JP2000313841A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JP2000313841A JP2000208332A JP2000208332A JP2000313841A JP 2000313841 A JP2000313841 A JP 2000313841A JP 2000208332 A JP2000208332 A JP 2000208332A JP 2000208332 A JP2000208332 A JP 2000208332A JP 2000313841 A JP2000313841 A JP 2000313841A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】消石灰を主成分とする低塗布量で隠蔽力に優れ
た塗料、及びそれを塗布してなる塗装物の提供。 【解決手段】消石灰、アクリル系樹脂、無機顔料及び水
を含有する塗料組成物であって、(a)消石灰の配合割
合が30〜80重量%(固形換算)、(b)アクリル系
樹脂が(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリルアミド類及び(メタ)アクリロニ
トリルよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1
種をモノマー成分として含有するホモポリマーまたはコ
ポリマーであって、該樹脂の消石灰100重量部に対す
る配合割合が10重量部未満(固形換算)、(c)無機
顔料の消石灰100重量部に対する配合割合が1〜22
0重量部(固形換算)である建築用塗料組成物、並びに
該塗料組成物によって調製される塗布物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種建築物の内・
外壁、屋根や天井などの内装若しくは外装の化粧塗装に
適した水性塗料に関する。より詳細には、本発明は、水
性塗料として要求される各種の塗料性能並びに塗膜物性
を充足するとともに、漆喰特有の落ち着いた質感と調湿
機能を有する塗膜を形成する建築用塗料組成物に関す
る。さらに本発明は該塗料組成物を塗布してなる塗装
物、特に建材に関する。
【0002】
【従来の技術】漆喰は、落ち着きのある重厚な仕上がり
感に加えて、調湿性(吸湿性及び放湿性)、結露防止性
及び防カビ性といった機能に優れているため、日本建築
の屋内外の塗り壁材として古くから使用されている建築
材料である。
【0003】しかし、漆喰の施工には熟練を要する左官
作業が必要であり、作業者の技術によって仕上がりにバ
ラツキが生じ易く、また複数回の繰り返し施工(塗りと
コテこすり)の必要性から施工能率が悪く、施工期間が
長くかかったり施工コストも高くつくという欠点があ
る。
【0004】このため、近年の住宅建築における室内壁
面の仕上げには、塩ビクロス貼りや合成樹脂エマルジョ
ン塗装などの仕上げ方法が多く採用されているが、最近
になって化学物質過敏症やシックハウス症候群などとい
った化学物質の悪害が問題視されるようになり、かかる
悪害のない上記漆喰等の天然素材が再び見直されてきて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、漆喰壁材の
成分である消石灰を主成分とする水性の塗料組成物を提
供することを目的とする。より具体的には、本発明は水
性塗料としての性能を有するとともに、形成される塗膜
が漆喰壁特有の質感を有し且つ耐アルカリ性や耐洗浄性
を始めとする塗膜物性並びに調湿性、防カビ性及び耐火
性等といった塗膜機能に優れることにより建築用塗料と
して好適に使用できる塗料組成物を提供することを目的
とするものである。
【0006】さらに本発明は上記塗料組成物から形成さ
れる塗膜を有する塗装物、具体的には内・外壁材や天井
材として用いられる内装及び外装用の各種建材(ボー
ド、パネル、クロス等)を提供することを目的とするも
のである。当該塗装物は上記塗料組成物の塗膜機能に基
づいて調湿や結露防止等の有用な機能を有することがで
きる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、漆喰の優れ
た美粧性及び機能に着目し、漆喰特有の質感(外観)や
機能を備えながらも慣用のエマルションペイントと同様
の品質及び使用感を有する水性塗料を開発することを目
的として、鋭意検討を重ねたところ、漆喰の主成分であ
る消石灰に特定のアクリル系樹脂及び水を配合すること
により、漆喰の質感や機能を備えた状態で貯蔵安定性及
び塗装作業性に優れた水性塗料組成物が調製できること
を見出した。また、かかる塗料組成物から形成される塗
膜は、従来漆喰壁材に必須であったすさ等の繊維素材を
必ずしも含有しなくても十分な付着性及び靱性を発揮し
成膜性に優れること、また逆に繊維素材を含まないこと
によって、レベリング性が向上してより少ない塗布量で
薄塗膜化が可能となり、刷毛、ローラー、スプレー等の
慣用の塗装作業によって塗膜を簡単にかつ美しく仕上げ
ることができることを見出した。
【0008】さらに本発明者は、かかる知見に基づいて
更なる検討を進めたところ、上記塗料組成物に更に顔料
として酸化チタンを始めとする無機の白色顔料を配合す
ることにより、調湿性などの機能を有しながら極めて少
量の塗布量で施工面を隠蔽でき、かつ成膜性に優れるこ
とを見出し、これらのことから、本発明の塗料組成物に
よれば、低コストでかつ少ない労力で、漆喰特有の落ち
着きのある重厚な質感を有するとともに調湿性や結露防
止性等の機能を発揮する塗膜が形成できることを確認し
た。
【0009】本発明は、かかる知見に基づいて開発され
たものである。
【0010】すなわち本発明は、下記1.〜7.に掲げ
る塗料組成物である: 1.消石灰、アクリル系樹脂、無機顔料及び水を含有す
る塗料組成物であって、(a)消石灰の配合割合が30
〜80重量%(固形換算)、(b)アクリル系樹脂が
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリルアミド類及び(メタ)アクリロニトリ
ルよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1種を
モノマー成分として含有するホモポリマーまたはコポリ
マーであって、該樹脂の消石灰100重量部に対する配
合割合が10重量部未満(固形換算)、(c)無機顔料
の消石灰100重量部に対する配合割合が1〜220重
量部(固形換算)である建築用塗料組成物。 2.アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル酸若しくはそ
のエステルから形成されるホモポリマーまたはコポリマ
ーである1記載の建築用塗料組成物。 3.無機顔料が酸化チタン,亜鉛華,リトポン,硫化亜
鉛及びアンチモン白よりなる群から選択される少なくと
も1種の白色顔料、好ましくは酸化チタンである1また
は2に記載の建築用塗料組成物。 4.繊維素材を含まないことを特徴とする1乃至3のい
ずれかに記載の建築用塗料組成物。 5.乾燥塗膜の隠蔽力が500μm以下である1乃至4
のいずれかに記載の建築用塗料組成物。 6.粘度が常温で300〜8000センチポイズである
1乃至5のいずれかに記載の建築用塗料組成物。 7.塗液またはその乾燥塗膜の (1)容器の中での状態、
(2)塗装作業性、(3)低温安定性、(4)塗膜の外観、(5)耐
アルカリ性、(6)耐洗浄性、(7)隠蔽率が、JIS K5663-19
95に規定される少なくとも2種ペイントの性質を満たす
ものである1乃至6のいずれかに記載の建築用塗料組成
物。
【0011】また本発明は、上記に掲げる建築用塗料組
成物から形成される塗膜を有する塗装物、具体的には内
・外壁材、屋根材や天井材などに用いられる内装及び外
装用の建材に関する。さらに、本発明は上記建築用塗料
組成物の塗装方法及び上記建材を用いた建築物内外装の
施工方法に関する。また本発明は上記塗料組成物を用い
た建築物内外装面の修復方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】(1)塗料組成物 本発明の塗料組成物は、消石灰、アクリル系樹脂、無機
顔料及び水を主成分として含有する水性の塗料組成物で
ある。
【0013】本発明で用いられる消石灰としては、通常
漆喰壁材の成分として用いられるものであればよく特に
制限されない。例えば、工業用消石灰(例えば、JIS A6
902)をはじめ、水硬性及び気硬性の別なく各種の水酸
化カルシウムを用いることができる。また着色等の処理
を施した消石灰を使用することもできる。なお、その粒
子径も特に制限されず、工業用消石灰として通常用いら
れる粒子径のほか、形成される塗膜の意匠性(質感)に
応じて該粒子径より小さいものも任意に使用することが
できる。また、消石灰の主成分である水酸化カルシウム
は空気中のCO 2ガスの影響を受けて炭酸カルシウムに
なる性質を有することから、上記消石灰の一部若しくは
全部に代えて炭酸カルシウムを用いることも本件発明の
範囲に含まれる。
【0014】塗料組成物中の消石灰の配合割合は、本発
明の塗料組成物が貯蔵安定性や塗装作業性並びに成膜性
等において所望の性能を充足するような範囲であれば特
に制限されない。具体的には塗料組成物の固形分100
重量%あたりの配合割合が30〜80重量%となるよう
な範囲から適宜選択することができる。例えば40〜8
0重量%、50〜80重量%、または60〜75重量%
等の範囲を挙げることができる。
【0015】また本発明でいうアクリル系樹脂とは、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリルアミド類、及び(メタ)アクリロニト
リルを主原料(モノマー成分)とし単独ないし相互間ま
たは他樹脂(モノマー成分)との共重合によって調製さ
れる樹脂を意味するものである。かかるモノマー成分と
して具体的には、上記各範疇に含まれるものであって商
業的に入手可能なものであればよく、特に制限されな
い。
【0016】好ましくは、 (i)アクリル酸、メタアクリル酸: (ii)アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル:
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸
n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸n-オクチル、ア
クリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、ア
クリル酸ステアリル、アクリル酸パルミチルまたはアク
リル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数が1〜18
のアクリル酸アルキルエステル;メタアクリル酸メチ
ル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−プロピ
ル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸n−
ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸t
−ブチル、メタアクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸n
−オクチル、メタアクリル酸−2−エチルヘキシル、メ
タアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸ステアリル、メ
タアクリル酸パルミチル及びメタアクリル酸シクロヘキ
シル等のアルキル基の炭素数が1〜18程度のメタアクリ
ル酸アルキルエステル;アクリル酸ヒドロキシエチル、
メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル
酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシブチル等
のように(メタ)アクリル酸の側鎖に水酸基を有するア
ルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリ
ル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタ
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、
メタクリル酸エトキシブチル等のように(メタ)アクリ
ル酸の側鎖にアルコキシル基を有するアルキルエステ
ル;アクリル酸アリルやメタクリル酸アリル等の(メ
タ)アクリル酸のアルケニルエステル;アリルオキシエ
チルアクリレートやアリルオキシエチルメタクリレート
等の(メタ)アクリル酸のアルケニルオキシアルキルエ
ステル;アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシ
ジル、並びにアクリル酸メチルグリシジルやメタアクリ
ル酸メチルグリシジル等のようにアクリル酸の側鎖にエ
ポキシ基を有するアルキルエステル;アクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、
アクリル酸メチルアミノエチル、メタクリル酸メチルア
ミノエチル等の(メタ)アクリル酸のモノ−又はジ−ア
ルキルアミノアルキルエステル;側鎖としてシリル基、
アルコキシシリル基または加水分解性アルコキシシリル
基などを有するシリコーン変性(メタ)アクリル酸エス
テル; (iii)アクリルアミド類またはメタクリルアミド類:例
えばアクリルアミド;メタクリルアミド;N−メチロー
ルアクリルアミド及びN−メチロールメタクリルアミド
等のようにメチロール基を有する(メタ)アクリルアミ
ド;N−アルコキシメチロールアクリルアミド(例え
ば、N−イソブトキシメチロールアクリルアミド等)、
及びN−アルコキシメチロールメタクリルアミド(例え
ば、N−イソブトキシメチロールメタクリルアミド等)
等のようにアルコキシメチロール基を有する(メタ)ア
クリルアミド;N−ブトキシメチルアクリルアミドやN
−ブトキシメチルメタクリルアミドなどのアルコキシア
ルキル基を有する(メタ)アクリルアミドなど、 (iv)アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の各種の
アクリル系単量体を挙げることができる。
【0017】これらのアクリル系単量体は単独で、また
は二種以上を任意に混合して使用することができる。す
なわち、本発明で用いられるアクリル系樹脂は、例えば
上記に例示する各種のモノマー成分の1種単独から構成
されるホモポリマーであっても、上記に例示する各種モ
ノマー成分を2種以上任意に組み合わせてなるコポリマ
ーであってもよい。さらに上記アクリル系単量体は他の
モノマー成分と任意に組み合わせて共重合体を形成する
こともでき、本発明のアクリル系樹脂には当該共重合体
も包含される。アクリル系単量体と組み合わせて用いら
れるモノマー成分としては、上記アクリル系単量体と共
重合体を形成するものであれば特に制限されず、例えば
酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、乳酸ビニ
ル、酪酸ビニル、ピバル酸ビニル、V酸(versatic aci
d)ビニル及び安息香酸ビニルなどのビニル系単量体、
ブタジエン、スチレン等を挙げることができる。このよ
うな共重合体として、具体的には、スチレン−アクリル
酸エステル,スチレン−アクリロニトリル及びスチレン
−アクリルアミド−アクリル酸エチルなどのスチレン/
アクリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステルや
酢酸ビニル−メタクリル酸エステル等の酢酸ビニル/ア
クリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル等のブ
タジエン/アクリル共重合体、塩化ビニル/アクリル共
重合体、塩化ビニリデン/アクリル共重合体、ベオバ/
アクリル共重合体などを例示することができる。本発明
のアクリル系樹脂には、そのほかアクリル変性・アルキ
ド樹脂、アクリル変性・酢酸ビニル/塩化ビニル共重合
体樹脂、フッ素変性アクリル樹脂等が包含される。
【0018】本発明で用いられるアクリル系樹脂とし
て、好ましくは上記アクリル系単量体を単独で、または
二種以上を任意に混合して調製されるホモポリマーまた
はコポリマー、及びシリコーン変性アクリル樹脂(アク
リルシリコン樹脂)である。より好ましくは(メタ)ア
クリル酸またはそのエステルのホモポリマーまたはコポ
リマー、及びシリコーン変性アクリル樹脂である。な
お、シリコーン変性アクリル樹脂(アクリルシリコン樹
脂)には、側鎖としてシリル基、アルコキシシリル基ま
たは加水分解性アルコキシシリル基などを有するシリコ
ーン変性(メタ)アクリル酸エステルをモノマー成分と
して調製されるもののほか、シリコンとアクリレートを
複合化したもの、両者をブロック共重合体したもの、シ
リコンを部分的にアクリル修飾したもの、並びにシリコ
ンとアクリレートを他の架橋剤で架橋させたもの等が含
まれる。
【0019】前述するアクリル系単量体及び該アクリル
系単量体と組み合わせて用いられる各種モノマー成分の
種類、使用量及び重合度等は、得られる本発明の塗料組
成物の使用温度(硬化温度)や消石灰などの塗料組成物
の他成分との相溶性等を考慮しながら、例えば得られる
樹脂のガラス転移点(Tg)等を目安として適宜選択さ
れる。例えば、常温乾燥型塗料として調製する場合に用
いられるアクリル系樹脂としては、特に制限はされない
が、ガラス転移点が−100〜+30℃程度にあるもの
を選択することができる。また強制乾燥型塗料(例えば
乾燥温度:50〜200℃)として調製する場合に用い
られるアクリル系樹脂としては、特に制限されないが、
ガラス転移点が+30〜100℃の範囲にあるものを選
択することができる。
【0020】本発明の塗料組成物を現場での塗装施工に
簡便に用いる態様で調製する場合には、当該塗料組成物
は室温〜常温で硬化し得る常温乾燥型塗料であることが
好ましく、この場合に用いられるアクリル系樹脂も常温
乾燥型樹脂であることが好ましい。
【0021】また用いられるアクリル系樹脂の形態は特
に制限されず、エマルジョンや水性ポリマーディスパー
ジョン等の水性乳濁もしくは分散形態、再乳化形粉末樹
脂などの粉末形態、液状ポリマーなどの液状等のいずれ
の態様であってもよい。好ましくはエマルジョンの態様
である。エマルジョンとして配合する場合、エマルジョ
ンは重合性不飽和二重結合を有するモノマーをエマルジ
ョン重合して得られるもの、または、予め合成した樹脂
を水系分散媒に分散剤を使用して分散したものの何れで
もよく、さらに粉末型のポリマーを水等に分散して調製
したものを挙げることができる。
【0022】本発明で用いるアクリル系樹脂は塗料組成
物中の消石灰同士の接着強度、消石灰と後述する添加剤
との接着強度、並びに塗料組成物と被塗布物との付着強
度を高め、その結果として、被塗布物表面に形成された
塗膜層(被覆層)のひび割れを防止し、建材の靱性を向
上させる働きを有している。
【0023】アクリル系樹脂の配合割合は、貯蔵安定性
や塗装作業性並びに成膜性等といった水性塗料として要
求される性能、好ましくは後述するJIS K 5663-1995に
規定される少なくとも2種ペイントの性質を充足する範
囲であれば特に制限されず、使用するアクリル系樹脂の
種類に応じて適宜定めることができる。具体的には、消
石灰100重量部に対して70重量部以下(固形換算、
以下同じ)の範囲から選択調整することができる。例え
ば、10〜70重量部の範囲であれば、好ましくは10
〜50重量部、より好ましくは20〜40重量部、更に
好ましくは25〜35重量部であり、また10重量部未
満の範囲であれば、例えば0.3〜10重量部未満(例
えば、9.5重量部等)、好ましくは1〜10重量部未
満、より好ましくは2〜10重量部未満、さらに好まし
くは5〜10重量部未満の範囲を挙げることができる。
【0024】本発明においては、上記消石灰及びアクリ
ル系樹脂に加えて、更に顔料(白色顔料、有色顔料)並
びに各種の添加剤を配合することができる。かかる添加
剤としては、例えば顔料分散剤、湿潤剤、消泡剤、増粘
剤、凍結融解安定剤、皮膜形成助剤及びレオロジー調整
剤等の塗膜形成助剤の他、無機材料(細骨材などの無機
充填剤)、界面活性剤、可塑剤、減水剤、流動化剤、防
腐剤、防水剤、抗菌剤等を挙げることができる。
【0025】顔料としては、水性塗料に用いられるもの
であれば特に制限されず、いずれの顔料をも採用するこ
ともできるが、好ましくは無機顔料である。かかる無機
顔料としては、酸化チタン,亜鉛華,リトポン,硫化亜
鉛,アンチモン白、鉛白、ジルコニア等の白色顔料;カ
ーボンブラックや酸化鉄等の黒色顔料:カドミウムレッ
ド,べんがら(酸化鉄),モリブデンレッド、鉛丹等の
赤色顔料:黄鉛(クロムイエロー),チタンイエロー,
カドミウムイエロー,黄色酸化鉄,タン,アンチモンイ
エロー,バナジウムスズイエロー,バナジウムジルコニ
ウムイエローの黄色顔料:酸化クロム,ビリジアン,チ
タンコバルトグリーン,コバルトグリーン,コバルトク
ロムグリーン,ビクトリアグリーン等の緑色顔料:群
青,紺青,コバルトブルー,セルリアンブルー,コバル
トシリカブルー,コバルト亜鉛シリカブルーなどの青色
顔料といった各種の有色顔料を例示することができる。
本発明の塗料組成物中に配合する顔料の割合は特に制限
されず、所望の隠蔽力並びに色彩(明度、色度、彩度)
に応じて適宜選択調整することができる。
【0026】無機顔料のうち好ましいものとして酸化チ
タン,亜鉛華,リトポン,硫化亜鉛またはアンチモン白
等の白色顔料を挙げることができる。隠蔽力や着色力の
観点から好ましくは酸化チタンである。但し、特にこれ
に拘泥されることなく、酸化チタンと同等もしくは類似
の隠蔽力または着色力を有する白色顔料が、酸化チタン
に代えて若しくは酸化チタンと組み合わせて、任意に使
用できることは当業者であれば容易に想到できることで
ある。かかる白色顔料として、制限されないがリトポ
ン,硫化亜鉛,亜鉛華が例示できる。
【0027】また、酸化チタンは一般にルチル形のほう
がアナタース形よりも耐光性や隠蔽力が優れているもの
の、本発明においてはそれらの別を特に問うものでな
く、ルチル形、アナタース形並びにブルッカイト形のい
ずれをも使用することができる。また粒径及び形状も特
に制限されず、市販品の中から目的に応じて適宜選択す
ることができる。一般に酸化チタンとして、粒径0.1
〜0.5μmの略球状形のものや0.01〜0.05μ
mの超微粒子のもの、並びに紫外線吸収用板状酸化チタ
ン等が知られている。隠蔽力の観点からは、制限されな
いがルチル形の酸化チタンを用いることが好ましく、ま
た0.1〜0.3μmの粒径を有する酸化チタンが好適
に使用できる。
【0028】酸化チタン等の上記白色無機顔料の配合割
合は、消石灰100重量部に対する割合として1〜22
0重量部、好ましくは1〜100重量部、より好ましく
は2〜50重量部、さらに好ましくは2〜30重量部、
また更に好ましくは2〜16重量部の範囲を挙げること
ができる。
【0029】また上記無機顔料の隠蔽力を向上させるた
めには、更に体質顔料を組み合わせて使用することがで
きる。かかる体質顔料としては、制限はされないが、タ
ルク,カオリンクレー,水酸化アルミニウム,炭酸カル
シウム(重質炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム),
ベントナイト、硫酸バリウム(沈降性硫酸バリウム、バ
ライト粉),ホワイトカーボン及びシリカなどを挙げる
ことができる。なお、これらの体質顔料は1種単独で使
用しても、2種以上を任意に組み合わせて使用すること
もできる。中でも好ましい体質顔料は炭酸カルシウム、
タルクまたはホワイトカーボンである。
【0030】消石灰を主成分とする塗料組成物に酸化チ
タンなどの無機顔料を上記割合で配合することにより調
製される本発明の塗料組成物は、より少ない塗布量で被
塗布面を隠蔽することができ、しかもかかる少量の塗料
で形成された塗膜は、薄塗膜ながら所望の外観や物性を
有しており、調湿性やそれに伴う結露防止性等の機能を
発揮させることも可能である。
【0031】このような塗膜は、本発明の塗料組成物を
1m2あたり固形重量換算で少なくとも100g、好ま
しくは少なくとも300g程度使用することによって達
成することができる。調湿性等の塗膜機能は塗料組成物
の塗布量を増すに従って向上するため、かかる機能に鑑
みれば、本発明は塗料組成物の塗布量の上限を制限する
ものではない。しかしながら、塗料の成膜性、コスト並
びに塗装作業性等を考慮すれば、本発明の塗料組成物は
1m2あたり固形重量換算で100g〜1000gの範
囲で用いることが好ましく、所望に仕上げ感(意匠)に
合わせて例えば100〜800g、100〜500g、
150〜400g、200〜300gなどの範囲を種々
選択できる。
【0032】本発明の塗料組成物は、消石灰を主成分と
する従来の塗材に比して高い塗膜隠蔽力を備えることが
できる。例えば本発明の塗料組成物を黒白板上に塗布し
たとき、形成される塗膜を通して肉眼で観察した場合に
下地の黒白の判別が不可能となる塗膜の厚さは、1mm
以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは30
0μm以下、さらに好ましくは200μm以下、また更
に好ましくは100μm以下である。本発明において塗
膜隠蔽力とは、塗料組成物を素地に塗布した場合にその
素地の色を認識し得なくなる塗膜の最小膜厚のことであ
り、具体的には黒白板上に塗装した塗膜を通して肉眼で
観察した場合に下地の黒白の判別が不可能となる塗膜の
最小膜厚を意味する。
【0033】無機質充填剤としては、例えば珪砂、寒水
砂、パーライト,バーミキュライト,シラス球及び汚泥
焼成骨材などの再生骨材等の無機質骨材(細骨材)の
他、カオリン、ハロイサイト、モンモリロナイト、ベン
トナイト、ギブサイト、マイカ、セラミックサンド、ガ
ラスビーズ、パーライト、酸性白土、陶石、ロウ石、長
石、石灰石、石膏、ドロマイト、マグネサイト、滑石な
どの天然無機質材料;水酸化バリウム、水酸化マグネシ
ウム、天然カルシウム等の水不溶性金属水酸化物;トベ
ルモナイトやゾノトライト等のケイ酸カルシウム系水和
物;カルシウムアルミネート水和物、カルシウムスルホ
アルミネート水和物等の各種酸化物の水和物;アルミ
ナ、シリカ、含水ケイ酸、マグネシア、酸化亜鉛、スピ
ネル、合成炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウムなどの合
成無機質などの粉末状、繊維状もしくは粒状の無機質材
料を挙げることができる。
【0034】これら無機質材料の粒度は特に制限されな
いが、60〜130メッシュ、または80〜100メッ
シュの範囲を例示することができる。また無機細骨材
等、無機質充填剤を本発明の塗料組成物に配合する場合
のその割合は、適宜設定することができるが、消石灰1
00重量部に対して2〜100重量部、好ましくは10
〜50重量部、より好ましくは20〜30重量部の範囲
を例示することができる。
【0035】(顔料)分散剤及び湿潤剤としては、いず
れも通常塗料に配合して用いられるものが広く採用で
き、例えばアルキルナフタレンスルホン酸ソーダのホル
マリン縮合物、低分子ポリアクリル酸アンモン、低分子
量スチレン−マレイン酸アンモン共重合体、ポリオキシ
エチレンの脂肪酸エステルやアルキルフェノールエーテ
ル、スルホコハク酸誘導体、ポリエチレンオキサイドと
ポリプロピレンオキサイドとのブロックポリマーなどを
例示することができる。これらの配合割合も、適宜選択
でき制限はされないが、通常消石灰100重量部に対し
て0.05〜5重量部の範囲、特に0.1〜4重量部の
範囲を例示することができる。
【0036】消泡剤としては、通常塗料や建築用吹き付
け材に配合して用いられるものであれば特に制限され
ず、いずれをも採用することもできる。例えば、オクチ
ルアルコール、グリコール誘導体、シクロヘキサン、シ
リコン、プルロニック系界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル等の各種の抑泡剤及び破泡
剤を挙げることができる。これらの配合割合も、適宜選
択でき制限はされないが、通常消石灰100重量部に対
して0.01〜5重量部の範囲、特に0.1〜2重量部
の範囲を例示することができる。
【0037】増粘剤としてはメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース等のセルロース系;サッカロース、グルコースな
どの多糖類;アクリル系;その他、アルミニウムステア
レート、ジンクステアレート、有機ベントナイト、シリ
カゲル、ポリビニルアルコール、アルギン酸ソーダ、ケ
イ酸系、ベントナイト、カゼイン酸ソーダ等を例示する
ことができる。
【0038】また本発明の塗料組成物には更に珪藻土ま
たはゼオライト(合成ゼオライトを含む)を配合するこ
ともできる。珪藻土等は漆喰と同様に有害物質を含まな
い自然素材として注目されている素材であり、珪藻土や
ゼオライトを配合することによって塗膜の調湿性や結露
防止性を向上改善したり、断熱性や脱臭効果等の諸機能
性を付与することができる。
【0039】防水剤としては、特に制限されないが、シ
リコーンオイル、シリコーン樹脂、オルガノアルコキシ
シラン等を例示することができる。これらの成分によれ
ば、一般に塗膜の防水性、耐薬品性及び耐候性等を向上
させることができるが、本発明においては塗膜に求めら
れる所望の調湿性を妨げない範囲で用いることが好まし
い。
【0040】本発明の塗料組成物の例として、固形分あ
たり、それぞれ固形重量換算で、消石灰を30〜80重
量%、好ましくは40〜80重量%、より好ましくは5
0〜80重量%、さらにより好ましくは60〜75重量
%の範囲;アクリル系樹脂を0.1〜8重量%、好まし
くは1〜8重量%、より好ましくは2〜8重量%、さら
により好ましくは4〜8重量%の範囲;酸化チタンなど
の無機顔料を0.3〜68重量%、好ましくは0.3〜4
5重量%、より好ましくは0.3〜30重量%、さらに
好ましくは0.6〜15重量%、またさらにより好まし
くは0.6〜9重量%の範囲で含むものを挙げることが
できる。また他の例として、塗料組成物固形分あたり、
それぞれ固形重量換算で、消石灰を30〜80重量%、
好ましくは40〜80重量%、より好ましくは50〜8
0重量%、さらにより好ましくは60〜75重量%の範
囲;アクリル系樹脂を3〜56重量%、好ましくは3〜
40重量%、より好ましくは3〜30重量%、さらによ
り好ましくは6〜25重量%の範囲;白色無機顔料を
0.3〜60重量%、好ましくは1〜45重量%、より
好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは1〜15
重量%の範囲;体質顔料を0〜60重量%、好ましくは
0.3〜45重量%の範囲で含むものを挙げることがで
きる。
【0041】これらの成分は、本発明の塗料組成物の固
形分含有量が塗料組成物100重量%あたり40〜80
重量%、好ましくは50〜70重量%となるように配合
調整されるのが好ましい。
【0042】本発明の塗料組成物は、従来漆喰壁材にひ
び割れ防止を目的に配合されていた、麻、和紙、しゅ
ろ、木材パルプ、合成繊維及びガラス繊維といった各種
の繊維素材を配合しなくても、ひび割れすることなく付
着性、靱性及び成膜性に優れた塗膜が形成できることを
1つの特徴とするものである。
【0043】一般に塗料中の繊維素材の存在は、塗装に
際してスプレーやガンの吐出口が閉塞するという問題や
塗着工程後にコテ押さえを必要とするといった施工性
(塗装作業性)の悪さ、塗装後に塗膜表面が毛羽立った
り塗布面が不均一となる外観上並びに成膜性の問題、及
び塗膜が可燃性(易燃性)となるといった機能の低下を
伴う傾向がある。よって、低塗布量で美観並びに成膜性
に優れた薄塗膜を形成するためには、繊維素材を含まな
い塗料組成物であることが好ましい。しかしながら、塗
装作業性、成膜性並びに塗膜の外観等に影響を与えない
範囲であれば、本発明はその塗料組成物中に繊維素材を
含むことをなんら制限するものではない。
【0044】本発明の塗料組成物は、上記各成分と水を
混合して塗料の常套方法、例えば塗料調合用機器(ミキ
サー、シェーカー、ミル、ニーダーなど)を用いて混合
することにより、消石灰、アクリル系樹脂及び顔料等を
水中に安定に分散させて、スプレー液、スラリー、また
はパテ等の各種形態の塗料として調製することができ
る。混合は通常20〜95℃で行うことができる。
【0045】この際、塗料組成物は、例えばスプレー塗
り(エアスプレー、エアレススプレーなど)、刷毛塗
り、ローラー塗り、パテ塗り、コート塗り(カーテンフ
ローコーター、ロールコーター)などの各種塗装方法に
応じて所望の粘度を有するように調製することが好まし
く、塗装作業性、レベリング、塗膜外観等を考慮して好
ましい粘度範囲を適宜選択調製することができる。通
常、常温(25℃±5)で100〜60000センチポ
イズの範囲となるように調製される。例えば、液状の塗
料組成物の粘度としては、刷毛塗り、ローラー塗り、ス
プレー塗りまたはコート塗りに適するように常温で30
0〜8000センチポイス、好ましくは500〜500
0センチポイズ、より好ましくは1000〜4500セ
ンチポイズ、さらに好ましくは2000〜4000セン
チポイズの範囲を挙げることができる。またパテ状の塗
料組成物の粘度としては、制限されないが、常温(25
℃±5)で8000〜30000センチポイズ、好まし
くは8000〜20000センチポイズの範囲を挙げる
ことができる。
【0046】本発明の塗料組成物は、各種建築物の天井
面や壁(内・外壁)面等の内装面及び外装面の塗装、並
びに建築物の天井、屋根や壁(内・外壁)の下地材や化
粧材として用いられる各種の建材(クロス、パネル、ボ
ード)の塗装に使用することができる。また、本発明の
塗料組成物は常法に従って塗装した後に、凹凸模様付け
ローラーで模様付けを行ったり、塗膜表面を処理するこ
とによってさらに意匠仕上げを施すこともできる。
【0047】本発明の塗料組成物は、好適には、塗液の
性状並びにその乾燥塗膜の外観及び物性が日本工業規格
JIS K 5663-1995に規定の少なくとも2種ペイントに関
する(1) 容器の中での状態、(2) 塗装作業性、(3) 低温
安定性、(4) 塗膜の外観、(5) 耐アルカリ性、(6) 耐洗
浄性及び (7) 隠蔽率の要件を満たすものである。
【0048】具体的には、本発明の塗料組成物には、JI
S K 5663-1995の規定に従ってJIS K5400の方法に準じて
測定した場合に少なくとも下記の品質(JIS K 5663-199
5)を有する建築用塗料組成物が含まれる: (1) 容器の中での状態:かき混ぜた場合に塊がなく中身
全体が一様になる: (2) 塗装作業性:2回塗りで塗装作業に支障がない: (3) 低温安定性:−5℃に冷やしたとき変質しない: (4) 塗膜の外観:塗膜の外観が正常である: (5) 耐アルカリ性:水酸化カルシウム飽和溶液(20±1
℃)に18時間浸したときに異常がない: (6) 耐洗浄性:100回の洗浄に耐える: (7) 隠蔽率:0.95以上 さらに本発明の塗料組成物は、耐水性(JIS K 5400の8.
19)に関して、脱イオン水に96時間浸しても異常がな
く(JIS K 5663-1995の5.9)、促進耐候性(JIS K 5400
の9.8.1)に関して、白亜化度が8点以上で、膨れ・は
がれ・割れがなく、色の変化の程度が見本品に比べて大
きくない(JIS K 5663-1995の5.12)ことが好ましく、
また隠蔽率が0.93以上(JIS K 5663-1995の5.8)をみた
し、さらに耐候性(JIS K 5400の9.9)に関して、12ヶ
月の試験期間後に膨れ・はがれ・割れがなく色の変化の
程度と白亜化度が見本品に比べて大きくない(JIS K 56
63-1995の5.13)という要件を満たしていることが好ま
しい。
【0049】本発明の塗料組成物は、その乾燥時間によ
って特に限定されるものではないが、JIS K 5663-1995
の5.6に従って、JIS K 5400の6.5の試験方法に準じて実
施した場合に20℃で2時間以内に半硬化状態になるよ
うに、また5℃で4時間以内に半硬化状態になるように
調製されることが好ましい。これは塗料組成物に配合す
る固形含量や水分含量並びに粘度を適宜調製することに
よって行うことができる。
【0050】なお本発明の塗料組成物の別の態様として
下記のものを挙げることができる。 1.消石灰、アクリル系樹脂、無機顔料及び水を含有す
る塗料組成物であって、(a)消石灰の配合割合が30
〜80重量%(固形換算)、(b)アクリル系樹脂が
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、
(メタ)アクリルアミド類及び(メタ)アクリロニトリ
ルよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1種を
モノマー成分として含有するホモポリマーまたはコポリ
マーであって、該樹脂の消石灰100重量部に対する配
合割合が10〜70重量部(固形換算)、(c)無機顔
料の消石灰100重量部に対する配合割合が1〜220
重量部(固形換算)である建築用塗料組成物。 2.無機顔料が亜鉛華,リトポン,硫化亜鉛、鉛白、ジ
ルコニア及びアンチモン白よりなる群から選択される少
なくとも1種の白色顔料である1記載の建築用塗料組成
物。 3.さらに体質顔料を含む1または2に記載の建築用塗
料組成物。 4.アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル酸若しくはそ
のエステルから形成されるホモポリマーまたはコポリマ
ーである1乃至3のいずれかに記載の建築用塗料組成
物。 5.繊維素材を含まないことを特徴とする1乃至4のい
ずれかに記載の建築用塗料組成物。 6.乾燥塗膜の隠蔽力が500μm以下である1乃至5
のいずれかに記載の建築用塗料組成物。 7.粘度が常温で300〜8000センチポイズである
1乃至6のいずれかに記載の建築用塗料組成物。 8.塗液またはその乾燥塗膜の (1)容器の中での状態、
(2)塗装作業性、(3)低温安定性、(4)塗膜の外観、(5)耐
アルカリ性、(6)耐洗浄性、(7)隠蔽率が、JIS K5663-19
95に規定される少なくとも2種ペイントの性質を満たす
ものである1乃至7のいずれかに記載の建築用塗料組成
物。
【0051】(2)塗装物 また、本発明は上記塗料組成物を塗布してなる塗装物を
提供する。
【0052】本発明の塗料組成物を塗布する基材(被塗
物)としては、特に制限されることはないが、好適には
建築物の天井、屋根や壁(内・外壁)の下地材や化粧材
として用いられる各種の建材、例えばクロス、ボード及
びパネル等を挙げることができる。なお、かかる基材
(建材)は表面がシーラー処理等の各種処理がなされて
いてもよい。
【0053】クロスとしては、例えば建築用の内装(室
内の壁や天井等)に用いられるクロス材料を広く挙げる
ことができる。クロス材料としては紙や各種繊維からな
る不織布または織布等の繊維質シートを挙げることがで
きる。具体的には、紙としては和紙、洋紙(上質紙、中
質紙)、クラフト紙、薄葉紙、裏打紙、樹脂含浸紙等、
ボール紙、厚紙等のいずれであってもよく、例えば難燃
処理を施した紙であって壁紙の施工に適したもの、例え
ば難燃性裏打紙や不燃紙等も包含される。繊維質シート
としては、例えば天然繊維;ガラス繊維;またはポリプ
ロピレン、アクリル、ナイロン、ポリエステル、ポリア
ミド、ビニロン等の合成繊維などを構成素材として得ら
れる多孔性の織布や不織布、編み物等を挙げることがで
きる。なお、上記素材は、1種単独で用いられても、ま
た2種以上を任意で組み合わせて用いることもできる。
【0054】ボード及びパネルとしては、例えば建築用
の内装(室内の壁や天井等)や外装に用いられるボード
材料及びパネル材料を広く挙げることができる。具体的
には、木質板、合板、中密度繊維板、プラスチック板、
セメントモルタル、コンクリート板、PCパネル、AL
Cパネル、石綿スレート、石膏ボード、パーティクルボ
ード、発泡セメントボード、木片セメント板、ケイ酸カ
ルシウムボード、サイディングボードなどを例示するこ
とができる。好ましくは、石膏ボード、石膏パーティク
ルボード、木質板、中密度繊維板、プラスチック板、サ
イディングボード(金属系、窯業系を含む)等である。
【0055】これらの基材(建材)への塗料組成物の塗
布方法は、特に制限されず、ロールコーターやフローコ
ーター、ハケやローラー等を用いる塗付け方法及びスプ
レーや各種ガンを用いた吹きつけ方法を挙げることがで
きる。一例として圧縮空気を用いたスプレー塗装によれ
ば、例えば、まず適当な粘度に調製されてなる塗料組成
物のスプレー液若しくはスラリーを基材の一面に吹き付
ける。この吹き付けによって、塗料組成物は基材の表面
に塗膜を形成し基材と一体化する。この際、塗料組成物
に含まれるアクリル系樹脂成分が消石灰などの成分を強
固に結合させるとともに、塗料組成物を基材表面に抱合
させて、塗膜層と基材を一体化する。これにより層間剥
離が防止できる。次いで、基材に塗布された塗料組成物
を乾燥、硬化させる。かかる方法は、基材に塗料組成物
を塗布後、自然乾燥、通風乾燥または強制乾燥に供する
ことにより簡便に行うことができる。なお、本発明の塗
装物は必要に応じてさらに形成された塗膜層の表面を凹
凸模様付きローラー等で意匠を施したりヤスリや各種研
磨機で研磨ずりして仕上げることもできる。
【0056】本発明の塗料組成物から形成される塗膜の
厚さは、基材の塗布面が十分に隠蔽被覆される厚さであ
れば特に制限されない。本発明の塗料組成物は、塗膜隠
蔽力が前述するように1mm以下、好ましくは500μ
m以下、より好ましくは300μm以下、さらに好まし
くは200μm以下、またさらに好ましくは100μm
以下となるように調製できることを特徴とするものであ
る。よって、塗膜の厚さとして少なくとも1mm、好ま
しくは少なくとも500μm、より好ましくは少なくと
も300μm、さらに好ましくは少なくとも200μ
m、また更に好ましくは少なくとも100μmの厚さを
挙げることができるが、コスト、塗装作業性及び成膜
性、並びに調湿性等といった塗膜の物性や機能等に鑑み
れば、通常0.1〜5mm、好ましくは0.1〜3m
m、より好ましくは0.2〜2mm、更に好ましくは
0.3〜1.5mm、またさらに好ましくは0.5〜1
mmの範囲を例示することができる。但し、調湿性機能
の観点からは塗膜の厚さは厚い方が好ましく、本発明は
本発明の塗料組成物を使用してさらに厚い塗膜を形成す
ることを制限するものではない。
【0057】本発明の塗料組成物から形成される塗膜を
有する塗装物は、調湿性(吸湿性及び放湿性)及び結露
防止効果を発揮するとともに、漆喰特有の質感(色、つ
や、きめ細かさ等の外観やテクスチャー)を呈すること
ができる。またかくして製造される塗装物は、直射日
光、斜光、照明、陰影等の建材が配置される場所の種々
の光に対しても吹きむら、色むら及び艶むら等の不都合
を生じず、常に一定の色、艶及びきめを有した外観を呈
することができる。塗装物のかかる性質は、内・外壁
材、天井材等の各種建材に有用である。
【0058】一般にボード(パネル)やクロスなどの建
材の場合、施工後の建材間の継目や接合部の処理が問題
となりやすい。例えば繊維素材を含まない本発明の塗料
組成物を塗布して調製された塗装物(建材)によれば、
壁などに施工後、建材の継目や接合部の塗膜表面を研磨
ずりすることにより周囲の塗膜層と殆ど区別できないほ
どに連続的かつ均一に仕上げることができる。また繊維
素材を含まない本発明の塗料組成物を塗布して調製され
た塗装物(建材)によれば、壁などに施工された後の修
繕が簡便にできるという利点もある。すなわち、施工後
に建材に傷や汚れが生じた場合、本発明の塗料組成物を
使用してその損傷部だけを部分的に修繕することが可能
である。かかる修繕は、具体的にはまず損傷部を削り、
該部分に周辺塗膜層と同じ組成であって含水率を低減し
て粘度を高くした本発明の塗料組成物を充填し、養生硬
化後、必要に応じて表面を研磨ずりすることによって行
うことができる。研磨ずりすることによって損傷部が他
周辺領域と区別できないほどに修復修繕することが可能
となる。
【0059】また、これは建材の施工(内外装の施工)
においても有用である。すなわち、本発明の塗装物(建
材)とくに内外装パネルを壁下地材に釘やビス打ち施工
する場合、釘(ビス)打ちによって形成された建材表面
の釘頭凹部に、上記のように比較的粘度の高い塗料組成
物(パテ)を充填し、また必要であればその上からさら
に塗料組成物(スプレー液、スラリー)を塗布して、養
生硬化し、更に必要に応じて該塗膜表面を研磨ずりする
ことによって、釘打ち部がほとんどわからぬように施工
することが可能となる(図1参照)。これによって、接
着剤による建材の貼着施工を回避できる。
【0060】(3)建築内外装の施工方法 更に本発明は、上記塗料組成物または塗装物(建材)を
用いた建築物内装・外装の施工方法に関する。本発明の
施工方法としては、下記の実施態様を挙げることができ
る。 A.建築下地材の表面に、上記本発明の塗料組成物を塗
布し、乾燥後、必要に応じて塗膜面を研磨ずりすること
を特徴とする塗装方法。 B. (i)建築下地材に本発明の建材を複数連設する工
程、(ii)各建材の接合部に、本発明の塗料組成物を充填
若しくは塗布して乾燥する工程、及び(iv)必要に応じ
て、塗膜面を研磨ずりする工程を含む、建築物内外装の
施工方法。 C.(i)建築下地材に本発明の建材を複数連設する工
程、(ii)必要に応じて、各建材の接合部に本発明の塗料
組成物を充填若しくは塗布する工程、(iii)該接合部を
補強部材で覆う工程、(iv)該補強部材上に本発明の塗料
組成物を塗布して乾燥する工程、及び(v)必要に応じ
て、塗膜面を研磨ずりする工程を含む、建築物内外装の
施工方法。
【0061】本発明の建築内外装の施工方法には、建
築物の内・外壁、屋根や天井の下地材(内外壁下地材)に
直接、上記本発明の塗料組成物を塗布積層する方法、並
びに内外壁下地材に本発明の建材(クロス、パネル、
ボード)を貼着または配設する方法が含まれる。
【0062】の施工方法は、具体的には、建築物の内
外壁、屋根や天井の下地材(素地材)の表面に、直接ま
たはシーラー若しくはプライマー処理した後、前記本発
明の塗料組成物、好適には常温(25±5℃)での粘度
が300〜8000センチポイズ、好ましくは500〜
5000センチポイズ、より好ましくは1000〜45
00センチポイズの塗料組成物を塗布して、固化するま
で常温乾燥若しくは通風乾燥し、次いで必要に応じて内
外壁下地材上に積層された塗膜層の表面を研磨ずりする
ことによって、行うことができる。
【0063】本発明の塗料組成物が塗布できる建築物の
下地材(素地材)としては、その素材を特に制限され
ず、例えばコンクリート、セメントモルタル、石膏プラ
スター、ドロマイトプラスター、石綿スレート、石膏ボ
ード、漆喰壁、パルプセメント板、石綿セメント珪酸カ
ルシウム板、木毛・木片セメント板、GRCガラス繊維
強化コンクリートパネル及び石綿セメント中空押出成形
板などのセメント系及び石膏系塗素地;ベニア板、積層
材、合板、木質繊維板及びパーティクルボード等の木質
系素地;塩化ビニル樹脂や酢酸ビニル等のビニル系樹脂
などを素材とするプラスチック系素地;その他、各種金
属系素地を挙げることができる。また、本発明が対象と
する建築下地材には、クロスが貼着されたり各種塗料が
塗布されてなるものであってもよい。すなわち、本発明
の塗料組成物によれば、当該クロスや塗面に塗布施工す
ることによって建築物の内外壁や天井をリフォームする
ことが可能である。
【0064】また、の施工方法は、建築物の内外壁、
屋根や天井の下地材(素地材)もしくは下地材(素地
材)に設けられた内外壁枠や下桟等に前記本発明の塗装
物(クロス、パネル、ボードなどの建材)を、各側端面
同士を当接して配置する工程、各建材の接合部の表面領
域に本発明の塗料組成物、好適には常温での粘度が30
0〜8000センチポイズ、好ましくは500〜500
0センチポイズ、より好ましくは1000〜4500セ
ンチポイズの塗料組成物を塗布して固化するまで乾燥
し、次いで必要に応じて当該塗膜層領域の表面を研磨ず
りすることによって行うことができる。
【0065】建材として内外装パネルを用いる場合、各
パネルの連設態様は特に制限されないが、一例として図
2に示す連設方法を挙げることができる。具体的には、
垂直な側面を有するパネルの該側面同士を当接して連設
することにより平坦なパネル面を形成する突付け張り法
(図2(a))、少なくとも表面側に面取り斜面を有す
る内外装パネルを各々その側面同士を当接して連設し
て、該連設部においてV字状の溝を有するパネル面を形
成する突付けV形みぞ張り法(図2(b))、辺部がお
互いに相じゃくり、又は相じゃくりざね又は本ざね等の
仕口を形成してなる内外装パネルを各々その側面同士を
当接して連設して、該連設部において角溝を有するパネ
ル面を形成する突付け張りもしくは目透かし張り法(図
2(c))を例示できる。
【0066】図2(b)及び(c)のようにパネルの接
合部分に溝が形成される場合は、上記塗料組成物の塗布
に先立って接合部の該溝部に塗布した塗料組成物と同じ
組成の粘度の高い(低含水率)塗料組成物、好適には常
温で8000〜20000センチポイズ、好ましくは8
000〜10000センチポイズの粘度を有する塗料組
成物をシール材として充填し、次いでその上から常温で
300〜8000センチポイズの粘度を有する塗料組成
物を塗布することが好ましい。また、塗料組成物の充填
若しくは塗布に先立って、パネル間の接合部を補強部材
で被覆することもできる(図3、図4)。
【0067】補強部材としては、織布、不織布、セラミ
ックペーパー、合成紙、メッシュ、寒冷紗などのテープ
状部材を例示することができ、これらはそのまま、ある
いはこれに目止め塗料、樹脂などを塗布して、あるいは
フィルムをラミネートして使用することができる(図
3)。また、補強部材として、断面略T字型若しくは略
エ字型のプラスチック製もしくは金属製のジョイナーを
用いることもできる(図4)。
【0068】本発明の施工方法によれば、特に仕上げ工
程における塗装または研磨ずりによって、クロスやパネ
ル等の建材の接合部において、その継目が目立つことな
く、建材表面を実質上均一乃至連続した綺麗な状態にす
ることができ、美観の良好な内外装を施すことが可能と
なる。
【0069】(4)建築内外装の修復方法 また本発明は、上記建材または塗料組成物を用いた建築
物内装・外装の施工面の修復方法に関する。かかる修復
・修繕方法の実施態様としては下記のものを挙げること
ができる。
【0070】消石灰、アクリル系樹脂、無機顔料及び水
を含有する本発明の塗料組成物を塗布して形成される塗
膜層を表面に有する壁面の損傷部を修復する方法であっ
て、(i) 必要であれば該損傷部の塗膜層を削りとる工
程、(ii) 壁面損傷部に本発明の塗料組成物を充填若し
くは塗布して乾燥する工程、及び(iii)必要に応じて、
当該塗膜面を研磨ずりする工程を含む、建築物内外装壁
面の修復方法。
【0071】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、水性塗料であり
ながら、消石灰を含有することによって、調湿性及び結
露防止性といった機能を発揮することができる。このた
め、建築物、特にマンション等の湿気が問題となる壁、
天井及び押入内壁等の内装用塗料若しくは建材用塗料と
して極めて有用である。また、特に酸化チタンを始めと
する無機顔料を顔料として含む本発明の塗料組成物は、
調湿性を損なうことなく、低塗布量で優れた隠蔽力を有
し、しかも付着性及び成膜性(歩留まり、耐ひび割れ
性、可撓性、外観性)に優れているため、低コストで調
湿性等の有用な機能を有する薄塗膜を形成することがで
きる。また、本発明の塗料組成物は、従来消石灰を主成
分とする漆喰には必須であったスサなどの繊維素材を配
合しなくても、付着性及び成膜性(歩留まり、耐ひび割
れ性、可撓性、靱性)に優れており、これによってさら
に塗装作業の簡便化を図ることができるものである。
【0072】本発明の塗料組成物は、消石灰を主成分と
する一液型塗料であって、しかもJIS 5663-1995に規定
される合成樹脂エマルションペイントの少なくとも2種
(屋内用ペイント)、さらに1種(屋外用ペイント)の
品質を備えることができる。従って、事前に工場などで
1液に調合したものを容器に充填した状態で提供できる
ため、現場での調合の手間を省くことができ、また塗装
後残ったものは再び容器に戻して貯蔵できる利点を有す
るものである。また本発明の塗料組成物は主に消石灰と
いう自然素材から調製されるものであるため、「化学物
質過敏症」や「シックハウス症候群」等が問題となって
いる今日において、当該塗料並びに該塗料を用いて調製
される建材(クロス、ボード、パネル等)は人に優しい
住宅用(建築物用)塗料(内・外装用塗料)並びに内・
外装用建材(壁材、屋根材、天井材)として有用であ
る。
【0073】本発明の塗料組成物は、低コスト性、施工
の簡便性、美観性、機能性等の点からきわめて商品価値
の高い塗料組成物である。また本発明の塗料組成物は、
クロス間またはパネル間の継目の隠蔽処理にも好適に使
用でき、また薄塗膜化が可能であることから内外装壁面
や天井面の修復・修繕にも有用であり、この点からも新
規施工並びにリフォーム施工にも幅広く使用できる商品
価値の高い塗料組成物である。
【0074】
【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて
具体的に説明する。ただし、これらの実施例は本発明の
一態様にすぎず、本発明はこれらの例に何ら限定される
ものではない。例1 消石灰 34.0 (100.0 %) アクリル系樹脂エマルジョン(旭化成) 7.0 ( 8.8 %) 酸化チタン(EP-498、大日精化) 5.0 ( 14.7 %) 体質顔料 14.0 増粘剤(SP-600、ダイセル化学) 0.03 消泡剤(KM-70、信越化学) 0.67 分散剤 0.3 水 残 部 全 量 100.0重量部 上記成分を塗料調合用ミキサーに入れて撹拌することに
より固形分及び樹脂成分を水に安定に分散させて、本発
明の一液型水性塗料組成物(固形分含有率約57%、消石
灰約60重量%含有(固形換算))を調製した。尚、上記
アクリル系樹脂エマルジョン(ポリアクリル酸エステ
ル)は固形分を約43重量%の割合で含むものを使用し
た。上記処方において、かっこ内の数値は消石灰を10
0重量%とした場合のアクリル系樹脂エマルジョン(固
形分)及び酸化チタンの配合割合を示すものである(以
下の実施例において同じ)。
【0075】 例2 消石灰 42.0 (100.0 %) アクリル系樹脂エマルジョン(旭化成) 8.0 ( 9.5 %) 酸化チタン(EP-498、大日精化) 6.0 (14.3 %) 体質顔料 1.0 増粘剤(SP-600、ダイセル化学) 0.03 消泡剤(KM-70、信越化学) 0.67 分散剤 0.2 レベリング剤 0.1 水 残 部 全 量 100.0重量部 上記成分を塗料調合用ミキサーに入れて撹拌することに
より固形分及び樹脂成分を水に安定に分散させて、本発
明の一液型水性塗料組成物(固形分含有率約54%、消石
灰約77.8重量%含有(固形換算))を調製した。尚、上
記アクリル系樹脂エマルジョン(ポリアクリル酸エステ
ル)は固形分を50重量%の割合で含むものを使用し
た。
【0076】 例3 消石灰 23.0 (100.0 %) アクリル系樹脂エマルジョン(旭化成) 5.0 ( 8.7 %) 酸化チタン(EP-498、大日精化) 10.0 ( 43.5 %) 体質顔料 20.0 増粘剤(SP-600、ダイセル化学) 0.03 消泡剤(KM-70、信越化学) 0.67 分散剤 0.3 水 残 部 全 量 100.0重量部 上記成分を塗料調合用ミキサーに入れて撹拌することに
より固形分及び樹脂成分を水に安定に分散させて、本発
明の一液型水性塗料組成物(固形分含有率約56%、消石
灰約41重量%含有(固形換算))を調製した。尚、上記
アクリル系樹脂エマルジョン(シリコン変性アクリル樹
脂)は固形分を40重量%の割合で含むものを使用し
た。
【0077】 例4 消石灰 43.0 (100.0 %) アクリル系樹脂エマルジョン(旭化成) 25.0 ( 24.1 %) 亜鉛華 7.5 ( 17.4 %) 体質顔料 2.0 ( 4.7 %) 増粘剤(SP-600、ダイセル化学) 0.03 消泡剤(KM-70、信越化学) 0.67 分散剤 0.5 水 残 部 全 量 100.0重量部 上記成分を塗料調合用ミキサーに入れて撹拌することに
より固形分及び樹脂成分を水に安定に分散させて、本発
明の一液型水性塗料組成物(固形分含有率約64%、消石
灰約67.2重量%含有(固形換算))を調製した。尚、上
記アクリル系樹脂エマルジョン(ポリアクリル酸エステ
ル、Tg=-20℃)は固形分を41.5重量%の割合で含む
ものを使用した。
【0078】 例5 消石灰 40.0 (100.0 %) アクリル系樹脂エマルジョン(旭化成) 26.0 ( 32.5 %) 硫化亜鉛 7.5 ( 18.8 %) 体質顔料 2.0 ( 5.0 %) 増粘剤(SP-600、ダイセル化学) 0.03 消泡剤(KM-70、信越化学) 0.67 分散剤 0.5 水 残 部 全 量 100.0重量部 上記成分を塗料調合用ミキサーに入れて撹拌することに
より固形分及び樹脂成分を水に安定に分散させて、本発
明の一液型水性塗料組成物(固形分含有率約63.7%、消
石灰約62.8重量%含有(固形換算))を調製した。尚、
上記アクリル系樹脂エマルジョン(ポリアクリル酸エス
テル、Tg=-20℃)は固形分を50重量%の割合で含むも
のを使用した。
【0079】例6 例1及び4で調製した塗料組成物をそれぞれエアレスス
プレーに入れて、石膏ボード(タテ20cm×ヨコ20
cm×厚さ1cm、吉野石膏製)の一面に満遍なく吹き
付け、通風乾燥によって塗膜(合計塗布量(塗料総量)
500g/m2、乾燥塗膜0.35mm)を形成した。石膏パネル
は、直射日光、斜光、照明等の様々の光に対して、いず
れも吹きムラ、色ムラ及び艶ムラが見られず、均一な外
観を有していた。該パネルは、吸湿性及び放湿性に優れ
ており湿度80%の環境下においても結露の発生を有意
に防止することができた。さらに、該パネルの塗膜層の
表面に直火を近づけても発火せず、また煙も発生せず、
耐燃性に優れていることが確認された。
【0080】次いで得られた石膏パネルを、室内の内装
壁材として、壁下地材に塗膜層を表にして釘で打付施工
した。釘頭が被覆層の内部に陥没するまで打ち付け、そ
れによって形成された釘頭凹部に、消石灰、アクリル系
樹脂エマルジョン(ポリアクリル酸エステル)及び増粘
剤からなる組成物に水を入れてやや固めに混練りしたパ
テ状塗材(粘度8000センチポイズ)を挿入・充填
し、固化後、釘打ち部及びその周辺部に再度実施例1及
び4の塗料組成物をそれぞれ塗布して仕上げた。壁材と
して施工された内装材は、釘打部(補修部)表面が周辺
部と区別できないほど一体化してきれいに仕上がった。
また、該内装パネルに塗布形成された塗膜は、室内の壁
に施工後も、ひび割れすることなく十分な靱性並びに可
撓性を備えていた。
【0081】実験例1 例1で調製した塗料組成物を用いて付着強度並びに乾燥
塗膜の強度を測定した。 (1) 付着強度 例1で調製した塗料組成物をエアレススプレーに入れ
て、歩道板(プライマー処理ありとプライマー処理なし
の2種類)及びベニア板(プライマー処理なし)(300
×150×5mm)の一面に満遍なく吹き付け、通風乾燥によ
って固化させて塗膜厚0.5mmのパネル(試験板)を
作成した。かかるパネルをそれぞれ3検体ずつ用いてJI
S K5400-1990 8.8に規定される試験(引張強さ)に従っ
て試験を行い、塗膜の付着性を評価した。なお、引張り
試験機としてADHESION TESTER ELCOMETERを使用した。
具体的には、接着面破断または内部面破断を生じた時点
の荷重(kgf)を測定して、引張強さを算出した(JIS K
5400-1990 8.8)。結果として、各試験板において行っ
た3検体の平均を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】(2) 乾燥塗膜強度 上記で調製した試験板についてJIS K5400-1990 8.4に規
定される鉛筆引っかき値測定法(手かき法)に従って試
験を行い、塗膜の強度を評価した。具体的には、上記で
調製した試験板(歩道板)に形成された塗膜表面に鉛筆
で引っかいて、5回の試験で塗膜のすり傷が2回以上に
なる鉛筆の芯濃度(H)から、本発明の塗料組成物から
形成される塗膜の強度をHBと評価した。
【0084】また例4で調製した塗料組成物について同
様の試験を行ったところ、付着強度については例1の塗
料組成物の付着強度よりも優れた結果が得られた。また
乾燥塗膜強度については例1の塗料組成物と同様の結果
が得られた。
【0085】実験例2 例1で調製した塗料組成物をエアレススプレーに入れ
て、石膏ボード(タテ40cm×ヨコ25cm×厚さ5
mm)の一面に満遍なく吹き付け、通風乾燥によって固
化させて、塗膜厚0.6mmのパネルを作成した。
【0086】かかるパネルを6検体用いて調湿試験を行
った。なお、塗膜層の調湿性を正当に評価するためにパ
ネルの側面及び裏面(塗料非塗布面)には防湿性シール
を施して水蒸気が透過しないようにした。具体的には、
本発明の建材パネルを相対湿度65%温度20℃の環境
下に放置して、水分吸収量がほぼ平衡に達する48時間
後に秤量し、次いで被検体を相対湿度98%温度20℃
の環境下に移して、再び水分吸収率がほぼ平衡に達する
48時間後に秤量して単位表面積(1m2)あたりのパ
ネルの水分吸収量を求めた。次に吸湿試験後の検体を同
様に相対湿度65%温度20℃の環境下に移して、24
時間放置した後に秤量して単位表面積(1m2)あたり
のパネルの水分吸収量を求めた。そして、これらの実験
における水分吸収量の差をそれぞれ吸湿量及び放湿量と
して評価した。
【0087】結果を比較品として用いた塩化ビニル製の
壁紙(タテ40cm×ヨコ25cm)の調湿効果と併せ
て、表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】なお、表中の表示は下記のことを意味す
る。 20℃65%重量(g/m2)*1:20℃65%RH 48時間放置後の1m2
あたりの重量 20℃65%重量(g/m2)*2:20℃65%RH 24時間放置後の1m2
あたりの重量 20℃98%重量(g/m2) :20℃98%RH 48時間放置後の1m2
たりの重量 吸湿性 (g/m2) :20℃98%重量 − 20℃65%重量*1 放湿性 (g/m2) :20℃98%重量 − 20℃65%重量*2 このことから、本発明の塗料組成物を塗布して形成され
る塗膜には優れた調湿機能(吸湿性、放出性)があるこ
とが確認された。また例4及び5において調製された塗
料組成物についても同様の調湿性が確認された。
【0090】実験例3 例1及び2で調製した塗料組成物(塗料1及び2)につ
いて、日本工業規格JIS K 5400に規定されている方法に
基づいて、(1)容器の中での状態(JIS K 5400の4.1
(2))、(2)塗装作業性(JIS K 5400の6.1)、(3)低温安
定性(JIS K 5400の5.1)について調べ、さらに形成さ
れた塗膜について、(4)乾燥時間(JIS K 5400の6.5)、
(5)塗膜の外観(JIS K 5400の7.1)、(6)隠蔽率(JIS K
5400の7.2)、(7)耐アルカリ性(JIS K 5400の8.2
1)、(8)耐洗浄性(JIS K 5400の8.11)、(9)耐水性(J
IS K 5400の8.19)及び(10)促進耐候性(JIS K 5400の
9.8.1)の各項目について調べた。なお各項目の試験方
法並びに評価は、全てJIS K5663-1995に規定されている
方法に準拠した。
【0091】(1) 容器の中での状態(JIS K5663-1995の
5.3) 塗料を容器(金属製内面コート缶)に充填し、室温で2
4時間以上静置した後、容器の蓋を開け棒で中身をかき
混ぜて塗料の状態を調べた。かき混ぜたときに、堅い塊
がなくて中身全体が一様になる場合を「良好」、塊はな
いが一様になりにくい場合を「普通」、塊を認める場合
を「不良」とした。
【0092】(2) 塗装作業性(JIS K5663-1995の5.4) 試験板(フレキシブル板、500×200×3mm)の平滑な面
に塗料をそれぞれ刷毛で一様に塗り(1回目、塗布量:1
0〜13mml/1枚)、6時間おいてから2回目の刷毛塗り
(塗布量:9〜11mml/1枚)を行い、2回目を塗る際の
刷毛運びの困難性の有無から塗装作業性を評価した。2
回目を塗る際の刷毛運びが困難でない場合を「2回塗り
で塗装作業に支障がない」として評価を「良好」とし、
刷毛運びの困難性に応じて順次「普通」、「不良」とし
た。
【0093】(3) 低温安定性(JIS K5663-1995の5.5) 塗料を容器(金属製内面コート缶)にほぼ一杯に満たし
て密閉し、温度−5±2℃の低温恒温器中に18時間収
納した後、取り出して室温下に6時間放置する操作を3
回繰り返した。次いで、容器の蓋を開けて中の塗料を棒
でかき混ぜて一様になるかどうかを調べた。また、前述
する(2)の方法に準じて塗装作業性を調べた。具体的
には、低温恒温器に入れる前の塗料で1回塗りし、低温
安定性を調べた処理塗料を用いて2回塗りを行い、2回
目の刷毛運びの困難性を評価した。さらに、上記塗装作
業性試験の終わった試験板を24時間乾燥して、形成され
た塗膜の外観を評価した。塗料が容易に一様となり、塗
装作業性と塗膜の外観に異常がないとき「−5℃に冷や
したときに変質しない」として評価を「良好」とし、順
次不良の程度に応じて「普通」及び「不良」とした。
【0094】(4) 乾燥時間(JIS K5663-1995の5.6) 塗料をガラス板(200×100×2mm)の片面に隙間100μ
mのB形フィルムアプリケータを用いて塗布し、これを
20±1℃、湿度65±5%の恒温恒湿室に入れて、塗
膜が半硬化状態(塗面の中央を指先で静かに軽くこすっ
て塗面に擦り傷がつかない状態)まで乾燥する時間を測
定した。
【0095】(5) 塗膜の外観(JIS K5663-1995の5.7) 上記(2)塗装作業性の試験で塗料を塗布した試験板を24
時間乾燥させて、拡散昼光の下で塗面を肉眼でみて、刷
毛目の程度の大きさ、穴や弛みの有無、塗膜表面の一様
性(むらなし)を評価した。刷毛目の程度が大きくな
く、穴や弛みがなく、塗膜表面が一様(むらなし)であ
るとき、「塗膜の外観が正常である」として評価を「良
好」とし、順次不良の程度に応じて「普通」及び「不
良」とした。
【0096】(6) 隠蔽率(JIS K5663-1995の5.8) 隠蔽率試験紙をガラス板の上に固定し、その上に塗料を
隙間150μmのB形フィルムアプリケーターを用いて塗
り、24時間放置して乾燥させた。試験紙の白地と黒地の
上に形成された塗膜の視感反射率を反射率測定装置を用
いて、試験片の3カ所について測定した。得られた視感
反射率から下記の式から隠蔽率を求めた。
【0097】
【数1】
【0098】(7) 耐アルカリ性(JIS K5663-1995の5.1
0) 試験片:予め周辺及び裏面を同種の塗料で2〜3回
塗り包んでおいたフレキシブル板(150×70×3mm)の表
面に塗料を刷毛で1±0.1ml/100cm2 の割合で一様に
塗り、6時間後、同様に更に1回塗って5日間乾燥し、
次いで試験板の周辺及び裏面をパラフィンで被覆して、
試験片とした(3枚準備、うち1枚は原状試験片)。 上記試験片を水酸化カルシウム飽和溶液(20±1
℃)中に18〜48時間浸漬し、2枚の試験片について
溶液から取り出した直後と2時間後の観察で、塗膜の状
態を原状試験片との比較で評価した(膨れ、割れ、剥が
れ、穴、軟化、色、艶)。 評価:48時間または18時間の浸漬処理で、試験片2
枚の塗膜に膨れ、割れ、剥がれ、穴、軟化を認めず、更
に浸漬溶液の着色や濁りがなく、原状試験片と比べて艶
の変化や変色の程度が大きくない時を、それぞれ「48時
間浸したとき異常がない」として評価を「良好」、また
は「18時間浸したとき異常がない」として評価を「良」
とした。
【0099】(8) 耐洗浄性(JIS K5663-1995の5.11) 試験片:フレキシブル板(430×170×5mm)の中央部
の長辺の長さ約400mmに隙間150μmのB形フィルムアプ
リケーターで塗料を塗り、塗面を上向きにして7日間乾
燥したものを試験片とした(2枚準備)。 ウォッシャビリティーマシンを用いて、0.5%の石鹸
水で濡らした試験片(2枚)の塗膜面をブラシで往復
(100回〜500回)して擦り、その後試験片を試験機から
外して水で洗い、ブラシで擦った跡の中央にあたる長さ
100mmの部分の塗膜を拡散昼光の下で、塗膜の破れや摩
滅の有無を目視で調べた。 評価:500回以上のブラシ往復で、試験片2枚とも中
央部分の塗膜が破れまたは摩滅によって試験片の素地の
露出が認められない場合を「500回の洗浄に耐える」と
して評価を「良好」とし、また100回以上の往復で試験
片の素地の露出が認められない場合を「100回の洗浄に
耐える」として評価を「良」とした。
【0100】(9) 耐水性(JIS K5663-1995の5.9) 上記(7)耐アルカリ性試験で使用した試験片と同じもの
を使用して(2枚)、これを脱イオン水(20±1℃)に
96時間浸漬して、試験片2枚について溶液から取り出
した直後と2時間後の観察で、塗面の状態を評価した
(シワ、膨れ、割れ、剥がれ、色、艶)。
【0101】(10) 促進耐候性(JIS K5663-1995の5.1
2)(サンシャインカーボンアーク灯式:JIS K 5400 9.
8.1) 試験片:予めJPIA-23の合成樹脂エマルジョンシーラ
ーで処理したフレキシブル板(150×70×3mm)に塗料
を2回一様に刷毛塗りし(一回につき塗布量:1.0±0.1
ml/cm2)、5日間乾燥して試験片とした(2枚、うち
1枚原状試験片)。尚、1回塗りと2回塗りとの間が6
時間とした。 サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験器(ブ
ラックパネル温度:63℃、降雨サイクル:120分間隔で
18分間)を用いて200時間照射して、原状試験片と
耐候試験片の塗膜を肉眼観察して、色むらと色つやの変
化の程度、白亜化・か膨れ・剥がれ・割れの有無を調べ
た。 白亜化度が8点以上で、膨れ、はがれ、割れがな
く、色の変化の程度が原状試験片に比べて大きくないと
きは、評価を「良好」とし、順次不良の程度に応じて
「普通」及び「不良」とした。
【0102】結果を表3に示す。
【0103】
【表3】
【0104】これらの結果から、本発明の塗料組成物
は、合成樹脂エマルジョンペイントの少なくとも2種、
また1種の規格(JIS K5663-1995)を満たす塗料である
ことが確認された。また、同様にして例4及び5で調製
した塗料組成物についても、同様にして測定した結果、
これらも合成樹脂エマルジョンペイントの少なくとも2
種、また1種の規格(JIS K5663-1995)を満たす塗料で
あることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建材の下地材(素地)へ配設方法を示
す断面図である。
【図2】本発明の建材(パネル)の連設態様を示す断面
図である。(a)は突付け張り、(b)は突付けV形み
ぞ張り、及び(c)相じゃくりの仕口による目透かし張
りをそれぞれ示す。
【図3】パネルの施工方法によって処理された(補強部
材として寒冷紗等のテープ材を使用)、パネル接合部を
示す断面図である。
【図4】パネルの施工方法によって処理された(補強部
材として略T字形ジョイナーを使用)、パネル接合部を
示す断面図である。
【符号の説明】
1.パネル基材 2.塗膜層 3.釘 4.塗料組成物(パテ)充填部 5.壁下地材 6.接合部 7.テープ材(補強部材) 8.ジョイナー(補強部材)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消石灰、アクリル系樹脂、無機顔料及び水
    を含有する塗料組成物であって、(a)消石灰の配合割
    合が30〜80重量%(固形換算)、(b)アクリル系
    樹脂が(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステ
    ル、(メタ)アクリルアミド類及び(メタ)アクリロニ
    トリルよりなる群から選択されるいずれか少なくとも1
    種をモノマー成分として含有するホモポリマーまたはコ
    ポリマーであって、該樹脂の消石灰100重量部に対す
    る配合割合が10重量部未満(固形換算)、(c)無機
    顔料の消石灰100重量部に対する配合割合が1〜22
    0重量部(固形換算)である建築用塗料組成物。
  2. 【請求項2】アクリル系樹脂が、(メタ)アクリル酸若
    しくはそのエステルから形成されるホモポリマーまたは
    コポリマーである請求項1記載の建築用塗料組成物。
  3. 【請求項3】無機顔料が酸化チタン,亜鉛華,リトポ
    ン,硫化亜鉛及びアンチモン白よりなる群から選択され
    る少なくとも1種の白色顔料、好ましくは酸化チタンで
    ある請求項1または2に記載の建築用塗料組成物。
  4. 【請求項4】繊維素材を含まないことを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の建築用塗料組成物。
  5. 【請求項5】乾燥塗膜の隠蔽力が500μm以下である
    請求項1乃至4のいずれかに記載の建築用塗料組成物。
  6. 【請求項6】粘度が常温で300〜8000センチポイ
    ズである請求項1乃至5のいずれかに記載の建築用塗料
    組成物。
  7. 【請求項7】塗液またはその乾燥塗膜の (1)容器の中で
    の状態、(2)塗装作業性、(3)低温安定性、(4)塗膜の外
    観、(5)耐アルカリ性、(6)耐洗浄性、(7)隠蔽率が、JIS
    K 5663-1995に規定される少なくとも2種ペイントの性
    質を満たすものである、請求項1乃至6のいずれかに記
    載の建築用塗料組成物。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の塗料組
    成物から形成される塗膜を有することを特徴とする塗装
    物。
  9. 【請求項9】建材である請求項8記載の塗装物。
  10. 【請求項10】建築下地材又は素地材の表面に、請求項
    1乃至7のいずれかに記載の塗料組成物を塗布し、乾燥
    後、必要に応じて塗膜面を研磨ずりすることを特徴とす
    る塗装方法。
  11. 【請求項11】 (i) 建築下地材または素地材に請求項
    9記載の建材を複数連設する工程、(ii) 各建材の接合
    部に、請求項1乃至7のいずれかに記載の塗料組成物を
    充填若しくは塗布して乾燥する工程、及び(iii) 必要に
    応じて、塗膜面を研磨ずりする工程を含む、建築物内外
    装の施工方法。
  12. 【請求項12】(i) 建築下地材または素地材に請求項9
    記載の建材を複数連設する工程、(ii) 必要に応じて、
    各建材の接合部に請求項1乃至7のいずれかに記載の塗
    料組成物を充填若しくは塗布する工程、(iii) 該接合部
    を補強部材で覆う工程、(iv) 該補強部材上に請求項1
    乃至7のいずれかに記載の塗料組成物を塗布して乾燥す
    る工程、及び(v) 必要に応じて、塗膜面を研磨ずりする
    工程を含む、建築物内外装の施工方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至7のいずれかに記載の塗料
    組成物を塗布して形成される塗膜層を表面に有する建築
    物内・外装面の損傷部を修復する方法であって、(i) 必
    要であれば該損傷部の塗膜層を削りとる工程、(ii) 壁
    面損傷部に請求項1乃至7のいずれかに記載の塗料組成
    物を充填若しくは塗布して乾燥する工程、及び(iii)必
    要に応じて、当該塗膜面を研磨ずりする工程を含む、建
    築物内・外装面の修復方法。
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JP2005002787A (ja) 2002-02-15 2005-01-06 Rikuo Himeno 重ね塗りによって生じる着色漆喰塗膜の色差を抑制する方法
JP2009270324A (ja) * 2008-05-07 2009-11-19 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 建築仕上塗材
KR101464306B1 (ko) * 2012-10-08 2014-11-24 차인회 첨가제를 함유하는 차열 및 단열 도료

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