JP4653065B2 - 平面状配線体の接続部処理方法及び平面状配線体と端子との接続部 - Google Patents

平面状配線体の接続部処理方法及び平面状配線体と端子との接続部 Download PDF

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Description

本発明は、複数の平面状導体が平面状に配列された平面状配線体と端子等の接続対象との接続部の構造に関し、特に平面状配線体の隣接する導体の間隔(ピッチ)を変換して電気電子機器の接続部に接続するための平面状配線体の接続部処理方法及びこれを用いて処理した平面状配線体と端子との接続部に関する。
平面状配線体の一例として、可撓性を有する複数の薄く細い導体を平面状に配列し、絶縁被膜で覆うことにより一体形成した帯状またはシート状のケーブルであるフレキシブルフラットケーブル(以下、単に「フラットケーブル」とする)が知られており、各種電子機器や自動車の制御系等に多用されている。このようなフラットケーブルには、フラットケーブルに使用されている各導体の幅や隣接する導体間のピッチが異なるフラットケーブルや、同じ幅の導体を同じ間隔でならべたフラットケーブル等、各種のものが存在する。このようなフラットケーブルを電子機器等に接続する方法として、従来からピアス端子やカードエッジコネクター等が用いられている。
しかし、ピアス端子はフラットケーブルの損傷が問題となる場合があり、カードエッジコネクターは過酷な環境下で高い信頼性を確保することが難しくかつ高価となるため、端子とフラットケーブルとの接続には溶接などの接続手段が多く用いられる。
一方、近年の信号回路の複雑化、信号の増加に伴い、フラットケーブルも高密度化してきている。すなわち、フラットケーブルの導体は薄くかつ細くなり、さらに隣接するフラットケーブル内部の導体相互間の距離(一般にピッチと称する)は、どんどん狭くなっている。
フラットケーブルのピッチが狭くなるとフラットケーブルとコネクタ端子との接続作業が難しくなり、コネクタ端子への接続処理等に要する処理時間が増加する上に歩留まりも悪くなる。特にエアバック用回転コネクタ(以下「SRC」と称する)等の自動車の用途では、フラットケーブルを接続する機器の電極のピッチが標準で決まっているので、これに合わせて、フラットケーブル端末部のコネクタ端子のピッチ(極間ピッチともいう)を接続機器の電極のピッチに整合させなければならない。
上述のように、フラットケーブルが接続される機器の接続電極のピッチ間隔には種々のものが存在する。例えば、エアバックのインフレータ起爆用のスキブコネクタは、極間ピッチ3.1mmの標準品が良く使用される。その他、エアバッグ以外の回路では、2.5mmまたは2.2mmピッチ程度のコネクタが多用されており、車両メーカーにより種類が異なっている。
一方、狭いハンドルシャフト周辺を通過させて回転を吸収しつつ無接点で電気信号を多数通過させるために使用するフラットケーブルでは、できるだけ多極高密度化してフラットケーブルの幅を狭くすることが望ましい。例えば、フラットケーブルの導体のピッチは1.0mm以下にすることが望ましい。従って、このような狭いピッチのフラットケーブルの各導体を各種電子機器や自動車の制御装置等に接続する場合には、フラットケーブル側のコネクタ端子の極間ピッチを接続機器のコネクタ端子のピッチに整合させることが必要となる。そのためには、コネクタ端子の極間ピッチに合わせて、フラットケーブル端末の導体のピッチを広げる処理(狭くする場合もある)処理(ピッチ変換処理)が必要となる。
このようなフラットケーブルの狭い導体間のピッチを、所望のフラットケーブル用コネクタ端子の広いピッチ幅に変更するために、従来技術では、例えば図18に示すような扇形形状部81を有するコネクタ端子80が用いられている。図18に示すように、コネクタ端子80の一部を扇形状にして、扇形形状部81の根元部分82のピッチを狭い間隔のフラットケーブルの導体間ピッチに合わせ、扇形形状部81の広がった部分83のピッチ間隔を接続機器のコネクタ端子のピッチに合わせている。このようにしてフラットケーブルの導体間ピッチを接続機器のコネクタ端子のピッチに整合させている。逆に、比較的広い極間ピッチのフラットケーブルをピッチの狭いコネクタに接続する場合も考えられる。この場合には、扇形形状部81の端子を逆に接続することにより、ピッチを整合させる。
また、フラットケーブルの導体間ピッチをコネクタ端子のピッチに合わせて変換する他の方法として、フラットケーブル端末部に接続されるコネクタの内部構造により、ピッチ変換を行うコネクタも提案されている(特許文献1乃至特許文献3参照)。
特開昭59−143285号公報 特開平11−251007号公報 特開平08−162228号公報
しかし、扇形形状部81を有するコネクタ端子は、扇形を構成する各コネクタ端子それぞれの形状が、その取り付け箇所、例えばハンドル(ステアリング)の形状等に合わせるために異なるので、各導体間のピッチが同じであっても、取り付け箇所の形状に対応する扇形端子を作成するために、それぞれの異なる金型が必要となる。その上、接続機器のコネクタ端子のピッチに合わせてコネクタ端子が必要となる。接続機器のコネクタ端子のピッチはそれぞれ異なるので、各接続機器の端子間のピッチに合わせた扇形のコネクタ端子をすべて製造するには、膨大な数の金型が必要となり、製造コストが高くなる。また、扇形のコネクタ端子の狭い部分において、導体を接続するための溶接等の作業には高度の技術が必要となり、作業効率も低下する。
特許文献1及び特許文献2のコネクタは、コネクタ内部の接続部の端子構造により、極間ピッチを変換するものであるため、コネクタ内部の変換構造が複雑であり、部品点数が多くなる。そのため、複数の金型が必要となるだけでなく、組み立て工程が複雑となる。また、ピッチの種類に合わせて異なるピッチ変換部材が必要になり、その金型も必要となる。特許文献3のコネクタは、一つの方向変換手段で各種装置に対応するピッチ変換が可能ではあるが、方向変換手段に導体を挿通した状態で回動して導体の方向を変換するため、微細で複雑な構造の方向変換手段が必要となる。
以上から明らかなように、先行技術によるピッチ変換は、いずれも複雑な構造で組み立て作業が繁雑であるため、製造コストが高くなり、製品の歩留まりも低下する。
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な工程及び構造で極間ピッチを所望のピッチ間隔に変換して、フラットケーブルの導体とコネクタ端子の接続を容易にした平面状配線体の接続部処理方法及び平面状配線体と端子との接続部を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は、複数の平面状導体を所望の間隔で配列し絶縁被覆で覆った帯状の平面状配線体の各導体を、該平面状配線体の導体配列とピッチ間隔の異なる接続対象の接続部に接続するための平面状配線体の接続部処理方法であって、
(a) 前記平面状配線体の前記平面状導体間の前記絶縁体に長手方向に沿って切り込みを入れる切込み工程と、
(b)前記切り込み工程後に、前記平面状配線体端末部に接続されるコネクタ端子と同じピッチ間隔となるように、前記各平面状導体を同一方向に折り曲げる曲げ工程と、
(c)前記曲げ工程後に、前記折り曲げ部を含む及びその近傍を絶縁性固定部材で固定するピッチ固定工程と、
(d)前記接続対象の接続部と前記折り曲げ後の導体とを接続する接続工程と、
を備える平面状配線体の端末接続処理方法である。
この態様により、平面状配線体における導体間ピッチを各導体ごとに分離して、所望のピッチに対応するように間隔で各導体を折り曲げることにより、折り曲げ後の隣接する導体のピッチ間隔を所望のピッチに変換することができる。その後この折り曲げ位置を含む分離したピッチ変換導体部分と平面状配線体とを絶縁フィルム又は絶縁材料からなる充填部材等の固定部材で固定してから、コネクタ端子に接続する。
また、この態様によると、特殊形状の端子を全く使用せずにピッチ変換が可能となり、変換したピッチは固定部材で固定されるので、自動溶接機等の自動機器を使用することにより、導体とコネクタ端子の接続が可能となる。また、折り曲げ角度は、同一方向であれば、任意の角度で折り曲げることが可能である。しかし、ピッチ間隔の調整、折り曲げ後の端子接続等の作業性等を考慮すると、平面状配線体の長手方向と直角(幅方向と平行)に折り曲げることが好ましい。
本発明の第2の態様は、上記第1の態様に係る前記ピッチ固定工程(c)において、絶縁性の可撓性部材からなる絶縁フィルムにより前記折り曲げ部及びその近傍を固定することを特徴とする平面状配線体の接続部処理方法である。絶縁フィルムとしては、例えば絶縁材料からなる熱溶着性、粘着性フィルムを使用することができる。このように、フィルムで固定することにより、折り曲げ部及び分離した導体を極めて容易に固定可能であり、変換したピッチ間隔を維持しつつ、変換部を補強することが可能となる。
本発明の第3の態様は、上記第1または第2の態様のいずれかに係る平面状配線体の接続部処理方法において、前記切り込み工程(a)が、炭酸ガスレーザを用いて前記導体間に切り込みを入れることを特徴とする。炭酸ガスレーザは、銅には吸収されないので、平面状配線体内の導体の位置を正確に検知することなく切り込みを入れても、導体に疵をつける等の悪影響を及ぼさない。従って、炭酸ガスレーザを使用することにより、被覆の切り込み加工処理を極めて容易かつ高速で行うことが可能となる。
本発明の第4の態様は、上記第1乃至第3の態様のいずれかに係る平面状配線体の接続部処理方法において、さらに、前記接続工程(d)の前に、(e)前記絶縁被覆を除去する被覆除去工程を備えることを特徴とする平面状配線体の接続部処理方法である。
本発明の第5の態様は、上記第4の態様に係る平面状配線体の接続部処理方法において、前記被覆除去工程(e)が、炭酸ガスレーザを用いて前記被覆を除去する工程を含むことを特徴とする平面状配線体の接続部処理方法である。上述のように、炭酸ガスレーザは銅には吸収されないので、導体に炭酸ガスレーザを照射しても、導体に疵をつける等の悪影響を及ぼさない。従って、導体上部から炭酸ガスレーザを照射することにより、被覆を蒸発させて除去することが可能である。このように、炭酸ガスレーザを使用することにより、被覆の除去を極めて容易かつ高速で行うことが可能となる。
本発明の第6の態様は、上記第4または第5の態様に係る平面状配線体の接続部処理方法において、前記被覆除去工程(e)が、前記導体の片面のみ被覆を除去する工程を含むことを特徴とする平面状配線体の接続部処理方法である。片面に絶縁被覆を残すことにより、先端の導体部分を補強することが可能となる。また、例えば炭酸ガスレーザ等による除去の場合には、両面除去の半分の時間で被覆除去処理が完了する。
本発明の第7の態様は、上記第4または第5の態様に係る平面状配線体の接続部処理方法において、前記被覆除去工程(e)が、前記導体の片面の一部のみに開口部を設ける工程を含むことを特徴とする平面状配線体の接続部処理方法である。
本発明の第8の態様は、上記第6または第7の態様に係る平面状配線体の接続部処理方法おいて、前記導体の片面または開口部のみを露出させた場合に、前記接続工程(d)が、前記接続対象の接続部を加熱しつつ前記導体の被覆または絶縁フィルムに押圧することにより、前記被覆または絶縁フィルムを溶融させて該接続対象の接続部の片面と前記導体を接触させた後、溶接電流または超音波振動を与えて溶接することを特徴とする平面状配線体の接続部処理方法である。この態様では、絶縁材料を熱溶融させて導体と接触させることにより、片面にのみ開口部を設けた場合でも、溶接電流または超音波振動による溶接を可能にしている。
本発明の第9の態様は、上記第8の態様にかかる平面状配線体の接続部処理方法において、前記接続工程(d)が、前記接続対象の接続部の前記導体の接触面側に半球状または半円筒状の突起を設けたコネクタ端子を用いることにより、前記加熱による前記被覆または絶縁フィルムの溶融接触を円滑に行うことを特徴とする平面状配線体の接続部処理方法である。
本発明の第11の態様は、複数の導体を所望のピッチ間隔で平面状に配列して全体を絶縁被覆で覆った帯状の平面状配線体の端末部先端に設けられ、該平面状配線体の前記複数の導体を所望の機器に電気的に接続するコネクタ端子を有するコネクタ部と、
前記平面状配線体の端末部の各導体が隣接する導体から個別に分離され、前記平面状配線体の幅方向に直角に折り曲げられている導体部であって、該導体部は、前記各導体の折り曲げ位置を調整して、折り曲げ後に隣接する前記導体のピッチ間隔と前記コネクタ端子のピッチ間隔とを整合させている折り曲げられた導体部と、
前記折り曲げられた導体部及び前記折り曲げ位置を前記平面状配線体に固定する固定部と、
前記折り曲げられた導体の先端部と前記コネクタ端子とを電気的に接続する接続部と、
を備える平面状配線体と端子との接続部である。
本発明によれば、平面状配線体先端部の絶縁被覆に切り込みを入れて、各導体に分離し、所望のピッチ間隔となるように、導体の位置をずらして同一方向に折り曲げるという簡単な工程により、希望するピッチ間隔に変換することが可能となる。また、この加工処理には金型を必要とするような特別複雑な構成部品は必要としない。従って、本発明によると簡単な処理作業でかつ安価にピッチ変換処理を行うことが可能となる。
また、このように、平面状配線体端末の導体のピッチを、接続するコネクタ端子のピッチと整合させてから溶接等により接続するから、接続作業も容易となる。
以降の段落番号は、出願時に自動付与します。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の平面状配線体の接続部処理方法の基本的な考え方を示す平面図である。10は、平面状配線体の一例である帯状のフレキシブルフラットケーブル(以下、フラットケーブルとする)であって、複数の帯状の導体11aから11jをそれぞれ所望の間隔で平行に並べて可撓性の絶縁被覆12で覆うことにより一体形成したものである。本発明では、フラットケーブル10の端末部の帯状導体11aから11jの間の絶縁部12b〜12jに所望の長さの切れ目を入れて帯状の導体11aから11jをそれぞれ分離し、各導体を同一方向に(例えば、図に示すように、ケーブルの進行方向を幅方向又は図面の左側方向に直角に曲げるように)折り込むことにより、フラットケーブルの端末部の各導体間の間隔(極間ピッチ)を所望のピッチに変換する。その後、各導体の折り込み部13a〜13j及びその近傍を熱溶着性または粘着性等の絶縁フィルム14、その他の固定部材により固定して、変換したピッチ間隔を固定する。固定部材による固定は、フラットケーブル端末部及び分離した導体を補強するという効果もある。図中の「a」、「b」、「c」はそれぞれフラットケーブルの隣接する導体の極間ピッチを示し、「A」、「B」、「C」は折り曲げ後の隣接する導体の極間ピッチを表す。
このように、隣接する導体の折り曲げる位置13a乃至13jを所望のピッチ「A」、「B」、「C」に合わせて調整するだけで、フラットケーブルの製造時に決定されるフラットケーブル固有の導体間ピッチ「a」、「b」、「c」の端末部のピッチ間隔を、接続する装置のコネクタのピッチ間隔に合わせて「A」、「B」、「C」に変換することができる。従って、従来のようなピッチ変換部品が不要となり、簡単な構造で、端末部のピッチ変換を行うことが可能となる。
図2に、上述のようにしてピッチを変換した各導体11a乃至11jをコネクタ端子15a〜15jに接続した状態を示す部分拡大図である。コネクタ端子(雄端子)15a〜15jは、接続される装置側の雌コネクタ18aと18bの雌端子穴19a〜19jに整合するように、絶縁ブロック16a、16bにより所定のピッチで固定されている。このコネクタ端子15a〜15jのピッチに対してフラットケーブルの端末部における導体11a〜11jのピッチを整合させるため、図1を用いて説明したように、フラットケーブルの各導体を分離して一方向に折り込むことにより、ピッチ変換を行う。ピッチ変換された各導体11a〜11jはそれぞれ、溶接端子17a、17b等によりコネクタ端子15a〜15bに溶接等により接続される。溶接等による接続方法については後述する。
このようにフラットケーブル端末部導体11a〜11jの各ピッチをコネクタ端子15a〜15jのピッチと整合させて固定することにより、両者の溶接等による接合処理が容易となる。また、ピッチ変換部は絶縁フィルム等の固定部材により固定されるとともに補強されているので、ピッチ変換によるフラットケーブルへの応力負荷も少ない。
図3を用いて、本発明のフラットケーブル端末におけるピッチ変換方法の一例を説明する。図3は、本発明のピッチ変換方法によりフラットケーブル端末部を形成するための処理方法の一例を説明するための平面図である。図3に示すフラットケーブルは8本の導体21a〜21hを備えており、各導体21a〜21hは同じ幅の導体でそれぞれピッチ「d」の等間隔で整列している。これを端末部においてより広いピッチ「D」に変換する例を説明する。
まず、フラットケーブル20の一部分の被覆を取り除き、導体21a〜21hを露出させた導体露出部20cを形成する。次に希望する導体間のピッチの距離に合わせて、隣接する導体間の絶縁部材に上側部分20aに切り込み22a〜22gが、下側部分20bに切り込み25a〜25gが入れられる。その後、次に、露出している導体21a〜21hを中間部分で切断する。これにより、2つの別個のフラットケーブル端部となる上側部分20aと下側部分20bが形成される。次に、上側折り込み部23a〜23hから図3で右側方向に90度方向転換するように折り曲げ、下側折り込み部26a〜26hを図3における左側方向に90度方向転換するように折り曲げる。これにより、隣接する折り込み部23a〜23h及び26a〜26hの距離に対応する導体間隔(ピッチ)に変換される。
図3中では、露出部20cの中央で切り離した導体21aと21bを下側折り込み部26aと26bでそれぞれ折り曲げた状態を破線で示している。このように折り込み部26aと26bの距離により、導体間ピッチ「D」(例えば2.5mm)が決定される。すなわち、これにより、フラットケーブルのピッチ「d」(例えば0.9mm)が端末部の導体間隔がコネクタの端子間隔に整合するようにピッチ「D」(例えば2.5mm)に変換されたことになる。このように、所望のピッチ間隔に合わせて、隣接する導体の折り込み部の距離を調整することにより、端末部の導体間ピッチを所望のピッチに変換することが可能になる。
ここにおいて、「隣接する導体」とは、フラットケーブルにおいて隣接するのではなく、「端末部において隣接する導体」という意味で使用する。すなわち、フラットケーブルでは隣接していない導体21aと21hを端末部において隣接させることも可能である。この場合には、図3とは異なり、隣接する導体21aと21hのピッチがDとなるように、図3の21bの折り込み部26bと同じ水平位置で21hの折り込み部26hが折り曲げることにより、導体21aと導体21hをピッチDで隣接させることが可能となる(図示せず)
図4を用いて、本発明にかかるピッチ変換方法の他の例を実施する他の例を説明する。図4は、本発明にかかるピッチ変換方法の他の例を説明するための平面図である。図4(a)はピッチ変換のための折り曲げ前の状態を示す平面図であり、(b)は折り曲げ後の状態を示す平面図である。
まず、図4(a)を用いて説明する。炭酸ガスレーザ等によりフラットケーブル30の中間部分の絶縁被覆を階段状に剥ぎ取り導体露出部30c(斜線部分)を設ける。例えば、炭酸ガスレーザ等により導体を傷つけることなく、フラットケーブルの被覆のみを瞬時に焼き切ることができる。導体は銅または銅合金でできており、銅には炭酸ガスレーザは吸収されないため、導体には全く影響を与えないため、このような処理が可能となる。
また、各導体間の絶縁被覆部分に切り込み(スリット)32a〜32iを入れる。切り込みを入れる場合にも炭酸ガスレーザを使用することができる。炭酸ガスレーザは、上述のように導体には全く影響を与えないので、導体位置を正確に検出しなくとも、導体を疵付けることなく導体を切り離すことができる。切り込みを入れる前に導体位置の検知を行う場合には、例えば、フラットケーブル30に赤外線を当ててその透過光を撮像し、画像処理して導体ピッチのバラツキを検出することができる。
また、例えば、赤外光等の透過率が小さい絶縁被覆の場合等に適した他の方法として、炭酸ガスレーザ光をフラットケーブルの幅方向に走査するように照射して幅方向に細いスリットを入れることにより、光を照射してスリットの透過光で導体位置を正確に検知する方法を用いることもできる。
幅方向の切り込み32aと32bを入れることなく、炭酸ガスレーザで切り込み32a〜32hを入れる工程で、同時にフラットケーブル端末の接続部に相当する導体露出部30cの被覆を炭酸ガスレーザにより除去してしまうことも可能である。
尚、図4の例では、各切り込み32aから32jの開始位置及び終了位置は、それぞれの隣接する導体のピッチ間隔に対応している。従って切り込み部の開始位置が、谷折りの折り込み部31a〜31jとなるように折り込み、及び終了位置が山折りの折り込み部33a〜33jとなるようにZ型に折り込むことにより、図4(a)に破線で示すような形状に折り込まれる。
この折り込み処理は、例えば、図5、6、8に例示すような折り込み位置に整合する階段状のテンプレート(折り曲げ治具)を2組(4枚)用いることにより行うことができる。まず1組の階段状のテンプレートを用いて、フラットケーブルの切り込みが形成されていない部分をフラットケーブルの表裏から挟み込む。その際、切り込み開始位置31a〜31jがテンプレートの階段状部と整合するように挟み込む。次に、同様にして、もう一組の階段状テンプレートで、階段状部が切り込み部の終了位置33a〜33jに整合するように表裏から挟み込む。この状態で、フラットケーブルに過剰な張力を与えないように、テンプレートを破線の矢印で示すような所定軌跡で移動して交差させることにより、フラットケーブルをZ形状に折りたたむことが可能となる。このように一回の動作で切り込みが入れられたすべてのフラットケーブルに曲げ癖をつけることができる。テンプレートとフラットケーブルの位置決めには、切り込み切断面をガイドとして使用することができる。また、レーザー等を用いて位置決め用パイロット穴を開けても良い(図7のスリット36参照)。
このようにして谷折り折り込み部31a〜31hと、山折り折り込み部33a〜33hが折り込まれた状態を図4(a)に破線で示す。
図4(b)にフラットケーブルの左側30aが折り込み部31a〜31jで谷折りにされ、右側30bが折り込み部33a〜33jで山折りにされた状態を示す。この折り込み部及び切り込み部全体を絶縁材料からなる熱溶着フィルム37等により接着固定した後、導体露出部30cの中央部を切断線34から切断することにより、同じピッチ間隔の2つのフラットケーブル端部を形成することができる。
次に図5乃至図8を用いて、折り込み処理に使用する折り曲げ治具及びその使用法について説明する。図5に本発明にかかるフラットケーブル端末のピッチ変換に使用する折り曲げ治具(テンプレート)の一例を示す図である。図5の正面に平面図を示し、その右横に右側面図、下側に底面図を示している。図6は、短冊状のフラットケーブルが曲げられる方向、すなわちフラットケーブルの折れ線の軸方向からみた折り曲げ治具(テンプレート)70を示す図である。中央に平面図を示し、その下に正面図、平面図の右横に右側面図を示している。フラットケーブルは、正面図に描かれた斜面72に沿って曲げられる。
図5に示す折り曲げ治具70は、導体間ピッチが1mmのフラットケーブルの各導体を進行方向に対して111.2°の角度で斜めに折り曲げて、2.2mmのピッチ間隔に変換するための治具である。
折り曲げ治具70は、フラットケーブルの導体ピッチ幅に対応して設けられた複数の引っ掛け突起71を備えており、この引っ掛け突起71を図7の長穴状切り欠き(スリット)36に引っ掛けて、フラットケーブルに張力を与えることで規制しながら、Z型に曲げる構造になっている。また、図6に示すように、折り曲げ治具70は、各導体を折り曲げやすいように案内する折り曲げ定規部72を備えている。折り曲げ定規部72は、1極ずつ分離して曲げた細い短冊状のフラットケーブルを案内するガイドであり、同じ角度の傾斜面を階段状にずらして設けたものである。
図7、図8を用いて、図5に示した折り曲げ治具70の使用方法を説明する。図7は、(a)にフラットケーブル35の平面図を示している。フラットケーブル35は、フラットケーブル35の中央部分の絶縁被覆にスリット(切り込み)36が設けられた切り込み部35−2と、絶縁被膜が除去された導体露出部37(切り込み部35−2の中央のハッチング部分)を有している。(b)は切り込み部35−2の部分でZ折りにされたフラットケーブル35の平面図を示している。図8は、2個の折り曲げ治具70を用いて、フラットケーブル35を図7(b)に示すようにZ折りにした状態を示している。
折り曲げの際には、図8に示すようにフラットケーブル35の切り込み部35−2に設けられた各スリット36の上下に、2つの折り曲げ治具(テンプレート)70の引っ掛け突起71がそれぞれ挿入される(この状態における下側の折り曲げ治具70は破線で示している)。次に、上側の折り曲げ治具70は固定させたまま、下側の折り曲げ治具70を、図8の破線で示す位置から、フラットケーブル35に張力を付与した状態のまま円弧を描くように移動させて図8に実線で示す位置まで移動させる。このように、この折り曲げ治具70では、引っ掛け突起71をスリット36に引掛けて円弧を描くように移動するので、上下の各折り曲げ部の表裏の折り曲げ治具70の片側のみを用いるだけで、Z形に折り曲げることが可能となる。この場合、図8に示すように、一対の折り曲げ治具70を上下逆さまに使用すれば、フラットケーブル35の両方の曲げ部分を規制することができる。
上述のようにして、フラットケーブル35は、折り曲げ定規部72に沿って折り曲げられる。この状態で、Z折りに折り曲げられた導体を中間から切り離すことにより、ピッチ間隔2.2mmのフラットケーブル端末部が2個できあがる。フラットケーブルの種類及び希望する変換ピッチに応じて、ピッチ幅の異なるこのような折り曲げ治具70を各種用意することにより、希望のピッチ変換処理を容易に行うことが可能となる。
以上のようにして、ピッチ変換を行ったフラットケーブル先端部のピッチ幅が狂わないように熱用着フィルム等により固定するには、例えば、張力がかかった状態でモールド金型に挿入して、インサートモールドする方法を採ることもできる。また、一旦チャックまたは粘着テープなどで、端末付近を保持するなどして、ピッチを維持しながら端末部周辺の加工を施してもよい。また、インサートモールド金型に投入して、金型内でモールドと同時に切断加工するようにしても良い。
このようにして、図1に示すように、隣接する導体間のピッチや導体の幅の異なるフラットケーブルを2極と8極のコネクタに分岐することや、図4に示すような同じ幅の導体が同じピッチで整列したフラットケーブルを4極と6極のコネクタに分岐する等、自由にピッチ幅を変換し、または分岐することが可能となる。
図9は、本発明によりピッチ変換後コネクタ端子に接続した他の例を示す図である。図9(a)は、導体部分が露出した状態の折り曲げる前のフラットケーブル73の平面図を示し、図9(b)は、フラットケーブル73をZ型に折った状態を示す平面図である。
図9(b)では、フラットケーブル73をZ型に折り曲げて固定部材75により固定して、端子15a〜15eに接続した例を示している。また、この例では、フラットケーブル73を直角に折り曲げるのではなく、図8の場合と同様に斜め上方に折り曲げた後、下方に折り曲げられた状態で固定部材75に固定されている。フラットケーブルの上部73aの屈曲部は突出ガイド77により案内されながら斜め上方に曲げられる。これにより、隣接する導体相互間の間隔が一定のピッチに維持される。また、フラットケーブルの下部73bの屈曲部は、突出ガイド76により案内されて下方に曲げられている。
フラットケーブル73の導体露出部73は、接続部78において接続端子15a乃至15eの端部と接続されている。また、接続端子15a乃至15eは、フラットケーブル73に対して垂直になるようにフラットケーブルの導体と接続される。これにより、隣接する端子15a乃至15eの間隔を、突出ガイド76により曲げられた後の隣接する導体の間隔よりも広いピッチ間隔とすることが可能となる。
尚、固定部材75の接続部78に対応する部分には、穴79が設けられている。これにより、接続部における溶接のために、表裏両面から導体露出部にアクセス可能となり、後述するような溶接による接続方法を使用することができる。
図9からもわかるように、フラットケーブルの導体の折り込み角度を変えることにより、接続端子15a乃至15eのピッチ間隔が変わってくる。また、導体の折り込み角度と同じ方向に接続端子を接続するか、または図9のように接続端子を折り込み角度とは無関係に73aと直角になるように導体と接続するかによってもピッチ間隔は変わってくる。
図10、図11は、本発明に係るフラットケーブルのピッチ変換方法により、ピッチ変換を行う際の効率的なピッチ変換のための変換角度と変換幅の関係を示す図表である。図10(a)は、表で使用するフラットケーブルの導体f1、f2のピッチ間隔fと、導体を角度αで曲げた場合の変換ピッチ間隔f、gの相互関係を示す模式図であり、図10(b)は、フラットケーブルの導体e1とe2の間隔eを基準値「1」または「0.5」とした場合において、e/f=sinαとなるようにピッチ変換後の間隔をf=1.5〜4にする場合の相互関係を示す図表である。
導体f1とf2とを直角に曲げてピッチ変換を行う場合には、変換ピッチの間隔は、導体f1とf2の折り曲げ位置の距離が、そのまま変換後のピッチ間隔fとなるが、図10(a)に示すようにe/f=sinαとなるようにする方が直角に曲げるよりもピッチ間隔fが大きくなり、ピッチ交換効率が良い。
また、さらにピッチ間隔gを利用する方がよりピッチ間隔が大きくなる。図11(a)の表は、変換後のピッチ間隔d=2〜4となるようにする場合の相互関連を表す図表である。ピッチ間隔fとの関係も示している。図11(b)は、実際に使用されるピッチ変換事例を示す図表である。
以上の説明からもわかるように、本発明のピッチ変換方法によると、フラットケーブルの先端部分において導体間のピッチ幅を自由に変換できる。また変換した端末部の固定方法も自由に選択可能である。
図12乃至図15はそれぞれ、本発明により処理したフラットケーブル端末部を絶縁フィルムで固定した固定例を示す。図12乃至図15ではそれぞれ中央に固定したフラットケーブル端末部の一部平面図を示し、その左側にその左側面図、下側に底面図を示している。
図12に示すフラットケーブルの端部40は、ピッチ変換のために分離した極線41a、41bを折り込んだ裏側から粘着性または熱用着性の絶縁フィルム43で貼り付けてフラットケーブルの端部40の折り込み部近傍を固定している。被覆が表裏両面とも除去された導体42a、42bの端部は、絶縁フィルムで固定されずに露出された状態となっている。
図13に示す実施例にかかるフラットケーブル端部45では、図12と同様にフラットケーブルの折り込み部とは反対側から粘着性または熱用着性の絶縁フィルム43で固定している点は同じであるが、被覆の除去された導体部42a、42bの裏面側の先端部まで絶縁フィルム43が延長されている点が異なる。このように露出した導体部42a、42bまで絶縁フィルムを伸ばして、導体の露出部分を機械的に補強している。
図14に示す実施例にかかるフラットケーブル端部46では、フラットケーブル端部を、先端の導体部を除き絶縁フィルム43a及び43bにより両面から固定している。また、側面図に示すように、平面図では露出しているように表れる導体部42aと42の裏側には絶縁被覆49a、49bが残っている。片面から炭酸ガスレーザで被覆を除去する加工では、このように導体の裏面には絶縁被覆が残るので、このような形状となる。この例のように、両側から絶縁フィルム43a、43bで固定することにより、より強固な固定及び端部の補強が可能となる。
図15に示す実施例にかかるフラットケーブル端部47では、フラットケーブル先端の導体部分の露出を最小限にするために、小さな面積の窓穴48a、48bを片面に開けている。尚、図15の左側面図は、穴部を示すために、E−E’線方向の端面図で示している。このように、導体の被覆除去工程において、端子接続に必要な最小限の面積だけを、円状、楕円状、小判状、または長方形状等に片面の被覆を除去することにより、このような導体部が窓穴形状に露出された形状となる。
フラットケーブルの端部の固定方法としては、折り込み部を保護ケースに収納しても、硬化性の樹脂で固めることも可能である。また、フラットケーブル端部の形状をどのようにするか、また、ピッチ変換のために切り離し折り込んだ極線部分をどのように固定するかは、使用目的、使用環境に応じて自由に選択することができる。
次に、このように加工されたフラットケーブル端部にコネクタ端子を接続する方法について説明する。従来は、図18に示すようなピッチ変換のための扇形形状部81を有するコネクタ端子80等が使用されていたが、本発明によると、図2に例示するように、コネクタ端子15a〜15jの間隔に合わせて導体11a〜11jのピッチを整合させることができるので、扇型の端子を使用する必要が無くなり、細い先端部分に溶接する細かい作業が不要となる。すなわち、図2で説明したように、コネクタ端子15a〜15jと同じのピッチとなるように導体11a〜11jのピッチを変換してピッチ間隔を整合させてから溶接を行う。例えば、自動車の標準端子であれば、コネクタの絶縁ハウジングの極数や形が異なる場合であっても、絶縁ハウジングの金型のみを起工すれば、端末コネクタを製作可能となる。絶縁ハウジングには、端子の圧入またはインサートモールドにより固定する。
コネクタ端子は、プレスによるコイニング加工等により、フラットケーブルとの接続面が予め成型されている。溶接電極の当接する面は広く平らに加工され、フラットケーブルの導体との接触面は半球面または半円筒状に加工される。コネクタ端子の反対側の端部は、標準サイズのコネクタの標準雄端子に成形され、または、自動車用標準電線の導体を溶接または圧着可能な形状に成型されている。
通常のコネクタの極間ピッチは、フラットケーブルのピッチに比べてはるかに大きいから、フラットケーブルの接続部においては、極間に絶縁板を設けることや端子間に端子位置決め治具を挿入することができる。これらの絶縁板や治具を、フラットケーブルを溶接するときのガイドとして利用することにより、溶接作業の際にフラットケーブルの導体の上にコネクタ端子を精確に押しつけることが可能となる。フラットケーブル側のガイドは、レーザーによる切り込み破断面またはパイロット穴なので、導体部が補強フィルムに隠れていても導体の位置決めを確実に行うことができる。
前述したような導体の片面に被覆を残した場合、絶縁フィルムで補強した場合、または導体の片面の一部のみ窓穴を開けた場合には、絶縁被覆や補強したフィルムが溶接の邪魔になるが、図16及び図17に示すような方法により、溶接を行うことができる。図16は、抵抗溶接による接続工程の一例を説明する図であり、図17は、超音波溶接による接続工程の一例を説明する図である。尚、図16及び図17では、図15に示す端面構造を有する場合、すなわち、導体の一部に窓穴が開けられている例を用いて説明するが、これは図13に示すような導体42aの裏面側の補強のために絶縁フィルムが設けられている場合でも、図14の場合でも同様に適用可能である。
まず、図16(a)に示すように、2つの電極55,56がコネクタ端子50の上に当接される。コネクタ端子50の電極当接面は平らであり、フラットケーブルとの溶接面には1個または数個の半球状または半円筒状の突起51が設けられている。この状態で、まず電流を流して電極を補強フィルムが溶ける位の温度(250℃程度)まで、加熱しながら端子をフラットケーブルに押圧する。これにより、フラットケーブルの上側の絶縁被覆49bを溶かして、突起51を絶縁被覆49b内に埋め込み突起51と導体42aとを接触させる。
突起51と導体42aとを接触すると、図16(b)に示す用に、窓穴48aを介してフラットケーブルの導体42aに電極57を当接し、溶接電流を通電して、コネクタ端子とフラットケーブル端末の導体42の溶接を行う。
次に、図17を用いて超音波溶接を行う場合を説明する。図16とはコネクタ端子50とフラットケーブル端末部の位置が上下反転している。また、コネクタ端子の溶接面には、断面が台形状の突起52が一個だけ設けられている。
最初に、図17(a)に示すように、アンビル62をコネクタ端子50に当接して、発熱体63に通電してアンビル62を加熱しつつコネクタ端子50の突起52をフラットケーブルに押圧する。発熱体が加熱されて突起52がフラットケーブルの絶縁被覆49bを溶融し、突起52とフラットケーブルの導体42aとが当接すると、ホーン61を超音波振動させて溶接する。
以上説明したように、本発明によると、溶接等の接続作業の前に、折り曲げ処理による接続する導体のピッチ間隔を接続する相手方のコネクタ端子間隔に変換処理することにより、接続処理が極めて容易となる。例えば、導体の数が多くて狭いピッチ間隔のフラットケーブル(多極挟ピッチのフラットケーブル)であっても、最終接続するピッチ間隔のコネクタ端子に合わせて導体間隔を広げてから接続するので、作業が容易となる。これにより、導体接続部にも比較的幅の広い端子の使用が可能となり、電気溶接や超音波溶接が容易となる。また、電極の幅を広げることが可能となるので、摩耗や溶接損の増加を防止可能となる。従って、本発明は、多極挟ピッチのフラットケーブルの端末部の処理に最適である。
また、柔軟性のあるフラットケーブルの折り曲げにより、ピッチや配置を自由に変え得るので、車両ごとに僅かずつ異なる寸法のハンドルに対応する多品種のSRCを製造するのに最適である。また、金型に拠らず、レーザーで切り裂きを行うことができるので、この点でも、多品種対応に適している。
フラットケーブルの導体が細い場合でも、必要に応じて絶縁フィルム等により補強を行うことができるので、補強により導体の破談やクラックを防ぐことも可能である。また、かつ補強を行った導体でも、前述した方法により、溶接加工を容易に行うことができる。
端子やコネクタの形状やサイズを標準化できるので、ピッチが異なるごとに異なる端子を作成する必要がなくなり、金型の起工を大幅に抑制可能である。従って、多品種のSRCを安価に開発することができる。
また、従来のように端子を狭いピッチで打ち抜く必要がなく、コネクタの標準サイズに合わせた材料及び通常の加工方を用いて、容易かつ安価に製造することができる。
さらに、フラットケーブルの極間ピッチも高い精度が求められない。なぜなら、導体を検知して、レーザーで切り裂いた切断面を基準としてコネクタの端末処理が行われるからである。また、端子側も極間ピッチがそれほど高精度でなくても、治具によるガイドが利用できるので、安価に溶接接続の位置決めができる。
これらの効果を総合すれば、本発明によると、極間ピッチが狭くなってかつ極数の多いフラットケーブルであっても、端末溶接接続加工の歩留まりを低下させることなく、信頼性の高い接続処理を行うことが可能となる。
本発明のピッチ変換方法の基本的な考え方を示す平面図である。 ピッチを変換したフラットケーブルの各導体をコネクタ端子に接続した状態を例示する平面図である。 本発明のピッチ変換方法によりフラットケーブル端末部を形成するための処理方法の一例を説明するための平面図である。 本発明にかかるピッチ変換方法の他の例を説明するための平面図である。 本発明にかかるフラットケーブル端末のピッチ変換に使用する折り曲げ治具の一例を示す図である。 図5に示す折り曲げ治具を斜めの角度に配置した状態の平面図、正面図、右側面図である。 (a)は、中間部分の導体部の絶縁被覆が除去されたフラットケーブルの平面図であり、(b)は、中間部の部分でZ折りにされたフラットケーブルの平面図である。 2個の折り曲げ治具を用いて、フラットケーブルをZ折りにする処理工程を示す平面図である。 本発明によりピッチ変換して端子に接続した他の例を示す図である。 本発明に係るフラットケーブルのピッチ変換方法により、ピッチ変換を行う際の効率的なピッチ変換のための変換角度と変換幅の関係を示す図表である。 本発明に係るフラットケーブルのピッチ変換方法により、ピッチ変換を行う際の効率的なピッチ変換のための変換角度と変換幅の関係を示す他の図表である。 本発明により処理したフラットケーブル端末部を絶縁フィルムで固定した例を示す。 本発明により処理したフラットケーブル端末部を絶縁フィルムで固定した他の例を示す。 本発明により処理したフラットケーブル端末部を絶縁フィルムで固定したさらに他の例を示す。 本発明により処理したフラットケーブル端末部を絶縁フィルムで固定したさらに他の例を示す。 抵抗溶接による接続工程の一例を説明する模式図である。 超音波溶接による接続工程の一例を説明する模式図である。 従来技術によるピッチ変換のための扇形形状部を有するコネクタ端子を示す平面図である。
符号の説明
10、20、30、35:フレキシブルフラットケーブル(フラットケーブル)
11a〜11j:導体
12:絶縁被覆
12a〜12k:導体間絶縁部
13a〜13j:折り曲げ部
14、43:絶縁フィルム
15a〜15j:コネクタ端子
16a、16b:絶縁ブロック
17a〜17j:溶接端子
18a、18b:コネクタ(雌)
19a〜19j:雌端子穴
20c,30c,37 導体露出部
31a〜31j:谷折り部
33a〜33j:山折り部
40,45,46、47:フラットケーブル端部
48a、48b:開口部
50:コネクタ端子
51、52:突起
56、57:電極
61:ホーン
62:アンビル
70:折り曲げ治具
71:引っ掛け突起
72:折り曲げ定規部

Claims (10)

  1. 複数の平面状導体を所望の間隔で配列し絶縁被覆で覆った帯状の平面状配線体の各導体を、該平面状配線体の導体配列とピッチ間隔の異なる接続対象の接続部に接続するための平面状配線体の接続部処理方法であって、
    (a) 前記平面状配線体の前記平面状導体間の前記絶縁体に長手方向に沿って切り込みを入れる切込み工程と、
    (b)前記切り込み工程後に、前記平面状配線体端末部に接続されるコネクタ端子と同じピッチ間隔となるように、前記各平面状導体を同一方向に折り曲げる曲げ工程と、
    (c)前記曲げ工程後に、前記折り曲げ部を含む及びその近傍を絶縁性固定部材で固定するピッチ固定工程と、
    (d)前記接続対象の接続部と前記折り曲げ後の導体とを接続する接続工程と、
    を備える平面状配線体の接続部処理方法。
  2. 前記ピッチ固定工程(c)において、絶縁性の可撓性部材からなる絶縁フィルムにより前記折り曲げ部及びその近傍を固定することを特徴とする請求項1に記載の平面状配線体の接続部処理方法。
  3. 前記切り込み工程(a)において、炭酸ガスレーザを用いて前記導体間に切り込みを入れることを特徴とする請求項1または2に記載の平面状配線体の接続部処理方法。
  4. さらに、前記接続工程(d)の前に、
    (e)前記絶縁被覆を除去する被覆除去工程を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の平面状配線体の接続部処理方法。
  5. 前記被覆除去工程(e)は、炭酸ガスレーザを用いて前記被覆を除去する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の平面状配線体の接続部処理方法。
  6. 前記被覆除去工程(e)は、前記導体の片面のみ被覆を除去する工程を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の平面状配線体の接続部処理方法。
  7. 前記被覆除去工程(e)は、前記導体の片面の一部のみに開口部を設ける工程を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の平面状配線体の接続部処理方法。
  8. 前記導体の片面または開口部のみを露出させた場合において、前記接続工程(d)は、前記接続対象の接続部を加熱しつつ前記導体の被覆または絶縁フィルムに押圧することにより、前記被覆または絶縁フィルムを溶融させて該接続対象の接続部の片面と前記導体を接触させた後、溶接電流または超音波振動を与えて溶接することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の平面状配線体の接続部処理方法。
  9. 前記接続工程(d)において、前記接続対象の接続部の前記導体の接触面側に半球状または半円筒状の突起を設けたコネクタ端子を用いることにより、前記加熱による前記被覆または絶縁フィルムの溶融接触を円滑に行うことを特徴とする請求項8に記載の平面状配線体の接続部処理方法。
  10. 複数の導体を所望のピッチ間隔で平面状に配列して全体を絶縁被覆で覆った帯状の平面状配線体の端末部先端に設けられ、該平面状配線体の前記複数の導体を所望の機器に電気的に接続するコネクタ端子を有するコネクタ部と、
    前記平面状配線体の端末部の各導体が隣接する導体から個別に分離され、前記平面状配線体の幅方向に直角に折り曲げられている導体部であって、該導体部は、前記各導体の折り曲げ位置を調整して、折り曲げ後に隣接する前記導体のピッチ間隔と前記コネクタ端子のピッチ間隔とを整合させている折り曲げられた導体部と、
    前記折り曲げられた導体部及び前記折り曲げ位置を前記平面状配線体に固定する固定部と、
    前記折り曲げられた導体の先端部と前記コネクタ端子とを電気的に接続する接続部と、
    を備える平面状配線体と端子との接続部。
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