JPH05169011A - 表面防汚処理構造体および表面防汚処理法 - Google Patents

表面防汚処理構造体および表面防汚処理法

Info

Publication number
JPH05169011A
JPH05169011A JP33485291A JP33485291A JPH05169011A JP H05169011 A JPH05169011 A JP H05169011A JP 33485291 A JP33485291 A JP 33485291A JP 33485291 A JP33485291 A JP 33485291A JP H05169011 A JPH05169011 A JP H05169011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
reactive functional
functional group
water
antifouling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33485291A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Fukuda
浩一 福田
Akio Harada
昭夫 原田
Naoki Yamamori
直樹 山盛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP33485291A priority Critical patent/JPH05169011A/ja
Publication of JPH05169011A publication Critical patent/JPH05169011A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表面上に表面処理層および上塗り層が順次形
成された表面防汚処理構造体であって、上記表面処理層
が反応性官能基を有する有機ポリマーを主成分とする前
処理組成物からなり、上記上塗り層が上記反応性官能基
と反応し得る反応性官能基を有する撥水性防汚剤を主成
分とする防汚組成物からなり、そして、上記表面処理層
に含有される反応性官能基と上記上塗り層に含有される
反応性官能基との反応により、表面処理層と上塗り層と
の間に化学結合が形成されている表面防汚処理構造体。 【効果】環境汚染を生じさせず、充分な防汚性が付与さ
れた表面防汚処理構造体、および充分な防汚性を構造体
表面に付与可能な表面防汚処理法が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面防汚処理構造体に
関し、特に、構造体表面に撥水性が付与された表面防汚
処理構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】水棲生物の付着が想定される船舶、ブ
イ、臨海工業プラント、火力もしくは原子力発電所の冷
却水取水路、海底油田掘削リグ、港湾施設、養殖用漁
網、定着漁網および海洋土木工事用海水汚濁防止帯のよ
うな構造体の海洋生物による汚損を防ぐ防汚処理法にお
いて防汚塗料が多用されている。このような防汚塗料中
には、その効果を高めるために種々の防汚剤が添加され
ている。例えば、有機スズ化合物は、防汚塗料に優れた
防汚効果を付与するので、防汚剤として世界中で広く用
いられてきた。
【0003】しかしながら、近年では、有機スズ化合物
による環境汚染が問題となり、その使用は各国で規制の
対象となりはじめている。また、汎用防汚剤として広く
用いられてきた亜酸化銅も、将来的な重金属使用規制が
予想されるので、その継続使用は望ましくない。
【0004】そこで、有機スズ化合物または重金属化合
物のような有害物質を使用しないために環境汚染を生じ
させない防汚処理法の開発が望まれている。
【0005】このような防汚処理法としては、構造体の
表面の表面エネルギーを低下させ、撥水性を高めること
により塗膜表面に防汚効果を付与する方法が挙げられ
る。例えば、シリコーン樹脂、特に、オリゴマー状常温
硬化型シリコーンゴムもしくはシリコーン/(メタ)アク
リル樹脂、またはこれらの樹脂にパラフィン、シリコー
ンオイルのような撥水性防汚剤を添加した防汚塗料を構
造体表面に塗布する方法が示唆されている。
【0006】しかしながら、塗料バインダーに撥水性防
汚剤を添加して塗布するこのような防汚方法では、撥水
性防汚剤の添加量が多い場合は防汚塗料の皮膜形成能力
の劣化および構造体表面からの塗膜の剥離が生じる。し
たがって、防汚塗料の防汚剤含有量を上げることが困難
となり、構造体表面には充分な防汚性が付与されない。
【0007】また、一般に、塗料は固形化する際に塗膜
表面に皮膜を形成する。その場合に、塗料中に含有され
る防汚成分は皮膜形成成分(ビルダー)に阻まれて塗膜表
面に浸出し難い。したがって、塗膜表面には充分な撥水
性が付与されず、構造体表面には充分な防汚性が付与さ
れない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、環
境汚染を生じさせず、充分な防汚性が付与された表面防
汚処理構造体を提供すること、および充分な防汚性を構
造体表面に付与可能な表面防汚処理法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面上に表面
処理層および上塗り層が順次形成された表面防汚処理構
造体であって、上記表面処理層が反応性官能基を有する
有機ポリマーを主成分とする前処理組成物からなり、上
記上塗り層が上記反応性官能基と反応し得る反応性官能
基を有する撥水性防汚剤を主成分とする防汚組成物から
なり、そして、表面処理層に含有される反応性官能基と
上塗り層に含有される反応性官能基との反応により、表
面処理層と上塗り層との間に化学結合が形成されている
表面防汚処理構造体を提供するものであり、そのことに
より上記目的が達成される。
【0010】本明細書において「反応性官能基を有する
有機ポリマーを主成分とする前処理組成物」という用語
は、このような前処理組成物が、反応性官能基を有する
有機ポリマーの他にも、必要に応じて、溶媒、バインダ
ーおよび粘度調節剤のような添加剤を含有し得ることを
意味する。同様に、「反応性官能基を有する撥水性防汚
剤を主成分とする防汚組成物」という用語は、このよう
な防汚組成物が、反応性官能基を有する撥水性防汚剤の
他にも、必要に応じて、溶媒、反応性官能基を有さない
従来型撥水性防汚剤、バインダーおよび粘度調節剤のよ
うな添加剤を含有し得ることを意味する。
【0011】また、「反応性官能基」とは、相互に反応性
を有する少なくとも1種の官能基を指していう。したが
って、表面処理層に含有される反応性官能基および上塗
り層に含有される反応性官能基は、相互反応することに
より化学結合を形成し得る官能基であれば同種でも異種
でもよい。反応性官能基の具体例としては、例えば、ビ
ニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メ
タ)アクリルアミド基、アルケニル基、シクロアルケニ
ル基、アセチレン基、メルカプト基、カルボキシル基ま
たはそのエステル基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、
イソシアネート基、スルホン酸基、燐酸基、活性エステ
ル基、アルデヒド基、酸無水物基、ケトン基、環状オル
ガノシロキサン基、ペルオキシエステル基、アルコキシ
シリル基、ヒドロキシシリル基、ヒドロシリル基および
オキサゾリン基が挙げられる。
【0012】表面処理層と上塗り層との間に化学結合を
形成するこのような反応性官能基の相互反応としては、
例えば、(メタ)アクリロイル基、スチリル基およびビニ
ルピリジル基からなる群から選択される反応性官能基間
に生じるフリーラジカル発生剤の併用によるラジカル反
応;アリル基およびアルケニル基のような不飽和結合性
基からなる群から選択される反応性官能基間に生じる空
気酸化もしくは酸化剤併用による不飽和結合性基の酸化
反応;(メタ)アクリロイル基、エポキシ基およびスチリ
ル基からなる群から選択される反応性官能基間に生じる
光増感触媒を併用した紫外線または可視光照射による光
反応;エポキシ基、環状オルガノシロキサン基およびオ
キサゾリン基からなる群から選択される反応性官能基間
に生じる開環触媒の併用による開環反応;(メタ)アクリ
ロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基および
アルケニル基のような不飽和結合性官能基間に生じるガ
ンマ線照射等による放射線反応;アミノ基、メルカプト
基および水酸基からなる群から選択される反応性官能基
とアクリロイル基およびアクリルアミド基からなる群か
ら選択される反応性官能基との間に生じるマイケル反
応;アリル基、アルケニル基およびシクロアルケニル基
のような不飽和結合性官能基とヒドロシリル基との間に
生じるハイドロシリレーション反応;活性水素基とイソ
シアネート基との間に生じる付加反応;1級アミノ基と
アルデヒド基およびケトン基との間に生じる脱水縮合反
応;カルボキシル基またはエステル基と水酸基との間に
生じる脱水(アルコール)縮合反応;および、Nコハク酸
イミドエステル基およびアルコキサリル基のような活性
エステル基とアミノ基および水酸基のような活性水素基
との間に生じるエステル交換のような置換反応等から選
ばれる単独もしくは2種以上の反応の組み合わせが挙げ
られる。
【0013】本発明の表面防汚処理構造体は、その表面
上に表面処理層が形成されている。この表面処理層は、
反応性官能基を有する有機ポリマーを主成分とする前処
理組成物から形成される。前処理組成物に用い得る反応
性官能基を有する有機ポリマーの例には、上述の反応性
官能基が導入されたビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリシラン樹脂、エポ
キシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリルアミド
樹脂、ポリアルケニレン樹脂、ポリアルキニレン樹脂、
ポリアミノ酸樹脂、ポリオキシアルキレン樹脂、メラミ
ン樹脂、アルキッド樹脂、多糖類樹脂、蛋白質樹脂、シ
ランカップリング剤およびチタンカップリング剤および
これらの組み合せが挙げられる。
【0014】このような樹脂に種々の反応性基を導入す
る技術は公知である。例えば、アクリル樹脂にカルボキ
シル基、水酸基、エポキシ基、活性エステル基、アルケ
ニル基、シクロアルケニル基、アルデヒド基、ケトン
基、アミノ基、イソシアン酸エステル基、酸無水物基、
アルコキシシリル基、スルホン酸基、燐酸基およびオキ
サゾリン基を導入する方法は、塗料用合成樹脂入門(北
岡協三著、高分子刊行会(1974))に記載の(メタ)アクリ
ル酸エステル系モノマーのラジカル重合法により行われ
る。シリコーン樹脂にビニル基およびヒドロシリル基を
導入する方法は、シリコーンハンドブック(伊藤邦雄
編、日刊工業新聞社刊(1990))記載の環状シロキサンモ
ノマーの開環重合法により行われる。シリコーン樹脂に
エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、(メタ)アクリロ
イル基を導入する方法は、シリコーンハンドブック(伊
藤邦雄編、日刊工業新聞社刊(1990))記載のヒドロシリ
ル基含有シリコーン樹脂に該官能基を有するビニルモノ
マーを金属触媒存在下で付加反応させる方法により行わ
れる。また、シリコーン樹脂にアルコキシシリル基、ヒ
ドロシリル基、アミノ基、エポキシ基、アセチレン基、
(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、水酸
基、スルホン酸基およびメルカプト基を導入する方法
は、シリコーンハンドブック(伊藤邦雄編、日刊工業新
聞社刊(1990))記載のオルガノシラン化合物の重縮合法
によっても行われる。
【0015】このような有機ポリマーの分子量は1,000
〜1,000,000、好ましくは1,000〜100,000である。有機
ポリマーに導入される反応性官能基の濃度は、導入され
る反応性官能基の種類に依存して変化するけれども、一
般に、0.1mmol/g〜20.00mmol/g、好ましくは0.2mmol/g
〜5.00mmol/gである。
【0016】このようにして得られる反応性官能基を有
する有機ポリマーに、必要に応じて、反応性官能基を活
性化させる触媒、溶媒および顔料のような添加物を配合
することにより前処理組成物が調製される。例えば、液
状の前処理組成物が好ましい場合は有機もしくは無機溶
媒を配合することにより有機ポリマー溶液もしくは分散
体が形成される。ペースト状の前処理組成物が好ましい
場合は粘度調節剤を配合することにより所望の粘度に調
節される。
【0017】構造体表面に表面処理層を形成する方法は
特に限定されない。例えば、前処理組成物をはけ塗り、
スプレー、ディッピング、流し塗りのような塗布法を用
いて塗布し、その後、乾燥させることにより構造体表面
に表面処理層が形成される。
【0018】構造体表面上に形成される表面処理層の厚
さは1〜100ミクロンの範囲が好ましく、10〜50ミクロ
ンの範囲が特に好ましい。表面処理層厚が1ミクロンを
下回ると反応性官能基密度が低下するので防汚剤の反応
性官能基との反応率が低下すると共に構造体保護能力も
低下し、100ミクロンを上回ると性能上問題は少ないが
処理コストが上昇する等経済/技術的な面で制約を受け
る。
【0019】本発明の表面防汚処理構造体は、上述のよ
うに形成された表面処理層上に上塗り層が形成されてい
る。この上塗り層は、反応性官能基を有する撥水性防汚
剤を主成分とする防汚組成物から形成される。
【0020】本発明の防汚組成物に用い得る反応性官能
基を有する撥水性防汚剤の一例は、100,000以下、好ま
しくは500〜50,000の分子量、25℃における20,000cp以
下、好ましくは5,000cp以下の粘度、および0.02mmol/g
以上、好ましくは0.1mmol/g〜20.00mmol/gの単位重量当
たりの反応性官能基濃度を有する有機シリコーン誘導体
化合物である。これらは充分な撥水性を有する必要があ
るので、シリコーン原子に結合する少なくとも2個のア
ルキル基を有することが好ましい。好ましい反応性官能
基を有する撥水性防汚剤としては、例えば、以下の式
(1)〜(4)で示される構造のポリオルガノシロキサン誘
導体のような有機シリコーン誘導体化合物が挙げられ
る。
【0021】
【化1】
【0022】[式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、
炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のフッ化炭化
水素基、フェニル基、フェノキシル基、置換フェニル
基、置換フェノキシル基、炭素数1〜18のアルコキシル
基、ヒドロキシル基、水素原子またはポリオルガノシロ
キサン基からなる群からそれぞれ独立して選択される基
であり、R7は炭素数0〜18のアルキレン基またはフッ化
アルキレン基であり、X1、X2およびX3は上述の反応性官
能基からそれぞれ独立して選択される基であり、そし
て、mは0以上の整数、nは1以上の整数であり、かつm+
n=1〜300を満足する]
【0023】さらに好ましくは、上記R1〜R6がメチル基
およびフェニル基からなる群から選択され、上記X1〜X3
が(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、ヒドロシリル基およびヒドロキシ
シリル基からなる群から選択される有機シリコーン誘導
体化合物が挙げられる。このような有機シリコーン化合
物誘導体の例には、チッソ(株)社から入手可能なサイラ
プレーンFM0711、同FM0721、同FM0725、同FM0521、同FM
0421、同FM1121、同FM2241、同FP2241、同FM3321、同FM
4421および同FM5511;信越化学工業(株)社から入手可能
な変性シリコーンオイルX-22-161A、KF-860、KF-880、K
F-865、X-22-163A、KF-101、X-22-169AS、KF-103、X-22
-162A、X-22-3701E、KF-6001、X-22-164B、X-22-5002、
X-22-167B、X-22-980、X-22-165B、X-22-176B、KF-85
7、X-22-3667、X-22-3939AおよびKF-910;および東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)社から入手可能なPRX4
13、SH1107、SF8413、BX16-861、BX16-854、BY16-855、
BY-16-845、BX16-866、BX16-838A、BX16-835、SF8422お
よびBY16-005等およびこれらの組み合せが挙げられる。
【0024】本発明の防汚組成物に用い得る反応性官能
基を有する撥水性防汚剤の他の例は、0.1mmol/g〜10.00
mmol/g、好ましくは0.5mmol/g〜5.00mmol/gの単位重量
当たりの反応性官能基濃度を有するフッ素化合物誘導体
である。例えば、以下の式(5)〜(8)で示される構造の
フッ素化合物誘導体が挙げられる。
【0025】 CHjF(3-j)-(CF2)m-(CH2)n-X (5) CHjF(3-j)-(CHF)m-(CH2)n-X (6) CHjF(3-j)-(CF2)m-SO2-NR8-(CH2)n-X (7) CHjF(3-j)-(CHF)m-SO2-NR8-(CH2)n-X (8)
【0026】[式中、Xは上述の反応性官能基から選択
される基であり、jは0〜3の整数であり、mは0〜12の
整数であり、nは1〜3の整数であり、そして、R8は炭
素数1〜6の炭化水素基である]
【0027】具体的なフッ素誘導体化合物の例には、上
記Xとして(メタ)アクリロイルオキシ基、メタアクリル
アミド基およびエポキシ基からなる群から選択される基
を有する CF3CH2CHOCOCH=CH2、 CF3CH2CHOCOC(CH3)=CH2、 CF3(CF2)6CH2CHOCOC(CH3)=CH2、 CF3CH2CH2OCH2CHOCH2、 F(CF2)6CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、および H(CF2)6CH2OCOC(CH3)=CH2等 (これらのフッ素化合物誘導体の大半は、日本国内にお
いては、出光石油工業社、ダイキン化学工業社および昭
和電工社のようなフッ素化合物メーカーから入手可能で
ある)および他のポリフルオロアルキル基を有する(メ
タ)アクリレート、並びにフッ化ビニリデン、テトラフ
ルオロエチレン等およびこれらの組み合せが挙げられ
る。
【0028】このような撥水性防汚剤に、必要に応じ
て、反応性官能基を活性化させる触媒、溶媒および粘度
調節剤のような添加物を配合することにより防汚組成物
が調製される。例えば、液状の防汚組成物が好ましい場
合は有機もしくは無機溶媒を配合することにより撥水性
防汚剤溶液もしくは分散体が形成される。ペースト状の
防汚組成物が好ましい場合は粘度調節剤を配合すること
により所望の粘度に調節される。形成される上塗り層の
耐久性を増大させるために、(メタ)アクリル酸エステル
およびスチレンのような反応性モノマーを防汚効果を損
なわない量で含有させることも可能である。更に補助効
果を期待してオイルおよびワックス等の反応性官能基を
有しない従来型撥水性防汚剤を添加することも可能であ
る。
【0029】表面処理層上に上塗り層を形成する方法は
特に限定されない。例えば、防汚組成物をはけ塗り、ス
プレー、ディッピング、流し塗りのような塗布法を用い
て塗布し、その後、乾燥させることにより表面処理層上
に上塗り層が形成される。
【0030】上塗り層の厚さは1〜100ミクロンの範囲
が好ましく、5〜50ミクロンの範囲が特に好ましい。特
に有機シリコーン系撥水性防汚剤のような低Tg防汚剤
を使用する場合上塗り層厚が1ミクロンを下回ると耐水
性が低かするので短寿命となり、100ミクロンを上回る
と性能上は問題が少ないが処理コストが上昇するなどし
て経済および技術的な面で制約を与える。
【0031】このようにして表面処理層上に上塗り層が
形成されると、表面処理層に含有される反応性官能基と
上塗り層に含有される反応性官能基とが接することによ
り反応が生じ、表面処理層と上塗り層との間に化学結合
が形成される。表面層上に上塗り層を設けた後に、また
は設ける工程中に、電磁波もしくは熱エネルギーを印加
することにより上記反応性官能基間の反応を生じさせて
もよい。このような操作により、反応性官能基間の反応
を促進させ、表面処理層と上塗り層との間に形成される
化学結合の数を増大させることも考えられる。
【0032】その結果、例えば、有機シリコーンのよう
なガラス転移温度が著しく低い撥水性防汚剤の持続保持
性が向上される。また、構造体表面との付着安定性に劣
るフッ素化合物誘導体のような撥水性防汚材の付着安定
性が飛躍的に改善される。
【0033】構造体を構成する材質としては、金属、コ
ンクリート、ガラス、スレート、セラミックス、プラス
チック、テキスタイルなど任意の素材が選択できる。金
属のような腐食性表面には従来より使用されている防食
塗装を施した後、本発明による撥水性防汚処理を行なう
ことも可能である。又、従来の防汚塗料やシート状の防
汚材表面の防汚力を高める目的で本発明による撥水性防
汚処理を行なうことも可能である。
【0034】構造体表面上に表面処理層を設ける際に、
必要に応じて、金属化合物や生物活性有機化合物のよう
な従来型防汚剤を配合して塗装効果を補うことも可能で
ある。
【0035】
【実施例】以下、実施例にて本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0036】
【合成例1〜6】これらの合成例では、構造体表面前処
理用有機ポリマーの合成を説明する。
【0037】
【合成例1】 メタクロイル基官能性有機ポリマー1の合成 γ-メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KB
M503:信越化学工業社製)50重量部(以下部と称す)およ
びγ-メタクロイルオキシプロピルジメトキシメチルシ
ラン(KBM502:信越化学工業社製)50部をイソプロピルア
ルコール(以下IPAと称する)700部に溶解させ、更に1%
パラトルエンスルホン酸水溶液3部を添加し、室温条件
下で1時間以上熟成させることにより、粘度12cp(測定
温度25℃、以下同温度における測定値を粘度として示
す)かつメタクロイル基の官能基濃度4.17mmol/g(固形分
換算、以下官能基濃度は固形分換算として示す)である
有機ポリマー1を得た。反応成分の割合を以下の表に示
す。
【0038】反応成分 配合量(重量部) KBM-503 50 KBM-502 50 p-トルエンスルホン酸1% 水溶液 3 IPA 700
【0039】
【合成例2】 ビニル基官能性有機ポリマー2の合成 γ−アミノプロピルトリエトキシラン(KBE903:信越化
学工業社製)55.4部、ジメトキシジメチルシラン13.9部
(KBM22:信越化学工業社製)および無水マレイン酸24.7
部を撹拌条件下200mlフラスコ中で反応させ、更にイソ
プロピルアルコール(以下IPAという)376部および蒸留水
5部を添加し、室温条件下で1時間以上熟成させること
により、粘度21cpかつビニル基の官能基濃度2.26mmol/g
である有機ポリマー2を得た。反応成分の割合を以下の
表に示す。
【0040】反応成分 配合量(重量部) KBE-903 55.4 KBM-22 13.9 無水マレイン酸 24.7 IPA 376 蒸留水 5
【0041】
【合成例3】 アリル基官能性有機ポリマー3の合成 撹拌装置、等圧滴下ロート、温度計を備えた1リッター
の4つ口フラスコ中にターペン450部を投入し、窒素送
気条件下で撹拌しながら加熱した。温度90℃になった時
点で加熱を止め、メチルメタクリレート(以下MMAとい
う)135.5部、イソブチルメタクリレート(以下IBMAとい
う)112.5部、M-230G(ポリエチレンオキシドのモノメタ
クリレート、新中村化学社製)45.0部、アリルメタクリ
レート(以下AMAという)135部およびV-59(アゾ系重合開
始触媒、和光純薬社製)5.4部の混合溶液を3時間かけて
滴下した。発熱反応するので注意しながら液温90℃に保
ち、滴下終了後90℃で4時間継続撹拌することにより、
粘度119cpかつアリル基の官能基濃度2.38mmol/gである
有機ポリマー3を得た。反応成分の割合を以下の表に示
す。
【0042】反応成分 配合量(重量部) MMA 135.5 IBMA 112.5 AMA 135.0 M-230G 45.0 V-59 5.4 ターペン 450
【0043】
【合成例4】 エポキシ基官能性有機ポリマー4 撹拌装置、等圧滴下ロート、温度計を備えた1リッター
の4つ口フラスコ中にキシレン225部およびブタノール2
25部を投入し、窒素送気条件下で撹拌しながら加熱し
た。温度100℃になった時点で加熱を止め、MMA180部、I
BMA135部、グリシジルメタクリレート(以下GMAという)1
35部およびt-ブチルパーオクトエート(カヤエステルO、
化薬アクゾ社製)5.4部の混合溶液を3時間かけて滴下し
た。発熱反応するので注意しながら液温100℃に保ち、
滴下終了後100℃で4時間継続撹拌することにより、粘
度54cpかつエポキシ基の官能基濃度2.11mmol/gである有
機ポリマーを得た。反応成分の割合を以下の表に示す。
【0044】反応成分 配合量(重量部) キシレン 225 ブタノール 225 MMA 180 IBMA 135 GMA 135 カヤエステルO 5.4
【0045】
【合成例5】 アミノ基官能性有機ポリマー5 (2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシラン
(KBM603:信越化学工業社製)44.5部、ジフェニルジメト
キシシラン15.5部(KBM202:信越化学工業社製)、イソプ
ロピルアルコール140部および蒸留水3部を300mlフラス
コに投入し、室温条件下で1時間以上継続撹拌させるこ
とにより、粘度16cpかつアミノ基の官能基濃度3.34mmol
/gである有機ポリマー5を得た。反応成分の割合を以下
の表に示す。
【0046】反応成分 配合量(重量部) KBM-603 44.5 KBM-202 15.5 IPA 140 蒸留水 3
【0047】
【合成例6】 水酸基官能性有機ポリマー6 撹拌装置、等圧滴下ロート、温度計を備えた1リッター
の4つ口フラスコ中にキシレン270部およびブタノール1
80部を投入し、窒素送気条件下で撹拌しながら加熱し
た。温度110℃になった時点で加熱を止め、MMA202.5
部、IBMA112.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート(以
下HEMAという)135部およびカヤエステルO5.4部の混合溶
液を3時間かけて滴下した。発熱反応するので注意しな
がら液温110℃に保ち、滴下終了後110℃で4時間継続撹
拌することにより、粘度78cpかつ水酸基の官能基濃度2.
31mmol/gである有機ポリマー6を得た。反応成分の割合
を以下の表に示す。
【0048】反応成分 配合量(重量部) キシレン 270ブタノール 180 MMA 202.5 IBMA 112.5 HEMA 134 カヤエステルO 5.4
【0049】
【比較例1〜8】これらの比較例では、構造体表面への
前処理用官能性有機ポリマーの塗布例を説明する。
【0050】
【比較例1】市販のスリガラス表面に合成例1で得られ
た有機ポリマー1を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲に
なる量で塗布し、更に乾燥させることにより前処理ガラ
ス1を得た。
【0051】
【比較例2】市販のスリガラス表面に合成例2で得られ
た有機ポリマー2を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲に
なる量で塗布し乾燥させることにより前処理ガラス2を
得た。
【0052】
【比較例3】市販のアクリル板表面に合成例3で得られ
た有機ポリマー3を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲に
なる量で塗布/乾燥させることにより前処理アクリル板
1を得た。
【0053】
【比較例4】市販のアクリル板表面に合成例4で得られ
た有機ポリマー4を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲に
なる量で塗布/乾燥させることにより前処理アクリル板
2を得た。
【0054】
【比較例5】市販のスリガラス表面に合成例5で得られ
た有機ポリマー5を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲に
なる量で塗布し乾燥させることにより前処理ガラス3を
得た。
【0055】
【比較例6】市販のアクリル板表面に合成例6で得られ
た有機ポリマー6を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲に
なる量で塗布/乾燥させることにより前処理アクリル板
3を得た。
【0056】
【比較例7】市販のアクリル板表面に多数の(メタ)アク
リロイル基を樹脂中に有する(メタ)アクリル酸エステル
系高分子架橋剤(製品名MAKROS AC-1005;共栄社油脂化
学工業(株)社製)を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲に
なる量で塗布/乾燥させることにより前処理アクリル板
4を得た。
【0057】
【比較例8】市販のアクリル板表面の市販の無水マレイ
ン酸/スチレン交互共重合体(SMATMResin;藤井義通商
(株)社製)を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲になる
量で塗布/乾燥させることにより前処理アクリル板5を
得た。
【0058】
【調製例1〜8】これらの調製例では反応性官能基を有
する撥水性防汚剤の調製を説明する。
【0059】
【調製例1】片末端メタクリロイル変性シリコーンマク
ロマー(FM-0711:チッソ社製)50部、ネオペンチルグリ
コールジメタクリレート5部および2-ベンゾイル2-ヒド
ロキシプロパン(ダロキュアー1173:デュポン社製)1部
からなる撥水性防汚剤1を調製した。撥水性防汚剤1の
粘度は10cp、反応性官能基濃度は1.2mmol/gであった。
成分の配合割合を以下の表に示す。
【0060】反応成分 配合量(重量部) FM-0711 50 ネオペンチルグリコール ジメタクリレート 5 ダロキュアー1173 1
【0061】
【調製例2】FM-0711の45部、両末端メタクリロイル変
性シリコーンオイル(X-22-164C:信越化学工業社製)5
部およびアゾ系触媒(V-59:和光純薬社製)0.5部からな
る撥水性防汚剤2を調製した。撥水性防汚剤2の粘度は
18cp、反応性官能基濃度は0.9mmol/gであった。成分の
配合割合を以下の表に示す。
【0062】反応成分 配合量(重量部) FM-0711 45 X-22-164C 5 V-59 0.5
【0063】
【調製例3】ヒドロシリル基を有するシリコーンオイル
(KF-99:信越化学工業社製)50部および5%白金酸イソ
プロピルアルコール溶液0.3部からなる撥水性防汚剤3
を調製した。撥水性防汚剤3の粘度は18cp、反応性官能
基濃度は16.67mmol/gであった。成分の配合割合を以下
の表に示す。
【0064】反応成分 配合量(重量部) KF-99 50 5%白金酸IPA溶液 0.3
【0065】
【調製例4】両末端アミノ変性シリコーンオイル(X−
22−161A:信越化学工業社製)12部、側鎖アミノ
変性シリコーンオイル(KF-861:信越化学工業社製)23
部、同時にアミノ基およびアルコキシシリル基を含む変
性シリコーンオイル(KF-857:信越化学工業社製)15部か
らなる撥水性防汚剤4を調製した。撥水性防汚剤4の粘
度は1,630cp、反応性官能基濃度は0.88mmol/gであっ
た。成分の配合割合を以下の表に示す。
【0066】反応成分 配合量(重量部) X-22-161A 12 KF-861 23 KF-857 15
【0067】
【調製例5】側鎖エポキシ変性シリコーンオイル(SF841
3:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)40部、片末
端エポキシ変性シリコーンオイル(FM-0511:チッソ社
製)10部、キシレン15部からなる撥水性防汚剤5を調製
した。撥水性防汚剤5の粘度は1,250cp、反応性官能基
濃度は0.47mmol/gであった。成分の配合割合を以下の表
に示す。
【0068】反応成分 配合量(重量部) SF8413 40 FM-0511 10 キシレン 15
【0069】
【調製例6】イソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソ
イアネート(以下硬化剤という)10部およびキシレン90部
からなるA液、および、両末端アルコール変性シリコー
ンオイル(KF-6002:信越化学工業社製)25部、片末端ア
ルコール変性シリコーンオイル(FM-0411:チッソ社製)4
5部、ジラウリン酸ジ-n-ブチルスズ(以下DBTLという)0.
4部およびキシレン30部からなるB液で構成される2液型
撥水性防汚剤6を調製した。撥水性防汚剤3B液の粘度
は7cp、反応性官能基濃度は0.86mmol/gであった。成分
の配合割合を以下の表に示す。
【0070】反応成分 配合量(重量部) 硬化剤 10 キシレン 90 KF-6002 25 FM-0411 45 DBTL 0.4 キシレン 30
【0071】
【調製例7】2-(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリ
レート(R-706:ダイキン化学工業社製)50部およびダロ
キュア-1173の1部からなる撥水性防汚剤7を調製し
た。撥水性防汚剤7の粘度は1cp以下、反応性官能基濃
度は2.31mmol/gであった。成分の配合割合を以下の表に
示す。
【0072】反応成分 配合量(重量部) R-706 50 ダロキュアー1173 1
【0073】
【調製例8】1H,1H,7H―ドデカフルオロヘプチルメタク
リレート(R-606:ダイキン化学工業社製)35部、ラウリ
ルメタクリルレート15部およびダロキュア-1173の1部
からなる撥水性防汚剤8を調製した。撥水性防汚剤8の
粘度は3cp、反応性官能基濃度は19.47mmol/gであっ
た。成分の配合割合を以下の表に示す。
【0074】反応成分 配合量(重量部) R-606 35 ラウリルメタクリレート 15 ダロキュアー1173 1
【0075】
【比較例9〜13】これらの比較例では、構造体表面へ
反応性官能基を有する撥水性防汚剤を直接塗布する例を
説明する。
【0076】
【比較例9】未前処理スリガラス板に調製例1の撥水性
防汚剤1を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲になる量で
塗布した後、1,200mJ/cm2の光照射を行ったところ高粘
稠のシリコーンオイル表面が得られた。未重合の撥水性
防汚剤1を除去するためアセトン洗浄を行ったところ水
接触角96度の処理表面が得られた。
【0077】
【比較例10】市販のアクリル板に調製例2の撥水性防
汚剤2を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲になる量で塗
布した後、80℃に保持したオーブン中で約1時間反応さ
せたところやや粘着感のある表面が得られた。比較例1
と同様な操作を行ったところ水接触角94.5度の処理表面
が得られた。
【0078】
【比較例11】市販の塩ビ板に調製例3の撥水性防汚剤
3を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲になる量で塗布し
た後、室温条件下で24時間保持したところ変化は認めら
れなかった。
【0079】
【比較例12】比較例1の前処理ガラス板1に撥水性防
汚剤1を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲になる量で塗
布した後、いかなる処理も行わなかった。
【0080】
【比較例13】比較例2の前処理ガラス板2に撥水性防
汚剤2を平均膜厚が10〜20ミクロンの範囲になる量で塗
布した後、いかなる処理も行わなかった。
【0081】
【実施例1〜10】これらの実施例では、構造体表面に
前処理用官能性有機ポリマーを塗布乾燥した後に反応性
官能基を有する撥水性防汚処理剤を塗布する例を説明す
る。
【0082】
【実施例1】比較例1の前処理ガラス板1に撥水性防汚
剤1を平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布した
後、1,200mJ/cm2の紫外線照射を行ったところシリコー
ンゴム状表面が得られた。未反応の撥水性防汚剤1を除
去するためアセトン線上を行ったところ水接触角96度の
撥水性防汚処理表面が得られた。
【0083】
【実施例2】比較例2の前処理ガラス板2に撥水性防汚
剤2を平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布した
後、80℃に保持したオーブン中で約1時間反応させたと
ころやや粘着感のあるシリコーンゴム状表面が得られ
た。実施例1と同様な操作を行ったところ水接触角94.5
度の撥水性防汚処理表面が得られた。
【0084】
【実施例3】比較例3の前処理アクリル板1に撥水性防
汚剤3を平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布した
後、室温条件下で24時間保持したところ水接触角96度の
撥水性防汚処理表面が得られた。
【0085】
【実施例4】比較例4の前処理アクリル板2に撥水性防
汚剤4を平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布した
後、室温条件下で24時間保持したところ水接触角92度の
撥水性防汚処理表面が得られた。
【0086】
【実施例5】比較例5の前処理ガラス板3に撥水性防汚
剤5を平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布した
後、室温条件下で24時間保持したところ水接触角93度の
撥水性防汚処理表面が得られた。
【0087】
【実施例6】二頭型スプレーガンに撥水性防汚剤6のA
液およびB液をセットした後比較例6の前処理アクリル
板3に平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布し、室
温条件下24時間保持したところ水接触角96度の撥水性防
汚処理表面が得られた。
【0088】
【実施例7】比較例7の前処理アクリル板4に撥水性防
汚剤7を平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布した
後、700mJ/cm2の紫外線照射を行ったところ良好な易滑
性を有する水接触角107度の撥水性防汚処理表面が得ら
れた。
【0089】
【実施例8】比較例1の前処理ガラス板1に撥水性防汚
剤8を平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布した
後、700mJ/cm2の紫外線照射を行ったところ良好な易滑
性を有する水接触角98度の撥水性防汚処理表面が得られ
た。
【0090】
【実施例9】比較例8の前処理アクリル板5に撥水性防
汚剤4を平均膜厚が20〜30ミクロンとなる量で塗布した
後、室温条件下で24時間保持したところ水接触角95度の
撥水性防汚処理表面が得られた。
【0091】
【実施例10】 海中浸漬評価 実施例1〜9で得られた表面処理ガラス板もしくはアク
リル板、および比較例1〜13で得られた表面処理ガラス
板もしくはアクリル板を岡山県玉野市沖の水深1.5mにお
いて海中継続浸漬評価した。その結果、表1に示すよう
に、実施例1〜9の表面処理板については著しい防汚効
果が確認された。
【0092】
【表1】海中浸漬評価結果浸漬試料 1カ月 3カ月 6カ月 実施例1 0 0 5 実施例2 0 0 5 実施例3 0 0 5 実施例4 0 0 10 実施例5 0 0 10 実施例6 0 0 10 実施例7 0 0 5 実施例8 0 0 5 実施例9 0 0 5 比較例1 5 30 100 比較例2 5 30 100 比較例3 30 100 100 比較例4 30 100 100 比較例5 30 100 100 比較例6 30 100 100 比較例7 30 100 100 比較例8 30 100 100 比較例9 5 30 100 比較例10 5 30 100 比較例11 0 50 100 比較例12 0 30 100 比較例13 0 30 100 (数値は付着生物の占有面積%を示す)
【0093】
【発明の効果】環境汚染を生じさせず、充分な防汚性が
付与された表面防汚処理構造体、および充分な防汚性を
構造体表面に付与可能な表面防汚処理法が提供された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面上に表面処理層および上塗り層が順
    次形成された表面防汚処理構造体であって、該表面処理
    層が反応性官能基を有する有機ポリマーを主成分とする
    前処理組成物からなり、該上塗り層が該反応性官能基と
    反応し得る反応性官能基を有する撥水性防汚剤を主成分
    とする防汚組成物からなり、そして、該表面処理層に含
    有される反応性官能基と該上塗り層に含有される反応性
    官能基との反応により、表面処理層と上塗り層との間に
    化学結合が形成されている表面防汚処理構造体。
  2. 【請求項2】 (a)構造体表面上に、反応性官能基を有
    する有機ポリマーを主成分とする前処理組成物から形成
    される表面処理層を設ける工程;および(b)該表面処理
    層上に、該反応性官能基と反応し得る反応性官能基を有
    する撥水性防汚剤を主成分とする防汚組成物から形成さ
    れる上塗り層を設ける工程;を包含する表面防汚処理
    法。
  3. 【請求項3】 光もしくは熱エネルギーを印加すること
    により前記表面処理層に含有される反応性官能基と前記
    上塗り層に含有される反応性官能基とを反応させる工程
    をさらに包含する、請求項2記載の方法。
JP33485291A 1991-12-18 1991-12-18 表面防汚処理構造体および表面防汚処理法 Pending JPH05169011A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33485291A JPH05169011A (ja) 1991-12-18 1991-12-18 表面防汚処理構造体および表面防汚処理法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33485291A JPH05169011A (ja) 1991-12-18 1991-12-18 表面防汚処理構造体および表面防汚処理法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05169011A true JPH05169011A (ja) 1993-07-09

Family

ID=18281945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33485291A Pending JPH05169011A (ja) 1991-12-18 1991-12-18 表面防汚処理構造体および表面防汚処理法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05169011A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004054093A (ja) * 2002-07-23 2004-02-19 Dainippon Ink & Chem Inc 光学異方性を有する基板及びその製造方法
JP2008120067A (ja) * 2006-10-19 2008-05-29 Bekku Kk 積層体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004054093A (ja) * 2002-07-23 2004-02-19 Dainippon Ink & Chem Inc 光学異方性を有する基板及びその製造方法
JP2008120067A (ja) * 2006-10-19 2008-05-29 Bekku Kk 積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100556015B1 (ko) 오염 방지방법
EP2192135B1 (en) Photocurable resin composition
JP3841141B2 (ja) 下塗り剤組成物及びコーティング方法
JP5221644B2 (ja) カルボキシル官能性有機シリコーンを含有する防汚塗料組成物
JP4380960B2 (ja) 環境温度で硬化するコーティング組成物
JP2009529088A (ja) 汚れ剥離組成物
JPH01149878A (ja) プライマー組成物とその用法
KR930010782B1 (ko) 경화성 조성물 및 도료 조성물
JPH036282A (ja) プライマー組成物
JP2006299132A (ja) 防汚塗料組成物
AU670053B2 (en) Fouling inhibition
JP4093794B2 (ja) 船舶用プライマー防汚塗料組成物、船舶用複合防汚塗膜、該複合防汚塗膜の形成方法、該複合防汚塗膜で被覆された船舶および船舶外板の防汚方法
JP5833821B2 (ja) コーティング剤用添加剤およびそれを含有してなるコーティング剤
JP4684465B2 (ja) オルガノポリシロキサンチオブロックビニル共重合体および該共重合体を含む防汚塗料組成物
JP2006052283A (ja) オルガノポリシロキサン水分散体の製造方法
JPH07196975A (ja) 耐候性塗料組成物
JP4727420B2 (ja) コーティング剤組成物
JP2000265061A (ja) エポキシ樹脂−ケイ素系ハイブリッド材料用組成物、コーティング剤およびプラスチックの表面コーティング方法
KR940009864B1 (ko) 불소계 수지 조성물, 경화성 조성물 및 도료 조성물
JPH05169011A (ja) 表面防汚処理構造体および表面防汚処理法
JP4060701B2 (ja) プライマー防汚塗膜または複合防汚塗膜で被覆された水中構築構造物塗装体、および水中構築構造物の防汚方法
JP2002309054A (ja) 硬化性組成物、塗料組成物、その塗膜およびその用途
WO2022070978A1 (ja) 防汚塗料組成物
JP3449014B2 (ja) 被覆用防汚性組成物
JPH08253542A (ja) ビニル共重合体樹脂組成物、コーティング剤および該コーティング剤から塗布形成された被膜