JP4649225B2 - アウターロータ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
即ち、上記構成のアウターロータを製造する場合、成形型の円柱状をなすセット部の外周に、マグネットが挿入されたロータコアを嵌め込んでセットし、これとフレームとを樹脂により成形して一体化するが、成形型の円柱状をなすセット部の外径とロータコアの内径との間の隙間が小さいと、ロータコアのセット部への嵌め込みが困難になって作業性が悪くなる。逆に、前記成形型のセット部の外径とロータコアの内径との間の隙間を大きくすると、成形時にロータコアが成形型内にてがたついて寸法精度がでない問題がある。
前記ロータコアは、周方向に複数に分割された分割コアにより構成され、分割面が対応する一方の分割コアに係合凸部が形成されると共に、他方の分割コアに前記係合凸部と係合する係合凹部が形成され、これら係合凸部及び係合凹部の少なくとも一方の一部に曲面が形成されており、
分割コアの係合凸部を対応する係合凹部に係合させて全体として円環状に連結した状態で、径が拡大されたときには、係合凸部と係合凹部とに互いに抜止め状態に当接する当接部が形成されると共に係合凸部の先端部側と係合凹部の奥部側との間及び対応する分割面間に夫々空隙が形成され、径が縮小されたときには、対応する分割面が当接するように構成され、
前記ロータコアは、前記径の縮小により前記分割コアにおける各分割面を当接させた状態で樹脂によってモールドされていることを特徴としている。
これにより、成形型へのロータコアのセットが容易になり、作業性を向上できる。また、成形型においてロータコアは径を縮小され、対応する分割面が当接するので、所望のロータコアの寸法精度を得ることができると同時に、磁気的損失を極力少なくすることができる。
以下、本発明の第1実施例について図1乃至図11を参照して説明する。
まず、図2おいて本発明に係るアウターロータを装着したモータたるブラシレスモータの構成について説明する。図2には、ブラシレスモータの一部を破断した破断斜視図が示されている。このブラシレスモータは、例えば脱水兼用洗濯機において、洗い時に撹拌体を、脱水時に撹拌体及び回転槽を一体に回転駆動するための駆動用モータに用いられるものである。
次に、このような構成のアウターロータ10を製造する方法について説明する。図3はロータコア12の概略平面図、図4はロータコア12の拡大斜視図、図5は図4の矢印α方向から見たロータコア12の拡大図を示す。
他方の分割コア17には、前記頭部25aより曲率が小さく、したがって頭部25aより径大な略円柱状の曲面を有する穴部26a及びこの穴部26aの分割面23側近傍に突出基部25bより幅広な開放部26bが形成され、穴部26a及び開放部26bは係合凹部26を構成している。
尚、分割コア17は珪素鋼板18を所定枚数積層し、かしめ部27にてかしめることにより形成される。そして、前述したように、分割コア17をこの場合6個用意し、隣り合った分割コア17、17同士を、隣り合った係合凸部25と係合凹部26とを係合することにより連結する(図3及び図4参照)。
まず、ロータコア12は、前述のように円環状に位置決めされた状態を保つよう径方向に広げるように保持されたまま、中間型31に搬送されて、セットされる。この時、マグネット用磁性体14は、ロータコア12のストッパ部22により鉛直方向に下方から支持されているので、ロータコア12より抜け落ちることは無い。
ここで、頭部25aの径は開放部26bの幅よりも大きく形成されている為、前記引張力により係合凸部25と係合凹部26と互いに抜止め状態に当接する当接部25c、26cが形成されると共に、係合凸部25の先端部側と係合凹部26の奥部側との間及び対応する分割面23間に夫々空隙23aが形成される。
このようにして配置されたロータコア12のストッパ部22側の端面は、底部36に設けられた小円柱状の支持部37a、37b、37cにより鉛直方向に下方より支持されることにより、分割コア17に段差が生じないように位置決めされる。図7に示すように、最初の珪素鋼板18aの磁極部20、ストッパ部22、及びヨーク部19を同時に支持する支持部37aが、同一円周上に存する複数個の磁極部20等をそれぞれ支持するように、同一の円周上にそれぞれ配設されている。
成型上型32には、中央セット部34にセットされた軸支持体16の外周側の空隙部分の上方(図8中、該空隙部分の上方)の円周上に、樹脂15を成形型30内に注入するための複数の中央ゲート32aが設けられている。また、成形上型32には、成形型30にセットされたフレーム11のロータコア12上の樹脂流入孔11bの外側(図8中、樹脂流入孔11bの上方)の円周上にも、樹脂15を成形型30内に注入するための複数のゲート32bが設けられている。
このように互いの部材を覆ってモールドすることにより、分割コア17同士、或いはフレーム11と軸支持体16と等がそれぞれ固定され、これによりアウターロータ10が形成される。この後、アウターロータ10は成形型30から取り出される。
図11に示すように、ロータコア12の軸方向端面には、樹脂15で覆われていない、多数個の円形状の露出部15a、15b、15cが形成されている。これらは、前記支持部37a、37b、37cにより支持、位置決めされることにより形成されたものである。
次に、このようにして形成されたロータコア12に、着磁装置でこのロータコア12全体に強磁界を印加して、ロータコア12に挿入されたマグネット用磁性体14を着磁する。これにより、マグネット14’ (マグネット用磁性体14をマグネット14’と読み替える)が生成され、アウターロータ10が完成する。
前記分割コア17、17相互の遊びは製造上の公差の範囲にあり、且つこの遊びを設けたとしてもロータコア12の特性に悪影響を及ぼさないばかりでなく、製造方法において前記遊びが無いと、ロータコア12の内径と、中間型31のセット部35の外径とが等しい場合、セット部35の外周にロータコア12を嵌めこむことが不可能となるため遊びは必要不可欠である。
また、樹脂15による成形時に、隣り合った分割コア17、17間の結合部39近傍に設けられた樹脂収容部24に樹脂15が入り込むようになる。これにより、隣り合った分割コア17、17が強固に固定され、機械的強度をアップできると共に、隣り合った分割コア17、17間で異常音が発生することを防止できるようになる。
さらに、上記実施例において、回転軸が挿通固定される軸支持体16は、樹脂15でなく、硬質の別部材で構成することで、回転軸を支持するアウターロータ10の支持部の強度を向上させることができると共に、アウターロータ10の回転時における振れを低減させることができる。
また、前述のようにロータコア12は、外形方向に広げられた状態で搬送されても分割コア17の結合が外れないようになっているので、ロータコア12の搬送を容易にすることができる。前記結合部39の遊びは、頭部25a及び突出基部25bからなる係合凸部25、並びに穴部26a及び開放部26bからなる係合凹部26により構成したが、この構成において、珪素鋼板18を積層する方法を採用することで、容易に所望の寸法精度を得ることができる。
さらに、ロータコア12の内周及び外周は、成形型30においてロータコア12の径を縮小させることで位置決めされる。これによりロータコア12を成形型30にセットすると同時にロータコア12の内周、及び外周の位置決めが可能となり、作業性が向上する。
また、外周部に環状壁11aを有する鉄板製フレーム11が、ロータコア12の外周とフレーム11の環状壁11aの内周とが当接しながらセット部35側にスライドされることによりセットされる。これにより、ロータコア12の、より確実な径方向の位置決めが可能となると共に、寸法が安定し、且つ機械的強度のあるアウターロータの製造ができる。
さらに、上記実施例において、積層される珪素鋼板18のうち、最初と最後の珪素鋼板18aと18bとを除いて、ヨーク部19と磁極部20とを繋ぐが如きブリッジ部21は形成されていない。これにより、ヨーク部19と磁極部20との間における磁束損失が少なくすることができる。
次に、本発明の第2の実施例について、図12、図13(a)及び図13(b)を参照して説明する。尚、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。図12は、ロータコアの拡大横断面図、図13(a)はロータコアの拡大横断面図、(b)は、樹脂成形後の拡大横断面図を示す。
分割コア17に代る分割コア50の結合部51は、第1の実施例の結合部39とは、以下の点について相違する。即ち、図12に示すように、第1の実施例の係合凹部26の係合凸部25の突出基部25bと対応する開放部26bの円弧状部分(斜線で示す)をカットして、結合部51に分割面23に向って拡開する如きテーパ状の開放部52が形成されている。
また、図12に示される斜線部分は不要となり、係合凹部26の形状は簡素化されるので、珪素鋼板のプレスカットの刃が容易に作成でき、プレス金型の金型費の低減、及びメンテナンス作業を容易にすることができる。
上記実施例では、分割コア17、17相互の結合部39は、頭部25a及び突出基部25bからなる係合凸部25、並びに穴部26a及び開放部26bからなる係合凹部26により構成したが、これに限定されるものではなく、例えば頭部の先端部をカットし半円状の頭部としたり、頭部を二等辺三角形とする等、結合部の当接部において曲面が形成されていれば係合凸部及び係合凹部の形状は適宜変更してもよい。
上記実施例では、ロータコア12は、分割コア17、17相互が結合部39を介して若干の遊びをもって結合されることにより円環状に位置決めされた状態で円柱状の中間型31のセット部35の外周にセットしたが、これに限定されるものではなく、分割コア17が円柱状の中間型31のセット部35の外周により円環状に位置決めされた状態でセットしてもよい。
上記実施例では、樹脂収容部24は、ロータコア12の外周部側に設けたが、これに限定されるものではなく、ロータコア12の内周部側に設けてもよいし、ロータコア12の内周部側と外周部側との両方に設けてもよい。さらに、隣り合う分割コア17、17の外周部側にそれぞれ設けたり、6箇所の結合部39のうち、周方向に1箇所おきの結合部39に設けても良い。
Claims (3)
- 円環状をなすロータコアの挿入孔にマグネットを挿入配設したアウターロータにおいて、
前記ロータコアは、周方向に複数に分割された分割コアにより構成され、分割面が対応する一方の分割コアに係合凸部が形成されると共に、他方の分割コアに前記係合凸部と係合する係合凹部が形成され、これら係合凸部及び係合凹部の少なくとも一方の一部に曲面が形成されており、
分割コアの係合凸部を対応する係合凹部に係合させて全体として円環状に連結した状態で、径が拡大されたときには、係合凸部と係合凹部とに互いに抜止め状態に当接する当接部が形成されると共に係合凸部の先端部側と係合凹部の奥部側との間及び対応する分割面間に夫々空隙が形成され、径が縮小されたときには、対応する分割面が当接するように構成され、
前記ロータコアは、前記径の縮小により前記分割コアにおける各分割面を当接させた状態で樹脂によってモールドされていることを特徴とするアウターロータ。 - 係合凹部の係合凸部の突出基部と対応する部分には、分割面に向って拡開する如き開放部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のアウターロータ。
- 請求項1又は2記載のアウターロータを製造する方法において、
ロータコアは、径が拡大された状態で成形型へセットされ、当該成形型にて径が縮小されて位置決めされた状態で、その成形型内で磁性体製のフレームと樹脂による成形にて一体化されること特徴とするアウターロータの製造方法。
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