JP4482512B2 - 建築物構成要素の加飾方法 - Google Patents

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Description

本発明は板状の建築物構成要素の加飾方法に関し、特に、壁紙、吹付等により加飾された既設の建築物構成要素の意匠側面を、その加飾面を剥がし除去せずに加飾するのに好適な発明に関する。
板状の建築物構成要素として、壁面、天井面、間仕切り、カウンター天板等の内装パネルに適用する場合を主として例に採り説明するが、これらに限られるものではなく、外装パネルにも適用することができる。
内装壁面の加飾は、下記の如く、施工していた。
まず、基材(例えば、石膏ボード等の内装パネルで形成した壁面下地)を、適宜、目地テープ(例えば、寒冷紗(かんれいしゃ))を貼着後、下地(目地を含む。)をパテにより、さらには、適宜、プライマー塗布を行って、壁下地の前処理を行う。その後、裁断した壁紙を、接着剤(糊)を用いて(予め糊が裏面に付着させた壁紙の場合は濡らして)、壁面下地に貼着する。
そして、経年後、壁紙が褪せたり汚れたり等してきた場合、壁紙による張り替え、又は、塗料による塗り替えによる改装が必要になる。
そして、壁紙による改装の場合は、旧い壁紙を剥がして、壁面下地を綺麗(補修処理を含む。)にしてから、新しい壁紙を、接着剤等を用いて貼着する必要がある。このため、工数が嵩むとともに、剥がした壁紙が大量のごみとして発生した。
また、上記旧い壁紙を剥がす際に、壁面下地が石膏ボードで形成されている場合、石膏ボードの表層紙が破れて石膏芯材が露出とともに部分脱落することがあった。これにより、壁面下地に補修が必要な凸凹(デコボコ)が発生する。
一方、塗料による塗り替えは、旧い壁紙自体が有していた凸凹模様は、略維持されるものの、全体が単調な色調となり、変化が乏しく意匠性の高い加飾面を得がたかった。
また、旧い壁紙を剥がして塗料を塗って改装する場合は、そのままの壁面下地には塗料を塗ることが出来ないことが多い。このため、上記同様、壁面下地を綺麗(補修処理を含む。)にする必要があった。壁面下地が、壁紙繊維が残って毛羽立っていたり、均一に剥がせずに不均一となったりするためである。
上記にかんがみて、壁面下地の補修作業を行うことなく不陸(ふりく:段差)を有する壁下地に直接貼着していくことのできる壁紙が提案されている(特許文献1要約等参照)。また、塩化ビニル壁紙の表層材を必要最低量だけ除去し、下地に対する接着安全性を確保した塩化ビニル壁紙下地の塗り替え施工方法が提案されている(特許文献2段落0005等参照)。
特開平6−166996号公報 特許第3476393号公報
本発明は、上記特許文献等に記載されていない、壁紙の剥がし作業及び実質的な壁下地補修作業が不要な新規な建築材構成要素の加飾方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を、解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の建築構成要素の加飾方法に想到した。
既設の板状の建築物構成要素における旧い壁紙の表面である基材意匠側面を加飾する方法であって、
基材意匠側面に、薄膜シートを部分的に散在させて又は全面に接着する薄膜シート貼着工程を少なくとも含み、
薄膜シートの接着剤として、着色剤を含有する着色接着剤を用いるとともに、薄膜シー
トが着色剤の表面側への全面的な滲出性(ブリード性)を有する、ことを特徴とする。
上記の如く、本発明の建築物構成要素の加飾方法は、基材意匠側面が、既設の板状の建築物構成要素における旧い壁紙の表面であるため、壁紙を剥して下地処理する必要がなくなる。従来の壁紙を剥して壁紙による改装をする場合に比して改装工数を大幅に削減できるとともにゴミ(旧い壁紙)の発生もなくなる。
また、薄膜シートを接着(貼着)する着色接着剤に含まれる着色剤の滲出量(ブリード量)を調節することにより、また、薄膜シートの配置を変えることにより、多様な意匠の形成が可能となる。
上記構成において、薄膜シート貼着工程後に仕上げ塗膜を形成する仕上げ塗膜形成工程を更に含み、仕上げ塗膜が、薄膜シート貼着工程後の表面模様を透かし可能な半透明性以上の透明性を有する構成とすることが望ましい。当該構成より、更なる多様な意匠の形成が可能となる。
上記各構成において、薄膜シートの着色剤の表面側への滲出透過度(ロ紙付着面積比率)が40〜80%であることが望ましい。
着色剤の滲出透過度が高すぎても、低すぎても、薄墨的なぼかし模様を得難い。
上記着色接着剤として、隠蔽性を有するものを使用することにより、基材意匠側面(壁面)の下地処理が不要となる。また、薄膜シートに対して、安定した意匠性を付与できる。
上記構成において、さらに、多数の模様付与片が薄膜シートの上面、下面および仕上げ塗膜の上面のいずれかに位置する(模様付与片の一部が異なる面に位置する場合を含む。)ように、模様付与片を散在的に配置して固定させることが望ましい。更なる多様な意匠効果の付与が可能となる。
また、上記構成において、着色接着剤が凸凹形成能を有するものとすることもできる。
着色接着剤を、凸凹形成能を有するものとすることにより、特別な吹付技術を要せずに吹付け模様の形成が可能となる。
基材意匠側面は、薄膜シート接着工程に先立ち、適宜、パテによりさらにはプライマーにより下地処理を行う。着色接着剤のみでは、下地処理が不十分な場合があるためである。
次に、本発明を一実施形態に基づいて、さらに、詳細に説明をする。以下の説明で、配合処方を示す「%」及び「部」は、特に断らない限り、それぞれ「質量%」及び「質量部」を意味する。
本発明は、板状の建築物構成要素の基材意匠側面に加飾する方法であることを前提とする。
ここで、板状の建築物構成要素(基材)には、建築物における内外装の壁面、天井面、間仕切りばかりでなく、さらには、流しや、カウンターにおける天板、外側壁面も含む。また、板状とは、平板状ばかりでなく、曲面を有する板材も含む。
基材となる内装・外装パネルとしては、石膏ボードのほかに、下記のようものから適宜選定できる。
木片・木毛・パルプ・繊維強化セメント板、パーティクルボード、繊維板(ハードボード)、合成木材、合板、プラスチック板、金属板、窯業系サイディング、製材板材等。
ここでは、図1〜2に示すように、壁面下地(基材)12を石膏ボードで形成して、既設の旧い壁紙11を剥さずに、その上に本発明の方法により改装(加飾)する場合を、例に採り説明する。
本発明の方法は、これに限られるものではなく、旧い壁紙を剥して改装する場合や新築における内装にも適用可能である。
図例では、基材(壁下地板)12は、所定間隔に配設された梁(柱)10に固定されている。
そして、本実施形態の改装(加飾)方法は、それぞれ下記する、1)薄膜シート貼着工程、及び、2)仕上げ塗膜形成工程を含む。
1)薄膜シート貼着工程
基材(壁下地板)12の意匠面12a側、すなわち、既設の旧い壁紙11の表面11a上に、部分的に散在させて薄膜シート14を接着(貼着)する工程である。全面に薄膜シート14を接着することも可能である(図3・4参照)。このとき、図例のように旧い壁紙11、11の継ぎ目15上に跨がせて配する。改装(加飾)後の壁面に継ぎ目15跡が目立たなくなる。
基材12は、薄膜シート14の貼着性(接着性)および表面意匠性を確保するために、適宜、プライマー処理(塗布)を行う。基材12、12間の目地は、寒冷紗(図示せず)を跨がせてシーラント18で処理されている。ここで、薄膜シート14を基材12、12の全面に亘り、跨せた場合は、施工後、基材12、12間の隙間が広がったり、隙間が均一でなくなったりしたようなときでも(隙間対応表面にひび割れ状細線が発生する。)、そのようなひび割れ状細線が顕現しない。
なお、既設の旧い壁紙の剥がれ易い部位がある場合は、該部位のみ剥がして、剥がし部位のみパテにより下地処理を行っておく。
そして、薄膜シート(薄紙)14の接着剤として、着色剤を含有する着色接着剤20を使用し、薄膜シート14は、薄膜シート14が着色剤に対して表面側への滲出性(ブリード性)を有するものとする。
ここで、着色接着剤における、着色剤は、染料でもよいが、通常、顔料とする。顔料は、染料に比して、彩度の高いものを求めない限り、耐候性が相対的に良好であり、また、相対的に安価である。
顔料は、無機顔料、有機顔料を問わず、その着色接着剤における固形分(塗膜成分)中含有量は、0.2〜5%、望ましくは、1〜3%の範囲で適宜選定する。顔料の含有量を多くした方が、下地隠蔽性が高くなり、下地の影響を受け難くなる。下地が淡色系である場合等には、必ずしもその含有量を多くする必要はない。
滲出性(ブリード性)の尺度は、顔料の含有量により異なるが、例えば、下記のような基準で測定した場合に、滲出透過度(ブリード性)40〜80%、さらには50〜70%が望ましい。滲出透過度が低すぎても高すぎても薄膜シート14上にぼかし模様を形成し難い。
10cm四方のガラス板の全面に下記組成のアクリルエマルション塗料100部(固形分67%)に対して1部の顔料(例えば、ベンガラ(Red Iron Oxide)/黄土(Ochre)=1/9質量比混合物)を混合した着色接着剤を全面にウールローラを用いて塗付(固形分塗付量:100g/m2)した直後に、ガラス板の中央に4cm四方の薄膜シートを置き、更に、ろ紙(タイプ)をのせて手で押えて、薄膜シート全面積に対するろ紙に対する塗料(顔料)の付着面積を目視判定(適宜、方眼透明板を用いて)する。このロ紙付着面積比率が、本発明における滲出透過度を意味する。
このようなブリード性を示す薄膜シートとしては、下記和紙が後述の理由で望ましい。工業製紙(20〜40g/m2のもの)(後述の試験No.2参照)、織布(ガーゼ等)、不織布、多孔性プラスチックフィルム等も使用可能である。
和紙としては、10〜50g/m2のものを基本とする。例えば、手ちぎりをした楮(こうぞ)の長い繊維を散らした雲竜紙、楮(こうぞ)の黒皮(粕、塵などと呼ぶ)を混ぜて漉いたカス紙、揉んで柔らかい感触をつけた揉紙、薄紙に噴霧状の水滴で穴を明けて文様(模様)を描いた落水紙、友禅紋様の型を置き模様付け(漉き掛け)の技法で紋様を付した友禅紙、その他の方法による色付き・模様付き和紙を挙げることができる。
和紙を用いたときは、壁面下地の変動(凸凹)に対する追従性が大きく、着色接着剤が表面に滲出したときに現れる模様に変化が多様であり、意匠性に富んだ加飾面(仕上げ面)を得ることができる。また、仕上げ塗膜の透湿性を有するときは、和紙自体の吸放湿特性を生かすことができる。
さらに、着色接着剤に、骨材を含有させて、塗料に凸凹形成能を有するものとすることができる。骨材としては、着色剤に対する吸着性がなければ、特に限定されないが、例えば、銅水彩スラグ、寒水砂、ケイ砂等を使用でき、それらの粒径は、0.2〜2mmの範囲で適宜選定する。このときの骨材の配合量は、塗膜固形分100部に対して、50〜100部とする。骨材過少では、充分な凸凹形成能を塗料に付与できず、逆に、骨材過多では、薄膜シートの下地に対する接着性能を低下させ易い。
2)仕上げ塗膜形成工程:
上記薄膜シート貼着工程後に行うもので、該仕上げ塗膜22(塗料)は、薄膜シート14の貼着工程後の意匠を透かし可能な半透明性以上の透明性を有するものとする。
透明性が高い場合は、着色していることが望ましい。その場合の着色剤(着色顔料)の含有量は、上記同様、固形分(塗膜成分)中、0.01〜2%、望ましくは0.02〜1%の範囲で、適宜選定する。着色剤自体が透明性を有する場合は、多目に含有させることもできる。
着色顔料の比率が高過ぎると、薄膜シート貼着工程により形成した、下地模様を充分に生かすことが困難となる。
着色剤としては、染料を使用することも可能である。染料を使用した場合、透明感の高い鮮明な仕上げとなるが、前述の如く、顔料に比して耐候性に劣るものが多く、耐候性に優れたものに限定される。
なお、仕上げ塗膜の塗膜厚は、固形分量で、着色接着剤の場合と同様、25〜150g/m2、望ましくは50〜125g/m2とする。
そして、上記のように調製した建築物構成要素は、下記構成となる。
分割パネル板(石膏ボード)で形成された既設の下地壁面(基材)12の上に既設の旧い壁紙11の表面11aで基材意匠側面が形成されている。そして、壁紙11の表面11a上に着色接着剤層20を介して薄膜シート(薄紙)14が接着され、更に、全面にわたり半透明以上の透明性を有する着色仕上げ塗膜層22を備え、薄膜シート14上に着色接着剤層20の着色剤(顔料)20aが滲出(ブリード)している。なお、壁紙表面11aと着色接着剤層20との間には、適宜、プライマー塗膜(下地塗膜)(図示省略)を介在させる。
上記において、新築又は建築物構成要素を工場生産する場合は、当然、旧い壁紙11は存在しない。
次に、他の実施形態における建築物構成要素の加飾方法について説明をする。なお、実施形態を示す図3・4又は図5・6において、図1〜2と同一部分については、同一図符号を付してそれらの説明を省略してある。
本実施形態の加飾シートの製造方法は、多数の模様付与片13が記薄膜シート14の上面、下面および仕上げ塗膜22の上面のいずれかに位置するように、模様付与片を散在的に配置して固定させるものである。
図例では、いずれも、薄膜シート14を、基材意匠面12aに全面接着させ、模様付け片13を同一面に配置して固定したものであるが、薄膜シート14を部分的に接着したものに適用したり、模様付け片13の一部を異なる面の上に配置して固定したりすることも可能である。
図3・4に示すものは、薄膜シート14の乾燥後で、着色仕上げ塗膜22の塗布前に、多数の模様付与片(紙ダマ)13を薄膜シート14の上面に散在的に配置し、着色仕上げ塗膜22で覆って固定した方法によるものである。
この、模様付け片13の配置に際し、模様付与片13の裏面には、仮固定(仮接着)可能に少量の接着剤を塗布しておく。なお、着色仕上げ塗膜22を形成しない場合は、当然、模様付け片13は、実用耐える接着力が得られように接着剤を塗布しておく。
また、着色仕上げ塗膜22の塗布を重ね塗り(通常、2回)とし、該重ね塗りの前段塗り塗膜(通常1回目で薄い塗膜)の指触乾燥前に、模様付与片13の配置を前段塗り塗膜に対して行ってもよい。この場合は、模様付与片を、接着剤を使用せずに立設面への配置(仮固定)が可能となる。
図5・6に示すものは、模様付与片13を、着色接着剤20の塗布面に散在的に配置し、薄膜シート14で覆って固定した方法によるものである(模様付与片13は、薄膜シート14の下面に位置する。)。模様付与片13は、その配置に際して着色接着剤の接着作用により仮固定される。
ここで、模様付与片13としては、図例では、塊状の紙ダマ13であるが、粒状、塊状、片状、葉状、着色接着剤層上に載置して接着可能な形態なら特に限定されない。材料的には、上記骨材として例示したものの他に、貝殻(小粉砕したものを含む。);紙漉き時に発生する紙ダマ;落ち葉、ドライフラワーその他の草木片、はぎれ(織布、不織布を含む。)等を挙げることができる。すなわち、着色接着剤に対する接着性を有すれば、特に限定されない。
以下、本発明を実施例に基づいて、更に、詳細に説明をする。
(1)着色接着剤処方(合計100部)<艶消しエマルションタイプ>
アクリル樹脂エマルション(固形分50%) 27.9部
体質顔料(白色顔料を含む。) 43.2部
その他副資材 7.5部
水 20.4部
着色顔料 1.0部
(2)仕上げ塗料(合計100部)<艶消しエマルションタイプ>
アクリル樹脂エマルション(固形分50%) 65.8部
艶消し材 5.0部
その他副資材 17.6部
水 10.6部
着色顔料 1.0部
(3)使用した薄肉シート(薄紙)
試験No.1・・・工業製紙 50g/m2
試験No.2・・・工業製紙 29g/m2
試験No.3・・・工業製紙 14g/m2
試験No.4・・・和紙(繊維入り) 22g/m2
試験No.5・・・和紙 13g/m2
試験No.6・・・和紙(均一染め) 35g/m2
試験No.7・・・和紙(部分染め) 35g/m2
(4)ブリード性試験
前述のガラス板を用いたブリード性試験を行った。その結果は下記の如くであった。
試験No.1・・・ろ紙へは塗料(顔料)が付着しない。
試験No.2・・・ろ紙へは塗料(顔料)が面積で目視約50%均一に付着した。
試験No.3・・・同じく90%均一に付着した。
試験No.4・・・同じく60%不均一に付着した。
試験No.5・・・同じく60%均一に付着した。
試験No.6・・・同じく5%均一に付着した。
試験No.7・・・同じく30%均一に付着した。
(5)本発明の加飾板の加飾評価
基材として硬質繊維板(ハードボード)(15cm×20cm×3mmt)上にパテで目止め処理して、着色接着剤を全面塗布(塗付量:100g/m2)後、塗膜乾燥前に、各薄膜シート(薄紙)を貼着する。そして、その後に、仕上げ塗料を用いて、全面塗布する。そして風乾後、表面の意匠性を目視判断した。その結果は、下記の如くであった。
試験No.1・・・着色接着剤の顔料がブリードせず、薄紙貼着部位は汎用の壁紙様であった。
試験No.2・・・着色接着剤の顔料がまだらにブリードしてぼかし的な意匠性の高い加飾面が得られた。
試験No.3・・・着色接着剤の顔料が全面的にブリードして薄紙の貼着部位と非貼着部位とが色差がはっきりせず、汎用の着色加飾面と同様であった。
試験No.4・・・着色接着剤の顔料が少量ブリードしてぼかし的な意匠性の高い加飾面が得られた。
試験No.5・・・着色接着剤の顔料が少量ブリードしてぼかし的な意匠性の高い加飾面が得られた。
試験No.6・・・着色接着剤の顔料が、薄紙の色を略生かす状態でわずかにブリードして、意匠性の高い加飾面が得られた。
試験No.7・・・着色接着剤の顔料が、薄紙の色を略生かす状態でブリードして、意匠性の高い加飾面が得られた。
(6)考察
上記結果から、ブリード性が上記顔料ブリード面積(滲出透過度:ろ紙付着面積比率)が、40%以上であればよいが(試験No.2・4・5)、80%を超えると高い意匠性を得難い(試験No.3)ことが分かる。ただし、薄紙(薄肉シート)を着色紙とするときは、40%未満でも、高い意匠性を得ることができることが分かる(試験No.6・7)。
本発明の加飾方法を適用した建築物構成要素の一形態を示す平面図である。 図1の2−2線モデル断面図である。 本発明の加飾方法を適用した建築物構成要素の他の形態を示す平面図である。 図3の4−4線モデル断面図である。 本発明の加飾方法を適用した建築物構成要素のさらに他の形態を示す平面図である。 図5の6−6線モデル断面図である。
符号の説明
12 基材(壁下地板)
12a 基材の意匠面
14 薄肉シート(薄紙)
13 模様付与片(紙ダマ)
20 着色接着剤層
20a 着色剤(顔料)
22 着色仕上げ塗膜層

Claims (9)

  1. 既設の板状の建築物構成要素における旧い壁紙の表面である基材意匠側面を加飾する方法であって、
    前記基材意匠側面に、薄膜シートを、部分的に散在させて又は全面に接着する薄膜シート貼着工程を少なくとも含み、
    前記薄膜シートの接着剤として、着色剤を含有する着色接着剤を用いるとともに、前記薄膜シートが前記着色剤の表面側への全面的な滲出性(ブリード性)を有する、
    ことを特徴とする建築物構成要素の加飾方法。
  2. 前記薄膜シート貼着工程後に仕上げ塗膜を形成する仕上げ塗膜形成工程を更に含み、
    前記仕上げ塗膜が、前記薄膜シート貼着工程後の表面模様を透かし可能な半透明性以上の透明性を有することを特徴とする請求項1記載の建築物構成要素の加飾方法。
  3. 前記薄膜シートにおける前記着色剤の表面側への滲出透過度(ロ紙付着面積比率)が40〜80%であることを特徴とする請求項1又は2記載の建築物構成要素の加飾方法。
  4. 前記着色接着剤が、隠蔽性を有するものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の建築物構成要素の加飾方法。
  5. さらに、多数の模様付与片が前記薄膜シートの上面、下面および前記仕上げ塗膜の上面のいずれかに位置する(前記模様付与片の一部が異なる面に位置する場合を含む。)ように、前記模様付与片を散在的に配置して固定させることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の建築物構成要素の加飾方法。
  6. 前記着色接着剤が凸凹形成能を有するものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の建築物構成要素の加飾方法。
  7. 前記基材意匠側面を、前記薄膜シート貼着工程に先立ち、パテにより下地処理を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の建築物構成要素の加飾方法。
  8. 前記薄膜シートが、和紙、工業製紙、織布、不織布及び多孔性プラスチックフィルムのいずれかであることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の建築物構成要素の加飾方法。
  9. 前記薄膜シートが、10〜50g/m 2 の和紙又は20〜40g/m 2 の工業製紙であることを特徴とする請求項8記載の建築物構成要素の加飾方法。
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