JP3805639B2 - タイヤ成形用金型原型の製造方法 - Google Patents

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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
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    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/0601Vulcanising tyres; Vulcanising presses for tyres
    • B29D30/0606Vulcanising moulds not integral with vulcanising presses
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    • B29D2030/0613Means, e.g. sipes or blade-like elements, for forming narrow recesses in the tyres, e.g. cuts or incisions for winter tyres

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)の製造方法に関する。さらに詳しくは、起伏のある複雑な形状のブロックデザイン部の側面部や3次元形状等の複雑なサイプブレード設置用のガイド溝のような、工具による加工が困難な部分を含む複雑なデザイン、形状のタイヤ成形用金型原型を、所望のデザイン、形状で、簡易に、効率よく製造することが可能なタイヤ成形用金型原型の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ成形用金型は、そのデザインがシャープな凹形状コーナー部やアンダーカット形状等を有する複雑なものであることから機械加工製法では作製が困難な場合が多く、鋳造製法によることが一般的であり、中でも、アルミニウム合金、鋳鉄、鋳鋼製のものが一般的によく使用されている。特に、タイヤのデザイン形状に、「サイプ」と呼ばれる、幅が0.1〜3.0mm程度の溝が多数形成されている場合(具体的には、スタッドレスタイヤ等がこれに該当する)においては、機械加工製法では対応することができないため、この傾向が顕著なものとなる。
【0003】
図15に示すように、タイヤ101には、リブ、ラグ等の太溝102、103が形成されているが、スタッドレスタイヤ等の特殊用途のタイヤにおいては、グリップ力や排水性を向上させるために、リブ、ラグに加えて幅0.1〜3.0mm程度の細溝であるサイプ104を形成する場合がある。
【0004】
サイプ104は、エッジ効果によるグリップ力や排水性向上の効果を得るため、タイヤの接地面(プロファイル面)における形状を波形、又はジグザグ状等の2次元形状とするのが通常である。
【0005】
一方で、近年においては、タイヤ性能のさらなる向上のため、サイプ形状を、プロファイル面のみならず、タイヤの径方向における形状も同様の2次元形状(さらには3次元形状等の複雑な曲面を有するもの)とすること、すなわちサイプ形状の3次元化が求められている。
【0006】
図16に示すように、3次元形状サイプ107bは、従来の2次元形状サイプ107aに比べ、タイヤ106のブロック剛性を向上させることができるため、駆動、制動時においてもタイヤ106の腰が砕けることがなく、さらにグリップ力を向上させることができる。
【0007】
このようなサイプ部の金型形状を、鋳造による「鋳出し」で作製すると、金型強度の面で不十分なことがある。このような場合に対応して、予め高強度材で作製しておいたサイプブレードを「鋳包む」という製法が一般的に用いられている(特に、アルミニウム合金製金型の場合)。
【0008】
具体的には、図17に示すように、モデル用ブレード502を原型(マスターモデル)500に鋳包みさせ(図17(a))、原型(マスターモデル)500を反転し(図17(b))、ゴム型506に金型用ブレード509を設置し(図17(c))、ゴム型506を石膏鋳型507に反転するとともに、金型用ブレード509を石膏鋳型507に移動し(図17(d))、石膏鋳型507から鋳造により金型508を形成するとともに、金型用ブレード509を金型508に移動する(図17(e))ことによって金型を製作している。この場合、鋳型材としては、石膏だけではなく、セラミックスや金属であってもよい。
【0009】
上述のような3次元曲げ形状のサイプブレードを用いる場合、原型(マスターモデル)のブロックデザイン部の側面部の形状がサイプブレードの3次元形状と交錯する場合には、原型上にサイプブレードに対応する形状のモデル用ブレードを設置する必要がある。
この場合、ブロックデザイン部の側面部が平面形状ではなく、複雑な起伏形状を有する場合には、原型に設置すべきモデル用ブレードの形状は複雑なものとなり、その製作は極めて困難となるという問題がある。
【0010】
すなわち、図18(a)〜(c)に示すように、モデル用ブレード502は、モデル用ブレード用素材501を、曲げ成形後に必要な長さを有するものとなるように展開長さ及び曲げ伸びを考慮して、曲げ成形を行い、モデル用ブレード502を形成し、これを原型(マスターモデル)500に設置する。
【0011】
この場合、図19に示すように、原型(マスターモデル)500のブロックデザイン部510の側面部504の形状が単純な平面形状であるか、複雑な起伏を有する形状であるかによってモデル用ブレード502の製作の困難さが変化することになる。
【0012】
図20(a)〜(b)に示すように、ブロックデザイン部510において、デザイン溝の側壁を構成する側面部504の形状が平面形状に近い場合は、モデル用ブレード502が設置方向に曲げ形状を有する場合(3次元曲げ形状)及び有しない場合(2次元曲げ形状)のいずれの場合であっても、モデル用ブレード502を比較的に容易に製作することができる。
【0013】
しかし、図21(a)〜(b)に示すように、ブロックデザイン部510における側面部504の形状が複雑な起伏を有する形状である場合は、モデル用ブレード502が設置方向に曲げ形状を有しない場合(2次元曲げ形状)はやや困難になる程度であるが、設置方向に曲げ形状を有する場合(3次元曲げ形状)の場合は、モデル用ブレード502の製作は極めて困難なものとなる。特に、図21(b)に示すように、側面部504の複雑な起伏形状に交錯する部分における切り欠き形状505の設定が極めて困難なものとなる。
【0014】
ブロックデザイン部510側に、サイプブレード(モデル用ブレード)設置用の溝加工を何ら施すことなく、図21(b)に示すような3次元曲げサイプブレード502を設置(貼着)しようとすると、モデル用ブレード502を正規形状(デザイン溝の側壁を構成する側面部504の形状に対応した形状)で製作することが極めて困難であることから、対応することができない場合が生じる。
【0015】
これに対しては、図22(a)〜(b)に示すように、デザイン溝によって区画されたブロックデザイン部510のプロファイル面600及び側面部504において、サイプブレードを設置する部分にブレード形状のガイド溝601、602を予め加工しておき、モデル用ブレード502をプロファイル面用ブレード603及び側面部用ブレード604の二つに分割したものを組み合せて、モデル用ブレード502の形状を簡略化することによって対応することが可能であるが、図22(c)に示すように、多くの場合、ブロックデザイン部510の側面部504は、隣接するデザイン(ブロックデザイン部510a、510b)によって加工工具605を自由に取り扱える空間が制限され易い(加工工具とブロックデザイン部との間に立体的な干渉が生じ易い)ことから、デザイン溝503に区画されたブロックデザイン部510の側面部504においては、サイプブレード設置用の溝(ガイド溝)の形状を満足し得る精度で加工することができないという問題があった。すなわち、従来法では、サイプブレード(モデル用ブレード)502の曲げ形状及びブロックデザイン部510の側面部504の形状のうちのいずれかを所望のデザインや形状にすることを諦める妥協をしなければならないという問題があった。
【0016】
また、図23に示すように、上述のサイプブレードに関する問題以外にも、デザイン溝503によって区画されたブロックデザイン部510の側面部504に形成されるガイド溝602の形状に関する問題があった。すなわち、図23(a)に示すように、ガイド溝602の形状が加工工具605の自由な取り扱いが可能な場合(図23(a)においては90°の階段形状の場合)は問題はないが、図23(b)に示すように、ガイド溝602の形状が、隣接するデザイン(ブロックデザイン部510a)の立体的な干渉によって加工工具605を所定の角度で傾斜させた状態で加工しなければならないものの場合(図23(b)においては鋭角の階段形状の場合)には、上記と同様な理由から、対応することができない場合があった。
【0017】
図24に示すように、このような問題を克服する方法として、原型(マスターモデル)をデザイン溝503で区画されるブロックデザイン部ごとにピース単位に分割してブロックピース701、702を作製しておき、このブロックピース701、702の状態でその側面部504を加工することで、上述の加工工具の立体的な干渉問題を回避する方法が開示されている(例えば、特開2000−351125)。しかし、この場合はブロックピース701、702のようなピース単位に細かく分割されたものを、真円度等の寸法精度を規制しながら組み立て直さなければならず、手間が掛かる上、本来原型(マスターモデル)においては加工する必要のなかった、ブロックピース701、702の側面703、704の形状をも精度高く加工しておかなければならないという問題があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、起伏のある複雑な形状のブロックデザイン部の側面部や3次元形状等の複雑なサイプブレード設置用のガイド溝のような、工具による加工が困難な部分を含む複雑なデザイン、形状のタイヤ成形用金型原型を、所望のデザイン、形状で、簡易に、効率よく製造することが可能なタイヤ成形用金型原型の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の目的を達成するため鋭意研究した結果、前記デザイン溝によって区画された複数のブロックデザイン部の側面部の全体又はその一部を分離した形状の分離パーツを形成し、ブロックデザイン部のプロファイル面及び分離パーツを所定形状に加工した後、ブロックデザイン部に分離パーツを装着して組み合せることによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明によって、下記のタイヤ成形用金型原型の製造方法が提供される。
【0020】
[1] タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、前記デザイン溝によって区画された前記複数のブロックデザイン部の側面部の全体又はその一部を分離した形状の分離パーツを形成し、前記ブロックデザイン部のプロファイル面及び前記分離パーツを所定形状に加工した後、前記ブロックデザイン部に前記分離パーツを装着して組み合せることを特徴とするタイヤ成形用金型原型の製造方法(以下、「第1の発明」ということがある)。
【0021】
[2] 前記タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)が、複数の太溝及び/又はサイプを表面形状として有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるものである前記[1]に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0022】
[3] 前記ブロックデザイン部のプロファイル面及び前記分離パーツを、前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状にそれぞれ加工する前記[1]又は[2]に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0023】
[4] タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、前記デザイン溝によって区画された前記複数のブロックデザイン部の側面部の全体又はその一部に、所定の厚さ及び形状の空隙部を形成し、前記ブロックデザイン部のプロファイル面を所定形状に加工し、かつ前記空隙部に自己硬化性樹脂又は低融点材料を充填した後、前記空隙部に充填した前記自己硬化性樹脂又は低融点材料に所定形状を付与することを特徴とするタイヤ成形用金型原型の製造方法(以下、「第2の発明」ということがある)。
【0024】
[5] 前記タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)が、複数の太溝及び/又はサイプを表面形状として有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるものである前記[4]に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0025】
[6] 前記ブロックデザイン部のプロファイル面を前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状に加工するとともに、前記自己硬化性樹脂又は低融点材料に前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状を付与する前記[4]又は[5]に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0027】
] タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、前記複数のブロックデザイン部を、原型本体素材から形成した原型本体と、ブロックパーツ素材から形成した、前記原型本体の上部から着脱可能な複数のブロックパーツとに分離して構成し、前記ブロックパーツを前記原型本体に装着して一体化して、全体を所定形状に加工し、前記ブロックパーツのうち、工具干渉によってその側面部の加工が困難である第1のブロックパーツ以外の第2のブロックパーツを前記原型本体から取り外し、前記第1のブロックパーツの側面部を所定形状に加工した後に、前記第2のブロックパーツを再装着することを特徴とするタイヤ成形用金型原型の製造方法(以下、「第3の発明」ということがある)。
【0028】
] 前記タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)が、複数の太溝及び/又はサイプを表面形状として有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるものである前記[]に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0029】
] 前記原型本体と前記ブロックパーツとの間に寸法調整部材を介在させ、前記第1のブロックパーツの側面部を、その装着高さを調整した状態で所定形状に加工する前記[]又は[]に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0030】
10] 一体化した前記ブロックパーツ及び前記原型本体の全体を前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状に加工する前記[]〜[]のいずれかに記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0031】
11] タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、原型本体素材の上部に、複数のブロックパーツを装着してブロックデザイン部を構成し得るような形状の空隙部を形成し、前記空隙部が形成された原型本体素材上に成形材料を被覆してブロックパーツ層を形成し、ブロックパーツ層を所定形状に加工して複数のブロックパーツを形成するとともに原型本体素材を所定形状に加工して原型本体を形成することによって、ブロックデザイン部を形成し、形成されたブロックパーツのうち、工具干渉によってその側面部の加工が困難である第1のブロックパーツ以外の第2のブロックパーツを原型本体から取り外し、第1のブロックパーツの側面部を所定形状に加工した後に、前記第2のブロックパーツを再装着することを特徴とするタイヤ成形用金型原型の製造方法(以下、「第4の発明」ということがある)。
【0032】
12] 前記タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)が、複数の太溝及び/又はサイプを表面形状として有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるものである前記[11]に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0033】
13] 前記ブロックパーツの側面部を前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状に加工する前記[11]又は[12]に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0034】
14] 前記空隙部が形成された原型本体素材の上に離型剤を塗布した後に、前記成形材料を被覆する前記[11]〜[13]のいずれかに記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0035】
15] 前記成形材料が、石膏又は自己硬化性樹脂である前記[11]〜[14]のいずれかに記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明(第1の発明〜第4の発明)の実施の形態を図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0038】
図1(a)に示すように、第1の発明のタイヤ成形金型用原型の製造方法は、タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状(例えば、図15に示す複数の太溝及び/又はサイプ)を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体1の上部に複数のデザイン溝2(その側面部3)によって区画されたプロファイル面4を有する複数のブロックデザイン部5を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)10を製造する方法であって、デザイン溝2によって区画された複数のブロックデザイン部5(図1においては、隣接するブロックデザイン部は図示せず)の側面部3の全体又はその一部を分離した形状の分離パーツ6を形成し、ブロックデザイン部5のプロファイル面4及び分離パーツ6を所定形状に加工した後、図1(b)に示すように、ブロックデザイン部5に分離パーツ6を装着して組み合せることを特徴とする。
【0039】
なお、図1では、プロファイル面4において、サイプ(図15参照)に対応した形状のサイプブレード設置用のガイド溝7及び分離パーツ6との嵌合部8を、また、分離パーツ6において、サイプに対応した形状のサイプブレード設置用のガイド溝9を加工する例を示す。
【0040】
この場合、分離パーツ6は、外力に対して容易には変形し難い程度の剛性を備えたものとするために必要最低限の肉厚(例えば、1〜5mm程度)、形状を有するものであることが好ましい。
【0041】
このように構成することによって、ブロックデザイン部5が一体構造の場合には、加工することが困難であったデザイン溝2によって区画されたブロックデザイン部5の側面部3におけるサイプブレード設置用のガイド溝9を、隣接するブロックデザイン部からの立体的な干渉を受けることなく、所望のデザイン、形状で、簡易かつ効率的に形成することができる。
【0042】
また、第1の発明は、図2(a)〜(b)に示すように、ブロックデザイン部5のデザイン溝2の側壁を構成する側面部3(図1参照)の全周部分を分離して、ブロックデザイン部5におけるデザイン溝2の側壁を構成する側面部3(図1参照)に対応した形状を有する全周分離パーツ6aを形成し、この全周分離パーツ6aと、プロファイル面4及び全周分離パーツ6aとの嵌合部8を有するように形成したブロック本体5aとを組み合せて、ブロックデザイン部5を形成するものであってもよい。
【0043】
図3に示すように、第2の発明は、タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状(例えば、図15に示す複数の太溝及び/又はサイプ)を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、複数のブロックデザイン部5の側面部3の全体又はその一部に、所定の厚さ及び形状の空隙部11を形成し、ブロックデザイン部5のプロファイル面4を所定形状に加工し(図3(a))、かつ空隙部11に自己硬化性樹脂又は低融点材料12を充填した後(図3(b)〜(c))、空隙部11に充填した自己硬化性樹脂又は低融点材料12に、例えば、原型用ブレード13を用いて所定形状を付与する(図3(c)〜(d))ことを特徴とする。
【0044】
この場合、空隙部11に充填した自己硬化性樹脂又は低融点材料12に所定形状を付与する方法としては、例えば、型押し転写法、掻き型法等を挙げることができる。図3は、型押し転写法を用いた場合を、また、後述する図4は、掻き型法を用いた場合をそれぞれ示す。
【0045】
また、空隙部11は、型押し転写成形の場合に原型本体と立体的に干渉することがない肉厚及び形状で、充填した自己硬化性樹脂又は低融点材料12の硬化収縮が、寸法精度上問題にならない程度の肉厚(例えば、1〜5mm程度)及び形状を有するものであることが好ましい。
【0046】
また、自己硬化性樹脂又は低融点材料12としては、具体的には、自己硬化性樹脂として、エポキシ樹脂や石膏(樹脂石膏)を、また、低融点材料として、ワックス、各種低融点金属等を挙げることができる。
【0047】
なお、図3(a)ではプロファイル面4において、サイプ(図15参照)に対応した形状のサイプブレード設置用のガイド溝7を形成した場合を示す。
【0048】
また、図3(b)では、充填された自己硬化性樹脂又は低融点材料12としてワックスを用い、この自己硬化性樹脂又は低融点材料(例えば、ワックス)12の余盛りがある状態を、また、図3(c)では、自己硬化性樹脂又は低融点材料(例えば、ワックス)12の余盛りを除去した状態をそれぞれ示す。
【0049】
また、図3(c)〜(d)では、サイプブレードに対応した形状の、暖めた原型用ブレード13を自己硬化性樹脂又は低融点材料例えば、ワックス)12に押し付けることによって、ガイド溝9を形成する場合を示す。なお、原型用ブレード13を自己硬化性樹脂又は低融点材料(例えば、ワックス)12に押し付けることによってはみ出した余分なワックスは、除去して表面を仕上げ直すことが好ましい。
【0050】
図4は、図2におけるブロック本体5aと全周分離パーツ6aとを組み合せたブロックデザイン部5を、第2の発明における自己硬化性樹脂又は低融点材料に所定形状を付与する方法として掻き型法を用いて形成した場合を示す。
【0051】
図4に示すように、プロファイル面4及び全周分離パーツ6a(図4(d)参照)との嵌合部8を有するように形成したブロック本体5aを形成し(図4(a))、ブロック本体5aにおける嵌合部8の全体に自己硬化性樹脂又は低融点材料(例えば、ワックス)12を盛り付け(図4(b))、ブロック本体5aのプロファイル面4及び溝底面14を基準にして掻き型(スィープゲージ)15で、盛り付けられた自己硬化性樹脂又は低融点材料(例えば、ワックス)12の四側面をなぞり、ブロックデザイン部5の側面部3を形成して、ブロック本体5aと全周分離パーツ6aとを組み合せたブロックデザイン部5形成する(図4(c)〜(d))。
【0052】
第2の発明によれば、所望のデザイン、形状の原型を、第1の発明よりもさらに簡易かつ効率的に形成することができる。
【0053】
図5に示すように、第3の発明は、タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状(例えば、図15に示す複数の太溝及び/又はサイプ)を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部5を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)10を製造する方法であって、複数のブロックデザイン部5(図5(d)参照)を、原型本体素材1aから形成した原型本体1と、ブロックパーツ素材20cから形成した、原型本体1の上部から着脱可能な複数のブロックパーツ20とに分離して構成し(図5(a)〜(b))、ブロックパーツ20を原型本体1に装着して一体化して、全体を所定形状に加工し(図5(c)〜(e))、ブロックパーツ20のうち、工具干渉によってその側面部の加工が困難である第1のブロックパーツ20a以外の第2のブロックパーツ20bを原型本体1から取り外し、第1のブロックパーツ20aの側面部を所定形状に加工した後に、第2のブロックパーツ20bを再装着する(図5(f)〜(h))ことを特徴とする。
【0054】
この場合、ブロックパーツ20を、原型本体1の上部から着脱可能に構成する方法としては、例えば、図5(b)に示すダボ形状加工(凹凸ダボ(インロー)形状加工)を挙げることができる。
【0055】
図5(c)に示すように、ブロックパーツ20を原型本体1に装着して一体化する場合、原型本体1の背面側からのネジ止め固定又は熱可塑性樹脂等を用いた接着固定等による仮止めとすることが好ましい。
【0056】
図5(d)に示すように、全体を加工工具30を用いて所定形状に加工する場合、加工することが困難な部分は加工しないままにしておいてよい。この加工が終了すると、図5(e)に示すように、所定のプロファイル面4を有する原型の基本形状が完成する。
【0057】
図5(f)に示すように、この後、側面形状を加工したい第1のブロックパーツ20aと工具干渉を起す可能性のある第2のブロックパーツ20bを原型本体1から取り外す。
【0058】
図5(g)に示すように、この状態(工具干渉が回避された状態)で、第1のブロックパーツ20aの側面形状を加工する。
【0059】
図5(h)に示すように、側面部の加工が困難である第1のブロックパーツ20aの加工を完了し、第2のブロックパーツ20bを再装着して、ブロックデザイン部5が完成したならば、他のブロックデザイン部についても同様の加工を繰り返して必要な全てのブロックデザイン部の側面部等の加工をする。この加工が完了した後に、原型本体1のブロックパーツ20を固定し直すことが好ましい。
【0060】
このようにして、ブロックパーツ20及びこれが装着された原型本体1の全体を、複雑な形状の太溝及び/又はサイプ(図15参照)に対応した形状に加工することができる。
【0061】
第3の発明は、原型本体とブロックパーツとを仮固定してから以降の機械加工(NC加工)において、原型本体を加工機のベッドから外すことなく、全ての形状加工に対応することができるという利点を有している。すなわち、原型としての寸法精度を考慮した場合、最も精度高く、従来法では困難であった、ブロックデザイン部の側面部の加工にも簡易に対応することができるという利点を有している。上述の、従来法におけるブロック形状単位で原型本体ごとに小ピースに分割する方式は、第3の発明に比べて手間がかかる上、個々のピース加工精度のバラツキが累積したり、ピース組立て時の寸法のバラツキが生じる等の不都合がある。
【0062】
上述の形態では、ブロックパーツ20と原型本体1との嵌め合わせ部の形状を凹凸ダボ(インロー)形状としているが、図6(a)〜(c)に示すように、ピン31によって、ブロックパーツ20と原型本体1とを固定してもよい。
【0063】
また、第3の発明を用いてもなお、ブロックデザイン部の側面部の加工に際して、加工工具と原型本体とが立体的に干渉してしまう場合については以下の方法を用いることにより対応することができる。
【0064】
すなわち、図7(a)に示すように、ブロックパーツ20を加工するに際して、加工工具30が原型本体1と立体的に干渉してしまう場合、原型本体1とブロックパーツ20との間に寸法調整部材32を介在させ、加工が困難なブロックパーツ20の側面部を、その装着高さを調整した状態で所定形状に加工することで対応することができる。
【0065】
この場合、加工作業に五軸NC加工機等を用いることによって、寸法調整部材32のオーバーハング分の加工データ補正を比較的簡易に行うことができるため、作業が煩雑になることはない。
【0066】
また、図7(b)に示す場合においては、寸法調整部材32にもインロー形状を付与することが必要となるが、図6に示すように、ブロックパーツ20の位置決め固定のためにピン31を用いることによって、このピン31の長さを調整することだけで対応することが可能になる。
【0067】
図8に示すように、第4の発明は、タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状(例えば、図15に示す複数の太溝及び/又はサイプ)を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体1の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)10を製造する方法であって、原型本体素材1aの上部に、複数のブロックパーツ20を装着してブロックデザイン部5(図8(c)参照)を構成し得るような形状の空隙部33を形成し(図8(a))、空隙部33が形成された原型本体素材1a上に成形材料を被覆してブロックパーツ層34を形成し(図8(b)〜(c))、ブロックパーツ層34を所定形状に加工して複数のブロックパーツ20を形成するとともに原型本体素材1aを、例えば、加工工具30によって所定形状に加工して原型本体1を形成することによって、ブロックデザイン部5を形成し(図8(c))、図5(f)〜(h)に示す場合と同様に、形成されたブロックパーツ20のうち、工具干渉によってその側面部の加工が困難である第1のブロックパーツ20a以外の第2のブロックパーツ20bを原型本体1から取り外し、第1のブロックパーツ20aの側面部を所定形状に加工した後に、第2のブロックパーツ20bを再装着することを特徴とする。
【0068】
この場合、ブロックパーツ20の側面部を太溝及び/又はサイプ(図15参照)に対応した形状に加工することができる。
【0069】
また、原型本体素材1aの空隙部33の上に離型剤を塗布した後に、成形材料を被覆することが、成形材料が原型本体素材1aの空隙部33に融着することを防止して、ブロックパーツ20の円滑な着脱を図る上で好ましい。
【0070】
ここで、成形材料としは、石膏又は自己硬化性樹脂を好適に用いることができる。自己硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0071】
また、離型剤としては、例えば、シリコーン系離型剤やフッ素系離型剤等を挙げることができる。
【0072】
第4の発明は、第3の発明におけるような、原型本体への嵌め合わせ部を含めて、ブロックパーツを個別に機械加工によって作製する手間を省くことができる。すなわち、予めブロックパーツ嵌め込み用形状を作り込んでおいた原型本体素材に、石膏や樹脂材を流し込み、肉盛りすることでブロックパーツ層を形成することによって、ブロックパーツを一度の加工で簡易にかつ効率的に形成することができる。
【0073】
上述の第1の発明〜第4の発明によって得られたタイヤ成形用金型原型を用いることによって、鋳造製法による、外観が美麗な3次元曲げ形状サイプブレードを鋳包ませたタイヤ成形用金型を得ることができる。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によっていかなる制限を受けるものではない。
【0075】
以下の実施例においては、石膏鋳造法によってタイヤ成形用金型(アルミニウム合金鋳造金型)を製作するための原型をNC加工等を用いることによって製造した。
【0076】
原型材料として、合成木材(ケミウッド材)(10ピッチ/1個の扇型原型を2個製造)を、充填用素材として、融点80℃のワックス材(実施例2で使用)及び非発泡石膏材(α石膏材)(実施例4で使用)を、ゴム型材として、ポリサルファイドゴム(スムースオン社製、FMC材)を、鋳型材として、非発泡石膏材(ノリタケカンパニーリミテド(株)製、商品名:G−6石膏)を、鋳造材として、アルミニウム合金(AC4C材)(Si:7質量%、Cu:0.8質量%、Mg:0.4質量%、残りAl)をそれぞれ用いた。
【0077】
図9に示すように、タイヤ成形用金型の構成は、分割数が7個の上下一体型タイプで61ピッチ/1周、6ブロックデザイン/1ピッチの基本形状(トータル366ブロック)を有し、サイプブレード設置数が1ブロック当り、5枚〜6枚のものとした。
【0078】
ここで、サイプブレードの全長は、10〜30mm、ブレード全高は、5〜7mm、ブレード鋳包み代は、4mm、ブレード肉厚は、0.3mm、ブレード種類数は、6種類(曲げ山数の種類数は、高さ方向曲げ山数2〜3、幅方向曲げ山数4〜9)、ブレード材質は、SUS304(Cr 18%、Ni 8%、残りFe)、ブレード植え込み枚数は、1980枚/1セットとした。
【0079】
タイヤ成形用金型の基本製法は、石膏鋳型を用いたアルミニウム合金鋳造法(石膏鋳造法)を用いた。この場合、基本収縮率は、12/1000(割り掛け率:0.9880)とした。
【0080】
サイプブレード形状は、図10(a)〜(b)にその断面形状を示すように、三角曲げ形状(2次元曲げ)(図10(a))及びディンプル曲げ形状(3次元曲げ)(図10(b))との融合形状(図10(c):平面図)とした。図10(c)においては、長手方向の長さが、10〜30mmで、凸ディンプル41、凹ディンプル42、三角曲げ山部43、直径が2mmのロッキングホール44及び直径が1mmのクロスベントホール45を配設した例を示している。
【0081】
図11に示すように、原型用ブレード13は、このうちの、三角曲げ山部のみをブロックデザイン部5の側面部用46、47及びプロファイル面用48と3分割したものを用いた。
【0082】
実施例1
図12に示すように、原型10のブロックデザイン部5の外周部全体(肉厚2〜5mm分)を、別パーツ(全周分離パーツ)6aとしてNC加工により作製し、ブロックデザイン部5の全周分離パーツ6aの側面部3に幅0.3mm、最大深さ3mmのブレード設置用ガイド溝7の加工を施した後、ブロック本体5aに組み付け、一体化させた(図12(a))。この状態から、接合部49を手仕上げした後、原型用サイプブレード13を嵌め込み、接着剤で固定し原型10を完成させた(図12(b))。
【0083】
このようにして製造した原型を用いて、ゴム型の形成、石膏鋳型の形成及び鋳造という従来製法を経由して、外観が美麗な3次元曲げ形状サイプブレードを鋳包ませたタイヤ成形用金型を得ることができた。
【0084】
実施例2
図13に示すように、原型10の基本形状を一体の素材からNC加工によって削り出した後(図13(a))、ブロックデザイン部5の側面部3の原型用ブレード13の曲げ山と干渉し合う部位(A部、B部)(図13(a)参照)に加工工具30を用いた座グリ加工により逃がし形状50、51を形成した(図13(b))。この形状の上に、充填用ワックス材を絵筆で肉盛りし、外周面形状をブロックデザイン部の形状に沿って仕上げた後、原型用ブレードを100℃程度に加熱し、ワックス部に押し付け、対応するガイド溝形状を付与した。得られた原型を用い、実施例1と同様にして、タイヤ成形用金型を作製したところ、外観が美麗な3次元曲げ形状サイプブレードを鋳包ませたタイヤ成形用金型を得ることができた。
【0085】
実施例3
図14に示すように、原型本体1とブロックデザイン部5とを直径が6mm及び直径が4mmの孔を介して平行ピン31a、31bで位置決め、接合した状態の原型本体素材(ケミウッド材)をNC加工し、原型10の基本形状を作り込んだ。その後、ブロックデザイン部の側面部3のブレード設置用ガイド溝の加工に第3の発明を用いることで原型を得た。ただし、ブロックデザイン部の側面部の加工時は、加工が困難なブロックパーツ以外のブロックパーツは取り外した後、加工するブロックパーツそのものも、原型本体1を固定する平行ピン31a、31bを長さが12mmのものから、30mmのものに変更し、ブロックパーツそのものを原型本体1からオーバーハングさせた状態で加工した。
【0086】
この方法で得た原型を用いてタイヤ成形用金型を鋳造製法にて作製したところ、外観が美麗な3次元曲げ形状サイプブレードを鋳包ませたタイヤ成形用金型を得ることができた。
【0087】
実施例4
実施例3において、ブロックデザイン部に平行ピン設置用穴加工を施し、その穴に対応する直径の長さ12mmの平行ピンを嵌め込んだ状態から、その上に、厚さ15mm〜20mmのα石膏材(混水率35質量%で調合したもの)を、パテ状に盛り付け、凝結・硬化させた後、50℃で6時間ほど乾燥させ、原型本体素材の上にブロックパーツ層を形成したものを得た。なお、原型本体側には、石膏盛り付け前にシリコーン系の離型剤を十分塗布しておいた。
【0088】
以下、実施例3と同様にして原型を完成させた。この方法を用いることにより実施例3の場合に比べて、ブロックパーツの加工工数分(約10時間)だけ原型作成工数を低減させることができた。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によって、起伏のある複雑な形状のブロックデザイン部の側面部や3次元形状等の複雑なサイプブレード設置用のガイド溝のような、工具による加工が困難な部分を含む複雑なデザイン、形状のタイヤ成形用金型原型を、所望のデザイン、形状で、簡易に、効率よく製造することが可能なタイヤ成形用金型原型の製造方法を提供することができる。また、本発明は、単にタイヤデザインの選択の自由度を拡大することに止まらず、タイヤ性能の大幅な向上を齎すことを可能にするという顕著な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明(第1の発明)のタイヤ成形用金型原型の製造方法の一の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】 本発明(第1の発明)のタイヤ成形用金型原型の製造方法の他の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図3】 本発明(第2の発明)のタイヤ成形用金型原型の製造方法の一の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図4】 本発明(第2の発明)のタイヤ成形用金型原型の製造方法の他の実施の形態を模式的に示す斜視図である。
【図5】 本発明(第3の発明)のタイヤ成形用金型原型の製造方法の一の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図6】 本発明(第3の発明)のタイヤ成形用金型原型の製造方法の他の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図7】 本発明(第3の発明)のタイヤ成形用金型原型の製造方法の、寸法調整部材を用いた、さらに他の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図8】 本発明(第4の発明)のタイヤ成形用金型原型の製造方法の一の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図9】 本発明のタイヤ成形用金型原型の製造方法の実施例で得られるタイヤ成形用金型の構成を模式的に示す平面図及びそのX−X線における断面図である。
【図10】 本発明のタイヤ成形用金型原型の製造方法の実施例で用いられたサイドブレードの曲げ断面形状を示す断面図である。
【図11】 本発明のタイヤ成形用金型原型の製造方法の実施例で用いられた原型用ブレードの形状を示す平面図である。
【図12】 本発明のタイヤ成形用金型原型の製造方法の一の実施例を模式的に示す平面図及び断面図である。
【図13】 本発明のタイヤ成形用金型原型の製造方法の他の実施例を模式的に示す平面図及び断面図である。
【図14】 本発明のタイヤ成形用金型原型の製造方法のさらに他の実施例を模式的に示す断面図である。
【図15】 タイヤに配設される各種の溝のそれぞれの形状を模式的に示す斜視図である。
【図16】 タイヤに配設されるサイプの形状の相違によってブロック剛性に相違が生じ、例えば、3次元形状とすることによってグリップ力を向上させることができることを模式的に示す平面図及び断面図である。
【図17】 従来のサイプブレードを鋳包む方法を用いたタイヤ成形用金型の製造方法を模式的に示す断面図である。
【図18】 原型用ブレード(モデル用ブレード)の製作及び原型への設置を模式的に示す断面図である。
【図19】 デザイン溝によって区画されたブロックデザイン部の側面部の形状によって、原型用ブレード(モデル用ブレード)の製作の困難さが変化することを模式的に示す断面図である。
【図20】 デザイン溝によって区画されたブロックデザイン部の側面部の形状によって、原型用ブレード(モデル用ブレード)の製作の困難さが変化することを模式的に示す斜視図である。
【図21】 デザイン溝によって区画されたブロックデザイン部の側面部の形状によって、原型用ブレード(モデル用ブレード)の製作の困難さが変化することを模式的に示す斜視図である。
【図22】 複雑な形状を有するサイプブレードに起因して、加工工具とブロックデザイン部との立体的な干渉が生じやすいことを模式的に示す斜視図である。
【図23】 ガイド溝の形状に起因して、加工工具とブロックデザイン部との立体的な干渉が生じやすいことを模式的に示す斜視図である。
【図24】 従来の、デザインブロック部ごとにピース単位に分割してブロックデザイン部の側面部の加工をする方法を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1…原型本体、1a…原型本体素材、2…デザイン溝、3…ブロックデザイン部の側面部、4…プロファイル面、5…ブロックデザイン部、5a…ブロック本体、6…分離パーツ、6a…全周分離パーツ、7…ガイド溝、8…嵌合部、9…ガイド溝、10…原型(マスターモデル)、11…空隙部、12…自己硬化性樹脂又は低融点材料、13…原型用ブレード、14…溝底面、15…掻き型(スィープゲージ)、20…ブロックパーツ、20a…第1のブロックパーツ、20b…第2のブロックパーツ、20c…ブロックパーツ素材、30…加工工具、31…ピン、31a、31b…平行ピン、32…寸法調整部材、33…間隙部、34…ブロックパーツ層、41…凸ディンプル、42…凹ディンプル、43…三角曲げ山部、44…ロッキングホール、45…クロスベントホール、46、47…側面部用三角曲げ山部、48…プロファイル面用三角曲げ山部、49…接合部、50、51…逃がし形状、101…タイヤ、102…リブ等の太溝、103…ラグ等の太溝、104…サイプ、106…タイヤ、107…サイプ、107a…従来の2次元形状サイプ、107b…3次元形状サイプ、500…原型(マスターモデル)、501…モデル用ブレード用素材、502…モデル用ブレード、503…デザイン溝、504…側面部、505…切り欠き形状、506…ゴム型、507…石膏鋳型、508…金型、509…金型用ブレード、510…ブロックデザイン部、510a…隣接するブロックデザイン部、600…プロファイル面、601,602…ガイド溝、603…プロファイル面用ブレード、604…側面部用ブレード、605…加工工具、701,702…ブロックピース、703,704…ブロックピースの側面。

Claims (15)

  1. タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、
    前記デザイン溝によって区画された前記複数のブロックデザイン部の側面部の全体又はその一部を分離した形状の分離パーツを形成し、前記ブロックデザイン部のプロファイル面及び前記分離パーツを所定形状に加工した後、前記ブロックデザイン部に前記分離パーツを装着して組み合せることを特徴とするタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  2. 前記タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)が、複数の太溝及び/又はサイプを表面形状として有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるものである請求項1に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  3. 前記ブロックデザイン部のプロファイル面及び前記分離パーツを、前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状にそれぞれ加工する請求項1又は2に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  4. タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、
    前記デザイン溝によって区画された前記複数のブロックデザイン部の側面部の全体又はその一部に、所定の厚さ及び形状の空隙部を形成し、前記ブロックデザイン部のプロファイル面を所定形状に加工し、かつ前記空隙部に自己硬化性樹脂又は低融点材料を充填した後、前記空隙部に充填した前記自己硬化性樹脂又は低融点材料に所定形状を付与することを特徴とするタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  5. 前記タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)が、複数の太溝及び/又はサイプを表面形状として有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるものである請求項4に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  6. 前記ブロックデザイン部のプロファイル面を前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状に加工するとともに、前記自己硬化性樹脂又は低融点材料に前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状を付与する請求項4又は5に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法
  7. タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、
    前記複数のブロックデザイン部を、原型本体素材から形成した原型本体と、ブロックパーツ素材から形成した、前記原型本体の上部から着脱可能な複数のブロックパーツとに分離して構成し、前記ブロックパーツを前記原型本体に装着して一体化して、全体を所定形状に加工し、前記ブロックパーツのうち、工具干渉によってその側面部の加工が困難である第1のブロックパーツ以外の第2のブロックパーツを前記原型本体から取り外し、前記第1のブロックパーツの側面部を所定形状に加工した後に、前記第2のブロックパーツを再装着することを特徴とするタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  8. 前記タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)が、複数の太溝及び/又はサイプを表面形状として有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるものである請求項に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  9. 前記原型本体と前記ブロックパーツとの間に寸法調整部材を介在させ、前記第1のブロックパーツの側面部を、その装着高さを調整した状態で所定形状に加工する請求項又はに記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  10. 一体化した前記ブロックパーツ及び前記原型本体の全体を前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状に加工する請求項のいずれかに記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  11. タイヤ成形用金型を鋳造製法によって製作する際に用いられる、所定の表面形状を有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるとともに、原型本体の上部に複数のデザイン溝によって区画されたプロファイル面を有する複数のブロックデザイン部を備えたタイヤ成形用金型原型(マスターモデル)を製造する方法であって、
    原型本体素材の上部に、複数のブロックパーツを装着してブロックデザイン部を構成し得るような形状の空隙部を形成し、前記空隙部が形成された原型本体素材上に成形材料を被覆してブロックパーツ層を形成し、ブロックパーツ層を所定形状に加工して複数のブロックパーツを形成するとともに原型本体素材を所定形状に加工して原型本体を形成することによって、ブロックデザイン部を形成し、形成されたブロックパーツのうち、工具干渉によってその側面部の加工が困難である第1のブロックパーツ以外の第2のブロックパーツを原型本体から取り外し、第1のブロックパーツの側面部を所定形状に加工した後に、前記第2のブロックパーツを再装着することを特徴とするタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  12. 前記タイヤ成形用金型原型(マスターモデル)が、複数の太溝及び/又はサイプを表面形状として有するタイヤの部分形状に対応した形状を備えるものである請求項11に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  13. 前記ブロックパーツの側面部を前記複数の太溝及び/又はサイプに対応した形状に加工する請求項11又は12に記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  14. 前記空隙部が形成された原型本体素材の上に離型剤を塗布した後に、前記成形材料を被覆する請求項1113のいずれかに記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法。
  15. 前記成形材料が、石膏又は自己硬化性樹脂である請求項1114のいずれかに記載のタイヤ成形用金型原型の製造方法
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