JPH05263485A

JPH05263485A - 内装パネルとその製造方法

Info

Publication number: JPH05263485A
Application number: JP3157993A
Authority: JP
Inventors: Noriaki Miyagawa; 憲明宮川; Hitoshi Nishioka; 等西岡
Original assignee: NOMITSUKU KK; SYST INTERIOR PURAIDO KK
Current assignee: NOMITSUKU KK; SYST INTERIOR PURAIDO KK
Priority date: 1991-06-28
Filing date: 1991-06-28
Publication date: 1993-10-12

Abstract

(57)【要約】【目的】少くとも表層部は不燃性であって有毒ガスを
発生せず、硬くて安定性にすぐれ、製作が容易であって
熟練工の手によることなく、一点ごと異る凹凸模様と色
彩模様をもつ工芸品的内装パネルとその製造方法を提供
する。【構成】本発明の内装パネルは、基板１上に、表面に
凹凸模様をもつセメント系パテ材層２が形成され、その
上に、着色塗料層３が不均一な色模様を形成しているこ
とを特徴とする。本発明の製造方法は、基板１上にセメ
ント系パテ材を練りつけ、その上にシートを敷いてロー
ラ等で押圧し、そのシートを剥離し、パテ材を乾燥さ
せ、その後その上に水を散布して水膜を形成すると共
に、着色塗料を不均一に散布させ、乾燥させることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は建築物の内装パネルと
その製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】住宅，店舗，事務室，集会所，劇場等
の建築物の内壁面の内装パネルとして、合成樹脂，布，
紙，ベニヤ板などの接着接合による二重構造パネルが多
用されているが、これらパネルの多くは有機溶剤を多量
に含んでいるため、燃え易く、燃焼の際多量の有毒ガス
を発生する欠点がある。これに対し、自然石を用いた内
装材は不燃性についてはすぐれているが、天然資源の保
護の見地からこれを多用することは好ましくない。

【０００３】一方、趣味感の多様化と、高級品志向の要
請から、プリント模様等の繰り返し模様でなく、工芸品
的手作り模様や壁画等が求められているが、これは芸術
家の手に頼るほかなく、工業的に量産することができな
かった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、不
燃性ないし難燃性を有し、硬度が硬くて安定性にすぐ
れ、しかも、熟練工でない通常の作業者の手により容易
に製作することができ、表面の凹凸模様が一点一点変化
に富み、工芸品的高級観のある新規な内装パネルとその
製造方法を提供することを解決課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の内装パネル
は、基板上に、不燃性のセメント系パテ材層が、その表
面を凹凸模様にするため表面が非平面に設けられ、その
パテ材層の表面に着色塗料層が不均一に設けられている
ことを特徴としている。上記基板が、鉱物質、金属、セ
ラミック等の不燃材よりなるものは、不燃性内装パネル
として好ましい。

【０００６】また、本発明の内装パネルの製造方法は、
セメント系パテ材を基板上に練り付け、その上にシート
を敷き、そのシート上からローラ等の道具で押圧して不
規則な凹凸表面を作成し、次に、上記シートを剥離し、
この凹凸模様のパテ材を乾燥させ、その後、上記凹凸模
様のパテ材の上に水膜を形成するとともに着色剤を不均
一に散布し、その後乾燥させることを特徴としている。

【０００７】パテ材を練り付けた上に敷くシートとし
て、ビニール等のプラスチックシート、布地、紙、アル
ミ箔等を用いることができる。

【０００８】

【作用】セメント系パテ材はそれ自体不燃性であるた
め、基板が不燃性材料の場合は完全な不燃性を示し、基
板が可燃性材料であっても内装パネルとして用いられた
とき難燃性を示す。セメント系パテ材を基板上に練り付
ける際に不規則な凹凸模様が作られ、更にその上にシー
トを剥離する際にパテ材の一部がシートに付着してシワ
やピンホールを生じたり、布地等のシート自体の模様が
印される。

【０００９】このようにして形成された凹凸模様表面に
水をかけて水膜を作った上で、所望の着色塗料を噴霧器
等により散布すると塗料が水膜上を高い場所から低い場
所へ流れて、色の濃淡模様またはぼかし模様が形成さ
れ、このようにして凹凸模様と色の濃淡模様が組み合わ
された不規則な複合模様がつくられる。

【００１０】

【実施例】図１に本発明の内装パネルの模式的断面図
を示し、図２にその正面図を示す。基板１は、けい酸カ
ルシウム板等の鉱物質、金属、セラミック等の不燃材よ
り成るパネル材であってその表面は平面である。パテ材
層２はセメント系パテ材より成り、その表面が凹凸模様
を形成している。その組成例を示せば組成例１（薄付け用）白色ポルトランドセメント６０％炭酸カルシウム３０％メチルセルローズ６％防黴剤、硬化剤４％組成例２（厚付け用）白色ポルトランドセメント４５％炭酸カルシウム２０％無機質骨材２５％メチルセルローズ６％防黴剤、硬化剤４％このパテ材層２の凹凸模様は、左官ゴテ、ローラ等を用
いてパテ材を作為的に練り付けたことによる模様と、表
面のシート材を剥離する際に生じたクレータ、しわ、布
地模様などの合成模様である。

【００１１】このパテ材層２の上に、水性または油性の
着色塗料層３の色の濃淡模様をつくっている。一般に、
パテ材層２の厚い所（平面上に置いて高い所）が薄く、
反対に、パテ材層２の薄い所（低い所）が厚くなる傾向
であり、これに噴き付け作業時の作為的な塗料ムラが加
重されて不規則な色の濃度模様が生じる。この着色塗料
の組成の一例を示せば、顔料４０％ポリアクリル酸エマルジョン３０％水１５％分散剤５％温潤剤５％その他５％である。その他には、防腐剤、防黴剤、増粘剤、増膜安
定剤が含まれている。

【００１２】トップコートの被膜塗料層４は、保護膜で
あって、つや有りとつや無しに分けることができる。そ
の組成例を示すと、組成例（重量比）アクリル樹脂エマルジョン９０．７９％造膜助剤Ａ４．５４％造膜助剤Ｂ４．５４％防腐剤０．０９％消泡剤０．０４％次に、本発明の内装パネルの製造方法の実施例を説明す
る。まず、セメント系パテ材を水で練る。これを左官ゴ
テを用いて基板１上へ練り付ける。このとき作為的に凹
凸が形成される。この凹凸模様を下地として、この上を
ビニールシートで被覆し、未だ乾燥硬化していないパテ
剤をビニールシートを介してローラで押し延ばす。この
作業によりビニールシートに多数の皺がつくられるとと
もに、下地の凹凸模様も多少変形する。次に、このビニ
ールシートを剥離する。このとき、ビニールシート内面
に多少のパテ材が付着するため、前記したビニールシー
トの皺によりパテ材上に形成されたシワ模様に加えて、
パテ材の剥離にともなくクレータ様模様がつくられる。
その後、パテ材を完全に乾燥させてパテ材層２が形成さ
れる。

【００１３】パテ材層２が形成されると、基板１を水平
に置いて、パテ材層の上から如雨露を用いて水を注ぐ。
はじめのうちは水がパテ材に吸い込まれるが、やがてパ
テ材層２の上に水膜が形成される。この散水作業と同時
にまたは直後に、着色塗料を噴霧器を用いて不均一に散
布する。散布された着色塗料は水膜上を滑流して低い所
に多く集まり、濃淡模様ないしぼかし模様がつくられ
る。パテ材への吸水により水膜が枯れると再度散水して
もよい。

【００１４】次に、再び完全乾燥させ、その後、被膜塗
料が全面に塗布されてトップコート４が形成され内装パ
ネルが完成する。本発明方法は、ベニヤ板等の可燃パネ
ル上に実施することができ、その場合、表層部が不燃性
のため全体として難燃性となる。また、パネル材でない
立体的部材の表面に実施することができる。さらに本発
明方法を用いて、抽象的壁画を製作することもできる。

【００１５】本発明の内装パネルの変形実施例として、
着色塗料の上から、或いは着色塗料に代えて、金粉、銀
粉、金箔、銀箔を散布して模様を形成することができ
る。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、不燃材を基板とする場
合には完全な不燃性の内装パネルが、また可燃材を基板
とする場合であっても難燃性の内装パネルが得られ、火
災時に有毒ガスを発生しない安全な内装パネルが得られ
る。しかも、作為的作業工程を含むため一点ごとの凹凸
模様および色模様が相違する工芸品的内装パネルを容易
かつ安価に製作することができる。

【００１７】この本発明の内装パネルは、セメント系パ
テ層で表層部が構成されているので、耐摩耗性、耐候性
にすぐれ、室温、湿度等の室内環境変化が激しい場所に
用いても、長年月にわたり、ひび割れ、脱落等の損傷が
なく安定性にすぐれている。さらに、基板としてけい酸
カルシウム板を用いた実施例においては、不燃性は勿論
のこと、快削性にすぐれ、切断が容易なため任意形状の
パネルを容易かつ安価に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、本発明品の実施例の構造を示す模式的断
面図である。

【図２】は、本発明品の正面凹凸模様の一例を示す図
である。

【図３】は、本発明品の正面凹凸模様の他の一例を示
す図である。

【符号の説明】

１・・・・基板２・・・・セメント系パテ材層３・・・・着色塗料層４・・・・トップコート

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基板上に、不燃性のセメント系パテ材層
が、その表面を凹凸模様にするため表面が非平面に設け
られ、そのパテ材層の表面に着色塗料層が不均一に設け
られている内装パネル。
【請求項２】上記基板が鉱物質，金属，セラミック等
の不燃材よりなる不燃性の内装パネル。
【請求項３】セメント系パテ材を基板上に練り付け、
その上にシートを敷き、そのシート上からローラ等の道
具で押圧して不規則な凹凸表面を作成し、次に上記シー
トを剥離し、この凸凹模様のパテ材を乾燥させ、その
後、上記凹凸模様のパテ材の上に水膜を形成するととも
に着色剤を不均一に散布し、その後、乾燥させることを
特徴とする内装パネルの製造方法。