JP3719388B2 - 地盤改良装置 - Google Patents

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、地盤改良工法に用いる地盤改良装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、この種の地盤改良工法において充填材を使用するものとして、特開昭56−52219号公報には、全周水平噴射ヘッドを有する注入管を砂質地盤中の所定深さに挿入し、前記全周水平噴射ヘッドを通じて水又は空気を砂質地盤中に水平方向に噴射して土粒子を移動収縮させ、その移動収縮によって生じた空隙中に充填材を注入し固化させる砂質地盤の改良工法(公報特許請求の範囲)が提案され、圧力水又は圧力空気を水平に噴射し、圧力水又は圧縮空気による衝撃で土粒子の移動収縮(公報第8欄第1〜2行)するものであるが、充填材として、セメント系,水ガラス系等の如く収縮せずあまり膨脹しない硬化材(公報第8欄第7〜9行)を用いており、このように硬化材を用いるものであるから、材料費がかかるという問題がある。また、特開平7−252823号公報には、高圧ジェット噴流と機械攪拌との併用により地中に固結杭を造成するに際し、地中に挿入する管の長手方向に間隔を設けて取付けた攪拌翼に設けて固化材又は水の高圧噴流及び該高圧噴流の周りを覆う空気噴流を噴出する少なくとも2個のノズルを用い仕上がり杭径の制御方法(公報特許請求の範囲)が提案されているが、この方法も硬化材としてはセメントミルク,モルタル,薬剤など(工法第4欄第1〜2行)を用いるものであるから、材料費がかかるという問題がある。
【0003】
そこで、上記のように硬化材を用いることなく地盤改良を行う工法として、特開平3−281815号公報には、振動部の振動と先端部からのジェット水の噴射によりバイブロフロットを地盤中に貫入し、さらに砕石や砂利等の中詰め材を投入しながら引き抜いて、周囲の地盤を締固めると共に地盤中に中詰め材の柱を形成する(公報第1頁右欄第17行〜第2頁右上欄第1行)工法が記載され、また、バイブロフローテーション工法における振動部の振動と振動部先端からの第1の圧縮空気の噴射とにより前記振動締固め装置を地中に貫入して穿孔を形成すると同時に、前記振動締固め装置の外周からの第2の圧縮空気の噴射と前記ロッド部の軸方向に設けた偏平板の作用により前記外周の空隙を拡幅保持する工程と、前記穿孔を形成した後、振動締固め装置を引き抜きながら前記空隙に中詰め材を投入する工程とからなる振動締固め工法(公報特許請求の範囲)が提案されている。
【0004】
上記特開平3−281815号公報のジェット水を噴射する工法では、ジェット水により地表に泥水が吐き出され、この泥水と共に地中の水溶性微細土粒子等が排出され、この水溶性微細土粒子は、腐食土等の含まれる成分で、加重支持土質としては不適当であって、締め固めを行っても強度が得られないものである。しかし、単にジェット水を噴射するだけでは、上記の水溶性微細土粒子等の締め固めに不向きな成分を効率良く排出することができない。また、上記振動締固め工法のように圧縮空気の噴射と振動により締め固める工法では、締め固めに限界があると共に、その中詰め材周囲の地盤を効率良く締め固めることができない。
【0005】
そこで、同一出願人は、特開2000−179369号公報において、杭の下端に圧縮水を噴射する圧縮水用ノズルと圧縮空気を噴射する圧縮空気用ノズルとを設け、それらノズルから圧縮水と圧縮空気とを噴射して地中に所定深さまで打ち込んで掘削孔を形成し、前記圧縮水と圧縮空気との噴射により地中の微細粒子を前記杭に沿って上昇させると共に、地表に排出し、この微細粒子を排出した後、前記圧縮空気の噴射を停止又は噴射圧を下げ、前記杭を引き抜くと共に、この引き抜き時に掘削孔内に中詰め材を投入する地盤改良工法を提案しており、この地盤改良によれば、下方に向かって噴射した圧縮空気と圧縮水とにより、鋼矢板の下方の掘削孔において、土粒子(土塊)の攪拌が行われ、圧縮空気が泡となって上昇する際に土粒子を揺動して分解が行われ、これにより分解した微細粒子たる水溶性微細粒子が上昇水流と泡の上昇に伴うリフトアップ効果によりに地表に効率よく排土される。そして、掘削孔内に投入した中詰め材を圧縮水により圧密して圧密柱を形成することができる。
【0006】
ところで、上記特開2000−179369号公報の地盤改良工法では、杭を引き抜く時に掘削孔内に中詰め材を投入し、地表面から掘削孔の開口に、中詰め材たる砕石を該砕石の沈下速度に合せて供給(公報第0027段)するが、これを手作業で行なう場合、作業効率に劣る問題がある。また、同公報では、装置として、杭圧入引抜機や振動式杭打込引抜機が例示され、従来から用いられている杭打機、あるいはバックホータイプの掘削機でも施工が可能であるが、より効率よく作業を行うために、同地盤改良工法に適した装置の開発が望まれている。
【0007】
上述した中詰め材の投入に関して、例えば、特開平7−158044号公報には、ホッパーにトラックショベルからの砕石を受ける(公報第0012段)ようにしているが、この場合、別個にトラックショベルが必要となる。
【0008】
また、上記特開2000−179369号公報の地盤改良工法では、下方に向って噴射された圧縮空気が泡となって上昇する際に土粒子を揺動して分解が行われ、圧縮空気と圧縮水の噴射を併用することにより、微細粒子を分離することができる。そして、前記地盤改良工法において、杭の押込みを一層効率よくできる装置も望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、硬化材が不要で、加重支持土質に不向きな水溶性微細土粒子等を良好に排出することができ、中詰め材を効率良く締め固めることができる地盤改良装置を提供することを目的とし、加えて、杭を効率よく押込むことができる地盤改良装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の地盤改良装置は、杭の下端に圧縮水を噴射する圧縮水用ノズルと圧縮空気を噴射する圧縮空気用ノズルとを設け、それらノズルから圧縮水と圧縮空気とを噴射して地中に所定深さまで打ち込んで掘削孔を形成し、前記圧縮水と圧縮空気との噴射により地中の微細粒子を前記杭に沿って上昇させると共に、地表に排出し、この微細粒子を排出した後、前記圧縮空気の噴射を停止又は噴射圧を下げ、前記杭を引き抜くと共に、この引き抜き時に掘削孔内に中詰め材を投入する地盤改良装置において、自走式車両に、リーダと、このリーダに沿って昇降可能に設けられた杭挟持体と、前記中詰め材を収納する収納部と、この収納部の中詰め材を前記掘削孔に投入する投入装置とを設け前記杭が外管と内管とからなる二重管であり、前記内管内により圧縮水路を形成し、前記外管と内管との間により圧縮空気路を形成し、前記圧縮水路の下端に前記圧縮水用ノズルを設け、前記圧縮空気路の下端に前記圧縮空気用ノズルを設け、前記二重管の先端側に、該二重管を中心として前記掘削孔に対応すると共に先端と基端とが開口した筒体を設け、この筒体の先端側を先端側連結部により前記二重管に固定すると共に、該筒体の基端側を基端側連結部により前記二重管に固定し、前記先端側連結部に掘削用のビット体を設け、前記二重管を回転する回転駆動手段を備え、前記二重管の外管には、前記筒体内に位置して、前記筒体内に空気を噴射する複数の空気噴射口を設け、これら空気噴射口は、前記圧縮空気路に連通し、前記空気噴射孔から周囲に向って圧縮空気を噴射するものである。
【0011】
この請求項1の構成によれば、自走式車両により施工位置まで移動し、杭を杭挟持体により挟持し、該杭挟持体をリーダに沿って下降して杭を圧入し、杭圧入時に、下方に向かって噴射した圧縮空気と圧縮水とにより、鋼矢板の下方の掘削孔において、土粒子(土塊)の攪拌が行われ、圧縮空気が泡となって上昇する際に土粒子を揺動して分解が行われ、これにより分解した微細粒子たる水溶性微細粒子が上昇水流と泡の上昇に伴うリフトアップ効果によりに地表に効率よく排土される。そして、杭挟持体をリーダに沿って上昇することにより、杭を引き抜き、この引き抜き時に、自走式車両の収納部に収納した中詰め材を、投入装置により掘削孔内に投入し、この中詰め材を圧縮水により圧密して圧密柱を形成することができる。
【0012】
また、筒体が掘削孔の内面に当り、掘削孔を筒体の外形形状に合わせて仕上げることができる。尚、中詰め材を打撃する場合、該筒体によりその打撃効率をも向上することができる。
【0013】
また、筒体内に空気を噴射することにより、筒体内に位置する複数の空気噴射口から圧縮空気が噴射され、筒体内においても、圧縮空気による攪拌作用が発生する。
【0014】
また、杭を回転して先端側のビット体により掘削を行うことにより、掘削効率を向上することができる。
【0015】
また、請求項2の地盤改良装置は、前記投入装置は、投入口側を低くして傾斜した投入路と、この投入路に前記中詰め材を送る送り装置とを備えるものである。
【0016】
この請求項2の構成によれば、投入路に中詰め材を送ってやれば、傾斜した投入路により、中詰め材が投入口から掘削孔内に投入される。
【0017】
また、請求項の地盤改良装置は、前記リーダが起伏可能で且つ長さ方向に移動可能に前記自走式車両に設けられているものである。
【0018】
この請求項の構成によれば、リーダを使用時には立て、収納時には倒すことにより、自走式車両の移動が容易となる。また、リーダ自体を長さ方向に移動することにより、杭を圧入・引き抜きできるから、その移動分だけリーダの長さを短くできる。
【0019】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。図1〜図15は本発明の第1実施例を示し、この地盤改良工法に用いる地盤改良装置は、図1〜図6に示すように、自走式車両1は、車体2の下部に走行手段たる無限軌道3を有し、この無限軌道3は車体2に搭載した原動機(図示せず)により駆動する。前記車体2の後部には、ショベルたるブレード4が設けられ、このブレード4は昇降駆動可能に設けられている。
【0020】
また、車体2の前部にはリーダ5が起伏可能に設けられ、このリーダ5は前後方向の起伏装置6により、図1の鎖線に示す収納位置と地表に対してほぼ垂直な使用位置とに起伏可能になっている。尚、実際には、約5度程度だけリーダ5の上部が前側に倒れることが可能である。起伏装置6は、前記車体2に起伏ベース7の下部を枢着部8により前後方向起伏可能に設け、その枢着部8より後方で前記車体2に枢着部9により起伏シリンダ10の下部を枢着し、この起伏シリンダ10の伸縮杆10Aを枢着部11により前記起伏ベース7の上部に枢着してなる。そして、前記起伏シリンダ10がリーダ5の前後方向角度調整手段である。前記起伏ベース7の前側には揺動ベース12が左右方向揺動可能に設けられ、前記起伏ベース7と揺動ベース12の上部を枢着部13により回動可能に設けると共に、前記起伏ベース7と揺動ベース12の下部を左右スライド駆動機構14により左右移動可能に設けている。そして、左右スライド駆動機構14がリーダ5の左右方向角度調整手段である。また、前記揺動ベース12の前部に前記リーダ5を上下方向移動可能に設け、リーダ昇降手段たるスライドシリンダ15により、前記揺動ベース12に対して、リーダ5を昇降可能に設けている。したがって、図1の鎖線に示す収納位置にリーダ5を収納した状態で作業場所まで移動し、起伏シリンダ10を延ばしてリーダ5を地面に対し前後方向ほぼ垂直に合わせ、さらに、左右スライド駆動機構14により、枢着部13を中心としてリーダ5の下部を左右に回転して左右方向ほぼ垂直に合わせ、この後、スライドシリンダ15によりリーダ5の高さ位置を調節できる。尚、前記シリンダ10,15及び左右スライド駆動機構14は油圧などにより駆動する。
【0021】
前記リーダ5の前部には案内レール21が設けられ、この案内レール21に沿って杭挟持体22が昇降可能に設けられ、この杭挟持体22はチェーンを備えた昇降手段23によりリーダ5に沿って昇降する。前記杭挟持体22は内部に挿通した杭を挟持及び挟持解除可能なものであって、挟持した杭を回転する回転駆動手段24を内蔵する。また、前記リーダ5の下部には杭固定手段25が固定して設けられ、該杭固定手段25は、これに挿通した杭を挟持及び挟持解除可能なものである。
【0022】
前記車体2上にはホッパ状の収納部31が設けられ、この収納部31に中詰め材が収納され、前記収納部31の底部には送り装置たるベルトコンベア32が設けられ、このベルトコンベア32は中詰め材を後から前に送るものである。このベルトコンベア32の終端側で前記収納部31には投入路33が設けられ、この投入路33は先端側の投入口34が低くなる傾斜をなし、その投入口34は、起立位置のリーダ5の下部まで延設されている。また、前記投入路33の両側には壁部33Aが設けられている。そして、前記ベルトコンベア32と投入路33により、中詰め材を投入すると投入装置35を構成している。
【0023】
41は、掘削孔の上部に設けるホッパであり、筒部42の上部に拡大筒部43を設けてなる。
【0024】
この例では、図3及び図4などに示すように、前記杭はパイプから構成された二重管51であって、この二重管51は外管52と内管53とからなり、この内管53内により圧縮水路54を形成し、前記外管52内面と内管53外面との間により圧縮空気路55を形成し、前記圧縮水路54の下端に圧縮水用ノズル56を設け、前記圧縮空気路55の下端に圧縮空気用ノズル57を設けている。さらに、前記二重管51の上端には、前記圧縮水路54に連通する水ホースアダプタ58と、前記圧縮空気路55に連通する空気ホースアダプター59とが設けられている。そして、前記水ホースアダプター58に高圧ホース60を介して圧縮水供給装置たる高圧ポンプ61を接続し、この高圧ポンプ61が水槽62に接続され、この水槽62は複数の家庭用水道を接続して水を溜めておく。また、前記空気ホースアダプター59にホース63を介して圧縮空気供給装置たるエアーコンプレッサ64を接続している。尚、二重管51は、長さ方向中央部分を交換することにより長さ調節可能である。そして、二重管51はロッドである。
【0025】
図3及ぶ図4に示すように、前記二重管51の下端には、該二重管51を中心とする筒体71が設けられ、この筒体71は、長さ方向両端が開口し、先端側を二重管51の周囲放射方向で一直線に設けた先端側連結部72,72Aにより二重管51に固定されると共に、基端側を二重管51の周囲放射方向で一直線に設けた基端側連結部73,73Aにより二重管51に固定され、先端側連結部72,72Aと基端側連結部73,73Aとは交差方向をなし、この例では図4に示すように、ほぼ90度の角度をなしている。尚、連結部72,72A,73,73Aは、二重管51より細い棒状の部材である。また、筒体71は掘削孔151の設計寸法より若干大径に形成され、また、その直径より長さは短く形成されている。一方の前記先端側連結部72にビット体74,74Aが間隔をおいて設けられ、他方の前記先端側連結72Aにビット体74B,74Cが間隔をおいて設けられ、それぞれ外側のビット体74,74Cは二重管51から等しい位置にあり、内側のビット体74Aは内側のビット体74Bより二重管51に近い位置にある。したがって、ボーリングロッドである二重管51の回転すると、ビット体74Aとビット体74Bとは同心円上で、異なる直径で掘削を行い、さらに、それらの外側をビット体74,74Cが掘削するから、効率よい掘削が行われる。また、図5などに示すように、各ビット体74,74A,74B,74Cは、その先端がそれぞれ二重管51の回転方向に対して同一方向に向くよう斜めに取付けられている。そして、前記先端側連結部72,72A及びビット体74,74A,74B,74Cによりビット装置75を構成している。また、前記二重管の外管51には、前記筒体71内に位置して複数の空気噴射口76を設け、これら空気噴射口76は、外管51にほぼ直交方向で穿設されており、前記圧縮空気路55に連通する。
【0026】
図7及び図8に示すように、前記圧縮水用ノズル56は、前記内管53に螺合されており、下端(先端)には噴射口81が形成されている。また、前記圧縮水用ノズル56には下方に向って縮小するテーパ状外周面82が形成され、さらに、圧縮水用ノズル56の下端には平面十字型をなすスリット83が形成されている。また、前記外管52の下端内面に雌螺子部52Aを形成し、この雌螺子部52Aに螺合する雄螺子部57Aが、前記圧縮水用ノズル57の上端外面に形成されている。さらに、前記圧縮空気用ノズル57の上端(基端)には、テーパ状内周面84が形成され、前記外管52に圧縮空気用ノズル57を螺合した状態で、前記テーパ状外周面82とテーパ状内周面84との間に、前記圧縮空気路55と連通するテーパ状の案内空気路85が形成され、この案内空気路85により圧縮空気が圧縮空気用ノズル57の中央側に案内される。さらに、前記案内空気路85から前記圧縮空気用ノズル57の下端の噴射口86に至る通路87が、該圧縮空気用ノズル57の内部に形成されている。そして、前記案内空気路85と前記圧縮空気用ノズル57の噴射口86との間の長さは、前記噴射口46の直径Dより長く形成されている。また、前記圧縮空気用ノズル27の下端には平面一側方向のスリット88が形成されている。また、前記圧縮水用ノズル26の噴射口41の直径dは、前記圧縮空気用ノズル27の噴射口46の直径Dより小さく形成されている。また、前記案内空気路85の断面積を、前記圧縮空気路55の断面積以上としている。
【0027】
実験例1
この実験例1は、複数土質互層に本発明を適用した場合を検討する例であり、透明水槽91内に下層から粘土92、細砂93、中砂94、粗砂95、小砂利96を順に敷き詰めて層97を形成する。
【0028】
図9及び図10に示すように、内管101と外管102とからなる二重管103を形成し、内管101の先端から圧縮水、内管101と外管102の間から圧縮空気を噴射可能とする。圧縮空気と圧縮水とを噴射しながら、前記二重管103の先端を前記層97内にほぼ垂直に挿入すると、二重管103の下方にフラスコ状の掘削孔が形成され、二重管103の挿入を停止し、圧縮空気と圧縮水とを噴射を継続すると、フラスコ状掘削孔98内において、土粒子の攪拌が行われ、この攪拌により土粒子成分が分解する。すなわち砂の層であれば、砂本体とそれに含まれていた水溶性微細土粒子に分解する。比重の軽い水溶性微細土粒子は、二重管103の外周に沿う上昇水流と、圧縮空気の上昇に伴うリフトアップ効果により水と共に地上に排土される。この排土状況を地上で確認し、実際には地上に排出される水の濁り具合により確認し、水溶性微細土粒子の排土がほぼ終了したら、圧縮空気の噴射を停止し、圧縮水のみ噴射を継続する。このように圧縮空気の供給を停止すると、フラスコ状掘削孔内での攪拌力が低下し、土粒子は圧縮空気により攪拌されない比重の大きな土粒子から順次掘削孔の底部に体積し、かつ体積した土粒子は、下方に向かって噴射される圧縮水により水締めされ、隙間なく堆積し、圧縮水の噴射を続けながら徐々に二重管103を上方に引き抜くと、順次圧密された土粒子柱が形成された。
【0029】
そして、二重管103を引く抜くと、排土された水溶性微細粒子と、土粒子が圧密された分の体積だけ、掘削孔98の上部が空洞となり、この部分に充填する中詰め材が必要となる。
【0030】
この実験により、複数土質体積地層に高圧噴射水を噴射し、土粒子を分解でき、さらに、分解した土粒子に圧縮水と圧縮空気を供給することにより、攪拌できることが分かった。また、比重の軽い水溶性微細粒子は、空気を含む圧縮水の上昇力により良好に地表に排出される。さらに、圧縮空気の噴射を停止して圧縮水のみの噴射とすると、攪拌力が低下し、圧縮水のみの力では攪拌力の影響を受けない重たい土粒子から順次堆積していく。そして、出来上がった土粒子柱は、下から、小砂利96、粗砂95、中砂94、細砂93、粘土92となった。
【0031】
実験例2
透明水槽91内に、粘土92、細砂93、中砂94、粗砂95、小砂利96を混合して敷き詰め、実験例1と同様に、二重管103を用いて実験を行ったところ、実験例1と同様に、出来上がった土粒子柱は、下から、小砂利96、粗砂95、中砂94、細砂93、粘土92となった。
【0032】
このように土質、土層堆積条件を変えても、出来上がる土粒子柱は、比重の重たいものから圧密堆積することが分かった。
【0033】
さらに、上記実験例1,2に対して圧縮水と圧縮空気の噴射圧を変えた他の実験から、以下のことが分かった。
【0034】
まず、土質条件の異なる実験においても、掘削孔98には下から比重の重たいものが堆積する。また、圧縮水の噴射圧を上げるように調整すれば砂類も排土できる。特に、加重支持土質として不適当な水溶性微細土粒子のみを圧縮水と圧縮空気の噴射圧の調整により任意に排土することができ、現状地盤に含まれる加重支持土質として有効な土粒子を利用し、土粒子を圧密することにより、強固な土粒子柱を作ることができる。
【0035】
実験例3
透明水槽91内に、下層から粘土92、細砂93、中砂94、粗砂95、小砂利96を順に敷き詰める。実験例1と同様にして、所定深さまで二重管103を挿入し、水溶性微細土粒子の排土を確認した後、すなわち水と共に水溶性微細土粒子が排土されなくなったら、圧縮空気の噴射を停止し、圧縮水の噴射のみを継続する。この状態では、比重の重たい土粒子から堆積し、かつ圧縮水の噴射圧により水締めされる。この後、地表の掘削孔98から、小砂利を投入して供給し、この小砂利は二重管103の外周に沿って沈下し、掘削孔98の底部に堆積し、さらに、圧縮水の噴射圧により締め固められ、また、小砂利の供給を続けると共に、二重管103を上下運動させながら序々に引き抜いていく。この場合、二重管103の下端により、堆積した小砂利を叩くようにして点圧締め固めを行い、また、供給する小砂利の堆積分だけ地中の土粒子が上昇水流によって地表に排土され、二重管103の上下運動を繰り返して該二重管103を引き抜き、地表側に形成された前記排土分の体積だけ掘削孔98に小砂利を充填し、加圧支持砂利杭を形成することができた。また、この実験例3と同様にして行った他の実験例で、圧縮空気の噴射を停止した後、あるいは圧縮空気の噴射停止と同時に圧縮水の噴射のみ下げて行った実験では、地中に含まれる水溶性微細土粒子以外に排土される土粒子の量を削減でき、地中に含まれる加重支持土質を加圧支持砂利杭の形成に利用できることが分かった。
【0036】
実験例4
この実験例4は、上述した自走式車両1を用いた現場での実験例である。土質は、GL(地表面)から1m(メートル)までがシルト質粘土でN値が0、その下はGLから3mまでが腐植土でN値が0、その下はGLから6mまでが細砂でN値が15、その下はGLから12mまでが細砂でN値が20である。
【0037】
図6,図11〜図14を参照して説明する。自走式車両1により施工位置まで移動し、起伏シリンダ10を延ばしてリーダ5を前後方向ほぼ垂直に合わせ、さらに、左右スライド駆動機構14により、枢着部13を中心としてリーダ5の下部を左右に回転して左右方向ほぼ垂直に合わせ、この後、スライドシリンダ15によりリーダ5の高さ位置を調節できる。したがって、自走式車両1位置が傾斜となっていても、リーダ5を所定の向きに調整して掘削孔151を掘削できる。また、掘削位置にはホッパ41をセットしておく。そして、まず、ホッパ41を通して、ビット装置75を地表152に接地し、杭固定手段25は固定解除状態で、昇降駆動手段23により杭挟持体22を降下させて二重管51を圧入すると共に、回転駆動手段24により二重管51を回転する。このようにして、ビット装置75による掘削により二重管51を効率よく押し込むことができる。このようにしてビット装置75の回転による掘削で二重管51を所定深さまで地中に圧入したら、今度は、ノズル56,57から圧縮水Wと圧縮空気Aを噴射し、図11に示すように、これら圧縮水Wと圧縮空気Aを主体とした掘削を行う。尚、掘削開始から圧縮水Wと圧縮空気Aを噴射しておいてもよい。図11に示すように、前記圧縮水Wと圧縮空気Aの噴射により、二重管51の下方には底部が広いフラスコ状の掘削孔151が形成され(上記水槽91を用いた実験例により確認)、下端を深さ略7mまで挿入した。この位置で、二重管51のフラスコ状の掘削孔151内においては、圧縮水Wと圧縮空気Aとにより土粒子攪拌作用が発生し、その攪拌作用により既設土粒子構成(土の塊)を分解し、分解された比重の軽い水溶性微細土粒子が、二重管51の外面に沿って、上昇水流と空気のリフトアップ作用により、水と共に地表面152に排土される。また、下端から圧縮空気Aを噴射すると、同時に筒体71内に位置する複数の空気噴射口76からも圧縮空気Aが噴射され、筒体71内においても、圧縮空気Aによる攪拌作用が発生し、筒体71内においても土の分解作用が発生する。また、掘削において、二重管51の下端には、上下に開口した筒体71を設けたから、その筒体71が掘削孔151の内面に当り、該掘削孔151を筒体の外形形状に合わせて形成することができ、さらに、空気噴射孔76からは周囲に向って圧縮空気Aを噴射するが、この横方向の圧縮空気Aが筒体71の内面に当るため、掘削孔151に当ることがなく、横方向の圧縮空気Aの力を土の分解に有効に作用させることができる。このような掘削により、この例では、軽い方から、腐植土、シルト、高濃度茶褐色水、細砂の順に排土された。細砂の排土を目視により確認した後、図12に示すように、圧縮空気Aの供給を停止し、圧縮水Wのみの噴射を継続した。尚、二重管51の押込み作業において、杭挟持体22を最下部まで降下したら、杭挟持体22による挟持を解除し、杭固定手段25により二重管51を挟持固定し、杭挟持体22をリーダ5の最上部まで昇降した後、杭挟持体22により二重管51を挟持し、杭固定手段25による二重管51の挟持を解除して、再び杭挟持手段22を降下することにより二重管51を押込むことができる。さらに、リーダ昇降手段たるスライドシリンダ15により、リーダ15を昇降して二重管51を圧入・引き抜きすることができる。また、ノズル56,57から圧縮水Wと圧縮空気Aを噴射をすれば、これらの噴射により二重管51の下方が掘削されるため、二重管51を回転せずに圧入することができるが、回転駆動手段24により二重管51の回転を掘削孔151の設計深さまで継続するようにしてもよく、ビット装置75の回転駆動により補助的に掘削効率を高めることができ、また、ビット装置75が回転すると、連結部72,72A,73,73Aとビット体74,74A,74B,74Cにより掘削孔151内の水と泡等を攪拌して土の分解作用が得られる。
【0038】
次に、二重管51の引き上げ時における中詰め材の投入作業について説明すると、設計深さ(最深部)まで二重管51を押込んだら、二重管51の回転駆動を停止する。そして、図6に示すように、車体2の収納部31に、中詰め材たる砕石153を収納しておき、投入時には、ベルトコンベア32を駆動により投入口34から掘削孔151の開口部151Aに、砕石153を該砕石153の沈下速度に合わせて供給する。この場合、ベルトコンベア32の駆動速度を調整することにより砕石153の供給量を調整できる。そして、図12及び図13に示すように、掘削孔151内に供給された砕石153は、上昇水流に係わらず、二重管151の外周に沿って沈下し、掘削孔151の底部に堆積し、圧縮水Wにより水締めされる。尚、この場合、高圧水Wの影響を受けない比重の重たい既設地中の土粒子も掘削孔151の底部に堆積する。さらに、砕石153の投入に合わせて、すなわち掘削孔151内の砕石153の上面153Aの高さに合わせるようにして二重管51を上下運動しながら引上げる。この場合、二重管51の上下運動により砕石上面53Aの高さを確認し、昇降手段23を駆動して二重管51及びビット装置75により、砕石上面153Aに、10トン程度の加圧を掛けて点圧締め固めを行うことが好ましい。点圧締め固めを行う際には、二重管51の下端が砕石上面153Aに当たれば、杭挟持体22の下方への加圧力が変わるから、当たった位置を自走式車両1の装置により確認できる。例えば、杭挟持体22を昇降する昇降手段23に二重管51から加わる反力を測定する手段を設けることができる。そして、一例として、砕石153を投入しつつ、二重管51を所定の長さだけ、例えば60cm程度引き上げたら、この位置で下方に向かって、所定のストロークS、例えば1mのストロークSで複数回上下動させ、砕石上面153Aを叩く、あるいは砕石上面153Aからその下方に二重管51とビット装置75の下端を圧入するようにして締め固めを行う。この場合、砕石153中に、二重管51とビット装置75を圧入することにより、この圧入力が周囲の土質の締め固め力(図13に矢印Y´で示す。)として働く。尚、後述する第2実施例により、地下水位の高い箇所における二重管51の圧入においては、圧縮水Wと圧縮空気Aの噴射により、ノズル26,27の下端部周囲に圧縮水Wの噴射により負圧が発生し、この負圧により掘削孔151の内壁部から土粒子の間隙水が吸引され、同時に吸引された土粒子に対して上方から土圧荷重が加わり、掘削孔151の周囲が圧密される。
【0039】
そして、上述した工程を繰り返し、二重管51を序々に引上げ、掘削孔151の開口部151Aから、固結可能な土粒子(この実験の場合は砂である)が排出され始めたら、圧縮水Wの噴射圧又は噴射量を弱め、さらに、二重管51の引上げと上下運度を繰り返して投入した砕石153を叩きながら二重管51を引く抜き、二重管51を所定位置まで引き抜いたら、砕石153の供給を停止し、地中の固結可能な土粒子を締め固める。これにより、掘削孔151の上部を除いて、下部には圧密石柱154、上部には圧密砂柱155が形成される。すなわち、引き抜きの途中で、圧縮水Wの噴射圧または噴射量を弱めることにより、地中の固結可能な土粒子を地表面152に排土することなく利用でき、その固結可能な土粒子である砂は前記供給した砕石153より比重が軽いから、掘削孔151中において砕石上面153Aより上方にあり、その固結可能な土粒子により圧密砂柱155を形成できる。
【0040】
一方、掘削孔151全体を圧密石柱155にするには、圧縮水Wの噴射を弱めることなく、ベルトコンベア32により砕石153を供給し続け、地中に含まれる固結可能な土粒子(この例では砂)を上昇水流と共に地表面152に排土することにより、図15に示すように、掘削孔151のほぼ全てが供給した砕石153からなる圧密石柱154とすることができる。
【0041】
上記の実験例3,4の結果から以下のことが分かった。この工法はほぼ全ての土質、土層の軟弱地盤に施工可能である。また、点圧加重の調整により、必要加重支持力柱の支持力を調整することができる。さらに、支持杭の深さを任意に設定でき、すなわち、支持杭の深さが支持層まで達しない深さである場合は、砕石を供給して支持杭を形成できる。また、現状地層の加重支持土質として不適当な土粒子のみを排土でき、現状地層に含まれる締め固め土質として適当な土粒子を圧密し再利用が可能であるから、供給する砕石を節約できる。さらに、中詰め材は、砕石、砂利、砂の他、コンクリートを粉砕したコンクリート砕等の固結可能な土粒子を用いることができるから、コンクリート砕等を用いれば建設廃材の再利用が可能となる。このように使用する材料が安価であり、特別な装置を用いる必要もないから、施工コストも安価となる。しかも、水と空気を用いるから薬剤等が不要である。さらに、小規模器材での施工も可能であり、特殊機械が不要で、従来から用いられている杭打機、あるいはバックホータイプの掘削機でも施工が可能である。
【0042】
また、二重管51を引き抜く際に該二重管51を上下動し、二重管51により掘削孔151内の砕石153を叩く工法であるから、砕石153を叩くことにより、より一層砕石153が圧密されると共に、砕石153の周囲の土質を締め固めることができる。さらに、微細粒子を排出した後、圧縮水Wの噴射圧を下げる工法であるから、圧縮水Wの噴射圧を下げることにより、地中の固結可能な土粒子を地表面152に排土することがなく、その土粒子を締め固めて掘削孔151中に圧密柱を形成することができ、投入する砕石153などの材料費を削減することができる。また、このように圧縮水Wと圧縮空気Aとを同時に噴射する方法において、圧縮水用ノズル56を圧縮空気用ノズル57の上方に設けているから、圧縮水Wより低圧な圧縮空気Aを良好に噴射することができる。そして、圧縮水用ノズル56から噴射された圧縮水Wは、その噴射口81が圧縮空気用ノズル57より細いため、圧縮空気用ノズル57内の通路87の中央側を通って外部に噴射され、同時に圧縮空気路55から案内空気路45を通って通路87内に圧縮空気Aが流れ込み、この圧縮空気Aはテーパ状の圧縮空気路85により通路87の中央側に案内され、この中央側を流れる圧縮水Aと一部が効率良く混合すると共に、前記圧縮水Wの流れにより周囲の圧縮空気Aが引っ張られるようにして圧縮空気用ノズル57の噴射口86から噴射され、掘削孔151の底部まで効率良く供給される。
【0043】
このように本実施例では、請求項1に対応して、杭たる二重管51の下端に圧縮水Wを噴射する圧縮水用ノズル56と圧縮空気Wを噴射する圧縮空気用ノズル57とを設け、それらノズル56,57から圧縮水Wと圧縮空気Aとを噴射して地中に所定深さまで打ち込んで、掘削孔151を形成し、圧縮水Wと圧縮空気Aとの噴射により地中の微細粒子を二重管51に沿って上昇させると共に、地表面152に排出し、この微細粒子を排出した後、圧縮空気Wの噴射を停止又は噴射圧を下げ、二重管51を引き抜くと共に、この引き抜き時に掘削孔151内に中詰め材たる砕石153を投入する地盤改良装置において、自走式車両1に、リーダ5と、このリーダ5に沿って昇降可能に設けられた杭挟持体22と、中詰め材たる砕石153を収納する収納部31と、この収納部31の砕石153を掘削孔151に投入する投入装置35とを設け前記杭が外管 52 と内管 53 とからなる二重管51であり、内管 53 内により圧縮水路 54 を形成し、外管 52 と内管 53 との間により圧縮空気路 55 を形成し、圧縮水路 54 の下端に圧縮水用ノズル 56 を設け、圧縮空気路 55 の下端に圧縮空気用ノズル 57 を設け、二重管 51の先端側に、該二重管 51を中心として掘削孔151に対応すると共に先端と基端とが開口した筒体71を設け、この筒体 71 の先端側を先端側連結部 72 72 Aにより二重管 51 に固定すると共に、該筒体 71 の基端側を基端側連結部 73 73 Aにより二重管 51 に固定し、先端側連結部 72 72 Aに掘削用のビット体74,74A,74B,74Cを設け、二重管 51を回転する回転駆動手段24を備え、二重管 51 の外管 52 には、筒体 71 内に位置して、筒体71内に空気を噴射する複数の空気噴射口 76 を設け、これら空気噴射口 76 は、圧縮空気路 55 に連通し、空気噴射孔 76 から周囲に向って圧縮空気Aを噴射するから、自走式車両1により施工位置まで移動し、二重管51を杭挟持体22により挟持し、該杭挟持体22をリーダ5に沿って下降して二重管51を圧入し、この圧入時に、下方に向かって噴射した圧縮空気Aと圧縮水Wとにより、下方の掘削孔151において、土粒子(土塊)の攪拌が行われ、圧縮空気Wが泡aとなって上昇する際に土粒子を揺動して分解が行われ、これにより分解した微細粒子たる水溶性微細粒子が上昇水流と泡の上昇に伴うリフトアップ効果によりに地表面52に効率よく排土される。そして、杭挟持体22をリーダ5に沿って上昇することにより、二重管51を引き抜き、この引き抜き時に、自走式車両1の収納部31に収納した砕石153を、ベルトコンベア32より掘削孔151内に投入し、この掘削孔151内に投入した砕石153を圧縮水Wにより水締めして圧密柱を形成することができる。そして、砕石153を投入後は、砕石153が攪拌されない程度なら圧縮空気Aの噴射を継続できるから、圧縮空気Aの噴射圧を下げるようにしても同様に圧密柱を形成することができ、特に、掘削孔151の全てを砕石153による圧密石柱154にする場合に有効である。
【0044】
また、筒体71が掘削孔151の内面に当り、掘削孔151を筒体71の外形形状に合わせて仕上げることができる。尚、掘削孔151内の中詰め材を打撃する場合、該筒体71によりその打撃効率をも向上することができる。
【0045】
また、筒体71内に位置する複数の空気噴射口76から圧縮空気Aが噴射され、筒体71内においても、圧縮空気Aによる攪拌作用が発生する。
【0046】
また、二重管51を回転して先端側のビット体74,74A,74B,74Cにより掘削を行うことにより、掘削効率を向上することができる。
【0047】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、投入装置35は、投入口34側を低くして傾斜した投入路33と、この投入路33に中詰め材たる砕石153を送る送り装置たるベルトコンベア32とを備えるから、投入路33に砕石153を送ってやれば、傾斜した投入路33により、砕石153が投入口34から掘削孔151内に投入され、リーダ5が邪魔にならず直接掘削孔151に、車体2から砕石153を投入できる。
【0048】
また、このように本実施例では、請求項に対応して、リーダ5が起伏可能で且つ長さ方向に移動可能に自走式車両1に設けられているから、リーダ5を使用時には立て、収納時には倒すことにより、自走式車両1の移動が容易となる。また、リーダ5自体を長さ方向に移動することにより、二重管51を圧入・引き抜きできるから、その移動分だけリーダ5の長さを短くできる。
【0049】
そして、自動式車両1は無限軌道3を備えるから、従来の固定式の装置に比べて、現場内を機械移動で自走でき、起動力を大幅にアップできる。また、自走式車両1は中詰め材を収納部31に搭載可能であるから、施工時にバックホーなどの投入装置を必要とせず、狭い場所でも効率よく、中詰め材を投入でき、且つ、リーダ5の下部まで伸びる投入路33により掘削孔151に確実に供給でき、中詰め材における材料の無駄もない。また、リーダ昇降手段たるスライドシリンダ15を備えるから、該スライドシリンダ15によりリーダ5を昇降することによっても杭を圧入・引き抜きできるから、その昇降分だけリーダ5の長さを短くでき、また、リーダ5の収納、すなわち図1の鎖線に示す位置では、スライドシリンダ15によりリーダ5を前後させることにより、収納状態のリーダ5を含めた車体2の長さを押えることができ、自走式車両1の移動が容易になる。さらに、ビット装置75には外周同一位置にビット体74,74Cを設け、これらと異なる位置にビット装置74A,74Bを設けたから、均一な掘削を行うことができる。
【0050】
他の実験例
また、他の現地実験を行い、水位の低い砂質層への打ち込みを行ったが、この場合は、圧縮水Wの噴射圧は、比較的低圧な70kg/cm前後で、大水量がよく、施工の際には、掘削孔151の開口部151Aからでる水及び空気の状態を確認しながら、自走式車両1による二重管51の地中への圧入を行う。この場合、所定深さまで二重管51を回転して圧入し、この後、二重管51を回転せずに、圧縮水Wと圧縮空気Aの噴射だけで圧入を試みたが、圧縮水の噴射圧を上記より高圧にすると、二重管51の圧入が不可能となり、これは、圧縮水の噴射が高いため、二重管51の下方の掘削孔151の深さが極端に深くなり圧縮水が砂層に吸収されるためであると思われる。さらに、他の実験で、水位の高い砂質層への打ち込みを行ったが、この場合は、圧縮水Wの噴射圧は、110kg/cm前後で、大水量がよいことが分かった。いずれも、二重管51の回転によりビット装置75により掘削を行うことにより、圧縮水Wと圧縮空気Aの噴射だけで行う場合より、圧入作業を短時間で行うことができた。
【0051】
図16〜図22は本発明の第2実施例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この実施例は、本願の請求項4を詳細に説明する例であり、まず、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0052】
図16に示すように、前記水槽91における前記二重管103の実験において、あらかじめ水槽91に水を供給しておき、水位Hとする。前記図10と同様に圧縮空気と圧縮水とを噴射しながら、実験を行った。この場合、圧縮空気の噴射量を圧縮水の噴射量より多く設定すると共に、圧縮水の噴射速度を大きく設定した。そして、前記二重管103の先端を前記層97内にほぼ垂直に挿入し、二重管103を除々に押し込んでいくと、それぞれの位置において二重管103の下方に形成されたフラスコ状掘削孔98には、噴射した圧縮空気が溜り、この空気が溜まったフラスコ状掘削孔98に圧縮水を下方に向って比較的高速で噴射することにより、二重杆103の下端部周囲に負圧が発生し、この負圧により掘削孔98内壁面の土粒子成分の間隙水が掘削孔98の内部に吸引され、同時に上方からの土圧荷重により間隙水のなくなった上方の土粒子が下方の土粒子に結合し、図16に示すように、粘土92、細砂93、中砂94、粗砂95、小砂利96の上部にすり鉢状の窪み93A,94A,95A,96Aが形成された。
【0053】
このようにフラスコ状の掘削孔98に、圧縮水Wと圧縮空気Aとを連続噴射すると、フラスコ状掘削孔98内の土粒子を攪拌した空気が、上方に浮上することにより泡が溜まった空気溜まりが発生し、ここに圧縮空気が高速で噴射されることにより二重管103の下端部周辺に201に負圧域が発生し、この負圧により一点鎖線の矢印Yに示すように、掘削孔98内壁部の土粒子の間隙水が吸引される。
【0054】
上記の水槽実験を現場で確認するため、現場での実験を行った。実験を行った現場は、腐植土を含む軟弱地盤であり、地下水位がGL(地表面)から1.2m、GLから2mまでが埋め立て表土、2〜4mまでがN値5以下の腐植土、4〜7mまでがN値20以下のシルト混じり細砂、7〜13mまでがN値20の細砂、13〜14mがN値35の中砂、14m以下がN値50の中砂であった。
【0055】
まず、上記図1〜図6に示した装置を用いて二重管51を地中に圧入し、この実験では、所定深さまで二重管51を回転し、ビット装置75により掘削を行った後、ビット装置75を回転させながら、圧縮空気を噴射することなく、圧縮水Wのみを噴射しながら掘削を行い、深さ14mまで二重管51を打ち込んだ。二重管51が14mまで達したら、二重管51の回転と圧縮水Wの噴射を中止し、二重管51の地表面152周囲を観察したところ、掘削孔151から水と共に排出された腐食土、シルト、細砂などが掘削孔151の地表面152の周囲に堆積していた。この実験では二重管51の地表面152周囲の陥没は僅かであった。
【0056】
実験例5
図17ないし図22を参照して説明する。自走式車両1により、二重管51を地中に圧入し、同時にノズル56,57から圧縮水Wと圧縮空気Aを噴射し、図17に示すように、掘削を行う。この実験例では、圧縮水Wを100〜150kgf/mの圧力で、350l/分(毎分350リッター)で噴射し、圧縮空気Aを7〜8kgf/mの圧力で、圧縮空気用ノズル56から1500〜2000l/分で噴射した。この圧縮水Wと圧縮空気Aの噴射により、二重管51の下方には底部が広いフラスコ状の掘削孔151が形成され(上記水槽91を用いた実験例により確認)、二重管51下方のフラスコ状の掘削孔151内においては、圧縮水Wと圧縮空気Aとにより土粒子攪拌作用が発生し、その攪拌作用により既設土粒子構成(土の塊)を分解し、分解された比重の軽い水溶性微細土粒子が、二重管51の外面に沿って、上昇水流と空気のリフトアップ作用により、水と共に地表面152に排土される。同時に、図17に示すように、空気噴射口76から筒体71内に噴射した圧縮空気Aにより、前記分解作用とリフトアップ作用が得られる。また、掘削孔51下方のフラスコ状の掘削孔151に圧縮水Wと圧縮空気Aとを同時に連続噴射するため、フラスコ状の掘削孔151において、掘削孔151の底部まで達した空気は上述したように土粒子を攪拌し、上方に浮上してノズル56,57の下端部周囲に負圧域161が発生し、この負圧により負圧域161に近接する掘削孔151の内壁部151Nの土粒子から、矢印Yに示すように間隙水が吸引され、同時に上方からの土圧荷重により該内壁部151Nが圧密され、二重管51が打ち込まれるに連れてノズル56,57の下端部周囲に対応した内壁部151Nが圧密される。そして、二重管51を打ち込むに連れて掘削孔151の内壁部151Nが圧密され、図17で、仮想圧密境界線Kの上方では、細かいハッチングに示すように、内壁面151Nの土粒子の圧密がなされ、仮想圧密境界線Kの下方の粗いハッチングは圧密前の状態を示す。また、矢印Yに示すようにフラスコ状の掘削孔151の上部で間隙水の吸引が行われても、仮想圧密境界線Kの上部の掘削孔151に内面には筒部71があるため、この部分から掘削孔151の内壁部151Nが崩れることを防止できる。そして、内壁部151Nから掘削孔151の内部に吸引された間隙水は、噴射推力の減衰した圧縮水Wと共に、二重管51の周囲を伝わって地表面152に排出され、この排出された水には、腐植土、シルト、高濃度茶褐色水、細砂等が含まれる。そして、二重管51を所定深さである14mまで打ち込んだら、圧縮空気Aの供給を停止し、圧縮水Wのみの噴射を継続するが、この圧縮水Wの圧力を掘削孔151が崩壊しない程度に下げる。このようにして二重管51の圧入が完了すると、図18に示すように、地表面152には二重管51の周囲直径略2mに渡りすり鉢状に陥没部162が形成され、その周囲略直径4mに渡り腐食土、シルト等の排出堆積物163が堆積されたのが確認された。
【0057】
二重管51を最深部まで圧入した後、上述したように圧縮空気Aの噴射を停止すると共に、圧縮水Wの圧力を下げることにより、二重管51の下方におけるフラスコ状の掘削孔151内における土粒子攪拌作用が低下し、圧縮水Wの影響を受けない比重の重たい既設地中の固結可能な土粒子が掘削孔151の底部に堆積する。そして、第1実施例と同様に、この堆積した既設地中の堆積土粒子163を二重管51とビット装置75により叩き、あるいは堆積土粒子163内に二重管51とビット装置75を圧入して締め固めを行い、固結可能な堆積土粒子163により下部圧密柱164を形成する。このようにして締め固めることにより、下部圧密柱164の周囲の内壁部151Nが、一層圧密される。尚、実験で、前記下部圧密柱164に他の杭(図示せず)を打ち込んで、締め固め有効土質の圧密を確認した。そして、前記排出堆積物163の分と堆積土粒子163を締め固めた分だけ、掘削孔151の上部は空洞となる。そこで、地表面152から掘削孔151の開口部151Aに、投入装置35により、砕石153を該砕石153の沈下速度に合わせて供給し、供給された砕石53は、上昇水流に係わらず、二重管51の外周に沿って沈下し、前記下部圧密柱164の上に堆積し、圧縮水Wにより水締めされる。さらに、砕石153の投入に合わせて、すなわち掘削孔151内の砕石153の上面153Aの高さに合わせるようにして二重管51を上下運動しながら引上げる。この場合、二重管51の上下運動により砕石上面153Aの高さを確認し、砕石上面153Aに二重管51により自走式車両1により10トン程度の加圧を掛けて点圧締め固めを行うことが好ましい。点圧締め固めを行う際には、二重筒51の下端が砕石上面153Aに当たれば、自走式車両1の下方への加圧力が変わるから、当たった位置を装置により確認できる。一例として、砕石53を投入しつつ、鋼矢板11を所定の長さだけ、例えば60cm程度引き上げたら、この位置で下方に向かって、所定のストロークS、例えば1mのストロークSで複数回上下動させ、砕石上面153Aを叩く、あるいは砕石上面153Aからその下方に二重管51とビット装置75の下端を圧入するようにして締め固めを行う。この場合、掘削孔151の内壁部151Nは上述したように圧密されており、さらに、砕石153中に二重管51とビット装置75を圧入することにより、この圧入力が周囲の土質の締め固め力(図13に矢印Y´で示す。)として働く。
【0058】
このようにして、二重管51の引上げと上下運度を繰り返して投入した砕石153を叩きながら二重管51を引き抜き、図21に示すように、地表面152まで投入した砕石153による上部圧密柱165を形成する。
【0059】
一方、第1実施例と同様に圧縮水Wの圧力を下げることなく、上述した工程を行えば、図22に示すように、下部に砕石153による圧密柱165、この上部に固結可能な土粒子成分による圧密柱164を形成することができる。尚、上下の圧密柱は堆積土粒子163と砕石153とが完全に分離するわけではなく、一部が混合状態となる。
【0060】
さらに、掘削孔151全体を砕石153による圧密柱165にするには、圧縮水Wの噴射を弱めることなく噴射を続けながら、開口部151Aから砕石153を供給し続け、供給した砕石153の堆積分の土粒子を上昇水流により排土しながら、上述した二重管51の下端による点圧締め固めを繰り返し、除々に二重管51を引抜き、最終的に地表面152まで砕石153を点圧充填することにより、全砕石柱による圧密柱164を得ることができる。
【0061】
上記のことから以下のことが分かった。この工法では、薬品、固結材を使用せず、水と空気を利用するため、施工後、汚染やそれらの消費をすることなく、地盤改良を行うことができる。また、圧縮水供給装置たる高圧ポンプ61や圧縮空気供給装置たるエアーコンプレッサ64の能力や、これらによる圧力及び流量を調節することにより、掘削孔直径の選定と深さとを任意に設定し、地盤改良を行うことができ、一般に、圧縮空気Aを圧力と流量を大きくすれば、掘削孔の直径を大きくすることができる。また、施工工程が単純であるから、施工スピードが速い。さらに、現状地層の締め固め土質として有効な土粒子を圧密して再利用するため、搬入土などの充填材料を節約できる。さらに、排土が少なく済む。また、施工も全ての土質、土層の軟弱地盤に施工できる。さらに、充填材料は、砕石、砂利、砂のほかにも、コンクリートを砕いたコンクリート砕も使用でき、建築廃材の廃材利用が可能となり、材料費の安価となる。
【0062】
そして、この例では、杭たる二重管51の打ち込み中に、圧縮水Wと圧縮空気Aとの噴射により二重管51の回りの掘削孔151の内壁部151Nから間隙水を負圧吸引する工法であるから、圧縮空気Aの噴射により二重管51の下方には空気が溜まっており、ここに向って圧縮水Aを噴射すると、圧縮水Wの噴射位置下方に負圧が発生し、この負圧により掘削孔151の内壁面151Nを構成する土粒子の間隙水が吸引され、同時に上方からの土圧荷重により掘削孔151の内壁部151Nを圧密化することができ、この内壁部151Nを圧密した内部に圧密柱を形成することにより、効率よく地盤改良を行うことができる。また、圧縮水Wを100〜150kgf/mの比較的高圧で噴射し、かつ圧縮空気Aを圧縮水Wの略4〜6倍の噴射量で噴射することにより、圧縮水用ノズル56の下方に空気溜まり雰囲気を形成し、この空気溜まり雰囲気に高圧な圧縮水Wを噴射することにより、内壁部から間隙水を吸引する負圧が効果的に得られる。
【0063】
図23ないし図27は、本発明の第3実施例を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。
【0064】
この例では、含水量の多い砂質軟弱地盤に本発明を適用した例であり、前記砂質軟弱地盤は、砂を主とした地盤である。リーダ5を備えた自走式車両1により、二重筒51を回転しながら所定深さまで地中に圧入し、所定深さに達した後、ノズル56,57から圧縮水Wと圧縮空気Aを噴射し、図23に示すように、掘削を行う。この実験例では、圧縮水Wを100〜150kgf/mの圧力で、350l/分(毎分350リッター)で噴射し、圧縮空気Aを7〜8kgf/mの圧力で、1500〜2000l/分で噴射した。この圧縮水Wと圧縮空気Aの噴射により、二重管51の下方には底部が広いフラスコ状の掘削孔151が形成され(上記水槽91を用いた実験例により確認)、二重管51の下方のフラスコ状の掘削孔151内においては、圧縮水Wと圧縮空気Aとにより土粒子攪拌作用が発生し、その攪拌作用により砂を主とした既設土粒子構成(土の塊)を分解し、分解された比重の軽い水溶性微細土粒子が、二重管51の外面に沿って、上昇水流と空気のリフトアップ作用により、水と共に地表面152に排土される。尚、先端から圧縮空気Aを噴射すると同時に、図23に示すように、空気噴射口76から筒体71内に圧縮空気が噴射される。尚、この例の砂質軟弱地盤では、水溶性微細土粒子は少なく、排土される量は僅かである。また、二重管51の下方のフラスコ状の掘削孔151に圧縮水Wと圧縮空気Aとを同時に連続噴射するため、フラスコ状の掘削孔151において、掘削孔151の底部まで達した空気は上述したように土粒子を攪拌し、上方に浮上してノズル56,57の下端部周囲に負圧域161が発生し、この負圧により負圧域161に近接する掘削孔151の内壁部51Nの土粒子から、矢印Yに示すように間隙水が吸引され、同時に上方からの土圧荷重により該内壁部151Nが圧密され、二重管51が打ち込まれるに連れてノズル56,57の下端部周囲に対応した内壁部151Nが圧密される。そして、二重管51を打ち込むに連れて掘削孔151の内壁部151Nが圧密され、含水率の多い砂質軟弱地盤を締め固めることができる。また、内壁部151Nから掘削孔151の内部に吸引された間隙水は、噴射推力の減衰した圧縮水Wと共に、二重管51の周囲を伝わって地表面52に排出される。そして、二重管51を所定深さまで打ち込んだら、圧縮空気Aの供給を停止し、圧縮水Wのみの噴射を継続するが、この圧縮水Wの圧力を掘削孔151が崩壊しない程度に下げる。この場合、二重管51は、砂質層の設計支持力が満たされる程度の深さまで打ち込む。このようにして二重管51の圧入が完了すると、図23に示すように、地表面152には二重管51の周囲に渡りすり鉢状に陥没部162が形成される。
【0065】
二重管51を最深部まで圧入した後、上述したように圧縮空気Aの噴射を停止すると共に、圧縮水Wの圧力を下げることにより、二重管51の下方におけるフラスコ状の掘削孔151内における土粒子攪拌作用が低下し、圧縮水Wの影響を受けない比重の重たい既設地中の固結可能な土粒子が掘削孔151の底部に堆積する。そして、第1実施例と同様に、この堆積した既設地中の堆積土粒子163を二重管51とビット装置75により叩き、あるいは堆積土粒子163内に二重管51とビット装置75を圧入して締め固めを行い、固結可能な堆積土粒子163により下部圧密柱164を形成する。そして、この例では堆積土粒子163は砂が主となる。このようにして締め固めることにより、下部圧密柱164の周囲の内壁部151Nが、一層圧密される。そして、この例では、固結できない水溶性微細粒子は少ないから、図25に示すように、吸引された間隙水と圧密された分だけ掘削孔151の上部が空洞となる。また、図25に示すように、砂質軟弱地盤の地表面152に複数の掘削孔151を形成し、例えば図27の平面図に示すように前後左右等間隔に掘削孔151を形成し、図26に示すように、前記掘削孔151の上部に中詰め材として砂や土などの表土材166を充填すると共に、地表面152を砂や土などの表土材166により覆う。
【0066】
このように本実施例では、前後左右等間隔に掘削孔151を形成して地盤改良を行っており、その掘削孔151を自走式車両1に搭載した装置により行い、自走式車両1は走行手段を有するから、固定式の杭圧入装置などに比べて機動力に優れ、複数の掘削孔151を効率よく施工することができる。
【0067】
そして、このように二重管51の打ち込み中に、圧縮水Wと圧縮空気Aとの噴射により二重管51の回りの掘削孔151の内壁部151Nから間隙水を負圧吸引する工法であるから、圧縮空気Aの噴射により二重管51の下方には空気が溜まっており、ここに向って圧縮水Aを噴射すると、圧縮水Wの噴射位置下方に負圧が発生し、この負圧により掘削孔151の内壁面151Nを構成する土粒子の間隙水が吸引され、同時に上方からの土圧荷重により掘削孔51の内壁部51Nを圧密化することができ、この内壁部51Nを圧密した内部に圧密柱を形成することにより、効率よく地盤改良を行うことができる。また、特にこの例では、含水量の多い砂質軟弱路盤で、間隙水を吸引することにより、砂質層の土粒子含水率を低下させ、地震などの液状化防止に有効となる。また、砂質層を主とした砂質軟弱地盤の施工を行うことにより、中詰め材である表土材166の使用量が少なく済む。また、掘削孔151を多数形成することにより、一層安定した地盤改良が可能となる。
【0068】
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、走行手段は無限軌道に限らず車輪などでもよい。また、昇降手段も杭挟持体をリーダに沿って移動するものであれば各種のものを用いることができる。さらに、送り手段は、ベルトコンベアに限らず、スクリューコンベヤやプッシャなどもよい。また、中詰め材は砕石に限らず、砂利や砂でも良く、要は加重支持材料であれば良い。また、各実施例において、図27に示したように、掘削孔を複数形成すれば、一層安定した地盤改良が可能となる。
【0069】
【発明の効果】
請求項1の地盤改良装置は、杭の下端に圧縮水を噴射する圧縮水用ノズルと圧縮空気を噴射する圧縮空気用ノズルとを設け、それらノズルから圧縮水と圧縮空気とを噴射して地中に所定深さまで打ち込んで掘削孔を形成し、前記圧縮水と圧縮空気との噴射により地中の微細粒子を前記杭に沿って上昇させると共に、地表に排出し、この微細粒子を排出した後、前記圧縮空気の噴射を停止又は噴射圧を下げ、前記杭を引き抜くと共に、この引き抜き時に掘削孔内に中詰め材を投入する地盤改良装置において、自走式車両に、リーダと、このリーダに沿って昇降可能に設けられた杭挟持体と、前記中詰め材を収納する収納部と、この収納部の中詰め材を前記掘削孔に投入する投入装置とを設け前記杭が外管と内管とからなる二重管であり、前記内管内により圧縮水路を形成し、前記外管と内管との間により圧縮空気路を形成し、前記圧縮水路の下端に前記圧縮水用ノズルを設け、前記圧縮空気路の下端に前記圧縮空気用ノズルを設け、前記二重管の先端側に、該二重管を中心として前記掘削孔に対応すると共に先端と基端とが開口した筒体を設け、この筒体の先端側を先端側連結部により前記二重管に固定すると共に、該筒体の基端側を基端側連結部により前記二重管に固定し、前記先端側連結部に掘削用のビット体を設け、前記二重管を回転する回転駆動手段を備え、前記二重管の外管には、前記筒体内に位置して、前記筒体内に空気を噴射する複数の空気噴射口を設け、これら空気噴射口は、前記圧縮空気路に連通し、前記空気噴射孔から周囲に向って圧縮空気を噴射するものであり、硬化材が不要で、加重支持土質に不向きな水溶性微細土粒子等を良好に排出することができ、中詰め材を効率良く締め固めることができる地盤改良装置を提供することができる。
【0070】
また、請求項2の地盤改良装置は、前記投入装置は、投入口側を低くして傾斜した投入路と、この投入路に前記中詰め材を送る送り装置とを備えるものであり、硬化材が不要で、加重支持土質に不向きな水溶性微細土粒子等を良好に排出することができ、中詰め材を効率良く締め固めることができる地盤改良装置を提供することができる。
【0071】
また、請求項の地盤改良装置は、前記リーダが起伏可能で且つ長さ方向に移動可能に前記自走式車両に設けられているものであり、硬化材が不要で、加重支持土質に不向きな水溶性微細土粒子等を良好に排出することができ、中詰め材を効率良く締め固めることができる地盤改良装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す一部を切り欠いた装置の側面図である。
【図2】 本発明の第1実施例を示す装置の正面図である。
【図3】 本発明の第1実施例を示すビット装置を設けた杭の先端の断面図である。
【図4】 本発明の第1実施例を示す図3のA−A線断面図である。
【図5】 本発明の第1実施例を示す図3のB−B線断面図である。
【図6】 本発明の第1実施例を示す装置の使用状態の断面図である。
【図7】 本発明の第1実施例を示す両ノズルの断面図である。
【図8】 本発明の第1実施例を示す両ノズルの分解斜視図である。
【図9】 本発明の第1実施例を説明する水槽における実験例の断面図であり、二重管の挿入前の状態を示す。
【図10】 本発明の第1実施例を説明する水槽における実験例の断面図であり、二重管の挿入後の状態を示す。
【図11】 本発明の第1実施例を示す杭を圧入中の断面図である。
【図12】 本発明の第1実施例を示し、圧縮空気の噴射を停止し、中詰め材を叩く工程を説明する断面図である。
【図13】 本発明の第1実施例を示し、杭の引き抜き工程を説明する断面図である。
【図14】 本発明の第1実施例を示す圧密石柱と圧密砂柱の断面図である。
【図15】 本発明の第1実施例を示す圧密石柱の断面図である。
【図16】 本発明の第2実施例を示す水槽における実験例の断面図であり、二重管の挿入後の状態を示す。
【図17】 本発明の第2実施例を示す杭を圧入中の断面図である。
【図18】 本発明の第2実施例を示す最深部まで杭を圧入し、圧縮空気の噴射を停止すると共に、圧縮水の噴射圧を下げた状態の断面図である。
【図19】 本発明の第2実施例を示す杭を引き上げながら固結可能な堆積土粒子を叩く工程を説明する断面図である。
【図20】 本発明の第2実施例を示す杭を引き上げながら投入した中詰め材を叩く工程を説明する断面図である。
【図21】 本発明の第2実施例を示す施工後の圧密柱の断面図であり、下部が堆積土粒子の圧密柱、上部が中詰め材の圧密柱である。
【図22】 本発明の第2実施例を示す他の施工後の圧密柱の断面図であり、下部が中詰め材の圧密柱、上部が堆積土粒子の圧密柱である。
【図23】 本発明の第3実施例を示す最深部まで杭を圧入し、圧縮空気の噴射を停止すると共に、圧縮水の噴射圧を下げた状態の断面図である。
【図24】 本発明の第3実施例を示す杭を引き上げながら固結可能な堆積土粒子を叩く工程を説明する断面図である。
【図25】 本発明の第3実施例を示す施工後の圧密柱の断面図である。
【図26】 本発明の第3実施例を示す表土材により元の地表面を覆った状態の断面図である。
【図27】 本発明の第3実施例を示す地表面の平面図である。
【符号の説明】
1 自走式車両
3 無限軌道(走行手段)
24 回転駆動手段
31 収納部
33 投入路
34 投入口
35 投入装置
51 二重管(杭・ロッド)
52 外管
53 内管
54 圧縮水路
55 圧縮空気路
56 圧縮水用ノズル
57 圧縮空気用ノズル
71 筒体
72 72 A 先端側連結部
73 73 A 基端側連結部
74,74A,74B,74C ビット体
76 空気噴射口
151 掘削孔
151N 内壁部
152 地表面
153 砕石(中詰め材)
166 表土材(中詰め材)
W 圧縮水
A 圧縮空気

Claims (3)

  1. 杭の下端に圧縮水を噴射する圧縮水用ノズルと圧縮空気を噴射する圧縮空気用ノズルとを設け、それらノズルから圧縮水と圧縮空気とを噴射して地中に所定深さまで打ち込んで掘削孔を形成し、前記圧縮水と圧縮空気との噴射により地中の微細粒子を前記杭に沿って上昇させると共に、地表に排出し、この微細粒子を排出した後、前記圧縮空気の噴射を停止又は噴射圧を下げ、前記杭を引き抜くと共に、この引き抜き時に掘削孔内に中詰め材を投入する地盤改良装置において、自走式車両に、リーダと、このリーダに沿って昇降可能に設けられた杭挟持体と、前記中詰め材を収納する収納部と、この収納部の中詰め材を前記掘削孔に投入する投入装置とを設け前記杭が外管と内管とからなる二重管であり、前記内管内により圧縮水路を形成し、前記外管と内管との間により圧縮空気路を形成し、前記圧縮水路の下端に前記圧縮水用ノズルを設け、前記圧縮空気路の下端に前記圧縮空気用ノズルを設け、前記二重管の先端側に、該二重管を中心として前記掘削孔に対応すると共に先端と基端とが開口した筒体を設け、この筒体の先端側を先端側連結部により前記二重管に固定すると共に、該筒体の基端側を基端側連結部により前記二重管に固定し、前記先端側連結部に掘削用のビット体を設け、前記二重管を回転する回転駆動手段を備え、前記二重管の外管には、前記筒体内に位置して、前記筒体内に空気を噴射する複数の空気噴射口を設け、これら空気噴射口は、前記圧縮空気路に連通し、前記空気噴射孔から周囲に向って圧縮空気を噴射することを特徴とする地盤改良装置。
  2. 前記投入装置は、投入口側を低くして傾斜した投入路と、この投入路に前記中詰め材を送る送り装置とを備えることを特徴とする請求項1記載の地盤改良装置。
  3. 前記リーダが起伏可能で且つ長さ方向に移動可能に前記自走式車両に設けられていることを特徴とする請求項1記載の地盤改良装置。
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