JP2703018B2 - 模様塗膜形成法 - Google Patents

模様塗膜形成法

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JP2703018B2
JP2703018B2 JP64001071A JP107189A JP2703018B2 JP 2703018 B2 JP2703018 B2 JP 2703018B2 JP 64001071 A JP64001071 A JP 64001071A JP 107189 A JP107189 A JP 107189A JP 2703018 B2 JP2703018 B2 JP 2703018B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規な立体的模様に仕上げる方法に関する。
すなわち、本発明は、高粘度湿潤塗膜面に表面平滑な
ローラーを接触転動させて該塗面に凹凸模様を形成し、
さらに硬化する前に該凸部の頂部をおさえて平坦にして
から、該塗膜全面に隠ぺい性90〜100%の着色塗料を塗
装し、次いで隠ぺい性20%以下の着色クリヤー塗料を塗
装して、平坦部や凹部は着色クリヤー塗料の色調が、凸
部周縁部の角部や尖鋭部分は着色クリヤー塗膜を透して
着色塗料の色調が視認できるようにしたことを特徴とす
る模様塗膜形成法に関する。
本発明の方法は、具体的には次の工程に基づいて実施
することが好ましい。
(1)目的とする被塗面に高粘度塗料を全面に均一に塗
装する。
(2)湿潤状態にある該塗面に表面が平滑なローラーを
あてがい接触させながら回転することによって該塗面に
凹凸模様を形成する。
(3)塗膜が硬化する前に、該凸部の頂部を押圧して頂
部が平坦化した凹凸模様にする。
(4)上記(3)で得た凹凸模様を有する塗面に隠ぺい
性90〜100%の着色塗料を塗装する。
(5)次いで、(4)で得た塗面に隠ぺい性20%以下の
着色クリヤー塗料を塗装する。
本発明の方法によって形成される模様塗膜は、凹凸状
で、かつ該凸部の頂上が平坦になっており、しかも該凹
凸面に隠ぺい性の良好な着色塗膜と着色透明塗膜とを形
成せしめてある。その結果、凹凸模様に仕上げたことに
よって立体感がすぐれている。また、着色透明塗膜につ
いてみると、凸部の頂上の平坦面や凹部の底には厚膜が
形成しやすいのですでに塗装してある着色塗膜の色調を
殆どもしくは全く透視することができず、着色透明塗膜
の色合が強調され、一方、凸部頂上平坦部周縁の角部や
鋭角部分では着色透明塗膜が必然的に薄膜になって、す
でに塗装してある着色塗膜の色調を容易に透視できる。
したがって、本発明の方法で形成された模様塗膜は色彩
的にみると、平坦部や凹部と角部や鋭角部分との色調を
異ならしめることができ、例えば、淡色の着色塗膜面に
濃色の着色透明塗膜を形成せしめると平坦部などでは濃
色、角部では淡色にそれぞれ仕上げられ、変化に富んだ
色彩に仕上げることができる。
次ぎに、本発明の方法についてさらに詳細に説明す
る。
工程(1):目的とする被塗面に高粘度塗料を全面に
均一に塗装する。
被塗物は特に制限されず、例えば、コンクリート、モ
ルタル、PC板、ALC板、コンクリートブロック、スレー
ト、鉄部、木部などがあげられ、これらの表面はそれぞ
れ適宜素地調整やプライマー塗装などを行なっておくこ
とが好ましい。
高粘度塗料は、塗装時の粘度が300ポイズ(20℃)以
上、特に300〜800ポイズ(20℃)が好ましく、しかも凹
凸模様を安定に維持するような流動特性(チキソトロピ
ー性)をもつ塗料が好ましい。具体的には基体樹脂を主
成分とし、必要に応じて硬化剤、顔料、流動調節剤、溶
剤などを適宜配合してなる塗料があげられ、その形態は
有機溶剤および(または)水を溶媒もしくは分散媒とす
る液状塗料が適している。基体樹脂としては例えばアル
キド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などをあげることが
できる。硬化剤としては該基体樹脂を三次元に架橋硬化
させるもので、それ自体公知のものが用いられる。顔料
は着色顔料、体質顔料などが適している。粘度の調整は
基体樹脂の組成や分子量、顔料の組成や配合量、塗料の
形態などによって容易に行なわれる。
該高粘度塗料は被塗物の目的とする部分に全面に均一
に塗装するが、その塗装方法としては例えば、吹付リシ
ンガン、吹付ダイルガン、リシンガン、圧送ガンなどが
あげられ、塗布量は0.6Kg/m2以上、特に0.6〜1.2Kg/m2
が好ましい。
工程(2):湿潤状態にある上記高粘度塗料の塗面に
表面が平滑なローラーをあてがい接触させながら回転す
ることによって該塗面に凹凸模様を形成する。
湿潤状態にある未硬化の高粘度塗料塗膜面に、表面が
平滑な円筒状ローラーをあてがい、塗面と接触させなが
らローラーを回転移動させると、未硬化で粘着性を有し
ている高粘度塗料がローラーに付着し、持ち上げられ、
ローラーから離れると凸状となり、ローラーが回転移動
した後の塗面には凸部の先端が尖った凹凸模様(テスク
チャーパターン)の塗面に仕上げられる。
ローラーとしては、塗膜面と接触する表面が平坦であ
ることが好ましく、その材質は上記塗料によって変質、
変形しないものであればよく、例えば、ビニル樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが好適であ
る。
工程(3):凹凸模様塗膜が硬化する前に、該凸部の
頂部を押圧して、該頂部が平坦化した凹凸模様にする。
工程(2)で形成した凹凸模様の凸部の頂上は先鋭的
に尖っており、工程(3)では、その先鋭的な頂部を押
圧し、平坦にして、凸部の頂上が平坦化された凹凸模様
を形成する。
凸部を押圧するにあたり、その塗膜は未硬化状態であ
り、しかも押圧した治具に該塗膜が付着しない程度に乾
燥もしくは硬化していることが好ましい。該凸部を押圧
する治具としては前記のローラーが使用できる。
工程(4):上記(3)で得た凹凸模様を有する塗面
に隠ぺい性良好な着色塗料を塗装する。
着色塗料は被塗面である上記凹凸模様を有する塗面に
塗装する塗料であって、凹凸模様塗膜の平坦部、凹部、
角部、先鋭部などにおける素地面の殆どもしくは全く視
認できない程度に色彩的に隠ぺい被覆することが可能な
着色塗膜を形成する塗料である。具体的には、基体樹脂
および着色顔料を主成分とし、必要に応じて硬化剤、溶
剤(水および/または有機溶剤)などを配合してなる。
基体樹脂としてはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキド樹脂、ビニル樹脂などが好適であり、着色顔料に
は有機顔料、無機顔料などがあげられる。該塗料の形態
としては、溶液型、ハイソリット型、非水ディスパージ
ョン型、エマルジョン型(水性)などの液状が好まし
い。また、該着色塗料の隠ぺい性は、JIS−K−5400−1
979−6.3の記載に準じて、90〜100%、特に95〜100%が
好ましい。また、塗装時の粘度は、20℃において、20〜
50秒/IHSの範囲が、このうち、ローラ塗では40〜50秒/I
HS、吹き付け塗りでは20〜30秒/IHSがそれぞれ適してい
る。IHSは岩田カップで測定したことを示す。
該着色塗料は被塗面の凹凸模様塗膜が完全に硬化して
から塗装するのが好ましいが、未硬化であっても差しつ
かえない。塗装方法は特に制限されず、例えばハケ塗
り、噴霧塗装、静電塗装、浸漬塗装、ローラー塗装など
で行なえ、その塗布量は0.10Kg/m2以上、特に0.10〜0.2
0Kg/m2が好ましい。該着色塗膜の乾燥、硬化方法は任意
で常温もしくは加熱によって行なうのが適している。
工程(5):上記着色塗膜面に着色クリヤー塗料を塗
装する工程。
この着色クリヤー塗料は、厚膜になると殆どもしくは
全く不透明で素地を透視できないが、薄膜では素地を透
視することができる。したがって、該着色クリヤー塗料
を上記工程(4)で得た着色凹凸模様塗面に塗装する
と、該塗面の平坦部や凹部には厚膜が形成して着色クリ
ヤー塗料の色調の塗膜が形成し、凸部の平坦部周縁の角
部や先鋭部分では薄膜であるために工程(4)における
着色塗膜が着色クリヤー塗膜を透して視認することがで
きる。
該クリヤー塗料は基体樹脂および着色剤を主成分と
し、さらに必要に応じて硬化剤、溶剤(水および/また
は有機溶剤)などを配合することができる。これらの各
成分は前記着色塗料と同じものが用いられる。
該クリヤー塗料の隠ぺい性は、前記着色塗料よりも低
く、具体的には前記方法による隠ぺい率が30%以下、特
に20%以下が好ましく、塗装時の粘度は20℃で18〜20秒
/IHSが適している。
該クリヤー塗料は前記着色塗料による塗膜が硬化して
から塗装することが好ましいが、未硬化であってもさし
つかえない。塗装方法は前記と同様にし行なえ、その塗
布量は0.08Kg/m2以上、好ましくは0.08〜0.15Kg/m2であ
る。該着色クリヤー塗膜は常温もしくは加熱によって硬
化できる。
実施例 ALC板に凹凸模様形成用塗料(エポキシ樹脂/ポリア
ミド系2液型塗料、粘度400ポイズ)を吹付タイルガン
で均一に塗布した。塗布量は0.75Kg/m2で、塗面はなめ
らかなゆず肌状であった。室温で数分放置後、湿潤状態
の該塗面に、表面が平滑なポリプロピレン製ローラをあ
てがい、塗面に接触させながら転動することによって、
凸部の先端が尖った凹凸模様が形成される。凹部と凸部
との高低差は1〜10mmであった。
次いで、該凹凸模様塗膜が硬化する前に、水湿潤した
表面が平滑なポリプロピレン製ローラーを用いて、凸部
の頂上を押圧して頂部を平坦化する。その結果、頂部が
平坦化した凹凸模様の塗膜になる。その室温で16時間放
置して塗膜を硬化させた。
そして、この頂部が平坦化した凹凸部に、隠ぺい性良
好な黄色塗料(アクリルポリオール樹脂系塗料、隠ぺい
率95%以上、粘度25秒/IHS)をスプレーで塗装した。塗
布量は0.15Kg/m2であった。室温で16時間乾燥させた。
該着色塗料によって色彩的に凹凸面がすべて隠ぺいされ
た。
続いて、該着色(黄色)塗面に隠ぺい性の低い褐色透
明塗料(アクリルポリオール樹脂系、隠ぺい率20%、粘
度20秒/IHS)をスプレー塗装した。塗布量は0.10Kg/m2
であった。室温で16時間放置して、塗膜を硬化させた。
その結果、この凹部や平坦面に褐色透明塗料が比較的厚
く塗着してこれらの部分は該透明塗膜による色調(褐
色)が強くでているが、鋭く尖った部分や平坦部周縁の
角部などでは該透明塗料が厚く塗着することが困難なた
めに、前記着色(黄色)塗膜の色調が透視できる。
このようにして得た模様塗膜は、頂上が平坦化された
凹凸模様で、しかも上記のごとく色彩的変化も自由選択
できるので意匠性にすぐれた模様を布している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高粘度湿潤塗膜面に表面平滑なローラーを
    接触転動させて該塗面に凹凸模様を形成し、さらに硬化
    する前に該凸部の頂部をおさえて平坦にしてから、該塗
    膜全面に隠ぺい性90〜100%の着色塗料を塗装し、次い
    で隠ぺい性20%以下の着色クリヤー塗料を塗装して、平
    坦部や凹部は着色クリヤー塗料の色調が、凸部周縁部の
    角部や尖鋭部分は着色クリヤー塗膜を透して着色塗料の
    色調が視認できるようにしたことを特徴とする模様塗膜
    形成法。
JP64001071A 1989-01-06 1989-01-06 模様塗膜形成法 Expired - Lifetime JP2703018B2 (ja)

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