JP4648764B2 - 噴射攪拌工法および噴射攪拌装置 - Google Patents
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Description
従来の噴射攪拌工法は、例えば出願人が特願2003−379126号に開示したように、ロッドに設けた噴射部から、圧縮空気と水を強力に噴射して地盤を水圧で破砕切削した後、セメントミルクを主成分とする地盤改良用媒体と、地盤改良用媒体の硬化を促進する反応材を噴射して攪拌し、所定径の杭を構築する工法である。
しかし、従来の噴射攪拌装置を用いた噴射攪拌工法では、第一の噴射部と第二の噴射部を対向する方向に設けているため反応材と地盤改良用媒体は反対方向に射出するので、地盤の状態や施工条件によっては攪拌ムラが発生しやすく、反応材と地盤改良用媒体の混合が適切に行われないケースがあった。
攪拌ムラの発生を防ぎ、反応材と硬化剤を確実に混合させることができる噴射攪拌工法および噴射攪拌装置の開発が待たれていた。
1.ロッドの下段において反応材と地盤改良用媒体の噴射により発生する力が、上段の混合した圧縮空気と水の噴射により発生する力とは対向方向に発生するため、施工時に特定方向への大きな負荷がかかってロッドが撓んだり、ロッドの回転軸がずれるのを防ぐことが出来る。
2.反応材と地盤改良用媒体の噴射方向が水平方向に略平行であるため、地盤に確実に反応材と地盤効果用媒体を含浸させて攪拌することが可能であり、攪拌ムラを防ぐことが出来る。
4.反応材の噴射部が、地盤改良用媒体の噴射部よりも所定距離上に設けられているため、地盤に対して先に反応材の混合が万遍なく行われ、攪拌ムラを防ぐことができる噴射攪拌工法を提供できる。
5.本来は産業廃棄物として処理される排泥から一定粒径以下の固形物を除去し、排泥を再利用するため、経済的かつ地球環境にやさしい噴射攪拌工法を提供できる。
6.圧送ポンプを利用することにより、比較的粒径の大きな排泥土を地盤改良用媒体に混合したとしても、容易に噴射を行うことができる。
8.第一と第二の噴射部からの噴射方向が水平方向に略平行であるため、地盤に確実に反応材と地盤効果用媒体を含浸させて攪拌することが可能であり、攪拌ムラを防ぐことが出来る。
9.地盤に対して先に反応材が混合されるため、地盤に対して先に反応材の混合が満遍なく行われ、攪拌ムラを防ぐことができる。
10.反応材の噴射部が、地盤改良用媒体の噴射部よりも所定距離上に設けられているため、地盤に対して先に反応材の混合が万遍なく行われ、攪拌ムラを防ぐことができる。
図1に示すように、本発明の噴射攪拌装置10は、駆動装置20と、押圧進入装置30(給進装置)と、ロッド40とからなる。また、図示されていないが、必須的構成要素としてロッド40内に水、圧縮空気、地盤改良用媒体、反応材をそれぞれ圧送するための各ポンプを別に備えている。駆動装置20および押圧進入装置30については、従来技術と同様のものを用いれば足りるのでその詳細については必要に応じて詳述する。
ロッドの内部の構成は、図の構成に限定されない。例えば、径の異なる4つの管体を多重配設し、各管体間の隙間を介してそれぞれ水、圧縮空気、地盤改良用媒体、反応材をそれぞれ混合する事なく別体として加圧圧送して噴射する構成としてもよい。また、後述する第三の噴射部付近には圧縮空気と水を混合する混合部が設けられるが、混合する方法や混合部の構成も特に限定されない。
地盤改良用媒体および反応材は、従来の噴射攪拌工法に用いられているものをそのまま使用することができる。従来の地盤攪拌工法に用いられている地盤改良用媒体の主成分は、セメントミルク等の硬化剤である。また、噴射攪拌工法の施工時に排出される排泥から特定の粒径以上の固形物を分離除去した残土を硬化剤と混合し、地盤改良用媒体として利用することも可能である。固形物を分離除去する方法としては篩などを用いる方法が考えられるが、特定の方法に限定されない。反応材には、セメントミルク等と反応して硬化を促進する水ガラスや珪酸ソーダ等等を用いている。地盤改良用媒体と反応材は、混合により反応して地盤を硬化または改質することが出来ればよく、その材質化学成分は特に限定されない
第三の噴射部46の位置は、第一と第二の噴射部の設置位置と噴射物の噴射方向および噴射時にロッドに対して発生する力を考慮して決定する必要がある。例えば、第一と第二の噴射部が平行に特定の方向に噴射される場合、第三の噴射部は、第一と第二の噴射部と対向する方向に向けて噴射するように設ければよい。また、第一と第二の噴射部の噴射方向が若干異なる場合、それぞれの噴射部により発生する力の合力に基づいて決定することができる。
切削破砕によって生じた小石と土と水とからなる排泥は、掘削孔を通して地表に吸排出される。排泥は一般的に産業廃棄物として処理する必要があるが、排泥から水分を取り除いたのち一定粒径以上の固形物を取り出し、残った排泥を地盤改良用媒体と混合して再利用することが可能である。この点は従来の技術とは大きく異なる点と考えられる。
本発明では、ロッドの回転方向の先側に反応材を噴射する第二の噴射部44を設けて、地盤に対して反応材を先に混合させ、後で地盤改良用媒体を混合させる噴射攪拌工法を開示している。この実施例のロッドの回転方向は、図に示す矢印の方向である。
この実施例の噴射攪拌工法では、反応材を噴射する第二の噴射部44を、第一の噴射部42に対して上方に位置させることにより、反応材が地盤改良用媒体よりも先に地盤に混合される。第一の噴射部42に対して第二の噴射部44をどの程度上に位置させるかについては特に限定されないが、反応材と地盤改良用媒体が攪拌ムラなく混合するように近接した適宜の位置を選択すればよい。
20 駆動装置
30 押圧進入装置
40 ロッド
42 第一の噴射部
44 第二の噴射部
46 第三の噴射部
Claims (6)
- 下端にセメントミルクを主成分とする地盤改良用媒体を噴射する第一の噴射部と、該第一の噴射部と略同一の方向に反応材を噴射する第二の噴射部とを設け、さらに前記第一と第二の噴射部よりも上段に圧縮空気と水とを混合して第一と第二の噴射部と対向する方向に噴射する第三の噴射部を設けたロッドが、第一の噴射部と第二の噴射部を水平方向に並列に配置し、互いの噴射方向がほぼ平行となるように噴射口が略同一方向に向けて設けられており、
前記ロッドを地盤中に押圧進入または給進させ、地盤中から前記ロッドを回転させながら引き上げつつ、所定の範囲内に前記第三の噴射部から圧縮空気と水を噴射して地盤改良範囲を円筒形に噴射切削し、切削した排泥を掘削孔を通して地表に排出させるとともに、
前記第二の噴射部のノズルから地盤改良用媒体を固める反応材を噴射し、さらに第一の噴射部のノズルから地盤改良用媒体を噴射し、反応材および地盤改良用媒体を同一方向に水平かつ平行に噴射し、所定径の杭を構築する噴射攪拌工法。 - 下端にセメントミルクを主成分とする地盤改良用媒体を噴射する第一の噴射部と、該第一の噴射部と略同一の方向に反応材を噴射する第二の噴射部とを設け、さらに前記第一と第二の噴射部よりも上段に圧縮空気と水とを混合して第一と第二の噴射部と対向する方向に噴射する第三の噴射部を設けたロッドが、ロッドの回転方向に対して先側に反応材を噴射する第二の噴射部が設けられ、後側に下端にセメントミルクを主成分とする地盤改良用媒体を噴射する第一の噴射部が設けられており、
前記ロッドを地盤中に押圧進入または給進させ、地盤中から前記ロッドを回転させながら引き上げつつ、所定の範囲内に前記第三の噴射部から圧縮空気と水を噴射して地盤改良範囲を円筒形に噴射切削し、切削した排泥を掘削孔を通して地表に排出させるとともに、
前記第二の噴射部のノズルから地盤改良用媒体を固める反応材を噴射し、さらに第一の噴射部のノズルから地盤改良用媒体を噴射し、ロッドが回転することにより、地盤に対して先に反応材が混合され、後に地盤改良用媒体が混合されて、所定径の杭を構築する噴射攪拌工法。 - 前記噴射攪拌工法において、
地表に排出させた水を含んだ泥土からなる前記排泥から一定粒径以上の固形物を分離除去し前記地盤改良用媒体と混合して混合媒体を形成し第一の噴射部から地盤改良用媒体として混合媒体を噴射することを特徴とする前記請求項1または2記載の噴射攪拌工法。 - 前記噴射攪拌工法において、
地表に排出させた水を含んだ泥土からなる前記排泥から一定粒径以上の固形物を分離除去し前記地盤改良用媒体と混合して混合媒体を形成し圧送ポンプで圧送して第一の噴射部から地盤改良用媒体として該混合媒体を噴射することを特徴とする前記請求項3記載の噴射攪拌工法。 - 下端にセメントミルクを主成分とする地盤改良用媒体を噴射する第一の噴射部と、該第一の噴射部と略同一の方向に反応材を噴射する第二の噴射部とを設け、さらに前記第一と第二の噴射部よりも上段に圧縮空気と水とを混合して第一と第二の噴射部と対向する方向に噴射する第三の噴射部を設けたロッドが、第一の噴射部と第二の噴射部を水平方向に並列に配置し、互いの噴射方向がほぼ平行となるように噴射口が略同一方向に向けて設けられており、
前記ロッドを地盤中に押圧進入または給進させ、地盤中から前記ロッドを回転させながら引き上げつつ、所定の範囲内に前記第三の噴射部から圧縮空気と水を噴射して地盤改良範囲を円筒形に噴射切削し、切削した排泥を掘削孔を通して地表に排出させるとともに、
前記第二の噴射部のノズルから地盤改良用媒体を固める反応材を噴射し、さらに第一の噴射部のノズルから地盤改良用媒体を噴射し、反応材および地盤改良用媒体を同一方向に水平かつ平行に噴射し、所定径の杭を構築する噴射攪拌装置。 - 下端にセメントミルクを主成分とする地盤改良用媒体を噴射する第一の噴射部と、該第一の噴射部と略同一の方向に反応材を噴射する第二の噴射部とを設け、さらに前記第一と第二の噴射部よりも上段に圧縮空気と水とを混合して第一と第二の噴射部と対向する方向に噴射する第三の噴射部を設けたロッドが、ロッドの回転方向に対して先側に反応材を噴射する第二の噴射部が設けられ、後側に下端にセメントミルクを主成分とする地盤改良用媒体を噴射する第一の噴射部が設けられており、
前記ロッドを地盤中に押圧進入または給進させ、地盤中から前記ロッドを回転させながら引き上げつつ、所定の範囲内に前記第三の噴射部から圧縮空気と水を噴射して地盤改良範囲を円筒形に噴射切削し、切削した排泥を掘削孔を通して地表に排出させるとともに、
前記第二の噴射部のノズルから地盤改良用媒体を固める反応材を噴射し、さらに第一の噴射部のノズルから地盤改良用媒体を噴射し、ロッドが回転することにより、地盤に対して先に反応材が混合され、後に地盤改良用媒体が混合されて、所定径の杭を構築する噴射攪拌装置。
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