JP4658370B2 - 金属間化合物の製造方法及びそれを用いて製造した熱電素子及び熱電モジュール - Google Patents

金属間化合物の製造方法及びそれを用いて製造した熱電素子及び熱電モジュール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属間化合物の製造方法及びそれを用いて製造した熱電素子及び熱電モジュールに関し、特に熱電特性に優れた金属間化合物の製造方法及びそれを用いて製造した熱電素子及び熱電モジュールに関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、ペルチェ効果を利用した熱電素子を用いた熱電モジュールによる冷却がレーザーダイオードの温度制御、恒温槽あるいは冷蔵庫に多用されている。この室温付近における冷却用熱電モジュールに用いられる熱電材料としては、冷却特性が優れるという観点からカルコゲナイド型A23型金属間化合物であるBi2Te3(テルル化ビスマス)の材料が一般的に用いられている。
【0003】
この熱電素子はp型およびn型を対にして用いる必要があり、p型にはBi2Te3とSb2Te3(テルル化アンチモン)との固溶体が、n型にはBi2Te3とBi2Se3(セレン化ビスマス)との固溶体が特に優れた性能を示すことが知られ、このA23型(AはBiまたはSbの1種または2種、BはTeまたはSeの1種または2種)結晶が冷却用熱電モジュール用熱電材料として広く用いられている。
【0004】
23型結晶は古くよりゾーンメルト法、一方向凝固などによって結晶粒が大きいインゴットあるいは単結晶として作製され、これをスライスしたものを用いてきたが、熱電モジュールに使用される熱電素子は数mm角の大きさに切断する際に碧開面を持つこれら結晶の多くは加工歩留まりが極めて低く、近年では加工に対する強度を保たせるためにホットプレス等により作製された多結晶体が用いられている。
【0005】
しかし、A23型結晶における熱電特性は結晶軸に対して異方性があるため、結晶方向がランダムである多結晶体では性能が低下してしまうという問題があった。そこで、単結晶並みの冷却性能を有する熱電モジュール作製のためには単結晶と同等に結晶が配向した材料を用いる必要があり、ホットフォージングによる圧延焼結によって高配向材料を作製する方法などが提案されている。
【0006】
ところが、この方法では形状異方性がある比較的大きな結晶からなる原料が必要であり、そのため焼結体の結晶が大きくなり微小素子をスライス、ダイシング加工時のチッピングは激しく加工歩留まりが低かった。そのため加工歩留まりを高めかつ熱電特性を向上させるために微粒子を結晶配向させることが望まれていたが、微粒子の場合、結晶の形状が球状に近くなるために、形状の異方性が小さく、ホットプレスのみでの配向は困難であった。
【0007】
そこで、微粒子を結晶配向させる手法として、磁性を帯びているゼーベック係数を有する材料の微粒子を材料中に固定する過程で1.8テスラ以下の磁場を印加して微粒子を一定の向きに配向させる熱電材料の製造方法が特開平5−343746号公報に示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−343746号公報で示される方法では、原料粉末が100nm以下の微粒子であることが必要で、且つ該微粒子自身が磁性を帯びていなければならない。そのため、例えば冷却用の熱電モジュールに用いられるBi2Te3等のカルコゲナイド型のA23型金属間化合物等は粒子径が1〜100μm程度と大きく、さらにBi2Te3結晶が磁性を帯びていない反磁性体であるため、1.8テスラ以下の磁場では結晶配向させることは不可能であった。
【0009】
そのため実用的な熱電モジュール等に用いられる非磁性又は反磁性のA23型金属間化合物を、磁場を用いて結晶配向させる技術がこれまで確立されていなかった。
【0010】
本発明は、結晶配向度の高い金属間化合物の製造方法及びその方法を用いて作製した熱電性能に優れた熱電素子及び熱電モジュールを実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、A23型金属間化合物粉末が非磁性または反磁性であっても、該金属間化合物粉末を含むスラリーに5テスラ以上の強い磁場を印加することによって、粉末中の結晶のC面と磁場印加方向とが平行になるように結晶配向させることが可能であるという知見に基づくものであり、そのスラリーを固化させ、焼成することで容易に配向度の高い金属間化合物及び熱電素子が得られる。
【0012】
即ち、本発明の金属間化合物の製造方法は、AがBi及び/又はSb、BがTe及び/又はSeからなる非磁性の型金属間化合物粉末を含むスラリーに対して少なくとも5テスラの磁場を印加して前記金属間化合物粉末を配向させるとともに、前記スラリーを固化して成形体を作製した後、該成形体を焼成することを特徴とするものである。これにより、配向度の高いA型金属間化合物焼結体を製造することができ、熱電特性等の特性の異方性を生かして高特性化を実現することが可能である。
【0014】
さらに、前記A23型金属間化合物粉末のレーザー回折法による平均粒子径が、20μm以下であることが好ましい。20μm以下にすることで焼結体の粒子径を小さくし、得られた金属間化合物焼結体の加工歩留まりを高めることが可能となる。
【0015】
さらに、前記成形体がI、Cl、Hg、Br、Ag及びCuのうち少なくとも1種を含む化合物を含有することが好ましい。これにより、金属間化合物を半導体化することができ、n型半導体を製造することが可能となる。また、該半導体のキャリア濃度を調整することができ、熱電特性を高めることが可能となる。
【0016】
さらにまた、前記焼成方法として、ホットプレス、パルス通電焼結、HIP焼結、ガス圧焼結のいずれかを用いることが好ましい。これらの焼成方法を用いることにより、緻密で配向度の高い金属間化合物焼結体を製造することができ、その結果、該金属間化合物焼結体を熱電素子として用いた場合、熱電性能を高めることができる。
【0017】
また、本発明の熱電素子は、上記の方法で作製された金属間化合物を主体としてなり、電流が流れる方向と平行な面のC面配向度が0.40以上であることを特徴とするものである。これにより、結晶配向による高い性能指数を有することが可能となる。
【0018】
さらに、本発明の熱電モジュールは、複数の熱電素子と、該熱電素子を挟持する一対の熱交換基板と、該熱交換基板の一主面に設けられ、前記熱電素子と電気的に接続する配線とを具備する熱電モジュールにおいて、前記熱電素子の電流が流れる方向と平行な面のC面配向度が0.40以上、性能指数が2.2×10-3/K以上であることを特徴とするものである。これにより、レーザーダイオード等の冷却用途として充分な特性を有することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の金属間化合物の製造方法において、非磁性の型金属間化合物を主成分とする粉末を原料として用いる。ここで、A型金属間化合物は、熱電素子の場合、AがBi及び/又はSb、BがTe及び/又はSe型からなる半導体結晶であって、特に組成比B/Aが1.45〜1.55であることが、室温における熱電特性を高めるために好ましい。
【0020】
例えば公知であるBi2Te3、Bi2Te3とBi2Se3の固溶体であるBi2Te3-xSex(x=0.05〜0.25)、又はBi2Te3とSb2Te3の固溶体であるBixSb2-xTe3(x=0.1〜0.6)等を好適に用いることができる。
【0021】
また、金属間化合物を効率よく半導体化するために、不純物をドーパントとして添加することができる。例えば、上記の粉末にI、Cl、Hg、Br、Ag及びCuのうち少なくとも1種を含む化合物を含有せしめることにより、n型半導体を製造することができる。これにより、金属間化合物半導体中のキャリア濃度を調整することができ、その結果、熱電特性を高めることが可能となる。
【0022】
なお、p型半導体を製造する場合には、キャリア濃度調整のためにTeを添加することができ、n型半導体と同様に、熱電特性を高めることができる。
【0023】
本発明によれば、原料として前記A23型金属間化合物粉末を主成分とし、これに溶媒、分散剤を加えてスラリーを作製する。このスラリーにスラリー中に含まれる金属間化合物粒子を強磁場によって配向せしめることが重要である。
【0024】
磁場は、本発明の非磁性体の金属間化合物粒子である場合、5テスラ(以下、Tで表す)以上の磁場を用いることが必要である。印加する磁場が5T未満のとき、BiTe等の磁化率異方性が非常に小さい粒子では配向が十分されず、特に7T以上、さらには9T以上が配向度を高める上で好ましい。
【0025】
このときに用いる原料のA23型金属間化合物の平均粒子径(累積重量比50%のときの粒子径)の平均が、レーザー回折法で20μm以下、特に15μm以下、更には10μm以下であることが好ましい。これにより、粒子の回転を促進し、高い配向度を得ることが容易になるとともに、焼結体の粒子径を小さくし、切断を行ったときに欠けや割れを防止でき、加工歩留まりを高めることができる。
【0026】
なお、磁場発生装置は、特に制限されるものではなく、一般の超伝導磁石を備えた装置を使用することができるが、磁場は平行磁場であることが、配向度を高める点で好ましい。さらに、磁場の方向、即ち磁力線の向きと金属間化合物粒子の配向する方向は化合物の種類やその結晶構造によって異なるため、特に指定されるべきものではなく、化合物の種類に応じて対応すればよい。
【0027】
ただし、本発明によれば、Bi2Te3-xSex(x=0.05〜0.25)、又はBixSb2-xTe3(x=0.1〜0.6)の場合、C軸が磁場の向きに揃う向きに、すなわち化合物のC面が磁場の向きと垂直な向きに配向する。
【0028】
また、スラリー中の粒子を磁場中で配向させるとともに、スラリーを固化して成形することが重要である。成形には、磁場発生装置内でドクターブレード法、カレンダーロール法、圧延法、押し出し成形法、鋳込み成形法、射出成形法等の周知の成形方法を用いることができる。これらの中で、特に鋳込み成形法、射出成形法が好ましい。
【0029】
次に、得られた成形体を焼成して、主結晶を配向させた金属間化合物焼結体を得ることが重要である。焼成は、ホットプレス、ガス圧焼結法、プラズマ焼結法、パルス通電焼結法(PECS)、HIP焼結法(熱間静水圧焼結法)等を用いることができるが、特に密度及び配向度を高める上でホットプレス、パルス通電焼結法、HIP焼結法、ガス圧焼結法が望ましい。
【0030】
焼成温度は、金属間化合物の融点よりも100℃程度低い温度で焼結させることが好ましく、例えば、Bi2Te3であれば400〜500℃、Bi0.5Sb1.5Te3であれば400〜480℃が望ましい。
【0031】
なお、原料中の板状結晶、金属粉末及び合金粉末の表面の酸化物層や吸着酸素を取り除くため、焼成を行う前に、あらかじめ還元雰囲気で熱処理することが好ましい。例えばBi2Te3-xSex(x=0.05〜0.25)、又はBixSb2-xTe3(x=0.1〜0.6)の場合、水素やフォーミングガス等のガス雰囲気中で300℃〜400℃、1〜12時間の還元処理を行うことにより粒子表面の酸素を取り除くことができ、これにより、配向度を高め、より緻密で特性の優れた焼結体が得られる。また、熱電素子に対しては、この還元処理によって比抵抗が下がり、性能指数を高めることができる。
【0032】
また、焼成に際しては、成形体中の主結晶粒子は焼成時に結晶成長し、複数の結晶粒子が合体して一つの結晶を形成するが、その時により大きな種結晶が所定の方向に配向していると、その周囲に存在する主たるセラミック結晶粉末も同じ配向方向に成長が進むようになる。
【0033】
例えば、Bi2Te3の場合、C面が大きくなるように成長し、成長の過程で板状結晶のアスペクト比が大きくなるように結晶成長する。そのため、本発明品の配向性熱電素子では成形体において板状結晶の主平面(C面)が磁場に対して垂直になる向きに配向しているために焼結体ではより大きなC面配向が得られる。
【0034】
上記のようにして作製された本発明の金属間化合物は、高い配向を有するA23型結晶からなる焼結体であり、その配向は、磁場印加方向に対して垂直な面のC面配向度が0.40以上、特に0.60以上、更には0.90以上になる。
このような配向性を有する金属間化合物は熱電素子として用いた場合、C面方向の電気伝導度が高いためにC面方向の熱電特性が高いという特徴を有する。
【0035】
なお、ここで、配向度とは、X線回折により得られたI(006)、I(015)、I(0015)のピーク強度をそれぞれ求め、これらのピーク強度の和に対し、I(006)とI(0015)の割合を示し、以下の式で与えられるfで表されるものである。
f=I(006)+I(0015)/I(006)+I(015)+I(0015)
また、本発明の熱電素子は、上記の製造方法で作製された金属化合物が主体となり、電流が流れる方向と平行な面のC面配向度が0.40以上であることを特徴とするものであり、高い配向性を有するため、熱電素子として高い熱電性能指数を有することができる。特に、C面配向度が0.60以上、更には0.90以上であることが好ましい。
【0036】
ここで、性能指数Zとは、ゼーベック係数をS、抵抗率をρ、熱伝導率をkとしたとき、Z=S2/ρkで定義されるもので、熱電素子を冷却素子あるいは発電素子として用いる場合の効率を示すものである。
【0037】
さらに、本発明の熱電モジュールは、複数の熱電素子と、該熱電素子を挟持する一対の熱交換基板と、該熱交換基板の一主面に設けられ、前記熱電素子と電気的に接続する配線とを具備する熱電モジュールにおいて、前記熱電素子の電流が流れる方向と平行な面のC面配向度が0.40以上、性能指数が2.2×10-3/K以上である。即ち、複数のn型熱電素子及びp型熱電素子がそれぞれ同数ずつ適当な間隔を置いて並び、それぞれが直列に電気接続され、外部電極に連結しており、熱電素子の両端部が熱交換基板によって挟持されている構造を有している。
【0038】
そして、n型及びp型の熱電素子において、それぞれ電流が流れる方向に対して平行な面のC面配向度が0.40以上、性能指数が2.2×10-3/K以上であることにより、熱電素子として優れた性能を発現できる。特に、C面配向度が0.60以上、更には0.90以上、熱電性能指数が2.5×10-3/K以上、更には2.8×10-3/K以上であることが好ましい。
【0039】
【実施例】
実施例1
原料粉末として、n型熱電素子のために、平均粒子径200μm以上、純度99.99%以上のBi2Te3結晶に添加剤としてAgI、CuBr、SbI3、SbCl3、SbHg3、SbBr3、HgBr2、Teを0.06〜2重量%加えたもの、また、p型熱電素子のために、純度99.99%以上のBi0.5Sb1.5Te3結晶を準備した。
【0040】
上記の200gの原料を溶媒及びボールと共にポリエチレン容器に入れた。溶媒にはイソプロパノール、ボールには窒化ケイ素を用いた。振動ミルを用いて1〜72時間の粉砕を行った。得られたスラリーを80℃で乾燥後、篩通しを行って混合粉末を得た。
【0041】
得られた粉末の平均粒子径をレーザー回折法にて求めた。粉末は溶媒をターペンとし、分散性を高めるために脂肪酸エステルを含む分散剤を粉末に対して0.5重量%添加し、キーエンス製のハイブリッドミキサーを用いて固体含有率が35容量%となるように混合、脱泡し、成形用スラリーを作製した。
【0042】
スラリーは内径30mm、高さ10mmの石膏型にスラリーを30cc流し込み、磁場を印加しながら鋳込み成形を行った。磁場の発生は、ボア径100mm、10Tの磁場が発生可能な冷凍機型磁場印加装置を用い、石膏型を磁場に対して垂直になるように装置内に配設し、表1に示す条件で鋳込み成形を行った。
【0043】
なお、磁力は磁石の中心部からの距離による変化率をあらかじめ測定しておき、石膏型の配置位置により変化させた。着肉後、成形体を石膏型から取り出し、窒素中、60℃で48時間乾燥し成形体を得た。
【0044】
成形体を水素気流中、350℃で24時間熱処理を行った後、表1に示す条件にてAr雰囲気での加圧焼成(GPS)、ホットプレス(HP)、等方加圧焼結(HIP)、成形体の上下にパルスの大電流(〜2000A)を通電させ焼結させるパルス通電焼結(PECS)により焼成した。このときホットプレス、パルス通電焼結におけるプレスの加圧方向は磁場の印加方向と同じ方向とした。
【0045】
焼結体はプレス方向に対して垂直な方向に対して幅3mm、長さ15mm、厚み2.5mmの直方体を作製し、真空理工(株)製熱電特性評価装置にてゼーベック係数及び比抵抗を25℃の条件下で測定した。熱伝導率測定には、直径10mm、厚み1mmの円板試料を作製し、レーザーフラッシュ法により25℃の条件下で測定した。
【0046】
また、熱電性能指数Zは、式Z=S2/ρk(Sはゼーベック係数、ρは抵抗率、kは熱伝導率である)より算出した。
【0047】
さらに、C面配向度fの測定には、上記角柱試料を用い、主平面における結晶配向を求めた。即ち、幅3mm、長さ15mmの面をX線回折で測定し、得られたピーク強度から以下の式
f=I(006)+I(0015)/I(006)+I(015)+I(0015)
を用いて算出した。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0004658370
【0049】
本発明の試料No.4〜11、13〜26は、配向度が0.4以上、性能指数が2.6×10-3/K以上と大きかった。
【0050】
一方、印加する磁場が5Tよりも小さい試料No.1〜3および12は、配向度が0.26以下、性能指数が2.11×10-3/K以下といずれも低かった。
【0051】
実施例2
実施例1と同様にして作製したC面配向度が高く、性能指数の高い試料No.7及び11を用いてn型、p型それぞれ18対の縦1.2mm、横1.2mm及び高さ2mmの熱電素子を切り出した。なお、このとき長手方向側面にC面配向する方向に切り出した。
【0052】
それぞれの素子にNi電極をメッキしたのち、Sn−Pbはんだを用いて片面にNiメッキされたCu電極が配線された縦10mm、横12mmのアルミナ基板上にn型、p型が対になるように接合し、電極の端面にリード線をはんだ付けし、熱電モジュールを組み立てた。
【0053】
モジュールの評価は電流値を変化させたときに、放熱面の温度を27℃と一定にしたときの冷却面における温度から放熱面と冷却面の温度差を求めた。結果は73℃であり、レーザーダイオード冷却用ペルチェ素子として充分な性能を有していた。
【0054】
比較例
試料No.3及び12を用いてn型、p型それぞれ18対の縦1.2mm、横1.2mm、高さ2mmの熱電素子を同様にして切り出した。なお、このとき長手方向側面にC面配向する方向に切り出した。
【0055】
評価は、実施例2と同様にして行った。結果は温度差が63℃と冷却性能が本発明品と比べて劣っており、レーザーダイオード冷却用として使用できないレベルのものであった。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、A型金属間化合物粉末が非磁性であっても、該金属間化合物粉末を含むスラリーに5T以上の強い磁場を印加することによって、粉末中の結晶のC面と磁場印加方向とが平行になるように結晶配向させることが可能であり、配向度の高い金属間化合物及び熱電性能指数の高い熱電素子が実現できる。

Claims (6)

  1. AがBi及び/又はSb、BがTe及び/又はSeからなる非磁性の型金属間化合物粉末を含むスラリーに対して少なくとも5テスラの磁場を印加して前記金属間化合物粉末を配向させるとともに、前記スラリーを固化して成形体を作製した後、該成形体を焼成することを特徴とする金属間化合物の製造方法。
  2. 前記A型金属間化合物粉末のレーザー回折法による平均粒子径が、20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属間化合物の製造方法。
  3. 前記成形体がI、Cl、Hg、Br、Ag及びCuのうち少なくとも1種を含む化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属間化合物の製造方法。
  4. 前記焼成方法として、ホットプレス、パルス通電焼結法、HIP焼結法、ガス圧焼結法のいずれかを用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金属間化合物の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法で作製された金属間化合物を主体としてなり、電流が流れる方向と平行な面のC面配向度が0.40以上であることを特徴とする熱電素子。
  6. 複数の請求項5に記載の熱電素子と、該熱電素子を挟持する一対の熱交換基板と、該熱交換基板の一主面に設けられ、前記熱電素子と電気的に接続する配線とを具備する熱電モジュールであって、前記熱電素子の電流が流れる方向と平行な面のC面配向度が0.40以上、熱電性能指数が2.2×10−3/K以上であることを特徴とする熱電モジュール。
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