JP4657065B2 - タイヤ成形用金型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ成形用金型の製造方法に関するものである。更に詳しくは、鋳造製法で製作されるタイヤ成形金型の製造工程において、原型、鋳型、ゴム型をタイヤ形状の最小構成単位である『ピッチ』単位の大きさで製作・複製し、これらを組み立てることで必要な大きさの原型、鋳型、ゴム型を得る技術に関するものである。
タイヤ成形用金型は、その分割方法から、タイヤ形状を幅方向に2分割するタイプの2ピースモールド(上下分割型)と、円周方向で7〜13程度に分割するセクショナルモールド(上下一体型)との2種類に大別される。これらの金型は、機械加工では対処しづらい形状(鋭い角を持った、凹ブロック形状や、サイプブレードと称する薄肉凸形状)を多数有している事から、精密鋳造法で製作される事が多い。精密鋳造法により製作されるタイヤ成形用金型には以下の2種類が主なものとして存在している。
その一つは、石膏材に各種耐火材を混練し、これを水に混ぜあわせてスラリー化し、ゴム型等に注型して凝結・硬化させ、石膏鋳型を作成し、石膏鋳型が鋳造に耐え得る融点の金属材で、タイヤを構成するゴム材と反応・融着し辛く、適度な強度を持った材質であるアルミ合金を鋳造する事で得られるもの(いわゆる石膏鋳造法品)である。
他の一つは、エチルシリケートやコロイダルシリカをバインダー(粘結材)とし、これに各種耐火材を混練、スラリー状としたものをゴム型等に注型し、硬化させた後脱型する事でセラミック鋳型を作成し、セラミック鋳型の特徴である高い耐火性を利用して、比較的高い融点の金属材で、タイヤを構成するゴム材と反応・融着し辛く、高い強度特性を持った材質である鉄系合金を鋳造する事で得られるもの(いわゆるセラミック鋳造法品)である。
現状では、鋳型の段階での切断加工や組み立てが可能である石膏鋳造法品が圧倒的に多数派であると言える。その理由を以下に説明する。
タイヤは通常、円周方向に数十分割した大きさの基本デザイン(ピッチデザイン)をS,M,Lなどの複数種類の幅寸法に拡大・縮小して、これらをランダムに組み合わせて360°のデザインを構成させる事が多い。これは、タイヤ走行時のデザインの共振等による騒音発生を防止する為に採用されるものであるが、鋳造法で金型を製作する場合、このタイヤ形状の原型(マスターモデル)を必要とする事となる。
石膏鋳造法の場合には、鋳型の時点での切断加工や組み立てが可能である為、原型の製作工数と、鋳型での反転の繰り返し,及び鋳型組み立てに関する工数の総和が極少となる様に、最も効率の良い原型の大きさ(S,M,Lのピッチデザインを適宜連結する事で得られる組み合わせ形状)を決定し、これに基づき原型を作成し、ゴム型反転を介して、鋳型にて必要個数の反転品を作成し、鋳型の段階で角度切断,リング状組み立てし、鋳造によりタイヤ金型の分割形態の一つを、継ぎ目の無い『連続体』鋳物として製作する事ができ、タイヤ金型製作工数上コストミニマムの対応をする事が出来ると言う特徴がある。なお、この基本製法の詳細は、本発明者の特許第3165137号公報(特許文献1)に開示されている。
例えば、S,M,Lの3種類のピッチバリエーションで、Sピッチ11ヶ,Mピッチ10ヶ,Lピッチ9ヶ の計30ピッチからなるタイヤ金型を製作するのに必要最低限の原型は、S,M,Lピッチ各1ヶ分ずつであるが、これだと各原型から反転作成したゴム型から、Sピッチで11ヶ,Mピッチで10ヶ,Lピッチで9ヶの鋳型を反転しなければならず、また、鋳型組み立てでも合計30ヶものピースを組み立てなければならない事から、鋳型工程での効率が悪すぎる事になる。逆に原型を30ピッチ分作成する事は原型工程での効率が悪くなりすぎる。
しかし特許文献1の技術を用いれば、効率的にリング鋳物を製造することができる。
例えば図1の様なピッチバリエーションのリング金型を石膏鋳造法により製作したい場合には、図2の様なSSMMのピッチ配列を持つ原型Xと、SSLLのピッチ配列を持つ原型Yとの原型2ブロック分を作成し、これらから図3のように注型反転して得たゴム型X,ゴム型Yから、それぞれ6ヶ,5ヶ計11ヶの石膏鋳型を注型製作し、図4の様なイ〜ルのパーツの角度切り出しを行い組み立て、これを図5のようにリング組み立てして鋳枠で囲み鋳造する事で、効率的にリング鋳物を製作する事が出来る。
このように、石膏鋳造法による特許文献1の製法は、原型・ゴム型・鋳型全ての製作工数の和が極小となる事を可能とするものである。しかしながら、この方法では鋳型を所定の角度に切断加工しなくてはならない。このため、下記のような根本的な問題点を持っていた。
(1)鋳型切断加工が出来ないセラミック鋳造法には採用出来ない。
(2)鋳型切断加工時に、鋳型の微小デザインを欠損させてしまう危険性が高い。
(3)ピッチバリエーションの数が増えてくると、必要な原型が360degに近づいてきてしまい、原型製作数を削減するという本来の目的を達成できない。
特許第3165137号公報
本発明は、この様な状況下で完成されたものであり、その第一の目的は、必要最小限の大きさの原型で、鋳型切断加工を必要とせず、従来製法の様なタイヤ金型鋳造製法が採用出来る技術を提供する事にある。またその第二の目的は、該当製法内のピース状の原型・ゴム型・鋳型の組み立て時に、円周方向およびタイヤ幅方向寸法を拡張し、鋳物の収縮誤差分を補正できる技術を提供する事にある。
上記の課題を解決するためになされた請求項1の発明は、意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピース原型を組み立て、一つのブロックを形成する事によりタイヤ成形用金型鋳造用の原型とする工程を有するタイヤ成形用金型の製造方法であって、
(1)ピース原型1ヶに対応する形状を持たせ、
(2)その円周方向両端部を、ピース原型の分割面に対応する形状の面で、原型の意匠面形状の最深部から、深さ10〜50mm程原型を彫り込む形で溝形状を形成し、
(3)複数ピース原型分の上記(1)(2)の形状を交互に、タイヤ踏面に対応する曲面上に配置する形で、同一原型上に彫り込むことで一次意匠面原型を製作し、
(4)上記(2)(3)の工程で一次意匠面原型に彫り込まれた溝形状の最深部を結ぶ事で定義される曲面形状を持ち、一次意匠面原型と概略同等の大きさ(角度)を持った裏打ち原型を別途製作しておき、
(5)一次意匠面原型、裏打ち原型から、それぞれゴム型を反転製作し、
(6)裏打ちゴム型に複製材スラリーを注型反転する事で、複製裏打ち原型を製作し、
(7)一次意匠面ゴム型に同じく複製材スラリーを注型したのち、(6)で製作した複製裏打ち原型で、スラリーを喰い切り成形し、スラリー硬化後にピース原型を脱型し、
(8)必要数のピース原型が得られるまで、(6)(7)の工程を繰り返し、
(9)複製裏打ち原型上に、ピース原型をタイヤ金型鋳造用の原型に必要とされるピッチ配列で組みつけ、複製裏打ち原型上に接合・固定して二次原型とし、
(10)この様にして得られた二次原型を用いて、ゴム型・鋳型・鋳物反転してゆくことを特徴とするものである。
また同一の課題を解決するためになされた請求項2の発明は、意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピース鋳型を組み立て、一つのブロックまたはリングを形成する事によりタイヤ成形用金型鋳造用の鋳型とする工程を有するタイヤ成形用金型の製造方法であって、
(1)ピース鋳型1ヶに対応する形状をピース原型に持たせ、
(2)その円周方向両端部を、ピース鋳型の分割面に対応する形状の面で、原型の意匠面形状の最深部から、深さ10〜50mm程原型を彫り込む形で溝形状を形成し、
(3)複数ピース原型分の上記(1)(2)の形状を交互に、タイヤ踏面に対応する曲面上に配置する形で、同一原型上に彫り込むことで意匠面原型を製作し、
(4)(2)(3)の工程で意匠面原型に彫り込まれた溝形状の最深部を結ぶ事で定義される曲面形状を持ち、意匠面原型と概略同等の大きさ(角度)を持った裏打ち原型を別途製作しておき、
(5)意匠面原型、裏打ち原型から、それぞれゴム型を反転製作し、
(6)裏打ちゴム型に鋳型材を反転成形し、裏打ち鋳型を製作し、
(7)意匠面ゴム型に鋳型材スラリーを注型した後、裏打ち鋳型でスラリーを喰い切り成形し、スラリー硬化後にピース鋳型を脱型し、
(8)必要数のピース鋳型が得られるまで、(6)(7)の工程を繰り返し、
(9)裏打ち鋳型、ピース鋳型を必要に応じて乾燥・焼成した後、裏打ち鋳型上にピース鋳型を組み立てて行き、タイヤ金型鋳造に必要なブロック鋳型またはリング鋳型を得、
(10)この様にして得られた鋳型を用いて鋳造することを特徴とするものである。
また同一の課題を解決するためになされた請求項3の発明は、意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピースゴム型を組み立て、一つのゴム型を形成する事によりタイヤ成形用金型鋳造用のゴム型とする工程を有するタイヤ成形用金型の製造方法であって、
(1)ピースゴム型1ヶに対応する形状をピース原型に持たせ、
(2)その円周方向両端部を、ピースゴム型の分割面に対応する形状の面で、原型の意匠面形状の最深部から、深さ10〜50mm程原型を彫り込む形で溝形状を形成し、
(3)複数ピース原型分の上記(1)(2)の形状を交互に、タイヤ踏面に対応する曲面上に配置する形で、同一原型上に彫り込むことで意匠面原型を製作し、
(4)上記(1)(2)の工程で意匠面原型に彫り込まれた溝深さにピースゴム型の肉厚分を加算した高さ寸法を持ち、意匠面原型の溝部に隙間無く嵌め込む事が出来る形状の側面原型を別途製作しておき、
(5)意匠面原型に側面原型を嵌め込んだ時、側面原型の先端部を結ぶ事で定義される曲面形状を凹形状面として持ち、意匠面原型と概略同等の大きさ(角度)を持った裏打ち原型を別途製作しておき、
(6)意匠面原型に側面原型を嵌め込み、原型外周を枠で囲んだ状態でゴム材を注型し、裏打ち原型でゴム材を喰い切り成形し、ゴム材硬化後にピースゴム型を脱型し、
(7)必要数のピースゴム型が得られるまで(6)の工程を繰り返し、
(8)裏打ち原型上に、ピースゴム型を必要な配列で組みつけて行く事でブロックゴム型またはリングゴム型を得、
(9)この様にして得られたゴム型を用いて鋳型・鋳物反転してゆくことを特徴とするものである。
なお請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のタイヤ成形用金型の製造方法において、ピース状の原型・鋳型・ゴム型を組み立てる際に、ピース間に隙間を持たせる事で、組み立てあがった原型・鋳型・ゴム型の円周方向展開長やタイヤ幅方向展開長を拡大する事で、タイヤ金型用鋳物の寸法を調整することを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、上記のように二次原型を製作することにより、従来製法に比べてピッチ種類数の極めて多い物件でも、最小の大きさの原型を加工製作するだけで対応が可能となり、原型を複製・組み立てする際に難しい機械加工を必要としない為、特許第3165137号の手法よりも、遥かに簡易に二次原型を製作できる利点がある。
請求項2の発明によれば、上記の様にピース鋳型を複製して組み立てることにより、ピッチ種類数の極めて多い物件でも、最小の大きさの原型を加工製作するだけで対応が可能となり、原型を複製・組み立てする際に、難しい機械加工を必要としない為、特許第3165137号の様な手法より、簡易に鋳型を組み立てる事が出来る。また鋳型切断加工を必要としない為、セラミック鋳造法でも従来タイヤ金型製法を採用する事が出来ると言う利点がある。
請求項3の発明によれば、上記の様にピース鋳型を複製して組み立てる事で、ピッチ種類数の極めて多い物件でも、最小の大きさの原型を加工製作するだけで対応が可能となり、ゴムピースを組み立てることで、鋳型の注型反転回数を極小にする事が出来ると言う利点が生じるのである。請求項3の方式が特に優れているのは、以下に解説する様な、『大型鋳型』の一体注型反転が可能であると言う点である。
請求項4の発明によれば、ピース状の原型・鋳型・ゴム型を組み立てる際に、タイヤ金型用鋳物の寸法を調整することが可能となり、この手法により、タイヤ金型用鋳物の寸法が狙い値より小さくなり不良となってしまった場合、鋳物再製作時に、原型を製作しなおす事無く該当寸法不足分を補正することが出来る。
(請求項1の発明)
図6から図11に、請求項1の発明の実施形態を示す。請求項1の発明は、意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピース原型を組み立て、一つのブロックを形成する事によりタイヤ成形用金型鋳造用の原型とする工程を有するタイヤ成形用金型の製造方法についてのものである。
図6は請求項1の(1)〜(4)の原型製作工程を示すもので、先ず図6の上段に示すような一次意匠面原型1を製作する。なお上段右上の図は左上の図のX-X断面図であり、左上の図は一次意匠面原型1の正面図である。図6の一次意匠面原型1には、ピース原型1ヶに対応する形状を持つ意匠面形状2が4個彫り込まれている。またその円周方向両端部には、それぞれ溝形状3が彫り込まれている。これらの溝形状3は、ピース原型の分割面に対応する形状の面で、原型の意匠面形状2の最深部から、深さ10〜50mm程原型を彫り込む形で形成されている。溝形状3の加工深さ分が、後のピース原型の肉厚になる。10mm未満だとピース原型の強度特性に問題が生じてくる事、50mm超だとピース原型の材料ロスが大きくなり過ぎる事及び、後のゴム型工程で脱型しづらくなる事から、深さを10〜50mmと規定した。このように、複数ピース原型分の意匠面形状2と溝形状3とを交互に、タイヤ踏面に対応する曲面上に配置する形で、同一原型上に彫り込むことで一次意匠面原型1を製作する。
また図6の下段に示すように、一次意匠面原型1に彫り込まれた溝形状3の最深部を結ぶ事で定義される曲面形状(曲面A-A)を持ち、一次意匠面原型1と概略同等の大きさ(角度)を持った裏打ち原型4を別途製作する。
図7はゴム型工程を示す図であり、一次意匠面原型1と裏打ち原型4から、それぞれ一次意匠面ゴム型5と裏打ちゴム型6とを注型反転する。一次意匠面ゴム型5の方には、枠側面に『傾斜』形状(アンダーカット形状)を付与しない。
次に図8のように裏打ちゴム型6に複製材スラリー(モデル材)を注型反転する事で、複製裏打ち原型7を製作する。複製裏打ち原型7は、後の工程で製作する二次原型の個数分だけ製作する。
次に図9のように、一次意匠面ゴム型5に同じく複製材スラリーを注型したのち、複製裏打ち原型7で、スラリーを喰い切り成形し、スラリー硬化後にピース原型8を脱型する。この工程でスラリーを喰い切り成形する為、喰い切られたスラリー排出分をうまく排除できる溝形状を、一次意匠面ゴム型5や複製裏打ち原型7上に適宜設けておく。また、複製裏打ち原型7と硬化後のピース原型8は分離して組み立てなおす為、複製裏打ち原型7の表面には、予め離型剤を塗布しておくものとする。必要数のピース原型8が得られるまで、図9の工程を繰り返す。
ここで図10のように、ピース原型8と複製裏打ち原型7の嵌め合いを確認し、必要に応じて摺り合わせを行なう。本発明において複製裏打ち原型7をわざわざ複製する理由は、複製裏打ち原型7をピース原型8と同材質のものとし、注型反転時の膨張収縮特性を同期化し、嵌め合わせ精度を確保するため、及び複数個の裏打ちが必要な場合のコストを削減するためである。
最後に図11のように、複製裏打ち原型7上に、ピース原型8をタイヤ金型鋳造用の原型に必要とされるピッチ配列で組みつけ、複製裏打ち原型7上に接合・固定して二次原型9とする。この際、真円度特性、ピース間の位置精度を確認しながら組み付けを行なう。組み付けが終わった時点で、ピース原型8と複製裏打ち原型7を接合・固定し、ピース間に隙間等が存在する場合は、適宜充填材等を用いて補修し、二次原型9として完成させる。
この様にして得られた二次原型9を用いて、ゴム型・鋳型・鋳物反転してタイヤ成形用金型を鋳造するが、これらの工程は従来法と同様である。なお、原型の複製材料としては、石膏や各種樹脂、場合によってはゴム材を用いても良い。
上記の様にして二次原型9を製作する事で、従来製法に比べて、ピッチ種類数の極めて多い物件でも、最小の大きさの原型を加工製作するだけで対応が可能となること、原型を複製・組み立てする際に、難しい機械加工を必要としない為、特許文献1の様な手法よりも、遥かに簡易に二次原型9を製作できる利点が生じる。
(請求項2の発明)
図12から図17に、請求項2の発明の実施形態を示す。前記した請求項1の発明は、ピース原型を組み立てて二次原型9を完成させる方法であったが、請求項2の発明は、意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピース鋳型を組み立て、一つのブロックまたはリングを形成する事によりタイヤ成形用金型鋳造用の鋳型とする方法である。
請求項2の(1)から(5)までの工程は、請求項1と同一であり、従って図12と図13は請求項1の図6、図7と同じであるから説明を省略する。ただし請求項1においては一次意匠面原型1と呼んだ部材を(請求項2の発明では二次原型9が存在しないので)単に意匠面原型1と呼ぶ。そして図13のように意匠面原型1、裏打ち原型4から、それぞれゴム型を反転製作し、意匠面ゴム型10と裏打ちゴム型11を得る。
次に図14に示すように、裏打ちゴム型11に鋳型材を反転成形し、裏打ち鋳型12を製作する。裏打ち鋳型12は、意匠面形状の鋳出しに関与しない為、その材質は後に製作する意匠面鋳型材質とは異なるものを用いても良い。
次に図15に示すように、意匠面ゴム型10に鋳型材を注型し、先に製作した裏打ち鋳型12で鋳型材スラリーを喰い切り、ピース鋳型13を形成させ、スラリー硬化後にピース鋳型13を脱型する。この工程で、喰い切りに使用する為の裏打ち鋳型12は、鋳造に使用する鋳型である必要は無いので、喰い切り成形専用裏打ち型を別途製作しておいても良い。ただし裏打ち型とピース鋳型13は、後で剥がせる事が必須である。必要数のピース鋳型13が得られるまで図15の工程を繰り返す。
図16に示すように、ピース鋳型13と裏打ち鋳型12の嵌め合わせを確認しておき、必要に応じて摺り合わせをする。出来上がった裏打ち鋳型12とピース鋳型13は、乾燥(焼成)を施すが、ピース鋳型13は薄肉となる為、乾燥時の変形を防ぐ為にも、裏打ち鋳型12に嵌め合わせた状態で乾燥する事が好ましい。
最後に、図17に示すように裏打ち鋳型12上にピース鋳型13を組み立てて行き、タイヤ金型鋳造に必要なブロック鋳型またはリング鋳型を得、この様にして得られた鋳型を用いてタイヤ成形用金型を鋳造するが、この工程は従来法と同様である。
請求項2の発明は上記の様にピース鋳型13を複製して組み立てる事で、ピッチ種類数の極めて多い物件でも、最小の大きさの原型を加工製作するだけで対応が可能となること、鋳型を複製・組み立てする際に、難しい機械加工を必要としない為、特許文献1の手法より、簡易に鋳型を組み立てる事が出来ること、鋳型切断加工を必要としない為、セラミック鋳造法でも従来タイヤ金型製法を採用する事が出来ることなどの利点が生じる。
(請求項3の発明)
図18〜図22に請求項3の発明の実施形態を示す。前記した請求項1の発明は、ピース原型を組み立てて二次原型9を完成させる方法であり、請求項2の発明は、ピース鋳型を組み立ててタイヤ成形用金型鋳造用の鋳型とする方法であったが、請求項3の発明は意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピースゴム型を組み立てて一つのゴム型を形成する事により、タイヤ成形用金型鋳造用のゴム型とする工程を有するタイヤ成形用金型の製造方法である。
先ず図18に示すように意匠面原型1を製作する。請求項3の(1)から(3)の工程は請求項1、2と同様である。しかし請求項3の発明では、意匠面原型1に彫り込まれた溝深さにピースゴム型の肉厚分を加算した高さ寸法を持ち、意匠面原型1の溝部に隙間無く嵌め込む事が出来る形状の側面原型14を別途製作しておく。
更に、図19に示すように意匠面原型1に側面原型14を嵌め込んだ状態で、側面原型14の開放端部を喰いきる事が出来る曲面形状を持った裏打ち原型15も製作しておく。この裏打ち原型15は、意匠面原型1に側面原型14を嵌め込んだ時、側面原型14の先端部を結ぶ事で定義される曲面形状を凹形状面として持ち、意匠面原型1と概略同等の大きさ(角度)を持ったものである。
次に図20に示すように意匠面原型1に側面原型14を嵌め込み、原型外周を枠で囲んだ状態でゴム材を注型し、裏打ち原型15でゴム材を喰い切り成形し、ゴム材硬化後にピースゴム型16を脱型する。そして必要数のピースゴム型16が得られるまで図20の工程を繰り返す。このようにして図21のような多数のピースゴム型16を製作する。
最後に、図22のように裏打ち原型15上にピースゴム型16を必要な配列で組みつけて行く事でブロックゴム型またはリングゴム型を得、この様にして得られたゴム型を用いて従来通り鋳型・鋳物反転してゆくことでタイヤ成形用金型を得る。
請求項3の発明では上記の様にピースゴム型16を複製して組み立てる事で、ピッチ種類数の極めて多い物件でも、最小の大きさの原型を加工製作するだけで対応が可能となること、ゴムピースを組み立てることで、鋳型の注型反転回数を極小にする事が出来ることなどの利点が生じる。請求項3のピースゴム型方式が特に優れているのは、以下に解説する様な、『大型鋳型』の一体注型反転が可能であると言う点である。
図23から図25はその工程説明図であり、図23のように多数のピースゴム型16を割り構造のリング裏打ち17に組み付け、鋳型裏打ち材18を用いて鋳型材を注入する。これにより鋳型材の外周面に意匠面形状が反転される。その後、図24、25のようにリング裏打ち17を外し、更にピースゴム型16を外す。
このようにピースゴム型16と裏打ち17が脱着構造である為、従来製法では対応しづらかった『リング鋳型の注型成形・脱型』が可能となるのが、請求項3の発明の特徴と言える。なお上記模式図では、リング裏打ち17を『割構造』としているが、ピースゴム型16をタイヤ幅方向に脱型する事が出来る形状であれば、割構造ではなく一体リング裏打ちとしても当然良い。
従来製法でも、リング鋳型造型を狙う事は可能であるが、ゴム型が裏打ち材とゴム層が『密着』した構造のため、タイヤの意匠面形状である『アンダーカット形状』を持った鋳型を脱型する為には、ゴム型ブロック一ヶの大きさ(角度)を概ね60deg以下としなくてはならず、ゴム型をリング状に組み立てる際の真円度等の寸法精度確保が難しいこと、ピッチバリエーションが多い場合は、原型を殆ど360deg全周分製作しなくてはならなくなることといった問題が生じる為、実用的とは言えない。
また請求項3のようなピースゴム型方式であれば、鋳型を脱型する際、ピースゴム型一ヶ分ずつ脱型する事が出来る為、従来製法ではゴム型からの鋳型脱型が不可能であった様な、厳しいアンダーカット形状でも脱型が可能となること、従来製法では主にゴム材の柔軟性を利用してアンダーカット形状を脱型させなければならなかったのに対し、この配慮は要らなくなる為、より高硬度で寸法安定性に優れたゴム材をゴム型材料として活用する事が出来る(柔らかいゴム材ほど、硬化収縮、経時寸法変化が大きいと言う一般的傾向がある)ことなどの新たな利点が生まれることから、難形状物件を高い寸法精度で製作する事が出来る様になる。
(請求項4の発明)
請求項4の発明は、上記した請求項1の発明においてピース原型を組立てる際に、また請求項2の発明においてピース鋳型を組立てる際に、また請求項3の発明においてピースゴム型を組み立てる際に、ピース間に隙間を持たせ、組み立てあがった原型・鋳型・ゴム型の円周方向展開長やタイヤ幅方向展開長を拡大する事で、タイヤ金型用鋳物の寸法を調整することを特徴とするものである。
上記の実施形態の模式図は、全て『上下型一体構造』のピースとしたが、タイヤ幅方向にも分割したピース構造とすれば、タイヤ円周方向だけではなく、タイヤ幅方向にも寸法を拡大させることが可能となる。具体的には、ピース間に所定の肉厚のゲージ鋼板などの『シム』(隙間埋め材、挟み込み材)を挟み込んで対応すれば良い。この手法により、タイヤ金型用鋳物の寸法が狙い値より小さくなり不良となってしまった場合、鋳物再製作時に、原型を製作しなおす事無く該当寸法不足分を補正することが出来る。なお、本手法を最大限活用出来る様にする為に、鋳物での狙い寸法を許容公差の『下限値』を狙って原型の寸法を拡大しておく事が好ましい。
以下に各発明の実施例を示す。全実施例を通して製作した意匠面金型の外周形状は図26に示す寸法形状のセクショナルモールドである。基本ピッチ種類 S,M,Lの3種類、ピッチ数 Sピッチ 11ヶ,Mピッチ 10ヶ,Lピッチ 9ヶ、サイプブレード鋳包み無し、セクター分割数 7ヶで、
No.1セクター LLLL No.2セクター MMMSS
No.3セクター SLLSS No.4セクター MMMS
No.5セクター LLSM No.6セクター MSSL
No.7セクター SSMM と言うピッチ配列である。
<原型>
材質 :意匠面原型,側面原型 → 合成木材(ケミウッド材)
裏打ち原型 → アルミ合金(5052材)
寸法拡大率 : 1+(10/1000〜15/1000) 形状部位によって変化
S,M,L各1ピッチを1つのピース原型形状とし、それぞれ1ピース分ずつ意匠面原型一つの中に加工した。ピース原型の分割形状は平面として、意匠面部溝底面から深さ10mmの位置まで溝加工を施した。
<ゴム型>
材質 : 縮合型シリコーンゴム(ショアA硬度40のゴム材)
バッキング材(バッキング付きゴム型構造の場合のみ) : 石膏材 (ゴム層肉厚15mm)
<複製原型>
材質 : ノリタケジプサム製B−13石膏 パウダー1kgに対して、水600gで調合
<鋳型>
材質 : ノリタケジプサム製 G−6石膏 パウダー1kgに対して、水600gで調合
<鋳物>
材質 : AC4C材(Si:7%,Mg:0.4%,Fe:0.3%,残Al)
鋳造法 : 重力鋳造法
(実施例1:請求項1の実施例)
請求項1の手法を用いて意匠面ゴム型、裏打ちゴム型各一個を作成し、Sピッチのピース原型を10ヶ,Mピッチのピース原型を7ヶ,Lピッチのピース原型を9ヶ、複製製作し、裏打ち原型を6ヶ複製製作した。6ヶの複製裏打ち原型に対してそれぞれ、No.1,2,3,5,6,7セクターのピッチ配列となる様に、ピース原型を貼り付け、生石膏材で接合固定して、6ヶの二次原型を完成させた。これらの二次原型から各1ヶずつゴム型を製作し、No.1,3,5,6,7ゴム型からは各1ヶ、No.2ゴム型からは2ヶ石膏鋳型を作成して、鋳造に用いた。これにより、原型の加工製作数を極小化し、かつ、鋳型での切断、接合を実施する事無く、セクショナルモールドタイプのタイヤ金型を鋳造製作する事が出来た。
(実施例2:請求項2の実施例)
請求項2の手法を用いて意匠面ゴム型、裏打ちゴム型各一個を作成し、Sピッチのピース鋳型を11ヶ,Mピッチのピース鋳型を10ヶ,Lピッチのピース鋳型を9ヶ複製製作し、裏打ち鋳型を7ヶ複製製作した。鋳型を乾燥させた後、7ヶの裏打ち鋳型に対してそれぞれ、No.1〜7セクターのピッチ配列となる様に、ピース鋳型を貼り付け、上下基準径部で釘打ちにより、裏打ち鋳型とピース鋳型を接合固定し、鋳造に用いた。これにより、原型の加工工数、ゴム型の製作数を極小化し、かつ、鋳型での切断を実施する事無く、セクショナルモールドタイプのタイヤ金型を鋳造製作する事が出来た。
(実施例3:請求項3の実施例)
請求項3の手法を用いて意匠面原型、側面原型、裏打ち原型を作成した。側面原型、裏打ち原型は、ピースゴム型の肉厚が20mmとなる様に高さ寸法を製作した。これらの原型を用いて、Sピッチのピースゴム型を3ヶ,Mピッチのピースゴム型を3ヶ,Lピッチのピースゴム型を4ヶ複製製作し、裏打ち原型上にピースゴム型をLLLLと配置・組み立てしNo.1鋳型を造型し、鋳型を脱型したのち、ピースゴム型を回収し、
1) 裏打ち原型上にピースゴム型をMMMSSと配置・組み立てしNo.2鋳型を造型し、鋳型を脱型したのち、ピースゴム型を回収し、
2) 裏打ち原型上にピースゴム型をSLLSSと配置・組み立てしNo.3鋳型を造型し、鋳型を脱型したのち、ピースゴム型を回収し、
3) 裏打ち原型上にピースゴム型をMMMSと配置・組み立てしNo.4鋳型を造型し、鋳型を脱型したのち、ピースゴム型を回収し、
4) 裏打ち原型上にピースゴム型をLLSMと配置・組み立てしNo.5鋳型を造型し、鋳型を脱型したのち、ピースゴム型を回収し、
5) 裏打ち原型上にピースゴム型をMSSLと配置・組み立てしNo.6鋳型を造型し、鋳型を脱型したのち、ピースゴム型を回収し、
6) 裏打ち原型上にピースゴム型をSSMMと配置・組み立てしNo.7鋳型を造型し、鋳型を脱型する事で、鋳型を完成させ鋳造に用いた。
これにより、原型の加工工数、ゴム型の製作数を極小化し、かつ、鋳型での切断・接合を実施する事無く、セクショナルモールドタイプのタイヤ金型を鋳造製作する事が出来た。
(実施例4:請求項4の実施例)
実施例3で得られたセクショナルモールドの1セクターブロック当たりの円周方向展開寸法が、平均で0.15mm程、狙い寸法より小さかった。この為、再度同様にしてセクショナルモールドを製作する際、ピースゴム型間に0.05mm厚のアルミ箔1枚を挟みこみ、ゴム型にて円周方向展開寸法を拡張させ、鋳型・鋳物製作を実施した。この様にして得られたセクショナルモールドの1セクターブロック当たりの円周方向展開寸法は、狙い寸法に対して、0.03mm程大きい程度のレベルまで寸法精度を向上させることが出来た。
このように、本発明を用いる事で、従来法より自由度高く、大幅な工数増加を伴う事無く、多ピッチバリエーションを持ったタイヤ成形用金型を製作できるようになる。より高性能なタイヤを成形する際に必要となる複雑なデザインのタイヤ金型を、簡易に製作出来る様になると言う点で、本発明が該当業界に持つ技術的価値は極めて大きい。
特許文献1の従来技術の説明図であり、目的とするリング鋳物のピッチ配列図である。 原型X、原型Yからのゴム型反転工程の説明図である。 ゴム型X、ゴム型Yからの石膏鋳型反転工程の説明図である。 石膏鋳型からのパーツの角度切り出し工程の説明図である。 リング鋳物の製作工程の説明図である。 請求項1の実施形態における原型工程を示す説明図である。 ゴム型工程を示す説明図である。 原型複製工程の説明図である。 原型複製工程の説明図である。 原型複製工程の説明図である。 二次原型複製工程の説明図である。 請求項2の発明の実施形態における原型工程を示す説明図である。 ゴム型工程を示す説明図である。 鋳型工程を示す説明図である。 鋳型工程を示す説明図である。 鋳型工程を示す説明図である。 鋳型工程を示す説明図である。 請求項3の発明の実施形態における原型工程を示す説明図である。 原型工程を示す説明図である。 ゴム型工程を示す説明図である。 ゴム型工程を示す説明図である。 ゴム型工程を示す説明図である。 請求項3の発明を利用した大型鋳型の製造工程の説明図である。 大型鋳型の製造工程の説明図である。 大型鋳型の製造工程の説明図である。 全実施例に共通の意匠面金型の外周形状を示す断面図である。
符号の説明
1 一次意匠面原型
2 意匠面形状
3 溝形状
4 裏打ち原型
5 一次意匠面ゴム型
6 裏打ちゴム型
7 複製裏打ち原型
8 ピース原型
9 二次原型
10 意匠面ゴム型
11 裏打ちゴム型
12 裏打ち鋳型
13 ピース鋳型
14 側面原型
15 裏打ち原型
16 ピースゴム型
17 リング裏打ち
18 鋳型裏打ち材

Claims (4)

  1. 意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピース原型を組み立て、一つのブロックを形成する事によりタイヤ成形用金型鋳造用の原型とする工程を有するタイヤ成形用金型の製造方法であって、
    (1)ピース原型1ヶに対応する形状を持たせ、
    (2)その円周方向両端部を、ピース原型の分割面に対応する形状の面で、原型の意匠面形状の最深部から、深さ10〜50mm程原型を彫り込む形で溝形状を形成し、
    (3)複数ピース原型分の上記(1)(2)の形状を交互に、タイヤ踏面に対応する曲面上に配置する形で、同一原型上に彫り込むことで一次意匠面原型を製作し、
    (4)上記(2)(3)の工程で一次意匠面原型に彫り込まれた溝形状の最深部を結ぶ事で定義される曲面形状を持ち、一次意匠面原型と概略同等の大きさ(角度)を持った裏打ち原型を別途製作しておき、
    (5)一次意匠面原型、裏打ち原型から、それぞれゴム型を反転製作し、
    (6)裏打ちゴム型に複製材スラリーを注型反転する事で、複製裏打ち原型を製作し、
    (7)一次意匠面ゴム型に同じく複製材スラリーを注型したのち、(6)で製作した複製裏打ち原型で、スラリーを喰い切り成形し、スラリー硬化後にピース原型を脱型し、
    (8)必要数のピース原型が得られるまで、(6)(7)の工程を繰り返し、
    (9)複製裏打ち原型上に、ピース原型をタイヤ金型鋳造用の原型に必要とされるピッチ配列で組みつけ、複製裏打ち原型上に接合・固定して二次原型とし、
    (10)この様にして得られた二次原型を用いて、ゴム型・鋳型・鋳物反転してゆくことを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  2. 意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピース鋳型を組み立て、一つのブロックまたはリングを形成する事によりタイヤ成形用金型鋳造用の鋳型とする工程を有するタイヤ成形用金型の製造方法であって、
    (1)ピース鋳型1ヶに対応する形状をピース原型に持たせ、
    (2)その円周方向両端部を、ピース鋳型の分割面に対応する形状の面で、原型の意匠面形状の最深部から、深さ10〜50mm程原型を彫り込む形で溝形状を形成し、
    (3)複数ピース原型分の上記(1)(2)の形状を交互に、タイヤ踏面に対応する曲面上に配置する形で、同一原型上に彫り込むことで意匠面原型を製作し、
    (4)(2)(3)の工程で意匠面原型に彫り込まれた溝形状の最深部を結ぶ事で定義される曲面形状を持ち、意匠面原型と概略同等の大きさ(角度)を持った裏打ち原型を別途製作しておき、
    (5)意匠面原型、裏打ち原型から、それぞれゴム型を反転製作し、
    (6)裏打ちゴム型に鋳型材を反転成形し、裏打ち鋳型を製作し、
    (7)意匠面ゴム型に鋳型材スラリーを注型した後、裏打ち鋳型でスラリーを喰い切り成形し、スラリー硬化後にピース鋳型を脱型し、
    (8)必要数のピース鋳型が得られるまで、(6)(7)の工程を繰り返し、
    (9)裏打ち鋳型、ピース鋳型を必要に応じて乾燥・焼成した後、裏打ち鋳型上にピース鋳型を組み立てて行き、タイヤ金型鋳造に必要なブロック鋳型またはリング鋳型を得、
    (10)この様にして得られた鋳型を用いて鋳造することを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  3. 意匠面を円周方向に複数個に細かく分割したピースゴム型を組み立て、一つのゴム型を形成する事によりタイヤ成形用金型鋳造用のゴム型とする工程を有するタイヤ成形用金型の製造方法であって、
    (1)ピースゴム型1ヶに対応する形状をピース原型に持たせ、
    (2)その円周方向両端部を、ピースゴム型の分割面に対応する形状の面で、原型の意匠面形状の最深部から、深さ10〜50mm程原型を彫り込む形で溝形状を形成し、
    (3)複数ピース原型分の上記(1)(2)の形状を交互に、タイヤ踏面に対応する曲面上に配置する形で、同一原型上に彫り込むことで意匠面原型を製作し、
    (4)上記(1)(2)の工程で意匠面原型に彫り込まれた溝深さにピースゴム型の肉厚分を加算した高さ寸法を持ち、意匠面原型の溝部に隙間無く嵌め込む事が出来る形状の側面原型を別途製作しておき、
    (5)意匠面原型に側面原型を嵌め込んだ時、側面原型の先端部を結ぶ事で定義される曲面形状を凹形状面として持ち、意匠面原型と概略同等の大きさ(角度)を持った裏打ち原型を別途製作しておき、
    (6)意匠面原型に側面原型を嵌め込み、原型外周を枠で囲んだ状態でゴム材を注型し、裏打ち原型でゴム材を喰い切り成形し、ゴム材硬化後にピースゴム型を脱型し、
    (7)必要数のピースゴム型が得られるまで(6)の工程を繰り返し、
    (8)裏打ち原型上に、ピースゴム型を必要な配列で組みつけて行く事でブロックゴム型またはリングゴム型を得、
    (9)この様にして得られたゴム型を用いて鋳型・鋳物反転してゆくことを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  4. ピース状の原型・鋳型・ゴム型を組み立てる際に、ピース間に隙間を持たせる事で、組み立てあがった原型・鋳型・ゴム型の円周方向展開長やタイヤ幅方向展開長を拡大する事で、タイヤ金型用鋳物の寸法を調整することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
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