JP4655683B2 - スルーレート調整回路およびスルーレート調整方法 - Google Patents

スルーレート調整回路およびスルーレート調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子等の回路から高速で出力される信号の最大の電圧変化率としてのスルーレートを調整するためのスルーレート調整回路およびスルーレート調整方法に係わり、特にスルーレートを所望の値に調整するのに好適なスルーレート調整回路およびスルーレート調整方法に関する。
たとえばLSI(Large Scale Integrated circuit:大規模集積回路)の出力バッファから“0”と“1”の2値で表わされた矩形のパルス信号をこのLSIに接続された伝送路に高速で出力すると、後段の回路に入力する際に信号の反射が生じる等の原因でノイズが発生することがある。このようなノイズは、後段の回路の誤動作の原因となる。そこで、パルス信号の波形の急峻な立ち上がりや立ち下がりを鈍らせるように、これらの信号のスルーレートを調整することが一般に行われている。ここでスルーレートとは、信号の電圧変化率の絶対値をいい、単位時間当たりに上昇可能な電圧値で示される。
ところで、伝送路に高速で送出される信号のスルーレートには適正範囲がある。たとえばスルーレートを過小にすると、信号の電圧変化が非常に緩やかとなり、所定の電圧に到達するまでの遅延時間が大きくなる。スルーレートを過大にした場合には、電圧変化に対する応答性は良いが、すでに説明したようにノイズの発生の原因となる。
そこで、伝送路の長さやこれに出力される信号の状態によって経験的に定まる適正値にスルーレートを調整するようにしたスルーレート調整回路が従来から提案されている(たとえば特許文献1参照)。この第1の提案では、伝送路に信号を出力する出力バッファをスルーレートの調整に使用している。そして、スルーレートの調整を行うために使用するパラメータとスルーレートとの相関関係のシミュレーションを行い、パラメータの値を特定する。これにより、スルーレートを目標値に調整することが可能となる。
しかしながら、スルーレートとパラメータとの相関関係は、適用する出力バッファの構成の違いやその使用環境の違い等の要因によって微妙に異なるのが通常である。したがって、第1の提案ではスルーレートの調整を高精度に行うことができないという問題がある。
そこで、出力バッファから伝送路に出力される信号の単位時間に変化すべき電圧の最大値を算出しておき、この変化量が算出された値に一致するまでパラメータを変化させて、スルーレートを目標値に一致させる手法が考えられる。ところが、この際に用いられる単位時間は少なくとも伝送周波数における1周期よりも短く設定しなければならず、スルーレートの目標値が高いほどこの単位時間は短くなる。
このような非常に短い単位時間を精度良く計測するために、2つの異なる周波数のクロックを利用することが従来より提案されている(たとえば特許文献2参照)。この第2の提案では、第1の周期を有する第1のクロックと、これよりも所定時間だけ長い第2の周期を有する第2のクロックを用意しておき、まず第1のクロックを可変遅延回路を介して所定の装置部に入力させるようになっている。そして、この装置部から出力されるクロックの元の第1のクロックに対する遅れ時間が第1の周期に近づく方向で可変遅延回路の遅延時間を設定する。すなわち、可変遅延回路の入力側から所定の装置部の出力側までの遅れ時間の総和を第1の周期に一致させるようにする。この一致状態で、可変遅延回路を介して所定の装置部に入力させるクロックを第2のクロックに切り替える。これにより装置部から出力されるクロックの元の第2のクロックに対する遅れ時間は第1の周期に等しくなる。すなわち、装置部から出力されるクロックの元の第2のクロックに対する位相差が前記した所定時間と等しくなる。このようにして、スルーレートを目標値に一致させる際の基準とすべき非常に短い単位時間を高い精度で計測することが可能となる。
特開2002−26712号公報(第0019段落、図3、図6) 特開2000−174594号公報(第0046段落、図4)
しかしながら、第2の提案によれば、出力バッファから伝送路に出力される信号のスルーレートを目標値に近付けるためには、この計測した単位時間の電圧値の変化量を検出しなければならないだけでなく、電圧値の変化量が最大値を採るような期間に単位時間を計測するようにしなければならない。既に説明したようにスルーレートを設定するための単位時間は非常に短く、ユーザがその開始タイミングと終了タイミングを適切に指示することは不可能に近い。
そこで本発明の目的は、より高い精度で伝送路に出力される信号のスルーレートを調整できるスルーレート調整回路およびスルーレート調整方法を提供することにある。
請求項1記載の発明では、(イ)入力された信号を電圧の変化率に制限を設けた形で出力するとともに、その出力信号の電圧の最大変化率としてのスルーレートの大きさを調整可能な信号処理手段と、(ロ)この信号処理手段の入力側に接続され、信号処理手段に入力される信号の遅延時間を調整可能な可変信号遅延手段と、(ハ)この可変信号遅延手段に対して、第1のクロックとこの第1のクロックよりも予め定められた単位時間だけ長い周期を有する第2のクロックのいずれか一方を選択して供給するクロック選択手段と、(ニ)信号処理手段から出力される信号を入力し、その電圧と予め定められた第1の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第1の矩形信号を出力する第1の矩形信号出力手段と、(ホ)クロック選択手段が第1のクロックを選択する区間に、第1のクロックの波形の立ち上がりあるいは立ち下がり部分としてのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第1のクロックの他のエッジに対応してこの第1の矩形信号出力手段が出力する第1の矩形信号のエッジとの時間的なずれを逐次比較し、これらのずれが解消する遅延時間を可変信号遅延手段に設定する遅延時間設定手段と、(ヘ)信号処理手段から出力される信号を入力し、その電圧と第1の基準電圧とは異なる予め定められた第2の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第2の矩形信号を出力する第2の矩形信号出力手段と、(ト)クロック選択手段が第2のクロックを選択する区間に、第2のクロックのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第2のクロックの他のエッジに対応してこの第2の矩形信号出力手段が出力する第2の矩形信号のエッジとの時間的なずれを逐次比較し、これらのずれが解消するスルーレートを信号処理手段に設定するスルーレート設定手段とをスルーレート調整回路に具備させる。
すなわち請求項1記載の発明では、スルーレート調整回路は第1のクロックと第2のクロックのいずれか一方を選択して入力された信号を電圧の変化率に制限を設けた形で出力する信号処理手段へ供給するクロック選択手段を備えている。ただし、第2のクロックは第1のクロックよりも予め定められた単位時間だけ長い周期となっている。また、このクロック選択手段と信号処理手段の間には、信号を遅延させるとともにその遅延時間を調整可能な可変信号遅延手段が配置されている。第1の矩形信号出力手段は、信号処理手段の出力信号の電圧が予め定められた第1の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第1の矩形信号を出力するが、遅延時間設定手段はその波形の立ち上がりあるいは立ち下がり部分としてのエッジを第1のクロックのエッジとの時間的なずれを逐次比較する。そして、これらのずれが解消する遅延時間を可変信号遅延手段に設定する。ただし、比較の対象となるのは、1周期分手前に位置する同じ第1のクロックの他のエッジに対応して出力される第1の矩形信号のエッジであるため、この遅延時間の調整によって元の第1のクロックのエッジに対する第1の矩形信号のエッジの遅延時間は第1のクロックの1周期分となる。これにより、クロック選択手段にクロック信号のエッジが入力されてからそのエッジに対応して信号処理手段の出力信号が第1の基準電圧となるまでの時間が、第1のクロックの周期に一致することになる。更に、第2の矩形信号出力手段は、信号処理手段の出力信号の電圧が予め定められた第2の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第2の矩形信号を出力するが、スルーレート調整手段はそのエッジを第1のクロックのエッジとの時間的なずれを逐次比較する。そして、これらのずれが解消するスルーレートを信号処理手段に設定する。ただし、比較の対象となるのは、1周期分手前に位置する同じ第2のクロックの他のエッジに対応して出力される第2の矩形信号のエッジであるため、このスルーレートの設定によって元の第2のクロックのエッジに対する第2の矩形信号のエッジの遅延時間は第2のクロックの1周期分となる。これにより、クロック選択手段にクロック信号のエッジが入力されてからそのエッジに対応して信号処理手段の出力信号が第2の基準電圧となるまでの時間が、第2のクロックの周期に一致することになる。
すなわち、信号処理手段の出力信号の電圧が遷移するときの第1の基準電圧を通過するタイミングと第2の基準電圧を通過するタイミングとの時間差が、第1のクロックの周期と第2のクロックの周期の差分である単位時間に一致するように、信号処理手段のスルーレートが調整される。これにより、信号処理手段のスルーレートを、単位時間に第1の基準電圧から第2の基準電圧まで遷移するのに対応する値に精度良く確実に調整することができる。したがって、たとえばスルーレートの目標値から単位時間と第1の基準電圧および第2の基準電圧をそれぞれ逆算し、これをスルーレート調整回路に供給するようにすれば、信号処理手段に対してスルーレートを所望の値に調整することが可能となる。これら3つのパラメータは、全てが可変である必要はなく、少なくとも1つが可変であればよい。
請求項7記載の発明では、(イ)入力された信号を電圧の変化率に制限を設けた形で出力するとともにその出力信号の電圧の最大変化率としてのスルーレートの大きさを調整可能な信号処理手段に対して、この信号処理手段に入力される信号の遅延時間を可変に調整するための可変遅延手段を介して第1のクロックを供給することを開始する第1のクロック供給開始ステップと、(ロ)この第1のクロック供給開始ステップで第1のクロックの信号処理手段への供給が開始されると、信号処理手段から出力される信号の電圧と予め定められた第1の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第1の矩形信号を出力する第1の矩形信号出力ステップと、(ハ)第1のクロックの波形の立ち上がりあるいは立ち下がり部分としてのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第1のクロックの他のエッジに対応してこの第1の矩形信号出力ステップで出力される第1の矩形信号のエッジとの時間的なずれの方向を逐次検出する第1の信号比較ステップと、(ニ)この第1の信号比較ステップで第1の矩形信号のエッジが進んでいることが検出されると可変遅延手段の遅延時間を増加させるとともに、第1の矩形信号のエッジが遅れていることが検出されると可変遅延手段の遅延時間を減少させて、これらのエッジを一致させる遅延時間設定ステップと、(ホ)この遅延時間設定ステップで前記した2つのエッジが一致すると、そのときの可変遅延手段の遅延時間を固定化する遅延時間固定化ステップと、(ヘ)この遅延時間固定化ステップで可変遅延手段の遅延時間が固定化されると、信号処理手段に対して、可変遅延手段を介して第1のクロックに替えて第1のクロックよりも予め定められた単位時間だけ長い周期を有する第2のクロックを供給することを開始する第2のクロック供給ステップと、(ト)この第2のクロック供給ステップで第2のクロックの信号処理手段への供給が開始されると、信号処理手段から出力される信号の電圧と第1の基準電圧とは異なる予め定められた第2の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第2の矩形信号を出力する第2の矩形信号出力ステップと、(チ)第2のクロックのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第2のクロックの他のエッジに対応してこの第2の矩形信号出力ステップで出力される第2の矩形信号のエッジとの時間的なずれの方向を逐次検出する第2の信号比較ステップと、(リ)この第2の位相比較ステップで第2の矩形信号のエッジが進んでいることが検出されると信号処理手段のスルーレートを減少させるとともに、第2の矩形信号のエッジが遅れていることが検出されるとスルーレートを増加させて、前記した2つのエッジを一致させるスルーレート設定ステップと、(ヌ)このスルーレート設定ステップで2つのエッジが一致すると、そのときの所定のスルーレートを固定化するスルーレート固定化ステップとをスルーレート調整方法に具備させる。
すなわち請求項7記載の発明では、請求項1と同様にスルーレートの大きさを調整できる信号処理手段に対して、まず信号の遅延時間を調節可能な可変遅延手段を介して第1のクロックを供給することを開始する。そして、信号処理手段からの出力信号の電圧と第1の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第1の矩形信号を出力する。この状態で、第1のクロックの波形の立ち上がりあるいは立ち下がり部分としてのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第1のクロックの他のエッジに対応して出力される第1の矩形信号のエッジとの時間的なずれの方向を逐次検出し、その方向に応じて可変遅延手段の遅延時間を変化させる。具体的には、第1の矩形信号のエッジが進んでいることが検出されると遅延時間を増加させるとともに、遅れていることが検出されると遅延時間を減少させる。このような処理によってこれらのエッジを一致させるが、これによりクロック信号のエッジが可変遅延手段に入力されてからそのエッジに対応して信号処理手段の出力信号が第1の基準電圧となるまでの時間が、第1のクロックの周期に一致することになる。一致すると可変遅延手段の遅延時間は固定され、信号処理手段には可変遅延手段を介して第1のクロックに替えて第1のクロックよりも予め定められた単位時間だけ長い周期を有する第2のクロックが供給される。そして、信号処理手段からの出力信号の電圧と第1の基準電圧とは異なる第2の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第2の矩形信号を出力する。この状態で、第2のクロックのエッジとこのエッジから1周期分手前に位置する同じ第2のクロックの他のエッジに対応して出力される第2の矩形信号のエッジとの時間的なずれの方向を逐次検出し、その方向に応じて信号処理手段のスルーレートを変化させる。具体的には、第2の矩形信号のエッジが進んでいることが検出されるとスルーレートを減少させるとともに、遅れていることが検出されるとスルーレートを増加させる。このような処理によってこれらのエッジを一致させるが、これによりクロック信号のエッジが可変遅延手段に入力されてからそのエッジに対応して信号処理手段の出力信号が第2の基準電圧となるまでの時間が、第2のクロックの周期に一致することになる。
すなわち、信号処理手段の出力信号の電圧が遷移するときの第1の基準電圧を通過するタイミングと第2の基準電圧を通過するタイミングとの時間差が、第1のクロックの周期と第2のクロックの周期の差分である単位時間に一致するように、信号処理手段のスルーレートが調整される。これにより、信号処理手段のスルーレートを、単位時間に第1の基準電圧から第2の基準電圧まで遷移するのに対応する値に精度良く確実に調整することができる。したがって、たとえばスルーレートの目標値から単位時間と第1の基準電圧および第2の基準電圧をそれぞれ逆算し、これをスルーレート調整回路に供給するようにすれば、信号処理手段に対してスルーレートを所望の値に調整することが可能となる。また、遅延時間の値が収束してからスルーレートの設定を開始するため、精度の高さと調整に要する時間の短縮とをバランス良く両立することができる。
以上説明したように本発明によれば、周期の異なる2つのクロックを切り替えて入力してスルーレートの調整の対象となる信号処理手段へと送り、信号処理手段の出力側から出力される信号の電圧がある予め定められた大きさだけ変化するのに要する時間がこの周期の差分に一致するように、信号処理手段のスルーレートを調整する。これにより、信号処理手段から出力される信号のスルーレートを高い精度で確実に所望の値に一致させることが可能となる。
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例によるスルーレート調整回路を使用した情報処理装置の要部を表わしたものである。この情報処理装置100には、データを送信する側のLSIである第1のLSI101と、データを受信する側のLSIである第2のLSI102と、第1のLSI101から送出されるデータを第2のLSI102まで伝送する伝送路103が配置されている。
第1のLSI101には、各種演算処理を行うための第1の論理回路104と、伝送路103に信号を出力するための出力回路105が設けられている。また、第2のLSI102には、各種演算処理を行うための第2の論理回路106と、伝送路103からの信号を入力するための入力回路107が設けられている。第1のLSI101の出力回路105には、第1の論理回路104から出力される2値の論理信号であるデータ信号111を伝送路送出信号113として伝送路103に出力するための出力バッファ114が配置されている。この出力バッファ114は、この図には示していない他の回路部品と共にスルーレート調整回路115を構成している。スルーレート調整回路115には、図示しないクロック発生源から第1のクロック118と第2のクロック119が供給されるようになっている。これら第1のクロック118と第2のクロック119は、後で説明する単位時間だけ異なった周期となっている。また、出力バッファ114のスルーレートの大きさは可変であり、所定のパラメータの値を変化させることによって増減させることができるようになっている。
本実施例のような装置構成では、一般的に信号が伝送路を伝送される時間の3分の1から4分の1程度が信号の立ち上がりに要する時間となるように出力バッファのスルーレートを設定すれば、ノイズを効果的に抑えられることが経験的に知られている。本実施例では、伝送路103の長さが20cmであり、伝送路送出信号113信号が伝送路103を1cm(センチメートル)伝送されるのに要する時間が70ps(ピコ秒)となっている。また、伝送路送出信号113の“Low”の値が0.3V(ボルト)、“High”の値が1.2Vとなっている。この例の場合、伝送路送出信号113が伝送路103を第1のLSI101から第2のLSI102まで伝送されるのに要する時間は1400psとなり、この4分の1は350psである。したがって、スルーレートの目標値は、1.2Vから0.3Vを差し引いた0.9Vを350psで除した2.57V/ns(ボルト/ナノ秒)となる。
図2は、出力バッファのスルーレートの目標値とスルーレート調整の原理を説明するためのものである。ここでは、同図に示すように単位時間ΔTあたりに、伝送路送出信号113が第1の参照電圧151からこれよりも高い値である第2の参照電圧152まで変化する場合のスルーレートを目標値に設定するものとする。ここで、第1の参照電圧151を0.5V、第2の参照電圧152を1.0Vとする。また、伝送路送出信号113は立ち上がりの区間のほぼすべてに亘って時間に比例して増加するものとする。スルーレートの目標値は、前記したように2.57V/ns(ボルト/ナノ秒)であるため、単位時間ΔTは195ps(ピコ秒)となる。
単位時間ΔTを精度良く設定するために、本実施例では周期T1の第1のクロック118と、これよりも単位時間ΔTだけ長い周期(T1+ΔT)の第2のクロック119の2つのクロックを用意している。まず、第1のクロック118を出力バッファ114に供給し、その伝送路送出信号113が第1の参照電圧151に達するまでの遅延時間が周期T1に一致するように出力バッファ114の入力側の信号を遅延させる。次に、第2のクロック119を出力バッファ114に供給し、その伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達するまでの遅延時間が周期(T1+ΔT)に一致するように、出力バッファ114のスルーレートすなわち伝送路出力信号113の傾きを調整する。伝送路送出信号113が第1の参照電圧151に達するまでの遅延時間は、第2のクロック119を供給した場合もほぼ同じとなる。したがって、伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達するまでの遅延時間を周期(T1+ΔT)に一致させれば、単位時間ΔTに第1の参照電圧151から第2の参照電圧152まで遷移することになり、出力バッファ114のスルーレートは目標値に調整されることになる。
スルーレート調整回路115は、出力バッファ114に入力する信号を遅延させると共にその遅延時間を調整し、元の第1のクロック118の立ち上がりから伝送路送出信号113が第1の参照電圧151に達するまでの時間を周期T1に一致させるための図示しない回路を備えている。更に、出力バッファ114のスルーレートを調整し、元の第2のクロック119の立ち上がりから伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達するまでの時間を周期(T1+ΔT)に一致させるための図示しない回路も備えている。そして、出力バッファ114の入力側の信号の遅延時間の調整モード(以下、遅延時間調整モードという。)と、出力バッファ114のスルーレートの調整モード(以下、スルーレート調整モードという。)とを交互に実行することにより、出力バッファ114のスルーレートを目標値に近付ける。以下、このようなスルーレート調整回路115の回路構成について詳細に説明する。
図3は、スルーレート調整回路の回路構成を具体的に表わしたものである。このスルーレート調整回路115は、図1に示した第1のクロック118と第2のクロック119を入力するクロック用セレクタ200を備えている。クロック用セレクタ200は、図示しないクロック選択回路から供給されるクロック用セレクタ制御信号201を入力して、第1のクロック118と第2のクロック119のいずれか一方を選択し、選択信号202として出力する回路である。すなわち、クロック用セレクタ制御信号201によって遅延時間調整モードとスルーレート調整モードとを切り替えるようになっている。可変遅延回路203は、選択信号202を入力して遅延時間を可変で調整し、遅延回路出力信号204として出力バッファ114へと送る回路である。
出力バッファ114の入力側には、バッファ入力側セレクタ205が配置されている。バッファ入力側セレクタ205は、図示しないバッファ入力選択回路から供給されるバッファ入力側セレクタ制御信号206を入力する。そして、遅延回路出力信号204と図1の第1の論理回路104から送られてくるデータ信号111のいずれか一方を選択し、バッファ入力信号207として出力バッファ114へと送るようになっている。すなわち、出力バッファ114が図1の第2のLSI102へのデータ送信に使用されるときには、第1の論理回路104に接続し、一方、スルーレートの調整が行われるときには可変遅延回路203に接続させることができるようになっている。出力バッファ114から出力される伝送路送出信号113は分岐されており、一方は図1の伝送路103へと送出されるようになっている。また、分岐された他方は、スルーレート調整回路115に設けられた第1の差動バッファ210および第2の差動バッファ211へと送られるようになっている。
第1の差動バッファ210は、図2で説明した第1の参照電圧151を入力し、伝送路送出信号113が第1の参照電圧151以上となる区間で立ち上がる矩形波の第1の差動バッファ出力信号213を出力する回路である。すなわち、第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がりは、伝送路送出信号113が立ち上がる際に第1の参照電圧151に達する時刻を示している。
図2で説明したように、遅延時間調整モードでは、元の第1のクロック118の立ち上がりの時刻からこの伝送路送出信号113が第1の参照電圧151に達する時刻までの時間を、第1のクロック118の周期T1に一致させる。これは、元の第1のクロック118の位相と第1の差動バッファ出力信号213の位相を1周期分ずれた状態で一致させることによって実現できる。
第1の位相比較器214は、第1の差動バッファ出力信号213と第1のクロック118とを入力し、これら2つの信号の立ち上がりの時刻のずれの方向に応じて第1のカウントアップ信号215または第1のカウントダウン信号216を出力する回路である。第1のカウンタ回路217は、この第1のカウントアップ信号215あるいは第1のカウントダウン信号216の出力に応じてカウント値を増加あるいは減少させる。そして、カウント値の大きさに応じて可変遅延回路203の遅延時間の長さを制御するための遅延時間制御信号を出力するようになっている。
すなわち、たとえば第1の差動バッファ出力信号213の位相が進んでいる場合には第1のカウントアップ信号215が出力され、第1のカウンタ回路217のカウント値および遅延時間制御信号218の値が増加する。その結果、可変遅延回路203の遅延時間が増加し、第1の差動バッファ出力信号213の位相が第1のクロック118の位相に近づく。また、逆に第1の差動バッファ出力信号213の位相が遅れている場合には第1のカウントダウン信号216が出力され、第1のカウンタ回路217のカウント値および遅延時間制御信号218の値が減少する。その結果、可変遅延回路203の遅延時間が減少し、第1の差動バッファ出力信号213の位相が第1のクロック118の位相に近づく。スルーレート調整モード時には、第1のカウンタ回路217のカウント値は固定され、可変遅延回路203の遅延時間も固定される。
第2の差動バッファ211は、図2で説明した第2の参照電圧152を入力し、伝送路送出信号113が第2の参照電圧152以上となる区間で立ち上がる矩形波の第2の差動バッファ出力信号220を出力する回路である。すなわち、第2の差動バッファ出力信号220の立ち上がりは、伝送路送出信号113が立ち上がるときに第2の参照電圧152に達する時刻を示している。
図2で説明したように、スルーレート調整モードでは、元の第2のクロック119の立ち上がりから伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達する時刻までの時間を、第2のクロック119の周期(T1+ΔT)に一致させる。これは、元の第2のクロック119の位相と第2の差動バッファ出力信号220の位相を1周期分ずれた状態で一致させることによって実現できる。
第2の位相比較器221は、この第2の差動バッファ出力信号220と第2のクロック119とを入力し、これら2つの信号の立ち上がりの時刻のずれの方向に応じて第2のカウントアップ信号222または第2のカウントダウン信号223を出力する回路である。第2のカウンタ回路224は、この第2のカウントアップ信号222あるいは第2のカウントダウン信号223の出力に応じてカウント値を増加あるいは減少させる。そして、カウント値の大きさに応じて出力バッファ114の前記した所定のパラメータを増減させるためのスルーレート調整信号225を出力するようになっている。
すなわち、たとえば第2の差動バッファ出力信号220の位相が進んでいる場合には第2のカウントアップ信号222が出力され、第2のカウンタ回路224のカウント値およびスルーレート調整信号225の値が増加する。その結果、出力バッファ114の所定のパラメータの値が増加する。出力バッファ114のスルーレートは、このパラメータの値が増加すればするほど減少するようになっている。したがって、結果的に出力バッファ114のスルーレートが減少して、伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達する時刻が遅くなり、第2の差動バッファ出力信号220の位相が第2のクロック119の位相に近づく。遅延時間調整モード時には、第2のカウンタ回路224のカウント値は固定され、出力バッファ114のスルーレートも固定される。
以下、出力バッファのスルーレートが目標値よりも低い場合、目標値よりも高い場合、そして目標値にほぼ一致した場合の各信号の状態について順に説明する。なお、説明の簡便化のため、出力バッファ114内部の遅延時間については、可変遅延回路203による遅延時間に包含されるものとして無視する。更に第1の差動バッファ210および第2の差動バッファ211それぞれの内部の遅延時間についても、可変遅延回路203や出力バッファ114による遅延時間に比べて無視できる程度に短いため、これらについても無視する。
出力バッファ114のスルーレート調整時には、既に説明したようにバッファ入力側セレクタ205の選択が切り替えられ、可変遅延回路203が出力バッファ114に接続される。この状態で、前記した遅延時間調整とスルーレート調整を実行する。
図4は、出力バッファのスルーレートが目標値よりも低い場合に遅延時間調整前にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものである。同図では、それぞれの信号のレベルの変化を時間軸上で表わしている。図3とともに説明する。同図(a)に示す第1のクロック118は周期T1のクロックである。出力バッファ114のスルーレートを調整する際に、まずクロック用セレクタ200はこの第1のクロック118を選択信号202として可変遅延回路203へ送る。このクロック用セレクタ200が第1のクロック118と第2のクロック119のいずれを選択するかは、たとえばクロック用セレクタ制御信号201が“High”か“Low”かによって決定される。可変遅延回路203は、その時点で第1のカウンタ回路217から送られてくる遅延時間制御信号218に応じた初期遅延時間D0だけこの選択信号202を遅延させ、同図(b)に示す遅延回路出力信号204を出力バッファ114へ送る。
出力バッファ114は、この入力される遅延回路出力信号204に応じて伝送路送出信号113を出力するが、前記したように立ち上がりと立ち下がりの部分の電圧変化に追従できず、そのときに設定されているスルーレートの範囲内の傾きで変化する。ここでは、出力バッファ114のスルーレートが目標値よりも低いので、伝送路送出信号113は図2に示した波形よりも緩やかに変化し、同図(c)に示す波形となる。
第1の差動バッファ210は、この伝送路送出信号113が第1の参照電圧151以上となる区間で立ち上がる第1の差動バッファ出力信号213(同図(d))を出力して第1の位相比較器214へと送る。すなわち、第1の差動バッファ出力信号213が立ち上がる時刻tb1は、伝送路送出信号113が第1の参照電圧151に到達する時刻である。第1の位相比較器214は、この第1の差動バッファ出力信号213が立ち上がる時刻tb1と、その基となる第1のクロック118の対応する立ち上がりの次の立ち上がりの時刻tc1との時間軸上のずれの方向を検出する。ここでは、時間D1だけ第1の差動バッファ出力信号213の位相が進んでいることが検出される。
すると、第1の差動バッファ出力信号213を更に遅延させてその立ち上がる時刻tb1を第1のクロック118の立ち上がる時刻tc1と一致させるために、第1の差動バッファ210は図3の第1のカウントアップ信号215を第1のカウンタ回路217へ送る。これにより、第1のカウンタ回路217のカウント値を増加させる。遅延時間制御信号218はn(nは自然数)ビットの信号であり、第1のカウンタ回路217はカウント値の増加に対応して増加させた遅延時間制御信号218を可変遅延回路203へと送る。
可変遅延回路203は遅延時間制御信号218の表わすカウント値の増加に対応して、遅延時間を増加させる。また、第1の差動バッファ出力信号213の位相が遅れている場合には、逆に第1の差動バッファ210は図3の第1のカウントダウン信号216を第1のカウンタ回路217へ送って第1のカウンタ回路217のカウント値を減少させる。これに対応して遅延時間制御信号218の値は減少し、可変遅延回路203は遅延時間を減少させる。具体的には、可変遅延回路203は図示しないがそれぞれセレクタを備えたn個の遅延回路を備えており、遅延時間制御信号218の各ビットの信号がそれぞれのセレクタを切り替えるようになっており、各遅延回路の経由パターンの変化によって全体の遅延時間が変化するようになっている。
このような遅延時間の増加あるいは減少は、第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がる時刻tb1が第1のクロック118の立ち上がる時刻tc1にほぼ一致して遅延時間制御信号218が定常状態になるまで繰り返される。その結果、可変遅延回路203は入力された信号を初期遅延時間D0に時間D1を加算した時間だけ遅延させて出力するように調整される。
図5は、このようにして遅延時間が調整された後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものである。同図(a)に示す第1のクロック118に対して、遅延回路出力信号204は同図(b)に示すように初期遅延時間D0に時間D1を加算した時間だけ遅延している。そして、遅延回路出力信号204は同図(c)に示す波形となり、第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がる時刻tb1は、第1のクロック118の立ち上がる時刻tc1に一致している。次に、クロック用セレクタ200は選択信号202として可変遅延回路203へ送るクロックを第2のクロック119に切り替え、スルーレート調整回路115は遅延時間調整モードからスルーレート調整モードへと移行する。
図6は、第2のクロックに切り替えられた後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものである。第2のクロック119は、同図(a)に示すように、第1のクロック118よりも図2で説明した単位時間ΔTだけ長い周期(T1+ΔT)のクロックとなっている。可変遅延回路203は既に説明したように遅延時間が調整されているため、図5の(b)と同様に、第2のクロック119は初期遅延時間D0に時間D1を加算した時間だけ遅延させられて図6の(b)に示す波形の遅延回路出力信号204として出力される。
出力バッファ114は、この入力された遅延回路出力信号204に対応して伝送路送出信号113を出力するが、その立ち上がりと立ち下がりの部分の傾きは図4の(c)や図5の(c)と同様となっている。第2の差動バッファ211は、第1の差動バッファ210と同様にこの伝送路送出信号113が第2の参照電圧152以上となる区間で立ち上がる同図(d)に示す第2の差動バッファ出力信号220を出力して第2の位相比較器221へと送る。すなわち、第2の差動バッファ出力信号220が立ち上がる時刻tb2は、伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に到達する時刻である。
クロック用セレクタ200の入力側から第1の位相比較器214の入力側までの信号の遅延時間の総和は、前記したように第1のクロック118の周期T1に一致するように調整されている。第1の位相比較器214に入力される第1の差動バッファ出力信号213は、伝送路送出信号113が第1の参照電圧151に達すると立ち上がる。また、前記したように、第1の差動バッファ210と第2の差動バッファ211のそれぞれの遅延時間は全体の遅延時間に比べて無視できる程度に短い。したがって、クロック用セレクタ200の入力側から第2の位相比較器221の入力側までの信号の遅延時間の総和は、第1のクロック118の周期T1に更に伝送路送出信号113が第1の参照電圧151から第2の参照電圧152に遷移するのに要する時間を加算した長さとなる。
出力バッファ114のスルーレートを図2に示した目標値に調整するためには、この第1の参照電圧151から第2の参照電圧152に遷移するのに要する時間がΔTとなるようにすればよいので、第2のクロック201の周期(T1+ΔT)に遅延時間の総和を一致させれば良い。すなわち、伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達する時刻tb2が、第2のクロック119の次の立ち上がりの時刻tc2に一致するようにすればよい。
ここでは、スルーレートは目標値よりも低くなっているため、同図(d)から明らかなように伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達する時刻tb2が第2のクロック119の立ち上がる時刻tc2よりも時間D2だけ遅れている。すると、第2の差動バッファ出力信号220を進ませてその立ち上がる時刻tb2を第2のクロック119の立ち上がる時刻tc2と一致させるために、第2の差動バッファ211は図3の第2のカウントダウン信号223を第2のカウンタ回路224へ送る。これにより、第2のカウンタ回路224の保持するカウント値を減少させる。スルーレート調整信号225はm(mは自然数)ビットの信号であり、第2のカウンタ回路224はカウント値の減少に対応して減少させたスルーレート調整信号225を出力バッファ114へと送る。
出力バッファ114はスルーレート調整信号225の値の減少に対応して既に説明した所定のパラメータを減少させる。出力バッファ114は、このパラメータの値が大きければ大きいほど自己のスルーレートを小さくし、パラメータの値が小さければ小さいほど自己のスルーレートを大きくするようになっている。したがって、パラメータが減少することにより、スルーレートは増加し、伝送路送出信号113の立ち上がり部分の傾きがより急峻になる。このようなスルーレートの増加は、第2の差動バッファ出力信号220の立ち上がる時刻tb2が第2のクロック119の立ち上がる時刻tc2にほぼ一致してスルーレート調整信号225が定常状態になるまで、すなわちスルーレートが目標値に達するまで繰り返される。
図7は、出力バッファのスルーレートが目標値よりも高い場合に遅延時間調整前にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものであり、図4に対応するものである。そこで、図4と同一部分には同一符号を付し、これらについての説明を適宜省略する。ここでは、出力バッファ114のスルーレートが目標値よりも低いので、図4とは異なり、伝送路送出信号113は図2に示した波形よりも急激に変化し、図7の(c)に示す波形となる。このため、同図(d)に示す第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がる時刻tb1は、図4よりも早くなり、第1のクロック118の立ち上がる時刻tc1までの時間D1は図4よりも長くなる。そして、同様に第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がる時刻tb1が第1のクロック118の立ち上がる時刻tc1と一致するように可変遅延回路203の遅延時間が調整される。
図8は、このようにして遅延時間が調整された後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものであり、図5に対応するものである。図5と同様に、図8の(b)に示す遅延回路出力信号204は初期遅延時間D0に時間D1を加算した時間だけ遅延し、遅延回路出力信号204は同図(c)に示す波形となる。そして、第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がる時刻tb1は、第1のクロック118の立ち上がる時刻tc1に一致している。同様に、出力バッファ114のスルーレートの調整処理に移行する。
図9は、第2のクロックに切り替えられた後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものであり、図6に対応するものである。ここではスルーレートは目標値よりも高くなっているため、同図(d)から明らかなように伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達する時刻tb2が第2のクロック119の立ち上がる時刻tc2よりも時間D2だけ早くなる。すると、第2の差動バッファ出力信号220を遅らせてその立ち上がりの時刻tb2を第2のクロック119の立ち上がる時刻tc2と一致させるために、第2の差動バッファ211は図3の第2のカウントアップ信号222を第2のカウンタ回路224へ送る。これにより、第2のカウンタ回路224の保持するカウント値を増加させる。第2のカウンタ回路224はこれに対応して値を増加させたスルーレート調整信号225を出力バッファ114へと送る。
出力バッファ114は、前記したように所定のパラメータの値が大きければ大きいほど、自己のスルーレートを小さくする。したがって、スルーレート調整信号225の値の増加に対応して、出力バッファ114のスルーレートは減少し、伝送路送出信号113の立ち上がり部分の傾きがより緩やかになる。このようなスルーレートの減少は、第2の差動バッファ出力信号220の立ち上がる時刻tb2が第2のクロック119の立ち上がる時刻tc2にほぼ一致してスルーレート調整信号225が定常状態になるまで、すなわちスルーレートが目標値に達するまで繰り返される。
なお、出力バッファ114のスルーレートが変化することによって第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がる時刻tb1も変化するが、第2の差動バッファ出力信号220の立ち上がる時刻tb2の変化に比べて小さいものとなる。したがって、スルーレートの調整の精度に大きな影響を及ぼすことはない。更にスルーレートの調整の精度を高めるには、たとえば遅延時間調整モードとスルーレート調整モードと交互に所定回数ずつ実行することによって、双方を収束させるようにすればよい。
図10は、遅延時間調整前に出力バッファのスルーレートが目標値にほぼ一致している場合に遅延時間調整前にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものであり、図4および図7に対応するものである。ここでは、出力バッファ114のスルーレートが目標値にほぼ一致しているので、伝送路送出信号113の立ち上がり部分の傾きは図2に示した傾きとほぼ同じであり、図10の(c)に示す波形となる。同様に、第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がる時刻tb1が第1のクロック118の立ち上がる時刻tc1と一致するように可変遅延回路203の遅延時間が調整される。
図11は、このようにして遅延時間が調整された後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものであり、図5および図8に対応するものである。図5および図8と同様に、図10の(b)に示す遅延回路出力信号204は初期遅延時間D0に時間D1を加算した時間だけ遅延し、遅延回路出力信号204は同図(c)に示す波形となる。そして、第1の差動バッファ出力信号213の立ち上がる時刻tb1は、第1のクロック118の立ち上がる時刻tc1に一致している。同様に、出力バッファ114のスルーレートの調整処理に移行する。
図12は、第2のクロックに切り替えられた後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わしたものであり、図6および図9に対応するものである。既に説明したように、選択信号202の立ち上がりの時刻からこれに対応して伝送路送出信号113が第1の参照電圧151に達する時刻tb1までの時間が、第1のクロック118の周期T1に一致するように調整されている。そして、ここでは伝送路送出信号113が第1の参照電圧151に達する時刻tb1から第2の参照電圧152に達する時刻tb1までの時間がほぼ単位時間ΔTとなっている。したがって、伝送路送出信号113が第2の参照電圧152に達する時刻tb2は、同図(d)に示すように、元の第2のクロック119の立ち上がりから時間(T1+ΔT)だけずれた時刻、すなわち第2のクロック119の次の立ち上がりの時刻tc2にほぼ一致する。このようにして、出力バッファ114のスルーレートを高い精度で目標値に一致させることができる。
このようにしてスルーレートが調整されると、バッファ入力側セレクタ205の選択が切り替えられ、出力バッファ114は可変遅延回路203から切断されて、図1の第1の論理回路104に接続される。
以上説明したように、本実施例のスルーレート調整回路によれば、出力バッファのスルーレートの目標値に対応させた周期の差分を有する2つのクロックとそれぞれに対応する2つの参照電圧とを用意する。そして、1つめのクロックによるバッファ出力信号の立ち上がりが1つめの参照電圧に達する時刻を1つ目のクロックの立ち上がる時刻に一致させる形で信号を遅延させる。これにより、2つのクロックの差分と、バッファ出力信号の立ち上がりが1つ目の参照電圧に達してから2つ目の参照電圧に達するまでの時間の比較をすることが可能となる。そして、これらを一致させるように出力バッファのスルーレートを変化させることによって、スルーレートを目標値に一致させることができる。スルーレートを設定する際の単位時間を2つのクロックの周波数によって設定できるので、より高い精度でのスルーレート調整が可能となる。したがって、より確実に伝送路への出力信号のスルーレートを適切な値に調整することができ、ノイズの低減と出力信号が所定の電圧に到達するまでの遅延時間の低減とを効率良く実現することができる。
また、スルーレートの目標値を設定する際には、たとえば一方のクロックの周波数を可変として他方のクロックの周波数および2つの参照電圧を固定としたり、一方の参照電圧を可変として他方の参照電圧および2つのクロックの周波数を固定とすることで可能である。逆に、2つのクロックの周波数を固定として2つの参照電圧を任意に設定できるようにしてもよい。あるいは、より多くのパラメータを可変とすることで、目標値の設定の自由度を高めるようにしてもよい。
なお、2つの位相比較器は、位相差の方向を検出するのではなく、単に2つの信号の立ち上がりの時刻のずれが所定の範囲内に収まっているか否かを検出するようにしてもよい。この場合には、たとえばスルーレート調整を開始する際に、第1のクロックの周期に比較してクロック用セレクタ200の入力側から第1の差動バッファ210の出力側までの信号の遅延時間の総和が十分に短くなるように、第1のカウンタ回路217のカウント値を十分に小さい値に初期化する必要がある。加えて、スルーレート調整を開始する際に出力バッファ114のスルーレートが十分に大きくなるように、第2のカウンタ回路224のカウント値を十分に小さい値に初期化する必要がある。その上で、それぞれのカウント値の1単位分に対応する位相差よりも小さな位相差については無視するようにすればよい。
<発明の第1の変形例>
第1のクロックと第2のクロックを、1つの共通したクロック発生器を使用して供給するようにするとともに、スルーレートを調整するための単位時間を任意に設定できるようにした例について説明する。
図13は本発明の第1の変形例によるスルーレート調整回路を使用したスルーレート調整装置の構成を表わしたものである。このスルーレート調整装置300は、実施例で説明したスルーレート調整回路115と、2つの異なる周波数のクロックを生成してこのスルーレート調整回路115へと供給するための回路であるクロック生成回路301により構成されている。クロック生成回路301は、スルーレート調整回路115が備えられたLSIと同じ回路基板上に配置されている。クロック生成回路301は、第1のクロック118を出力するためのクロック発生器311と、第2のクロック119を出力するためのPLL(Phase-Locked Loop)回路312を備えている。そして、第1のクロック118はスルーレート調整回路115へと入力されるだけでなく、PLL回路312にも入力されるようになっている。
PLL回路312は、入力された第1のクロック118をR分の1に分周する第1の分周器313と、第3の位相比較器314の出力電圧に応じた周波数で第3のクロック315を出力するVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)316を備えている。そして、第3のクロック315をN分の1に分周して第3の位相比較器314に送る第2の分周器317を備えている。すなわち、第3の位相比較器314は第1のクロック118をR分周した信号とVCO316が出力する第3のクロック315をN分周した信号の位相差に応じてVCO316への出力電圧を変化させる。すなわち、これら2つの信号の位相すなわち周波数は収束するようになっている。また、第3のクロック315をM分の1に分周して第2のクロック119として出力する第3の分周器318が備えられている。第1〜第3の分周器313、317、318はそれぞれ分周比を任意に設定することができるようになっている。
このようなPLL回路で各信号の状態が定常状態となったとき、第1のクロック118の周波数をf1、第2のクロック119の周波数をf2とすると、次の(1)式が成立する。
2=(f1×N)/(R+M) ……(1)
したがって、第1〜第3の分周器313、317、318を適切に設定することで、第1のクロック118の周波数f1を任意の比率で分周あるいは逓倍することができ、第2のクロック119の周波数f2を高い自由度で任意に設定することができる。これは、実施例で説明した出力バッファ114のスルーレートの目標値を設定する際の単位時間ΔTの長さを任意に設定できることを意味する。
以上説明したように、第1の変形例によれば、一方のクロックを利用してPLL回路によって周波数の異なる他方のクロックを生成するようにしたので、クロック発生器が1つで済み、システムの低コスト化が可能となる。たとえば、LSIの論理回路を動作させるのに使用されるクロックを利用して任意の単位時間を設定することも可能となる。なお、この変形例では、第1のクロックを利用してこれよりも周波数の低い第2のクロックを生成するようにしたが、逆に第2のクロックを利用して第1のクロックを生成したり、全く別のクロックを基に2つのPLL回路を使用して第1および第2のクロックを生成するようにしてもよいことは当然である。また、PLL回路あるいはクロック生成回路全体をスルーレート調整回路の一部として構成しても良い。
<発明の第2の変形例>
次に、より効率良くスルーレートの調整を行えるように、各回路部の動作の制御を行う装置部を設けるようにした例について説明する。
図14は、第2の変形例によるスルーレート調整回路を表わしたものであり、実施例の図3に対応するものである。そこで、図3と同一部分には同一符号を付し、これについての説明を省略する。このスルーレート調整回路400では、図3とは異なり、このスルーレート調整回路400全体の動作を制御するためのスルーレート調整制御部405が設けられており、クロック用セレクタ制御信号201と、バッファ入力側セレクタ制御信号206を出力するようになっている。更に、第1のカウンタ回路217および第2のカウンタ回路224に対してそれぞれが保持するカウント値をホールドさせるための信号として、第1のカウント値ホールド指示信号408と第2のカウント値ホールド指示信号409とを出力するようになっている。
スルーレート調整制御部405は、図示しないCPU(中央処理装置)とこれによって実行される制御プログラムを格納した記憶媒体および各制御信号を出力するための回路装置により構成されている。適切なタイミングで各制御信号を所定の値で出力させることにより、接続された各装置部の動作を制御し、出力バッファ114のスルーレート調整を行う。
図15は、このようなスルーレート調整制御部のスルーレート調整制御処理の流れを表わしたものである。スルーレート調整制御部405は、図示しないキーボートの操作あるいは図示しないスイッチの押下等により、スルーレート調整の開始を受け付けるようになっている。スルーレート調整の開始が指示されると(ステップS451:Y)、まずバッファ入力側セレクタ205を切り替えて、出力バッファ114を可変遅延回路203に接続させる(ステップS452)。次に、クロック用セレクタ200に対して第1のクロック118を可変遅延回路203へと入力させるようにする(ステップS453)。これにより、第1のクロック118と同じ波形の信号が出力バッファ114に入力され、これに対応する信号が伝送路送出信号113として第1の差動バッファ210へ送られるようになる。
この段階で、第1のカウンタ回路218および第2のカウンタ回路224を初期化し、出力バッファ114のスルーレートを一旦固定するために第2のカウンタ回路224の保持するカウント値をホールドさせる(ステップS454)。すると、実施例で既に説明したように第1のクロック118と第1の差動バッファ出力信号213との位相差がちょうど第1のクロック118の周期T1となる方向で第1のカウンタ回路217が保持するカウント値が増減するとともに可変遅延回路203の遅延時間が調整される。
この調整が開始されてから位相差が第1のクロック118の周期T1に収束するのに十分な所定の時間が経過すると(ステップS455:Y)、そのときの可変遅延回路203の遅延時間を固定するために第1のカウンタ回路217の保持するカウント値をホールドさせる。一方で、遅延時間を調整するため行っていた第2のカウンタ回路のカウント値のホールドを解除する(ステップS456)。そして、クロック用セレクタ200に対して第2のクロック119を可変遅延回路203へと入力させるようにする(ステップS457)。これにより、第2のクロック119と同じ波形の信号が出力バッファ114に入力され、これに対応する信号が伝送路送出信号113として第2の差動バッファ211へ送られるようになる。
ステップS454からステップS456までの処理によって、クロック用セレクタ200の入力側から第1の位相比較器214の入力側までの信号の遅延時間の総和は、第1のクロック118の周期T1に一致している。したがって、出力バッファ114のスルーレートを実施例の図2に示した目標値に調整するためには、クロック用セレクタ200の入力側から第2の位相比較器221の入力側までの信号の遅延時間の総和を、第2のクロック201の周期(T1+ΔT)に一致させれば良い。第2のクロック119と第2の差動バッファ出力信号220との位相差がちょうど第2のクロック119の周期(T1+ΔT)となる方向で第2のカウンタ回路224が保持するカウント値および出力バッファ114の所定のパラメータが増減するとともに、出力バッファ114のスルーレートが調整される。
この調整が開始されてから位相差が第2のクロック119の周期(T1+ΔT)に収束するのに十分な所定の時間が経過すると(ステップS458:Y)、そのときの出力バッファ114の所定のパラメータを固定するために第2のカウンタ回路224の保持するカウント値をホールドさせる(ステップS459)。出力バッファ114の所定のパラメータが固定されるとスルーレートも固定され、しかもそのスルーレートは目標値にほぼ一致した値に収束したものである。したがって、スルーレート調整は終了し、バッファ入力側セレクタ205を切り替えて、出力バッファ114を可変遅延回路203から切断して第1の論理回路104に接続させ(ステップS460)、処理を終了するともに再びスルーレートの調整の指示を待機する(リターン)。出力バッファ114は以降、所定のパラメータが変更されるまで、すなわち異なるスルーレート調整信号225が送られてくるまで、この設定されたスルーレートを保持する。なお、出力バッファが所定のパラメータを記憶するものであれば、ステップS459の後に第2のカウンタ回路224と出力バッファ114との接続を切断するようにしてもよい。
なお、既に説明したように、出力バッファ114のスルーレートが調整されることによって、クロック用セレクタ200の入力側から第1の位相比較器214の入力側までの遅延時間の総和は、第1のクロック118の周期T1と少しだけずれた長さとなる。したがって、要求される調整の精度のレベルに応じた回数だけ、ステップS453からステップS459までを繰り返し実行させるようにしてもよい。更に、第1のカウンタ回路218および第2のカウンタ回路224のカウント値をホールドするタイミングは、それぞれのカウント値が一定の値に収束したか否かを逐次判別するようにし、収束したと判別されたときとしてもよい。
以上説明したように、本発明の第2の変形例によれば、スルーレート調整回路の各装置部のそれぞれの動作を適切なタイミングで制御するスルーレート調整制御部を設けたので、ユーザがいちいち信号の切り替え等の指示を行うといった手間を低減させることができる。また、より効率よくスルーレートの調整を行うことができる。
なお、以上説明した実施例と第1および第2の変形例では、調整の対象となる出力バッファに直接にスルーレート調整を行うようにしたが、調整の対象となる出力バッファと同じ構成あるいは種類の他の出力バッファを用意し、これに接続するようにしてもよい。この場合、調整後の出力バッファに設定されたスルーレートを変化させるパラメータの値を検出し、これと同じ値を実際の調整の対象となる出力バッファの同じパラメータに設定するようにする。
また、スルーレートの調整の対象となる被調整装置として、LSIの出力回路等に使用される出力バッファを例に挙げて説明したが、他の特定のパラメータと自己のスルーレートに相関関係を有するような各種装置へも適用できることはもちろんである。この場合には、パラメータとスルーレートとの増減の関係に対応させて、第2の位相比較器221による位相差の方向と第2のカウンタ回路224の増減との関係を設定するようにすればよい。
本発明の一実施例によるスルーレート調整回路を使用した情報処理装置の要部の構成を表わした構成図である。 本実施例による出力バッファのスルーレートの目標値とスルーレート調整の原理を説明するための説明図である。 本実施例によるスルーレート調整回路の回路構成を表わした回路構成図である。 本実施例による出力バッファのスルーレートが目標値よりも低い場合に遅延時間調整前にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本実施例による遅延時間が調整された後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本実施例による第2のクロックに切り替えられた後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本実施例による出力バッファのスルーレートが目標値よりも高い場合に遅延時間調整前にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本実施例による遅延時間が調整された後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本実施例による第2のクロックに切り替えられた後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本実施例による出力バッファのスルーレートが目標値にほぼ一致している場合に遅延時間調整前にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本実施例による遅延時間が調整された後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本実施例による第2のクロックに切り替えられた後にスルーレート調整回路の各装置部が出力する信号の波形を表わした波形図である。 本発明の第1の変形例によるスルーレート調整回路を使用したスルーレート調整装置の構成を表わした構成図である。 本発明の第2の変形例によるスルーレート調整回路の回路構成を表わした回路構成図である。 本発明の第2の変形例によるスルーレート調整制御部のスルーレート調整制御処理の流れを表わした流れ図である。
符号の説明
100 情報処理装置
101 第1のLSI
102 第2のLSI
103 伝送路
104 第1の論理回路
105 出力回路
106 第2の論理回路
107 入力回路
114 出力バッファ
115、400 スルーレート調整回路
116 第1のクロック発生器
117 第2のクロック発生器
200 クロック用セレクタ
203 可変遅延回路
205 バッファ入力側セレクタ

210 第1の差動バッファ
211 第2の差動バッファ
214 第1の位相比較器
217 第1のカウンタ回路
221 第2の位相比較器
224 第2のカウンタ回路
300 スルーレート調整装置
301 クロック生成回路
311 クロック発生器
312 PLL回路
313 第1の分周器
314 第3の位相比較器
315 第3のクロック
316 VCO
405 スルーレート調整制御部

Claims (7)

  1. 入力された信号を電圧の変化率に制限を設けた形で出力するとともに、その出力信号の電圧の最大変化率としてのスルーレートの大きさを調整可能な信号処理手段と、
    この信号処理手段の入力側に接続され、信号処理手段に入力される信号の遅延時間を調整可能な可変信号遅延手段と、
    この可変信号遅延手段に対して、第1のクロックとこの第1のクロックよりも予め定められた単位時間だけ長い周期を有する第2のクロックのいずれか一方を選択して供給するクロック選択手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号を入力し、その電圧と予め定められた第1の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第1の矩形信号を出力する第1の矩形信号出力手段と、
    前記クロック選択手段が前記第1のクロックを選択する区間に、第1のクロックの波形の立ち上がりあるいは立ち下がり部分としてのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第1のクロックの他のエッジに対応してこの第1の矩形信号出力手段が出力する第1の矩形信号のエッジとの時間的なずれを逐次比較し、これらのずれが解消する遅延時間を前記可変信号遅延手段に設定する遅延時間設定手段と、
    前記信号処理手段から出力される信号を入力し、その電圧と前記第1の基準電圧とは異なる予め定められた第2の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第2の矩形信号を出力する第2の矩形信号出力手段と、
    前記クロック選択手段が前記第2のクロックを選択する区間に、第2のクロックのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第2のクロックの他のエッジに対応してこの第2の矩形信号出力手段が出力する第2の矩形信号のエッジとの時間的なずれを逐次比較し、これらのずれが解消するスルーレートを前記信号処理手段に設定するスルーレート設定手段
    とを具備することを特徴とするスルーレート調整回路。
  2. 前記遅延時間設定手段は、前記可変信号遅延手段に遅延時間を設定するための第1のカウント値を保持する第1のカウント値保持手段と、前記クロック選択手段が前記第1のクロックを選択する区間に第1のクロックのエッジとこのエッジから1周期分手前に位置する同じ第1のクロックの他のエッジに対応して前記第1の矩形信号出力手段が出力する第1の矩形信号のエッジとの時間的なずれの方向を逐次検出する第1の信号比較手段と、この第1の信号比較手段がずれの方向を検出する度にそのずれの方向に応じて前記第1のカウント値保持手段が保持する第1のカウント値を1カウントずつ増減させる第1のカウント値増減手段と、前記可変信号遅延手段の遅延時間を前記第1のカウント値保持手段が保持する第1のカウント値の大きさに応じた長さに調整する遅延時間調整手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のスルーレート調整回路。
  3. 前記装置スルーレート設定手段は、前記信号処理手段にスルーレートを設定するための第2のカウント値を保持する第2のカウント値保持手段と、前記クロック選択手段が前記第2のクロックを選択する区間にこのエッジから1周期分手前に位置する同じ第2のクロックの他のエッジに対応して前記第2の矩形信号出力手段が出力する第2の矩形信号のエッジとの時間的なずれの方向を逐次検出する第2の信号比較手段と、この第2の信号比較手段がずれの方向を検出する度にそのずれの方向に応じて前記第2のカウント値保持手段が保持する第2のカウント値を1カウントずつ増減させる第2のカウント値増減手段と、前記信号処理手段のスルーレートを前記第2のカウント値保持手段が保持する第2のカウント値の大きさに応じた値に調整するスルーレート調整手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載のスルーレート調整回路
  4. 前記第1のクロックの周期に対する前記第2のクロックの周期の差分である前記単位時間を任意に設定するための周期差分設定手段を更に具備していることを特徴とする請求項1記載のスルーレート調整回路。
  5. 所定の周期のクロックを生成する第1のクロック生成手段と、
    この第1のクロック生成手段が生成したクロックを入力して任意の周期のクロックに変換する第2のクロック生成手段とを更に具備し、
    前記第1のクロックは、これら第1のクロック生成手段と第2のクロック生成手段が出力する2つの信号のうち周期が短い方であり、前記第2のクロックは他方であることを特徴とする請求項1記載のスルーレート調整回路。
  6. 前記信号処理手段へのスルーレートの調整の開始の要求を受け付ける調整開始要求受付手段と、
    この調整開始要求受付手段がスルーレートの調整の開始の要求を受け付けると、前記クロック選択手段に対して前記信号処理手段への前記第1のクロックの供給を開始させる第1のクロック供給指示手段と、
    前記遅延時間設定手段が前記遅延時間の設定を開始して第1の所定時間が経過すると、前記クロック選択手段に対して前記第2のクロックの供給に切り替えさせる第2のクロック供給指示手段と、
    前記スルーレート設定手段が前記スルーレートの設定を開始して第2の所定時間が経過すると、この信号処理手段へのクロックの供給および信号処理手段から出力される信号の取得を停止させる装置接続切断手段
    とを更に具備することを特徴とする請求項1記載のスルーレート調整回路。
  7. 入力された信号を電圧の変化率に制限を設けた形で出力するとともにその出力信号の電圧の最大変化率としてのスルーレートの大きさを調整可能な信号処理手段に対して、この信号処理手段に入力される信号の遅延時間を可変に調整するための可変遅延手段を介して第1のクロックを供給することを開始する第1のクロック供給開始ステップと、
    この第1のクロック供給開始ステップで前記第1のクロックの前記信号処理手段への供給が開始されると、信号処理手段から出力される信号の電圧と予め定められた第1の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第1の矩形信号を出力する第1の矩形信号出力ステップと、
    前記第1のクロックの波形の立ち上がりあるいは立ち下がり部分としてのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第1のクロックの他のエッジに対応してこの第1の矩形信号出力ステップで出力される第1の矩形信号のエッジとの時間的なずれの方向を逐次検出する第1の信号比較ステップと、
    この第1の信号比較ステップで前記第1の矩形信号のエッジが進んでいることが検出されると前記可変遅延手段の遅延時間を増加させるとともに、前記第1の矩形信号のエッジが遅れていることが検出されると前記可変遅延手段の遅延時間を減少させて、これらのエッジを一致させる遅延時間設定ステップと、
    この遅延時間設定ステップで前記2つのエッジが一致すると、そのときの前記可変遅延手段の遅延時間を固定化する遅延時間固定化ステップと、
    この遅延時間固定化ステップで前記可変遅延手段の遅延時間が固定化されると、前記信号処理手段に対して、前記可変遅延手段を介して前記第1のクロックに替えて前記第1のクロックよりも予め定められた単位時間だけ長い周期を有する第2のクロックを供給することを開始する第2のクロック供給ステップと、
    この第2のクロック供給ステップで前記第2のクロックの前記信号処理手段への供給が開始されると、信号処理手段から出力される信号の電圧と前記第1の基準電圧とは異なる予め定められた第2の基準電圧との大小関係が逆転するたびに信号の論理を反転させてなる第2の矩形信号を出力する第2の矩形信号出力ステップと、
    前記第2のクロックのエッジと、このエッジから1周期分手前に位置する同じ第2のクロックの他のエッジに対応してこの第2の矩形信号出力ステップで出力される第2の矩形信号のエッジとの時間的なずれの方向を逐次検出する第2の信号比較ステップと、
    この第2の位相比較ステップで前記第2の矩形信号のエッジが進んでいることが検出されると前記信号処理手段のスルーレートを減少させるとともに、第2の矩形信号のエッジが遅れていることが検出されると前記スルーレートを増加させて、前記2つのエッジを一致させるスルーレート設定ステップと、
    このスルーレート設定ステップで前記2つのエッジが一致すると、そのときの前記スルーレートを固定化するスルーレート固定化ステップ
    とを具備することを特徴とするスルーレート調整方法。
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