JP4656786B2 - 清掃具の製法およびそれによって得られる清掃具 - Google Patents

清掃具の製法およびそれによって得られる清掃具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品、通信部品、精密機械部品等の清掃に用いられる清掃具の製法およびそれによって得られる清掃具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子部品、通信部品、精密機械部品等の清掃には、図6に示すような、軸棒1の先端に綿繊維2を球状に巻き付け固定した綿棒3が、価格的にも安価で手軽に使い捨てることができることから、汎用されている。しかし、上記綿棒3は、先端の綿繊維2からなる略球状部分の外径が太い(通常、3〜5mm)ため、それよりも狭い凹部や溝部の内側を清掃することができないという問題がある。また、上記綿繊維2が毛羽立ちやすく、繊維屑が発生して汚染源となりやすいという問題もある。
【0003】
そこで、上記綿棒3に替わる清掃具として、例えば図7に示すように、清掃に用いる部分を、発泡ポリウレタンからなる弾性体4で構成し、これを、プラスチック製の軸5の先端面から突出形成した鉤部5aに係合固定するようにしたもの6や、図8に示すように、爪楊枝のように先端が尖った可撓性軸体7をプラスチックチューブ8の片端部に一部挿通させて固定したもの9等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
たしかに、これらのもの6,9は、綿棒3のように、先端が毛羽立ったり繊維屑が発生したりすることはないが、繊維構造体のように、微細な汚れを取り込んで除去することができず、清浄性能が低いという問題がある。また、これらのもの6,9は、先端部が尖っているため、凹部内の底面に対する清浄作業がしにくいという問題がある。
【0005】
さらに、最近は、電気・電子部品に光ファイバが多用されているが、現在汎用されている光ファイバ用のコネクタが、ファイバ連結部として直径2.5mmのフェルールを備えているのに対し、今後は、その1/2の直径1.25mmのフェルールを備えたものに置き変わっていくことが予想される。したがって、これらのフェルールの内側を清掃するには、非常に細い清掃具が必要である。そこで、清掃部位が非常に細く、しかも清浄性能に優れ、コスト的にも安価な清掃具の開発が望まれているが、そのようなものは、未だ得られていないのが実情である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、光ファイバコネクタ等の微小凹部内や溝部内の清掃が充分に可能で、清浄性能に優れ、しかも安価な清掃具の製法と、それによって得られる清掃具の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、軸径1mm以下の軸体の一端部に、少なくともその一部に極細繊維を用いて形成された不織布,織物,編物のいずれかからなる生地小片が、上記軸体を芯にしてその周囲に巻回された状態で取り付けられ、その取り付け部位の外径が2mm以下に設定されている清掃具の製法であって、上記軸体と、上記生地小片とを準備する工程と、回動するベルト面を所定のガイド面上に圧接するよう設定した上で、上記回動するベルト面とガイド面の間に、上記軸体の一端部に上記生地小片の端縁部を沿わせたものを、軸体の軸方向がベルト走行方向に対して直角となる向きで差し込むことにより、上記軸体の一端部に上記生地小片を巻回して取り付ける工程と、上記生地小片が取り付けられた軸体を、エア洗浄後、熱処理することにより上記生地小片の表面からの毛羽立ちおよび繊維屑の脱落をより抑えるようにした工程とを備えた清掃具の製法を第1の要旨とする。
【0008】
また、本発明は、上記製法のなかでも、特に、軸体の一端部に生地小片の端縁部を沿わせる際、軸体の一端より生地小片の端縁を、0.1〜5mm外側にずらした状態で配置するようにした清掃具の製法を第2の要旨とし、上記生地小片の少なくとも一部に用いられる極細繊維が、2成分が多数の扇状のセグメントとして交互に並ぶ横断面形状を有する複合繊維か、2成分が放射形の成分と扇形の成分とが複合された横断面形状を有する複合繊維を、分割フィブリル化したものである清掃具の製法を第3の要旨とし、上記生地小片として、少なくとも軸体の軸方向に対し直角方向における引張強度が110N/5cm以上、同じく引張強度110N/5cm以上、引張伸度20〜100%のものを用いるようにした清掃具の製法を第4の要旨とする。
【0009】
そして、本発明は、上記第1〜第4のいずれかの要旨である清掃具の製法によって得られる清掃具であって、軸径1mm以下の軸体の一端部に、少なくともその一部に極細繊維を用いて形成された不織布,織物,編物のいずれかからなる生地小片が、上記軸体を芯にしてその周囲に巻回された状態で取り付けられ、その取り付け部位の外径が2mm以下に設定されている清掃具を第5の要旨とする。
【0010】
また、本発明は、上記清掃具のなかでも、特に、上記軸体として軸径0.9mm以下のアルミニウム製軸体が用いられており、上記生地小片として、単糸繊度0.6デシテックス以下の極細繊維を70%以上用いて形成された不織布が用いられている清掃具を第の要旨とし、同じく上記生地小片として、経糸および緯糸の少なくとも一方に単糸繊度0.6デシテックス以下の極細繊維からなる糸を用いて形成された織物が用いられている清掃具を第の要旨とし、同じく上記生地小片として、少なくともその一部に単糸繊度0.6デシテックス以下の極細繊維からなる糸を用いて形成された編物が用いられている清掃具を第の要旨とする。
【0011】
さらに、本発明は、それらのなかでも、特に、上記軸体のうち、生地小片の取り付け部位を除く部分が、プラスチックチューブに挿通され抜け止め固定されている清掃具を第の要旨とし、上記生地小片の取り付け部位の外径が1.2mm以下に設定されており、光ファイバコネクタの清掃に用いられるものである清掃具を第10の要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態である清掃具を示している。図において、10は、軸径0.7mm、長さ150mmのアルミニウム製の軸体で、その片方の先端に、軸方向の長さが20mmの生地小片11が、軸体10を芯にしてその周囲に巻回された状態で取り付けられている。そして、上記生地小片11が取り付けられた先端部分の外径は、約1.0mmに設定されている。
【0014】
上記生地小片11は、清浄効果の点から、少なくともその一部に極細繊維を用いたものでなければならない。上記極細繊維の太さは、清掃対象に応じて、適宜に選択されるのであるが、例えば、パソコン等のキーボード、電話機、携帯電話、貴金属類等の微細部分を拭く場合は、単糸繊度が1.1dtex(デシテックス)前後の極細繊維を用いたもので充分である。一方、精密さが要求される電子部品、通信部品、精密機械部品や、半導体製造工程における部材の清掃に用いる場合は、単糸繊度が0.6dtex以下、特に0.1dtex近辺の超極細繊維を用いることが好適である。そして、これらの繊維を形成するための素材としては、通常、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリマーが用いられる。
【0015】
このような極細繊維は、通常、単繊維の中に、2種類以上の成分が複数のセグメントを形成しつつ接着された複合繊維を分割フィブリル化することによって得られる。上記分割フィブリル化は、一方の成分を、溶解や分解によって除去したり、膨張剤によって膨潤させたり、逆に収縮剤によって収縮させたり、あるいは加熱によって変形、収縮を生起させたりして行うことができる。また、複数成分を、摩擦や打撃によって物理的に分割することもできる。なお、これらの分割は、通常、上記複合繊維からなる糸を用いて織成もしくは編成、あるいは不織布化により所望の形状の生地を得たのち行われる。
【0016】
上記分割フィブリル化に適した複合繊維の横断面例を、図2(a)〜(i)に示す。これらはいずれも2成分からなり、例えば、図2(a)のものおよび同図(f)のものを分割すれば、2つの成分がともに扁平な細い繊維が得られるようになっている。また、同図(b)のものは、2成分が多数の扇形のセグメントとして交互に並んでおり、同図(c)のものは、放射形の成分と扇形の成分とが複合されている。さらに、同図(d)のものは、1成分が他成分の中に放射状に複合されている例、同図(e)のものは、1成分が他成分の中に不規則な形で分散して海島構造になっている例である。また、同図(g)のものは、1成分が他成分の中に多芯的に複合されている例、同図(h)のものは、2成分が環状に交互に並んでおり中空部を有している例、同図(i)のものは、2成分が左右方向に交互に並んで複合されている例である。これらの他、どのような複合形態であっても、それぞれの部分がセグメントに分割可能であれば、極細繊維を得ることができる。なかでも、図2(b)および同図(c)に示す複合繊維に由来する極細繊維が、シャープなエッジを有するため、清浄効果が高く、好適である。
【0017】
そして、上記極細繊維を用いた生地小片11の形態は、織物、編物、不織布のいずれであっても差し支えない。そして、いずれの形態においても、生地小片11の全部を上記極細繊維で構成することが、清掃性能の点で好適であるが、要求される性能の程度によっては、少なくともその一部に極細繊維を用いても差し支えない。例えば、生地小片11に織物を用いる場合、織物の経糸、緯糸の両方に極細繊維を用いても、経糸、緯糸のいずれか片方のみ極細繊維を用いてもよい。ただし、片方のみ用いる場合は、緯糸に用いる方が清浄効果が高く、好適である。また、生地小片11に編物を用いる場合、全体を極細繊維からなる糸で編成しても、極細繊維からなる糸と通常糸とを所定の割合で交編してもよい。不織布を用いる場合も、全体の、例えば30%以上が極細繊維であれば一定の清浄効果を得ることができ、70%以上であればより好ましく、特に100%使いであればより高い清浄効果を得ることができる。
【0018】
そして、上記生地小片11は、通常、上記織物、編物、不織布等の生地を、軸体10の周囲に巻回して取り付けるのに適した大きさに切断して得られるが、生地を小片に裁断する場合は、その裁断された耳部から塵が発生しないよう、ヒートカットもしくは超音波カットにより裁断することが好適である。
【0019】
上記生地小片11を軸体10に巻回して取り付けるには、例えばつぎのような方法を用いることが好適である。すなわち、まず、軸体10の先端部外周面に、接着剤を塗布し、図3に示すように、生地小片11の片端縁11a、軸体10の先端10aより0.1〜5mmだけ外側にずらした状態で配置し、軸体10を芯にして、その周囲に生地小片11を巻き付けるのである。上記のように、生地小片11の片端縁11aを、軸体10の先端10aより0.1〜5mmだけずらすのは、光ファイバコネクタのフェルール等の凹部内に先端を差し込んで清掃作業を行う際、先端部分が柔らかく自由になっている方が、凹部底面や凹部内の角部等を隅々まできれいに清掃しやすいからである。ただし、この部分を5mmより多くすると、清掃の際、先端が曲がる等して清掃しにくいという問題があり、好ましくない。
【0020】
また、この巻き付け作業は、効率を考えると、2個一対のロール間にゴムベルトを掛け渡して回動させ、回動するベルト面を所定のガイド面上に適宜の圧力で圧接するよう設定した上で、上記回動するベルト面とガイド面の間に、上記軸体10の先端部に生地小片11の端縁部11bを沿わせたものを、軸体10の軸方向がゴムベルトの走行方向に対して直角となる向きで差し込み、あたかも手でくるくる巻くような動作をゴムベルトに行わせることができる
【0021】
なお、上記軸体10の先端部に塗布される接着剤は、特に限定するものではないが、生地小片11の材質として汎用されるポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等と、軸体10の材質として汎用されるアルミニウムとを、強固に接合する接着剤として、ポリビニルアルコール(PVA)系接着剤や、アクリル系接着剤が好適である。
【0022】
また、軸体10に生地小片11を巻き付ける作業に、上記回動するベルトを利用する場合、ベルト面とガイド面を圧接する際の加圧条件は、49.1〜981kPa、より好ましくは98.1〜294.3kPaに設定することが好適である。すなわち、両者の圧接力が49.1kPaより低いと、生地小片11が軸体10に巻き付きにくく、逆に、981kPaより高いと、生地小片11が損傷しやすいからである。そして、ベルト面は、生地小片11がポリエステルやポリアミドからなる繊維で形成されている場合は、150〜220℃に加熱しておくと、生地小片11がぴったりと巻き付いてほぐれることがないため、好適である。また、生地小片11が、ポリプロピレンやポリエチレンのように融点の低いポリマーを含むものである場合は、130〜200℃に加熱することが好適である。
【0023】
さらに、生地小片11を巻回して軸体10に取り付けたものは、クリーンルーム内でエア洗浄後、熱処理すると、生地小片11の表面からの毛羽立ちや繊維屑の脱落をより一層抑えることができる。上記熱処理時の温度は、生地小片11がポリエステルやポリアミドからなる繊維で形成されている場合は、130〜200℃に設定することが好適である。また、ポリプロピレンやポリエチレンのように融点の低いポリマーを含むものである場合は、80〜150℃に設定することが好適である。そして、得られた清掃具は、1本ずつ、もしくは所定本数ずつ揃えて樹脂フィルム製の袋等にクリーンパックすると、外部からの異物混入等を防止することができ、好適である。
【0024】
このようにして得られた清掃具は、清掃に供する先端部分が、外径約1mmの非常に細い円柱状になっているため、直径1.25mmという細径の光ファイバコネクタのフェルール内であっても、スムーズに清掃作業を行うことができる。そして、清掃部分に極細繊維が用いられているため、清掃性能が高く、しかも毛羽立ちや繊維の脱落がないため、仕上がりが良好である。さらに、この清掃具は、比較的安価に得ることができるという利点を有する。
【0025】
なお、上記の例において、軸体10は、軸径が1mm以下のものであれば、どのような材質のものであってもよいが、この部分を手で把持して清掃作業を行うため、一定の強度が必要である。また、ある程度たわむことができ、軽量であることが好適である。したがって、上記の例のように、アルミニウム製であることが最適であるが、その他の材質として、プラスチックやステンレス等を用いても差し支えはない。
【0026】
また、生地小片11が巻回された先端部の外径は、2mm以下に設定されていなければならず、そのためには、上記軸体10の軸径にもよるが、通常、生地小片11の目付を、40〜100g/m2 、なかでも、50〜90g/m2 に設定することが好適である。なお、生地の厚みは、0.08〜0.5mmに設定することが好適である。すなわち、生地が薄すぎると凹凸に沿うクッション性に乏しくなり、逆に生地が厚すぎると、軸体10の周囲に巻回すると外径が大きくなりすぎて好ましくない。そして、上記生地小片11の巻回部分の外径が1.2mm以下のものは、光ファイバコネクタのフェルール内にスムーズに入り込むため、光ファイバコネクタ用として最適である。
【0027】
さらに、生地小片11は、軸体10に巻き付ける作業に耐え得るだけの強度を備えていることが必要で、そのためには、少なくとも軸体10の軸方向に対し直角方向における引張強度が、110N/5cm以上であることが好ましい。また、巻き付け作業時に生地が延びると、経時的に生地が収縮して軸体10から剥がれやすくなるため、軸体10の軸方向に対し直角方向における引張伸度が、20〜100%、より好ましくは80%以下であることが好適である。なお、上記「引張強度」および「引張伸度」は、JIS L1096 A法に従って測定される値である。
【0028】
なお、上記清掃具は、そのままで用いると、軸体10が細すぎて指で把持しにくかったり、紛失しやすかったりする場合があるため、例えば図4に示すように、軸体10の軸径よりやや大きい内径を有するポリエチレン製、ポリプロピレン製等のプラスチックチューブ12に、軸体10を挿通し、根元側を熱プレス等によってかしめて一体化するようにしてもよい。このようにして得られた清掃具は、把持部分の外径が太くなっているため、取扱いやすい。
【0029】
この場合、プラスチックチューブ12と軸体10を根元側でかしめるのは、かしめる際の衝撃で軸体10が多少歪んでも、この部分から上の先端側で直線性が維持されていれば、清掃作業に特に問題は生じないからである。また、かしめる位置は、図中矢印で示すように、根元側の側方から、所定間隔で2個所、その反対側から1個所にすることが好適である。そして、プラスチックチューブ12の先端開口の端縁部12aは、生地小片11の根元側の端面に当接させて、チューブ内との連通を遮断されるようにすることが望ましい。すなわち、連通状態では、チューブ内の粉塵が脱落して生地小片11(および清掃対象)を汚染するおそれがあるからである。
【0030】
また、同様の考え方により、例えば図5に示すように、上記と同様のプラスチックチューブ12′の両側から、それぞれ清掃具を挿通し、中央側で、それぞれ同様にかしめて一体化するようにしてもよい(かしめ部分は図示せず)。このものによれば、片方の生地小片11が汚れて清掃機能が低下しても、もう片方の生地小片11′を用いて清掃作業を続けることができ、使い勝手がよい。
【0031】
つぎに、本発明の実施例について説明する。
【0032】
【実施例1】
図2(c)に示す横断面形状の分割型複合繊維(放射形の成分:ナイロン6、8個の扇形の成分:ポリエステル)を、複合比1:2で溶融紡糸して、112dtex/50fの延伸糸を得た。そして、上記延伸糸を機械的に切断して、繊維長38mmのステープルとした後、カード法により繊維ウエブを形成した。この繊維ウエブに、水圧13.7MPaの水流によって機械的作用を与えることにより、繊維の分割と絡合を同時に行い、目付60g/m2 の超極細繊維からなる不織布を得た。
【0033】
この不織布は、引張強度が140N/5cm、引張伸度60.0%、厚み0.35mmであった。そして、この不織布を、20mm×5mmの帯状となるよう超音波カットにより切断した。一方、軸径が0.7mm、長さが150mmのアルミニウム製軸体の片端部に接着剤を塗布し、この部分に、上記帯状に切断した不織布片の長手方向に沿う端縁部を、前述のように、その先端縁が軸端より1mmだけはみ出した状態で付着させた。そして、これを、200℃に加熱されたベルト面とガイド面との間(圧接力98.1kPa)を通過させて、不織布片を軸体の周囲に巻き付けて、不織布片の巻回部分の外径が約1mmの、非常に細い清掃具を得た。なお、上記清掃具は、クリーンルーム内でエア洗浄したのち、さらに不織布巻回部分に熱風(180℃×5秒)を当てて、不織布の毛羽を抑えるようにした。
【0034】
上記清掃具を、図4に示すように、ポリエチレン製プラスチックチューブ(外径2mm、内径1mm)に挿通して固定したものを、光ファイバコネクタの清掃に用いたところ、直径1.25mmのフェルール内もきれいに清掃することができ、良好な仕上がり具合であった。また、作業時の使い勝手もよかった。
【0035】
【実施例2】
経糸として84dtex/36fのポリエステルを用い、緯糸として、図2(b)に示す横断面形状の分割型複合繊維(ポリエステルとナイロン6の2成分)であって112dtex/50fのものを用い、経密度80本/2.54cm、緯密度80本/2.54cmのタフタを製織した。そして、割繊処理を行い、緯糸の単糸繊度が略0.1dtexの織物を得た。この織物は、目付が60g/m2 、引張強度が734N/5cm、引張伸度33.3%、厚み0.13mmであった。この織物を、15mm×5mmの帯状となるよう超音波カットにより切断し、ベルト面とガイド面の圧接力を196.2kPaに設定する以外は実施例1と同様にして、織物片の巻回部分の外径が約1mmの、非常に細い清掃具を得た。なお、上記清掃具は、クリーンルーム内でエア洗浄するにとどまり、熱風を当てることは行わなかった。
【0036】
上記清掃具を、実施例1と同様のポリエチレン製プラスチックチューブに挿通して固定し、光ファイバコネクタの清掃に用いたところ、直径1.25mmのフェルール内もきれいに清掃することができ、良好な仕上がり具合であった。また、作業時の使い勝手もよかった。
【0037】
【実施例3】
図2(b)に示す横断面形状の分割型複合繊維(ポリエステルとポリプロピレンの2成分)を、複合比1:1で溶融紡糸して、112dtex/50fの延伸糸を得た。そして、上記延伸糸を機械的に切断して、繊維長38mmのステープルとした後、カード法により繊維ウエブを形成した。この繊維ウエブに、水圧12.8MPaの水流によって機械的作用を与えることにより、繊維の分割と絡合を同時に行い、目付55g/m2 の超極細繊維からなる不織布を得た。
【0038】
この不織布は、引張強度が130N/5cm、引張伸度80.0%、厚み0.33mmであった。そして、この不織布を、20mm×5mmの帯状となるよう超音波カットにより切断した。一方、軸径が0.7mm、長さが150mmのアルミニウム製軸体の片端部に接着剤を塗布し、この部分に、上記帯状に切断した不織布片の長手方向に沿う端縁部を、前述のように、その先端縁が軸端より1mmだけはみ出した状態で付着させた。そして、これを、180℃に加熱されたベルト面とガイド面との間(圧接力98.1kPa)を通過させて、不織布片を軸体の周囲に巻き付けて、不織布片の巻回部分の外径が約1mmの、非常に細い清掃具を得た。なお、上記清掃具は、クリーンルーム内でエア洗浄したのち、さらに不織布巻回部分に熱風(130℃×5秒)を当てて、不織布の毛羽を抑えるようにした。
【0039】
上記清掃具を、実施例1と同様のポリエチレン製プラスチックチューブに挿通して固定し、光ファイバコネクタの清掃に用いたところ、直径1.25mmのフェルール内もきれいに清掃することができ、良好な仕上がり具合であった。また、作業時の使い勝手もよかった。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明の清掃具の製法によれば、効率よく軸体の一端部に生地小片を巻回することができるだけでなく、エア洗浄後の熱処理により、生地小片の表面からの毛羽立ちや繊維屑の脱落を押さえることができる。そして、本発明の清掃具は、清掃に供する部分の外径が2mm以下と、非常に細く設定されているため、清浄しようとする対象部位に微細な凹凸や隙間があっても、その凹凸の内側や隙間内に入り込ませることができ、清掃作業を円滑に行うことができる。しかも、清浄に供する先端部分が、少なくともその一部に極細繊維を用いて形成された生地小片で構成されているため、毛羽立ちにくいだけでなく、優れた清浄性能を備えている。したがって、電子部品等の清浄に最適である。
【0041】
特に、軸体として、直径0.9mm以下のアルミニウム製の軸体を用い、生地小片として、単糸繊度0.6デシテックス以下の極細繊維を70%以上、特に100%用いて形成された不織布を用いたものは、精密な電子部品等の清掃に好適であり、なかでも、生地小片巻回部分の外径が1.2mm以下のものは、光ファイバコネクタのフェルール部分等の清浄に用いるのに最適である。そして、これらの清掃具であって、軸体部分を、プラスチックチューブに挿通して抜け止め固定したものは、指で把持しやすく、取扱いやすいため、より使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す部分断面説明図である。
【図2】 (a)〜(i)は、いずれも上記実施例に用いる生地における極細繊維の説明図である。
【図3】 上記実施例の製造方法の説明図である。
【図4】 上記実施例の使用態様の一例を示す説明図である。
【図5】 上記実施例の変形例を示す説明図である。
【図6】 従来の清掃具の一例を示す説明図である。
【図7】 従来の清掃具の他の例を示す説明図である。
【図8】 従来の清掃具のさらに他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 軸体
11 生地小片

Claims (10)

  1. 軸径1mm以下の軸体の一端部に、少なくともその一部に極細繊維を用いて形成された不織布,織物,編物のいずれかからなる生地小片が、上記軸体を芯にしてその周囲に巻回された状態で取り付けられ、その取り付け部位の外径が2mm以下に設定されている清掃具の製法であって、上記軸体と、上記生地小片とを準備する工程と、回動するベルト面を所定のガイド面上に圧接するよう設定した上で、上記回動するベルト面とガイド面の間に、上記軸体の一端部に上記生地小片の端縁部を沿わせたものを、軸体の軸方向がベルト走行方向に対して直角となる向きで差し込むことにより、上記軸体の一端部に上記生地小片を巻回して取り付ける工程と、上記生地小片が取り付けられた軸体を、エア洗浄後、熱処理することにより上記生地小片の表面からの毛羽立ちおよび繊維屑の脱落をより抑えるようにした工程とをを備えたことを特徴とする清掃具の製法。
  2. 軸体の一端部に生地小片の端縁部を沿わせる際、軸体の一端より生地小片の端縁を、0.1〜5mm外側にずらした状態で配置するようにした請求項1記載の清掃具の製法。
  3. 上記生地小片の少なくとも一部に用いられる極細繊維が、2成分が多数の扇状のセグメントとして交互に並ぶ横断面形状を有する複合繊維か、2成分が放射形の成分と扇形の成分とが複合された横断面形状を有する複合繊維を、分割フィブリル化したものである請求項1または2記載の清掃具の製法。
  4. 上記生地小片として、少なくとも軸体の軸方向に対し直角方向における引張強度が110N/5cm以上、同じく引張伸度が20〜100%のものを用いるようにした請求項1〜3のいずれか一項に記載の清掃具の製法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製法によって得られる清掃具であって、軸径1mm以下の軸体の一端部に、少なくともその一部に極細繊維を用いて形成された不織布,織物,編物のいずれかからなる生地小片が、上記軸体を芯にしてその周囲に巻回された状態で取り付けられ、その取り付け部位の外径が2mm以下に設定されていることを特徴とする清掃具。
  6. 上記軸体として軸径0.9mm以下のアルミニウム製軸体が用いられており、上記生地小片として、単糸繊度0.6デシテックス以下の極細繊維を70%以上用いて形成された不織布が用いられている請求項5記載の清掃具。
  7. 上記軸体として軸径0.9mm以下のアルミニウム製軸体が用いられており、上記生地小片として、経糸および緯糸の少なくとも一方に単糸繊度0.6デシテックス以下の極細繊維からなる糸を用いて形成された織物が用いられている請求項5記載の清掃具。
  8. 上記軸体として軸径0.9mm以下のアルミニウム製軸体が用いられており、上記生地小片として、少なくともその一部に単糸繊度0.6デシテックス以下の極細繊維からなる糸を用いて形成された編物が用いられている請求項5記載の清掃具。
  9. 上記軸体のうち、生地小片の取り付け部位を除く部分が、プラスチックチューブに挿通され抜け止め固定されている請求項5〜8のいずれか一項に記載の清掃具。
  10. 生地小片の取り付け部位の外径が1.2mm以下に設定されており、光ファイバコネクタの清掃に用いられるものである請求項5〜9のいずれか一項に記載の清掃具。
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