JP4653145B2 - 積層体 - Google Patents

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本発明は、調湿性を有する積層体に関するものである。
従来、近年、快適な居住空間に対する関心が高まっている。これに関し、壁、天井等の内装面の表面仕上げにおいては、結露防止やカビ発生防止、あるいは湿度の調整による不快感抑制、等の機能を有する調湿性仕上材への期待が高まっている。例えば、特許文献1(特開2003−155786号公報)には、吸放湿性材料と水硬性物質とを含む吸放湿性基材の少なくとも一面に、吸放湿性材料粒粉が添加された塗料による塗膜層が形成されてなる調湿性建材が開示されている。
しかしながら、このような調湿性建材では、十分な調湿性能を付与するために、珪藻土やシリカゲル等の吸放湿性物質を必須成分とし、さらにこの性能を最大限に生かすために空隙の多い組成とすることが一般的である。そのため、醤油やインク等の液状汚染物質が建材表面に接触すると瞬間的に吸収してしまい、汚染物質が染みとなって残存する場合がある。また、空気中に浮遊する汚染物質が長期的に蓄積される場合もある。このような汚染物質は、調湿性建材の美観性を著しく損うおそれがある。
特開2003−155786号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、汚染物質に起因する美観性の低下を防止することができる積層体を得ることを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行なった結果、調湿層の上に、有色骨材を主成分とする粒子凝集型通気体からなる通気層を積層し、通気層上部の有色骨材表面を撥水性被覆材で覆うことに想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明積層体は、下記の特徴を有するものである。
1.調湿層の上に通気層が積層された積層体であって、当該通気層は、
平均粒子径0.01〜1mmの有色骨材100重量部に対して、結合材を固形分換算で3〜30重量部含有し、厚みが0.5〜8mmである粒子凝集型通気体からなり、少なくとも通気層上部に位置する有色骨材の表面は撥水性被覆材で覆われていることを特徴とする積層体。
2.前記通気層における結合材には、反応性官能基を有する成分が含まれ、
撥水性被覆材には、当該反応性官能基と反応可能な官能基を有する撥水成分が含まれていることを特徴とする1.記載の積層体。
3.前記通気層上部に位置する有色骨材は、その表面全体または表面の一部が撥水性被覆材で覆われていることを特徴とする1.または2.記載の積層体。
4.前記通気層中における有色骨材が、予め撥水性被覆材で被覆された撥水性有色骨材である1.2.または3.記載の積層体。

本発明の積層体では、醤油やインク等の汚染物質の吸い込みを抑制することができる。よって、これら汚染物質が表面に接触した場合は、拭き取り等の手段により簡単に除去することができる。また、仮に汚染物質の一部が残存した場合でも、例えば中性洗剤を含ませたウエスで叩き洗い等を行うことによって、汚れの吸い出しまたは調湿層への押し出しを行うことができ、美観性を保持することができる。
上記2.記載の発明では、撥水性被覆材が強固な結合により固定化されるため、拭き取り、叩き洗い等の洗浄を繰り返し行っても、撥水性が低下せず、長期的に上述の効果を得ることが可能となる。
上記3.記載の発明によれば、有色骨材の表面が初期的ないし経時的に露出した場合であっても、上述の効果を安定して得ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明積層体は、調湿層の上に通気層が積層されたものである。このうち、調湿層としては、湿度の変化により水蒸気の吸着及び脱着を繰り返し行うことができる性能を有するものであればよい。このような調湿層としては、水蒸気吸脱着性においてヒステリシス特性を示すものが使用でき、構成成分として、吸放湿性物質、結合材を主成分とするもの等が使用できる。
吸放湿性物質としては、例えば、ベーマイト、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、アルミナ、アロフェン、珪藻土、珪質頁岩、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノライト、イモゴライト、大谷石粉、活性白土、木炭、竹炭、活性炭、木粉、貝殻粉、多孔質合成樹脂粒等が使用できる。吸放湿性物質の平均粒子径は、通常0.001〜1mm、好ましくは0.01〜0.5mm程度である。
結合材としては、上記吸放湿性物質を固定化可能なものが使用でき、例えばセメント、石膏、樹脂等が挙げられる。吸放湿性物質と結合材の比率は通常、吸放湿性物質100重量部に対し、結合材が固形分換算で5〜500重量部程度となるように調製すればよい。
調湿層の吸放湿量は、特に限定されないが、通常30g/m以上(好ましくは40g/m以上)である。このような調湿層を使用することによって、室内空間において十分な調湿効果を得ることができる。なお、ここに言う吸放湿量は、JIS A6909:2003「建築用仕上塗材」7.32.2の手順によって測定される値である。
本発明積層体では、上記調湿層の上に通気層が積層される。この通気層は、調湿層の水蒸気吸脱着性を阻害しない効果、積層体表面の美観性を高める効果、汚染物質による美観性低下を防止する効果等を有するものである。通気層を構成する必須成分は、平均粒子径0.01〜1mmの有色骨材と結合材であり、通気層はこのような成分による粒子凝集型通気体からなるものである。
このうち、有色骨材としては、自然石の粉砕物、陶磁器の粉砕物、及び着色骨材から選ばれる少なくとも一種以上が使用できる。このような有色骨材は、装飾性を付与する成分である。本発明では、色相が異なる2種以上の有色骨材を組み合わせて用いることにより、積層体表面の多彩感を高めることができる。有色骨材の色相は、無彩色、有彩色のいずれであってもよく、本発明の効果が損われない限り、透明性を有するものであってもよい。具体的には、例えば、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、珪石、雲母、珪砂等の粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、樹脂中空ビーズ、樹脂チップ、金属粒、木粉、植物片等や、それらの表面を着色コーティングしたもの等が挙げられる。
有色骨材の平均粒子径は0.01〜1mm(好ましくは0.02〜0.5mm)である。平均粒子径が0.01mm未満では有色骨材による多彩感が得られず、また十分な通気性が得られ難くなる。平均粒子径が1mm超の場合は、汚染物質の拭き取り等が困難となるおそれがあり、また通気層の隠蔽性が不十分となり調湿層が露出しやすくなる。なお、本発明における平均粒子径は、JIS Z8801−1:2000に規定される金属製網ふるいを用いてふるい分けを行い、その重量分布の平均値を算出することによって得られる値である。
通気層における結合材としては、有色骨材の色彩を活かすため、透明被膜が形成可能な有機質結合材が好適である。このような有機質結合材としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
通気層における有色骨材と結合材の比率は、有色骨材100重量部に対して、結合材を固形分換算で3〜30重量部(好ましくは5〜20重量部)とする。両成分の比率がこのような範囲内であれば、十分な通気性を有する粒子凝集型通気体を形成することが可能となる。結合材が3重量部より少ない場合は、有色骨材の脱離等が発生しやすくなる。結合材が30重量部よりも多い場合は、下層の調湿性能を阻害するおそれがあり、また通気層の厚膜化等が困難となる。
通気層の厚みは、通常0.5〜8mm、好ましくは0.6〜4mm、より好ましくは0.8〜2mmである。通気層の厚みがこのような範囲内であれば、通気性を確保しつつ、通気層に十分な美観性、隠蔽性等を付与することができる。
本発明積層体の通気層においては、少なくとも通気層上部に位置する有色骨材の表面が撥水性被覆材で覆われるようにする。これにより、醤油やインク等の汚染物質の吸い込みを抑制することができ、汚染物質が表面に接触した場合は、拭き取り等の手段により汚染物質を簡単に除去することができる。また、汚染物質の一部が残存した場合でも、水や中性洗剤を含ませたウエス等で積層体表面を叩き洗うことによって、汚れの吸い出しまたは調湿層への押し出しを行うことができ、初期の美観性を保持することができる。なお、通気層上部に位置する有色骨材は、その表面全体が撥水性被覆材で覆われていてもよいが、本発明の効果が得られる限り、表面の一部が撥水性被覆材で覆われている状態であってもよい。また、有色骨材の色彩を活かすため、ここでの撥水性被覆材としては通常、透明被膜を形成するものを使用するが、必要に応じ、カラークリヤー被膜を形成するものも使用できる。
撥水性被覆材としては、有色骨材表面で固着され、撥水性能を発現するものが使用できる。このような撥水性被覆材は、1種以上の撥水成分を含むものであればよい。撥水成分としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、アクリル・エチレン共重合体ワックス等のワックス系撥水剤;シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、アルキルアルコキシシラン等のシリコン系撥水剤;パーフロロアルキルカルボン酸塩、パーフロロアルキルリン酸エステル、パーフロロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のフッ素系撥水剤等が挙げられる。このような撥水成分は、それ自体で造膜性を有するもの、造膜性を有さないもののいずれであってもよい。撥水成分自体が造膜性を有さない場合は、撥水性被覆材として、結合材と撥水成分との混合物を使用すればよい。結合材としては、前述のような有機質樹脂を用いればよい。
本発明では、上述の通気層における結合材に、反応性官能基を有する成分が含まれ、撥水性被覆材には、当該反応性官能基と反応可能な官能基を有する撥水成分が含まれていることが望ましい。このような態様では、通気層中の撥水性被覆材が結合材との反応によって固定化されるため、拭き取り、叩き洗い等の洗浄を繰り返し行っても、撥水性が低下せず、長期的に上述の効果を得ることが可能となる。このような官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボキシル基とカルボジイミド基、カルボキシル基とエポキシ基、カルボキシル基とアジリジン基、カルボキシル基とオキサゾリン基、水酸基とイソシアネート基、カルボニル基とヒドラジド基、エポキシ基とアミノ基、アルコキシシリル基どうし等が挙げられる。
具体的に、通気層の結合材における反応性官能基としては、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等が挙げられる。結合材がエポキシ基を有する場合、撥水成分としてはアミノ基及び/またはカルボキシル基を有するものが使用でき、結合材がカルボキシル基を有する場合は、撥水成分としてエポキシ基を有するものが使用できる。また、結合材がアミノ基を有する場合は、撥水成分としてエポキシ基を有するものを使用することができる。この中でも、結合材がエポキシ基を有するもの、撥水成分がアミノ基を有するものの組合せが好適である。
本発明において、通気層中の有色骨材としては、予め撥水性被覆材で被覆された撥水性有色骨材を用いることができる。このような撥水性有色骨材を使用することにより、有色骨材の表面が初期的ないし経時的に露出した場合であっても、汚染物質に起因する美観性の低下を防止することができる。撥水性被覆材で有色骨材を被覆する方法としては、公知の方法を採用すればよい。撥水性被覆材としては、前述のものと同様のものも使用できるが、ここでの撥水性被覆材は有色被膜を形成するものであってもよい。
本発明積層体は、上記調湿層の上に上記通気層が積層される限り、その製造方法については特に限定されるものではないが、例えば以下の方法で製造することができる。
(1)型枠の内面に通気層形成用組成物を塗付した後、調湿層形成用組成物を積層し、乾燥後に脱型し、次いで通気層表面に撥水性被覆材を塗付・浸透させる方法。
(2)型枠の内面に調湿層形成用組成物を塗付した後、通気層形成用組成物、撥水性被覆材を塗付し、乾燥後に脱型する方法。
(3)型枠の内面に撥水性被覆材を塗付した後、通気層形成用組成物、調湿層形成用組成物を塗付し、乾燥後に脱型する方法。
(4)シート状基材に調湿層形成用組成物を塗布し、次いで通気層形成用組成物を積層し、次いで通気層表面に撥水性被覆材を塗付・浸透させる方法。
(5)通気層形成用組成物を加熱ニーダーおよび圧延ロールで成形した層(シート)と、調湿層形成用組成物を加熱ニーダーおよび圧延ロールで成形した層(シート)を積層した後、通気層表面に撥水性被覆材を塗付・浸透させる方法。
なお、通気層形成用組成物としては、有色骨材及び結合材を含むペースト状混合物が使用でき、調湿層形成用組成物としては、吸放湿性物質及び結合材等を含むペースト状混合物が使用できる。
上記(1)、(2)、(3)において使用する型枠としては、例えばシリコン樹脂製、ウレタン樹脂製、金属製等の型枠、あるいは離型紙を設けた型枠等が使用できる。また、(4)においてシート状基材としては、可とう性を有するものが好ましく、例えば、合成紙、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維等の繊維からなる織布又は不織布、セラミックペーパー、ガラスクロス、メッシュ等が挙げられる。このうち(1)または(3)では型枠側が積層体表面となるため、型枠内側の形状を調整することで、積層体表面に所望の凹凸模様を付与することができる。一方、(2)では型枠側が積層体の裏面となる。この裏面に凹凸が形成されるようにすれば積層体の接着性を高めることもできる。(2)、(4)では、通気層の乾燥前に種々の凹凸模様を形成することもできる。
上記(1)、(2)、(3)、(4)において各材料を塗付する際には、例えばスプレー、ローラー、こて、レシプロ、コーター、流し込み等の手段を用いた方法を採用することができる。また、通気層形成用組成物や調湿層形成用組成物を乾燥させる際には、加熱することもできる。
上記(2)、(4)では、通気層形成用組成物が未乾燥のうちに撥水性被覆材を塗付することが望ましく、上記(3)では、撥水性被覆材が未乾燥のうちに通気層形成用組成物を塗付することが望ましい。このような方法によれば、撥水性被覆材が通気層内部に浸透した形態となりやすく、撥水性付与の点で好適である。また、通気層中の結合材と撥水性被覆材が相互に反応性を有する場合は、撥水性被覆材を確実に固定化することが可能となる。
また、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、通気層の装飾性等を高める目的で、通気層に対し、平均粒子径1mm超の骨材を混合したり、散布することもできる。このような骨材としては、例えば前述の有色骨材と同材質のものの他、マイカ、貝殻片、植物片等が挙げられる。
積層体の製造時には、本発明の効果を阻害しない限り、例えば、補強材(織布、不織布、セラミックペーパー、合成紙、ガラスクロス、メッシュ等)を積層することができる。その他、当業者の知識に基づき種々の変更を加えることもできる。
本発明積層体は、主に建築物の内装仕上げに適用できる。すなわち、流通時には、調湿層と通気層を有するシート状成形体として取り扱い、これを建築物内装面の各部位に施工して内装仕上げを行うことができる。具体的には、住宅、マンション、学校、病院、店舗、事務所、工場、倉庫、食堂等における壁、間仕切り、扉、天井等に適用できる。このような部位を構成する基材としては、例えば、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、タイル、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、石綿セメント板等が挙げられる。これら基材は、その表面に既存塗膜を有するものや、既に壁紙が貼り付けられたもの等であってもよい。本発明積層体は、このような基材に対し、上塗層が室内側を向くようにして施工する。
本発明積層体を施工する際には、接着剤、粘着剤、粘着テープ、釘、鋲等を用いて基材に貼着すればよい。その他、ピン、ファスナー、レール等を用いて固定化することもできる。また、本発明積層体は、施工時に積層体を任意の形状に切断することも可能であり、切断面の小口処理等を適宜行うこともできる。
また、本発明では前記通気層を有する成形体を調湿性の接着剤、粘着剤、粘着テープ等で直接基材に接着することにより、積層体を形成することもできる。例えば、通気性シート状基材に通気層形成用組成物を積層させて得られるシート状成形体を、調湿層形成用組成物を接着剤として前記基材に接着する方法等が挙げられる。
本発明では、下層の調湿層による吸放質性が最終的な仕上面においても発揮される。最終的な仕上面における吸放湿量は、このような性能が発揮される限り特に限定されないが、通常は、30g/m以上であればよい。本発明では、複数の調湿層を用いたり、あるいは通気層に調湿性能を付与する等の手段により、70g/m以上(さらには100g/m以上)とすることも可能である。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(調湿層形成用組成物の製造)
・調湿層形成用組成物1
吸放湿性物質100重量部、結合材A18重量部(固形分)、骨材A120重量部、造膜助剤3重量部、及び水100重量部を均一に攪拌・混合することにより、調湿層形成用組成物1を製造した。この調湿層形成用組成物1の硬化膜(乾燥厚み1.5mm)の吸放湿量を、JIS A6909:2003「建築用仕上塗材」7.32.2の手順によって測定したところ、160g/mであった。
(通気層形成用組成物の製造)
・通気層形成用組成物1
骨材B100重量部、結合材A8重量部(固形分)、造膜助剤2重量部及び水25重量部を均一に攪拌・混合することにより、通気層形成用組成物1を製造した。この通気層形成用組成物1の硬化膜(乾燥厚み2.0mm)の水蒸気透過度を、JIS K5400:1990「塗料一般試験方法」8.17によって測定したところ、770g/m・24hであった。
・通気層形成用組成物2
骨材B100重量部、結合材B8重量部(固形分)、造膜助剤2重量部及び水25重量部を均一に攪拌・混合することにより、通気層形成用組成物2を製造した。この通気層形成用組成物2の硬化膜(乾燥厚み2.0mm)の水蒸気透過度は780g/m・24hであった。
・通気層形成用組成物3
骨材C100重量部、結合材A8重量部(固形分)、造膜助剤2重量部及び水25重量部を均一に攪拌・混合することにより、通気層形成用組成物3を製造した。この通気層形成用組成物3の硬化膜(乾燥厚み2.0mm)の水蒸気透過度は810g/m・24hであった。
なお、調湿層形成用組成物及び通気層形成用組成物の製造においては、以下の原料を使用した。
・結合材A:カルボキシル基含有アクリル樹脂エマルション(ガラス転移温度15℃、固形分50重量%)
・結合材B:カルボキシル基・エポキシ基含有アクリル樹脂エマルション(ガラス転移温度15℃、固形分50重量%)
・吸放湿性物質:ベーマイト(平均粒子径150μm)
・骨材A:珪砂(平均粒子径120μm)
・骨材B:着色珪砂(淡黄色、平均粒子径120μm)
・骨材C:撥水性着色珪砂(上記骨材Bを下記撥水性被覆材1で被覆処理したもの、淡黄色、平均粒子径130μm)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
(撥水性被覆材の製造)
撥水成分20重量部(固形分)、結合材C30重量部(固形分)、造膜助剤6重量部、消泡剤0.5重量部、及び水60重量部を、均一に混合して撥水性被覆材1を製造した。
なお、撥水性被覆材における原料としては下記に示すものを使用した。
・撥水成分:シリコーンエマルション(アミノ基含有ジメチルポリシロキサン化合物の乳化物、固形分50重量%)
・結合材C:カルボキシル基含有アクリル樹脂エマルション(ガラス転移温度25℃、固形分50重量%)
・造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート
・消泡剤:鉱物油系消泡剤
(実施例1)
離型剤を塗布した型枠(縦150mm×横70mm×深さ5mm)の内面に、撥水性被覆材1をスプレーにより塗付(塗付量150g/m)した後、直ちに通気層形成用組成物1を流し込み、24時間後、調湿層形成用組成物1を流し込み、こてを用いて平滑にならした。23℃下で24時間乾燥後、脱型して積層体を得た。この積層体の調湿層の厚みは1.5mm、通気層の厚みは2.0mmであった。得られた積層体につき以下の試験を実施した。結果を表1に示す。
・試験1
積層体の表面(通気層側)を上向きにして水平に静置し、スポイドを用いて、積層体の中央付近に市販の醤油を2cc滴下した後、直ちに水を含むウエスで積層体表面を拭いた。このときの積層体表面の状態を目視にて確認した。評価基準は、色・艶の変化が認められなかったものを◎、色・艶の大きな変化が認められたものを×とする4段階(◎>○>△>×)とした。
・試験2
積層体の表面(通気層側)を上向きにして水平に静置し、スポイドを用いて、積層体の中央付近に市販の醤油を2cc滴下し、5分放置後、水を含むウエスで積層体表面を拭いた。このときの積層体表面の状態を目視にて、試験1と同様の評価基準で確認した。
・試験3
積層体の表面(通気層側)を上向きにして水平に静置し、スポイドを用いて、積層体の中央付近に市販の醤油を2cc滴下した後、直ちに水を含むウエスで積層体表面を拭いた。この操作を計100回繰り返し行った。このときの積層体表面の状態を目視にて、試験1と同様の評価基準で確認した。
(実施例2)
通気層形成用組成物1に代えて通気層形成用組成物2を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層体を製造し試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
通気層形成用組成物1に代えて通気層形成用組成物3を使用した以外は、実施例1と同様の方法で積層体を製造し試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
ガラス不織布(縦300mm×横300mm×厚さ0.3mm)上に、通気層形成用組成物1を塗付し、次いで撥水性被覆材1をスプレーにより塗付(塗付量150g/m)した。23℃下で24時間乾燥後、積層体を得た。この積層体の厚みは2.0mmであった。この積層体を調湿性を有する接着剤(調湿層形成用組成物1)を用いて、ステンレス板に貼り付けた。(なお、このときの接着剤の乾燥後の厚みは1.5mmであった。)
(比較例1)
離型剤を塗布した型枠(縦150mm×横70mm×深さ5mm)の内面に、通気層形成用組成物1を流し込み、24時間後、調湿層形成用組成物1を流し込み、こてを用いて平滑にならした。23℃下で24時間乾燥後、脱型して積層体を得た。この積層体の調湿層の厚みは1.5mm、通気層の厚みは2.0mmであった。得られた積層体につき実施例1と同様の試験を実施した。結果を表1に示す。
(比較例2)
通気層の厚みを0.4mmに変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層体を製造し試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 0004653145

Claims (3)

  1. 調湿層の上に通気層が積層された積層体であって、
    当該通気層は、平均粒子径0.01〜1mmの有色骨材100重量部に対して、結合材を固形分換算で3〜30重量部含有し、厚みが0.5〜8mmである粒子凝集型通気体からなり、少なくとも通気層上部に位置する有色骨材の表面は撥水性被覆材で覆われており、
    前記通気層における結合材には、反応性官能基を有する成分が含まれ、撥水性被覆材には、当該反応性官能基と反応可能な官能基を有する撥水成分が含まれ、
    前記通気層の内部に、前記撥水性被覆材が浸透していることを特徴とする積層体。
  2. 前記通気層上部に位置する有色骨材は、その表面全体または表面の一部が撥水性被覆材で覆われていることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 前記通気層中における有色骨材が、予め撥水性被覆材で被覆された撥水性有色骨材である請求項1又は2記載の積層体。
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