(第1実施形態)
以下、図面に基づいて、本発明に係る床暖房装置の実施形態について説明する。図1は、加熱源としてヒートポンプを用いた床暖房装置100の水系統及び冷媒系統を示す回路図である。
この発明の床暖房装置100の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1に示しているシステムは、マルチ型のヒートポンプシステムを利用したもので、一台の室外機17に対して、室内ユニット18と温調水ユニット1とを並列に接続している。これら室外機17と温調水ユニット1により室外ユニット50が構成される。そして室外機17と室内ユニット18とによって空気調和機が構成されており、また室外機17と温調水ユニット1、床暖房パネル2A,2B,2C、リモコン46等によって床暖房装置100が構成されている。この実施形態において、特徴的なのは、床暖房装置100であるが、いま便宜上、両者について説明する。
まず図1における回路図の床暖房装置100の水系統について説明する。
床暖房装置100は、温調水ユニット1と、家屋の床面に配置された3枚の床暖房パネル2A,2B,2Cと、ヒートポンプシステムの室外機17と、を有して構成される。尚、床暖房パネル2A,2B,2Cは、1つの部屋に複数設置することもできるし、複数の部屋にそれぞれ設置することもできる。上記温調水ユニット1と床暖房パネル2A,2B,2Cとは、温調水往き配管3aと温調水戻り配管3bとから成る温調水配管3によって、それぞれ、熱動弁15A,15B,15Cが介設された配管14a,14b,14c、及び、分岐管接続部6cに対して接続されている。そして、この温調水配管3を通して、温調水ユニット1と床暖房パネル2A,2B,2Cとの間において、水循環経路を構成し、温調水8(循環液)の循環供給を行うよう構成されている。
上記温調水ユニット1は、機械室1aとヘッダ室1bとを備えており、上記機械室1aには、水熱交換器16、簡易密閉型の膨張タンク7、循環ポンプ9、電装品等で構成される制御装置33等が設けられている。一方、上記ヘッダ室1bには往きヘッダ4、戻りヘッダ6等が設けられている。詳細に説明すると、上記機械室1aにおける膨張タンク7の底部には往き管10が接続されており、その先端が循環ポンプ9を介してヘッダ室1bの往きヘッダ4に接続されている。上記往きヘッダ4は、略筒状のヘッダ本体4aと、その基端部に形成された主管接続部4bと、ヘッダ本体4a外周部の長手方向に並設して形成された複数個(本実施形態では、4個)の分岐管接続部4cとから成る。上記主管接続部4bに往き管10が接続される。そして、各分岐管接続部4cには、開閉弁である熱動弁15A,15B,15C,15Dが介設された配管14a,14b,14c,14dが接続されている。当該配管14a,14b,14cに、上記床暖房パネル2A,2B,2Cへと通じる温調水往き配管3aの一端が接続されている。一方、上記温調水往き配管3aの他端は、床暖房パネル2A,2B,2Cに形成された蛇行形状の温調水循環パイプ11の一端の接続部5に接続されている。従って、上記膨張タンク7内の温調水8は循環ポンプ9の作動によって往き管10に供給され、さらに往きヘッダ4で複数本の温調水往き配管3aに分流されて、各床暖房パネル2A,2B,2Cへと供給される。
一方、上記床暖房パネル2A,2B,2Cに形成された温調水循環パイプ11のもう一方の接続部5には、温調水戻り配管3bが接続されており、さらにその先端がヘッダ室1bの戻りヘッダ6に接続されている。上記戻りヘッダ6は、往きヘッダ4と同様に、略筒状のヘッダ本体6aと、その基端部に形成された主管接続部6bと、ヘッダ本体6a外周部の長手方向に並設して形成された複数個(本実施形態では4個)の分岐管接続部6cとから成り、上記分岐管接続部6cに温調水戻り配管3bが接続されると共に、上記主管接続部6bに戻り管12が接続されている。また、上記戻り管12と膨張タンク7とは熱交換路13によって接続されているが、この熱交換路13は、以下に述べる冷媒回路の凝縮器又は蒸発器として機能する水熱交換器16と熱交換可能に設けられており、ここで、上記戻り管12から返流される温調水8を加熱又は冷却するようにしている。そして、この熱交換路13の先端が膨張タンク7の底部に接続されている。複数の床暖房パネル2A,2B,2Cの温調水循環パイプ11を流通した温調水8は、温調水戻り配管3bを通って戻りヘッダ6に流入し、この戻りヘッダ6によって各温調水戻り配管3bを流通する温調水8が合流されて戻り管12に供給され、さらに上記熱交換路13で加熱された後、膨張タンク7に供給される。このとき上記戻り管12には、温度検知手段である戻り温度検知サーミスタ35が、また上記水熱交換器16には、水熱交温度検知サーミスタ36が取付けられている。
次に冷媒系統について説明する。なお以下においては、暖房運転時を例にしてその説明を行っている。本実施の形態では温調水8の加熱に水熱交換器16を使用し、この水熱交換器16と、マルチ型のヒートポンプシステムの室外機17の室外熱交換器19(空気熱交換器)との間で冷媒循環回路を構成して、熱交換路13を流れる温調水8を加熱するようにしている。
また、このヒートポンプシステムの室外機17に接続された1台の室内ユニット18を備えており、室外機17と室内ユニット18によって空気調和機を構成している。この空気調和機では、冷媒が循環可能な順序で、圧縮機21、室内ファン20aを付設した室内熱交換器20、減圧機構22、室外ファン19aを付設した室外熱交換器19を接続して冷媒循環回路を構成している。より詳しく説明すると、圧縮機21の吐出管21aと吸入管21bとが四路切換弁23の1次ポートに接続されている。そして、上記吸入管21bにアキュムレータ31が介設される。一方、上記吐出管21aには、吐出管温度検知サーミスタ38が付設されている。また、上記四路切換弁23の一対の2次ポートの間には第1ガス管24a、室内熱交換器20、第1液管24b、減圧機構22、第2液管24c、室外熱交換器19及び第2ガス管24dが、順番に環状に接続されている。このとき、上記室内熱交換器20と室外熱交換器19には、それぞれ室内熱交温度検知サーミスタ43と室外熱交温度検知サーミスタ41とが付設されており、さらに上記室内ユニット18と室外機17には、室内温度検知サーミスタ44と外気温度検知サーミスタ42とがそれぞれ取付けられている。
また上記第1液管24bには、上記温調水ユニット1内に設けられた各ヘッダ4、6と同様の略筒状のヘッダ26が介設されており、このヘッダ26と室内熱交換器20とを結ぶ間の部分が連絡配管25の液管25aとなる。同様に上記第1ガス管24aにも略筒状のヘッダ27が介設されており、このヘッダ27と室内熱交換器20とを結ぶ間の部分が連絡配管25のガス管25bとなる。そして、上記ヘッダ26に接続されたもう1つの連絡配管28である液管28aが、温調水ユニット1の水熱交換器16の一端に接続され、また上記ヘッダ27に接続されたもう1つの連絡配管28であるガス管28bが、水熱交換器16の他端に接続されている。これによって、四路切換弁23には室外熱交換器19、減圧機構22、温調水ユニット1の水熱交換器16が環状に接続されることになる。また、連絡配管25、28の各液管25a、28aはそれぞれ電動膨張弁29、30を介してヘッダ26に接続されており、この電動膨張弁29、30の開閉を適宜制御することによって、室内ユニット18及び温調水ユニット1の両方に供給する冷媒量を制御できるように成っている。ここで、上記液管25aの室内ユニット18側と、液管28aの温調水ユニット1側には、それぞれ液管温度検知サーミスタ39、37が付設されており、上記ガス管25b、28bの室外機17側には、それぞれガス管温度検知サーミスタ40a、40bが付設されている。
なお、室外機17に設けた電装品等で構成される制御装置32には、電源から例えば200V、20Aの電力が供給され、室外機17内の電気的制御が行われる。また、上記床暖房装置100には、室内の冷暖房運転の開始や停止等の操作を行うためのワイヤレスリモコン45と、床の冷暖房に対して同様の操作を行うためのワイヤードリモコン46とがそれぞれ設けられている。なおこれら各リモコン45、46によって、利用者が希望する室温、床温等の設定も行われる。
さらに、この室外機17の制御装置32と室内ユニット18に設けた制御装置34、及び上記室外機17の制御装置32と温調水ユニット1に設けた制御装置33とは、それぞれ信号・電源線で接続されている。このため、空気調和機と温調水ユニット1とを連動させる設定が利用者によって行われると、例えばワイヤレスリモコン45における運転開始操作で、空気調和機と温調水ユニット1とを併用した運転を開始させることも可能である。
ここで、床暖房装置100の運転を行うためのワイヤードリモコン46は、室内の内壁等に設置され、例えば、液晶画面からなる表示部46Aと、複数のボタンからなる操作部46Bと、リモコン制御部46Cと、を有している。尚、図4に当該ワイヤードリモコン46の外観図を示す。図4に示すように、リモコン本体の前面における上部に表示部46Aが配置され、表示部46Aの下方に操作部46Bが配置されている。また、操作部46Bには、中央に設けられた中央ボタンCの周りを囲むように、上ボタンU、下ボタンD、左ボタンL、右ボタンR等が設けられている。
リモコン制御部46Cは、温調水ユニット1の制御装置33及びこれに接続されている室外ユニット50の制御装置32との間で情報を双方向に伝達可能に接続されている。そして、操作部46Bの手動操作や室外ユニット50からの信号等に基づいて、表示部46Aに所定の画面を表示させるように当該表示部46Aを制御したり、室外ユニット50に対して所定の制御信号を送信したりすることが可能である。尚、室温を検出するための検出装置等をワイヤードリモコン46に搭載することで、当該検出された室温に基づいて室外ユニット50を制御することができる。
尚、本実施形態において室外機17の制御装置32と温調水ユニット1の制御装置33とは、別々に配置されているが、この場合に限らない。例えば、制御装置32の機能と、制御装置33の機能との両方の機能を備える制御装置を室外機17に配置した構成であってもよい。
次に上記床暖房装置100及び空気調和機の各運転動作について説明する。このシステムでは、上記したようにリモコン等からの指示に基づいて、冷房運転又は暖房運転が可能である。そこで、まず室内の冷房運転のみを行う場合には、温調水ユニット1側の電動膨張弁29を閉じた状態において、四路切換弁23を図1に示す実線方向とは逆方向に切り換え、圧縮機21を駆動する。すると冷媒が圧縮機21から順に室外熱交換器19、減圧機構22、室内熱交換器20と流通し、室外熱交換器19が凝縮器として機能すると共に、室内熱交換器20が蒸発器として機能し、これによって、冷房運転を行うことができる。
一方、室内の暖房運転のみを行う場合には、温調水ユニット1側の電動膨張弁29を小開度に維持した状態において、四路切換弁23を図1に示す実線方向に切り換え、圧縮機21を駆動する。すると冷媒が圧縮機21から順に室内熱交換器20、減圧機構22、室外熱交換器19と流通し、室外熱交換器19が蒸発器として機能すると共に、室内熱交換器20が凝縮器として機能し、これによって、暖房運転を行うことができる。
また、床暖房運転のみを行う場合には、上記室内ユニット18側の電動膨張弁30を小開度に維持し、温調水ユニット1側の電動膨張弁29を開いた状態において、圧縮機21を駆動し、水熱交換器16を凝縮器として機能させると共に、室外熱交換器19を蒸発器として機能させる。そして、この状態で上記温調水ユニット1内の循環ポンプを駆動する。すると、膨張タンク7内の温調水8が往き管10内に流出し、温調水配管3及び温調水循環パイプ11を介して戻り管12に返流され、次いで熱交換路13を流通する。このとき凝縮器として機能している水熱交換器16によって、上記熱交換路13を流れる温調水8が加熱され、その後、膨張タンク7内へと供給される。そしてこのような運転を継続して行うことによって、床暖房運転を行うことができる。また本実施の形態においては、主に床暖房について述べているが、上記室外熱交換器19を凝縮器として機能させると共に、水熱交換器16を蒸発器として機能させれば、温調水8が冷却されるため、これによって床冷房運転を行うこともできる。さらに上記室内ユニット18と温調水ユニット1との両側の電動膨張弁29、30を両方とも開とすることにより、室内と床との冷暖房を同時に行うことも可能である。
尚、本実施形態に係る床暖房装置100は、循環液として、水だけでなく、当該水よりも凝固点が低く凍りにくい不凍液を用いることができる。不凍液としては、例えば、主成分がプロピレングリコールやエチレングリコール等からなる液体が用いられる。そして、使用する循環液の種類に合わせて所定の設定をすることにより、室外ユニット50の制御装置32及び制御装置33は、より運転効率がよくなるように、室外ユニット50を構成する機構を制御することができる。
また、床暖房パネル2A,2B,2Cとしては、様々な種類のパネルを用いることができる。例えば、床材と分離した床暖房パネルや、床材と一体に形成された床暖房パネル等を選択して用いることができる。そして、床暖房パネルや床材の種類に合わせて所定の設定をすることにより、室外ユニット50の制御装置32,33は、よりユーザーが快適になるように、室外ユニット50を構成する機構を制御することができる。具体的には、例えば、実際に使用する床暖房パネルの種類、大きさ、床材の材質、厚さ等により、床暖房パネル内を通過する配管から床表面までの熱の伝わり方が異なるため、制御装置32,33は、設定された床暖房パネルの種類等に基づいて適切に温調水の温度制御を行うことができる。
床暖房パネル2A,2B,2Cは、それぞれ、熱動弁15A,15B,15Cが介設された配管に対して接続されており、当該床暖房パネル2A,2B,2Cに対して、それぞれ、熱動弁15A,15B,15Cを介して、水熱交換器16における冷媒との熱交換により温調された温調水を循環供給することができる。具体的には、制御装置32,33により、ユーザーによるワイヤードリモコン46の操作、室内の温度、温調水の温度、外気の温度等に基づいて、圧縮機21や減圧機構22等の冷媒循環回路が制御され、水熱交換器16を介して温調水が温調されるとともに、循環ポンプ9、熱動弁15A,15B,15C等が制御され、床暖房パネル2A,2B,2Cへの当該温調水の供給流量の制御が行われる。
尚、本実施形態においては、床暖房パネル2A,2B,2Cへの温調水の供給を制御する開閉弁として熱動弁15A,15B,15C,15Dを用いる場合について説明しているが、この場合に限らず、電磁弁などの開閉弁を用いた構成としてもよい。
また、本実施形態においては、3つの床暖房パネル2A,2B,2Cを室外ユニット50に接続した場合について説明しているが、この場合に限らず、熱動弁15Dが介設されている配管14dを利用することで、最大4つの床暖房パネルを接続可能である。
[据付時の初期設定]
次に、床暖房装置100がユーザー宅に据え付けられたときに、例えば据付作業者によりリモコン46を用いて行われる初期設定方法について説明する。図2は、初期設定の流れを示すフローチャートである。
据付完了後に電源を投入すると、まず、表示部46Aに初期設定警告画面が表示される(ステップ201、以下S201と称する。他のステップも同様に称する)。
この初期設定警告画面は、例えば、「初期設定を行います。販売店または専門業者の方が設定してください。お客様は変更しないでください。」等の注意を喚起する警告文章が表示される画面である。
表示部46Aに初期設定警告画面が表示された状態で、操作部46Bにより次に進むための操作(例えば、所定のボタンを押す等)が行われると、表示部46Aに初期設定確認画面が表示される(S202)。
この初期設定確認画面は、例えば、「販売店または専門業者の方ですか?」等の文章が表示されるとともに、リモコン46の操作部46Bの操作により、『はい』又は『いいえ』の選択が可能な画面である。表示部46Aは、操作部46Bが操作されて、『はい』又は『いいえ』が選択されるまで、当該画面を表示して待機状態となる。
リモコン46の操作部46Bの操作(外部入力)がなされた場合は、リモコン制御部46Cにより、以下の判断が行われ、表示部46Aには所定の画面が表示される。
操作部46Bの操作により、『はい』が選択された場合は(S203:YES)、表示部46Aに初期設定画面が表示される(S204)。
一方、操作部46Bの操作により、『いいえ』が選択された場合は(S203:NO)、表示部46Aに、再度、初期設定警告画面が表示される(S201)。
初期設定画面は、(1)『パネル種類設定』、(2)『循環液設定』、(3)『ゾーン設定』、(4)『給水運転』の項目、及び(5)『試運転』の項目が表示された画面である。この初期設定画面が表示部46Aに表示された状態において、操作部46Bの操作により、『パネル種類設定』、『循環液設定』、『ゾーン設定』、『給水運転』のいずれかの項目を選択することで、床暖房装置100の初期設定を行うことができる。尚、初期設定の項目は、上記4つの項目に限らず、他の設定項目が含まれていてもよい。
以下、初期設定画面にて、操作部46Bの操作により、『試運転』以外の所定の項目が選択されたときの各設定内容について説明する(S205:NO→S206)。
(1)パネル種類設定
初期設定画面において、『パネル種類設定』が選択された場合は、表示部46Aにパネル種類設定画面が表示される。
このパネル種類設定画面は、床暖房パネルの種類を示す項目が複数表示された画面であり、操作部46Bの操作により、いずれかの種類を選択することができる。例えば、表示部46Aには、『タイプ1』、『タイプ2』、『タイプ3』、・・・等の項目が表示され、別途、据付説明書等に、それぞれのタイプに対応する床暖房パネルの型番等が記載されている。据付作業者は、室外ユニット50に接続される床暖房パネルのタイプを据付説明書等で確認して、対応するタイプをパネル種類設定画面に表示される項目から選択することになる。
いずれかの種類を選択すると、確定確認画面が表示される。この確定確認画面は、例えば、「設定を確定しますか?」という確認文章が表示されるとともに、操作部46Bの操作により、『はい』又は『いいえ』のいずれかを選択可能な画面である。
操作部46Bの操作により『はい』が選択された場合は、リモコン制御部46Cから室外ユニット50の制御装置32,33へ、選択された床暖房パネルの種類に応じた制御信号が送信され、床暖房パネルの種類の設定が行われたことが制御装置32,33が備える記憶部に記憶される。これにより、制御装置32,33は、選択された床暖房パネルの種類に応じた室外ユニット50の制御を行うことになる。また、表示部46Aに、初期設定画面が再表示される。尚、再表示された初期設定画面において、『パネル種類設定』の表示の先頭に、既に設定がなされたことを示すチェックが併せて表示される。これにより、据付作業者等は、初期設定画面において、既に設定が完了しているか否かを一目で確認できる。
一方、『いいえ』が選択された場合は、パネル種類設定画面が再表示され、再度、床暖房パネルの種類の選択が可能になる。
(2)循環液設定
初期設定画面において、『循環液設定』が選択された場合は、表示部46Aに循環液設定画面が表示される。
この循環液設定画面は、設定できる循環液の種類を示す項目が表示された画面である。例えば、『水道水』及び『不凍液』の項目が表示される。そして、操作部46Bの操作により、いずれかの項目を選択することができる。いずれかの項目を選択すると、確定確認画面が表示される。この確定確認画面は、例えば、「設定を確定しますか?」という確認文章が表示されるとともに、操作部46Bの操作により、『はい』又は『いいえ』のいずれかを選択可能な画面である。
操作部46Bの操作により『はい』が選択された場合は、リモコン制御部46Cから室外ユニット50の制御装置32,33へ、選択された循環液の種類に応じた制御信号が送信され、循環液の種類の設定が行われたことが、制御装置32,33が備える記憶部に記憶される。これにより、制御装置32,33は、選択された循環液の種類に応じた室外ユニット50の制御を行うことになる。また、表示部46Aに、初期設定画面が再表示される。尚、再表示された初期設定画面において、『循環液設定』の表示の先頭に、既に設定がなされたことを示すチェックが併せて表示される。これにより、据付作業者等は、初期設定画面において、既に設定が完了しているか否かを一目で確認できる。
一方、『いいえ』が選択された場合は、循環液設定画面が再表示され、再度、循環液の種類の選択が可能になる。
(3)ゾーン設定
初期設定画面において、『ゾーン設定』が選択された場合は、表示部46Aにゾーン設定画面が表示される。
このゾーン設定画面は、床暖房パネル2A,2B,2Cと、熱動弁15A,15B,15C,15Dとの対応関係を設定するための画面である。本実施形態における当該対応関係とは、具体的には、床暖房パネル2A,2B,2Cが設置される場所(ゾーン)と熱動弁15A,15B,15C,15Dとの対応を示す関係をいう。
このゾーン設定においては、各熱動弁15A,15B,15C,15Dに対して設定できるゾーンの単位は、ユーザーの使用態様等に合わせて適宜決定される。
例えば、3つの床暖房パネル2A,2B,2Cでカバーされる所定のフロア範囲をそれぞれゾーンA,ゾーンB,ゾーンCとして、ゾーン設定を行うことができる。この場合は、熱動弁15AとゾーンAとが対応付けられ、熱動弁15BとゾーンBとが対応付けられ、熱動弁15CとゾーンCとが対応付けられるように、リモコン46の操作部46Bの操作により設定されることになる。尚、熱動弁15Dには、床暖房パネルが接続されていない旨の設定(以下、ブランク設定と称する)がなされることになる。
また、3つの床暖房パネル2A,2B,2Cでカバーされる部屋をゾーン単位とすることもできる。例えば、リビングに床暖房パネル2A,2Bが設置され、子供部屋に床暖房パネル2Cが設置されている場合に、リビングをゾーンA、子供部屋をゾーンBとして、ゾーン単位を定めてゾーン設定を行うことができる。この場合は、熱動弁15AとゾーンAとが対応付けられ、熱動弁15BとゾーンAとが対応付けられ、熱動弁15CとゾーンBとが対応付けられるように、リモコン46の操作部46Bの操作により設定されることになる。尚、熱動弁15Dには、ブランク設定がなされることになる。
ゾーン設定画面は、全ての熱動弁に対してのゾーンの設定状態が視認できるような表示がなされており、操作部46Bの操作により、当該ゾーンの設定状態を適宜変更することができる。そして、操作部46Bで次の画面に移るための操作(例えば、操作部46Bの決定ボタンを押す等の操作)が行われると、床暖房パネルが接続されていない熱動弁(非接続開閉弁)に対してゾーンの設定がなされていないか否かがリモコン制御部46Cにより判断される。また、床暖房パネルが接続されている熱動弁に対してブランク設定がなされていないか否かも併せてリモコン制御部46Cにより判断される。
本実施形態においては、熱動弁15Dには、床暖房パネルが接続されていないので、当該熱動弁15Dにゾーンが設定されている場合は、表示部46Aに、床暖房パネルが接続されていない熱動弁にゾーンが設定されている旨の対応警告画面が表示される。また、熱動弁15A,15B,15Cには、それぞれ、床暖房パネル2A,2B,2Cが接続されているので、これらの熱動弁15A,15B,15Cにブランク設定がなされいる場合は、床暖房パネルが接続されている熱動弁に対してブランク設定がなされている旨の対応警告画面が表示される。対応警告画面が表示された後、再度、ゾーン設定画面が表示される。
尚、リモコン制御部46Cによる、床暖房パネルが接続されていない熱動弁に対してゾーンの設定がなされていないか否か、又、床暖房パネルが接続されている熱動弁に対してブランク設定がなされていないか否かの判断は、次のようにして行うことが可能である。例えば、配管14a,14b,14c,14dにそれぞれ、床暖房パネルの配管が接続されたことを検知する検知センサを設置する。そして、当該検知センサによる検出結果と、リモコン46により入力されたゾーン設定のデータとを比較して判断することができる。
一方、床暖房パネルが接続されていない熱動弁に対してはブランク設定がなされており、且つ、床暖房パネルが接続している全ての熱動弁に対してゾーンの設定がなされている場合は、表示部46Aに確定確認画面が表示される。この確定確認画面は、例えば、「設定を確定しますか?」という確認文章が表示されるとともに、操作部46Bの操作により、『はい』又は『いいえ』のいずれかを選択可能な画面である。
操作部46Bの操作により『はい』が選択された場合は、リモコン制御部46Cから室外ユニット50の制御装置32,33へ、決定されたゾーン設定に応じた制御信号が送信され、床暖房パネル2A,2B,2Cと熱動弁15A,15B,15C,15Dとの対応関係の設定が行われたことが、制御装置32,33が備える記憶部に記憶される。これにより、制御装置32,33は、決定されたゾーン設定に応じた室外ユニット50の制御を行うことになる。また、表示部46Aに、初期設定画面が再表示される。尚、再表示された初期設定画面において、『ゾーン設定』の表示の先頭に、既に設定がなされたことを示すチェックが併せて表示される。これにより、据付作業者等は、初期設定画面において、既に設定が完了しているか否かを一目で確認できる。
一方、『いいえ』が選択された場合は、ゾーン設定画面が再表示され、再度、ゾーンの設定が可能になる。
(4)給水運転
初期設定画面において、『給水運転』が選択された場合は、表示部46Aに給水運転開始画面が表示される。
この給水運転開始画面は、給水運転を開始する旨を示す画面である。操作部46Bで次の画面に移るための操作が行われると水入れ画面が表示される。
この水入れ画面は、当該画面を見た人に、室外ユニット50が備える循環液用の膨張タンク7に水を入れるように指示する画面である。そして、操作部46Bで次の画面に移るための操作が行われると、給水ポンプ運転画面が表示される。
この給水ポンプ運転画面は、循環ポンプ9の運転を開始する旨や、給水運転に要する時間等が表示される。そして、操作部46Bで次の画面に移るための操作が行われると、循環ポンプ9が駆動され、給水運転中タイマー表示画面が表示される。これにより、室外ユニット50から床暖房装置100の運転に必要な循環液が床暖房パネル2A,2B,2Cの温調水循環パイプ11に循環液が供給され、当該温調水循環パイプ11に循環液が満たされる。
この給水運転中タイマー表示画面は、給水運転中の表示、給水運転の残り時間の表示、及び、循環液用の膨張タンク7内の水位が下がるため循環液を追加すべき旨の表示等がなされる画面である。所定の給水運転が終了し、循環ポンプ9が駆動が停止すると、給水運転完了確認画面が表示される。
この給水運転完了確認画面は、給水運転が終了した旨の表示がなされるとともに、循環液用の膨張タンク7内の水位が十分かどうかを確認する表示がなされ、操作部46Bの操作により、『はい』、『いいえ』を選択可能な画面である。この画面において、『はい』が選択された場合は、給水運転完了画面が表示される。『いいえ』が選択された場合は、循環液を追加すべき旨の表示がなされ、再度給水運転完了確認画面が表示される。
給水運転完了画面は、循環液用の膨張タンク7の蓋が適切に閉められているか等を確認する表示がなされる画面である。操作部46Bで次の画面に移るための操作が行われると、リモコン46のリモコン制御部46Cから室外ユニット50の制御装置32,33へ、給水運転を行った旨の制御信号が送信され、給水運転を行ったことが、制御装置32,33が備える記憶部に記憶される。そして、表示部46Aに、初期設定画面が再表示される。尚、再表示された初期設定画面において、『給水運転』の表示の先頭に、既に給水運転がなされたことを示すチェックが併せて表示される。これにより、据付作業者等は、初期設定画面において、既に給水運転が完了しているか否かを一目で確認できる。
初期設定画面にて、操作部46Bの操作により、『試運転』の項目が選択された場合は、(S205:YES)、『パネル種類設定』、『循環液設定』、『ゾーン設定』、『給水運転』の項目を選択して行う初期設定が全て完了しているか否かが判断される(S207)。
少なくともいずれか一つの設定がなされていない場合は(S207:NO)、「試運転できません.初期設定を完了してください」という画面(初期設定不可画面)が表示され、その後、初期設定画面を表示した状態に移行される(S204)。即ち、この場合は、試運転に進むことはできない。尚、試運転を行わなければ、後述するユーザー操作画面が表示されず、リモコン操作による床暖房装置100の運転を行うことはできない。
一方、全ての設定がなされている場合は(S207:YES)、試運転が開始されるとともに、試運転中であること示す試運転中画面が表示される。そして、所定時間の試運転が終了するとユーザー操作画面が表示される(S208)。
このユーザー操作画面が表示された状態においては、ユーザーがリモコン46を操作して、床暖房装置100を自由に運転することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る床暖房装置100は、循環液が供給されて温調される床暖房パネル2A,2B,2Cと、床暖房パネル2A,2B,2Cに対して熱動弁15A,15B,15Cを介して、温調された循環液を循環供給する室外ユニット50と、室外ユニット50に対して所定の制御信号を送信可能なリモコン46と、を備える。そして、室外ユニット50の運転は、リモコン46の操作により行われる床暖房パネル2A,2B,2Cの種類の初期設定に基づいて制御される。そして、床暖房装置100の据付後に、床暖房パネル2A,2B,2Cの種類の初期設定がなされていない場合は、室外ユニット50の試運転ができなくなるように制御されている。
この構成によると、リモコン46の操作部46Bの操作により床暖房パネル2A,2B,2Cの種類について初期設定を行うことができる。そして、設定された床暖房パネル2A,2B,2Cの種類に応じて室外ユニット50の作動を制御することができる。これにより、使用する床暖房パネル2A,2B,2Cの種類に合わせて、効率が良くなるような運転や、ユーザーの快適性が向上するような運転を行うことが可能になる。
更に、床暖房装置100の据付後に、床暖房パネル2A,2B,2Cの種類の初期設定がなされていない場合は、室外ユニット50の試運転ができなくなるように制御されているので、ユーザーによる運転前に、確実に、床暖房パネル2A,2B,2Cの種類の初期設定を行うことが可能になる。その結果、効率の良い運転や、快適性の高い運転が確実に行われるようになる。
また、室外ユニット50の運転は、リモコン46の操作により行われる循環液の種類の初期設定に基づいて制御されるとともに、床暖房装置100の据付後に、循環液の種類の初期設定がなされていない場合は、室外ユニット50の試運転ができなくなるように制御されている。
この構成によると、リモコン46の操作部46Bの操作により循環液の種類について初期設定を行うことができる。そして、設定された循環液の種類に応じて室外ユニット50の作動を制御することができる。これにより、使用する循環液の種類に合わせて、効率が良くなるような運転や、ユーザーの快適性が向上するような運転を行うことが可能になる。
更に、床暖房装置100の据付後に、循環液の種類の初期設定がなされていない場合は、室外ユニット50の試運転ができなくなるように制御されるので、ユーザーによる運転前に、確実に、循環液の種類の初期設定を行うことが可能になる。その結果、効率の良い運転や、快適性の高い運転が確実に行われるようになる。
また、室外ユニット50の運転は、リモコン46の操作により行われる床暖房パネル2A,2B,2Cと熱動弁15A,15B,15C,15Dとの対応関係の初期設定に基づいて制御されるとともに、床暖房装置100の据付後に、前記対応関係の初期設定がなされていない場合は、室外ユニット50の試運転ができなくなるように制御されている。
この構成によると、リモコン46の操作部46Bの操作により床暖房パネル2A,2B,2Cと熱動弁15A,15B,15C,15Dとの対応関係について初期設定を行うことができる。そして、設定された前記対応関係に基づいて室外ユニット50の作動を制御することができる。
更に、床暖房装置100の据付後に、前記対応関係の初期設定がなされていない場合は、室外ユニット50の試運転ができなくなるように制御されているので、ユーザーによる運転前に、確実に初期設定を行うことが可能になる。その結果、ユーザーの意図に反して床暖房装置100が作動することを防ぐことができる。
また、床暖房パネル2A,2B,2Cと熱動弁15A,15B,15C,15Dとの対応関係の初期設定の際に、床暖房パネルに接続されていない熱動弁15Dに対して床暖房パネルが接続されていることを示す対応関係が設定された場合は、リモコン46の表示部46Aに警告画面が表示される。
この構成によると、据付作業者が誤って熱動弁15Dに対して床暖房パネルが接続されていることを示す対応関係の設定をした場合には、警告画面が表示されるので、据付作業者は、当該誤りに容易に気づくことができる。これにより、熱動弁15A,15B,15C,15Dと床暖房パネル2A,2B,2Cとのより正確な対応関係が設定されるため、ユーザーの意図に反して床暖房装置100が作動することをより確実に防ぐことができる。
また、室外ユニット50は、当該室外ユニット50から床暖房装置100の運転に必要な循環液を床暖房パネル2A,2B,2Cに供給するための給水運転をリモコン46を操作しながら行うものであって、床暖房装置100の据付後に、給水運転がなされていない場合は、室外ユニット50の試運転ができなくなるように制御されている。
この構成によると、ユーザーによる運転前に、確実に給水運転を行うことが可能になる。その結果、ユーザーによる運転前に、確実に床暖房パネルに循環液を供給しておくことが可能になる。これにより、適切な運転ができずにユーザーの快適性が損なわれることを防止することができる。
[初期設定の変更]
次に、所定の初期設定が行われ、ユーザーが床暖房装置100を自由に運転することができるようになった後に、初期設定を変更する場合について説明する。尚、本実施形態に係る床暖房装置100においては、リモコン46の操作により、付加機能の設定やメンテナンス情報を表示部46Aに表示させることが可能である。これらの設定、表示方法についても併せて説明する。図3は、初期設定を変更するための流れを示すフローチャートである。
初期設定の変更や付加機能の設定は、ユーザーにより誤って行われると、床暖房装置100の運転に支障をきたす虞がある。また、メンテナンス情報の表示などは通常であれば、ユーザーが必要とする情報ではない。そのため、予め定められた設定画面表示操作をリモコン46に対して行った場合のみ、初期設定の変更等が可能なモードに移行可能になっている。設定画面表示操作は、通常であれば、ユーザーが行わないような操作であり、例えば、所定のボタンを2秒間長押しする等の操作である。
ユーザー操作画面にて、設定画面表示操作が行われると、図3に示すフローチャートに従った制御が開始される。以下、図3に示すフローチャートに従って説明する。
設定画面表示操作が行われると、まず、リモコン46の表示部46Aに警告画面(設定警告画面)が表示される(S301)。この警告画面は、リモコン46を操作する人が、ユーザーではなく、専門業者又はサービスマンであるかどうかを確認する旨が表示される画面である。
表示部46Aに警告画面が表示された状態で、操作部46Bにより次に進むための操作(例えば、所定のボタンを押す等)が行われると、表示部46Aに第1確認画面(設定警告画面)が表示される(S302)。
この第1確認画面は、初期設定の変更を行うことを意図しているのかどうかを確認する表示、例えば、「専門業者による初期設定の変更ですか?」等の表示がなされるとともに、リモコン46の操作部46Bの操作により、『はい』又は『いいえ』の選択が可能な画面である。
第1確認画面において、操作部46Bの操作により、『はい』が選択された場合は(S303:YES)、表示部46Aに第2確認画面(設定警告画面)が表示される(S304)。
この第2確認画面は、例えば、「専門業者ですか?」等の文章が表示されるとともに、リモコン46の操作部46Bの操作により、『はい』又は『いいえ』の選択が可能な画面である。
第2確認画面において、操作部46Bの操作により、『はい』が選択された場合は(S305:YES)、表示部46Aに初期設定画面が表示され(S306)、リモコン46の操作により初期設定の変更が可能になる。尚、S306〜S310の内容は、S204〜S208と同様であるため、説明は省略する。
一方、第2確認画面において、操作部46Bの操作により、『いいえ』が選択された場合は(S305:NO)、ユーザーによる誤操作と判断して、初期設定の変更がなされることなく、表示部46Aにユーザー操作画面が表示される(S310)。これにより、床暖房装置100は、ユーザーがリモコン46を操作して運転できる状態になる。
次に、第1確認画面において、操作部46Bの操作により、『いいえ』が選択された場合(S303:NO)について説明する。
この場合は、表示部46Aに第3確認画面が表示される(S311)。
この第3確認画面は、付加機能の設定やメンテナンス情報の表示を行うことを意図しているのかどうかを確認する表示、例えば、「サービスマンによるサービスマンモードですか?」等の表示がなされるとともに、リモコン46の操作部46Bの操作により、『はい』又は『いいえ』の選択が可能な画面である。
第3確認画面において、操作部46Bの操作により、『はい』が選択された場合は(S312:YES)、表示部46Aに第4確認画面が表示される(S313)。
この第4確認画面は、例えば、「サービスマンですか?」等の文章が表示されるとともに、リモコン46の操作部46Bの操作により、『はい』又は『いいえ』の選択が可能な画面である。
第4確認画面において、操作部46Bの操作により、『はい』が選択された場合は(S314:YES)、表示部46Aに付加機能の設定やメンテナンス情報の表示を行うためのサービスマンモード画面が表示される(S315)。このサービスマンモード画面には、選択することで付加機能の設定やメンテナンス情報の表示等を行うことができる複数の項目や、サービスを完了して通常の床暖房装置100の運転に移行させるためのサービス完了の項目等が表示される。このサービスマンモード画面にて、サービス完了の項目が選択されると(S316:YES)、ユーザー操作画面が表示され(S310)、床暖房装置100は、ユーザーがリモコン46を操作して運転できる状態になる。その他の項目が選択された場合は(S316:NO)、付加機能の設定が可能となり、また、メンテナンス情報の表示等がなされ(S317)、その後、再度サービスマンモード画面に戻る(S315)。
一方、第3確認画面、又は、第4確認画面において、操作部46Bの操作により、『いいえ』が選択された場合は(S312又はS314:NO)、ユーザーによる誤操作と判断して、付加機能の設定やメンテナンス情報の表示等がなされることなく、表示部46Aにユーザー操作画面が表示される(S310)。これにより、床暖房装置100は、ユーザーがリモコン46を操作して運転できる状態になる。
以上説明したように、本実施形態に係る床暖房装置100は、例えば、所定のボタンを2秒間長押しする等の設定画面表示操作をリモコン46に対して行うことにより、床暖房装置100の据付後に行った初期設定の変更が可能である。また、前記設定画面表示操作を行うと、リモコン46の表示部46Aに警告画面が表示され、その後、リモコン46の操作により初期設定の変更が可能になる。
この構成によると、設定画面表示操作を行うことで、リモコン46で初期設定を変更できる。尚、設定画面表示操作は、所定のボタンを2秒間長押しする等のユーザーが通常行わないようなリモコン46の操作であるため、ユーザーにより誤って初期設定が変更されることを防止できる。更に、万が一、ユーザーが設定画面表示操作をしてしまった場合においても、警告表示がなされるため、ユーザーに初期設定を変更させるモードであることを気づかせることができ、初期設定を誤って変更してしまうことを防止できる。これにより、床暖房装置100の運転に支障をきたすことを防止できる。
また、本実施形態においては、ユーザー操作画面において、リモコンに対して、設定画面表示操作以外の所定の操作を行うことによって、給水運転を行うことができるように構成されている。
尚、本実施形態においては、設定画面表示操作をリモコン46に対して行うことにより、初期設定画面が表示され、当該初期設定画面にて、『給水運転』の項目を選択しても、給水運転を行うことが可能になっている。しかしながら、設定画面表示操作をすると、警告画面の表示がなされるとともに、初期設定の変更が可能な状態となるので、当該設定画面表示操作によってのみ給水運転が可能になるようにした場合、給水運転を行うためのリモコン操作が煩雑になりやすい。この点、本実施形態においては、ユーザー操作画面においても、所定のリモコン操作により給水運転が可能になるので、給水運転が必要な場合に、簡単なリモコン操作により給水運転が可能になる。
[タイマー時刻設定]
次に、タイマー時刻の設定方法について説明する。
本実施形態に係る床暖房装置100は、リモコン46で所定の設定を行うことにより、リモコン46で設定した所定の時刻に自動的に運転を開始させ、リモコン46で設定した所定の時刻に自動的に運転を停止させることができるように構成されている。
運転を開始させる時刻(以下、入時刻と称する)、及び、運転を停止させる時刻(以下、切時刻と称する)の設定は、以下のようにして行う。尚、タイマー時刻(入時刻と切時刻)が既に設定されている場合において再設定する場合を例に挙げて説明する。
まず、予め定められたメニュー画面の表示操作を行い、当該メニュー画面に表示される複数のメニューの中から、タイマー時刻設定を選択する。これにより、タイマー時刻設定モードとなる。このモードにおいて、以下に示すように、タイマー時刻を所望の時刻に変更した後、例えば、中央ボタンCを押すことにより、タイマー時刻の設定を確定させ、設定されたタイマー時刻に基づいて床暖房装置100を運転させることができる。
図5は、タイマー時刻設定モードにおける表示部46Aの表示を示す図である。
タイマー時刻設定モードにおいては、表示部46Aには図5(a)に示すような表示がなされる。図5(a)には、既に、2つのタイマー時刻設定がなされている状態を示している。タイマー時刻設定の一つは、入時刻が10:30で、切時刻が12:00で設定され、もう一つは、入時刻が15:00で、切時刻が20:00で設定されている。また、図5(a)における入時刻の左側に表示されている「A」は、当該タイマー時刻設定に基づいて運転されるゾーン(ゾーン設定において設定したゾーン)を示しており、ゾーン毎にタイマー時刻の設定が可能である。
図5(a)に示す設定によれば、床暖房装置100は、ゾーンAにて、10:30から12:00まで運転し、15:00まで停止したのち、再度、20:00まで運転することになる。
図5(a)に示すように、「15:00」の表示における「15」の数字が反転表示されている。このとき、リモコン46の左ボタンL又は右ボタンR(図4参照)を押すことで、反転表示を左または右に移動させることができる。尚、反転表示は、”時”の表示、又は、”分”の表示を移動単位として移動する。例えば、「15:00」の表示における「15」の数字が反転表示されているときに右ボタンRを1回押すことで、「15:00」の「00」の数字が反転表示されることになる。
本実施形態におけるタイマー時刻の表示は、「10:30―12:00」と「15:00−20:00」の上下二段で表示されている。
このとき、下段の表示である「15:00−20:00」における最も左側に位置する”時”の表示(「15」)が反転表示されているときに、左ボタンLを1回押すと、上段の表示である「10:30―12:00」の最も右側に位置する”分”の表示(「00」)が反転表示されることになる。また、上段の表示である「10:30―12:00」における最も右側に位置する”分”の表示(「00」)が反転表示されているときに、右ボタンRを1回押すと、下段の表示である「15:00−20:00」の最も左側に位置する”時”の表示(「15」)が反転表示されることになる。
また、下段の表示である「15:00−20:00」における最も右側に位置する”分”の表示(「00」)が反転表示されているときに、右ボタンRを1回押した場合、または、上段の表示である「10:30―12:00」における最も左側に位置する”時”の表示(「10」)が反転表示されているときに、左ボタンLを1回押した場合は、ゾーンの表示である「A」が反転表示されることになる。当該ゾーンの表示が反転表示されているときに、左ボタンLを1回押せば、下段の表示である「15:00−20:00」における最も右側に位置する”分”の表示(「00」)が反転表示される。また、当該ゾーンの表示が反転表示されているときに、右ボタンRを1回押せば、上段の表示である「10:30―12:00」における最も左側に位置する”時”の表示(「10」)が反転表示される。
ここで、ゾーンが反転表示されている状態で、上ボタンU又は下ボタンDを押すことで、ゾーンの表示が変更され、タイマー時刻設定を行うゾーンを選択することができる。
また、上段の表示(「10:30―12:00」)における入時刻の”時”(「10」)を、「12」に変更する場合は、以下のように操作する。
まず、左ボタンL、又は、右ボタンRを操作して反転表示を移動させ、上段の表示である「10:30―12:00」の「10」を反転表示とする(図5(b−1)参照)。
この状態で、上ボタンUを1回押すと、反転表示を含む入時刻(「10:30」)の”時”及び”分”の両方が、「--」の表示になる(図5(b−2)参照)。
更に、上ボタンUを1回押すと、反転表示されている”時”の表示(「--」)が、当該表示(「--」)に変更される直前の表示(「10」)に1時間加算した表示(「11」)になるとともに、”分”の表示(「--」)が、当該表示(「--」)に変更される直前の表示(「30」)に戻る(図5(b−3)参照)。
更に、上ボタンUを1回押すと、反転表示されている”時”の表示(「11」)が、1時間加算された表示(「12」)になる。このとき、”分”の表示(「30」)は変更されない(図5(b−4)参照)。
また、上段の表示(「10:30―12:00」)における入時刻の”分”(「30」)を、「50」に変更する場合は、以下のように操作する。
まず、左ボタンL、又は、右ボタンRを操作して反転表示を移動させ、上段の表示である「10:30―12:00」の「30」を反転表示とする(図5(c−1)参照)。
この状態で、上ボタンUを1回押すと、反転表示を含む入時刻(「10:30」)の”時”及び”分”の両方が、「--」の表示になる(図5(c−2)参照)。
更に、上ボタンUを1回押すと、反転表示されている”分”の表示(「--」)が、当該表示(「--」)に変更される直前の表示(「30」)に10分加算した表示(「40」)になるとともに、”時”の表示(「--」)が、当該表示(「--」)に変更される直前の表示(「10」)に戻る(図5(c−3)参照)。
更に、上ボタンUを1回押すと、反転表示されている”分”の表示(「40」)が、10分加算された表示(「50」)になる。このとき、”時”の表示(「10」)は変更されない(図5(C−4)参照)。
図6は、入時刻及び切時刻の”時”の設定における上ボタンU又は下ボタンDの操作と、表示時刻との関係を示す図である。また、図7は、入時刻及び切時刻の”分”の設定における上ボタンU又は下ボタンDの操作と、表示時刻との関係を示す図である。
図6において、タイマー時刻設定モードに入ったときに既に設定されている設定時刻(以下、前回設定時刻Xと称する)を矢印Xで示している。尚、図6は、”時”の表示が、反転表示になっている場合を示している。そして、上ボタンUを1回押す毎に、図6における前回設定時刻Xの表示から上に1段ずつ移行するように表示時刻が変更される。また、下ボタンDを1回押す毎に、図6における前回設定時刻Xの表示から下に1段ずつ移行するように表示時刻が変更される。
例えば、表示部46Aに前回設定時刻Xが表示されているときに、上ボタンUを1回押すことにより、表示時刻は、「--:--」に変更される(図6において矢印Y1で示す)。そして、もう一度上ボタンUを押すことにより、前回設定時刻Xの1時間後の時刻(前回設定時刻Xの”時”の値に1時間加算した値)に変更される。その後、上ボタンUを押す毎に、1時間ずつ追加されるように表示時刻が変更される。
尚、”時”の表示が「23」の時に上ボタンUを押した場合は、表示時刻は、「--:--」に変更される(図6において矢印Z1で示す)。そして、更に、上ボタンUを押すと、表示時刻は、「0:30」に変更され、その後は、上ボタンUを押す毎に、1時間ずつ追加されるように表示時刻が変更される。
また、上ボタンUを繰り返し押していき、「--:--」の表示(Y1およびZ1)がなされた後、2回目以降の「10」の表示(前回設定時刻Xに相当する”時”の表示)を通過するとき(当該「10」の表示から「11」の表示への変更時)は、「--:--」は表示されない(図6におけるα1部分参照)。尚、当該2回目以降の「10」の表示にて下ボタンDを押して「9」の表示に戻る場合も、「--:--」の表示はなされない。これにより、再度「10」の表示直後に「--:--」が表示される煩わしさをなくすことができる。
尚、”時”の表示を「0」と「23」との間で変更する際には、必ず「--:--」の表示がなされるように構成されている。例えば、「--:--」の表示(Z1)がなされた後、更に上ボタンUを繰り返し押して、再度「23」の表示を通過する場合には、「--:--」が表示されるように構成される(図6におけるβ1部分参照)。これにより、タイマーの取消を確実に行うことができる。
同じように、前回設定時刻Xの表示のときに、下ボタンDを1回押すことにより、表示時刻は、「--:--」に変更される(図6において矢印Y2で示す)。そして、もう一度下ボタンDを押すことにより、前回設定時刻Xの1時間前の時刻(前回設定時刻Xの”時”の値から1時間減算した値)に変更される。その後、下ボタンDを押す毎に、1時間ずつ減少するように表示時刻が変更される。
尚、”時”の表示が「0」の時に、下ボタンDを押した場合は、表示時刻は、「--:--」に変更される(図6において矢印Z2で示す)。そして、更に、下ボタンDを押すと、表示時刻は、「23:30」に変更され、その後は、下ボタンDを押す毎に、1時間ずつ減少するように表示時刻が変更される。
また、下ボタンDを繰り返し押していき、「--:--」の表示(Y2およびZ2)がなされた後、2回目以降の「10」の表示(前回設定時刻Xに相当する”時”の表示)を通過するとき(当該「10」の表示から「9」の表示への変更時)は、「--:--」は表示されない(図6におけるα2部分参照)。尚、当該2回目以降の「9」の表示にて上ボタンUを押して「10」の表示に戻る場合も、「--:--」の表示はなされない。これにより、再度「10」の表示直後に「--:--」が表示される煩わしさをなくすことができる。
尚、”時”の表示を「0」と「23」との間で変更する際には、必ず「--:--」の表示がなされるように構成されている。例えば、「--:--」の表示(Z2)がなされた後、更に下ボタンDを繰り返し押して、再度「0」の表示を通過する場合には、「--:--」が表示されるように構成される(図6におけるβ2部分参照)。これにより、タイマーの取消を確実に行うことができる。
また、図7においても、タイマー時刻設定モードに入ったときに既に設定されている設定時刻(前回設定時刻X)を矢印Xで示している。尚、”分”の表示が、反転表示になっている場合を示している。そして、上ボタンUを1回押す毎に、図7における前回設定時刻Xの表示から上に1段ずつ移行するように表示時刻が変更される。また、下ボタンDを1回押す毎に、図7における前回設定時刻Xの表示から下に1段ずつ移行するように表示時刻が変更される。
例えば、表示部46Aに前回設定時刻Xが表示されているときに、上ボタンUを1回押すことにより、表示時刻は、「--:--」に変更される(図7において矢印Y3で示す)。そして、もう一度上ボタンUを押すことにより、前回設定時刻Xの10分後の時刻(前回設定時刻Xの”分”の値に10分加算した値)に変更される。その後、上ボタンUを押す毎に、10分ずつ追加されるように表示時刻が変更される。尚、”分”の表示が「50」の時に上ボタンUを押した場合は、”分”の表示は「00」に変更され、その後は、上ボタンUを押す毎に、10分ずつ追加されるように変更される。
また、上ボタンUを繰り返し押していき、「--:--」の表示(Y3)がなされた後、2回目以降の「30」の表示(前回設定時刻Xに相当する”分”の表示)を通過するとき(当該「30」の表示から「40」の表示への変更時)は、「--:--」は表示されない(図7におけるα3部分参照)。尚、当該2回目以降の「30」の表示にて下ボタンDを押して「20」の表示に戻る場合も、「--:--」の表示はなされない。これにより、再度「30」の表示直後に「--:--」が表示される煩わしさをなくすことができる。
同様にして、表示部46Aに前回設定時刻Xが表示されているときに、下ボタンDを1回押すことにより、表示時刻は、「--:--」に変更される(図7において矢印Y4で示す)。そして、もう一度下ボタンDを押すことにより、前回設定時刻Xの10分前の時刻(前回設定時刻Xの”分”の値から10分減算した値)に変更される。その後、下ボタンDを押す毎に、10分ずつ減少するように表示時刻が変更される。尚、”分”の表示が「00」の時に下ボタンDを押した場合は、”分”の表示は「50」に変更され、その後は、下ボタンDを押す毎に、10分ずつ減少するように変更される。
また、上ボタンUを繰り返し押していき、「--:--」の表示(Y4)がなされた後、2回目以降の「30」の表示(前回設定時刻Xに相当する”分”の表示)を通過するとき(当該「30」の表示から「20」の表示への変更時)は、「--:--」は表示されない(図7におけるα4部分参照)。尚、当該2回目以降の「30」の表示にて上ボタンUを押して「40」の表示に戻る場合も、「--:--」の表示はなされない。これにより、再度「30」の表示直後に「--:--」が表示される煩わしさをなくすことができる。
尚、本実施形態においては、”分”の表示が、10分間隔で変更されているが、この場合に限らず、例えば、1分間隔で変更できるように構成してもよい。
次に、前回設定時刻Xを取り消す場合、即ち、タイマー時刻の設定がなされている状態から、タイマー時刻設定がなされていない状態に変更する場合について説明する。
前回設定時刻Xを取り消す場合は、左ボタンL又は右ボタンRを操作して前回設定時刻Xにおける”時”又は”分”の表示を反転表示とした後、上ボタンU又は下ボタンDを操作して、図6又は図7において矢印Y1、Y2、Y3、若しくは、Y4で示す取消表示、又は、図6において”時”の表示の「0」と「23」との間に介在する取消表示(Z1、Z2等)とする。
本実施形態においては、前回設定時刻Xにおける”時”又は”分”の表示を反転表示とした後、上ボタンU又は下ボタンDを1回押すことで、図6又は図7に示す取消表示(Y1、Y2、Y3、Y4のいずれか)とすることができるので、簡単な操作で前回設定時刻Xを取り消すことができる。
次に、前回設定時刻Xを取り消した後、再度、タイマー時刻を設定する場合について説明する。
リモコン46のリモコン制御部46Cが有する記憶部には、前回設定時刻Xが取り消されたときに、図6又は図7における矢印Y1、Y2、Y3、Y4のいずれの取消表示(以下、取消表示Yと称する)に変更されて取り消されたのか、又は、図6において”時”の表示の「0」と「23」との間に介在する取消表示(以下、取消表示Zと称する)に変更されて取り消されたのかが記憶される。
図8は、取消表示Yとする操作により取消しがなされている場合の、上ボタンU又は下ボタンDの操作と、表示時刻との関係を示す図である。また、図9は、取消表示Zとする操作により取消しがなされている場合の、上ボタンU又は下ボタンDの操作と、表示時刻との関係を示す図である。尚、図8及び図9においては、”時”の表示を反転表示としたときの、ボタン操作と表示時刻との関係を示している。また、図8及び図9は、取消表示Y(「--:--」)から、上ボタンUを1回押す毎に、上に1段ずつ移行するように表示時刻が変更され、また、下ボタンDを1回押す毎に、下に1段ずつ移行するように表示時刻が変更されることを示している。
図8に示すように、取消表示Yとする操作により取消しがなされている場合は、上ボタンU又は下ボタンDを1回押すことにより、直前に取り消した前回設定時刻X(「10:30」)が表示される。そして、その後、上ボタンUを押す毎に1時間ずつ追加されるように表示時刻が変更され、また、下ボタンDを押す毎に、1時間ずつ減少するように表示時刻が変更される。
一方、図9に示すように、取消表示Zとする操作により取消しがなされている場合は、上ボタンUを1回押すことにより、「0:00」が表示され、その後、上ボタンUを押す毎に、1時間ずつ追加されるように表示時刻が変更される。一方、下ボタンDを1回押すことにより、「23:00」が表示され、その後、下ボタンDを押す毎に、1時間ずつ減少するように表示時刻が変更される。
図8、図9には“時”の表示を反転表示したときの例を示しているが、“分”の表示を反転表示したときも同様である.すなわち、「--:--」から上ボタンU又は下ボタンDを1回押すだけで,直前に取り消した前回設定時刻Xが表示される。そして、その後、上ボタンUを押す毎に10分ずつ追加されるように表示時刻が変更され、また、下ボタンDを押す毎に、10分ずつ減少するように表示時刻が変更される。
以上、説明したように、タイマー時刻設定を行う場合においては、タイマー時刻設定画面で、前回設定した時刻を選択して、1度のボタン操作(上ボタンU又は下ボタンDを1回押すこと)で、設定を取り消すことができる。即ち、取消表示(「--:--」)とするために、上ボタンUや下ボタンD等の操作ボタンを複数回押す必要がない。これより、簡易な操作でタイマー時刻設定の取消しが可能になる。
また、取消表示とするためのボタンは、タイマー設定時刻の変更を行うための操作ボタンである。本実施形態では、取消表示とするためのボタンは、タイマー設定時刻を前後に変更する(”時”又は”分”の値を加算又は減算する)ための操作ボタン(上ボタンU、下ボタンD)である。したがって、タイマーの取消しを含むタイマー時刻設定を行うために操作するボタンの数を少なくすることができ、当該タイマー時刻設定のための操作をより容易にすることができる。
また、タイマー時刻設定の取消しを上ボタンU又は下ボタンDの1回操作により行っている場合、即ち、Y1〜Y4のいずれかの取消表示に変更することで取り消しを行っている場合においては、タイマー時刻設定を取り消した後に再設定する際に、簡単な操作で前回の設定時刻を表示させることが可能である。これにより、取消し前の設定時刻に近い時刻にタイマー時刻を再設定する場合において、再設定の操作が煩雑になることを防ぐことが可能になる。
尚、設定した時刻を取り消さずにタイマーの予約/解除だけを行うことも可能である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る床暖房装置101について説明する。
上記第1実施形態では、室外機51Bに対して、床暖房装置100を構成する温調水ユニット51Aと、空気調和機を構成する室内ユニット18と、が接続された構成について説明した。第2実施形態においては、室外機51Bに対して温調水ユニット51Aのみが接続された構成について説明する。尚、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
図10は、本発明の第2実施形態に係る床暖房装置101の全体構成を示す水系統及び冷媒系統を示す回路図である。
まず、図10における回路図の床暖房装置101の水系統について説明する。
床暖房装置101は、室外に設置された室外ユニット51と、家屋の床面に配置された4枚の床暖房パネル2と、室内に設置されたリモコン46と、を有して構成される。室外ユニット51は、温調水ユニット51Aと、ヒートポンプシステムの室外機51Bと、を有して構成される。上記温調水ユニット51Aと床暖房パネル2とは、温調水往き配管3aと温調水戻り配管3bとから成る温調水配管3によって接続されている。そして、この温調水配管3を通して、温調水ユニット51Aと床暖房パネル2との間において、水循環経路を構成し、温調水8の循環供給を行うよう構成されている。
上記温調水ユニット51Aは、第1実施形態と同様に、水熱交換器16、簡易密閉型の膨張タンク7、循環ポンプ9、往きヘッダ4、熱動弁15(開閉弁)、戻りヘッダ6、制御装置33等が設けられている。尚、戻りヘッダ6と水熱交換器16との間の管路において、水抜栓111が設けられており、水循環経路を流れる温調水を外部に排出することが可能である。また、戻りヘッダ6と水熱交換器16との間の管路において、温度検知手段である戻り温度検知サーミスタ35が、また上記水熱交換器16には、温度検知手段である水熱交温度検知サーミスタ36が、また水熱交換器16と膨張タンク7の間の管路において温度検知手段である往き温度検知サーミスタ112が、取付けられている。
次に冷媒系統について説明する。この床暖房装置101においては、第1実施形態に係る床暖房装置100と同様に、温調水8の加熱に水熱交換器16を使用している。そして、この水熱交換器16と、ヒートポンプシステムの室外機51Bの室外熱交換器19(空気熱交換器)との間で冷媒循環回路を構成して、熱交換路13を流れる温調水8を加熱するようにしている。
床暖房装置101では、冷媒が循環可能な順序で、圧縮機21、温調水ユニット51Aの水熱交換器16、減圧機構22、室外ファン19aを付設した室外熱交換器19を接続して冷媒循環回路を構成している。より詳しく説明すると、圧縮機21の吐出管21aと吸入管21bとが四路切換弁23の1次ポートに接続されている。そして、上記吸入管21bにアキュムレータ31が介設される。一方、上記吐出管21aには、吐出管温度検知サーミスタ38、マフラ113が付設されている。また、上記四路切換弁23の一対の2次ポートの間には第1ガス管24a、連絡配管としてのガス管28b、水熱交換器16、連絡配管としての液管28a、第1液管24b、減圧機構22、第2液管24c、室外熱交換器19及び第2ガス管24dが、順番に環状に接続されている。第1ガス管24aには、四路切換弁23側から、マフラ114及びガス閉鎖弁115が順に介設されている。また、第1液管24bには、連絡配管としての液管28a側から液閉鎖弁116、フィルター付マフラ117、及びストレーナ118が順に介設されている。また、第2液管24cには、減圧機構22側からストレーナ119及びフィルター付分岐マフラ120が介設されている。尚、第2液管24cは、フィルター付分岐マフラ120にて分岐している。室外熱交換器19は並列する2つの管路を有しており、当該分岐した一対の第2液管24cに接続されている。そして、室外熱交換器19における並列する2つの管路は、第2ガス管24dにて合流するように構成されている。また、室外熱交換器19には、室外熱交温度検知サーミスタ41とが付設されており、さらに室外機51Bには、外気温度検知サーミスタ42が取付けられている。
このように、四路切換弁23には室外熱交換器19、減圧機構22、温調水ユニット51Aの水熱交換器16が環状に接続されている。
なお、上記床暖房装置101には、冷暖房運転の開始や停止等の操作を行うためのワイヤードリモコン46が設けられている。
なお、第1実施形態においては、室外機51Bの制御装置32と温調水ユニット51Aの制御装置33とは、別々に配置されているが、第2実施形態の床暖房装置101においては、制御装置33により、室外機51Bと温調水ユニット51Aとを制御できるように構成されている。なお、制御装置33は室外機51Bに配置した構成であってもよい。
次に上記床暖房装置101の運転動作について説明する。
床暖房装置101は、リモコン46等からの指示に基づいて、冷房運転又は暖房運転が可能である。
床暖房運転を行う場合には、ガス閉鎖弁115及び液閉鎖弁116を開いた状態にして、圧縮機21を駆動し、水熱交換器16を凝縮器として機能させると共に、室外熱交換器19を蒸発器として機能させる。そして、この状態で上記温調水ユニット51A内の循環ポンプ9を駆動する。すると、膨張タンク7内の温調水8が往き管10内に流出し、温調水配管3及び温調水循環パイプ11を介して戻り管12に返流され、次いで熱交換路13を流通する。このとき凝縮器として機能している水熱交換器16によって、上記熱交換路13を流れる温調水8が加熱され、その後、膨張タンク7内へと供給される。そしてこのような運転を継続して行うことによって、床暖房運転を行うことができる。また本実施の形態においては、主に床暖房について述べているが、上記室外熱交換器19を凝縮器として機能させると共に、水熱交換器16を蒸発器として機能させれば、温調水8が冷却されるため、これによって床冷房運転を行うこともできる。
尚、リモコン46は、表示部46Aと、操作部46Bと、リモコン制御部46Cとを備えている。そして、据付時に当該リモコン46を操作して行う初期設定、ユーザーによるリモコン運転が可能になった後に行う初期設定の変更、及び、タイマー設定については、第1実施形態と同様に行われるため説明は省略する。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
(1)本実施形態においては、『パネル種類設定』、『循環液設定』、『ゾーン設定』、『給水運転』の設定ができる床暖房装置について説明したが、この場合に限定されない。例えば、いずれか3つの設定が可能な床暖房装置、いずれか2つの設定が可能な床暖房装置、又は、いずれか1つの設定が可能な床暖房装置において、設定可能な項目のうち一つでも設定がなされていない場合は、試運転及びユーザーによる運転ができないように構成したものであってもよい。
(2)本実施形態においては、床暖房装置の据付後に、所定の初期設定がなされていない場合は、初期設定画面による初期設定モード(S204〜S207)から抜けることができないように構成することで、初期設定前の室外ユニットの運転が規制されているがこの場合に限らない。例えば、初期設定モードを終了させた後に、温調水ユニットの循環ポンプ9が駆動しないように制御したり、また、電動膨張弁29、液閉鎖弁116等を閉じた状態に制御することで室外機から温調水ユニットへの冷媒の供給を制限することにより、室外ユニットの運転を規制することもできる。
(3)本実施形態においては、ユーザー操作画面で、設定画面表示操作以外の所定の操作を行うことにより給水運転を行うことが可能になるように構成されているが、この場合に限定されない。例えば、設定画面表示操作を行わなければ給水運転を行うことができないように構成してもよい。この場合、設定画面表示操作を行うと、上述したように、給水運転が実行される前に、リモコン46の表示部46Aに警告画面が表示されるので、ユーザーが意図しないのに床暖房装置が給水運転のための制御モードに入ってしまうことをより確実に防止できる。