本発明は、冷房運転等を行う空気調和機に関する。
空気調和機は、冷房運転や暖房運転等を行うものが一般的であって、ユーザがコントローラに対して冷房運転等を選択して運転開始操作を行った場合に、冷房運転等の運転が開始される。
したがって、室内温度や室内湿度が高い状態であっても、ユーザがコントローラに対して運転開始操作を行わない場合、空気調和機の運転が開始されない。そのため、ユーザが熱中症等になることがある。
そこで、本発明は、運転停止時において、室内温度及び室内湿度が高い状態であることを示す情報をユーザの端末装置に供給する空気調和機を提供することを目的とする。
第1の発明に係る空気調和機は、室内温度を検出する温度検出手段と、室内湿度を検出する湿度検出手段と、空調空間にいる人を検知する人検知手段とを備え、端末装置から供給される運転変更命令に基づいて運転状態が変更され得るものであって、運転停止時において、前記温度検知手段で検出された室内温度及び/又は前記湿度検知手段で検出された室内湿度が所定範囲内である場合に、室内温度及び室内湿度の少なくとも一方を低下させる強制運転が自動的に開始される強制運転モード、および、運転停止時において、前記温度検知手段で検出された室内温度及び/又は前記湿度検知手段で検出された室内湿度が所定範囲内である場合に、運転開始を促す報知が自動的に行われるお知らせモード、の少なくとも一方の運転モードと、前記人検知手段によって空調空間にいる人が検知されない状態で、かつ、空気調和機の運転が所定時間継続された場合に、空調空間に人がいないことを示す不在情報を端末装置に供給する不在お知らせモードとを有しており、強制運転モードおよびお知らせモードの少なくとも一方のモードでの運転と、不在お知らせモードでの運転とは同時に行われないことを特徴とする。
この空気調和機では、室内が室内温度及び/又は室内湿度を低下させる必要のある状態になって、強制運転モードにおいて強制運転が自動的に開始された場合や、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に開始された場合に、空調空間情報(室内が室内温度及び/又は室内湿度を低下させる必要のある状態であること)が端末装置に供給されるので、ユーザは、強制運転が自動的に開始されたことを知ることができるとともに、端末装置から空気調和機に運転変更命令を供給して空気調和機の運転を開始できる。
したがって、室内温度及び/又は室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、この空気調和機では、強制運転モードやお知らせモードでの運転と不在お知らせモードでの運転とは同時に行われないので、強制運転モードやお知らせモードでの運転が行われているときに、不在情報が端末装置に供給されて、端末装置の操作によって空気調和機の運転が停止されるのを防止できる。
また、人検知手段が空調空間にいる人の動作に基づいて検知する人を検知するものである場合に、人が空調空間にいるにもかかわらず、人の動作がないことによって不在検知された場合に、端末装置の操作によって空気調和機の運転が停止されるのを防止できる。
ここで、本発明には、室内温度及び室内湿度に基づいて強制運転が開始される場合と、室内温度に基づいて強制運転が開始される場合と、室内湿度に基づいて強制運転が開始される場合を含む。また、本発明の強制運転には、室内温度及び室内湿度を低下させる運転と、室内湿度を低下させる運転と、室内温度を低下させる運転とを含む。
また、本発明には、室内温度及び室内湿度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合と、室内温度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合と、室内湿度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合を含む。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、室内が室内温度及び/又は室内湿度を低下させる必要のある状態になって、強制運転モードにおいて強制運転が自動的に開始された場合や、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に開始された場合に、空調空間情報(室内が室内温度及び/又は室内湿度を低下させる必要のある状態であること)が端末装置に供給されるので、ユーザは、強制運転が自動的に開始されたことを知ることができるとともに、端末装置から空気調和機に運転変更命令を供給して空気調和機の運転を開始できる。
したがって、室内温度及び/又は室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、第1の発明では、強制運転モードやお知らせモードでの運転と不在お知らせモードでの運転とは同時に行われないので、強制運転モードやお知らせモードでの運転が行われているときに、不在情報が端末装置に供給されて、端末装置の操作によって空気調和機の運転が停止されるのを防止できる。
本発明の実施形態に係る空気調和機の冷媒回路を示す回路図である。
本発明の実施形態に係る空気調和機の制御部を説明する図である。
本発明の実施形態の強制運転モードにおける判定図(室内湿度と室内温度との関係を示す図)である。
強制運転モードで運転される場合の制御を説明する図である。
お知らせモードで運転される場合の制御を説明する図である。
不在お知らせモードで運転される場合の制御を説明する図である。
変形例の強制運転モードにおける判定図(室内湿度と室内温度との関係を示す図)である。
以下、本発明の実施形態に係る空気調和機1について説明する。
<空気調和機1の全体構成>
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、室内に設置される室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。そして、空気調和機1は、圧縮機10と、四方弁11、室外熱交換器12と、膨張弁(減圧機構)13と、室内熱交換器14とを接続した冷媒回路を備えている。冷媒回路において、圧縮機10の吐出口に四方弁11を介して室外熱交換器12が接続され、その室外熱交換器12に膨張弁13が接続される。そして、膨張弁13に室内熱交換器14の一端が接続され、その室内熱交換器14の他端に四方弁11を介して圧縮機10の吸込口が接続される。
空気調和機1は、自動運転、冷房運転、暖房運転、除湿運転及び送風運転のいずれかの運転が可能であって、空気調和機1に付属されたコントローラや、ユーザの端末装置によって、いずれかの運転を選択して運転開始操作を行ったり、運転切換操作や運転停止操作を行ったりすることができる。また、コントローラやユーザの端末装置では、室内温度の設定温度を設定することができる。ユーザの端末装置は、例えばスマートフォンなどの液晶端末であって、ネットワークを介して、空気調和機1に対して運転変更命令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)を供給することができる。
冷房運転および除湿運転では、図示実線矢印で示すように、圧縮機10から吐出された冷媒が四方弁11から室外熱交換器12、膨張弁13、室内熱交換器14へと順に流れ、室内熱交換器14を経た冷媒が四方弁11を通って圧縮機10に戻る冷房サイクルまたは除湿サイクルが形成される。すなわち、室外熱交換器12が凝縮器、室内熱交換器14が蒸発器として機能する。
一方、暖房運転では、四方弁11が切換わることにより、図示破線矢印で示すように、圧縮機10から吐出される冷媒が四方弁11から室内熱交換器14、膨張弁13、室外熱交換器12へと順に流れ、室外熱交換器12を経た冷媒が四方弁11を通って圧縮機10に戻る暖房サイクルが形成される。すなわち、室内熱交換器14が凝縮器、室外熱交換器12が蒸発器として機能する。
室内機2内には、室内熱交換器14に対向した室内ファン16が配置される。室内機2の吹出口には、上下方向について吹き出し方向を変更する上下フラップ17が配置される。そして、図1に示すように、室内機2に、室内温度を検出する室内温度センサ(室内温度検出手段)21と、室内湿度を検出する室内湿度センサ(室内湿度検出手段)22が取付けられる。また、室内機2は、室内(空調空間)にいる人を検知する人検知センサ(人検知手段)25を有している。
図2に示すように、空気調和機1の制御部50には、圧縮機10と、四方弁11、膨張弁13と、室内ファン16を駆動するモータ16aと、上下フラップ17を駆動するモータ17aと、室内温度センサ21と、室内湿度センサ22と、人検知センサ25と、空気調和機1に付属されたコントローラ28とが接続される。また、空気調和機1の制御部50は、ユーザの端末装置30から供給された運転変更命令に基づいて空気調和機1の運転を変更する。ユーザの端末装置30は、例えばスマートフォンなどの液晶端末であって、ネットワークを介して、空気調和機1に対して運転変更命令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)を供給することができる。したがって、制御部50は、コントローラ28やユーザの端末装置30からの指令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)や、室内温度センサ21で検知される室内温度や、室内湿度センサ22で検知される室内湿度に基づいて、空気調和機1の運転を制御する。このように、本実施形態の空気調和機1は、コントローラ28からの指令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)に基づいて運転状態が変更されるだけでなく、ユーザの端末装置30から供給される運転変更命令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)に基づいて運転状態が変更されるものである。
ここで、コントローラ28には、表示部と、温度調整部と、運転開始ボタンと、停止ボタンとが設けられている。また、コントローラ28には、運転選択部と、風量選択部と、風向選択部とが設けられている。
表示部には、運転表示部と、設定温度表示部と、運転モード表示部とが表示されている。運転表示部には、運転選択部で選択された運転(自動、冷房、暖房、除湿及び送風のいずれかの運転)が表示される。また、設定温度表示部には、温度調整部を操作することで変更された温度が表示される。
温度調整部は設定温度を変更するものであり、温度調整部を操作して設定温度を上げたり、温度調整部を操作して設定温度を下げることができる。運転開始ボタンを押すことにより運転選択部により選択した運転が開始され、運転中に停止ボタンを押すことにより運転が停止される。
コントローラ28の運転選択部により、自動、冷房、暖房、除湿及び送風のいずれかに切り換えて選択できる。風量選択部により、風量を自動、微(微量)、弱(少量)及び強(多量)のいずれかに切り換えて選択できる。風向選択部により、風向を自動、上(上方向)、中(水平方向)及び下(下方向)のいずれかに切り換えて選択できる。
そして、コントローラ28には、モード切換部が設けられている。モード切換部により、空気調和機1の高温防止モードを、強制運転モード、お知らせモード及び切のいずれかに切り換えることができる。本実施形態の空気調和機1では、高温防止モードが切に切り換えられた場合、不在お知らせモードが設定される。
したがって、本実施形態の空気調和機1では、モード切換部によって、強制運転モード、お知らせモード及び不在お知らせモード(高温防止モードの切)のいずれかが設定される。よって、空気調和機1において、強制運転モードでの運転と、お知らせモードでの運転と、不在お知らせモードでの運転とは同時に行われることはない。
強制運転モードでは、室内が高温状態や高湿状態である場合に、室内温度及び室内湿度に基づいて、強制運転が自動的に開始される。したがって、強制運転モードに切り換えた場合、室内が高温状態や高湿状態になったときに、ユーザがコントローラ28や端末装置30によって運転開始操作を行わなかった場合でも、強制運転が自動的に開始されて、室内温度及び室内湿度が低下する。
お知らせモードでは、室内が高温状態や高湿状態である場合に、室内温度及び室内湿度に基づいて、運転開始を促す報知が自動的に行われる。運転開始を促す報知としては、例えば、「室内が高温になっています。冷房運転を開始してください。」という内容が、室内機2から音声で報知されたり、室内機2の表示部に表示される。
本実施形態の空気調和機1では、強制運転モードにおいて強制運転が自動的に行われた場合に、室内が高温状態や高湿状態であることを示す空調空間情報がユーザの端末装置30に供給される。この場合の空調空間情報としては、例えば、「室内が高温になっています。冷房運転を開始しました。」という内容が、ユーザの端末装置30に供給され、端末装置30の表示画面に表示される。また、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に行われた場合に、室内が高温状態や高湿状態であることを示す空調空間情報がユーザの端末装置30に供給される。この場合の空調空間情報としては、例えば、「室内が高温になっています。冷房運転を開始してください。」という内容が、ユーザの端末装置30に供給され、端末装置30の表示画面に表示される。本実施形態において、室内が高温状態や高湿状態であるかの判断は所定時間おきに行われて、室内が高温状態や高湿状態である状態が継続される場合、空調空間情報は、所定時間おきにユーザの端末装置30に供給されてもよい。また、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に行われた後、空気調和機1の運転が開始されないで、室内が高温状態や高湿状態でなくなった場合、室内が高温状態や高湿状態でなくなったことを示す解除情報がユーザの端末装置30に供給される。この場合の解除情報としては、例えば、「室内の温度が下がりました。冷房運転を開始する必要がありません。」という内容が、ユーザの端末装置30に供給され、端末装置30の表示画面に表示される。
不在お知らせモードでは、人検知センサ25によって室内にいる人が検知されない状態で、かつ、空気調和機1の運転が所定の不在時間だけ継続された場合に、室内に人がいないことを示す不在情報をユーザの端末装置30に供給する。本実施形態の空気調和機1では、不在お知らせモードにおいて不在情報がユーザの端末装置30に供給された場合、不在情報として、例えば、「室内に人がいない状態で空気調和機が運転されています。」という内容が、ユーザの端末装置30に供給され、端末装置30の表示画面に表示される。
そして、強制運転モードまたはお知らせモードに切り換えた場合、ユーザは、コントローラ28やユーザの端末装置30によって空気調和機1の運転停止操作を行うことができない。したがって、空気調和機1では、強制運転モードにおいて強制運転が開始された場合、ユーザは、コントローラ28や端末装置30によって空気調和機1の運転停止操作を行うことができず、強制運転を停止するためには、コントローラ28のモード切換部を操作して、高温防止モードを切に切り換える必要がある。また、空気調和機1では、お知らせモードにおいてコントローラ28や端末装置30によって空気調和機1の運転開始操作を行うことができるが、空気調和機1の運転を開始した後、ユーザは、コントローラ28や端末装置30によって空気調和機1の運転停止操作を行うことができず、運転を停止するためには、コントローラ28のモード切換部を操作して、高温防止モードを切に切り換える必要がある。一方、不在お知らせモードにおいて、不在情報がユーザの端末装置30に供給された場合、ユーザは、コントローラ28や端末装置30によって空気調和機1の運転停止操作を行うことができる。
空気調和機1では、強制運転モードにおいて強制運転を開始するかを判定する場合や、お知らせモードにおいて報知を開始するかを判定する場合に、室内温度及び室内湿度についての判定図が使用される。判定図は、図3に示すように、縦軸は室内湿度(相対湿度)を示し、横軸は室内温度を示している。
まず、強制運転モードについて説明する。
図3は、強制運転モードにおける判定図の一例であるが、この判定図には、高温ゾーンと、モニタリングゾーンと、待機ゾーンとが設定される。高温ゾーンは、室内が高温状態や高湿状態であって、室内温度や室内湿度を低下させる必要がある領域である。待機ゾーンは、高温ゾーンに遠い領域であり、室内温度や室内湿度を低下させる必要がない領域である。モニタリングゾーンは、高温ゾーンに近い領域であり、室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすい領域である。
図3の判定図において、A点〜F点は、下記の室内温度及び室内湿度である点を示す。
・A点:室内温度が27度であり、室内湿度が100%である点
・B点:室内温度が27度であり、室内湿度が70〜80%の間のy1である点
・C点:室内温度が33度であり、室内湿度が30%である点
・D点:室内温度が28度であり、室内湿度が100%である点
・E点:室内温度が28度であり、室内湿度が70〜80%の間のy2である点
・F点:室内温度が34度であり、室内湿度が30〜40%の間のy3である点
そして、A点とB点とC点を接続した線l1が、待機ゾーンとモニタリングゾーンの間の線であって、D点とE点とF点を接続した線l2が、モニタリングゾーンと高温ゾーンとの間の線である。したがって、図4の判定図に示すように、待機ゾーンは、線l1の左下の領域であって、高温ゾーンは、線l2の右上の領域(室内温度及び室内湿度が線l2上にある場合を含む)であって、モニタリングゾーンは、高温ゾーンと待機ゾーンとに挟まれた領域(室内温度及び室内湿度が線l1上にある場合を含む)である。
よって、空気調和機1の運転停止時において、強制運転モードに切り換えた場合、室内温度及び室内湿度が、高温ゾーン、モニタリングゾーン及び待機ゾーンの各ゾーンにある場合で運転動作が異なる。そこで、強制運転モードに切り換えられた後の各ゾーンでの運転動作について説明する。
室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度を低下させる必要があるため、冷房運転(強制運転)が開始される。空気調和機1において強制運転モードでの冷房運転は、設定温度28℃の冷房運転である。そして、室内温度が設定温度よりも1度以上低下したとき(室内温度が27度以下になったとき)に、冷房運転がサーモオフ状態となる。ここで、サーモオフ状態は、圧縮機が停止され、室内ファン16が駆動された状態である。空気調和機1では、冷房運転がサーモオフ状態である場合、冷房運転よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすいため、室内温度や室内湿度を適正に検出する必要があるので、送風運転を行う。送風運転とは、圧縮機を停止し、室内機の室内ファン16が駆動される運転である。空気調和機1では、室内温度センサ21及び室内湿度センサ22は、室内機2の内部に取り付けられていることから、運転停止時において上下フラップ17が閉じて室内機の内部に熱がこもった場合に、室内温度及び室内湿度を適正に検出できない場合がある。したがって、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合に送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度を適正に検出できる。ここで、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合の送風運転では、冷房運転の風量よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合には、高温ゾーンに遠く、室内温度や室内湿度を低下させる必要がないので、冷房運転や送風運転を行わない。
このように、本実施形態では、強制運転モードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に、冷房運転(強制運転)が開始される。また、冷房運転を開始した後、サーモオフ状態が所定時間継続すると、冷房運転が停止される。
次に、お知らせモードについて説明する。
お知らせモードにおける判定図の一例は、図3に示す強制運転モードにおける判定図の一例と同一であるので、詳細な説明は省略する。この判定図には、高温ゾーンと、モニタリングゾーンと、待機ゾーンとが設定される。
よって、空気調和機1の運転停止時において、お知らせモードに切り換えた場合、室内温度及び室内湿度が、高温ゾーン、モニタリングゾーン及び待機ゾーンの各ゾーンにある場合で運転動作が異なる。そこで、お知らせモードに切り換えられた後の各ゾーンでの運転動作について説明する。
室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度を低下させる必要があるため、運転開始を促す報知が行われる。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすいため、室内温度や室内湿度を適正に検出する必要があるので、送風運転を行う。送風運転とは、圧縮機を停止し、室内機の室内ファン16が駆動される運転である。空気調和機1では、室内温度センサ21及び室内湿度センサ22は、室内機2の内部に取り付けられていることから、運転停止時において上下フラップ17が閉じて室内機の内部に熱がこもった場合に、室内温度及び室内湿度を適正に検出できない場合がある。したがって、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合に送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度を適正に検出できる。ここで、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合の送風運転では、冷房運転の風量よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合には、高温ゾーンに遠く、室内温度や室内湿度を低下させる必要がないので、運転開始を促す報知や送風運転を行わない。
このように、本実施形態では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に、運転開始を促す報知が開始される。
次に、空気調和機1の強制運転モードにおける制御について、図4を参照しつつ説明する。
まず、空気調和機1の運転停止時において、コントローラ30のモード切換部によって、強制運転モードに切り換えられる(ステップS1)。ここでは、強制運転モードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーン(図3参照)にある場合について説明する。
強制運転モードにおいて、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS2)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンから高温ゾーンに変化する場合には、待機ゾーンからモニタリングゾーンに変化した後で、高温ゾーンに変化すると考えられる。したがって、ステップS2では、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかに基づいて、室内温度及び室内湿度が、冷房運転を開始する必要のある高温ゾーンに近付いたかを判断する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS2:YES)、室内ファン16を駆動して、送風運転を開始する(ステップS3)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合、送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できる。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS2:NO)、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する(ステップS2)。
そして、ステップS3で送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS4)。室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS4:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できるように、送風運転を継続する(ステップS3)。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS4:NO)、送風運転を開始した後で、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンまたは高温ゾーンに変化したと考えられる。したがって、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるかを判断する(ステップS5)。そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあると判断した場合には(ステップS4:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに近いモニタリングゾーンから、待機ゾーンに変化したので、送風運転を停止する(ステップS6)。その後、ステップS2に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかを判断する。一方、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにないと判断した場合には(ステップS5:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、室内温度及び室内湿度を低下させる必要があるので、冷房運転を開始する(ステップS7)。このとき、強制運転モードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、冷房運転を自動的に開始したことを示す空調空間情報をユーザの端末装置30に供給する(ステップS8)。
冷房運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度と設定温度に基づいて、冷房運転がサーモオフ状態かを判断する(ステップS9)。空気調和機1では、冷房運転が設定温度28℃であって、室内温度が27℃以下になったときにサーモオフ状態となる。したがって、ステップS8では、室内温度が27℃以下であるかに基づいて、冷房運転がサーモオフ状態かを判断する。そして、サーモオフ状態でないと判断した場合には(ステップS9:NO)、室内温度が27℃より高いので、ステップS7に移行して、冷房運転を継続する。
一方、冷房運転がサーモオフ状態であると判断した場合には(ステップS9:YES)、サーモオフ状態において、室内温度センサ21で検出された室内温度が設定温度より高い温度まで変化したかを判断する(ステップS10)。室内温度が設定温度より高い温度まで変化したと判断した場合には(ステップS10:YES)、ステップS7に移行して、冷房運転を開始する。室内温度が設定温度より高い温度まで変化してないと判断した場合には(ステップS10:NO)、サーモオフ状態が継続される。
そして、サーモオフ状態が継続された場合、所定時間が経過したかを判断する(ステップS11)。サーモオフ状態で所定時間が経過したと判断した場合には(ステップS11:YES)、冷房運転を停止する(ステップS12)。空気調和機1では、サーモオフ状態で所定時間が経過した後で冷房運転を停止するので、冷房運転を停止したときに、室内温度及び室内湿度が上昇した場合でも、直ぐに冷房運転が開始されるのを防止できる。
一方、サーモオフ状態で所定時間が経過してないと判断した場合には(ステップS11:NO)、ステップS10に移行して、室内温度が設定温度より高い温度まで変化したかを判断する。
次に、空気調和機1のお知らせモードにおける制御について、図5を参照しつつ説明する。
まず、空気調和機1の運転停止時において、コントローラ30のモード切換部によって、お知らせモードに切り換えられる(ステップS101)。ここでは、お知らせモードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーン(図3参照)にある場合について説明する。
お知らせモードにおいて、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS102)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンから高温ゾーンに変化する場合には、待機ゾーンからモニタリングゾーンに変化した後で、高温ゾーンに変化すると考えられる。したがって、ステップS2では、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかに基づいて、室内温度及び室内湿度が、冷房運転を開始する必要のある高温ゾーンに近付いたかを判断する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS102:YES)、室内ファン16を駆動して、送風運転を開始する(ステップS103)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合、送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できる。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS102:NO)、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する(ステップS102)。
そして、ステップS3で送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS104)。室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS104:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できるように、送風運転を継続する(ステップS103)。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS104:NO)、送風運転を開始した後で、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンまたは高温ゾーンに変化したと考えられる。したがって、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるかを判断する(ステップS105)。そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあると判断した場合には(ステップS104:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに近いモニタリングゾーンから、待機ゾーンに変化したので、送風運転を停止する(ステップS106)。その後、ステップS2に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかを判断する。一方、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにないと判断した場合には(ステップS105:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、室内温度及び室内湿度を低下させる必要があるので、運転開始を促す報知を開始する(ステップS107)。このとき、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、運転開始を促す報知を開始したことを示す空調空間情報をユーザの端末装置30に供給する(ステップS108)。空調空間情報を見たユーザは、空気調和機1の運転を開始するかを判断する(ステップS109)。そして、空気調和機1の運転を開始すると判断した場合には(ステップS109:YES)、ユーザは、端末装置30を操作して運転開始命令を空気調和機1に供給して、空気調和機1の運転を開始する(ステップS110)。一方、空気調和機1の運転を開始しないと判断した場合には(ステップS109:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーン外であるかを判断する(ステップS111)。そして、室内温度及び室内湿度が高温ゾーン外であると判断した場合には(ステップS111:YES)、解除情報をユーザの端末装置30に供給する(ステップS112)。一方、室内温度及び室内湿度が高温ゾーン外でない場合には(ステップS111:NO)、ステップS109に移行する。
次に、空気調和機1の不在お知らせモードにおける制御について、図6を参照しつつ説明する。
まず、空気調和機1の運転停止時において、コントローラ30のモード切換部によって、不在お知らせモード(高温防止モードの切)に切り換えられる(ステップS201)。
不在お知らせモードにおいて、人検知センサ25によって室内にいる人が検知されない状態であるかを繰り返し判断する(ステップS202)。人検知センサ25によって室内にいる人が検知されない状態であると判断した場合には(ステップS202:YES)、人検知センサ25によって室内にいる人が検知されない状態において、空気調和機1の運転が所定の不在時間だけ継続されたかを判断する(ステップS203)。空気調和機1の運転が所定の不在時間だけ継続されたと判断した場合には(ステップS203:YES)、室内に人がいないことを示す不在情報をユーザの端末装置30に供給する。一方、空気調和機1の運転が所定の不在時間だけ継続されてないと判断した場合には(ステップS203:NO)、ステップS202に移行する。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の空気調和機1では、室内が室内温度や室内湿度を低下させる必要のある状態になって、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに突入して、強制運転モードにおいて強制運転が自動的に開始された場合や、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に開始された場合に、空調空間情報(室内が室内温度や室内湿度を低下させる必要のある状態であること)が端末装置30に供給されるので、ユーザは、強制運転が自動的に開始されたことを知ることができるとともに、端末装置30から空気調和機1に運転変更命令を供給して空気調和機1の運転を開始できる。したがって、室内温度や室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、本実施形態の空気調和機1では、強制運転モードやお知らせモードでの運転と不在お知らせモードでの運転とは同時に行われないので、強制運転モードやお知らせモードでの運転が行われているときに、不在情報が端末装置30に供給されて、端末装置30の操作によって空気調和機1の運転が停止されるのを防止できる。
さらに、本実施形態の空気調和機1では、人検知センサ25が空調空間にいる人の動作に基づいて人を検知するものである場合に、人が空調空間にいるにもかかわらず、人の動作がないことによって不在検知された場合に、端末装置30の操作によって空気調和機1の運転が停止されるのを防止できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、強制運転が自動的に開始される強制運転モードと、運転開始を促す報知が自動的に行われるお知らせモードとを有している場合について説明したが、強制運転モードおよびお知らせモードの一方だけを有するものであってもよい。
また、上述の実施形態では、強制運転モードにおいて室内温度及び室内湿度に基づいて強制運転が自動的に開始されるが、強制運転モードにおいて室内温度に基づいて強制運転が自動的に開始されてもよい。この場合、強制運転を開始する判定図に、図7に示す判定図を使用する。図7の判定図には、高温ゾーンと、モニタリングゾーンと、待機ゾーンとが設定される。高温ゾーンは、室内温度が28度以上の領域であり、待機ゾーンは、室内温度が27度未満の領域であり、モニタリングゾーンは室内温度が27度以上28度未満の領域である。室内温度が高温ゾーンにある場合には、冷房運転(強制運転)が開始される。室内温度がモニタリングゾーンにある場合には、送風運転を行う。室内温度が待機ゾーンにある場合には、冷房運転や送風運転を行わない。そして、空気調和機の強制運転モードにおける制御は、実施形態において室内温度及び室内湿度に基づいて行われるが、室内温度に基づいて行われる点で異なるが、その他は、実施形態の図4で示した制御と同様の方法で行われる。また、お知らせモードについても同様であって、お知らせモードにおいて室内温度に基づいて運転開始を促す報知が開始されてもよい。
また、上述の実施形態では、強制運転モードにおいて室内温度及び室内湿度に基づいて強制運転が自動的に開始されるが、強制運転モードにおいて室内湿度に基づいて強制運転が自動的に開始されてもよい。そして、空気調和機の強制運転モードにおける制御は、実施形態において室内温度及び室内湿度に基づいて行われるのが、室内湿度に基づいて行われる点で異なるが、その他は、実施形態の図4で示した制御と同様の方法で行われる。また、お知らせモードについても同様であって、お知らせモードにおいて室内湿度に基づいて運転開始を促す報知が開始されてもよい。
本発明を利用すれば、室内温度や室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
1 空気調和機
2 室内機
3 室外機
21 室内温度センサ
22 室内湿度センサ
25 人検知センサ
本発明は、冷房運転等を行う空気調和機に関する。
空気調和機は、冷房運転や暖房運転等を行うものが一般的であって、ユーザがコントローラに対して冷房運転等を選択して運転開始操作を行った場合に、冷房運転等の運転が開始される。
したがって、室内温度や室内湿度が高い状態であっても、ユーザがコントローラに対して運転開始操作を行わない場合、空気調和機の運転が開始されない。そのため、ユーザが熱中症等になることがある。
そこで、本発明は、運転停止時において、室内温度及び室内湿度が高い状態であることを示す情報をユーザの端末装置に供給する空気調和機を提供することを目的とする。
第1の発明に係る空気調和機は、室内温度を検出する温度検出手段と、室内湿度を検出する湿度検出手段と、空調空間にいる人を検知する人検知手段とを備え、端末装置から供給される運転変更命令に基づいて運転状態が変更され得るものであって、運転停止時において、前記温度検知手段で検出された室内温度及び/又は前記湿度検知手段で検出された室内湿度が所定範囲内である場合に、室内温度及び室内湿度の少なくとも一方を低下させる強制運転が自動的に開始される強制運転モード、および、運転停止時において、前記温度検知手段で検出された室内温度及び/又は前記湿度検知手段で検出された室内湿度が所定範囲内である場合に、運転開始を促す報知が自動的に行われるお知らせモード、の少なくとも一方の運転モードと、前記人検知手段によって空調空間にいる人が検知されない状態で、かつ、空気調和機の運転が所定時間継続された場合に、空調空間に人がいないことを示す不在情報を端末装置に供給する不在お知らせモードとを有しており、強制運転モードおよびお知らせモードの少なくとも一方のモードでの運転中は、不在情報が端末装置に供給されないことを特徴とする。
この空気調和機では、室内が室内温度及び/又は室内湿度を低下させる必要のある状態になって、強制運転モードにおいて強制運転が自動的に開始された場合や、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に開始された場合に、空調空間情報(室内が室内温度及び/又は室内湿度を低下させる必要のある状態であること)が端末装置に供給されるので、ユーザは、強制運転が自動的に開始されたことを知ることができるとともに、端末装置から空気調和機に運転変更命令を供給して空気調和機の運転を開始できる。
したがって、室内温度及び/又は室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、この空気調和機では、強制運転モードやお知らせモードでの運転中は、不在情報が端末装置に供給されないので、強制運転モードやお知らせモードでの運転が行われているときに、不在情報が端末装置に供給されて、端末装置の操作によって空気調和機の運転が停止されるのを防止できる。
また、人検知手段が空調空間にいる人の動作に基づいて検知する人を検知するものである場合に、人が空調空間にいるにもかかわらず、人の動作がないことによって不在検知された場合に、端末装置の操作によって空気調和機の運転が停止されるのを防止できる。
ここで、本発明には、室内温度及び室内湿度に基づいて強制運転が開始される場合と、室内温度に基づいて強制運転が開始される場合と、室内湿度に基づいて強制運転が開始される場合を含む。また、本発明の強制運転には、室内温度及び室内湿度を低下させる運転と、室内湿度を低下させる運転と、室内温度を低下させる運転とを含む。
また、本発明には、室内温度及び室内湿度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合と、室内温度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合と、室内湿度に基づいて運転開始を促す報知が行われる場合を含む。
第2の発明に係る空気調和機は、第1の発明に係る空気調和機において、強制運転モードでは、運転停止時において、室内温度が所定温度以上である場合、及び/又は、室内湿度が所定湿度以上である場合に、室内温度及び室内湿度の少なくとも一方を低下させる強制運転が自動的に開始されることを特徴とする。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1の発明では、室内が室内温度及び/又は室内湿度を低下させる必要のある状態になって、強制運転モードにおいて強制運転が自動的に開始された場合や、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に開始された場合に、空調空間情報(室内が室内温度及び/又は室内湿度を低下させる必要のある状態であること)が端末装置に供給されるので、ユーザは、強制運転が自動的に開始されたことを知ることができるとともに、端末装置から空気調和機に運転変更命令を供給して空気調和機の運転を開始できる。
したがって、室内温度及び/又は室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、第1の発明では、強制運転モードやお知らせモードでの運転中は、不在情報が端末装置に供給されないので、強制運転モードやお知らせモードでの運転が行われているときに、不在情報が端末装置に供給されて、端末装置の操作によって空気調和機の運転が停止されるのを防止できる。
本発明の実施形態に係る空気調和機の冷媒回路を示す回路図である。
本発明の実施形態に係る空気調和機の制御部を説明する図である。
本発明の実施形態の強制運転モードにおける判定図(室内湿度と室内温度との関係を示す図)である。
強制運転モードで運転される場合の制御を説明する図である。
お知らせモードで運転される場合の制御を説明する図である。
不在お知らせモードで運転される場合の制御を説明する図である。
変形例の強制運転モードにおける判定図(室内湿度と室内温度との関係を示す図)である。
以下、本発明の実施形態に係る空気調和機1について説明する。
<空気調和機1の全体構成>
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、室内に設置される室内機2と、室外に設置される室外機3とを備えている。そして、空気調和機1は、圧縮機10と、四方弁11、室外熱交換器12と、膨張弁(減圧機構)13と、室内熱交換器14とを接続した冷媒回路を備えている。冷媒回路において、圧縮機10の吐出口に四方弁11を介して室外熱交換器12が接続され、その室外熱交換器12に膨張弁13が接続される。そして、膨張弁13に室内熱交換器14の一端が接続され、その室内熱交換器14の他端に四方弁11を介して圧縮機10の吸込口が接続される。
空気調和機1は、自動運転、冷房運転、暖房運転、除湿運転及び送風運転のいずれかの運転が可能であって、空気調和機1に付属されたコントローラや、ユーザの端末装置によって、いずれかの運転を選択して運転開始操作を行ったり、運転切換操作や運転停止操作を行ったりすることができる。また、コントローラやユーザの端末装置では、室内温度の設定温度を設定することができる。ユーザの端末装置は、例えばスマートフォンなどの液晶端末であって、ネットワークを介して、空気調和機1に対して運転変更命令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)を供給することができる。
冷房運転および除湿運転では、図示実線矢印で示すように、圧縮機10から吐出された冷媒が四方弁11から室外熱交換器12、膨張弁13、室内熱交換器14へと順に流れ、室内熱交換器14を経た冷媒が四方弁11を通って圧縮機10に戻る冷房サイクルまたは除湿サイクルが形成される。すなわち、室外熱交換器12が凝縮器、室内熱交換器14が蒸発器として機能する。
一方、暖房運転では、四方弁11が切換わることにより、図示破線矢印で示すように、圧縮機10から吐出される冷媒が四方弁11から室内熱交換器14、膨張弁13、室外熱交換器12へと順に流れ、室外熱交換器12を経た冷媒が四方弁11を通って圧縮機10に戻る暖房サイクルが形成される。すなわち、室内熱交換器14が凝縮器、室外熱交換器12が蒸発器として機能する。
室内機2内には、室内熱交換器14に対向した室内ファン16が配置される。室内機2の吹出口には、上下方向について吹き出し方向を変更する上下フラップ17が配置される。そして、図1に示すように、室内機2に、室内温度を検出する室内温度センサ(室内温度検出手段)21と、室内湿度を検出する室内湿度センサ(室内湿度検出手段)22が取付けられる。また、室内機2は、室内(空調空間)にいる人を検知する人検知センサ(人検知手段)25を有している。
図2に示すように、空気調和機1の制御部50には、圧縮機10と、四方弁11、膨張弁13と、室内ファン16を駆動するモータ16aと、上下フラップ17を駆動するモータ17aと、室内温度センサ21と、室内湿度センサ22と、人検知センサ25と、空気調和機1に付属されたコントローラ28とが接続される。また、空気調和機1の制御部50は、ユーザの端末装置30から供給された運転変更命令に基づいて空気調和機1の運転を変更する。ユーザの端末装置30は、例えばスマートフォンなどの液晶端末であって、ネットワークを介して、空気調和機1に対して運転変更命令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)を供給することができる。したがって、制御部50は、コントローラ28やユーザの端末装置30からの指令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)や、室内温度センサ21で検知される室内温度や、室内湿度センサ22で検知される室内湿度に基づいて、空気調和機1の運転を制御する。このように、本実施形態の空気調和機1は、コントローラ28からの指令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)に基づいて運転状態が変更されるだけでなく、ユーザの端末装置30から供給される運転変更命令(運転開始操作、運転停止操作、室内温度の設定温度等)に基づいて運転状態が変更されるものである。
ここで、コントローラ28には、表示部と、温度調整部と、運転開始ボタンと、停止ボタンとが設けられている。また、コントローラ28には、運転選択部と、風量選択部と、風向選択部とが設けられている。
表示部には、運転表示部と、設定温度表示部と、運転モード表示部とが表示されている。運転表示部には、運転選択部で選択された運転(自動、冷房、暖房、除湿及び送風のいずれかの運転)が表示される。また、設定温度表示部には、温度調整部を操作することで変更された温度が表示される。
温度調整部は設定温度を変更するものであり、温度調整部を操作して設定温度を上げたり、温度調整部を操作して設定温度を下げることができる。運転開始ボタンを押すことにより運転選択部により選択した運転が開始され、運転中に停止ボタンを押すことにより運転が停止される。
コントローラ28の運転選択部により、自動、冷房、暖房、除湿及び送風のいずれかに切り換えて選択できる。風量選択部により、風量を自動、微(微量)、弱(少量)及び強(多量)のいずれかに切り換えて選択できる。風向選択部により、風向を自動、上(上方向)、中(水平方向)及び下(下方向)のいずれかに切り換えて選択できる。
そして、コントローラ28には、モード切換部が設けられている。モード切換部により、空気調和機1の高温防止モードを、強制運転モード、お知らせモード及び切のいずれかに切り換えることができる。本実施形態の空気調和機1では、高温防止モードが切に切り換えられた場合、不在お知らせモードが設定される。
したがって、本実施形態の空気調和機1では、モード切換部によって、強制運転モード、お知らせモード及び不在お知らせモード(高温防止モードの切)のいずれかが設定される。よって、空気調和機1において、強制運転モードでの運転と、お知らせモードでの運転と、不在お知らせモードでの運転とは同時に行われることはない。
強制運転モードでは、室内が高温状態や高湿状態である場合に、室内温度及び室内湿度に基づいて、強制運転が自動的に開始される。したがって、強制運転モードに切り換えた場合、室内が高温状態や高湿状態になったときに、ユーザがコントローラ28や端末装置30によって運転開始操作を行わなかった場合でも、強制運転が自動的に開始されて、室内温度及び室内湿度が低下する。
お知らせモードでは、室内が高温状態や高湿状態である場合に、室内温度及び室内湿度に基づいて、運転開始を促す報知が自動的に行われる。運転開始を促す報知としては、例えば、「室内が高温になっています。冷房運転を開始してください。」という内容が、室内機2から音声で報知されたり、室内機2の表示部に表示される。
本実施形態の空気調和機1では、強制運転モードにおいて強制運転が自動的に行われた場合に、室内が高温状態や高湿状態であることを示す空調空間情報がユーザの端末装置30に供給される。この場合の空調空間情報としては、例えば、「室内が高温になっています。冷房運転を開始しました。」という内容が、ユーザの端末装置30に供給され、端末装置30の表示画面に表示される。また、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に行われた場合に、室内が高温状態や高湿状態であることを示す空調空間情報がユーザの端末装置30に供給される。この場合の空調空間情報としては、例えば、「室内が高温になっています。冷房運転を開始してください。」という内容が、ユーザの端末装置30に供給され、端末装置30の表示画面に表示される。本実施形態において、室内が高温状態や高湿状態であるかの判断は所定時間おきに行われて、室内が高温状態や高湿状態である状態が継続される場合、空調空間情報は、所定時間おきにユーザの端末装置30に供給されてもよい。また、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に行われた後、空気調和機1の運転が開始されないで、室内が高温状態や高湿状態でなくなった場合、室内が高温状態や高湿状態でなくなったことを示す解除情報がユーザの端末装置30に供給される。この場合の解除情報としては、例えば、「室内の温度が下がりました。冷房運転を開始する必要がありません。」という内容が、ユーザの端末装置30に供給され、端末装置30の表示画面に表示される。
不在お知らせモードでは、人検知センサ25によって室内にいる人が検知されない状態で、かつ、空気調和機1の運転が所定の不在時間だけ継続された場合に、室内に人がいないことを示す不在情報をユーザの端末装置30に供給する。本実施形態の空気調和機1では、不在お知らせモードにおいて不在情報がユーザの端末装置30に供給された場合、不在情報として、例えば、「室内に人がいない状態で空気調和機が運転されています。」という内容が、ユーザの端末装置30に供給され、端末装置30の表示画面に表示される。
そして、強制運転モードまたはお知らせモードに切り換えた場合、ユーザは、コントローラ28やユーザの端末装置30によって空気調和機1の運転停止操作を行うことができない。したがって、空気調和機1では、強制運転モードにおいて強制運転が開始された場合、ユーザは、コントローラ28や端末装置30によって空気調和機1の運転停止操作を行うことができず、強制運転を停止するためには、コントローラ28のモード切換部を操作して、高温防止モードを切に切り換える必要がある。また、空気調和機1では、お知らせモードにおいてコントローラ28や端末装置30によって空気調和機1の運転開始操作を行うことができるが、空気調和機1の運転を開始した後、ユーザは、コントローラ28や端末装置30によって空気調和機1の運転停止操作を行うことができず、運転を停止するためには、コントローラ28のモード切換部を操作して、高温防止モードを切に切り換える必要がある。一方、不在お知らせモードにおいて、不在情報がユーザの端末装置30に供給された場合、ユーザは、コントローラ28や端末装置30によって空気調和機1の運転停止操作を行うことができる。
空気調和機1では、強制運転モードにおいて強制運転を開始するかを判定する場合や、お知らせモードにおいて報知を開始するかを判定する場合に、室内温度及び室内湿度についての判定図が使用される。判定図は、図3に示すように、縦軸は室内湿度(相対湿度)を示し、横軸は室内温度を示している。
まず、強制運転モードについて説明する。
図3は、強制運転モードにおける判定図の一例であるが、この判定図には、高温ゾーンと、モニタリングゾーンと、待機ゾーンとが設定される。高温ゾーンは、室内が高温状態や高湿状態であって、室内温度や室内湿度を低下させる必要がある領域である。待機ゾーンは、高温ゾーンに遠い領域であり、室内温度や室内湿度を低下させる必要がない領域である。モニタリングゾーンは、高温ゾーンに近い領域であり、室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすい領域である。
図3の判定図において、A点〜F点は、下記の室内温度及び室内湿度である点を示す。
・A点:室内温度が27度であり、室内湿度が100%である点
・B点:室内温度が27度であり、室内湿度が70〜80%の間のy1である点
・C点:室内温度が33度であり、室内湿度が30%である点
・D点:室内温度が28度であり、室内湿度が100%である点
・E点:室内温度が28度であり、室内湿度が70〜80%の間のy2である点
・F点:室内温度が34度であり、室内湿度が30〜40%の間のy3である点
そして、A点とB点とC点を接続した線l1が、待機ゾーンとモニタリングゾーンの間の線であって、D点とE点とF点を接続した線l2が、モニタリングゾーンと高温ゾーンとの間の線である。したがって、図4の判定図に示すように、待機ゾーンは、線l1の左下の領域であって、高温ゾーンは、線l2の右上の領域(室内温度及び室内湿度が線l2上にある場合を含む)であって、モニタリングゾーンは、高温ゾーンと待機ゾーンとに挟まれた領域(室内温度及び室内湿度が線l1上にある場合を含む)である。
よって、空気調和機1の運転停止時において、強制運転モードに切り換えた場合、室内温度及び室内湿度が、高温ゾーン、モニタリングゾーン及び待機ゾーンの各ゾーンにある場合で運転動作が異なる。そこで、強制運転モードに切り換えられた後の各ゾーンでの運転動作について説明する。
室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度を低下させる必要があるため、冷房運転(強制運転)が開始される。空気調和機1において強制運転モードでの冷房運転は、設定温度28℃の冷房運転である。そして、室内温度が設定温度よりも1度以上低下したとき(室内温度が27度以下になったとき)に、冷房運転がサーモオフ状態となる。ここで、サーモオフ状態は、圧縮機が停止され、室内ファン16が駆動された状態である。空気調和機1では、冷房運転がサーモオフ状態である場合、冷房運転よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすいため、室内温度や室内湿度を適正に検出する必要があるので、送風運転を行う。送風運転とは、圧縮機を停止し、室内機の室内ファン16が駆動される運転である。空気調和機1では、室内温度センサ21及び室内湿度センサ22は、室内機2の内部に取り付けられていることから、運転停止時において上下フラップ17が閉じて室内機の内部に熱がこもった場合に、室内温度及び室内湿度を適正に検出できない場合がある。したがって、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合に送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度を適正に検出できる。ここで、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合の送風運転では、冷房運転の風量よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合には、高温ゾーンに遠く、室内温度や室内湿度を低下させる必要がないので、冷房運転や送風運転を行わない。
このように、本実施形態では、強制運転モードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に、冷房運転(強制運転)が開始される。また、冷房運転を開始した後、サーモオフ状態が所定時間継続すると、冷房運転が停止される。
次に、お知らせモードについて説明する。
お知らせモードにおける判定図の一例は、図3に示す強制運転モードにおける判定図の一例と同一であるので、詳細な説明は省略する。この判定図には、高温ゾーンと、モニタリングゾーンと、待機ゾーンとが設定される。
よって、空気調和機1の運転停止時において、お知らせモードに切り換えた場合、室内温度及び室内湿度が、高温ゾーン、モニタリングゾーン及び待機ゾーンの各ゾーンにある場合で運転動作が異なる。そこで、お知らせモードに切り換えられた後の各ゾーンでの運転動作について説明する。
室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度を低下させる必要があるため、運転開始を促す報知が行われる。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合には、室内温度や室内湿度が高温ゾーンに変化しやすいため、室内温度や室内湿度を適正に検出する必要があるので、送風運転を行う。送風運転とは、圧縮機を停止し、室内機の室内ファン16が駆動される運転である。空気調和機1では、室内温度センサ21及び室内湿度センサ22は、室内機2の内部に取り付けられていることから、運転停止時において上下フラップ17が閉じて室内機の内部に熱がこもった場合に、室内温度及び室内湿度を適正に検出できない場合がある。したがって、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合に送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度を適正に検出できる。ここで、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにある場合の送風運転では、冷房運転の風量よりも低風量にすると共に、上下フラップ17を可動範囲の上端近くに配置して吹き出し方向を上方向に変更する。
そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにある場合には、高温ゾーンに遠く、室内温度や室内湿度を低下させる必要がないので、運転開始を促す報知や送風運転を行わない。
このように、本実施形態では、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにある場合に、運転開始を促す報知が開始される。
次に、空気調和機1の強制運転モードにおける制御について、図4を参照しつつ説明する。
まず、空気調和機1の運転停止時において、コントローラ30のモード切換部によって、強制運転モードに切り換えられる(ステップS1)。ここでは、強制運転モードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーン(図3参照)にある場合について説明する。
強制運転モードにおいて、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS2)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンから高温ゾーンに変化する場合には、待機ゾーンからモニタリングゾーンに変化した後で、高温ゾーンに変化すると考えられる。したがって、ステップS2では、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかに基づいて、室内温度及び室内湿度が、冷房運転を開始する必要のある高温ゾーンに近付いたかを判断する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS2:YES)、室内ファン16を駆動して、送風運転を開始する(ステップS3)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合、送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できる。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS2:NO)、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する(ステップS2)。
そして、ステップS3で送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS4)。室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS4:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できるように、送風運転を継続する(ステップS3)。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS4:NO)、送風運転を開始した後で、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンまたは高温ゾーンに変化したと考えられる。したがって、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるかを判断する(ステップS5)。そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあると判断した場合には(ステップS4:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに近いモニタリングゾーンから、待機ゾーンに変化したので、送風運転を停止する(ステップS6)。その後、ステップS2に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかを判断する。一方、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにないと判断した場合には(ステップS5:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、室内温度及び室内湿度を低下させる必要があるので、冷房運転を開始する(ステップS7)。このとき、強制運転モードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、冷房運転を自動的に開始したことを示す空調空間情報をユーザの端末装置30に供給する(ステップS8)。
冷房運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度と設定温度に基づいて、冷房運転がサーモオフ状態かを判断する(ステップS9)。空気調和機1では、冷房運転が設定温度28℃であって、室内温度が27℃以下になったときにサーモオフ状態となる。したがって、ステップS8では、室内温度が27℃以下であるかに基づいて、冷房運転がサーモオフ状態かを判断する。そして、サーモオフ状態でないと判断した場合には(ステップS9:NO)、室内温度が27℃より高いので、ステップS7に移行して、冷房運転を継続する。
一方、冷房運転がサーモオフ状態であると判断した場合には(ステップS9:YES)、サーモオフ状態において、室内温度センサ21で検出された室内温度が設定温度より高い温度まで変化したかを判断する(ステップS10)。室内温度が設定温度より高い温度まで変化したと判断した場合には(ステップS10:YES)、ステップS7に移行して、冷房運転を開始する。室内温度が設定温度より高い温度まで変化してないと判断した場合には(ステップS10:NO)、サーモオフ状態が継続される。
そして、サーモオフ状態が継続された場合、所定時間が経過したかを判断する(ステップS11)。サーモオフ状態で所定時間が経過したと判断した場合には(ステップS11:YES)、冷房運転を停止する(ステップS12)。空気調和機1では、サーモオフ状態で所定時間が経過した後で冷房運転を停止するので、冷房運転を停止したときに、室内温度及び室内湿度が上昇した場合でも、直ぐに冷房運転が開始されるのを防止できる。
一方、サーモオフ状態で所定時間が経過してないと判断した場合には(ステップS11:NO)、ステップS10に移行して、室内温度が設定温度より高い温度まで変化したかを判断する。
次に、空気調和機1のお知らせモードにおける制御について、図5を参照しつつ説明する。
まず、空気調和機1の運転停止時において、コントローラ30のモード切換部によって、お知らせモードに切り換えられる(ステップS101)。ここでは、お知らせモードに切り換えられたときの室内温度及び室内湿度が待機ゾーン(図3参照)にある場合について説明する。
お知らせモードにおいて、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS102)。室内温度及び室内湿度が待機ゾーンから高温ゾーンに変化する場合には、待機ゾーンからモニタリングゾーンに変化した後で、高温ゾーンに変化すると考えられる。したがって、ステップS2では、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかに基づいて、室内温度及び室内湿度が、冷房運転を開始する必要のある高温ゾーンに近付いたかを判断する。
そして、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS102:YES)、室内ファン16を駆動して、送風運転を開始する(ステップS103)。室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにある場合、送風運転を開始することで、室内機2の内部に空気が流れるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できる。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS102:NO)、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかの判断を継続する(ステップS102)。
そして、ステップS3で送風運転を開始した後、室内温度センサ21で検出された室内温度及び室内湿度センサ22で検出された室内湿度が、モニタリングゾーンにあるかを判断する(ステップS104)。室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあると判断した場合には(ステップS104:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンの近くのモニタリングゾーンにあるので、室内温度及び室内湿度が適正に検出できるように、送風運転を継続する(ステップS103)。
一方、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにないと判断した場合には(ステップS104:NO)、送風運転を開始した後で、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンまたは高温ゾーンに変化したと考えられる。したがって、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあるかを判断する(ステップS105)。そして、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにあると判断した場合には(ステップS104:YES)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに近いモニタリングゾーンから、待機ゾーンに変化したので、送風運転を停止する(ステップS106)。その後、ステップS2に移行して、室内温度及び室内湿度がモニタリングゾーンにあるかを判断する。一方、室内温度及び室内湿度が待機ゾーンにないと判断した場合には(ステップS105:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、室内温度及び室内湿度を低下させる必要があるので、運転開始を促す報知を開始する(ステップS107)。このとき、お知らせモードにおいて、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンにあって、運転開始を促す報知を開始したことを示す空調空間情報をユーザの端末装置30に供給する(ステップS108)。空調空間情報を見たユーザは、空気調和機1の運転を開始するかを判断する(ステップS109)。そして、空気調和機1の運転を開始すると判断した場合には(ステップS109:YES)、ユーザは、端末装置30を操作して運転開始命令を空気調和機1に供給して、空気調和機1の運転を開始する(ステップS110)。一方、空気調和機1の運転を開始しないと判断した場合には(ステップS109:NO)、室内温度及び室内湿度が高温ゾーン外であるかを判断する(ステップS111)。そして、室内温度及び室内湿度が高温ゾーン外であると判断した場合には(ステップS111:YES)、解除情報をユーザの端末装置30に供給する(ステップS112)。一方、室内温度及び室内湿度が高温ゾーン外でない場合には(ステップS111:NO)、ステップS109に移行する。
次に、空気調和機1の不在お知らせモードにおける制御について、図6を参照しつつ説明する。
まず、空気調和機1の運転停止時において、コントローラ30のモード切換部によって、不在お知らせモード(高温防止モードの切)に切り換えられる(ステップS201)。
不在お知らせモードにおいて、人検知センサ25によって室内にいる人が検知されない状態であるかを繰り返し判断する(ステップS202)。人検知センサ25によって室内にいる人が検知されない状態であると判断した場合には(ステップS202:YES)、人検知センサ25によって室内にいる人が検知されない状態において、空気調和機1の運転が所定の不在時間だけ継続されたかを判断する(ステップS203)。空気調和機1の運転が所定の不在時間だけ継続されたと判断した場合には(ステップS203:YES)、室内に人がいないことを示す不在情報をユーザの端末装置30に供給する。一方、空気調和機1の運転が所定の不在時間だけ継続されてないと判断した場合には(ステップS203:NO)、ステップS202に移行する。
<本実施形態の空気調和機の特徴>
本実施形態の空気調和機1では、室内が室内温度や室内湿度を低下させる必要のある状態になって、室内温度及び室内湿度が高温ゾーンに突入して、強制運転モードにおいて強制運転が自動的に開始された場合や、お知らせモードにおいて運転開始を促す報知が自動的に開始された場合に、空調空間情報(室内が室内温度や室内湿度を低下させる必要のある状態であること)が端末装置30に供給されるので、ユーザは、強制運転が自動的に開始されたことを知ることができるとともに、端末装置30から空気調和機1に運転変更命令を供給して空気調和機1の運転を開始できる。したがって、室内温度や室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
また、本実施形態の空気調和機1では、強制運転モードやお知らせモードでの運転中は、不在情報が端末装置に供給されないので、強制運転モードやお知らせモードでの運転が行われているときに、不在情報が端末装置30に供給されて、端末装置30の操作によって空気調和機1の運転が停止されるのを防止できる。
さらに、本実施形態の空気調和機1では、人検知センサ25が空調空間にいる人の動作に基づいて人を検知するものである場合に、人が空調空間にいるにもかかわらず、人の動作がないことによって不在検知された場合に、端末装置30の操作によって空気調和機1の運転が停止されるのを防止できる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上述の実施形態では、強制運転が自動的に開始される強制運転モードと、運転開始を促す報知が自動的に行われるお知らせモードとを有している場合について説明したが、強制運転モードおよびお知らせモードの一方だけを有するものであってもよい。
また、上述の実施形態では、強制運転モードにおいて室内温度及び室内湿度に基づいて強制運転が自動的に開始されるが、強制運転モードにおいて室内温度に基づいて強制運転が自動的に開始されてもよい。この場合、強制運転を開始する判定図に、図7に示す判定図を使用する。図7の判定図には、高温ゾーンと、モニタリングゾーンと、待機ゾーンとが設定される。高温ゾーンは、室内温度が28度以上の領域であり、待機ゾーンは、室内温度が27度未満の領域であり、モニタリングゾーンは室内温度が27度以上28度未満の領域である。室内温度が高温ゾーンにある場合には、冷房運転(強制運転)が開始される。室内温度がモニタリングゾーンにある場合には、送風運転を行う。室内温度が待機ゾーンにある場合には、冷房運転や送風運転を行わない。そして、空気調和機の強制運転モードにおける制御は、実施形態において室内温度及び室内湿度に基づいて行われるが、室内温度に基づいて行われる点で異なるが、その他は、実施形態の図4で示した制御と同様の方法で行われる。また、お知らせモードについても同様であって、お知らせモードにおいて室内温度に基づいて運転開始を促す報知が開始されてもよい。
また、上述の実施形態では、強制運転モードにおいて室内温度及び室内湿度に基づいて強制運転が自動的に開始されるが、強制運転モードにおいて室内湿度に基づいて強制運転が自動的に開始されてもよい。そして、空気調和機の強制運転モードにおける制御は、実施形態において室内温度及び室内湿度に基づいて行われるのが、室内湿度に基づいて行われる点で異なるが、その他は、実施形態の図4で示した制御と同様の方法で行われる。また、お知らせモードについても同様であって、お知らせモードにおいて室内湿度に基づいて運転開始を促す報知が開始されてもよい。
本発明を利用すれば、室内温度や室内湿度が高い状態で長時間継続されるのを抑制できるので、ユーザが熱中症等になることを防止できる。
1 空気調和機
2 室内機
3 室外機
21 室内温度センサ
22 室内湿度センサ
25 人検知センサ