JP3039558U - 矢板の打設装置 - Google Patents

矢板の打設装置

Info

Publication number
JP3039558U
JP3039558U JP1996013217U JP1321796U JP3039558U JP 3039558 U JP3039558 U JP 3039558U JP 1996013217 U JP1996013217 U JP 1996013217U JP 1321796 U JP1321796 U JP 1321796U JP 3039558 U JP3039558 U JP 3039558U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet pile
compressed
compressed air
nozzle
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1996013217U
Other languages
English (en)
Inventor
美好 忠平
Original Assignee
美好 忠平
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 美好 忠平 filed Critical 美好 忠平
Priority to JP1996013217U priority Critical patent/JP3039558U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3039558U publication Critical patent/JP3039558U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鋼矢板の打込み効率を向上する。 【解決手段】 鋼矢板11の下端に圧縮水用ノズル26を設
ける。この圧縮水用ノズル26に圧縮水Wを供給する高圧
ポンプ36を設ける。鋼矢板11の下端に圧縮空気用ノズル
27を設ける。この圧縮空気用ノズル27に圧縮空気Aを供
給するエアーコンプレッサ40を設ける。圧縮水用ノズル
26から圧縮水Wを噴射し、この圧縮水Wにより鋼矢板11
の下端に掘削孔が形成される。圧縮空気用ノズル26から
圧縮空気Aを噴射すると、該圧縮空気Aが泡aとなって
上昇する際に礫が上下に揺動する。その泡aによって攪
拌されて礫42間に間隙が生じ、鋼矢板11の下端を比較的
小さな力で打ち込むことができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、鋼矢板等の矢板の打設装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼矢板等の矢板の打設工法において、例えば鋼矢板の打設工法として、静加重 により打込む圧入引抜機や、振動により打込むバイブロハンマ等を用いる工法が 知られている。また、鋼矢板の打込み長さや地盤等の条件により、それらの工法 に所謂ウォータジェットが併用されている。このウォータジェットを用いる工法 では、鋼矢板に沿ってパイプを取付け、このパイプの下端にノズルを設けると共 に、パイプの上端をポンプに接続し、このポンプから圧送された圧縮水を前記ノ ズルにより絞って噴射するものであり、この噴射水により鋼矢板の下端側が掘ら れると共に、その水に混ざって砂などが地上に排出される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記ウォータジェットを用いる工法では、高圧な噴射水により鋼矢板下端部と 地盤との応力増加を抑制して打込み抵抗を軽減することができ、特に、シルト礫 層や砂礫層などにおいては、公知ではないが、圧力及ぶ噴射量を制御した噴射を 行うと、土粒子間の間隙水圧を高めることによって土粒子が移動し、鋼矢板下方 の石や岩等の礫を移動させて打込みを容易にすることができる。ところが、石や 岩相互が砂や粘土などの土粒子により強固に固定された礫質層などに鋼矢板が当 たると、打込み効率が低下してしまうため、従来では、噴射水の圧力及び噴射量 を増加することにより、これを防止しようとしていたが、仮に圧送用のポンプを 2台に増やしても思ったように打込み効率を高めることはできなかった。
【0004】 図8(A)(B)の断面説明図は、礫質層などにおいて、矢板である鋼矢板1 の下端に設けたノズル2から、圧縮水3を噴射した状態を示し、図8(A)に示 すように、前記ノズル2から噴射した圧縮水3により礫6を取り巻く土粒子は、 矢印5に示すように、水と供に鋼矢板1を伝わって地上に排出され、地盤に掘削 孔4が形成される。しかし、圧縮水3の影響を受けない石や岩の破片等の礫6を 除去することはできず、複数の礫6からなる大径の固まり8がそのままで残るた め、鋼矢板1の打込みの妨げとなる。そこで、圧縮水3の圧力及び噴射量を増加 すると、図8(B)の断面に示すように、前記掘削孔4が深くなり、多量の土粒 子7が水と供に鋼矢板1を伝わって地上に排出されるが、逆に、大きく形成され た掘削孔4の底部に、圧縮水3の影響を受けない複数の礫6からなる固まり8が 堆積するため、鋼矢板1の打込みが困難になり、また、圧縮水3の圧力と噴射量 を増加しても、掘削孔4が深くなり、この掘削孔4の底部に礫6が堆積し、圧縮 水の圧力を上述したように仮に2倍にしても、圧縮水に係わる装置とコストが上 昇するだけで、それに見合った打込み効率の向上を図ることができず、場合によ っては打込み効率が低下することが予想される。
【0005】 そこで、本考案は、比較的安価にして、打込み効率を向上することができる矢 板の打設装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の打設装置は、矢板を地中に打込む打込み装置と、前記矢板の下端に 設けられ圧縮水を噴射する圧縮水用ノズルと、この圧縮水用ノズルに圧縮水を供 給する圧縮水供給装置と、前記矢板の下端に設けられ圧縮空気を噴射する圧縮空 気用ノズルと、この圧縮空気用ノズルに圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置と を備えるものである。
【0007】 また、請求項2の打設装置は、前記矢板に沿って外管と内管とからなるパイプ を着脱自在に設け、前記外管の内面と前記内管の外面との間に圧縮水路を形成す ると共に、前記内管内に圧縮空気路を形成し、前記圧縮水路の下端に前記圧縮水 用ノズルを設けると共に、前記圧縮空気路の下端に前記圧縮空気用ノズルを設け 、前記圧縮水路の上端に前記圧縮水供給装置を接続すると共に、前記圧縮空気路 の上端に前記圧縮空気供給装置を接続するものである。
【0008】 さらに、請求項3の打設装置は、前記圧縮水用ノズルは下端に向かって狭くな るテーパ状の内面を有しているものである。
【0009】 さらにまた、請求項4の打設装置は、前記圧縮空気用ノズルを、前記圧縮水用 ノズルの下端位置とほぼ同一位置又は該下端位置より下方に設けたものである。
【0010】 しかも、請求項5の打設装置は、前記パイプの下部を鋼製バンドにより前記矢 板に固定すると共に、前記鋼製バンドの両側脚部を前記矢板に溶着し、前記パイ プには、前記鋼製バンドに係合可能な突起を前記鋼製バンドの上下にそれぞれ設 け、前記パイプの引上げにより前記溶着の箇所が破断可能に構成したものである 。
【0011】
【作用】
上記請求項1の構成では、圧縮水用ノズルから圧縮水を噴射し、この圧縮水に より矢板の下端に土粒子の取り除かれた掘削孔が形成され、さらに、圧縮空気用 ノズルから圧縮空気を噴射すると、この圧縮空気と圧縮水とにより前記掘削孔内 に溜まった礫が振動する共に、該圧縮空気が泡となって上昇する際に礫単体を上 下に揺動し、礫同志の間隙を作り出すことにより、杭の打込み抵抗が低下する。
【0012】 また、上記請求項2の構成では、外管と内管とからなるパイプを矢板に沿って 設け、そのパイプにより圧縮水路と圧縮空気路を形成する。
【0013】 さらに、上記請求項3の構成では、テーパ状の内面を有する圧縮水用ノズルに より圧縮水が絞られて矢板の下端から噴射される。
【0014】 さらにまた、上記請求項4の構成では、圧縮水より低圧な圧縮空気を良好に噴 射できる。
【0015】 しかも、上記請求項5の構成では、矢板の打込みが終わったら、パイプを引き 上げることによりバンドの溶着の箇所が破断し、パイプのみを引き上げることが できる。
【0016】
【実施例】
以下、本考案の実施例を添付図面を参照して説明する。図1ないし図6は本考 案の第1実施例を示し、この第1実施例では、矢板である鋼矢板に静加重を加え て打込む杭圧入引込機に本考案を適用した例を示し、複数の鋼矢板11からなる鋼 矢板壁12には、杭圧入引抜機13が固定され、この打込み装置たる杭圧入引抜機13 は、その下部に複数の前記鋼矢板11を挟持する固定脚部14を備え、この固定脚部 14は、移動装置(図示せず)により前記鋼矢板壁12の長さ方向に移動可能に設け られており、前記固定脚部14の下部に設けた複数の挟持部14Aが前記鋼矢板壁12 を挟持することにより前記鋼矢板壁12に前記杭圧入引抜機13が固定される。また 、この杭圧入引抜機13は、鋼矢板11を挟持する挟持アーム15を有すると共に、こ の挟持アーム15を上下に移動する杭圧入引抜手段16が設けられている。
【0017】 前記鋼矢板11に沿ってパイプ21を着脱自在に設け、このパイプ21は外管22と内 管23とからなり、その外管22内面と内管23外面との間により圧縮水路24を形成し 、前記内管23内により圧縮空気路25を形成している。また、前記パイプ21の下端 には、圧縮水用ノズル26が設けられ、図3に示すように、その圧縮水用ノズル26 は下端に向かって狭くなるテーパ状の内面26Aを有している。さらに、その圧縮 水用ノズル26の下端に前記内管23が位置して該内管23の下端により圧縮空気用ノ ズル27を構成している。図2に示すように、前記パイプ21の上端側には取付け具 28が一体に設けられ、この取付け具28には、前記鋼矢板11の上端縁に係脱自在な フック部29が回動可能に枢着されており、また、その取付け具28の下部に、倒れ 止めワイヤー30を設け、その上部に吊り上げ用のワイヤー31を設けている。また 、前記パイプ21の下部は鋼製バンド32により前記鋼矢板11に固定され、この鋼製 バンド32は両側に脚部32Aを有しており、前記鋼製バンド32を上下に挟む位置で 、前記パイプ21に突起26Bを設けている。さらに、前記パイプ21の上端には、前 記圧縮水路24に連通する水ホースアダプター33と、前記圧縮空気路25に連通する 空気ホースアダプター34とが設けられている。前記水ホースアダプター33に高圧 ホース35を介して圧縮水供給装置たる高圧ポンプ36を接続し、この高圧ポンプ36 が水槽37に接続され、この水槽37には水中ポンプ38により水を溜めておく。また 、前記空気ホースアダプター34にホース39を介して圧縮空気供給装置たるエアー コンプレッサ40を接続している。
【0018】 次に、前記装置による鋼矢板11の打込みに付き説明すると、取付け具28の吊り 下げ用ワイヤー31によりパイプ21を吊り上げ、取付け具28のフック部29をこれか ら打込む鋼矢板11の上端縁に掛止し、パイプ21を鋼矢板11の凹部11A内に配置し 、さらに、パイプ21の下端をバンド32により固定する。尚、このバンド32はその 脚部32Aを溶着によって鋼矢板11に固定し、また、図2に示すように、倒れ止め ワイヤー30は鋼矢板11の外面側に配置する。これによりフック部29を鋼矢板11か ら外しても、前記倒れ止めワイヤー30により鋼矢板11の倒れを防止できる。そし て、図1に示すように、鋼矢板壁12に固定した杭圧入引抜機13の挟持アーム15に より鋼矢板11を挟持固定し、杭圧入引抜手段16により鋼矢板11に静加重を加えて 該鋼矢板11を地盤に押し込み、所定深さの押し込みが終わったら、挟持アーム15 による挟持を解除し、該挟持アーム15を上方に移動してその上方位置にて再度挟 持固定し、再び静加重を加えて地盤に押し込み、この工程を繰り返して鋼矢板11 の打込みを行う。この打込みの工程において、高圧ポンプ36とエアーコンプレッ サ40を作動し、圧縮水用ノズル26の先端から該ノズル26により絞られた圧縮水W を噴射すると共に、圧縮空気Aを噴射する。これにより、図5に示すように、鋼 矢板11の下端に掘削孔41が形成され、この掘削孔41内に溜まった礫42は圧縮水W と圧縮空気Aの力により振動すると共に、付着した土粒子(図示せず)が除去さ れ、この土粒子は、鋼矢板11の表面を伝わって水と供に地上に排出され、さらに 、圧縮空気Aが泡aとなって上昇する際に礫42を上下に揺動し、この圧縮空気A の泡aによるリフトアップ効果により礫42が攪拌され、従来例で示した固まり8 は、礫42相互を固定する土粒子が取り除かれて細かい礫42に分解され、さらに、 前記圧縮空気Aの泡aによる攪拌作用によって礫42間に間隙が形成され、鋼矢板 11の打込み抵抗が大幅に削減する。このようにして鋼矢板11の打込みが終わった ら、吊り下げ用ワイヤー31によりパイプ21を吊り上げて外し、また、前記鋼製バ ンド32は、その吊り上げ力により脚部32Aの溶着の箇所から破断し、パイプ21の みを引き上げることができる。
【0019】 以下の表1は、砂礫層へ7メートルの鋼矢板を打設する実験において、90ト ン級の油圧式杭圧入引抜機を用いて、圧縮水を噴射する圧縮水噴射併用圧入方式 と、本実施例で示した圧縮水と供に圧縮空気を噴射する圧縮空気及び圧縮水噴射 併用圧入方式による比較例を示したものである。
【0020】
【表1】
【0021】 上記の表1に示されるように、圧縮水噴射併用圧入方式では、ノズル噴射圧力 を50Kg/cm2 から例えば2倍の100Kg/cm2 に上げると、逆に圧入 抵抗が30トンから55トンに上昇し、単に噴射圧力を上げるだけでは、圧入抵 抗力を削減できないことが判った。これは、礫層における鋼矢板の打設では、水 の噴射圧力を上げると、鋼矢板の下部に形成される掘削孔が深くなり、この掘削 孔の底部に礫の固まりが堆積し、圧入抵抗力が大きくなることを示し、一方、ノ ズル噴射圧力を50Kg/cm2 から30Kg/cm2 に下げると、圧入抵抗力 が上昇を示し、このことから、地盤の条件等に合わせて、好ましい噴射圧力に設 定することにより、効率のよい作業を行うことができ、単に噴射圧力を上げただ けでは、打設効率を向上することができないことが判った。尚、圧縮水噴射併用 圧入方式で、ノズル噴射圧力が150Kg/cm2 の場合、圧入時間の記載がな いのは、実験途中において、油圧式杭圧入引抜機の反力矢板が抜けて作業続行不 能となったためである。また、圧縮空気及び圧縮水噴射併用圧入方式においても 、ノズル噴射圧力を50Kg/cm2 において、圧入抵抗力が最低を示し、また 、水の噴射と供に5Kg/cm2 の空気を噴射することにより、圧縮水噴射併用 圧入方式に比べて大幅に圧入抵抗力が削減されることが判り、これは圧縮空気を 噴射すると、発生する泡のリフトアップ効果により礫が攪拌されると共に掘削孔 の水内において浮遊する礫間に間隙が作り出され、鋼矢板の打込み抵抗が削減さ れるためであり、表1の数値において、圧縮空気を噴射することにより、圧入抵 抗力が大幅に低減できることが判った。
【0022】 また、図6(A)(B)は、本考案者が行った実験モデルを示し、円筒形の容 器51の底部に複数の石52と砂52Aを入れ、該容器51内に二重管54の下端を挿入し た状態で、水53のみを噴射した場合と、同一条件で水53と供に空気を噴射した実 験を行い、視認により比較した。水53のみを噴射する場合では、図6(A)に示 すように、石52の間の砂52Aは水53と共に上方に移動して取り除かれるが、石52 は容器51の底部に堆積した。尚、水53の圧力を上げるほど、二重管54の下方では 石52の間に隙間がない密な堆積状態となることが認められた。一方、空気を同時 に噴射した場合では、該空気が泡となって上昇する際、砂52Aと供に石52を上方 に浮き上がらせる力が働くことが確認でき、水53のみを噴射する場合より、空気 を同時に噴射する場合の方が、石52が攪拌されて石52間の間隙が大きくなること が認められた。また、鋼矢板11の下端に圧縮空気用ノズル27を設け、鋼矢板11の 下端から直接圧縮空気Aを噴射するようにしたから、掘削孔41内の水が大きく泡 立ち、礫42を効率よく攪拌して浮遊せしめ、該礫42間に鋼矢板11の下端を打ち込 み易くなる。
【0023】 このように本実施例では、請求項1に対応して、矢板たる鋼矢板11を地中に打 込む打込み装置たる杭圧入引抜機13と、鋼矢板11の下端に設けられ圧縮水Wを噴 射する圧縮水用ノズル26と、この圧縮水用ノズル26に圧縮水Wを供給する圧縮水 供給装置たる高圧ポンプ36と、鋼矢板11の下端に設けられ圧縮空気を噴射する圧 縮空気用ノズル27と、この圧縮空気用ノズル27に圧縮空気Aを供給する圧縮空気 供給装置たるエアーコンプレッサ40とを備える矢板の打込装置であるから、圧縮 水用ノズル26から圧縮水Wを噴射し、この圧縮水Wにより鋼矢板11の下端に掘削 孔41が形成され、さらに、圧縮空気用ノズル27から圧縮空気Aを噴射すると、こ の圧縮空気Aと圧縮水Wの噴射力により、前記掘削孔41内に溜まった礫42が振動 する共に、該圧縮空気Aが大きな泡aとなって上昇する際に上下に揺動し、礫42 間に間隙が生じ、泡aによって攪拌されて礫42間に間隙が生じた状態で鋼矢板11 の下端を比較的小さな力で打ち込むことができ、装置も比較的小さなエアーコン プレッサ40を使用するものであるから安価なものとなる。
【0024】 また、このように本実施例では、請求項2に対応して、矢板たる鋼矢板11に沿 って外管22と内管23とからなるパイプ21を着脱自在に設け、外管22の内面と内管 23の外面との間に圧縮水路24を形成すると共に、内管23内に圧縮空気路25を形成 し、圧縮水路24の下端に圧縮水用ノズル26を設けると共に、圧縮空気路25の下端 に圧縮空気用ノズル27を設け、圧縮水路24の上端に圧縮水供給装置たる高圧ポン プ36を接続すると共に、圧縮空気路25の上端に圧縮空気供給装置たるエアーコン プレッサ40を接続する矢板の打設装置であるから、外管22と内管23とからなるパ イプ21を鋼矢板11に沿って設け、そのパイプ21により圧縮水路24と圧縮空気路25 を形成することができる。
【0025】 さらに、このように本実施例では、請求項3に対応して、圧縮水用ノズル26は 下端に向かって狭くなるテーパ状の内面26Aを有している矢板の打設装置である から、圧縮水Wが絞られて矢板の下端から噴射される。
【0026】 さらにまた、このように本実施例では、請求項4に対応して、圧縮空気用ノズ ル27を、圧縮水用ノズル26の下端位置とほぼ同一位置又は該下端位置より下方に 設けた矢板の打設装置であるから、圧縮空気用ノズル27を圧縮水用ノズル26の下 端位置とほぼ同一か、圧縮水用ノズル26の下端位置より下方に設けることにより 、圧縮水Wより低圧な圧縮空気Aを良好に噴射することができる。
【0027】 しかも、このように本実施例では、請求項5に対応して、パイプ21の下部を鋼 製バンド32により矢板たる鋼矢板11に固定すると共に、鋼製バンド32の両側脚部 32A,32Aを鋼矢板11に溶着し、パイプ21には、鋼製バンド32に係合可能な突起 26B,26Bを鋼製バンド32の上下にそれぞれ設け、パイプ21の引上げにより溶着 の箇所が破断可能に構成した矢板の打設装置であるから、鋼矢板11の打込みが終 わったら、パイプ21を引き上げることによりバンド32の溶着の箇所が破断し、パ イプ21のみを引き上げることができる。
【0028】 図7は本考案の第2実施例を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付 し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、打込み装置としてバイ ブロハンマーなどの振動式杭打込引抜機13Aを用いる例を示し、この振動打抜機 13Aは、下部に鋼矢板11の上部を挟着するチャック61を有すると共に、振動手段 62を内蔵し、クレーン63に吊り上げられて使用される。また、前記杭打込引抜機 13Aには操作ユニット64を介して発動発電機65が接続されている。そして、操作 ユニット64を操作し、発動発電機65を電源として振動手段62を振動させ、鋼矢板 11の打込みを行い、第1実施例と同様に鋼矢板11の下端から圧縮水Wと圧縮空気 Aとを噴射する。
【0029】 このように本実施例では、矢板たる鋼矢板11を地中に打込む打込み装置たる振 動式杭圧入引抜機13Aと、鋼矢板11の下端に設けられ圧縮水Wを噴射する圧縮水 用ノズル26と、この圧縮水用ノズル26に圧縮水Wを供給する圧縮水供給装置たる 高圧ポンプ36と、鋼矢板11の下端に設けられ圧縮空気Aを噴射する圧縮空気用ノ ズル27と、この圧縮空気用ノズル27に圧縮空気Aを供給する圧縮空気供給装置た るエアーコンプレッサ40とを備える鋼矢板の打込装置であるから、装置が比較的 安価で、打込み効率を向上することができ、第1実施例と同様な作用,効果を有 する。
【0030】 尚、本考案は上記実施例に限定されるものではなく本考案の要旨の範囲内にお いて種々の変形実施が可能である。例えば、矢板としては、実施例で示した鋼矢 板以外の矢板の打込み装置に、本考案を適用することができる。また、杭圧入引 抜機及び杭打込引抜機は各種タイプのものを用いることができる。さらに、実施 例においては、外管内に内管を挿入した二重管からなるパイプを示したが、請求 項1においては、圧縮空気を送る管と、圧縮空気を送る管とを別々に設けてもよ い。
【0031】
【考案の効果】
請求項1の打設装置は、矢板を地中に打込む打込み装置と、前記矢板の下端に 設けられ圧縮水を噴射する圧縮水用ノズルと、この圧縮水用ノズルに圧縮水を供 給する圧縮水供給装置と、前記矢板の下端に設けられ圧縮空気を噴射する圧縮空 気用ノズルと、この圧縮空気用ノズルに圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置と を備えるものであり、比較的安価にして、打込み効率を向上することができる矢 板の打設装置を提供することができる。
【0032】 また、請求項2の打設装置は、前記矢板に沿って外管と内管とからなるパイプ を着脱自在に設け、前記外管の内面と前記内管の外面との間に圧縮水路を形成す ると共に、前記内管内に圧縮空気路を形成し、前記圧縮水路の下端に前記圧縮水 用ノズルを設けると共に、前記圧縮空気路の下端に前記圧縮空気用ノズルを設け 、前記圧縮水路の上端に前記圧縮水供給装置を接続すると共に、前記圧縮空気路 の上端に前記圧縮空気供給装置を接続するものであり、比較的安価にして、打込 み効率を向上することができる矢板の打設装置を提供することができる。
【0033】 さらに、請求項3の打設装置は、前記圧縮水用ノズルは下端に向かって狭くな るテーパ状の内面を有しているものであり、比較的安価にして、打込み効率を向 上することができる矢板の打設装置を提供することができる。
【0034】 さらにまた、請求項4の打設装置は、前記圧縮空気用ノズルを、前記圧縮水用 ノズルの下端位置とほぼ同一位置又は該下端位置より下方に設けたものであり、 比較的安価にして、打込み効率を向上することができる矢板の打設装置を提供す ることができる。
【0035】 しかも、請求項5の打設装置は、前記パイプの下部を鋼製バンドにより前記矢 板に固定すると共に、前記鋼製バンドの両側脚部を前記矢板に溶着し、前記パイ プには、前記鋼製バンドに係合可能な突起を前記鋼製バンドの上下にそれぞれ設 け、前記パイプの引上げにより前記溶着の箇所が破断可能に構成したものであり 、比較的安価にして、打込み効率を向上することができる矢板の打設装置を提供 することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す全体側面図である。
【図2】本考案の第1実施例を示すパイプを取付けた状
態の鋼矢板の断面図である。
【図3】本考案の第1実施例を示すパイプ下端の拡大断
面図である。
【図4】本考案の第1実施例を示す鋼矢板下端の一部切
欠斜視図である。
【図5】本考案の第1実施例を示す打込み状態における
鋼矢板下端の断面説明図である。
【図6】本考案の第1実施例を示す実験装置の断面図で
あり、図6(A)は水噴射における断面図であり、図6
(B)水及び空気噴射における断面図である。
【図7】本考案の第2実施例を示す全体斜視図である。
【図8】従来例を示す断面説明図であり、図8(A)は
圧縮水を低圧で噴射した状態で一部を拡大した断面説明
図、図8(B)は圧縮水を高圧で噴射した状態の断面説
明図である。
【符号の説明】
11 鋼矢板(矢板) 13 杭圧入引抜機(打込み装置) 13A 杭打込圧入引抜機(打込み装置) 21 パイプ 22 外管 23 内管 24 圧縮水路 25 圧縮空気路 26 圧縮水用ノズル 26B 突起 27 圧縮空気用ノズル 32 鋼製バンド 32A 脚部 36 高圧ポンプ(圧縮水供給装置) 40 エアーコンプレッサ(圧縮空気供給装置) W 圧縮水 A 圧縮空気

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矢板を地中に打込む打込み装置と、前記
    矢板の下端に設けられ圧縮水を噴射する圧縮水用ノズル
    と、この圧縮水用ノズルに圧縮水を供給する圧縮水供給
    装置と、前記矢板の下端に設けられ圧縮空気を噴射する
    圧縮空気用ノズルと、この圧縮空気用ノズルに圧縮空気
    を供給する圧縮空気供給装置とを備えることを特徴とす
    る矢板の打設装置。
  2. 【請求項2】 前記矢板に沿って外管と内管とからなる
    パイプを着脱自在に設け、前記外管の内面と前記内管の
    外面との間に圧縮水路を形成すると共に、前記内管内に
    圧縮空気路を形成し、前記圧縮水路の下端に前記圧縮水
    用ノズルを設けると共に、前記圧縮空気路の下端に前記
    圧縮空気用ノズルを設け、前記圧縮水路の上端に前記圧
    縮水供給装置を接続すると共に、前記圧縮空気路の上端
    に前記圧縮空気供給装置を接続することを特徴とする請
    求項1記載の矢板の打設装置。
  3. 【請求項3】 前記圧縮水用ノズルは下端に向かって狭
    くなるテーパ状の内面を有していることを特徴とする請
    求項2記載の矢板の打設装置。
  4. 【請求項4】 前記圧縮空気用ノズルを、前記圧縮水用
    ノズルの下端位置とほぼ同一位置又は該下端位置より下
    方に設けたことを特徴とする請求項3記載の矢板の打設
    装置。
  5. 【請求項5】 前記パイプの下部を鋼製バンドにより前
    記矢板に固定すると共に、前記鋼製バンドの両側脚部を
    前記矢板に溶着し、前記パイプには、前記鋼製バンドに
    係合可能な突起を前記鋼製バンドの上下にそれぞれ設
    け、前記パイプの引上げにより前記溶着の箇所が破断可
    能に構成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか
    1項に記載の矢板の打設装置。
JP1996013217U 1996-12-27 1996-12-27 矢板の打設装置 Expired - Lifetime JP3039558U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1996013217U JP3039558U (ja) 1996-12-27 1996-12-27 矢板の打設装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1996013217U JP3039558U (ja) 1996-12-27 1996-12-27 矢板の打設装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3039558U true JP3039558U (ja) 1997-07-22

Family

ID=43174183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1996013217U Expired - Lifetime JP3039558U (ja) 1996-12-27 1996-12-27 矢板の打設装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3039558U (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3534234B2 (ja) 1999-04-07 2004-06-07 不動建設株式会社 ケーシングの地中貫入補助装置及び地中貫入補助方法
JP2018123670A (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 株式会社技研製作所 回転圧入鋼管杭の流体噴射装置及び鋼管杭の回転圧入工法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3534234B2 (ja) 1999-04-07 2004-06-07 不動建設株式会社 ケーシングの地中貫入補助装置及び地中貫入補助方法
JP2018123670A (ja) * 2017-02-01 2018-08-09 株式会社技研製作所 回転圧入鋼管杭の流体噴射装置及び鋼管杭の回転圧入工法
JP7017423B2 (ja) 2017-02-01 2022-02-08 株式会社技研製作所 回転圧入鋼管杭の流体噴射装置及び鋼管杭の回転圧入工法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3850802B2 (ja) 鋼杭及びその施工方法
JP3039558U (ja) 矢板の打設装置
JP3757415B2 (ja) 地盤改良工法と地盤改良装置
JP2863487B2 (ja) 杭引き抜き方法および装置
JP2008255775A (ja) 杭頭余盛コンクリートの処理装置
JP2697693B2 (ja) 矢板の打設工法
JP3450725B2 (ja) 地盤改良工法
JP2003147771A (ja) 杭抜き工法およびその装置、改良地盤ならびに地盤改良工法
JP3719388B2 (ja) 地盤改良装置
JP3047330U (ja) 矢板の打設装置
JP2001011859A (ja) 噴射ノズルを備えた杭打機
JP3217038B2 (ja) 地盤掘下げ装置および筒状地下構造体の形成法
EP1520936A2 (en) Boring method and apparatus
JP2013060774A (ja) 地中杭の引き抜き工法とその装置
JP3165579U (ja) 高圧流体併用矢板貫入補助装置
JP2820247B2 (ja) 杭引抜き方法及び装置
JP2006322190A (ja) 場所打ちコンクリ−ト杭の杭頭処理方法およびコンクリ−ト処理剤混入装置
JP4781195B2 (ja) 打込材の打設方法及び先行掘削用打込材
JP3911121B2 (ja) 杭頭処理装置および杭頭処理方法
JP3973401B2 (ja) 地盤締固め工法
JP3812059B2 (ja) 地盤の改良工法
JP6216526B2 (ja) 鋼管類頭部アタッチメント
JPH02289719A (ja) コンクリート製矢板及び同矢板の圧入方法
JP2004027796A (ja) 高圧噴射撹拌杭工法に使用する自穿孔式噴射注入装置
JPS57151723A (en) Concrete sheet pile and its driving