JP2886538B2 - 模様塗装仕上げ方法 - Google Patents

模様塗装仕上げ方法

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JP2886538B2 JP63285366A JP28536688A JP2886538B2 JP 2886538 B2 JP2886538 B2 JP 2886538B2 JP 63285366 A JP63285366 A JP 63285366A JP 28536688 A JP28536688 A JP 28536688A JP 2886538 B2 JP2886538 B2 JP 2886538B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は塗膜の肉持感、光沢ならびに耐候性などがす
ぐれ、しかも物理的性能が良好な塗膜を形成する新規な
模様塗装仕上げ方法に関する。
従来、着色乾燥塗面に色調が異なる他の着色塗料をま
ばらに吹付けて模様仕上することはすでに公知である
が、該他の着色塗料による点状塗膜の部分が突起してお
り、仕上がり外観が十分でなく、この突起部分にゴミや
ホコリなどが付着しやすいなどの欠点を有している。
塗膜伸び率が300%以上の着色弾性塗料(A)を塗装
し、湿潤状態にある該塗面に、該塗料(A)と異なる色
調の塗膜伸び率が300%以上の着色弾性塗料(B)を粗
粒状にしてまばらに吹付塗装し、塗料(A)の塗面に粗
粒状の塗料(B)が点在し、しかも塗料(A)の塗膜中
に塗料(B)の粒状体の一部を埋没させ、該両塗料の塗
面がほぼ同一にならしめることを特徴とする模様塗装仕
上げ方法に関する。
本発明の方法は、特にコンクリートなどの建造物に適
用した場合、該建造物にひび割れが発生しても塗膜がひ
び割れすることがないので建造物の保護機能が向上し、
さらに塗膜の肉持感、光沢ならびに耐候性なども良好で
あるので有利である。また、形成された塗膜の模様は、
塗料(A)の塗膜面に粗粒状の塗料(B)が点在し、し
かも該塗料(B)が塗料(A)の塗膜内に沈み込み、該
両塗料の塗面がほぼ同一高さになっているため、これま
でにない新規で、かつユニークな模様を有する塗膜が得
られる。塗料(A)と塗料(B)との色調を任意に変え
ることができ、バラエティーに富んだ任意の仕上がり模
様が得られる。仕上がり塗面がなめらかで突起していな
いのでゴミやホコリなどんによる汚れが少ない。
本発明で用いる着色塗料(A)ならびに(B)は、い
ずれも、伸び率の高い塗膜つまり、弾性塗膜を形成する
水性エマルジョン塗料であり、被塗面にひび割れが発生
しても塗膜がそれに追随するので、該塗膜にひび割れの
発生が認められず、さらに光沢、肉持感及び耐候性など
もすぐれている。
本発明において、該両弾性塗料に関し、塗膜伸び率が
300%以上、特に500〜1000%、塗膜引張強度が8kg/cm2
以上、特に10〜30kg/cm2(いずれもオートグラフ引張試
験機JIS−K−6301 ダンベル3号形、膜厚1mm、20℃)
の水性エマルジョン塗料であることがそれぞれ好まし
い。
具体的には、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、
アクリルゴム樹脂などを主成分とする水性エマルジョン
塗料があげられる。これらの上記特性値の調整は、各々
の樹脂を構成する成分や重合方法を適宜選択したり、軟
質化成分を配合することによって容易に行なわれる。
本発明の方法は、上記弾性塗料(A)を被塗物を目的
とする部分に塗装し(工程)、次いで該塗面に上記弾
性塗料(B)を粗粒状に塗装する(工程)ことからな
っている。
工程: 被塗物は特に制限されず、例えば、コンクリート、モ
ルタル、PC板、ALC板、コンクリートブロック、スレー
ト、鉄部、木部など(以下、「コンクリートなど」と略
称する)があげられ、これらはそれぞれ適宜素地調整や
プライマー塗装などを行なっておくことが好ましい。
弾性塗料(A)は、任意の色調に着色されており、粘
度は200〜300ポイズに調整し、リシンガンなどで塗装す
ることが好ましいが、これらに限定されず、塗装膜厚は
塗布量に基いて0.5〜1.5kg/m2、特に0.7〜1.0kg/m2が適
している。塗装は被塗面の全面に行ない、その塗面は平
滑もしくはなめらかなゆず肌面のいずれが好ましい。
工程: 弾性塗料(A)のウェット塗面に弾性塗料(B)を粗
粒状にしてまばらに吹付塗装する工程である。
本工程では、塗料(B)を塗装するにあたって、塗料
(A)の塗面はウェット状態であることが必要である。
該ウェット塗膜に粗粒状の塗料(B)が沈み込み、塗料
(B)の上面(塗面)が露出し、視認することができ、
塗料(A)の塗面で、塗料(B)が点在し、しかも該塗
面の高さがほぼ同一であることが好ましく、塗料(B)
による塗膜が著しく突出しているものは適当でない。し
たがって、塗料(B)を塗装するにあたって、塗料
(A)の塗面は指触乾燥以前の状態で、流動性を有して
いることが必要で、該塗料(A)を塗装してから20分以
内、好ましくは10分以内、特に好ましくは5分以内(い
ずれも20℃を基準)に塗料(B)を塗装することが適し
ている。
次に、塗料(A)のウェット塗面に塗装する塗料
(B)の組成及び粘度は上記塗料(A)のそれと同一範
囲内であることが好ましく、吹付リシンガンや吹付タイ
ルガンなどの吹付塗装機を用いて粗粒状にしてまばらに
塗装することが好ましい。粗粒状の大きさは特に制限を
受けないが、ウェット塗面に塗着した状態で直径1〜10
mmの範囲が適している。したがって、塗料(B)の塗布
量は0.5〜0.8kg/cm2しかも、塗料(B)の色調は、塗料
(A)の色調や目的などによって任意に選ぶことがで
き、原則的に塗料(A)のそれと異なっている。
両塗膜の乾燥は一般に室温で行なうが、100℃以下の
温度に加熱してもさしつかえない。
本発明の方法では、塗料(B)を塗装し、乾燥後、そ
の塗面にさらに透明塗膜を形成するクリヤー塗料を塗り
重ねると光沢、美粧性などが向上するので好ましい。こ
のようなクリヤー塗料として、アクリル樹脂、アクリル
・ウレタン樹脂、フッ素樹脂又はシリコン・アクリル樹
脂などを主成分とする透明塗膜(着色されていてもさし
つかえない)を形成する塗料が用いられる。
本発明で用いる弾性塗料はいずれも、伸長性と防水性
などがすぐれているので、コンクリートなどの建造物に
ひび割れが発生してもそれが弾性塗膜に及ぼすことがな
いためひび割れ部への雨水などの侵入が防止され、建造
物の耐久性を向上させることができた。さらに、耐汚染
性もすぐれているので、長期間にわたってコンクリート
などの表面を汚れやほこりなどにより汚染を防止でき
る。また、光沢、肉持感および耐候性も向上できた。
次に、本発明に関する実施例および比較例について説
明する。
実施例1 通常の下地処理を行なったモルタルコンクリート板2
枚をすき間が生じないように密接させた状態で白色弾性
塗料(A)(*1)をリシンガンで全面に塗装した。塗
布量は、0.9kg/m2で、塗面はなめらかなユズ肌状であっ
た。塗装後5分以内で、かつ指触乾燥が全くなされてな
い塗料(A)の塗面に、うす褐色の弾性塗料(B)(*
2)を吹付タイルガンを用いて粗粒子状に塗装した。塗
布量は0.5kg/m2であった。室温で24時間放置して両塗膜
を乾燥させた。
さらに、該塗面に、アクリルポリオール/イソシアネ
ート系2液型クリヤー塗料を効果塗膜に基いて150μに
なるように塗装し、室温で硬化せしめた。
このようにして得た塗板には、白地の塗面にうす褐色
の斑点模様の塗膜が形成されており、白色部分とうす褐
色部分とはほぼ同一平面で、うす褐色部分の突起は殆ど
認められなかった。
これらの塗膜性能試験を行ない、結果は次のとおりで
あった。
2枚のコンクリート板を反対方向に徐々に引っぱり
3mm以上のすき間が生じても塗膜にワレ、ハガレなどの
発生は認められなかった。
意匠性、光沢、肉持感及び平滑性などは目視判定で
良好。
耐水性(20℃,14日)、付着性(ゴバン目テープテ
スト)、耐候性(ウェザオメータ1500時間)などはすべ
て良好であった。
サーモサイクル性(水中16時間/20℃→20℃4時間
→5℃4時間:20サイクル)および耐アルカリ性(25℃
カセイソーダ水溶液(5重量%)14日間浸せき)も良好
であった。
(*1)白色弾性塗料:アクリル樹脂系エマルジョン塗
料(塗料粘度250ポイズ/20℃、塗膜伸び率700%、引張
速度15kg/cm2)を用いた。
(*2)うす褐色弾性塗料:アクリル樹脂系エマルジョ
ン塗料(塗料粘度400ポイズ/20℃、塗膜伸び率及び引張
強度は上記と同じ)を用いた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗膜伸び率が300%以上の着色弾性塗料
    (A)を塗装し、湿潤状態にある該塗面に、該塗料
    (A)と異なる色調の塗膜伸び率が300%以上の着色弾
    性塗料(B)を粗粒状にしてまばらに吹付塗装し、塗料
    (A)の塗面に粗粒状の塗料(B)が点在し、しかも塗
    料(A)の塗膜中に塗料(B)の粒状体の一部を埋没さ
    せ、該両塗料の塗面がほぼ同一にならしめることを特徴
    とする模様塗装仕上げ方法。
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