図1乃至図6に本発明の一実施の形態を示している。図1において、1は平面循環式(特にパズル循環式)の駐車設備に採用されるトレー送り機構で、自動車を格納又は搬送するトレー10と、自動車を格納又は搬送する平面上でトレー10を縦方向及び横方向に向けて送り案内するトレー送りガイド20、及びトレー10の送り案内を補助するトレー送り補助ガイド23と、トレー10を送り駆動するトレー駆動装置30とを備える。
トレー10は、図2に示すように、自動車を載置可能な(縦長の)長方形状の金属プレートで、このトレー10には、トレー送りガイド20の一部を構成する、4輪構成の縦方向のローラ11と4輪構成の横方向のローラ12を備える。この場合、縦方向のローラ11はトレー10の下面の略四隅近傍に1輪ずつ縦向きに軸支され、横方向のローラ12はトレー10の下面の略四隅近傍に1輪ずつ横向きに軸支され、全8輪のローラ11、12が、後述するトレー送りガイド20の残部を構成する、縦方向、横方向の各レール21、22に乗せられる。なお、この実施の形態では、トレー10の下面四隅にそれぞれ、縦方向のローラ11、横方向のローラ12が1輪ずつ設けられるが、必要に応じてトレー10の下面四隅に縦方向、横方向の各ローラ11、12が複数個ずつ設けられてもよい。また、このトレー10の下面には、直線状の回動レール13、直線状の固定レール15、回動レール13をロックするためのロック装置16を備える。回動レール13は角パイプ材などにより形成され、その長さにトレー10下面の縦方向又は横方向のいずれか短い一方の長さと略同じか又は少し短い所定の寸法が設定される。このトレー10の場合、縦長の長方形になっているので、回動レール13の長さにトレー10の横方向の長さと略同じか又は少し短い所定の寸法を設定される。また、回動レール13の幅及び高さは回動レールとして適宜設定される。このようにして回動レール13はその中心をトレー10の下面中心に軸支され、トレー10の下面で水平方向に回動可能に取り付けられる。また、固定レール15は、長方形のトレーの場合に必要で、トレー10下面の縦方向に、その方向に向けられた回動レール13の延長上に直線状に連続可能に設けられる。この場合、固定レール15は、縦方向に向けられた回動レール13の前側延長上にトレー10の前端まで延びる前側固定レール151と、回動レール13の後側延長上にトレー10の後端まで延びる後側固定レール152として具備される。これら前側固定レール151、後側固定レール152はいずれも回動レール13と同様に、角パイプ材により回動レール13と一体的な形状に形成され、それぞれトレー10の下面に固定される。また、ロック装置16は、トレー10の回動レール13を水平面上の縦方向又は横方向に向けてロックする手段で、図3に示すように、回動レール13に係止凹部14を形成され、トレー10に係止突起17を取り付けられて構成される。この場合、係止凹部14は回動レール13の上面にフラットバーなどが固着され、このフラットバーに係止穴を穿設して形成され、これが回動レール13の上面で、回動レール13の回動中心の両側所定の位置2箇所に設けられる。一方、係止突起17は、筒形のケース170と、このケース170内にばね部材などの弾性手段を介してケース170下端の開口から出没可能に突出する係止ピン171とからなり、係止ピン171が回動レール13の係止凹部14に係合(弾性係合)可能になっている。このような係止突起17が合計4本、トレー10下面の回動レール13の回動範囲において回動レール13を水平面上の縦方向に向けた状態で回動レール13の各係止凹部14に係合可能な位置2箇所と水平面上の横方向に向けた状態で回動レール13の各係止凹部14に係合可能な位置2箇所、すなわち回動レール13の回動中心の前後左右の合計4箇所に取り付けられる。このようにしてトレー10側の縦方向又は横方向の各係止突起17と回動レール13側の各係止凹部14が係脱可能に構成される。なお、係止凹部14がトレー10側に、係止突起17が回動レール13側に設けられてもよい。
トレー送りガイド3は、図1及び図2示すように、トレー10下面に設置された8輪構成のローラ11、12と、自動車を格納又は搬送する平面上に縦方向及び横方向に向けて設置された同じ高さの複数のレール21、22とにより構成される。8輪構成のローラ11、12については既に説明したとおりである。一方、縦方向のレール21は、トレー10の横方向の各ローラ11が転動可能なフラットな走行面を有する前後一対のレールからなり、これらのレール間の間隔にトレー10の幅方向よりも小さい所定の寸法が設定されて、水平面上に縦方向に向けて設置される。また、横方向のレール22は、トレー10の横方向のローラ12が転動可能なフラットな走行面を有する左右一対のレールからなり、これらのレール間の間隔にトレー10の長手方向よりも小さい所定の寸法が設定されて、水平面上に横方向に向けて設置される。このようにして縦方向及び横方向の各レール21、22が同じレベル(高さ)にマトリックス状に配列される。なお、このトレー送りガイド20においても、縦方向のレール21は、トレー10が横方向に送られる場合に、その送り方向に対して横切って配置されたトレー送り経路上の部材となり、トレー10の縦方向のローラ11と縦方向のレール21との干渉を回避する必要があり、横方向のレール22は、トレー10が縦方向に送られる場合に、その送り方向に対して横切って配置されたトレー送り経路上の部材となり、トレー10の横方向のローラ12と横方向のレール22との干渉を回避する必要がある。
トレー送り補助ガイド23は、図4及び図5に示すように、トレー側又はトレー送り経路側のいずれか一方に配設された転動手段24と、他方に配設されたガイド手段25とにより構成される。このトレー送り機構1の場合、転動手段24はトレー側に取り付けられ、ガイド手段25がトレー送り経路側に設置される。
転動手段24はフリーベアやフリーローラなどの球状ローラ240で構成され、トレー10下面略四隅の、各縦方向のローラ11(トレー側の部材)及び各横方向ローラ12(トレー側の部材)に近接する各両ローラ11、12間の位置に、筒状の支持部材241が下方に向けて取り付けられ、この支持部材241の内部下部に球状ローラ240が360度方向に回転自在に保持されて、この球状ローラ240の球面の一部が支持部材241の下端(開口)から表出される。この場合、トレー10がレール21、22上に乗せられた状態で見ると、筒状の支持部材241が縦方向及び横方向の各レール21、22(トレー送り経路上の部材)よりも少し高い位置まで延び、球状ローラ240は縦方向及び横方向の各レール21、22(トレー送り経路上の部材)よりも僅かに高い位置に、トレー10の送り方向に向けて配置される。
ガイド手段25は平面形状が略四角形で、トレー10の送り方向に向けて断面略台形状に形成されて、トレー10の球状ローラ240が乗り上げ、転動案内される始端側ガイド面251、中間ガイド面252、及び終端側ガイド面253から構成される。このトレー送り機構1の場合、トレー10の送り方向は縦方向及び横方向なので、このガイド手段25は前後方向及び左右方向の垂直断面がそれぞれ略台形状をなし、前後方向及び左右方向に始端側ガイド面251、中間ガイド面252、及び終端側ガイド面253を備える。このガイド手段25の始端側ガイド面251はトレー10の球状ローラ240を通常のレベル(すなわち球状ローラ240の通常の突出端の位置)から乗り上げ、上り方向に転動案内し、縦方向又は横方向のローラ11又は12が通常のレベル(高さ)から縦方向又は横方向のレール21又は22の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10を斜め上方に変位させる傾斜面をなす。中間ガイド面252はトレー10の球状ローラ240をを水平方向に転動案内し、縦方向又は横方向のローラ11又は12が縦方向又は横方向のレール21又は22上に浮上してからこの縦方向又は横方向のレール21又は22の上を通過するまでトレー10を水平方向に変位させる平坦面をなす。また、この中間ガイド面252上には、トレー10の球状ローラ240が係合可能なストッパー254が設けられる。このストッパー254は中間ガイド面252上に球状ローラ240の動きを規制する手段として構成され、この場合、中間ガイド面252の中央に、球状ローラ240の中間ガイド252面上の接触点周囲の球面部分が嵌合可能な球面状の凹部が形成される。終端側ガイド面253はトレー10の球状ローラ240を下り方向に転動案内し、縦方向又は横方向のローラ11又は12が通常のレベル(高さ)に復帰し、縦方向又は横方向のレール21又は22の走行面に乗るまでトレー10を斜め下方に変位させる傾斜面をなす。これら3つのガイド面251、252、253で、少なくともトレー10の縦方向又は横方向のローラ11又は12とトレー送り経路上の縦方向又は横方向のレール21又は22との干渉域だけトレー10の球状ローラ240を乗り上げ、トレー10の縦方向又は横方向のローラ11又は12をトレー送り経路上の縦方向又は横方向のレール21又は22の上に浮上案内する。このガイド手段25は、トレー送り経路上で、基本的に縦方向及び横方向の各レール21、22(トレー送り経路上の部材)の交叉点に近接する位置(つまり、縦方向及び横方向の各レール21、22で区画された各トレー停止区画の略四隅、及び各トレー停止区画間(図示省略))に、2方向の3ガイド面251、252、253を縦方向及び横方向の各レール21、22の延びる方向に合わせ、各レール21、22の走行面レベルから上方に僅かに突出する高さに設置される。
トレー駆動装置30は、図1及び図2に示すように、トレー10の回動レール13、さらに固定レール15を両側から挟持してこれら回動レール13、固定レール15を送り出すトレー送り出し装置31と、トレー送り出し装置31を回動変位してトレー送り出し装置31により挟持されたトレー10の回動レール13を水平面上の縦方向又は横方向に転換する回動レール方向転換装置36とを備え、縦方向及び横方向の各レール21、22で区画された各トレー停止区画の略中央に設置される。
このトレー駆動装置30の場合、トレー送り出し装置31は、トレー10の回動レール13(又は固定レール15)の両側面に圧接可能な一対の回転ローラ32、33と、少なくともその片側一方の回転ローラ32を回転駆動する減速機付きの駆動モータ35とを具備する。この場合、一対の回転ローラ32、33はウレタンローラからなり、片側2個、両側合計4個のローラ構成になっている。片側一方の2個の回転ローラ32、32は駆動ベルト又は駆動チェーン34で作動連結され、その一方の回転ローラ32が駆動モータ35の出力軸に作動連結される。また、片側他方の2個の回転ローラ33はスプリング(不図示)を付設され、このスプリングの付勢力により片側一方の各回転ローラ32、32の対向位置からトレー10の回動レール13及び固定レール15に対して弾性的に圧接される。
回動レール方向転換装置36は、トレー送り出し装置31を支持する回転台37と、回転台37を回転駆動するモータシリンダ38とを備える。この場合、回転台37は矩形状のプレートで、図3に示すように、下面中心に支軸371が取り付けられ、この支軸371がトレー停止区画上に設置された軸受370に支持されて回動可能に設置される。この回転台37には幅方向中心に長手方向に向けてトレー10の回動レール13を通すためのガイドスペース37Gが設定されてトレー送り出し装置31が搭載される。すなわち、回転台37上の片側一方にガイドスペース37Gに沿って2個の回転ローラ32が水平方向に回転可能に軸支される。これら回転ローラ32は既述のとおり駆動ベルト又は駆動チェーン34により作動連結され、その一方の回転ローラ32の下方、回転台37の下部に駆動モータ35が取り付けられてその一方の回転ローラ32と駆動モータ35が作動連結される。また回転台37上の片側他方にガイドスペース37Gに沿って2個の回転ローラ33が駆動側の2個の回転ローラ32に対向して水平方向に回転可能に軸支される。これらの回転ローラ33は既述のとおりスプリングによりトレー10の回動レール13に圧接可能に設置される。このようにして、両側一対の回転ローラ32,32、33,33により回動レール13をその両側から弾性的に挟持できるように構成される。また、回転台37の近傍にモータシリンダ38が設置され、その作動ロッド381の先端と回転台37がレバー39を介して連結される。このようにして、モータシリンダ38の作動ロッド381の伸縮動作により、回転台37を90度回動変位して回転台37の長手方向、すなわち回転台37のガイドスペース37Gを水平面上の縦方向又は横方向に向けられるように構成される。なお、回転台37の駆動手段はモータシリンダに代えて駆動モータを用いてもよい。この場合、駆動モータと回転台の支軸が作動連結される。
このようにしてトレー送り機構1は構成され、図示されない制御手段に予め格納されたプログラムに従って、トレー駆動装置30が作動され、トレー10を水平面上の縦方向又は横方向に送り駆動する。
次に、このトレー送り機構1の基本的な動作について図1、図2、及び図6を用いて説明する。なお、図1に示すように、動作前のトレー10は予め縦方向及び横方向のレール21、22上に設定された各トレー停止位置で停止される。この場合、各トレー10はトレー10下面四隅の各球状ローラ240が各トレー停止位置四隅のトレー送り補助ガイド23をなす各ガイド手段25(中間ガイド面252)上に乗り、各ガイド手段25中心の凹状のストッパー254に嵌入されて静止され、各トレー10がこれらトレー送り補助ガイド23に支持されて、縦方向の4ローラ11は縦方向のレール21上に浮上され、横方向の4ローラ12は横方向のレール22上に浮上される。さらに、各トレー10は下面の回動レール13が動作停止状態の各トレー駆動装置30の一対の回転ローラ32、33に圧接挟持されてロックされ、各トレー停止位置上で完全に停止状態になっている。
図1において、トレー10を縦方向に移動する場合、まず回動レール方向転換装置36が作動され、図6に示すように、モータシリンダ38の1駆動によりその作動ロッド381が伸長される。これにより回転台37の長手方向が縦方向のレール21と平行に向けられ、この回転台37の回動変位に従動して、回転台37上の一対の回転ローラ32,32、33,33間に挟持されたトレー10の回動レール13が縦方向に向けられる。同時にこの回動レール13はロック装置16の係止突起17と係止凹部14との弾性係合によりロックされ、この回動レール13の向きが固定される。次に、この状態でトレー送り出し装置31が作動され、駆動モータ35の1駆動により片側一方の各回転ローラ32,32が回転駆動され、これらの回転ローラ32,32と片側他方の各回転ローラ33,33に圧接挟持されたトレー10の回動レール13はこれら回転ローラ32,32、33,33の摩擦係合により、その回転方向に送り出される。このトレー10の回動レール13は縦方向の向きに固定されているので、これを案内にして、まずトレー10四隅の各球状ローラ240が各ガイド手段25の中間ガイド面252上を縦方向に終端側ガイド面253に向けて転動し、トレー10が水平方向に変位され、トレー10の(前側の)横方向の各ローラ12が横方向の各レール22の上を通過すると、各球状ローラ240が終端側ガイド面253を転動して、トレー10が斜め下方に変位される。各球状ローラ240が各ガイド手段25の終端側ガイド面253を下りて終端側ガイド面253から離れると同時に、トレー10の縦方向の各ローラ11が縦方向のレール21上に乗って転動し、トレー10が縦方向のレール21上を縦方向に向けて送り駆動される。続いて、トレー10は前のトレー停止位置と次のトレー停止位置との間で、前側の各球状ローラ240がガイド手段25の始端側ガイド面251に乗り上げ、このガイド面251に転動案内されて、前側の横方向の各ローラ12が通常のレベル(高さ)から次のトレー停止位置の横方向のレール22の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10が斜め上方に変位される。これにより、前側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12は縦方向及び横方向のレール21、22から浮上される。続いてトレー10の球状ローラ240が中間ガイド面252に上がると、このガイド面252に転動案内されて、前側の横方向の各ローラ12が横方向のレール22上に浮上してからこの横方向のレール22の上を通過するまでトレー10が水平方向に変位される。そして、トレー10の前側の各球状ローラ240が終端側ガイド面253を下ると、このガイド面を253に転動案内されて、前側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が通常のレベル(高さ)に復帰し、縦方向の各ローラ11が縦方向のレール21の走行面に乗るまでトレー10が斜め下方に変位され、前側の各球状ローラ240が終端側ガイド面253から離れると同時に、トレー10の前側の縦方向の各ローラ11が縦方向のレール21上に乗って転動し、トレー10が次のトレー停止位置の縦方向のレール21上を縦方向に向けて送り駆動される。この間、トレー10の後側の縦方向のローラ11は前のトレー停止位置の縦方向のレール21上を転動される。トレー10の回動レール13が送り出されると、続いて固定レール15(トレー10の送り方向に応じて前側固定レール151又は後側固定レール152)が一対の回転ローラ32,32、33,33に挟持され、これが同様にして送り出される。そして、このトレー10の後側の各球状ローラ240が前のトレー停止位置、及び前のトレー停止位置と次のトレー停止位置との間で、同様に、各ガイド手段25を乗り越えながら、トレー10の後側の横方向の各ローラ12が前の及び次のトレー停止位置の横方向のレール22との干渉域で浮上される。このようにしてトレー10が次のトレー停止位置に入ると、前側及び後側の各球状ローラ240が前側及び後側の各ガイド手段25の始端側ガイド面251に乗り上げ、このガイド面251に転動案内されて、前側及び後側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が通常のレベル(高さ)から次のトレー停止位置の縦方向及び横方向のレール21、22の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10が斜め上方に変位され、各球状ローラ240が各中間ガイド面252に上がると、このガイド面252に転動案内されて、前側及び後側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が縦方向及び横方向の各レール21、22上に浮上され、トレー10が水平方向に変位されて、各球状ローラ240が各中間ガイド面252中心の凹状のストッパー254に嵌入されて停止される。そして、トレー10は下面の回動レール13が動作停止状態の各トレー駆動装置30の一対の回転ローラ32、33に圧接挟持されてロックされる。このようにしてトレー10が縦方向のレール21上を縦方向に移動される。
トレー10を横方向に移動する場合、まず回動レール方向転換装置36が作動され、モータシリンダ38の1駆動によりその作動ロッド381が収縮される。これにより、図2に示すように、回転台37の長手方向が横方向のレール22と平行に向けられ、この回転台37の回動変位に従動して、回転台37上の一対の回転ローラ32,32、33,33間に挟持されたトレー10の回動レール13が横方向に向けられる。同時にこの回動レール13はロック装置16の係止突起17と係止凹部14との弾性係合によりロックされ、この回動レール13の向きが固定される。次に、この状態でトレー送り出し装置31が作動され、駆動モータ35の1駆動により片側一方の各回転ローラ32,32が回転駆動され、これらの回転ローラ32,32と片側他方の各回転ローラ33,33に圧接挟持されたトレー10の回動レール13はこれら回転ローラ32,32、33,33の摩擦係合により、その回転方向に送り出される。このトレー10の回動レール13は横方向の向きに固定されているので、これを案内にして、まずトレー10四隅の各球状ローラ11が各ガイド手段25の中間ガイド面252上を横方向に終端側ガイド面253に向けて転動し、トレー10が水平方向に変位され、トレー10の縦方向の各ローラ11が縦方向の各レール21の上を通過すると、各球状ローラ240が終端側ガイド面253を転動して、トレー10が斜め下方に変位される。各球状ローラ240が各ガイド手段25の終端側ガイド面253を下りて終端側ガイド面253から離れると同時に、トレー10の横方向の各ローラ12が横方向のレール22上に乗って転動し、トレー10が横方向のレール22上を横方向に向けて送り駆動される。続いて、トレー10は前のトレー停止位置と次のトレー停止位置との間で、左右いずれか一方の各球状ローラ240がガイド手段25の始端側ガイド面251に乗り上げ、このガイド面251に転動案内されて、左右いずれか一方の縦方向の各ローラ11が通常のレベル(高さ)から次のトレー停止位置の縦方向のレール21の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10が斜め上方に変位される。これにより、左右いずれか一方の縦方向及び横方向の各ローラ11、12は縦方向及び横方向のレール21、22から浮上される。続いてトレー10の左右いずれか一方の各球状ローラ240が中間ガイド面252に上がると、このガイド面252に転動案内されて、左右いずれか一方の縦方向の各ローラ11が縦方向のレール21上に浮上してからこの縦方向のレール21の上を通過するまでトレー10が水平方向に変位される。そして、トレー10の左右いずれか一方の各球状ローラ240が終端側ガイド面253を下ると、このガイド面を253に転動案内されて、左右いずれか一方の横方向及び縦方向の各ローラ12、11が通常のレベル(高さ)に復帰し、横方向の各ローラ12が横方向のレール12の走行面に乗るまでトレー10が斜め下方に変位され、球状ローラ240が終端側ガイド面253から離れると同時に、トレー10の左右いずれか一方の横方向の各ローラ12が横方向のレール22上に乗って転動し、トレー10が次のトレー停止位置の横方向のレール22上を横方向に向けて送り駆動される。この間、トレー10の左右いずれか他方の横方向の各ローラ12は前のトレー停止位置の横方向のレール22上を転動される。そして、このトレー10の左右いずれか他方の各球状ローラ240が前のトレー停止位置、及び前のトレー停止位置と次のトレー停止位置との間で、同様に、各ガイド手段25を乗り越えながら、トレー10の左右いずれか他方の縦方向の各ローラ11が前の及び次のトレー停止位置の縦方向のレール21との干渉域で浮上される。このようにしてトレー10が次のトレー停止位置に入ると、前側及び後側の各球状ローラ240が前側及び後側の各ガイド手段25の始端側ガイド面251に乗り上げ、このガイド面251に転動案内されて、前側及び後側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が通常のレベル(高さ)から次のトレー停止位置の縦方向及び横方向のレール21、22の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10が斜め上方に変位され、各球状ローラ240が各中間ガイド面252に上がると、このガイド面252に転動案内されて、前側及び後側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が縦方向及び横方向の各レール21、22上に浮上され、トレー10が水平方向に変位されて、各球状ローラ240が各中間ガイド面252中心の凹状のストッパー254に嵌入されて停止される。そして、トレー10は下面の回動レール13が動作停止状態の各トレー駆動装置30の一対の回転ローラ32、33に圧接挟持されてロックされる。このようにしてトレー10が横方向のレール21上を横方向に移動される。
次に、このトレー送り機構1を適用したパズル式の平面循環式駐車装置について図7を用いて説明する。図7において、自動車の格納階層の駐車スペース40には縦方向のレール21と横方向のレール22がマトリックス状に敷設され、これら縦方向のレール21、横方向のレール22により複数の駐車区画41が形成される。駐車スペース40の各駐車区画41の中心に、トレー駆動装置30が設置され、トレー10の回動レール13、さらに固定レール15を両側から挟持してトレー10を送り出すトレー送り出し装置31と、トレー送り出し装置31を回動変位してトレー送り出し装置31により挟持されたトレー10の回動レール13を水平面上の縦方向又は横方向に転換する回動レール方向転換装置36とを備える。また、各駐車区画41の略四隅にガイド手段25が設置される。なお、42はリフトであり、自動車の入出庫階と自動車の格納階層との間に設置され、その昇降台43上に各自動車の格納階層においてリフトの昇降路に隣接する各駐車区画41の縦方向のレール21、横方向のレール22に連結可能な縦方向のレール21、横方向のレール22と、各駐車区画41と同じトレー駆動装置30とを備える。なお、トレー10を縦方向又は横方向のいずれか一方にのみ送る駐車区画41については、回動レール方向転換装置36は不要であり、トレー10を単に縦方向又は横方向に送るだけのトレー送り出し装置31が設置される。この場合、ガイド手段25はトレー10の送り方向にのみ3つのガイド面251、252、253を備えればよい。これらの駐車区画41のうち、少なくとも1駐車区画41を空区画(トレー10を置かない区画)にして他の駐車区画41に自動車載置用のトレー10が配置される。各トレー10の下面には縦方向及び横方向の各ローラ11、12、回動レール13、固定レール15、ロック装置16、さらに転動手段24(球状ローラ240)が設けられる。
この平面循環式駐車装置の場合、通常(運転を停止している間は)、各駐車区画41のトレー10は待機状態になっている。各トレー10はトレー10下面四隅の各球状ローラ240が各駐車区画41四隅のトレー送り補助ガイド23をなすガイド手段25(中間ガイド面252)上に乗り、ガイド手段25中心の凹状のストッパー254に嵌入されて静止され、各トレー10がこれらトレー送り補助ガイド23に支持されることによって、縦方向及び横方向の各4ローラ11、12が縦方向及び横方向の各レール21、22上に浮上される。さらに、各トレー10は下面の回動レール13が動作停止状態の各トレー駆動装置30の一対の回転ローラ32、33に圧接挟持されてロックされ、各駐車区画41上で完全に停止される。
自動車の入庫又は出庫に際して、図示されない制御盤の制御に基づいて、自動車の入出庫運転が行われる。まず、駐車スペース40の空区画及びこれに隣接する1箇所又は複数箇所の駐車区画41のトレー駆動装置30が作動され、1箇所又は複数箇所の駐車区画41上の1台又は複数台のトレー10が空区画に向けて送られる。
このとき、トレー10の回動レール13が空区画の方向に向けられている場合、即時、トレー送り出し装置31が作動され、駆動モータ35の1駆動により片側一方の各回転ローラ32,32が回転駆動され、これらの回転ローラ32,32と片側他方の各回転ローラ33,33に圧接挟持されたトレー10の回動レール13はこれら回転ローラ32,32、33,33の回転方向に送り出される。
ここで空区画は例えば縦方向の駐車区画41で、トレー10の回動レール13が縦方向に固定されている場合、トレー10の回動レール13は一対の回転ローラ32,32、33,33により縦方向に送り出される。この回動レール13に案内されて、トレー四隅の各球状ローラ240が各ガイド手段25の中間ガイド面252上を縦方向に終端側ガイド面253に向けて転動し、トレー10が水平方向に変位され、トレー10の横方向の各ローラ12が横方向の各レール22の上を通過すると、各球状ローラ240が終端側ガイド面253を転動して、トレー10が斜め下方に変位される。各球状ローラ240が各ガイド手段25の終端側ガイド面253を下りて終端側ガイド面253から離れると同時に、トレー10の縦方向の各ローラ11が縦方向のレール21上に乗って転動し、トレー10が縦方向のレール21上を縦方向に向けて送り駆動される。続いて、トレー10は前の駐車区画41と次の駐車区画41との間で、前側の各球状ローラ240がガイド手段25の始端側ガイド面251に乗り上げ、このガイド面251に転動案内されて、前側の横方向の各ローラ12が通常のレベル(高さ)から次の駐車区画41の横方向のレール22の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10が斜め上方に変位される。これにより、前側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12は縦方向及び横方向のレール21、22から浮上される。続いてトレー10の前側の各球状ローラ240が中間ガイド面252に上がると、このガイド面252に転動案内されて、前側の横方向の各ローラ12が横方向のレール22上に浮上してからこの横方向のレール22の上を通過するまでトレー10が水平方向に変位される。そして、トレー10の前側の各球状ローラ240が終端側ガイド面253を下ると、このガイド面を253に転動案内されて、前側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が通常のレベル(高さ)に復帰し、縦方向の各ローラ11が縦方向のレール21の走行面に乗るまでトレー10が斜め下方に変位され、前側の各球状ローラ240が終端側ガイド面253から離れると同時に、トレー10の前側の縦方向の各ローラ11が縦方向のレール21上に乗って転動し、トレー10が次の駐車区画41の縦方向のレール21上を縦方向に向けて送り駆動される。この間、トレー10の後側の縦方向のローラ11は前の駐車区画41の縦方向のレール21上を転動される。トレー10の回動レール13が終端まで送り出されると、続いて固定レール15(トレー10の送り方向に応じて前側固定レール151又は後側固定レール152)が一対の回転ローラ32,32、33,33に挟持され、これが同様にして送り出され、トレー10全体が縦方向のレール20上を縦方向に向けて移動される。この一方の固定レール15の全長が送り出しされる前に、他方の固定レール(トレー10の進行方向前側の固定レール)15が空区画のトレー駆動装置31に係合し、その一対の回転ローラ32,32、33,33に挟持され、これが同様にして送り出される。一方の固定レール(トレー10の進行方向後側の固定レール)15の全長の送り出しが終わると、このトレー10の他方の固定レール(トレー10の進行方向前側の固定レール)15が次の駐車区画41のトレー駆動装置31により送り出され、この固定レール15に案内されてトレー10四隅の縦方向の各ローラ11がさらに縦方向のレール21上を転動し、トレー10全体がさらに縦方向のレール21上を縦方向に向けて移動される。この固定レール15の全長が送り出されると、続いて回動レール13が一対の回転ローラ32,32、33,33に挟持され、これが同様にして送り出される。そして、このトレー10の後側の各球状ローラ240が前の駐車区画41、及び前の駐車区画41と次の駐車区画41との間で、同様に、各ガイド手段25を乗り越えながら、トレー10の後側の横方向の各ローラ12が前の及び次の駐車区画41の横方向のレール22との干渉域で浮上される。このようにしてトレー10が次の駐車区画41に入ると、前側及び後側の各球状ローラ240が前側及び後側の各ガイド手段25の始端側ガイド面251に乗り上げ、このガイド面251に転動案内されて、前側及び後側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が通常のレベル(高さ)から次の駐車区画41の縦方向及び横方向のレール21、22の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10が斜め上方に変位され、各球状ローラ240が各中間ガイド面252に上がると、このガイド面252に転動案内されて、前側及び後側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が縦方向及び横方向の各レール21、22上に浮上され、トレー10が水平方向に変位されて、各球状ローラ240が各中間ガイド面252中心の凹状のストッパー254に嵌入されて停止される。そして、トレー10は下面の回動レール13が動作停止状態の各トレー駆動装置30の一対の回転ローラ32、33に圧接挟持されてロックされる。このようにしてトレー10が縦方向のレール21上を縦方向に1トレー分だけ移動される。なお、複数台のトレー10の場合、各トレー10が順次又は同時に、同様の動作により同じ方向に移動される。
また、空区画が横方向の駐車区画41で、トレー10の回動レール13が横方向に固定されている場合は、トレー10の回動レール13は一対の回転ローラ32,32、33,33により横方向に送り出される。この回動レール13に案内されて、トレー10四隅の各球状ローラ240が各ガイド手段25の中間ガイド面252上を横方向に終端側ガイド面253に向けて転動し、トレー10が水平方向に変位され、トレー10の縦方向の各ローラ11が縦方向の各レール21の上を通過すると、各球状ローラ240が終端側ガイド面253を転動して、トレー10が斜め下方に変位される。各球状ローラ240が各ガイド手段25の終端側ガイド面253を下りて終端側ガイド面253から離れると同時に、トレー10の横方向の各ローラ12が横方向のレール22上に乗って転動し、トレー10全体が横方向のレール22上を横方向に向けて移動される。続いて、トレー10は前の駐車区画41と次の駐車区画41との間で、左右いずれか一方の各球状ローラ240がガイド手段25の始端側ガイド面251に乗り上げ、このガイド面251に転動案内されて、左右いずれか一方の縦方向の各ローラ11が通常のレベル(高さ)から次の駐車区画41の縦方向のレール21の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10が斜め上方に変位される。これにより、左右いずれか一方の縦方向及び横方向の各ローラ11、12は縦方向及び横方向のレール21、22から浮上される。続いてトレー10の左右いずれか一方の各球状ローラ240が中間ガイド面252に上がると、このガイド面252に転動案内されて、左右いずれか一方の縦方向の各ローラ11が縦方向のレール21上に浮上してからこの縦方向のレール21の上を通過するまでトレー10が水平方向に変位される。そして、トレー10の左右いずれか一方の各球状ローラ240が終端側ガイド面253を下ると、このガイド面を253に転動案内されて、左右いずれか一方の横方向及び縦方向の各ローラ12、11が通常のレベル(高さ)に復帰し、横方向のローラ12が横方向のレール22の走行面に乗るまでトレー10が斜め下方に変位され、左右いずれか一方の各球状ローラ240が終端側ガイド面253から離れると同時に、トレー10の左右いずれか一方の横方向の各ローラ12が横方向のレール21上に乗って転動し、トレー10が次の駐車区画41の横方向のレール22上を横方向に向けて送り駆動される。この間、トレー10の後側の横方向のローラ12は前の駐車区画41の横方向のレール22上を転動される。トレー駆動装置30によりトレー10の回動レール13の全長が送り出される前に、この回動レール13の一方端(トレー10の進行方向前側の端部)が次の駐車区画41のトレー駆動装置31に係合し、その一対の回転ローラ32,32、33,33に挟持され、これが同様にして送り出される。前の駐車区画41のトレー駆動装置30で回動レール13の全長の送り出しが終わると、この回動レール13の他方端(トレー10の進行方向前側の端部)が次の駐車区画41のトレー駆動装置31により送り出され、この回動レール13に案内されてトレー10四隅の横方向の各ローラ12がさらに横方向のレール22上を転動し、トレー10全体がさらに横方向のレール22上を横方向に向けて移動される。そして、このトレー10の左右いずれか他方の各球状ローラ240が前の駐車区画41、及び前の駐車区画41と次の駐車区画41との間で、同様に、各ガイド手段25を乗り越えながら、トレー10の左右いずれか他方の縦方向の各ローラ11が前の及び次の駐車区画41の縦方向のレール21との干渉域で浮上される。このようにしてトレー10が次の駐車区画41に入ると、左右両側の各球状ローラ240が左右両側の各ガイド手段25の始端側ガイド面251に乗り上げ、このガイド面251に転動案内されて、縦方向及び横方向の各ローラ11、12が通常のレベル(高さ)から次の駐車区画41の縦方向及び横方向のレール21、22の上の所定のレベル(高さ)に浮上するまでトレー10が斜め上方に変位され、各球状ローラ240が各中間ガイド面252に上がると、このガイド面252に転動案内されて、縦方向及び横方向の各ローラ11、12が縦方向及び横方向の各レール21、22上に浮上され、トレー10が水平方向に変位されて、各球状ローラ240が各中間ガイド面252中心の凹状のストッパー254に嵌入されて停止される。そして、トレー10は下面の回動レール13が動作停止状態の各トレー駆動装置30の一対の回転ローラ32、33に圧接挟持されてロックされる。このようにしてトレー10が横方向のレール21上を横方向に1トレー分だけ移動される。なお、複数台のトレー10の場合、各トレー10が順次又は同時に、同様の動作により同じ方向に移動される。
また、トレー10の回動レール13が空区画に向けられていない場合は、トレー駆動装置30が回動レール方向転換装置36(モータシリンダ38の1駆動)により回動変位され、一対の回転ローラ32,32、33,33に挟持されたトレー10の回動レール13が空区画に向けて方向転換される。なお、回動レール13の回動が開始されるときに、回動レール13の回転方向の動きにより、トレー10の係止突起17と回動レール13の係止凹部14との係合が外される。このようにして回動レール13は縦方向又は横方向のレール21又は22から横方向又は縦方向のレール22又は21に向けて90度回動され、同時にこの回動レール13はロック装置16の係止突起17と係止凹部14との弾性係合によりロックされ、この回動レール13の向きが固定される。続いて、トレー駆動装置31が作動され、駆動モータ35の1駆動により片側一方の各回転ローラ32,32が回転駆動され、これらの回転ローラ32,32と片側他方の各回転ローラ33,33に圧接挟持されたトレー10の回動レール13はこれら回転ローラ32,32、33,33の回転方向に送り出される。この送り出し動作については既に述べたとおりである。なお、複数台のトレー10の場合、各トレー10が順次又は同時に、同様の動作により同じ方向に移動される。
このようにして1台又は複数台のトレー10が空区画に向けて縦方向又は横方向に向けて移動するトレー10の送り動作が繰り返されることにより、入庫又は出庫のトレー10はリフト42まで移動される。入庫又は出庫のトレー10がリフト42の昇降台43に載せられると、昇降台43は自動車の入出庫階まで上昇又は下降され、自動車の入出庫階で自動車が入庫又は出庫される。
このように上記実施の形態によれば、トレー送り機構1に、トレー側でトレー側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12に近接する位置に、少なくともトレー送り経路上の縦方向及び横方向の各レール21、22よりも高い位置に、トレー10の送り方向に向けて配設された転動手段24と、トレー送り経路側で縦方向及び横方向の各レール21、22に近接する位置に、少なくともトレー側の各ローラ11、12とトレー送り経路上の各レール21、22との干渉域だけ転動手段24を乗り上げて、トレー側の各ローラ11、12をトレー送り経路上の各レール21、22の上に浮上案内するガイド手段25とを備え、トレー10をトレー側の各ローラ11、12とトレー送り経路上の各レール21、22との干渉域で浮上させるので、トレー側の各ローラ11、12とトレー送り経路上の各レール21、22との干渉を、大きな衝撃を伴うことなく回避することができる。したがって、トレー10の送りを一層円滑かつ迅速に行うことができ、トレー10の送り動作を向上させることができる。特に、転動手段24は球状ローラ240で構成され、ガイド手段25がトレー10の送り方向に略台形の断面形状に形成され、トレー10の転動手段24を転動案内して、トレー側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が通常のレベルからトレー送り経路上の縦方向及び横方向の各レール21、22の上の所定のレベルに浮上するまでトレー10を斜め上方に変位させる始端側ガイド面251と、トレー側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12がトレー送り経路上の縦方向及び横方向の各レール21、22の上に浮上してこれを通過するまでトレー10を水平方向に変位させる中間ガイド面252と、トレー側の縦方向及び横方向の各ローラ11、12が通常のレベルに復帰するまでトレー10を斜め下方に変位させる終端側ガイド面253とにより構成されるので、全体が簡易な構成で、トレー10をトレー側の各ローラ11、12とトレー送り経路上の各レール21、22との干渉域で確実に浮上させることができる。さらに、ガイド手段25の中間ガイド面252上に転動手段24に係合可能なストッパー254が設けられるので、このストッパー254でトレー10の転動手段24の動きを規制して、トレー10をトレー停止位置上に確実に位置決めすることができる。
またさらに、このトレー送り機構1では、トレー10の下面に縦方向及び横方向の各ローラ11、12と回動レール13及びそのロック装置16とを設け、トレー送り経路を縦方向のレール21と横方向のレール22とにより形成し、このトレー送り経路上に簡易な構成のトレー駆動装置30を設置するだけなので、少ない部品点数ですみ、また据付調整を簡略化して、大幅なコストダウンを図ることができる。
なお、上記実施の形態では、トレー10下面に縦方向及び横方向のローラ11、12を設け、自動車を格納又は搬送する水平面上に縦方向及び横方向のレール21、22を設置しているが、これとは反対に、トレー10下面に縦方向及び横方向のレールを設け、自動車を格納又は搬送する水平面上に縦方向及び横方向のローラを設置して、トレー送りガイドを構成することもできる。
また、この実施の形態では、トレー側に転動手段24を設け、トレー送り経路側にガイド手段25を設けているが、これとは反対に、トレー送り経路側に転動手段24を設け、トレー側にガイド手段25を設けてもよい。この場合、トレー送り経路上に、転動手段24が少なくとも縦方向及び横方向のレール21、22(トレー送り経路上の部材)よりも高い位置に、トレー10の送り方向に向けて配設され、トレー10の下面に、ガイド手段25が少なくとも縦方向及び横方向のレール21、22(トレー送り経路上の部材)よりも高い位置に、トレー10の送り方向に向けて設置されて、トレー送り経路上でトレー10を送り駆動するときに、トレー側の部材とトレー送り経路上の部材との干渉域だけ、トレー10のガイド手段25がトレー送り経路上の転動手段24に乗り上げられ、転動案内されて、トレー側の部材をトレー送り経路上の部材の上に浮上案内する。このようにしても、トレー10をトレー側の部材とトレー送り経路上の部材との干渉域で浮上させることができ、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、この実施の形態では、転動手段24に球状ローラを使用しているが、これに代えてコロを多方向に転動可能に取り付けてもよく、またトレーを縦方向又は横方向に一方向にのみ送る場合は、円柱状ローラで構成されてもよい。この場合、ガイド手段25は一方向に3ガイド面251、252、253が設けられる。
また、この実施の形態では、トレー送り補助ガイド23を採用したトレー送り機構1を平面循環式駐車装置に適用した場合を例示しているが、このトレー送り補助ガイド23及びトレー送り機構1は、平面循環式駐車装置に限定して使用されるものではなく、平面往復式、水平循環式、エレベータスライド式、エレベータ式など各種機械式駐車装置において、トレーのパズル循環が必要な箇所や、トレーの一方向の送り駆動でトレーの下方向に突出するトレー側の部材とトレーの送り方向に対して横切って配置されたトレー送り経路上の部材が干渉する箇所に適宜設置することができ、各種機械式駐車装置において上記と同様の作用効果を奏することができる。