JP5907643B2 - 塗り壁の施工方法 - Google Patents

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本発明は、低吸水性紙シートを用いた塗り壁の施工方法及び塗り壁構造に関する。
従来、日本の住宅の壁構造の殆どは左官土壁塗りであったが、工期も長くかかり大量の泥土を必要としていたため、近代住宅には不向となり、現在は石膏ボードなどで壁の躯体を構成させるクロス貼仕上げが主流となっている。
しかし、火災時の有毒ガス発生や廃棄による公害、それらの素材や接着剤に含まれる有機溶剤などでシックハウス症候群などの問題が起こったため、現在では、素材や接着のりなど、かなり改良が加えられたが、依然として素材には調湿機能がなく、湿度が高い日本の気候に合わず、調湿機能の高い左官塗り壁が見直され施工もされているが、その下地として石膏ボードなどを用いた張りぼてであり、ひび割れなどの問題や課題がある。
特に塗り壁下地の水分が石膏ボード合板ベニヤなどの下地素材に浸透することによって、下地素材からアクが染み出したり、下地素材による吸水率の違いに起因すると考えられる色ムラが発生したり、柱や桟木など石膏ボード取り付け部材の乾燥にともなう歪みや、縮みなど下地の動きによって発生している塗り壁のひび割れなど、下地の状態が仕上がりの善し悪しに密接に関係する課題がある。
このため、塗り壁作業に着手する前に下地を適性な状態にするための前作業に多くの時間を費やさなければならなかった。それにより、塗り壁が室内空気環境に好適であることが知られていても、施工が容易なクロス貼りなどと比べて高価となり、工期も長くかかる課題がある。
また、塗料などの場合も同様に、石膏ボードなどの継ぎ目や下地素材の違いによるひび割れや下地素材から染み出すアクが原因の色ムラ発生等の問題がある。
そのため、和紙やパルプ紙などを石膏ボードや合板ベニヤなどの躯体に貼り付け、継ぎ目のない一枚の壁下地を構成させてやれば、下地条件を一定にさせることが出来るが、その場合、紙の収縮により継なぎ目の紙が切れるなどの問題があり重ね貼りを行うが、継なぎ部分に段差が生じるので塗り壁下地としては問題であり、また貼り付け施工時においてシートに糊を付着すれば糊の水分で紙がよれよれになり貼り付け作業も困難であった。
現在行われている左官塗りによる下地調整の場合、石膏ボードの継なぎ目部分から発生するひび割れの防止として、寒冷紗などのメッシュを用いて継ぎ目部分のみに貼り付ける方法で一体化させているが、その部分だけ下地材が厚く吸水率が異なる下地となり、色ムラ発生の原因となっている。又、下塗りに用いる下地材は吸水の激しい素材の場合、仕上げ施工が困難な為、吸水率の低い樹脂を用いた下地材が多く使用されるため、下地施工時に養生テープにより建物の部材を痛めたり、樹脂による汚れの付着跡が残るなどの問題がある。
これらの課題に対処するため、下地処理用シートに金属酸化物を蒸着したフィルムで形成された防湿層を採用した技術(特許文献1)、塩化ビニールやナイロンなどの樹脂シートからなる防水シートを採用した技術(特許文献2)などが提案されている。
特開2008−156882号公報(特許文献1)には、仕上げ塗り塗工までの施工時間の短縮と省力化とを可能とする壁面下地処理用シート及びこれを用いた塗り壁材の施工方法を提供することを目的とし、壁面に貼り合わされた後、表面から仕上げ塗り材が塗工される壁面下地処理用シートであって、壁側繊維質層と、該壁側繊維質層に積層された防湿層と、該防湿層に積層された表側繊維質層とを備え、防湿層は金属酸化物を蒸着したフィルムで形成され、表側繊維質層および壁側繊維質層がそれぞれ紙からなることを特徴とする壁面下地処理用シートを壁面に貼り合わせ、その表面から仕上げ塗り材を塗工することを特徴とする「壁面下地処理用シート及び塗り壁材の施工方法」が提案されている。
しかし、特許文献1に示す壁面下地処理用シートでは、漆喰などの薄塗り仕上げが不可能であり、さらに色付きの壁仕上げでは、貯水槽とネット状の繊維に段差があるため色ムラ発生の原因となる。また、防湿層を形成している繊維質層と貯水層とに別れており繊維で筋状に囲むようにして、その間に貯水させる方法を取り防湿層を形成する場合、薄塗り仕上げ材の塗り壁では、網目模様の形跡が写る恐れや、筋目状に沿うような形で段差的な不陸が生じる恐れがある。更に防湿層のフィルムに塗り壁を装着させるため、繊維を用いて網目模様のネットを貼り付けて構成させたシートであるので、繊維の空間に空気層があり漆喰などきめ細かく粘りのある材料の場合、塗り壁表面に気泡が出来るなどの問題がある。しかも、ネット状の繊維を貼り付けた防湿層に網目状の段差があり、薄塗りの施工が不可能であり、一定の厚みが必要なため塗り壁による重量がシートに掛かり、経年劣化による糊の接着強度低下が進めば剥離、剥落のおそれがある。
実用新案登録第3152470号公報(特許文献2)には、躯体の下地素材や乾燥度などの条件の違いで仕上げが左右されることなく、施工価格の低減と工期短縮を図ることが可能な湿式工法の塗り壁構造を提供することを目的とし、躯体下地との接着層と吸水性を持たず水分を遮断する防水性を有する防水層から成る防水シートと、該防水シートへの接着性と空気中の水分の吸放出性を有する湿式塗り壁によって構成され、躯体下地、防水シート、湿式塗り壁の順で施工したことを特徴とする「壁構造」が提案されている。
しかし、特許文献2に示す防水シートでは、特許文献1に示すような防湿層や繊維質層を設けず、壁下地の躯体に塩化ビニールを貼り付けることで水分による下地への影響を阻止させ、ひび割れや、色ムラ発生を防ぐとあることから、湿式工法である水捏ねによる塗り壁はビニール系の素地には装着せず、そのために接着可能な樹脂系のバインダーを使った壁材に限定されており漆喰などの仕上げ材は不可である。また、環境問題や健康促進が目的の開発であり、ビニールやフィルムなどの使用によって解体処理時に環境悪化の恐れがある。
また、上記以外にも塗り壁の施工方法に関して、以下に示すようなケナフ繊維ボード(透湿度1000g/m・24h以上)を採用した技術(特許文献3)、糊層を有する下張りシートを採用した技術(特許文献4)などが提案されている。
特開2004−197327号公報(特許文献3)には、下地材の不陸や隙間を原因とする塗り壁構造の品質性能の低下を防止し、しかも、塗り壁の施工を容易に行えるようにすることを目的とし、壁体の表面に塗り壁材を塗工する塗り壁構造であって、壁体の表面側に配置される下地材と、下地材の表面に隙間なく貼り付けられるケナフ繊維ボード(透湿度1000g/m・24h以上)と、ケナフ繊維ボードの表面に前記塗り壁材が塗工された塗り壁層とを備える「塗り壁構造および塗り壁の施工方法」が提案されている。
特開2007−39971号公報(特許文献4)には、塗り壁材の乾燥後における色むらの発生、アクやシミの発生を防止できると共に、施工期間を短縮化でき、またバインダーの材料、使用量の問題も極力解消できるようにすることを目的とし、下地材上に塗り壁材を塗工し乾燥硬化させる塗り壁の施工方法において、下地材の表面に裏面側に貼着用の糊層を有する下張りシートを貼着し、少なくとも表面側に吸水することにより接着力が生じる再湿型又は再乳化型の糊層を有する前記下張りシートを使用し、該下張りシート上に塗り壁材を塗工することを特徴とする「塗り壁の施工方法」が提案されている。
特開2008−156882号公報 実用新案登録第3152470号公報 特開2004−197327号公報 特開2007−39971号公報
しかし、従来の紙シートを塗り壁下地処理に用いた塗り壁の施工方法では、上述したような湿式工法である塗り壁の課題や問題点を解決するには十分ではなかった。
そこで、本発明は、塗り壁下地処理シートに適した吸水性を低く押さえた紙シートを独自に開発し、この低吸水性紙シートを用いた塗り壁の施工方法及び塗り壁構造を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、壁体の表面に塗り壁材を塗工する塗り壁の施工方法において、躯体となる石膏ボード・ベニヤ又はモルタルの継ぎ目を平滑にする工程と、前記躯体下地の表面に艶面を有する短網層とザラ面を有する円網層を2層に重ね合わせて2層構造からなる低吸水性紙シートの円網層側のザラ面を糊で貼り付ける工程と、前記低吸水性紙シートの短網層側の艶面に湿式工法で塗り壁材を塗工する工程とを含むことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記低吸水性紙シートの前記短網層と前記円網層の重量比率が(短網層):(円網層)=(8〜6):(2〜4)の割合で構成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の前記低吸水性紙シートは、木材パルプ、竹粉末、ポリエステル繊維、ポリエステルバインダー、ビニロンバインダーのすべての成分を含有し、前記短網層と前記円網層の2層構造に形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の前記低吸水性紙シートの前記円網層側のザラ面及び前記短網層側の艶面のコップ吸水度が7〜13g/mに設定され、前記糊及び前記塗り壁材による水分の吸収を抑えて膨張や乾燥時の縮みを少なくしたことを特徴とする。
以上のように、本発明にかかる塗り壁の施工方法及び塗り壁構造によれば、塗り壁下地処理シートとして独自に開発した低吸水性紙シートを用いることにより、糊及び塗り壁材による水分の吸収を抑えて膨張や乾燥時の縮みを少なくすることができ、塗り壁に必要な適度の吸水性を有し、且つ塗り壁の水分が石膏ボードなどの下地に影響を及ぼす水量を浸透させず、下地素材の違いによる色ムラなどの課題を解消することができる共に、下地全面に低吸水性紙シートを貼り付けることで、石膏ボードなどの躯体下地を拘束し、動けない状態になりひび割れ防止にも効果がある。
また、下地素材の違いや左官塗り時の塗り厚の違いによって、部分的に吸水率が異なり塗り壁色素の吸い込みが一定せず、色ムラ発生の要因となっている。そこで、下地全体を低吸水性紙シートで覆う塗り壁の施工方法を用いることにより、下地条件を一定にさせることができるので、下地素材の違いや、左官下塗りの厚みの違いなども無関係になり、色ムラやひび割れも発生させない。
また、壁の広さや形状によっては、低吸水性紙シートを複数枚つなぎ合わせて貼り付け下地を構成させるが、その吸水率は和紙より低く、糊付け水分によってよれよれ状態にならず、低吸水性紙シートの端はしっかりしており取っ付け貼りが可能となり、端を重ねて切る従来の貼り付け工法の様に下地の石膏ボードにキズ付ける欠点も解消される。
本発明にかかる塗り壁構造の一例を示す断面図である。 (a) 本発明にかかる塗り壁壁構造の一例を示す平面図である。(b)本発明にかかる塗り壁壁構造に一例を示す分解断面図である。 低吸水性紙シートを用いた塗装壁構造の一例を示す断面図である。
本発明にかかる塗り壁の施工方法及び塗り壁構造に用いられる低吸水性紙シートについて、図1を参照して説明する。
低吸水性紙シート20は、コンビネーション式ヤンキー抄紙機を使って、同じ原料で形成した短網層21と円網層23を2層に重ね合わせた2層構造からなり、短網層21と円網層23の重量比率が(短網層):(円網層)=(8〜6):(2〜4)の割合で構成されている。また、コンビネーション式ヤンキー抄紙機を使って抄造することにより、この機械の特性上、ドライヤー側が短網層21の艶面22と、裏側が円網層23のザラ面24となっている。
ここで、低吸水性紙シート20の開発目的は、左官塗り壁による水分が下地材の石膏ボードや合板ベニヤなどに浸透し、塗り壁の色ムラや下地である躯体の動きから発生するひび割れや漆喰などの強アルカリ製品から染みでる水酸化カルシウムが下地材の石膏ボードに及ぼす悪影響の解消と、解体時に建材から発する環境汚染の防止であり、塗り壁下地に必要な適度の吸水性を持たせた下地であり、フィルム層や塩化ビニールなどを一切用いず吸水性の低い紙シートによって解決させることである。
低吸水性紙シート20は、ポリエステルとパルプの混合紙を用いることで吸水性の低い紙シートが形成され、コップ吸水度は15g/m以下に設定することが望ましく、試行錯誤の結果、施工条件によって適度の吸水性を考慮すると7〜13g/mに設定するのが好ましい。このため、塗り壁の水分が下地素材に悪影響を与える水量の到達を防ぎ、下地素材の膨張収縮の発生もなくひび割れ防止に有力であり、少量の吸水性や通気性も有しており、塗り壁に適合した紙シートである。また、ポリエステルにパルプ繊維を多く配合させることにより、引っ張り強度を高くし、更に竹の繊維を配合させることにより、抗菌性、脱臭性を有することを特徴とする。
上述した低吸水性紙シート20を塗り壁下地処理シートに用いることで、平滑で一定した条件の下地となり、色ムラやひび割れ、下地ボード継ぎ目の不陸など、湿式工法である塗り壁の課題や問題点を解決させる塗り壁の施工方法を提供することができる。
本発明にかかる塗り壁の施工方法について、図1及び図2を参照して説明する。本発明にかかる塗り壁の施工方法は、躯体1となる石膏ボード等の継ぎ目2を平滑にする工程(以下、「A工程」という。)と、躯体1下地の表面に低吸水性紙シート20の円網層23側のザラ面24を糊10で貼り付ける工程(以下、「B工程」という。)と、低吸水性紙シート20の短網層21側の艶面22に湿式工法で塗り壁材30を塗工する工程(以下、「C工程」という。)とを含むことを特徴とする。
(A工程について)
従来工法であれば、パテと寒冷紗により石膏ボードの継ぎ目を平滑にしていたが、それだけでは実際に塗材を塗るとひび割れ・クラックが生じたり、石膏ボード・パテ・寒冷紗と異なる下地により、塗材の水分の引き込みの違いが生じ、色ムラが発生するという問題が生じていた。本発明にかかる塗り壁の施工方法の工程では、躯体1となる石膏ボード等の継ぎ目2(V字型)を平滑にするのにパテを施すだけでよく、その上に低吸水性紙シート20を糊10で貼るため、従来工法に比べて作業時間が短縮できる。
(B工程について)
石膏ボードの他、ベニヤ、モルタルなど、材質の異なる壁面に対して、低吸水性紙シート20を貼ることにより、下地の均一化が図られる。この工程は、従来工法にはない工程であり、従来工法では、低吸水性紙シート20を糊10で貼りつける代わりに、下塗り工程を行っていた。したがって、本発明にかかる塗り壁の施工方法では、従来工法に比べてコスト低減を図ることができる。
また、貼り付け施工に用いる接着剤には、室内環境を汚染する有機溶剤を含まないデンプン系の糊10を用いることが好ましく、万遍なく均一に付着させることが出来る自動糊付け機を用いる。貼り付けはクロス貼りと同じ要領で行うが、躯体とシートの間に空気の層や、しわなどを作らず完全密着させる。
さらに、本発明にかかるシート貼り工法の場合、貼り付け糊10の経年劣化による接着力低下と、塗り壁材30の重量とが起因して発生すると考えられる塗り壁剥落の防止として、石膏ボードなどを取り付けている柱や桟木の部位などにステンレス製のタッカー針を用いてシート貼りの上からタッカー針留め3を行うことが有効である(図2参照)。
(C工程について)
上記のA工程及びB工程により出来上がった下地は、均一且つ平滑となり、吸水が一定になるという特徴を有する。この下地に塗り壁材30を塗るという工程の作業自体は従来工法と同じであるが、品質面に関して大きく異なる。即ち、上記下地に塗り壁材30を塗ることにより、従来工法で生じていたひび割れ・クラックの発生を防ぎ、色ムラも解消できる。また、低吸水性紙シート20は、適度な吸水性があり、特に内装消石灰・ドロマイトプラスター系薄付け仕上塗材(漆喰など)の場合に問題となる水たれも生じない。
以上のように、本発明にかかる低吸水性紙シート20を用いた塗り壁の施工方法では、湿式工法である塗り壁水分が、下地に影響を与え、色ムラ、変色、ひび割れなどこれまで塗り壁の弱点とされた課題を左官下塗り工法から、シート貼り工法に変えることで解決することができる。更に低吸水性紙シート20に竹の粉末を配合させ抗菌性と防臭性の機能を持たせることにより、調湿、脱臭、化学物質除去機能を有した塗り壁施工により室内環境をさらに高めることができる。また、塗り壁処理としてシート貼り工法で行う場合、壁としての強度や適度な厚みを考慮した場合、軽量で薄塗り工法がより好ましい。したがって、低吸水性紙シート20は平滑でシンプルな素材で構成することが要求されるが、それによって調湿効果などに影響することはなく、限られた素材の材料に限定されることもなく全ての塗り壁施工が可能であり安定した仕上がりを与えられる。
図3は低吸水性紙シートを用いた塗装壁構造の一例を示す断面図である。低吸水性紙シート20は、上述した塗り壁材(コテ仕上げ)だけでなく塗料(ローラー/吹付け仕上げ)にも用いることができる。塗料壁の施工方法は、上述した塗り壁の施工方法と基本的に同じである。図3は、低吸水性紙シート20のザラ面24側を表面として塗料40をローラー/吹付け仕上げで塗装した例を示しているが、図1に示すように低吸水性紙シート20の艶面22側を表面として施工してもよい。即ち、ローラー/吹付け仕上げの場合は、艶面22又はザラ面24のどちらが表(仕上げ面)になっても構わず、リバーシブル施工が可能である。なお、仕上がり感としては、艶面22はプレーンな仕上がり、ザラ面24は和紙風の仕上がりとなる。
以下、本発明にかかる実施例について説明する。
本発明にかかる塗り壁の施工方法及び塗り壁構造に用いられる低吸水性紙シート20は、コンビネーション式ヤンキー抄紙機を使って、同じ原料(木材パルプ、竹粉末、ポリエステル繊維、ポリエステルバインダー、ビニロンバインダー)で形成した短網層と円網層を2層に重ね合わせた2層構造となっており、その紙厚は約0.3mm、短網層と円網層の重量比率は約7:3である。また、上記原料の配合によりコップ吸水度は約10g/mに設定されている。
下地材(躯体1)としてプラスターボード(吉野石膏社製:「タイガーボード」、壁用厚み12.5mm)の継ぎ目2を平滑にするのにパテを施した後、下地材(躯体1)の表面に低吸水性紙シート20の円網層23側のザラ面24を接着剤(糊10)としてデンプン系糊(ヤヨイ化学工業社製:「ルーアマイルド」)で貼り付け(塗布厚約0.5mm)、次いで低吸水性紙シート20の短網層21側の艶面22に湿式工法で表面塗工材(塗り壁材30)として漆喰、珪藻土などをコテ塗りで塗工する(厚み1〜2mm)。
本発明にかかる塗り壁の施工方法は、従来工法に比べて作業時間が短縮できると共にてコスト低減を図ることができる。また、低吸水性紙シート20を用いることにより下地条件及び吸水を一定にさせることができるので、左官下塗りの厚みの違いなども無関係になり、従来工法で生じていたひび割れ・クラックの発生を防ぎ、色ムラも解消できる。
1 躯体
2 継ぎ目
3 タッカー針留め
10 糊
20 低吸水性紙シート
21 短網層
22 艶面
23 円網層
24 ザラ面
30 塗り壁材
40 塗料

Claims (4)

  1. 壁体の表面に塗り壁材を塗工する塗り壁の施工方法において、
    躯体となる石膏ボード・ベニヤ又はモルタルの継ぎ目を平滑にする工程と、前記躯体下地の表面に艶面を有する短網層とザラ面を有する円網層を2層に重ね合わせて2層構造からなる低吸水性紙シートの円網層側のザラ面を糊で貼り付ける工程と、前記低吸水性紙シートの短網層側の艶面に湿式工法で塗り壁材を塗工する工程とを含む塗り壁の施工方法。
  2. 前記低吸水性紙シートの前記短網層と前記円網層の重量比率が(短網層):(円網層)=(8〜6):(2〜4)の割合で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗り壁の施工方法。
  3. 前記低吸水性紙シートは、木材パルプ、竹粉末、ポリエステル繊維、ポリエステルバインダー、ビニロンバインダーのすべての成分を含有し、前記短網層と前記円網層の2層構造に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗り壁の施工方法。
  4. 前記低吸水性紙シートの前記円網層側のザラ面及び前記短網層側の艶面のコップ吸水度が7〜13g/mに設定され、前記糊及び前記塗り壁材による水分の吸収を抑えて膨張や乾燥時の縮みを少なくしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の塗り壁の施工方法。
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