JP3083519B1 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP3083519B1
JP3083519B1 JP11323125A JP32312599A JP3083519B1 JP 3083519 B1 JP3083519 B1 JP 3083519B1 JP 11323125 A JP11323125 A JP 11323125A JP 32312599 A JP32312599 A JP 32312599A JP 3083519 B1 JP3083519 B1 JP 3083519B1
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Abstract

【要約】 【課題】消石灰を主成分とする低塗布量で隠蔽力に優れ
た塗料、及びそれを塗布してなる塗装物の提供。 【解決手段】消石灰、ポリマー成分及び水を含有する塗
料組成物であって、塗液またはその乾燥塗膜の (1)容器
の中での状態、(2)塗装作業性、(3)低温安定性、(4)塗
膜の外観、(5)耐アルカリ性、(6)耐洗浄性、(7)隠蔽率
が、JIS K 5663-1995に規定される少なくとも2種ペイ
ントの性質を満たすものである塗料組成物、上記塗料組
成物を塗布して成る塗装物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種建築物の壁や
天井などの内装若しくは外装の化粧塗装に適した水性塗
料に関する。より詳細には、本発明は、水性塗料として
要求される各種の塗料性能並びに塗膜物性を充足すると
ともに、漆喰特有の落ち着いた艶消しの質感を有し且つ
調湿機能のある塗膜を形成する塗料に関する。さらに本
発明は該塗料組成物を塗布してなる塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】漆喰は、落ち着きのある重厚な仕上がり
感に加えて、調湿性(吸湿性及び放湿性)、結露防止性
及び防カビ性といった機能に優れているため、日本建築
の屋内外の塗り壁材として古くから使用されている建築
材料である。
【0003】しかし、漆喰の施工には熟練を要する左官
作業が必要であり、作業者の技術によって仕上がりにバ
ラツキが生じ易く、また複数回の繰り返し施工(塗りと
コテこすり)の必要性から施工能率が悪く、施工期間が
長くかかったり施工コストも高くつくという欠点があ
る。
【0004】このため、近年の住宅建築における室内壁
面の仕上げには、塩ビクロス貼りや合成樹脂エマルジョ
ン塗装などの仕上げ方法が多く採用されているが、最近
になって化学物質過敏症やシックハウス症候群などとい
った化学物質の悪害が問題視されるようになり、漆喰な
どの天然素材が再び見直されてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、漆喰壁材の
成分である消石灰を主成分とする水性塗料を提供するこ
とを目的とする。より具体的には、本発明は水性塗料と
しての性能を有するとともに、形成される塗膜が漆喰壁
特有の質感を有し且つ耐アルカリ性や耐洗浄性を始めと
する塗膜物性並びに調湿性、防カビ性及び耐火性等とい
った塗膜機能に優れた塗料組成物を提供することを目的
とするものである。
【0006】さらに本発明は、上記水性塗料から形成さ
れる塗膜を有する塗装物、具体的には上記塗膜機能に基
づいて調湿や結露防止等の有用な機能を有する塗布物を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、漆喰の優れ
た美粧性及び機能に着目し、JIS K 5663に規定の合成樹
脂エマルションペイントの品質を有すると共に漆喰特有
の質感及び機能を備えた水性塗料を開発することを目的
として、鋭意検討を重ねたところ、漆喰の主成分である
消石灰にポリマー成分及び水を配合し水性塗料の調製方
法に従って調製した本発明の水性組成物が、貯蔵安定性
及び塗装作業性に優れており上記目的にかなうものであ
ることを見出した。また、かかる塗料組成物から形成さ
れる塗膜は、従来漆喰壁材に必須であったすさ等の繊維
素材を含有していなくても十分な靱性を発揮し成膜性に
優れること、また逆に繊維素材を含まないことによっ
て、より少ない塗布量で薄塗膜化が可能となり、刷毛、
ローラー、スプレー等によって塗膜を簡単にかつ美しく
仕上げることができることを見出した。
【0008】さらに本発明者は、かかる知見に基づいて
更なる検討を進めたところ、上記塗料組成物に更に顔料
として酸化チタンを特定量配合することにより、調湿性
などの機能を有しながら極めて少量の塗布量で施工面を
隠蔽でき、かつ成膜性に優れることを見出し、以上のこ
とから、本発明の塗料組成物によれば、低コストでかつ
少ない労力で、落ち着きのある漆喰特有の質感を有する
とともに調湿性や結露防止性等の機能を発揮する塗膜が
形成できることを確認した。
【0009】本発明は、かかる知見に基づいて開発され
たものである。
【0010】すなわち本発明は、下記1.〜8.に掲げ
る塗料組成物である: 1.消石灰、ポリマー成分、酸化チタン及び水を含有す
る塗料組成物であって、(a)消石灰の配合割合が30〜80重量%(固形換
算)、 (b)ポリマー成分がアクリル−スチレン共重合体,酢
酸ビニルポリマー及びスチレン/ブタジエンゴムに属す
る群から選択される少なくとも1種の合成ポリマーであ
って、消石灰100重量部に対する配合割合が10〜7
0重量部(固形換算)、並びに (c)酸化チタンの消石灰100重量部に対する配合割
合が2〜30重量部(固形換算)であり、しかも (d)塗液またはその乾燥塗膜の (1)容器の中での状
態、(2)塗装作業性、(3)低温安定性、(4)塗膜の外観、
(5)耐アルカリ性、(6)耐洗浄性、(7)隠蔽率が、JISK 56
63-1995に規定される少なくとも2種ペイントの性質を
満たすものである、建築物の天井,内壁,外壁または建
材用の塗料組成物。2.繊維素材を含まないことを特徴とする1記載の塗料
組成物。 3.顔料を固形分あたり2〜10重量%(固形重量換
算)の割合で含有する1または2記載の塗料組成物。 4.酸化チタンの消石灰100重量部に対する配合割合
が8〜15重量部(固形換算)である1乃至3のいずれ
かに記載の塗料組成物。 5.ポリマー成分の消石灰100重量部に対する配合割
合が25〜35重量部(固形換算)である、1乃至4の
いずれかに記載の塗料組成物。 6.乾燥塗膜の隠蔽力が500μ以下である1乃至5の
いずれかに記載の塗料組成物。 7.粘度が常温で300〜3000センチポイズである
1乃至6のいずれかに記載の塗料組成物。 8.建材がクロス、ボードまたはパネルである1乃至7
のいずれかに記載の塗料組成物。
【0011】また、本発明は上記に掲げる塗料組成物か
ら形成される塗膜を有する塗装物、具体的には例えば壁
材及び天井材などの建材に関する。さらに、本発明は上
記塗料組成物の塗装方法及び上記建材を用いた建築物内
外装の施工方法に関する。また本発明は上記塗料組成物
を用いた建築物内外装壁面の修復方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】(1)塗料組成物 本発明の塗料組成物は、消石灰、ポリマー成分及び水を
含有する塗料組成物であって、塗液の性状並びにその乾
燥塗膜の外観及び物性が日本工業規格 JIS K 5663-1995
に規定の少なくとも2種ペイントに関する(1) 容器の中
での状態、(2)塗装作業性、(3) 低温安定性、(4) 塗膜
の外観、(5) 耐アルカリ性、(6) 耐洗浄性及び(7) 隠蔽
率の要件を満たすものである。
【0013】具体的には、本発明の塗料組成物は、JIS
K 5663-1995の規定に従ってJIS K 5400の方法に準じて
測定した場合に少なくとも下記の品質(JIS K 5663-199
5)を有する塗料組成物である: (1) 容器の中での状態:かき混ぜた場合に塊がなく中身
全体が一様になる: (2) 塗装作業性:2回塗りで塗装作業に支障がない: (3) 低温安定性:−5℃に冷やしたとき変質しない: (4) 塗膜の外観:塗膜の外観が正常である: (5) 耐アルカリ性:水酸化カルシウム飽和溶液(20±1
℃)に18時間浸したときに異常がない: (6) 耐洗浄性:100回の洗浄に耐える: (7) 隠蔽率:0.95以上 さらに本発明の塗料組成物は、耐水性(JIS K 5400の8.
19)に関して、脱イオン水に96時間浸しても異常がな
く(JIS K 5663-1995の5.9)、促進耐候性(JIS K 5400
の9.8.1)に関して、白亜化度が8点以上で、膨れ・は
がれ・割れがなく、色の変化の程度が見本品に比べて大
きくない(JIS K 5663-1995の5.12)ことが好ましく、
また隠蔽率が0.93以上(JIS K 5663-1995の5.8)をみた
し、さらに耐候性(JIS K 5400の9.9)に関して、12ヶ
月の試験期間後に膨れ・はがれ・割れがなく色の変化の
程度と白亜化度が見本品に比べて大きくない(JIS K 56
63-1995の5.13)という要件を満たしていることが好ま
しい。
【0014】本発明の塗料組成物は、その乾燥時間によ
って特に限定されるものではないが、JIS K 5663-1995
の5.6に従って、JIS K 5400の6.5の試験方法に準じて実
施した場合に20℃で2時間以内に半硬化状態になるよ
うに、また5℃で4時間以内に半硬化状態になるように
調製されることが好ましい。これは塗料組成物に配合す
る固形含量や水分含量並びに粘度を適宜調製することに
よって行うことができる。
【0015】本発明で用いられる消石灰としては、通常
漆喰壁材の成分として用いられるものであればよく特に
制限されない。例えば、工業用消石灰をはじめ、水硬性
及び気硬性の別なく各種の水酸化カルシウムを用いるこ
とができる。また着色等の処理を施した消石灰を使用す
ることもできる。
【0016】塗料組成物中の消石灰の配合割合は、貯蔵
安定性や塗装作業性並びに成膜性等といった水性塗料と
して要求される性能、具体的には前述するJIS K 5663-1
995に規定の少なくとも2種ペイントの性質を充足する
範囲であれば特に制限されず、塗料組成物の固形分10
0重量%あたりの配合割合が30〜80重量%となるよ
うな範囲から適宜選択することができる。好ましくは4
0〜70重量%、より好ましくは50〜70重量%であ
る。
【0017】また本発明で用いられるポリマー成分は、
消石灰と混和性があるものであればよく、酢酸ビニル
系、ポリアクリル酸エステル系、アクリル−スチレン共
重合体系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、酢酸ビニ
ル−アクリル共重合体系、エチレン−塩化ビニル共重合
体系、酢酸ビニル−ベオバ共重合体系、スチレン/ブタ
ジエン系、エポキシ系及びウレタン系等のポリマーが含
まれる。当該ポリマー成分は塗料組成物中の消石灰同士
の接着強度、消石灰と後述する添加剤との接着強度、並
びに塗料組成物と被塗布物との接着強度を高め、その結
果として、被塗物表面に積層された塗膜層(被覆層)の
ひび割れを防止し、建材の靱性を向上させる働きを有し
ている。
【0018】好ましいポリマー成分としては、アクリル
樹脂系(ポリアクリル酸エステル系、アクリル−スチレ
ン共重合体系等)、酢酸ビニル系、スチレン/ブタジエ
ンゴム系等の合成ポリマーを挙げることができる。これ
らのポリマー成分は上記性質を有するものであれば、そ
の分子量、重合度、粘度等を特に制限するものではな
い。またこれらは1種単独で、または2種以上を任意に
組み合わせて用いることができる。また消石灰に配合さ
れるポリマー成分の形態は特に制限されず、エマルジョ
ン形態及び粉末形態等のいずれの態様であってもよい。
エマルジョンとして配合する場合、エマルジョンは重合
性不飽和二重結合を有するモノマーをエマルジョン重合
して得られるもの、または、予め合成した樹脂を水系分
散媒に分散剤を使用して分散したものの何れでもよく、
さらに粉末型のポリマーを水等に分散して調製したもの
を挙げることができる。
【0019】ポリマー成分の配合割合は、貯蔵安定性や
塗装作業性並びに成膜性等といった水性塗料として要求
される性能、具体的には前述するJIS K 5663-1995に規
定の少なくとも2種ペイントの性質を充足する範囲であ
れば特に制限されず、使用するポリマー成分の種類に応
じて適宜定めることができる。具体的には、消石灰10
0重量部に対するポリマー成分の配合割合として、通常
10〜70重量部(固形換算)の範囲から選択調整する
ことができる。好ましくは10〜50重量部、より好ま
しくは20〜40重量部、更に好ましくは25〜35重
量部である。
【0020】本発明においては、上記消石灰及びポリマ
ー成分に加えて、更に顔料並びに各種の添加剤を配合す
ることができる。かかる添加剤としては、例えば無機材
料、無機細骨材、消泡剤、増粘剤、レオロジー調整剤、
分散剤、界面活性剤、湿潤剤、可塑剤、防腐剤などを例
示することができる。
【0021】顔料としては、水性塗料に用いられるもの
であれば特に制限されず、いずれの顔料をも採用するこ
ともできるが、好ましくは無機顔料を挙げることができ
る。かかる無機顔料としては、酸化チタン,亜鉛華,リ
トポン,アンチモン白等の白色顔料:カーボンブラック
や酸化鉄等の黒色顔料:カドミウムレッド,べんがら,
モリブデンレッド等の赤色顔料:黄鉛,チタンイエロ
ー,カドミウムイエロー,酸化鉄等の黄色顔料:酸化ク
ロムやチタンコバルトグリーン等の緑色顔料:群青など
の青色顔料:タルク,カオリンクレー,水酸化アルミニ
ウム,炭酸カルシウム,ベントナイトなどの体質顔料を
例示することができる。本発明の塗料組成物中に配合す
る顔料の割合は特に制限されず、所望の色彩(明度、色
度、彩度)に応じて適宜選択調整することができる。
【0022】顔料として好ましくは酸化チタンを挙げる
ことができる。酸化チタンはルチル形及びアナターゼ形
の別を特に問わないが、一般にルチル形のほうがアナタ
ーゼ形よりも耐光性や隠蔽力が優れている。また粒径及
び形状も特に制限されず、市販品の中から目的に応じて
適宜選択することができるが、一般に酸化チタンとし
て、粒径0.2〜0.5μmの略球状形のものや0.0
1〜0.05μmの超微粒子のもの、並びに紫外線吸収
用板状酸化チタン等が知られている。
【0023】酸化チタンを配合する場合、その配合割合
は、消石灰100重量部に対する割合として2〜30重
量部、好ましくは4〜20重量部、より好ましくは8〜
15重量部の範囲を挙げることができる。
【0024】酸化チタンをかかる割合で塗料組成物に配
合することにより、本発明の塗料組成物はより少ない塗
布量で被塗面を隠蔽することができ、しかもかかる少量
の塗料で形成された塗膜は、薄塗膜ながら所望の外観や
物性を有しており、調湿性やそれに伴う結露防止性等の
機能を発揮させることも可能である。
【0025】このような塗膜は、本発明の塗料組成物を
1m2あたり固形重量換算で少なくとも100g使用す
ることによって達成することができる。調湿性等の塗膜
機能は塗料組成物の塗布量を増すに従って向上するた
め、かかる機能に鑑みれば、本発明は塗料組成物の塗布
量の上限を制限するものではない。しかしながら、塗料
の成膜性、コスト並びに塗装作業性等を考慮すれば、本
発明の塗料組成物は1m 2あたり固形重量換算で100
g〜1000g、好ましくは100〜500g、より好
ましくは200〜300gの塗布量を用いることが望ま
しい。
【0026】本発明の塗料組成物は、形成される塗膜の
隠蔽力が500μ以下、好ましくは300μ以下、より
好ましくは200μ以下、更に好ましくは100μ以下
となるように調整することができる。なお、本発明にお
いて隠蔽力とは、その素地に色を認識し得なくなる最小
膜厚さのことであり、具体的には黒白板上に塗装した塗
膜を通して肉眼で観察した場合に下地の黒白の判別が不
可能となる最小膜厚を意味する。
【0027】無機材料としては、例えば炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウム及び水酸化バリウムなどを挙げること
ができる。無機材料を配合する場合、その配合割合は適
宜設定することができるが、消石灰100重量部に対し
て5〜100重量部の範囲を例示することができる。
【0028】無機細骨材としては、例えば珪砂、寒水
砂、マイカ、セラミックサンド、ガラスビーズ、パーラ
イト、バーミキュライトなどを挙げることができる。こ
れらの粒度は特に制限されないが、60〜130メッシ
ュ、または80〜100メッシュの範囲を例示すること
ができる。無機細骨材を配合する場合、その配合割合は
適宜設定することができるが、消石灰100重量部に対
して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部、
より好ましくは20〜30重量部の範囲を例示すること
ができる。
【0029】消泡剤としては、通常塗料や建築用吹き付
け材に配合して用いられるものであれば特に制限され
ず、いずれをも採用することもできる。例えば、オクチ
ルアルコール、グリコール誘導体、シクロヘキサン、シ
リコン、プルロニック系界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル等の各種の抑泡剤及び破泡
剤を挙げることができる。これらの配合割合も、適宜選
択でき制限はされないが、通常消石灰100重量部に対
して0.01〜5重量部を範囲、特に0.1〜2重量部
の範囲を例示することができる。
【0030】増粘剤としてはメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース等のセルロース系;サッカロース、グルコースな
どの多糖類;アクリル系;その他、アルミニウムステア
レート、ジンクステアレート、有機ベントナイト、シリ
カゲル、ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ケ
イ酸系、ベントナイト、カゼイン酸ソーダ等を例示する
ことができる。
【0031】また本発明の塗料組成物には更に珪藻土ま
たはゼオライト(合成ゼオライトを含む)を配合するこ
ともできる。珪藻土は漆喰と同様に有害物質を含まない
自然素材として注目されている素材であり、珪藻土やゼ
オライトを配合することによって塗膜の調湿性や結露防
止性を向上改善したり、断熱性や脱臭効果等の諸機能性
を付与することができる。
【0032】本発明の塗料組成物は、固形分あたり、そ
れぞれ固形重量換算で、消石灰を30〜80重量%、好
ましくは40〜70重量%、より好ましくは50〜70
重量%;ポリマー成分を3〜55重量%、好ましくは4
〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の割合
で含むことが好ましく、さらに必要に応じて顔料を1〜
15重量%、好ましくは2〜10重量%、より好ましく
は3〜8重量%の割合で含むことが好ましい。これらの
成分は、本発明の塗料組成物の固形分含有量が塗料組成
物100重量%あたり40〜80重量%、好ましくは5
0〜70重量%となるように配合調整される。
【0033】本発明の塗料組成物は、従来漆喰壁材にひ
び割れ防止を目的に配合されていた、麻、和紙、しゅ
ろ、木材パルプ、合成繊維及びガラス繊維といった各種
の繊維素材を配合しなくても、ひび割れすることなく靱
性及び成膜性に優れた塗膜が形成できることを1つの特
徴とするものである。
【0034】一般に塗料中の繊維素材の存在は、塗装に
際してスプレーやガンの吐出口が閉塞するという問題や
塗着工程後にコテ押さえを必要とするといった施工性
(塗装作業性)の悪さ、塗装後に塗膜表面が毛羽立った
り塗布面が不均一となる外観上並びに成膜性の問題、及
び塗膜が可燃性(易燃性)となるといった機能の低下を
伴う傾向があり望ましくない。よって、低塗布量で美観
並びに成膜性に優れた薄塗膜を形成するためには、繊維
素材を含まない塗料組成物であることが好ましい。しか
しながら、塗装作業性、成膜性並びに塗膜の外観等に影
響を与えない範囲であれば、本発明はその塗料組成物中
に繊維素材を含むことをなんら制限するものではない。
【0035】本発明の塗料組成物は、上記各成分と水を
混合して塗料の常套方法、例えば塗料調合用機器(ミキ
サー、シェーカー、ミル、ニーダーなど)を用いて混合
することにより、消石灰、ポリマー成分及び顔料等を水
中に安定に分散させて、スプレー液、スラリー、または
パテ等の各種形態の塗料として調製することができる。
混合は通常20〜95℃で行うことができる。
【0036】この際、塗料組成物は、例えばスプレー塗
り(エアスプレー、エアレススプレーなど)、刷毛塗
り、ローラー塗り、パテ塗り、コート塗りなどの各種塗
装方法に応じて所望の粘度を有するように調製すること
が好ましく、塗装作業性、レベリング、塗膜外観等を考
慮して好ましい粘度範囲を適宜選択調製することができ
る。通常、常温で100〜60000センチポイズの範
囲となるように調製される。例えば、液状の塗料組成物
の粘度としては、刷毛塗り、ローラー塗りまたはスプレ
ー塗りに適するように常温で300〜3000センチポ
イス、好ましくは500〜2000センチポイズ、より
好ましくは700〜1300センチポイズ、さらに好ま
しくは800〜1000センチポイズの範囲を挙げるこ
とができる。またパテ状の塗料組成物の粘度としては、
制限されないが、常温で20000〜60000センチ
ポイズ、好ましくは30000〜50000センチポイ
ズ、より好ましくは40000〜50000センチポイ
ズの範囲を挙げることができる。
【0037】本発明の塗料組成物は、各種建築物の天井
や壁(内・外壁)等の下地や基材の塗装、並びに無機基
材や有機基材からなる建材等の各種基材の塗装に使用す
ることができる。また、本発明の塗料組成物は常法に従
って塗装した後に、凹凸模様付けローラーで模様付けを
行ったり、塗膜表面を処理することによってさらに意匠
仕上げを施すこともできる。 (2)塗装物 また、本発明は上記塗料組成物を塗布してなる塗装物を
提供する。
【0038】本発明の塗料組成物を塗布する基材(被塗
物)としては、特に制限されることなく、紙、各種繊維
からなる不織布または織布(繊維質シート)、及び各種
のボード等を挙げることができる。なお、かかる基材は
表面がシーラー処理等の各種処理がなされていてもよ
い。
【0039】紙としては、和紙、洋紙(上質紙、中質
紙)、クラフト紙、薄葉紙、裏打紙、樹脂含浸紙等、ボ
ール紙、厚紙等のいずれであってもよく、例えば難燃処
理を施した紙であって壁紙の施工に適したもの、例えば
難燃性裏打紙や不燃紙等も包含される。繊維質シートと
しては、例えば天然繊維;ガラス繊維;またはポリプロ
ピレン、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ビニロン等の合成繊維などを構成素材として得られ
る多孔性の織布や不織布、編み物等を挙げることができ
る。なお、上記素材は、1種単独で用いられても、また
2種以上を任意で組み合わせて用いることもできる。ボ
ードとしては、例えば建築用の内装(室内の壁や天井
等)や外装に用いられるボードを広く挙げることができ
る。具体的には、木質板、合板、中密度繊維板、プラス
チック板、セメントモルタル、コンクリート板、PCパ
ネル、ALCパネル、石綿スレート、石膏ボード、パー
ティクルボード、発泡セメントボード、木片セメント
板、ケイ酸カルシウムボードなどを例示することができ
る。好ましくは、石膏ボード、石膏パーティクルボー
ド、木質板、中密度繊維板、プラスチック板等である。
【0040】基材への塗料組成物の塗布方法は、特に制
限されず、ロールコーターやフローコーター、ハケやロ
ール等を用いる塗付け方法及びスプレーや各種ガンを用
いた吹きつけ方法を挙げることができる。一例として圧
縮空気を用いたスプレー塗装によれば、例えば、まず適
量の水で適当な粘度に調製した塗料組成物のスプレー液
若しくはスラリーを基材の一面に吹き付ける。この吹き
付けによって、塗料組成物は基材の表面に塗膜を形成し
基材と一体化する。この際、塗料組成物に含まれるポリ
マー成分が消石灰などの成分を強固に結合させるととも
に、塗料組成物を基材表面に抱合させて、塗膜層と基材
を一体化する。これにより層間剥離が防止できる。次い
で、基材に塗布された塗料組成物を乾燥、硬化させる。
かかる方法は、基材に塗料組成物を塗布後、自然乾燥ま
たは通風乾燥に供することにより簡便に行うことができ
る。なお、本発明の塗装物は必要に応じてさらに形成さ
れた塗膜層の表面を凹凸模様付きローラー等で意匠を施
したりヤスリや各種研磨機で研磨ずりして仕上げること
もできる。
【0041】本発明の塗料組成物から形成される塗膜の
厚さは、基材の塗布面が十分に隠蔽被覆される厚さであ
れば特に制限されない。本発明の塗料組成物は、形成さ
れる塗膜の隠蔽力が前述するように500μ以下となる
ように調整することができるものである。よって、膜厚
として500μ以上の厚さ、好ましくは300μ以上、
より好ましくは200μ以上、更に好ましくは100μ
以上の厚さを挙げることができるが、コスト、塗装作業
性及び成膜性、並びに調湿性等といった塗膜の物性や機
能等に鑑みれば、通常0.1〜3mm、好ましくは0.
2〜2mm、より好ましくは0.3〜1.5mm、さら
に好ましくは0.5〜1mmの範囲を例示することがで
きる。
【0042】本発明の塗料組成物から形成される塗膜を
有する塗装物は、調湿性(吸湿性及び放湿性)に優れ、
高い結露防止効果を発揮するとともに、漆喰特有の質感
(色、つや、きめ細かさ等の外観やテクスチャー)を呈
する。またかくして製造される塗装物は、直射日光、斜
光、照明、陰影等の建材が配置される場所の種々の光に
対しても吹きむら、色むら及び艶むら等の不都合を生じ
ず、常に一定の色、艶及びきめを有した外観を呈してい
る。塗装物のかかる性質は、壁材、天井材等の各種建材
に有用である。
【0043】一般にボードやクロスなどの建材の場合、
施工後の建材間の継目や接合部の処理が問題となりやす
い。繊維素材を含まない本発明の塗料組成物を塗布して
調製された塗装物(建材)によれば、壁などに施工後、
建材の継目や接合部の塗膜表面を研磨ずりすることによ
り周囲の塗膜層と殆ど区別できないほどに連続的かつ均
一に仕上げることができる。また繊維素材を含まない本
発明の塗料組成物を塗布して調製された塗装物(建材)
によれば、壁などに施工された後の修繕が簡便にできる
という利点もある。すなわち、施工後に建材に傷や汚れ
が生じた場合、繊維素材を含まない本発明の塗料組成物
を使用してその損傷部だけを部分的に修繕することが可
能である。かかる修繕は、具体的にはまず損傷部を削
り、該部分に周辺塗膜層と同じ組成であって含水率を低
減して粘度を高くした本発明の塗料組成物を充填し、養
生硬化後、必要に応じて表面を研磨ずりすることによっ
て行うことができる。研磨ずりすることによって損傷部
が他周辺領域と区別できないほどに修復修繕することが
可能となる。
【0044】また、これは建材の施工(内外装の施工)
においても有用である。すなわち、本発明の塗装物(建
材)とくに内外装パネルを壁下地材に釘やビス打ち施工
する場合、釘(ビス)打ちによって形成された建材表面
の釘頭凹部に、上記のように比較的粘度の高い塗料組成
物(パテ)を充填し、また必要であればその上からさら
に塗料組成物(スプレー液、スラリー)を塗布して、養
生硬化し、更に必要に応じて該塗膜表面を研磨ずりする
ことによって、釘打ち部がほとんどわからぬように施工
することが可能となる(図1参照)。これによって、接
着剤による建材の貼着が回避できる。 (3)建築内外装の施工方法 更に本発明は、上記塗料組成物または塗装物(建材)を
用いた建築物内装・外装の施工方法に関する。本発明の
施工方法としては、下記の実施態様を挙げることができ
る。 A.建築下地材の表面に、上記本発明の塗料組成物を塗
布し、乾燥後、必要に応じて塗膜面を研磨ずりすること
を特徴とする塗装方法。 B. (i)建築下地材に本発明の建材を複数連設する工
程、(ii)各建材の接合部に、本発明の塗料組成物を充填
若しくは塗布して乾燥する工程、及び(iv)必要に応じ
て、塗膜面を研磨ずりする工程を含む、建築物内外装の
施工方法。 C.(i)建築下地材に本発明の建材を複数連設する工
程、(ii)必要に応じて、各建材の接合部に本発明の塗料
組成物を充填若しくは塗布する工程、(iii)該接合部を
補強部材で覆う工程、(iv)該補強部材上に本発明の塗料
組成物を塗布して乾燥する工程、及び(v)必要に応じ
て、塗膜面を研磨ずりする工程を含む、建築物内外装の
施工方法。
【0045】本発明の建築内外装の施工方法には、建
築物の内外壁や天井の下地材(内外壁下地材)に直接、上
記本発明の塗料組成物を塗布積層する方法、並びに内
外壁下地材に本発明の建材(クロス、パネル、ボード)
を貼着または配設する方法が含まれる。
【0046】の施工方法は、具体的には、建築物の内
外壁下地材の表面に、直接前記本発明の塗料組成物、好
適には常温での粘度が300〜3000センチポイズ、
好ましくは500〜2000センチポイズ、より好まし
くは700〜1300センチポイズの塗料組成物を塗布
して、固化するまで乾燥し、次いで必要に応じて内外壁
下地材上に積層された塗膜層の表面を研磨ずりすること
によって、行うことができる。
【0047】また、の施工方法は、建築物の内外壁下
地材もしくは下地材に設けられた内外壁枠や下桟等に前
記本発明の塗装物(クロス、パネル、ボードなどの建
材)を、各側端面同士を当接して配置する工程、各建材
の接合部の表面領域に本発明の塗料組成物、好適には常
温での粘度が300〜3000センチポイズ、好ましく
は500〜2000センチポイズ、より好ましくは70
0〜1300センチポイズの塗料組成物を塗布して固化
するまで乾燥し、次いで必要に応じて当該塗膜層領域の
表面を研磨ずりすることによって行うことができる。
【0048】建材として内外装パネルを用いる場合、各
パネルの連設態様は特に制限されないが、一例として図
2に示す連設方法を挙げることができる。具体的には、
垂直な側面を有するパネルの該側面同士を当接して連設
することにより平坦なパネル面を形成する突付け張り法
(図2(a))、少なくとも表面側に面取り斜面を有す
る内外装パネルを各々その側面同士を当接して連設し
て、該連設部においてV字状の溝を有するパネル面を形
成する突付けV形みぞ張り法(図2(b))、辺部がお
互いに相じゃくり、又は相じゃくりざね又は本ざね等の
仕口を形成してなる内外装パネルを各々その側面同士を
当接して連設して、該連設部において角溝を有するパネ
ル面を形成する突付け張りもしくは目透かし張り法(図
2(c))を例示できる。
【0049】図2(b)及び(c)のようにパネルの接
合部分に溝が形成される場合は、上記塗料組成物の塗布
に先立って接合部の該溝部に塗布した塗料組成物と同じ
組成の粘度の高い(低含水率)塗料組成物、好適には常
温で20000〜60000センチポイズ、好ましくは
30000〜50000センチポイズ、より好ましくは
40000〜50000センチポイズの粘度を有する塗
料組成物をシール材として充填することが好ましい。ま
た、塗料組成物の塗布に先立って、パネル間の接合部を
補強部材で被覆することもできる(図3、図4)。
【0050】補強部材としては、織布、不織布、セラミ
ックペーパー、合成紙、メッシュ、寒冷紗などのテープ
状部材を例示することができ、これらはそのまま、ある
いはこれに目止め塗料、樹脂などを塗布して、あるいは
フィルムをラミネートして使用することができる(図
3)。また、補強部材として、断面略T字型若しくは略
エ字型のプラスチック製もしくは金属製のジョイナーを
用いることもできる(図4)。
【0051】本発明の施工方法によれば、特に仕上げ工
程における塗装または研磨ずりによって、クロスやパネ
ル等の建材の接合部において、その継目が目立つことな
く、建材表面を実質上均一乃至連続した綺麗な状態にす
ることができ、美観の良好な内外装を施すことが可能と
なる。 (4)建築内外装の修復方法 また本発明は、上記建材または塗料組成物を用いた建築
物内装・外装の施工面の修復方法に関する。かかる修復
・修繕方法の実施態様としては下記のものを挙げること
ができる。
【0052】消石灰、ポリマー成分及び水を含有し繊維
素材を含まない本発明の塗料組成物を塗布して形成され
る塗膜層を表面に有する壁面の損傷部を修復する方法で
あって、(i) 必要であれば該損傷部の塗膜層を削りとる
工程、(ii) 壁面損傷部に本発明の塗料組成物を充填若
しくは塗布して乾燥する工程、及び(iii)必要に応じ
て、当該塗膜面を研磨ずりする工程を含む、建築物内外
装壁面の修復方法。
【0053】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、JIS 5663-1995
に規定される合成樹脂エマルションペイントの少なくと
も2種(屋内用ペイント)の品質を備える、消石灰を主
成分とする一液型塗料である。従って、事前に工場など
で1液に調合したものを容器に充填して提供できるた
め、現場での調合の手間を省くことができ、また塗装後
残ったものは再び容器に戻して貯蔵できる利点を有する
ものである。また本発明の塗料組成物は、主に消石灰と
いう自然素材から調製されるものであるため、「化学物
質過敏症」や「シックハウス症候群」等が問題となって
いる今日において人に優しい屋内塗料として有用であ
る。
【0054】また本発明の塗料組成物は、水性塗料であ
りながら、消石灰を含有することによって、調湿性及び
結露防止性といった機能を発揮する。このため、マンシ
ョン等のセメント張り内壁や高湿度となる押入の塗料若
しくは建材用塗料として極めて有用である。また、特に
酸化チタンを顔料として含む本発明の塗料組成物は、調
湿性を損なうことなく、低塗布量で500μ以下、より
好ましくは200μ以下といった優れた隠蔽力を有し、
しかも成膜性(歩留まり、耐ひび割れ性、可撓性、外観
性)に優れているため、低コストで調湿性等の有用な機
能を有する薄塗膜を形成することができる。また、本発
明の塗料組成物は、従来消石灰を主成分とする漆喰には
必須であったスサなどの繊維素材を配合しなくても、成
膜性(歩留まり、耐ひび割れ性、可撓性、靱性)に優れ
ており、これによってさらに塗装作業の簡便化を図るこ
とができるものである。
【0055】従って、本発明の塗料組成物は、低コスト
性、施工の簡便性、美観性、機能性等の点からきわめて
商品価値の高い塗料組成物である。また本発明の塗料組
成物は、クロス間またはパネル間の継目の隠蔽処理にも
好適に使用でき、また薄塗膜化が可能であることから内
外装壁面の修復・修繕にも有用であり、この点からも新
規施工並びにリフォーム施工にも幅広く使用できる商品
価値の高い塗料組成物である。
【0056】
【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて
具体的に説明する。ただし、これらの実施例は本発明の
一態様にすぎず、本発明はこれらの例に何ら限定される
ものではない。実施例1 消石灰 40 (100 %) アクリル樹脂エマルジョン 32 ( 40 %) (ポリトロンA-1450、旭化成) 酸化チタン(EP-498、大日精化) 5 (12.5%) 増粘剤(SP-600、ダイセル化学) 0.3 消泡剤(KM-70、信越化学) 0.3 防腐剤(PL-600、東京ファインケミカル・大和化学) 0.9 水 残 部 全 量 100.0重量部 上記成分を塗料調合用ミキサーに入れて撹拌することに
より固形分及び樹脂成分を水に安定に分散させて、本発
明の一液型水性塗料組成物(粘度800cps(25℃)B型粘
度計;固形分含有率62.5%)を調製した。尚、上記アク
リル樹脂エマルジョン(アクリル−スチレン系)は固形
分を50重量%の割合で含むものを使用した。上記処方
において、かっこ内の数値は消石灰を100重量%とし
た場合のアクリル樹脂エマルジョン(固形分)及び酸化
チタンの配合割合を示すものである。
【0057】実施例2 消石灰 40 (100 %) アクリル樹脂エマルジョン 16 ( 20 %) (ポリトロンA-1450、旭化成) 酸化チタン(EP-498、大日精化) 5 (12.5%) 増粘剤(SP-600、ダイセル化学) 0.3 消泡剤(KM-70、信越化学) 0.3 防腐剤(PL-600、東京ファインケミカル・大和化学) 0.9 水 残 部 全 量 100.0重量部 上記成分を塗料用ミキサーに入れて撹拌することにより
固形分及び樹脂成分を水に安定に分散させて、本発明の
一液型塗料組成物(粘度800cps(25℃)B型粘度計;固
形分含有率54.5%)を調製した。尚、上記アクリル樹脂
エマルジョンは固形分を50重量%の割合で含むものを
使用した。
【0058】実施例3 消石灰100重量部に対して、アクリルエマルジョン系
樹脂(ポリトロンA−1450、旭化成社製)を40重
量部(固形換算)の割合で含む組成物に水を入れて混練
りして、塗料組成物(粘度800cps(25℃)B型粘度計)
を調製した。
【0059】実施例4 消石灰100重量部に対して、アクリルエマルジョン系
樹脂(ポリトロンA−1450、旭化成社製)を40重
量部(固形換算)及び酸化チタンを12重量部の割合で
含む組成物に水を入れて混練りして、塗料組成物(粘度
800cps(25℃)B型粘度計)を調製した。
【0060】実施例5 消石灰100重量部に対して、アクリル樹脂エマルジョ
ン(ポリトロンA−1450、旭化成製)33重量部
(固形換算)からなる組成物に水を入れて塗料用ミキサ
ーで固形分が安定に分散するように撹拌して、本発明の
塗料組成物(粘度800センチポイズ、25℃)を調製
した。これをエアレススプレー用ガンに入れて、難燃性
裏打紙(坪量40g/m2)の一面に満遍なく吹き付
け、自然乾燥によって塗膜を形成した。固化後、紙やす
りで紙表面に形成された塗膜層の表面を研磨紙ずりし
て、厚さ1mm程度の塗膜層を有する建築用内装材(ク
ロス)を調製した。
【0061】得られた内装クロスは、直射日光、斜光、
照明及び陰影など、内装材が施工される可能性ある様々
の光に対して、いずれも吹きムラ、色ムラ及び艶ムラが
見られず、均一な外観を有していた。該内装シートに形
成された塗膜は隠蔽力、成膜性、可撓性並びに靱性に優
れており、シートを折り曲げてもひび割れを生じなかっ
た。さらに、室内の壁に施工後も、ひび割れすることな
く十分な耐久性を備えていた。また、該内装シートは、
吸湿性及び放湿性に優れており湿度80%の環境下にお
いても結露の発生を有意に防止することができた。さら
に、該シートの塗膜層の表面に直火を近づけても発火せ
ず、また煙も発生せず、耐燃性に優れていることが確認
された。
【0062】実施例6 消石灰100重量部に対して、アクリル樹脂エマルジョ
ン(ポリトロンA−1450、旭化成製)30重量部
(固形換算)、及び増粘材からなる組成物に水を入れて
塗料用ミキサーで固形分が安定に分散するように撹拌し
て、本発明の塗料組成物(粘度700センチポイズ、2
5℃)を調製した。これをエアレススプレーに入れて、
石膏ボード(タテ20cm×ヨコ20cm×厚さ1c
m、吉野石膏製)の一面に満遍なく吹き付け、通風乾燥
によって塗膜を形成した。固化後、紙鑢で紙表面に形成
された塗膜層の表面を研磨紙ずりして、厚さ2.5mm
の塗膜層を有する建築用内装材(パネル)を調製した。
得られた内装シートは、直射日光、斜光、照明及び陰影
など、内装材が施工される可能性ある様々の光に対し
て、いずれも吹きムラ、色ムラ及び艶ムラが見られず、
均一な外観を有していた。該内装パネルは、吸湿性及び
放湿性に優れており湿度80%の環境下においても結露
の発生を有意に防止することができた。さらに、該ボー
ドの塗膜層の表面に直火を近づけても発火せず、また煙
も発生せず、耐燃性に優れていることが確認された。
【0063】次いで得られた内装パネルを、室内の内装
壁材として、壁下地材に塗膜層を表にして釘で打付施工
した。釘頭が被覆層の内部に陥没するまで打ち付け、そ
れによって形成された釘頭凹部に、消石灰100重量部
に対して、アクリルエマルジョン系樹脂(ポリトロンA
−1450、旭化成製)30重量部(固形換算)、及び
増粘材からなる塗料組成物に水を入れてやや固めに混練
りしたパテ状塗料(粘度40000センチポイズ)を挿
入・充填し、固化後、釘打ち部及びその周辺部を紙鑢で
研磨して仕上げた。壁材として施工された内装材は、釘
打部(補修部)表面が紙やすりによる研磨ずりによって
毛羽立つこともなく、周辺部と区別できないほど一体化
してきれいに仕上がった。また、該内装パネルに塗布形
成された塗膜は、室内の壁に施工後も、ひび割れするこ
となく十分な靱性並びに可撓性を備えていた。
【0064】実験例1 実施例1で調製した塗料組成物をエアレススプレーに入
れて、石膏ボード(タテ40cm×ヨコ25cm×厚さ
5mm)の一面に満遍なく吹き付け、通風乾燥によって
固化させて、塗膜厚0.6mmのパネルを作成した。
【0065】かかるパネルを6検体用いて調湿試験を行
った。なお、塗膜層の調湿性を正当に評価するためにパ
ネルの側面及び裏面(塗料非塗布面)には防湿性シール
を施して水蒸気が透過しないようにした。具体的には、
本発明の建材パネルを相対湿度65%温度20℃の環境
下に放置して、水分吸収量がほぼ平衡に達する48時間
後に秤量し、次いで被検体を相対湿度98%温度20℃
の環境下に移して、再び水分吸収率がほぼ平衡に達する
48時間後に秤量して単位表面積(1m2)あたりのパ
ネルの水分吸収量を求めた。次に吸湿試験後の検体を同
様に相対湿度65%温度20℃の環境下に移して、24
時間放置した後に秤量して単位表面積(1m2)あたり
のパネルの水分吸収量を求めた。そして、これらの実験
における水分吸収量の差をそれぞれ吸湿量及び放湿量と
して評価した。
【0066】結果を比較品として用いた塩化ビニル製の
壁紙(タテ40cm×ヨコ25cm)の調湿効果と併せ
て、表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】なお、表中の表示は下記のことを意味す
る。 20℃65%重量(g/m2)*1:20℃65%RH 48時間放置後の1m2
あたりの重量 20℃65%重量(g/m2)*2:20℃65%RH 24時間放置後の1m2
あたりの重量 20℃98%重量(g/m2) :20℃98%RH 48時間放置後の1m2
たりの重量 吸湿性 (g/m2) :20℃98%重量 − 20℃65%重量*1 放湿性 (g/m2) :20℃98%重量 − 20℃65%重量*2 このことから、本発明の塗料組成物を塗布して形成され
る塗膜には優れた調湿機能(吸湿性、放出性)があるこ
とが確認された。
【0069】実験例2 実施例1及び2で調製した塗料組成物(塗料1及び2)
について、日本工業規格JIS K 5400に規定されている方
法に基づいて、(1)容器の中での状態(JIS K 5400の4.1
(2))、(2)塗装作業性(JIS K 5400の6.1)、(3)低温安
定性(JIS K 5400の5.1)について調べ、さらに形成さ
れた塗膜について、(4)乾燥時間(JIS K5400の6.5)、
(5)塗膜の外観(JIS K 5400の7.1)、(6)隠蔽率(JIS K
5400の7.2)、(7)耐アルカリ性(JIS K 5400の8.2
1)、(8)耐洗浄性(JIS K 5400の8.11)、(9)耐水性(J
IS K 5400の8.19)及び(10)促進耐候性(JIS K 5400の
9.8.1)の各項目について調べた。なお各項目の試験方
法並びに評価は、全てJIS K5663-1995に規定されている
方法に準拠した。
【0070】(1) 容器の中での状態(JIS K5663-1995の
5.3) 塗料を容器(金属製内面コート缶)に充填し、室温で2
4時間以上静置した後、容器の蓋を開け棒で中身をかき
混ぜて塗料の状態を調べた。かき混ぜたときに、堅い塊
がなくて中身全体が一様になる場合を「良好」、塊はな
いが一様になりにくい場合を「普通」、塊を認める場合
を「不良」とした。
【0071】(2) 塗装作業性(JIS K5663-1995の5.4) 試験板(フレキシブル板、500×200×3mm)の平滑な面
に塗料をそれぞれ刷毛で一様に塗り(1回目、塗布量:1
0〜13mml/1枚)、6時間おいてから2回目の刷毛塗り
(塗布量:9〜11mml/1枚)を行い、2回目を塗る際の
刷毛運びの困難性の有無から塗装作業性を評価した。2
回目を塗る際の刷毛運びが困難でない場合を「2回塗り
で塗装作業に支障がない」として評価を「良好」とし、
刷毛運びの困難性に応じて順次「普通」、「不良」とし
た。
【0072】(3) 低温安定性(JIS K5663-1995の5.5) 塗料を容器(金属製内面コート缶)にほぼ一杯に満たし
て密閉し、温度−5±2℃の低温恒温器中に18時間収
納した後、取り出して室温下に6時間放置する操作を3
回繰り返した。次いで、容器の蓋を開けて中の塗料を棒
でかき混ぜて一様になるかどうかを調べた。また、前述
する(2)の方法に準じて塗装作業性を調べた。具体的
には、低温恒温器に入れる前の塗料で1回塗りし、低温
安定性を調べた処理塗料を用いて2回塗りを行い、2回
目の刷毛運びの困難性を評価した。さらに、上記塗装作
業性試験の終わった試験板を24時間乾燥して、形成され
た塗膜の外観を評価した。塗料が容易に一様となり、塗
装作業性と塗膜の外観に異常がないとき「−5℃に冷や
したときに変質しない」として評価を「良好」とし、順
次不良の程度に応じて「普通」及び「不良」とした。
【0073】(4) 乾燥時間(JIS K5663-1995の5.6) 塗料をガラス板(200×100×2mm)の片面に隙間100μ
mのB形フィルムアプリケータを用いて塗布し、これを
20±1℃、湿度65±5%の恒温恒湿室に入れて、塗
膜が半硬化状態(塗面の中央を指先で静かに軽くこすっ
て塗面に擦り傷がつかない状態)まで乾燥する時間を測
定した。
【0074】(5) 塗膜の外観(JIS K5663-1995の5.7) 上記(2)塗装作業性の試験で塗料を塗布した試験板を24
時間乾燥させて、拡散昼光の下で塗面を肉眼でみて、刷
毛目の程度の大きさ、穴や弛みの有無、塗膜表面の一様
性(むらなし)を評価した。刷毛目の程度が大きくな
く、穴や弛みがなく、塗膜表面が一様(むらなし)であ
るとき、「塗膜の外観が正常である」として評価を「良
好」とし、順次不良の程度に応じて「普通」及び「不
良」とした。
【0075】(6) 隠蔽率(JIS K5663-1995の5.8) 隠蔽率試験紙をガラス板の上に固定し、その上に塗料を
隙間150μmのB形フィルムアプリケーターを用いて塗
り、24時間放置して乾燥させた。試験紙の白地と黒地の
上に形成された塗膜の視感反射率を反射率測定装置を用
いて、試験片の3カ所について測定した。得られた視感
反射率から下記の式から隠蔽率を求めた。
【0076】
【数1】
【0077】(7) 耐アルカリ性(JIS K5663-1995の5.1
0) 試験片:予め周辺及び裏面を同種の塗料で2〜3回
塗り包んでおいたフレキシブル板(150×70×3mm)の表
面に塗料を刷毛で1±0.1ml/100cm2 の割合で一様に
塗り、6時間後、同様に更に1回塗って5日間乾燥し、
次いで試験板の周辺及び裏面をパラフィンで被覆して、
試験片とした(3枚準備、うち1枚は原状試験片)。 上記試験片を水酸化カルシウム飽和溶液(20±1
℃)中に18〜48時間浸漬し、2枚の試験片について
溶液から取り出した直後と2時間後の観察で、塗膜の状
態を原状試験片との比較で評価した(膨れ、割れ、剥が
れ、穴、軟化、色、艶)。 評価:48時間または18時間の浸漬処理で、試験片2
枚の塗膜に膨れ、割れ、剥がれ、穴、軟化を認めず、更
に浸漬溶液の着色や濁りがなく、原状試験片と比べて艶
の変化や変色の程度が大きくない時を、それぞれ「48時
間浸したとき異常がない」として評価を「良好」、また
は「18時間浸したとき異常がない」として評価を「良」
とした。
【0078】(8) 耐洗浄性(JIS K5663-1995の5.11) 試験片:フレキシブル板(430×170×5mm)の中央部
の長辺の長さ約400mmに隙間150μmのB形フィルムアプ
リケーターで塗料を塗り、塗面を上向きにして7日間乾
燥したものを試験片とした(2枚準備)。 ウォッシャビリティーマシンを用いて、0.5%の石鹸
水で濡らした試験片(2枚)の塗膜面をブラシで往復
(100回〜500回)して擦り、その後試験片を試験機から
外して水で洗い、ブラシで擦った跡の中央にあたる長さ
100mmの部分の塗膜を拡散昼光の下で、塗膜の破れや摩
滅の有無を目視で調べた。 評価:500回以上のブラシ往復で、試験片2枚とも中
央部分の塗膜が破れまたは摩滅によって試験片の素地の
露出が認められない場合を「500回の洗浄に耐える」と
して評価を「良好」とし、また100回以上の往復で試験
片の素地の露出が認められない場合を「100回の洗浄に
耐える」として評価を「良」とした。
【0079】(9) 耐水性(JIS K5663-1995の5.9) 上記(7)耐アルカリ性試験で使用した試験片と同じもの
を使用して(2枚)、これを脱イオン水(20±1℃)に
96時間浸漬して、試験片2枚について溶液から取り出
した直後と2時間後の観察で、塗面の状態を評価した
(シワ、膨れ、割れ、剥がれ、色、艶)。
【0080】(10) 促進耐候性(JIS K5663-1995の5.1
2)(サンシャインカーボンアーク灯式:JIS K 5400 9.
8.1) 試験片:予めJPIA-23の合成樹脂エマルジョンシーラ
ーで処理したフレキシブル板(150×70×3mm)に塗料
を2回一様に刷毛塗りし(一回につき塗布量:1.0±0.1
ml/cm2)、5日間乾燥して試験片とした(2枚、うち
1枚原状試験片)。尚、1回塗りと2回塗りとの間が6
時間とした。 サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験器(ブ
ラックパネル温度:63℃、降雨サイクル:120分間隔で
18分間)を用いて200時間照射して、原状試験片と
耐候試験片の塗膜を肉眼観察して、色むらと色つやの変
化の程度、白亜化・か膨れ・剥がれ・割れの有無を調べ
た。 白亜化度が8点以上で、膨れ、はがれ、割れがな
く、色の変化の程度が原状試験片に比べて大きくないと
きは、評価を「良好」とし、順次不良の程度に応じて
「普通」及び「不良」とした。
【0081】結果を表2に示す。
【0082】
【表2】
【0083】これらの結果から、本発明の塗料組成物
は、合成樹脂エマルジョンペイントの少なくとも2種、
特に1種の規格(JIS K5663-1995)を満たす塗料である
ことが確認された。
【0084】なお、実施例1において、消石灰100重
量部に対する顔料(酸化チタン)の割合を、6重量部、
8重量部、10重量部及び14重量部とした塗料組成物
をそれぞれ調製し、かかる塗料組成物の隠蔽率をJIS K5
400の7.2に従って同様にして調べた。その結果、いずれ
の塗料組成物も隠蔽率0.93以上を満たしていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建材の下地材へ配設方法を示す断面図
である。
【図2】本発明のパネルの連設態様を示す断面図であ
る。(a)は突付け張り、(b)は突付けV形みぞ張
り、及び(c)相じゃくりの仕口による目透かし張りを
それぞれ示す。
【図3】パネルの施工方法によって処理された(補強部
材として寒冷紗等のテープ材を使用)、パネル接合部を
示す断面図である。
【図4】パネルの施工方法によって処理された(補強部
材として略T字形ジョイナーを使用)、パネル接合部を
示す断面図である。
【符号の説明】
1.パネル基材 2.塗膜層 3.釘 4.塗料組成物(パテ)充填部 5.壁下地材 6.接合部 7.テープ材(補強部材) 8.ジョイナー(補強部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 125/14 C09D 125/14 131/04 131/04 Z E04C 1/40 E04C 2/26 Z 2/26 E04F 13/02 B E04F 13/02 E04C 1/40 D (56)参考文献 特開 昭53−3424(JP,A) 特開 昭50−49325(JP,A) 特開 昭59−142257(JP,A) 特開 昭55−80474(JP,A) 特開 平8−72195(JP,A) 特開 平9−85879(JP,A) 特開 平11−12066(JP,A) 特開 平6−9900(JP,A) 特開 昭47−34736(JP,A) 特開 昭50−123539(JP,A) 特開 昭50−110432(JP,A) 特開 平4−143356(JP,A) 特開 平4−68155(JP,A) 特開 昭53−132047(JP,A) 特開 平9−235852(JP,A) 特開 平7−196355(JP,A) 特開 平10−316902(JP,A) 特開 昭60−251161(JP,A) 特開 昭61−195171(JP,A) 特開 昭54−85226(JP,A) 特開 昭55−144061(JP,A) 特開 昭58−41746(JP,A) 特開 平4−30066(JP,A) 特開 昭53−149224(JP,A) 特開 平8−4250(JP,A) 特開 平11−350674(JP,A) 特開 平11−189453(JP,A) 特開 平11−100973(JP,A) 特開 平11−302575(JP,A) 特開 平10−259322(JP,A) 特開 平8−176473(JP,A) 特開 平7−172886(JP,A) 特開 平6−80905(JP,A) 特開 平6−40758(JP,A) 特開 平8−81250(JP,A) 特開 平4−213660(JP,A) 特開 平7−229264(JP,A) 特公 昭49−16352(JP,B1) 特許61959(JP,C2) 特許108633(JP,C2) 特許77189(JP,C2) 特許33717(JP,C1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/00 - 201/10 C04B 2/00 - 32/02 E04B 1/00 - 7/18 E04C 1/00 - 5/20 E04F 1/00 - 21/32

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消石灰、ポリマー成分、酸化チタン及び水
    を含有する塗料組成物であって、(a)消石灰の配合割合が30〜80重量%(固形換
    算)、 (b)ポリマー成分がアクリル−スチレン共重合体,酢
    酸ビニルポリマー及びスチレン/ブタジエンゴムに属す
    る群から選択される少なくとも1種の合成ポリマーであ
    って、消石灰100重量部に対する配合割合が10〜7
    0重量部(固形換算)、並びに (c)酸化チタンの消石灰100重量部に対する配合割
    合が2〜30重量部(固形換算)であり、しかも (d)塗液またはその乾燥塗膜の (1)容器の中での状
    態、(2)塗装作業性、(3)低温安定性、(4)塗膜の外観、
    (5)耐アルカリ性、(6)耐洗浄性、(7)隠蔽率が、JISK 56
    63-1995に規定される少なくとも2種ペイントの性質を
    満たすものである、建築物の天井,内壁,外壁、または
    建材用の塗料組成物。
  2. 【請求項2】繊維素材を含まないことを特徴とする請求
    項1記載の塗料組成物。
  3. 【請求項3】顔料を固形分あたり2〜10重量%(固形
    重量換算)の割合で含有する請求項1または2記載の塗
    料組成物。
  4. 【請求項4】酸化チタンの消石灰100重量部に対する
    配合割合が8〜15重量部(固形換算)である請求項1
    乃至3のいずれかに記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】ポリマー成分の消石灰100重量部に対す
    る配合割合が25〜35重量部(固形換算)である、請
    求項1乃至4のいずれかに記載の塗料組成物。
  6. 【請求項6】乾燥塗膜の隠蔽力が500μ以下である請
    求項1乃至5のいずれかに記載の塗料組成物。
  7. 【請求項7】粘度が常温で300〜3000センチポイ
    ズである請求項1乃至6のいずれかに記載の塗料組成
    物。
  8. 【請求項8】建材がクロス、ボードまたはパネルである
    請求項1乃至7のいずれかに記載の塗料組成物。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかに記載の塗料組
    成物から形成される塗 膜を有することを特徴とする建
    材。
  10. 【請求項10】建築下地材の表面に、請求項1乃至8の
    いずれかに記載の塗料組成物を塗布し、乾燥後、必要に
    応じて塗膜面を研磨ずりすることを特徴とする塗装方
    法。
  11. 【請求項11】 (i) 建築下地材に請求項9記載の建材
    を複数連設する工程、 (ii) 各建材の接合部に、請求項1乃至8のいずれかに
    記載の塗料組成物を充填若しくは塗布して乾燥する工
    程、及び (iii) 必要に応じて、塗膜面を研磨ずりする工程を含
    む、建築物内外装の施工方法。
  12. 【請求項12】(i) 建築下地材に請求項9記載の建材を
    複数連設する工程、 (ii) 必要に応じて、各建材の接合部に請求項1乃至8
    のいずれかに記載の塗料組成物を充填若しくは塗布する
    工程、 (iii) 該接合部を補強部材で覆う工程、 (iv) 該補強部材上に請求項1乃至8のいずれかに記載
    の塗料組成物を塗布して乾燥する工程、及び (v) 必要に応じて、塗膜面を研磨ずりする工程を含む、
    建築物内外装の施工方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至8のいずれかに記載の塗料
    組成物を塗布して形成される塗膜層を表面に有する壁面
    の損傷部を修復する方法であって、 (i) 必要であれば該損傷部の塗膜層を削りとる工程、 (ii) 壁面損傷部に請求項1乃至8のいずれかに記載の
    塗料組成物を充填若しくは塗布して乾燥する工程、及び (iii)必要に応じて、当該塗膜面を研磨ずりする工程を
    含む、建築物内外装壁面の修復方法。
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