JPH11170267A - タイヤ成形用金型の製造方法 - Google Patents

タイヤ成形用金型の製造方法

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JPH11170267A
JPH11170267A JP33872197A JP33872197A JPH11170267A JP H11170267 A JPH11170267 A JP H11170267A JP 33872197 A JP33872197 A JP 33872197A JP 33872197 A JP33872197 A JP 33872197A JP H11170267 A JPH11170267 A JP H11170267A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤに設けられたデザインが複雑な場合で
あっても、ゴム型からの石膏鋳型の離型時において、石
膏鋳型の欠損を生ずることなく、かつ、生産効率、作業
効率及び寸法精度を低下させることもないタイヤ成形用
金型の製造方法を提供する。 【解決手段】 石膏鋳造法によるタイヤ成形用金型の製
造方法であって、ゴム型に石膏を流し込んで石膏鋳型を
作製する工程において、タイヤの溝に対応してゴム型に
設けた突起に挟まれた石膏鋳型の部分に、板状、ピン状
又は波板状の補強材を、上記突起とほぼ平行にかつ上記
突起よりも深く埋設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、アルミニウム合
金より成るタイヤ成型用金型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 タイヤ成型用金型には、上下一体型及
び上下分割型の2タイプがあり、上下一体型では、図1
4に示すように、各ブロック2が、タイヤをその円周上
で7〜10分割した場合の形状に相当する成形空間3を
有し、又、上下分割型では、図15に示すように、各ブ
ロック2が、タイヤをその周面の中心線にて輪切りにし
た場合の形状に相当する成形空間3を有する。タイヤの
成形は、この金型をグリーンタイヤと呼ばれる未硬化
(未加硫)ゴム素材に押し付けて加熱硬化させることに
より行われる。
【0003】 このようなタイヤ成型用金型は、通常、
タイヤのデザインを360°に渡って構成するのに必要
な最小限の角度に対応するマスターモデルに基づいて石
膏鋳造法により製造される。即ち、図16(a)に示す
ように、まず、マスターモデル44を鋳型としてゴム型
13を作製し、次に、図16(b)に示すように、ゴム
型13に石膏14を流し込んで固化させることにより必
要数の石膏鋳型を作製する。最後に、図16(c)に示
すように、石膏鋳型4を組み合わせてタイヤ形状とし、
周囲を環状の鋳枠5で囲み、石膏鋳型4と鋳枠5との間
にアルミニウム合金の溶湯6を流し込んで鋳造すること
により金型を得る。
【0004】 一方、タイヤには、通常、図17に示す
ように、円周方向に走るリブ9と呼ばれる溝、及び幅方
向に走るラグ10と呼ばれる溝が設けられるが、スタッ
ドレスタイヤ等には、さらにサイプ11と呼ばれる微細
な溝が設けられる。従って、タイヤ成型用金型には、そ
れぞれの溝に対応した突起部が形成されるが、サイプの
ような微細な溝に対応する突起部(細骨)は薄肉となる
ため、アルミニウム合金では強度が不十分であり、通常
は、ステンレス等の鉄系の板材に切断・プレス曲げ等を
施すことにより所定形状とした細骨を埋め込んだ金型が
使用される。
【0005】 このような細骨を有するタイヤ成型用金
型の製造は、以下のように行われる。まず、図18
(a)に示すように、細骨12の金型への鋳包み代45
をサイプを形成すべき位置に設けたマスターモデル44
を作製し、これを用いてゴム型13を作製する。次に、
図18(b)に示すように、鋳包み代45によりゴム型
13に形成された溝に細骨12の金型本体に埋め込まれ
るべき部分を挿入して細骨12を設置する。次に、図1
8(c)に示すように、細骨12のゴム型より露出して
いる部分を石膏14に鋳ぐるみ、ゴム型13から離型す
ることにより図18(d)に示す石膏鋳型4を作製す
る。次に、図18(e)に示すように、この石膏鋳型4
にアルミニウム合金の溶湯6を流し込んで鋳造すること
により、図18(f)に示す細骨12を備えた金型1を
得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、近年
のタイヤデザインの複雑化、スタッドレス化等により、
図19に示すように、ゴム型13より石膏鋳型4を離型
する際に、リブ、ラグ及びサイプによりブロック状に囲
まれた部分において、石膏鋳型4が欠損するという問題
が生じていた。
【0007】 このような石膏鋳型の欠損は、石膏鋳型
の離型時におけるアンダーカット量の多さ及びリブ、ラ
グ及びサイプにより形成されるブロック内への外気の流
通のしずらさと密接に関係しており、一般に、リブ、ラ
グ及びサイプが深い程、マスターモデルの角度が大きい
程、そしてゴム型のゴム質が硬い程発生しやすい。
【0008】 従って、従来においては、石膏鋳型の欠
損に対する方策として、石膏鋳型の欠損部分を後から
補修する、高強度化した石膏材を用いて石膏鋳型を作
製する、マスターモデルの角度を小さくする、ゴム
型の作製に用いるゴムとして硬度の小さいものを用いる
等の方法が採られてきた。
【0009】 しかし、石膏鋳型の欠損部分を後から補
修する方法では、余分な工数が必要になるとともに、タ
イヤのデザインによっては完全な補修が困難な場合も多
く、さらに、補修箇所が鋳造時の熱衝撃により再び欠損
するおそれがあるという問題があった。
【0010】 又、石膏材を高強度化する方法では、高
強度化に伴ってブロック内の通気性が下がることから離
型抵抗が大きくなり、離型が困難になるという問題があ
った。
【0011】 又、マスターモデルの角度を小さくする
方法では、石膏鋳型の作製、組立等に要する工程が不必
要に多くなることから、生産効率、作業効率を低下させ
るという問題があった。
【0012】 さらに、硬度の小さいゴムを用いる方法
では、ゴム型の寸法精度が低下するという問題があっ
た。
【0013】 本発明はかかる事情を背景としてなされ
たものであり、その目的とするところは、タイヤに設け
られたデザインが複雑な場合であっても、ゴム型からの
石膏鋳型の離型時において、石膏鋳型の欠損を生ずるこ
となく、かつ、生産効率、作業効率及び寸法精度を低下
させることもないタイヤ成形用金型の製造方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、石膏鋳造法によるタイヤ成形用金型の製造方法であ
って、ゴム型に石膏を流し込んで石膏鋳型を作製する工
程において、タイヤの溝に対応してゴム型に設けた突起
に挟まれた石膏鋳型の部分に、板状、ピン状又は波板状
の補強材を、上記突起とほぼ平行にかつ上記突起よりも
深く、埋設するタイヤ成形用金型の製造方法が提供され
る。
【0015】 上記の方法においては、上記補強材の一
端を、上記補強材の石膏鋳型に埋設される部分を露出し
た状態にてゴム型に埋め込み、石膏をゴム型に流し込ん
で固化させた後、ゴム型及び補強材を除去し、補強材に
より生じた孔部を石膏を流し込むことにより埋めて石膏
鋳型を作製してもよい。
【0016】 又、上記の方法においては、補強材の一
端を、補強材の石膏鋳型に埋設される部分を露出した状
態にてゴム型に埋め込み、石膏をゴム型に流し込んで固
化させた後、ゴム型のみを除去して石膏鋳型を作製し、
石膏鋳型にアルミニウム合金の溶湯を流しこんで鋳造を
行った後、補強材の石膏鋳型より露出した部分により生
じた孔部を溶接にて埋めてもよい。この場合、ピン状の
補強材の一端又は板状の補強材の一端に取り付けたピン
状部材をゴム型に埋め込み、補強材の石膏鋳型より露出
した部分により生じた孔部をベントホール設置のための
ガイド孔としてもよい。
【0017】 さらに、上記の方法においては、サイプ
を形成するための細骨の、ゴム型より露出した部分に補
強材を取り付け、石膏をゴム型に流し込んで石膏鋳型を
作製し、さらに石膏鋳型にアルミニウム合金の溶湯を流
しこんで鋳造を行った後、補強材を細骨から取り外して
もよい。この場合、接着により補強材を細骨に取り付け
てもよい。又、この場合、補強材がコの字型又はU字型
の形状を有し、その一端が細骨に取り付けられていると
ともに、他端近傍が、上記細骨を有し、突起に挟まれた
石膏鋳型の部分とは異なる部分を補強してもよい。
【0018】 上記のタイヤ成形用金型の製造方法にお
いては、補強材を石膏鋳型に鋳ぐるむ深さが、突起の長
さの1.5〜5倍であることが好ましい。又、上記の方
法のうち、補強材を鋳ぐるんだまま石膏鋳型を用いる場
合には、板状又は波板状の補強材が、石膏鋳型に鋳ぐる
まれる部分に、1又は2以上の貫通孔を有するか又はゴ
ム型に設けた突起に平行に配向する辺に、1又は2以上
のスリットを有することが好ましい。同様に、ピン状の
補強材が、石膏鋳型に鋳ぐるまれる部分に、他の部分よ
り直径の大きい部分を1又は2以上有することが好まし
い。
【0019】
【発明の実施の形態】 本発明において、タイヤ成型用
金型は、石膏鋳造法により製造されるが、図1に示すよ
うに、ゴム型13に石膏14を流し込んで石膏鋳型を作
製する工程において、リブ、ラグ等の溝に対応してゴム
型に設けた突起36に挟まれた石膏14の部分に、板
状、ピン状又は波板状の補強材35を、上記突起36と
ほぼ平行にかつ上記突起36よりも深く埋設する。従っ
て、ゴム型13に設けた突起36に挟まれ、離型時に欠
損しやすい石膏鋳型の部分が補強材35により強化され
るため、欠損を生じることなく石膏鋳型を作製すること
ができる。又、生産効率、作業効率及び寸法精度を低下
させることもない。
【0020】 ここで、補強材としては、石膏材のヤン
グ率及び(破断)強度を上回る材質のものを用いる必要
があり、具体的には、鉄系、銅系、アルミニウム系等の
金属材料が用いられる。又、補強材を埋設する深さは、
タイヤに形成されるリブ、ラグ等の深さより深いことが
必要であるが、リブ、ラグ等の深さの1.5〜5倍であ
ることが好ましい。
【0021】 補強材の石膏鋳型への埋設は、具体的に
は、以下のように行われる。まず、図2(a)に示すよ
うに、補強材35を埋設すべきゴム型13の部分に、補
強材35を設置するための溝又は孔37を設け、そこ
に、石膏14に埋設されるべき部分を露出した状態で補
強材35を設置する。次に、図2(b)に示すように、
ゴム型13に石膏スラリー14を流し込み硬化させた
後、離型する。
【0022】 上記の場合においては、図2(c)に示
すように、アルミニウム合金の溶湯による鋳造に先だっ
て、石膏鋳型4より補強材35を除去し、補強材35に
より生じた孔部37に石膏を流し込んでもよく、又は補
強材35を除去せずに石膏鋳型4にアルミニウム合金の
溶湯を流しこんで鋳造を行った後、図2(d)に示すよ
うに、補強材35の石膏鋳型4より露出した部分により
生じた孔部38を溶接にて埋めてもよい。但し、鋳造し
た後に孔部38を溶接にて埋める場合には、溶接肉盛り
と余盛り仕上げを、リブ、ラグ等のタイヤの溝に対応し
て設けられた突起40に囲まれた狭い空間にて行わなけ
ればならないこととなる。一方、図3に示すように、補
強材35としてピン状のものを用いるか、又は板状の補
強材35の一端に取り付けたピン状部材41をゴム型1
3に埋め込んで石膏鋳型を作製し、石膏鋳型より補強材
を除去することなく鋳造を行った場合には、金型に形成
される孔部を、ベントホール設置のためのガイド孔とし
て用いることができるため、溶接工程は不要となる。
尚、この場合には、ピン状部分の直径を、ベントホール
の直径と同一の大きさにしておくことが必要である。
又、ピン状の補強材又は補強材に取り付けるピン状部材
の材質は、鋳造時にアルミニウム合金と融着しづらい鉄
系の材料であることが好ましく、その形状は、金型より
引き抜く際の便宜を考慮して、図4に示すような、アン
ダーカット形状の存在しない平行ピン又はテーパピンと
することが好ましい。
【0023】 さらに、本発明の方法においては、図5
(a)に示すように、サイプを形成するための細骨12
の、ゴム型13より露出した部分に補強材35を取り付
けた状態で、石膏14をゴム型13に流し込んで図5
(b)に示すような石膏鋳型4を作製し、次に、図5
(c)に示すように、石膏鋳型4にアルミニウム合金の
溶湯を流しこんで鋳造を行った後、補強材35を細骨1
2から取り外してもよい。この場合は、補強材35が石
膏鋳型4の内部に完全に埋没しているため、石膏鋳型4
又は金型1の修正・仕上げを行う必要がなく、生産効率
の向上を図ることができる。尚、細骨12への補強材3
5の取り付けは接着により行ってもよく、接着剤として
は、鋳造前における石膏鋳型の乾燥(180〜200
℃)時に燃焼・分解し、かつ、鋳造時においてアルミニ
ウム合金の溶湯と反応を生じないものであることが好ま
しい。具体的には、シアノアクリレート系の瞬間接着剤
が好適に用いられる。又、補強材としては、図6に示す
ように、2つの細骨用部材を位置をずらして接合するこ
とにより、一方の部材を補強材35として利用してもよ
い。さらに、図7に示すように、予め、補強材35と細
骨12とを一体的に生産する方法も考えられる。但し、
この場合は、金型製造後に、補強材35を細骨12から
切り離すとともに、細骨12に仕上げを施さなければな
らない。
【0024】 補強材35を細骨12に取り付ける場合
においては、図8に示すように、補強材35をコの字型
又はU字型の形状とし、その一端を細骨12に取り付け
るとともに、他端近傍を、その補強材35の細骨12に
取り付けられた一端が補強する石膏鋳型4の部分とは異
なる石膏鋳型の部分を補強してもよい。即ち、石膏鋳型
の強化したい部分に細骨が存在しなくとも、その近傍に
細骨が存在すれば、その細骨を足場として利用して、石
膏鋳型を強化することができる。又、石膏鋳型の強化し
たい部分及びその近傍に細骨が存在しない場合において
は、前述の、ベントホール設置のためのガイド孔を利用
して補強材を設置する方法が有用である。
【0025】 尚、本発明の方法のうち、補強材を埋設
したまま石膏鋳型を用いる場合には、補強材が石膏鋳型
から離脱するのを防ぐため、図9に示すように、板状又
は波板状の補強材35の石膏鋳型4に埋設される部分
に、1又は2以上の貫通孔33を設けるか又はゴム型に
設けた突起に平行に配向する辺に、1又は2以上のスリ
ット30を設けることが好ましい。又、ピン状の補強材
の場合は、同様に、石膏鋳型に埋設される部分に、図1
0に示すように、他の部分より直径の小さい部分42を
1又は2以上設けることが好ましい。
【0026】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0027】(実施例1) 図11に示すような、リブ
及びラグで囲まれ、サイプ11を有するブロック43が
連続して成るデザインを有するタイヤを成形するための
金型を製造すべく、石膏鋳型を作製した。タイヤに形成
される各ブロックの寸法は縦20mm、横24mm、高
さ21mmであり、サイプの深さは16mmである。
【0028】 まず、ゴム型に、サイプを形成するため
の細骨を取り付け、次に石膏を流し込み、石膏が固化し
た後、石膏鋳型をゴム型より離型した。ゴム型に設置し
た細骨には、図5に示すように補強材を瞬間接着剤にて
接着した。補強材としては、長さ35mm、幅5mm、
厚さ0.7mmのSUS304製のものを用いた。
【0029】 尚、ゴム型は非発泡石膏によるバックア
ップ材付きゴム型とし、ゴム層厚は最小部で10mmと
した。ゴム型の材質はスム−スオン社製FMC201
(ポリサルファイドゴム)とした。又、石膏鋳型のため
の石膏としては、ノリタケカンパニーリミテド社製、G
−16発泡石膏を用い、石膏100部に対し、水70部
を加え、発泡増量50±5体積%にて撹拌し調製した。
石膏生型の圧縮強さは10〜12kgf/cm2とし
た。
【0030】 石膏鋳型をゴム型より離型する際の欠損
発生率は10回中1回であった。
【0031】(実施例2) 補強材として、図9に示す
ようなスリットを設けたものを用いた点を除いては、実
施例1と同様に石膏鋳型を作製した。石膏鋳型をゴム型
より離型する際の欠損発生率は10回中0回であった。
【0032】(実施例3) 直径1.5mm、長さ45
mmのピアノ線をピン状の補強材として用い、金型のベ
ントホール形成位置に相当するゴム型の部分に設置した
点を除いては、実施例1と同様に石膏鋳型を作製した。
尚、補強材のゴム型への植え込み深さは5mmとした。
石膏鋳型をゴム型より離型する際の欠損発生率は10回
中3回であった。
【0033】(実施例4) 図10に示すように、ピア
ノ線の長さ方向に、5mmおきに直径の小さな部分を設
けた点を除いては、実施例3と同様に石膏鋳型を作製し
た。石膏鋳型をゴム型より離型する際の欠損発生率は1
0回中1回であった。
【0034】(実施例5) 図12に示すように、リブ
及びラグで囲まれ、サイプを有するほぼ正方形のブロッ
クA43a及びそれに隣接した長方形のブロックB43
bから成るパターンから成るデザインを有するタイヤを
成形するための金型を製造すべく、石膏鋳型を作製し
た。ブロックA43aの寸法は縦23mm、横25m
m、高さ21mm、サイプの深さは16mmであり、ブ
ロックB43bの寸法は縦4mm、横60mm、高さ1
3mmであった。
【0035】 まず、ゴム型に、ブロックAのサイプを
形成するための細骨を取り付け、その細骨12に図13
(a)、(b)又は図13(c)、(d)に示すように
L字型の補強材35を瞬間接着剤にて取り付け、ブロッ
クA43a及びB43bの双方を補強した。尚、補強材
35には貫通孔33を設けた。次に石膏を流し込み、石
膏が固化した後、石膏鋳型をゴム型より離型した。ゴム
型、石膏鋳型の材質等他の点については、実施例1と同
様とした。石膏鋳型をゴム型より離型する際の欠損発生
率は10回中0回であった。
【0036】(比較例1) 補強材を設けなかった点を
除いては、実施例1と同様に石膏鋳型を作製した。石膏
鋳型をゴム型より離型する際の欠損発生率は10回中9
回であった。
【0037】(比較例2) 補強材を設けなかった点を
除いては、実施例5と同様に石膏鋳型を作製した。石膏
鋳型をゴム型より離型する際におけるブロックBの欠損
発生率は10回中10回であった。
【0038】(比較例3) 石膏の調製を、石膏100
部に対し水60部を加え、発泡増量20±5体積%にて
撹拌することにより行った点を除いては、比較例1と同
様に石膏鋳型を作製した。この場合、石膏生型の圧縮強
さは20〜25kgf/cm2となり、石膏材が高強度
化されたことになる。石膏鋳型をゴム型より離型する際
の欠損発生率は10回中8回であった。
【0039】(比較例4) 石膏の調製を、石膏100
部に対し水60部を加え、発泡増量20±5体積%にて
撹拌することにより行った点及びゴム材をシリコオイル
30部で希釈したFMC201を用いて調製することに
より、ショアA硬度10〜15と硬度を下げた点を除い
ては、比較例1と同様に石膏鋳型を作製した。石膏鋳型
をゴム型より離型する際の欠損発生率は10回中10回
であり、又、石膏鋳型を数回作製すると、その後に作製
した石膏鋳型においてブロックA及びBを仕切る骨部に
約1〜2mmのうねりが発生した。
【0040】
【発明の効果】 本発明のタイヤ成形用金型の製造方法
においては、石膏鋳型を作製する工程において、石膏鋳
型の所定の部分に補強材を埋設するため、ゴム型からの
離型時における石膏鋳型の欠損を、生産効率、作業効率
及び寸法精度を低下させることなく、又、タイヤのデザ
インを変えることなく防止することができる。
【0041】 本発明の方法において、細骨を足場とし
て補強材を埋設すれば、石膏鋳型又は金型の修正・仕上
げを行う必要がなく、生産効率の向上を図ることができ
る。又、補強材としてピン状のものを用いるか、又は板
状の補強材の一端に取り付けたピン状部材をゴム型に埋
め込んで石膏鋳型を作製し、石膏鋳型より補強材を除去
することなく鋳造を行えば、金型に形成される孔部を、
ベントホール設置のためのガイド孔として用いることが
できるため、溶接工程は不要となり、生産効率の向上を
図ることができる。即ち、タイヤ成形用金型の製作限界
を拡大できるという点において、本発明はタイヤ産業に
大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法におけ
る補強材のゴム型への設置態様の一例を示す模式断面図
である。
【図2】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法の一例
を示す工程図である。
【図3】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法におけ
る補強材のゴム型への設置態様の他の例を示す模式断面
図である。
【図4】 補強材に取り付けるピン状部材の形状の
(a)一例及び(b)他の例を示す模式図である。
【図5】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法の他の
例を示す工程図である。
【図6】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法におい
て用いられる補強材の一例を示す斜視図である。
【図7】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法におい
て用いられる補強材の他の例を示す模式図である。
【図8】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法におけ
る補強材のゴム型への設置態様のさらに他の例を示す模
式断面図である。
【図9】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法におい
て用いられる補強材のさらに他の例を示す模式図であ
る。
【図10】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法にお
いて用いられる補強材のさらに他の例を示す模式図であ
る。
【図11】 タイヤのデザインの一例を示す模式図であ
る。
【図12】 タイヤのデザインの他の例を示す模式図で
ある。
【図13】 本発明のタイヤ成型用金型の製造方法にお
ける補強材の細骨への取り付け態様の一例を示す(a)
平面図及び(b)斜視図並びに本発明のタイヤ成型用金
型の製造方法における補強材の細骨への取り付け態様の
他の例を示す(c)平面図及び(d)斜視図である。
【図14】 上下一体型のタイヤ成型用金型の一例を示
す斜視図である。
【図15】 上下分割型のタイヤ成型用金型の一例を示
す断面図である。
【図16】 従来における上下一体型のタイヤ成型用金
型の製造方法の一例を示す工程図である。
【図17】 タイヤに設けられる溝の種類を示す模式図
である。
【図18】 従来における上下一体型の細骨を有するタ
イヤ成型用金型の製造方法の一例を示す工程図である。
【図19】 ゴム型からの離型の際に石膏鋳型に生じる
欠損の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…タイヤ成型用金型、2…タイヤ成型用金型を構成す
る各ブロック、3…成形空間、4…石膏鋳型、5…鋳
枠、6…アルミニウム合金の溶湯、7…鋳型固定材、8
…タイヤ、9…リブ、10…ラグ、11…サイプ、12
…細骨、13…ゴム型、14…石膏、15…金型本体に
埋め込まれる細骨の部分、16…押湯、18…金型本
体、30…スリット、33…貫通孔、35…補強材、3
6…ゴム型に設けた突起、37…補強材により生じた孔
部、38…補強材の石膏鋳型より露出した部分により生
じた孔部、39…溶接余盛、40…タイヤ成型用金型に
設けられた突起、41…ピン状部材、42…直径の小さ
い部分、43…ブロック、44…マスターモデル、45
…鋳包み代。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 30:00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石膏鋳造法によるタイヤ成形用金型の製
    造方法であって、 ゴム型に石膏を流し込んで石膏鋳型を作製する工程にお
    いて、タイヤの溝に対応してゴム型に設けた突起に挟ま
    れた石膏鋳型の部分に、板状、ピン状又は波板状の補強
    材を、該突起とほぼ平行にかつ該突起よりも深く、埋設
    することを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
  2. 【請求項2】 該補強材の一端を、該補強材の該石膏鋳
    型に埋設される部分を露出した状態にて該ゴム型に埋め
    込み、 石膏をゴム型に流し込んで固化させた後、該ゴム型及び
    該補強材を除去し、該補強材により生じた孔部を石膏を
    流し込むことにより埋めて石膏鋳型を作製する請求項1
    に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  3. 【請求項3】 該補強材の一端を、該補強材の該石膏鋳
    型に埋設される部分を露出した状態にて該ゴム型に埋め
    込み、 石膏をゴム型に流し込んで固化させた後、該ゴム型のみ
    を除去して石膏鋳型を作製し、 該石膏鋳型にアルミニウム合金の溶湯を流しこんで鋳造
    を行った後、該補強材の該石膏鋳型より露出した部分に
    より生じた孔部を溶接にて埋める請求項1に記載のタイ
    ヤ成形用金型の製造方法。
  4. 【請求項4】 ピン状の補強材の一端又は板状の補強材
    の一端に取り付けたピン状部材を該ゴム型に埋め込み、
    該補強材の該石膏鋳型より露出した部分により生じた孔
    部をベントホール設置のためのガイド孔とする請求項3
    に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  5. 【請求項5】 サイプを形成するための細骨の、該ゴム
    型より露出した部分に、該補強材を取り付け、 石膏を該ゴム型に流し込んで石膏鋳型を作製し、さらに
    該石膏鋳型にアルミニウム合金の溶湯を流しこんで鋳造
    を行った後、該補強材を該細骨から取り外す請求項1に
    記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  6. 【請求項6】 接着により該補強材を該細骨に取り付け
    た請求項5に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  7. 【請求項7】 該補強材がコの字型又はU字型の形状を
    有し、その一端が該細骨に取り付けられているととも
    に、他端近傍が該細骨を有する該突起に挟まれた石膏鋳
    型の部分とは異なる部分を補強する請求項5又は6に記
    載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  8. 【請求項8】 該補強材を該石膏鋳型に鋳ぐるむ深さ
    が、該突起の長さの1.5〜5倍である請求項1〜7の
    いずれかに記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  9. 【請求項9】 該板状又は波板状の補強材が、石膏鋳型
    に鋳ぐるまれる部分に、1又は2以上の貫通孔を有する
    か又は該ゴム型に設けた突起に平行に配向する辺に、1
    又は2以上のスリットを有する請求項3〜8のいずれか
    に記載のタイヤ成形用金型の製造方法。
  10. 【請求項10】 該ピン状の補強材が、石膏鋳型に鋳ぐ
    るまれる部分に、他の部分より直径の大きい部分を1又
    は2以上有する請求項3〜8のいずれかに記載のタイヤ
    成形用金型の製造方法。
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