JPH08336492A - 清掃用布帛およびその製法 - Google Patents

清掃用布帛およびその製法

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JPH08336492A
JPH08336492A JP14790695A JP14790695A JPH08336492A JP H08336492 A JPH08336492 A JP H08336492A JP 14790695 A JP14790695 A JP 14790695A JP 14790695 A JP14790695 A JP 14790695A JP H08336492 A JPH08336492 A JP H08336492A
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cloth
cleaning
fibers
single yarn
resin
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JP14790695A
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Inventor
Kiyoshi Takase
清 高瀬
Masahide Kaneko
正秀 金子
Kuniyuki Yoshii
国之 吉井
Toshiyuki Suzuki
俊之 鈴木
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 清掃時に清掃面を傷付けることがなく、しか
も、長期にわたって優れた清掃性能を維持することので
きる清掃用布帛を提供する。 【構成】 フィブリル化型複合フィラメントに由来する
フィブリル束で基材となる高密度布体が形成され、上記
フィブリル束が平均単糸繊度1デニール以下の極細単糸
繊維で構成され、上記高密度布体の50〜80%が部分
圧着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、清掃面を傷付けること
がなく、長期にわたって優れた清掃性能を維持すること
のできる清掃用布帛およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車体に付着した汚れ等を取り
除くため、多くのガソリンスタンド等に洗車機が設置さ
れている。ところが、上記洗車機の洗車ブラシは、ポリ
エチレン樹脂製モノフィラメントを密植した回転ロール
で構成されたものが多く、洗車時に車体の塗装面を傷付
けやすいという問題がある。このため、ガソリンスタン
ド等に設置された洗車機の洗車ブラシは、高級車やメタ
リック塗装車等のオーナーにはあまり利用されていない
のが実情である。そこで、洗車時に上記塗装面を傷付け
ることがないように不織布製の回転ブラシが提案されて
いる(特開平7−125613号公報)。この回転ブラ
シは、回転軸に多数の洗車ブラシ用不織布を上下に重ね
合わせて取付けたもので構成されており、この洗車ブラ
シ用不織布は、みかけ密度が0.2〜1.0g/cm3
の部分熱圧着され、撥水度が50以上となるように撥水
処理されている。
【0003】
【課題を解決するための手段】しかしながら、上記の洗
車ブラシ用不織布では、これを構成する繊維が太いう
え、繊維間が部分的に大きくなってそこに砂等をかみ込
みやすいため、依然として塗装面を傷付けやすいという
問題が残っている。しかも、車体に塗布されたワックス
等の油性分を落としにくく、洗車後に新しいワックスを
塗布しようとしても、洗車前の古いワックス等の悪影響
により新しいワックスを付着させにくいという問題もあ
る。さらに、上記の洗車ブラシ用不織布では、撥水処理
を行うことで洗浄液の含水量を規制しているため、洗車
時の摩擦等により撥水処理剤等が早期に摩滅して撥水効
果が低下し、早期に洗車ブラシの耐久性低下を招くとい
う問題もある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、清掃時に清掃面を傷付けることがなく、しか
も、長期にわたって優れた清掃性能を維持することので
きる清掃用布帛およびその製法の提供をその目的とす
る。
【0005】上記の目的を達成するため、本発明は、基
材となる高密度布体がフィブリル束で形成され、上記フ
ィブリル束が平均単糸繊度1デニール以下の極細単糸繊
維で構成され、上記高密度布体の50〜80%が部分圧
着されている清掃用布帛を第1の要旨とし、フィブリル
化型複合フィラメントに由来するフィブリル束で形成さ
れ上記フィブリル束が平均単糸繊度1デニール以下の極
細単糸繊維で構成されている高密度の布生地を準備する
工程と、上記布生地の極細単糸繊維を起毛させる工程
と、上記布生地に樹脂を付与する工程と、上記布生地に
付与した樹脂を固化する工程と、上記布生地の表面を部
分圧着する工程とを備えた清掃用布帛の製法を第2の要
旨とする。
【0006】
【作用】すなわち、本発明の清掃用布帛は、その基材と
なる高密度布体が、フィブリル束で形成され、上記フィ
ブリル束が平均単糸繊度1デニール以下の極細単糸繊維
で構成され、上記高密度布体の50〜80%が部分圧着
されている。このように、清掃用布帛の基材として、平
均単糸繊度1デニール以下の極細単糸繊維を用いて高密
度に形成された布体であって、その50〜80%が部分
圧着されている布体を用いることで、清掃面を傷付ける
ことを無くせるとともに、繊維間に砂等をかみ込むこと
も無くなって、より一層清掃面の傷付きを防止すること
ができる。しかも、自動車の車体等に塗布されたワック
ス等の油性分も落としやすくなり、洗車後に新しいワッ
クス等を車体に塗布する際に、上記新しいワックスが付
着しやすくなる。また、本発明の方法では、上記極細単
糸繊維を起毛させる工程を備えているため、この工程を
経て起毛された極細単糸繊維により、清掃時における清
掃面への接触が柔らかくなり清掃面を傷付けることが殆
ど無くなる。しかも、部分圧着の工程で部分圧着による
圧着面積を適正に設定することで、撥水処理を行うこと
なく適正な保水性能を保持するすることができるように
なる。そして、上記部分圧着された部分が長期にわたっ
てその圧着状態を維持することから、適正な保水性能を
長期間維持することができ、例えば、洗車ブラシ等に用
いた場合にその耐久性が向上する。
【0007】つぎに、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の清掃用布帛は、基材となる高密度
布体がフィブリル束で形成され、上記フィブリル束が平
均単糸繊度1デニール以下の極細単糸繊維で構成され、
上記高密度布体の50〜80%が部分圧着されている。
【0009】上記フィブリル束はフィブリル化型複合フ
ィラメントに由来している。このフィブリル化型複合フ
ィラメントとは、相互接着性の低い(すなわち、剥離し
やすい)2種類の繊維形状性重合体が長手方向に沿って
接合され、その横断面において放射状に分岐する一方の
成分Aのセグメントが他方の成分Bを少なくとも3個の
セグメントに分離している構造等になっており、後処理
(薬剤処理,加熱処理等)により各セグメントに分割可
能(フィブリル化可能)な複合フィラメントである。
【0010】上記相互接着性の低い2種類の繊維形状性
重合体の組み合わせとしては、ポリアミドとポリエステ
ル,ポリアミドとポリオレフィン,ポリアミドとポリア
クリロニトリル系重合体,ポリエステルとポリオレフィ
ン,ポリエステルとポリアクリロニトリル系重合体,ポ
リオレフィンとポリアクリロニトリル系重合体等がある
が、複合紡糸のしやすさから、ポリアミドとポリエステ
ル,ポリアミドとポリオレフィンの組み合わせが最も好
ましい。
【0011】このような相互接着性の低い2種類の繊維
形状性重合体が長手方向に沿って接合され、その横断面
において放射状に分岐する一方の成分Aのセグメントが
他方の成分Bを少なくとも3個のセグメントに分離して
いるものとは、例えば、図1〜図3に示すような横断面
形状を有するものであり、図4〜図5に示すように、放
射状に分岐するセグメントAと、これとは異なった成分
からなり上記放射状部分を補充する少なくとも3個のセ
グメントBとが長手方向に沿って接合されているもので
ある。また、その外形は本質的に円形であっても、実質
的に円形であってもよく、また、非円形(3角形,4角
形等)であってもよい。また、上記横断面において、両
成分A,Bが、図7に示すようにサイドバイサイド型に
なったもの、図8に示すようにサイドバイサイド繰り返
し型になったもの、および図9に示すように放射型の形
状を有する成分Aとこの放射部を補完する形状を有する
他の成分Bからなり一方の放射形状が中心側において途
切れているもの等が挙げられる。
【0012】上記フィブリル化型複合フィラメントは、
薬剤処理,加熱処理等の後処理によって繊維形成性重合
体を膨潤,収縮させて、各セグメントに分割極細化(割
繊)することができる。上記薬剤処理とは、例えば、フ
ィブリル化型複合フィラメントを構成する成分の一方を
膨潤させる薬剤で処理することによりフィブリル化型複
合フィラメントの分割および基材の収縮を行う方法であ
り、ベンジルアルコール等の溶液やエマルジョンが使用
される。また、加熱処理としては、弛緩状態で熱処理す
る方法、熱水中にて加熱する方法等がある。また、機械
的屈曲や摩擦等の物理的な衝撃によっても分割極細化す
ることができる。このような薬剤処理,加熱処理および
機械的屈曲等の組み合わせによる方法を採用すると、容
易に収縮させることが可能であり、また、同時にフィブ
リル化型複合フィラメントをフィブリル化することがで
き、最も好ましい。
【0013】上記布体としては、編織布および不織布が
用いられ、好ましくは、パイル編織布もしくは起毛編織
布が用いられる。上記パイル編布としては、組織として
パイル(立毛部)を編成した編物で、例えばパイル編ト
リコット,パイル丸編等が、パイル織布としては、組織
としてパイル(立毛部)を織成した添毛織物で、例えば
ベルベット,ベロア,ベッチン,コール天等が挙げられ
る。また、起毛編布としては、丸編,トリコット編等を
起毛して立毛を生じさせた編物等が、起毛織布として
は、5枚朱子,8枚朱子等の朱子織,綾織,平織,タオ
ル織等を起毛して立毛を生じさせた織物等が挙げられ
る。
【0014】本発明では、上記複合フィラメントを分割
極細化することによって得られるフィブリル束の平均単
糸繊度が1デニール以下に設定されている。すなわち、
平均単糸繊度が1デニールを超えると、単糸繊維が太く
なりすぎ、清掃時に清掃面を傷付けるからである。な
お、上記「平均単糸繊度」とは、(フィブリル化前の単
糸繊度)/(フィブリル化後の単糸繊維本数)によって
規定されるもので、例えば複合フィラメントの単糸繊度
が2デニールであり、分割極細化によって、この複合フ
ィラメントが8本の単糸繊維(フィブリル)となる場合
に、その平均単糸繊度は0.25デニールとなる。この
ようなフィブリル束で形成された高密度布体は、そのみ
かけの密度が0.3〜0.8g/cm3 に設定され、好
適には0.4〜0.6g/cm3 に設定されている。ま
た、本発明では、上記高密度布体の圧着面積が表面積の
50〜80%に設定されている。上記圧着面積(平面視
での面積で算出している)とは、図10に示すように、
部分圧着時の押圧や熱影響等を受けて起毛が伏倒され目
の潰れた部分Cを指しており、したがって、部分圧着に
よっても起毛3が残っていて目の潰れていない部分D
は、50〜20%存在している。このような算出におい
ては、エンボスの機械精度を±10%としている。ま
た、本発明において、高密度布体の外周部だけが上記の
ように設定されているものもある。これは、後述のよう
に(図13および図14参照)、中央部を全面圧着した
ものも、本発明に含まれているためである。
【0015】一方本発明の製法は、フィブリル化型複合
フィラメントに由来するフィブリル束で形成され上記フ
ィブリル束が平均単糸繊度1デニール以下の極細単糸繊
維で構成されている高密度の布生地を準備する工程と、
上記布生地の極細単糸繊維を起毛させる工程と、上記布
生地に樹脂を付与する工程と、上記布生地に付与した樹
脂を固化する工程と、上記布生地の表面を部分圧着する
工程を備えている。
【0016】上記布生地の極細単糸繊維を起毛させる工
程では、その立毛面(パイルを有する面、または先の工
程で起毛した面)を研磨することが行われる。この研磨
は、針布を巻いたロール、またはサンドペーパー等の研
磨紙を巻いたロールで擦過する方法等が挙げられる。こ
のような研磨で立毛面が均一に起毛され、この起毛によ
り清掃面への接触が柔らかくなり、清掃面を傷付けにく
くなる。また、上記研磨により、起毛と同時にそのカッ
トも行われることが望ましい。これにより、ループ状に
起毛したものが2本に分岐し、清掃時起毛に砂等がかみ
込むことが無くなる。
【0017】上記布生地に樹脂を付与する工程では、高
分子体を含有する溶液,エマルジョンまたはベーストレ
ジンを付与(含浸または塗布等)することが行われる。
上記高分子体としては、ポリウレタン,ポリアミド樹
脂,塩化ビニル樹脂,アクリル樹脂等が挙げられる。な
かでもポリウレタンのエラストマー類が好ましい。上記
高分子体を含有する溶液,またはベーストレジンを基材
に付与(含浸または塗布等)する方法としては、浸漬,
コーティング,スプレー等通常用いられている方法でよ
い。
【0018】上記付与した高分子体を固化する方法とし
ては、乾式により、直接溶剤を蒸発させる方法や凝固液
中に浸漬して凝固する湿式凝固方法が採用される。湿式
凝固したのちは水洗いして溶剤を除去したのち乾燥させ
る。このような方法により布生地に樹脂を付与し,固化
することで、布生地に反発弾性を持たせることができる
と同時に、部分圧着された形状を保形することができる
ようになり(保形性が向上し)、長期間の使用によって
も初期の部分圧着形状を保って型くずれすることがな
く、耐久性が向上する。
【0019】上記布生地の表面を部分圧着する工程で
は、一般に、エンボス加工等が行われる。このような部
分圧着による圧着部分の面積は、外周部において、この
外周部の表面積の50〜80%に設定され、好適には5
5〜60%に設定される。これにより、洗浄液の含水量
を少なくすることができるとともに、清掃面への接触面
積を適正に確保することができる。このような部分圧着
の形状は、車体の塗装面等に当接する部分において、ダ
イヤ柄等の幾何学模様にすることが望ましく、大きさに
制限はない。また、図11に示すように、清掃用布帛1
の一側面に圧着部分2を格子状に配置してこれを均一に
分布させるようにしてもよいし、図12に示すように、
清掃用布帛1の一側面に圧着部分2を放射状に形成して
清掃用布帛1の水切り性の向上を図ってもよい。図にお
いて、1aは清掃用布帛1の中央部に穿設された回転軸
等の挿通孔である。また、図13および図14に示すよ
うに、洗車ブラシに用いる場合には、中央部(挿通孔1
aの外周部)1bを全面圧着することも考えられる(し
たがって、外周部だけが50〜80%の部分圧着に形成
されている)。このものでは、中央部1b(全面圧着の
部分)に全く含水されないため、洗浄時の含水量が大幅
に減少して回転モータの負荷を軽減することができ、洗
車ブラシの耐久性を大幅に向上させることができるとと
もに、回転モータの小型化をも図ることができる。
【0020】本発明の清掃用布帛は、例えば、つぎのよ
うな工程を経て製造される。すなわち、生機→開繊→収
縮,乾燥→ヒートセット→表サンディング(起毛工程)
→裏サンディング(起毛工程)→染色→乾燥→表カレン
ダー→裏カレンダー→ウレタン樹脂の含浸(樹脂付与工
程)→乾燥(固化工程)→エンボス加工(部分圧着工
程)を経て製造される。この工程順で行うと、起毛工程
の後に樹脂付与工程を行うことができて、優れた保形性
を発揮することができるうえ、エンボス加工を最後で行
うため、圧着部分の面積を正確に設定できるという利点
がある。ただし、サンディング(起毛工程),ウレタン
樹脂の含浸(樹脂付与工程),乾燥(固化工程)および
エンボス加工(部分圧着工程)の順序は、これに限定す
るものではなく、適宜変えることができる。例えば、生
機→開繊→収縮,乾燥→ヒートセット→染色→乾燥→表
カレンダー→裏カレンダー→ウレタン樹脂の含浸(樹脂
付与工程)→乾燥(固化工程)→エンボス加工(部分圧
着工程)→表サンディング(起毛工程)→裏サンディン
グ(起毛工程)を経て製造されてもよい。このもので
は、最終工程で(樹脂付与工程の後で)起毛工程を行う
ため、起毛工程で起毛がカットされたまま清掃用布帛と
なり、清掃時における砂等のかみ込み防止効果が一層優
れたものになる(すなわち、起毛工程の後で樹脂付与工
程を行うと、カットされた起毛が樹脂でひっ付くことが
ある)。上記各工程において、カレンダーの温度が14
0〜160℃に設定されている場合には、高密度布体の
硬化が少なく、清掃面を傷付けことが少なくなるうえ、
保水率を60〜90%にコントロールできるという利点
がある。このうよなカレンダーの温度の(140〜16
0℃野)設定は、エンボス加工を190℃で行うことを
併用することで、一層効果を増す。
【0021】つぎに、本発明の実施例を説明する。
【0022】
【実施例】固有粘度1.14(メタクレゾール中30
℃)の6ナイロン(以下、6Nと略す)と固有粘度0.
63(オルノクロロフェノール中30℃)のポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETと略す)を1:3(容
積比)の割合で溶融接合紡糸し、700m/分で巻き取
り、図2と同様の断面を有するフィブリル化型複合フィ
ラメントの末延伸糸を得た。
【0023】図15は上記複合フィラメントの接合紡糸
に使用した紡糸口金における2成分接合部であり、図1
6は吐出オリフィス部(1ホール)の拡大図(図15の
X−X′線矢視断面図)である。すなわち、溶融された
PETは、内部口金板11の導孔12から4個の小孔1
3を通って外部口金板14の導孔15中へ流入する。一
方、溶融された6Nは、内部口金板11と外部口金板1
4によって形成されている液溜16から溝17を通って
外部口金板14の導孔15の中へ流入し、PETを4個
の部分に分けてPETと接合し、オリフィスから吐出さ
れ、図2と同様の断面を有する複合フィラメントを構成
するようになる。ただし、6Nが十字部を構成し、PE
Tが扇部を構成している。
【0024】編機:シングルトリコット 28ゲージ、
組繊:フロント 1×3の同方向、バック 1×1のデ
ンビー、使用糸:フロントにポリエステル70%,ポリ
アミド30%からなる分割型極細繊維 50デニール/
25フィラメントの長繊維フィラメント糸を、バックに
ポリエステル30デニール/12フィラメント糸の長繊
維フィラメント糸を用いて得た編地に針布起毛機のフレ
ンチ起毛を表,裏各1回実施し、さらに、カット起毛を
表,裏,表を交互に実施したのち、ベンジルアルコール
を15%重量含有する水系乳化分散液に浸漬後、絞り率
80%で絞液した後編地を95℃の熱水中に3分間浸漬
し、洗浄後乾燥した。そののち、サンディング(180
メッシュ)→染色→両面シミリー(140℃)→ポリウ
レタンの含浸(8%)→エンボス加工の順で各処理を施
した。
【0025】上記ポリウレタンの含浸では、ポリエーテ
ル型ポリウレタンの8%のN・N′−ジメチルホルムア
ミド(以下、DMFと略す)溶液中に浸漬後絞液し溶液
として100%付着せしめた。そののち、90℃水中に
15分間漬して脱溶媒と同時に凝固させた。ついで、こ
れを充分水洗し、乾燥した。得られた編地でのポリウレ
タン固形分としての付着量は、繊維100部当たり8部
であった。
【0026】上記製法により、実施例品としてサンプル
A(ポリウレタンの含浸の前にサンディングをしたも
の)およびB(エンボス加工の後にサンディングをした
もの)を得た。このサンプルAおよびBは、単糸繊度が
0.18デニールであり、全表面積に対する部分圧着の
面積が76%である。また、比較例品として、サンプル
D〜Fを、上記製法と同様にして、作製した。各サンプ
ルD〜Fの単糸繊度は0.18デニールであり、サンプ
ルCはサンディングなしで部分圧着の面積が76%であ
るもの、サンプルDは全表面を圧着したもの、サンプル
Eは全表面を圧着していないもの、およびサンプルFは
全表面を圧着せず撥水加工を施したものである(表1参
照)。一方、従来例品として、サンプルGを、従来の製
法により、作製した。このサンプルGは単糸繊度が2デ
ニールであり、部分圧着の面積が10%である。そし
て、各サンプルA〜Gについて、目付(g/m2 )、厚
み(mm)、みかけ密度(目付を厚みで割った値であ
り、g/cm3 )、保水率(%)、撥水度(点)、およ
び摩擦傷の有無を調べた。上記保水率は、図17の試料
(重量W0 )を用いて3時間ワッシャを行ったのち10
分間吊り干し、その重量W 1 を計測し、下記の式1から
保水率を求めた。また、傷の評価は、JIS L−08
23 2型の摩擦試験機を用い、試験台に塗装板を取付
け、予め水に浸積した試料を摩擦子に取付け、50回往
復させたのちの傷の状態を50倍の拡大顕微鏡で評価し
た。下記の表2で、○は摩擦傷が無かったことを示し、
×は摩擦傷が有ったことを示している。下記の表2から
明らかなように、サンプルAおよびB(実施例品)は、
適度の保水率を有し、かつ、摩擦傷がないことがわか
る。
【0027】
【式1】(W1 −W0 )/W0 ×100
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】なお、上記実施例では、撥水処理を行って
いないが、これに限定するものではなく、撥水処理を行
ってもよい。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の清掃用布帛によ
れば、その基材となる高密度布体が、フィブリル化型複
合フィラメントに由来するフィブリル束で形成され、上
記フィブリル束が平均単糸繊度1デニール以下の極細単
糸繊維で構成され、上記高密度布体の50〜80%が部
分圧着されている。このように、清掃用布帛の基材とし
て、平均単糸繊度1デニール以下の極細単糸繊維を用い
て高密度に形成された布体であって、その50〜80%
が部分圧着されている布体を用いることで、清掃面を傷
付けることを無くせるとともに、繊維間に砂等をかみ込
むことも無くなって、より一層清掃面の傷付きを防止す
ることができる。しかも、自動車の車体等に塗布された
ワックス等の油性分も落としやすくなり、洗車後に新し
いワックス等を車体に塗布する際に、上記新しいワック
スが付着しやすくなる。また、本発明の方法では、上記
極細単糸繊維を起毛させる工程を備えているため、この
工程を経て起毛された極細単糸繊維により、清掃時にお
ける清掃面への接触が柔らかくなって清掃面を傷付ける
ことが殆ど無くなる。しかも、部分圧着の工程で部分圧
着による圧着面積を適正に設定することで、撥水処理を
行うことなく適正な保水性能を保持するすることができ
るようになる。そして、上記部分圧着された部分が長期
にわたってその圧着状態を維持することができるため、
適正な保水性能を長期間維持することができ、例えば、
洗車ブラシ等に用いた場合にその耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるフィブリル化型複合フィラメン
トの断面図である。
【図2】上記複合フィラメントの変形例の断面図であ
る。
【図3】上記複合フィラメントの他の変形例の断面図で
ある。
【図4】上記複合フィラメントのセグメントの説明図で
ある。
【図5】上記複合フィラメントの変形例のセグメントの
説明図である。
【図6】上記複合フィラメントの他の変形例のセグメン
トの説明図である。
【図7】上記複合フィラメントのさらに他の変形例の断
面図である。
【図8】上記複合フィラメントのさらに他の変形例の断
面図である。
【図9】上記複合フィラメントのさらに他の変形例の断
面図である。
【図10】清掃用布帛の概略断面図である。
【図11】清掃用布帛の説明図である。
【図12】他の清掃用布帛の説明図である。
【図13】さらに他の清掃用布帛の説明図である。
【図14】さらに他の清掃用布帛の説明図である。
【図15】紡糸口金の説明図である。
【図16】上記紡糸口金の要部の断面図である。
【図17】試料の説明図である。
【符号の説明】
1 清掃用布帛 1a 挿通孔 1b 中央部 2 圧着部分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06C 23/04 D06C 23/04 B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材となる高密度布体がフィブリル束で
    形成され、上記フィブリル束が平均単糸繊度1デニール
    以下の極細単糸繊維で構成され、上記高密度布体の50
    〜80%が部分圧着されていることを特徴とする清掃用
    布帛。
  2. 【請求項2】 フィブリル化型複合フィラメントに由来
    するフィブリル束で形成され上記フィブリル束が平均単
    糸繊度1デニール以下の極細単糸繊維で構成されている
    高密度の布生地を準備する工程と、上記布生地の極細単
    糸繊維を起毛させる工程と、上記布生地に樹脂を付与す
    る工程と、上記布生地に付与した樹脂を固化する工程
    と、上記布生地の表面を部分圧着する工程とを備えたこ
    とを特徴とする清掃用布帛の製法。
JP14790695A 1995-06-14 1995-06-14 清掃用布帛およびその製法 Pending JPH08336492A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006168528A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Unitika Tsusho Ltd 洗車機用の洗浄体
JP2010099134A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Aisen Kogyo Kk 洗浄用布帛及びそれを用いた洗浄具
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