筒型二次電池の断面図である。
【図2】 本発明に係わる非水電解液を適用したコイン型二次電池の断面図である。
【符号の説明】
1、13・・・・・負極
2、14・・・・・正極
3、15・・・・・セパレータ
4・・・・・・・・絶縁板
5、16・・・・・電池缶
6、18・・・・・ガスケット
7、19・・・・・電池蓋
8・・・・・・・・電流遮断用薄板
9・・・・・・・・負極集電体
10・・・・・・・正極集電体
11・・・・・・・負極リード
12・・・・・・・正極リード
17・・・・・・・アルミニウム板
20・・・・・・・バネ
Claims (9)
- 非水溶媒と、電解質と、非水溶媒および電解質の合計量に対して0.03〜0.7重量%のフッ化水素と、非水溶媒と電解質に対して、0.01〜4.0重量%のカルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物とを含む非水電解液。
- 前記カルボキシル基または無水カルボン酸基を有する化合物が、炭素数が4〜20で、分子内に2個以上のカルボキシル基または1個以上の無水カルボン酸基を有し、かつ炭素炭素不飽和基を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。
- 前記環状炭酸エステルが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートおよびビニレンカーボネートから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解液。
- 前記鎖状炭酸エステルが、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびメチルエチルカーボネートから選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項3または4に記載の非水電解液。
- 非水溶媒中の前記環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの重量比率が15:85〜55:45であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の非水電解液。
- 請求項1〜6いずれかに記載の非水電解液を含む二次電池。
- 金属リチウム、リチウム含有合金、またはリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化スズ、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化チタン、酸化ニオブ、酸化バナジウム、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属の窒素化物およびリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能なシリコンから選ばれた少なくとも一種の負極活物質を含む負極と、
遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属の複合酸化物、導電性高分子材料および炭素材料から選ばれた少なくとも一種の正極活物質を含む正極と、
請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解液
とを含むことを特徴とする二次電池。 - 負極活物質が、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料であることを特徴とする請求項8記載のリチウムイオン二次電池。
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