JP4711812B2 - 模様面の形成方法 - Google Patents
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また、特開平11−62163号公報(特許文献2)には、天然砂岩調の模様面を得る方法として、下地層に所定の間隔で目地テープを貼りつけ、透明ないし半透明の塗料を多層に塗装した後に、目地テープを除去する方法が記載されている。
本発明は上述の如き背景に鑑みなされたもので、従来にはない新規な目地模様を簡便な方法によって創出することを目的とするものである。
1.目地模様を有する模様面を形成する方法であって、
基材に対し、結合材及び有色粉粒体を含む第1装飾塗材を塗付する工程(1)、
前記第1装飾塗材が未乾燥のうちに、その塗膜表面の一部に対し、底面が平滑であって通気性を有する可剥性目地材を押し付けながら貼着し、目地模様を形成しようとする部分を平滑化処理する工程(2)、
前記第1装飾塗材を乾燥させる工程(3)、
前記可剥性目地材どうしの間隙に、結合材及び有色粉粒体を含む第2装飾塗材を塗付する工程(4)、
前記第2装飾塗材を乾燥させる工程(5)、
前記可剥性目地材を除去する工程(6)、
を有することを特徴とする模様面の形成方法。
2.項1.記載の模様面の形成方法において、前記工程(4)の後、前記第2装飾塗材の乾燥前に前記可剥性目地材を除去し、次いで、前記第2装飾塗材を乾燥させることを特徴とする模様面の形成方法。
3.目地模様を有する模様面を形成する方法であって、
基材に対し、結合材及び有色粉粒体を含む第1装飾塗材を塗付する工程(1)、
前記第1装飾塗材が未乾燥のうちに、その塗膜表面の一部に対し、底面が平滑であって通気性を有する可剥性目地材を押し付けながら貼着し、目地模様を形成しようとする部分を平滑化処理する工程(2)、
前記可剥性目地材どうしの間隙に、結合材及び有色粉粒体を含む第2装飾塗材を塗付する工程(4)、
前記第1装飾塗材及び前記第2装飾塗材を乾燥させる工程(5)、
前記可剥性目地材を除去する工程(6)、
を有することを特徴とする模様面の形成方法。
有色粉粒体の重量比率は、上記結合材の固形分100重量部に対し、通常100〜4000重量部、好ましくは200〜2000重量部、より好ましくは300〜1500重量部である。
しかも、本発明における目地材は通気性を有するため、目地材を押し付けた状態のままで第1装飾塗材2を乾燥させることができる(工程(3))。すなわち、可剥性目地材3の下部に位置する第1装飾塗材に含まれる水等の媒体が可剥性目地材3を通過して揮発するため、可剥性目地材3の下部に位置する第1装飾塗材2の乾燥遅延を抑制することができ、ひいては工期短縮を図ることができる。さらに、かかる可剥性目地材3の使用により、目地材除去の際における目地溝の型崩れを防止することができ、美観性の高い目地模様が形成できる。
側面6を構成する材料は、特に限定されないが、上述の如き通気性材料を使用することも可能である。
なお、図2では、可剥性目地材3として、目地材内部に空洞を有するものを示したが、本発明の効果が損われない限り、目地材内部が通気性材料で充填されたもの、目地材内部に補強材を有するもの等を使用することもできる。
可剥性目地材3の幅は、通常5mm以上(好ましくは5〜100mm)程度であり、この範囲内で適宜設定することができる。特に、可剥性目地材3の幅を30mm以上に設定すれば、目地部の光沢感が視認しやすくなり好適である。また、このような幅広の目地材を使用した場合であっても、その下部の塗材を十分に乾燥させることができる。可剥性目地材3の高さは、通常0.5〜10mm程度である。
第2装飾塗材4における有色粉粒体の重量比率は、結合材の固形分100重量部に対し、通常100〜4000重量部、好ましくは200〜2000重量部、より好ましくは300〜1500重量部である。
第2装飾塗材4と第1装飾塗材2の色相は同色であってもよいし、異色であってもよい。本発明では、これら装飾塗材の色相を同色とした場合であっても、相互の表面状態の違いにより凹凸感を際立たせることができる。
次いで、工程(6)として、前記可剥性目地材3を除去する(図1(d))。可剥性目地材3を除去することにより、目地溝が形成され、凹凸模様を有する模様面が得られる。
クリヤー塗料の塗装においては、公知の方法が採用でき、例えば、吹付け塗装、ローラー塗装、刷毛塗り等の各種方法が採用できる。
クリヤー塗料を目地部のみに塗装すれば、目地部以外の部分との光沢差をいっそう大きくすることもできる。
結合材として、アクリル樹脂エマルション(固形分50重量%、最低造膜温度24℃)を200重量部用意し、これに造膜助剤(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)を16重量部、ポリウレタン系増粘剤を5重量部、シリコーン系消泡剤を3重量部、さらに有色粉粒体として粒子径0.1〜2mmの着色骨材混合物(白色:灰色:黒色=3:3:1)を550重量部混合し、常法により均一に撹拌して装飾塗材Pを製造した。
90cm×90cmのスレート板に対し、エポキシ系下塗材を塗付量0.2kg/m2で塗付し、2時間乾燥した後、第1装飾塗材として装飾塗材Pを塗付量1kg/m2で塗付した。この塗材の塗付後、直ちに、通気可剥性目地型枠(格子状、幅50mm、高さ2mm)を塗膜表面に押し付けて平滑化処理し、そのまま16時間放置した。なお、通気可剥性目地型枠としては、図2に示す断面構造を有し、その底面及び側面がシリコーン系撥水剤で処理された酢酸ビニル系シート材からなるものを使用した。
次に、第2装飾塗材として、装飾塗材Pを塗付量5kg/m2で塗付し、24時間乾燥後、目地型枠を除去した。この際、目地型枠の除去は容易であり、目地型枠下部の塗材も十分に乾燥していた。なお、以上の工程は、すべて標準状態(温度23℃・相対湿度50%)で行った。
以上の方法により、全面にわたる自然石調の模様に、光沢感を有する格子状の目地模様(目地部の85度鏡面光沢度は7)が形成され、全体的な統一感を有しつつも、表面模様と目地部のコントラストが明瞭な模様面を得ることができた。
2:第1装飾塗材
3:可剥性目地材
4:第2装飾塗材
5:底面
6:側面
Claims (3)
- 目地模様を有する模様面を形成する方法であって、
基材に対し、結合材及び有色粉粒体を含む第1装飾塗材を塗付する工程(1)、
前記第1装飾塗材が未乾燥のうちに、その塗膜表面の一部に対し、底面が平滑であって通気性を有する可剥性目地材を押し付けながら貼着し、目地模様を形成しようとする部分を平滑化処理する工程(2)、
前記第1装飾塗材を乾燥させる工程(3)、
前記可剥性目地材どうしの間隙に、結合材及び有色粉粒体を含む第2装飾塗材を塗付する工程(4)、
前記第2装飾塗材を乾燥させる工程(5)、
前記可剥性目地材を除去する工程(6)、
を有することを特徴とする模様面の形成方法。 - 請求項1記載の模様面の形成方法において、前記工程(4)の後、前記第2装飾塗材の乾燥前に前記可剥性目地材を除去し、次いで、前記第2装飾塗材を乾燥させることを特徴とする模様面の形成方法。
- 目地模様を有する模様面を形成する方法であって、
基材に対し、結合材及び有色粉粒体を含む第1装飾塗材を塗付する工程(1)、
前記第1装飾塗材が未乾燥のうちに、その塗膜表面の一部に対し、底面が平滑であって通気性を有する可剥性目地材を押し付けながら貼着し、目地模様を形成しようとする部分を平滑化処理する工程(2)、
前記可剥性目地材どうしの間隙に、結合材及び有色粉粒体を含む第2装飾塗材を塗付する工程(4)、
前記第1装飾塗材及び前記第2装飾塗材を乾燥させる工程(5)、
前記可剥性目地材を除去する工程(6)、
を有することを特徴とする模様面の形成方法。
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