JP2863487B2 - 杭引き抜き方法および装置 - Google Patents

杭引き抜き方法および装置

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JP2863487B2 JP9914096A JP9914096A JP2863487B2 JP 2863487 B2 JP2863487 B2 JP 2863487B2 JP 9914096 A JP9914096 A JP 9914096A JP 9914096 A JP9914096 A JP 9914096A JP 2863487 B2 JP2863487 B2 JP 2863487B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既設の基礎杭(既
設杭)の引き抜き方法および装置に係り、特に超低振
動,超低騒音で既設杭を引き抜くために有効な杭引き抜
き方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、杭引き抜き工法として、ジャッ
キ、バイブロハンマー、大型クレーン等を用いることに
より、杭の引き抜き、撤去が行われていた。この場合、
根入れの深いものなどは引き抜きが困難であるため、杭
の周りを掘削して地山を撤去し、抵抗を少なくして引き
抜いていた。しかしながら、鋼板矢板のようにジャンク
ションで連続していたり、掘削のためのスペースが確保
できない場合があり、しかも、引き抜きのための抵抗、
つまり、摩擦力が十分にカットできない場合がある等と
いった不都合が生じていた。
【0003】かかる不都合を解消すべく提案された工法
として、例えば特開平6−240670号公報に記載の
技術が知られている。図11〜13はこのような従来の
杭引き抜き装置の構成を示したもので、図11は杭引き
抜き装置と地中に打ち込んだ鋼管矢板44との関係を示
した斜視図、図12は杭引き抜き装置を構成する杭31
の平面図、図13は鋼管矢板44と断面コ字型の杭1A
あるいは断面C字型の杭1Bとの関係を示した拡大平面
図である。
【0004】各図中31は杭、32はウォータジェット
管、33は排土管、34は管支持板、35はシール部
材、36はボルト、40はバイブロハンマー、41はポ
ンプ、42は地中、43は既設杭、44は鋼管矢板、4
5はジャンクションである。
【0005】かかる従来技術では、片面が開放し,内側
にウォータジェット管32と排土管33とを設けた断面
C字型1Bまたはコ字型1Aの杭31を用い、その杭3
1の開放側を引き抜くべき既設杭43に向け、かつ既設
杭43に近接させてバイブロハンマー40でチャッキン
グしながら打ち込み、このバイブロハンマー40による
振動と細いウォータジェット管32からのジェット水に
より土砂を崩し、排土管33から揚土して前記断面C字
型またはコ字型の杭と既設杭43とで囲まれた区域を掘
削し、ついで大型のクレーンで既設杭43を引き抜き,
撤去するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
には、次のような問題がある。 (1)細いウォータジェット管32から高圧水を噴出さ
せ、そのジェット水Wにより既設杭43の周囲の土砂を
崩し、揚土しているが、例えば、図13のような構成で
は、ジェット水を噴出するためのウォータジェット管3
2の数が少ない(1Aで1本、1Bで2本)ため掘削が
十分ではなく、また、揚土した後の地山が崩壊する等に
より、周辺の地山からの圧力が作用して既設杭43と地
山42との周面摩擦力のカットが十分に行われず、既設
杭43が引っ張り力に負けて、途中で切断することがあ
る。 (2)上記(1)と同様に既設杭43の強力な引っ張り
力を要するため、吊りワイヤ等の切断といった事故が起
き、作業に危険が伴う。 (3)ジェット水で既設杭の周辺土砂を崩した後、その
土砂を排土管によって揚土するようにしているため、既
設杭と掘削用の杭との間が、既設杭周辺の地山に対して
負圧となり、この負圧になった区域に地山からの外圧が
作用するため、既設杭を引き抜いた後、杭穴が自立せず
に崩壊する。 (4)杭抜き後に杭穴が崩壊すると、周辺地盤に地盤沈
下現象が生じる。 (6)ジェット水によって既設杭の周辺土砂を崩すとき
に排出される泥水を処理する設備および産業廃棄物処理
等が必要であり、そのためのスペースも要する。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、引き抜くべき杭と地山と
の周面摩擦力をウォータジェットによりカットし、しか
もウォータジェットによる泥水を除去することなく杭を
引き抜き、節のある杭や拡底杭など種々の杭の引き抜き
に適用でき、引き抜くべき杭の周辺を大規模に掘削する
必要がなく、杭引き抜き後の杭穴の崩壊を高濃度の泥水
で防ぐことができ、ウォータジェットにより杭とその周
辺の地山との周面摩擦力をカットするときに排出される
泥水を処理する設備や産業廃棄物処理等を省略すること
もできる杭引き抜き方法および装置を提供することにあ
る。
【0008】また、本発明の他の目的は、杭を引き抜い
た後の杭穴を、その内部の高濃度の泥水を利用して埋め
戻しし得る杭引き抜き方法を提供することにある。
【0009】そして、本発明の他の目的は、節のある杭
や拡底杭、施工不良により中間部に瘤がある杭などにも
有効に適用できる杭引き抜き装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明方法では治具4と、この治具4の下端部に固
定され断面が引き抜こうとする杭の形状に合わせて形成
されかつ前記杭の外形より大であって杭(1)の外周の
ほぼ半部を囲む断面クレセント型のケーシング6と、こ
のケーシング6の外周に所定の間隔をおいて取り付けら
れた2本以上の高圧水ノズル7と、前記治具4の内部
に、この治具4の上端部から前記ケーシング6の近傍に
わたって取り付けられ、かつ前記高圧水ノズル7の上端
部に接続される高圧水パイプ9とを有してなるウォータ
ジェット装置5を備え、引き抜くべき杭(1)の頭部周
辺を、この杭(1)とその周辺部にセットされる前記ウ
ォータジェット装置(5)とを合わせた平面よりも大径
の鋼製ケーシング(16)であらかじめ囲み、かつウォ
ータジェット装置5の治具4の上端部にはバイブロハン
マー19を固定し、前記ウォータジェット装置5の各高
圧水ノズル7からウォータジェット13を噴射させ、か
つウォータジェット装置5を杭1の長さ方向に沿って前
記バイブロハンマー19により圧入し、杭1と地山Gと
の周面摩擦力をカットした後、前記ウォータジェット装
置5を引き上げ、ついで杭1を引き抜くこととした。
【0011】また、本発明方法は前記杭1を引き抜いた
後、その杭穴2に充填用パイプ24を挿入し、エアブロ
ーしながら泥土の固化材26を充填することとした。
【0012】あるいは、本発明装置は治具4と、この治
具4の下端部に固定され断面が引き抜こうとする杭1の
形状に合わせて形成されかつ前記杭1の外形より大であ
って杭(1)の外周のほぼ半部を囲む断面クレセント型
のケーシング6と、このケーシング6の外周に所定の間
隔をおいて取り付けられた2本以上の高圧水ノズル7
と、前記治具4の内部に、この治具4の上端部から前記
ケーシング6の近傍にわたって取り付けられ、かつ前記
高圧水ノズル7の上端部に接続される高圧水パイプ9と
を有してなる、ウォータジェット装置5と、前記引き抜
くべき杭(1)の頭部周辺に設けられ、杭(1)とその
周辺部にセットされる前記ウォータジェット装置(5)
とを合わせた平面より大径の鋼製ケーシング(16)
と、前記治具4の上端部に取り付けられ治具4に対し所
定の振動を与えるバイブロハンマー19と、前記ウォー
タジェット装置5の高圧水パイプ9の上端部より高圧水
を供給し前記高圧水ノズル7よりウォータジェット13
を噴出させる高圧水供給源12とを備えることとした。
【0013】また、本発明装置は前記ウォータジェット
装置5のケーシング6の下端部の回りに、エッジ状に形
成された超硬チップあるいは硬化肉盛り14を設けるこ
ととした。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ説明する。
【0015】図1〜図4は、本発明にかかる杭引き抜き
装置の基本構成を示したもので、図1は正面図、図2は
側面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は図2のB
部分の拡大図である。また、図5,図6および図7は引
き抜くべき杭の引き抜き工程の説明図、図8は杭を引き
抜いた後の後処理工程の説明図である。
【0016】これらの図に示す杭引き抜き装置3は、ウ
ォータジェット装置5と、バイブロハンマー19と、高
圧水供給源12とを備えて構成されている。
【0017】治具4は、その断面が開口部が開いたコ字
状をなし、鋼矢板または形鋼等により、引き抜くべき杭
1の長さより長く、しかも杭1の幅より狭く形成されて
いる。
【0018】前記ウォータジェット装置5は、前記治具
4の下部に設けられたケーシング6と、治具4内に設け
られた高圧水パイプ9と接続され、ケーシング6外周に
設けられた高圧水ノズル7とを有して構成されている。
前記ケーシング6は、鋼板により、図1,図2および図
3から分かるように、杭1の外周のほぼ半部を囲む断面
クレセント型に形成されており、前記治具4の下端部の
内側(正面側)に固定されている。前記高圧水ノズル7
は、図2,図3および図4から分かるように、前記ケー
シング6の外側(背面側)に所定の間隔をおいて、例え
ば7本等、複数本取り付けられている。各高圧水ノズル
7は、その上方に設けられたノズル分岐部8から分岐さ
れている。また、各高圧ノズル7の下端部7′は図2お
よび図4に示すように、ケーシング6の下端部よりも僅
かに上の位置、つまりケーシング6の下端部との間に間
隔hをおいた位置にとどめられている。
【0019】そして、前記高圧ノズル7は、例えば、下
方に垂直なものと、斜め内側を向いているものとが交互
に取り付けられている。
【0020】前記治具4の内部には、図2に示すよう
に、高圧水パイプ9が取り付けられている。この高圧水
パイプ9は、治具4の上端部に設けられた接続口10か
ら、前記ケーシング6の近傍であるノズル分岐部8にわ
たって設けられている。そして、前記高圧水パイプ9の
下端部には高圧水ノズル7のノズル分岐部8が接続され
ている。
【0021】前記高圧水供給源12は、地上に設置され
ている。この高圧水供給源12には、高圧水ホース11
および前記接続口10を通じて、高圧水パイプ9が接続
されている。
【0022】この例では、前記杭引き抜き装置3の他
に、鋼製ケーシング16と、杭引き抜き,固化材充填に
使用されるクレーン(図示せず)と、固化材充填装置と
を備えている。
【0023】前記鋼製ケーシング16は、引き抜くべき
杭1の頭部周辺と、ウォータジェット装置5とを合わせ
た平面よりも大径に形成されている。
【0024】前記クレーンには、チェーンブロック17
と、フック18とが吊り下げ支持されている。そして、
杭引き抜き時には前記フック18に、杭頭把持用のチャ
ック20を有するバイブロハンマー19が取り付けられ
ている。このバイブロハンマー19は、油圧ホース22
を通じて油圧ユニット21に接続されている。
【0025】前記固化材充填装置は、クレーンの前記フ
ック18に吊り下げ支持される固化材注入パイプ24を
備えている。この固化材注入パイプ24は、固化材,エ
ア注入ホース25を通じて、固化材およびエアの供給源
(図示せず)に接続されている。
【0026】次に、前記装置および設備を用いて杭1を
引き抜き、杭穴2に固化材26を充填する作業について
説明する。
【0027】杭1を引き抜く場合には、まず引き抜くべ
き杭1の頭部周辺の地山Gを、杭1の外形よりも大き
い、つまり、杭1とその周辺部にセットされるウォータ
ジェット装置5とを合わせた平面よりも大径の鋼製ケー
シング16を、バイブロハンマーまたは油圧式圧入機等
により打設し、引き抜くべき杭1の周辺の地山Gの崩壊
をあらかじめ防止しておく。
【0028】また、クレーンに吊り下げ支持されたチェ
ーンブロック17に設けられたフック18に、図5に示
すごとく、杭頭把持用のチャック20を有するバイブロ
ハンマー19を装着する。さらに、前記バイブロハンマ
ー19を油圧ユニット21に油圧ホース22を通じて接
続する。
【0029】そして、図5に示すように、前記クレーン
のフック18に装着されたバイブロハンマー19のチャ
ック20により杭引き抜き装置3の治具4の上端部を把
持し、杭引き抜き装置3を垂直に吊り上げ、杭引き抜き
装置3のウォータジェット装置5を前記鋼製ケーシング
16内に挿入し、引き抜くべき杭1の頭部を囲む位置に
セットする。また、杭引き抜き装置3の治具4内に取り
付けられた高圧水パイプ9を接続口10および高圧水ホ
ース11を通じて高圧水供給源12に接続する。
【0030】この状態で、高圧水供給源12→高圧水ホ
ース11→これの接続口10→高圧水パイプ9→ノズル
分岐部8を通じて複数本の高圧水ノズル7に高圧水を供
給し、図5に示すように、各高圧水ノズル7から下向き
にウォータジェット13を噴射させる。
【0031】このとき、前記高圧ノズル7は下方に垂直
なものと、斜め内側に向けて取り付けられているものと
が交互に配置されているため、杭1の周辺部の地山Gを
隈無く掘削することができる。
【0032】続いて、油圧ユニット21および油圧ホー
ス22を通じてバイブロハンマー19に圧油を供給し、
バイブロハンマー19を起震させ、図6に示すように、
各高圧水ノズル7からウォータジェット13を噴射させ
ながら杭引き抜き装置3の治具4を振動させ、この治具
4およびウォータジェット装置5を引き抜くべき杭1の
長さ方向に沿って圧入して行く。この動作を杭1の周辺
で複数回繰り返して行い、引き抜くべき杭1の周辺の土
砂を緩め、杭1とその周辺の地山Gの周面摩擦力をカッ
トする。
【0033】前述のごとく、杭1と地山G間の周面摩擦
力をカットした後、高圧水ノズル7からのウォータジェ
ット13の噴射、およびバイブロハンマー19による振
動をそれぞれ停止させ、クレーンにより杭引き抜き装置
3の治具4およびウォータジェット装置5を地上に引き
抜く。そして、治具4を把持しているチャック20を緩
め、バイブロハンマー19から杭引き抜き装置3を切り
離す。さらに、クレーンのフック18からバイブロハン
マー19を取り外す。
【0034】ついで、図7から分かるように、引き抜く
べき杭1の頭部を吊りワイヤ28によりクレーンのフッ
ク18に玉掛けし、クレーンにより杭1を引き抜く。杭
1を引き抜いた後、その杭1をクレーンのフック18か
ら切り離す。この杭引き抜き作業は、バイブロハンマー
19を吊り下げ支持したクレーンとは別の、杭引き抜き
専用のクレーンを使用して行ってもよい。
【0035】この例では、ウォータジェット13による
杭1と地山Gとの周面摩擦力をカットするときに生じる
泥水を排出せず、低強度の泥土固化を行う。かかる泥土
固化を行う場合には、図8から分かるように、クレーン
のフック18に吊りワイヤ28により、固化材充填装置
の固化材注入パイプ24を玉掛けし、その固化材注入パ
イプ24を杭穴2内に挿入し、固化材およびエアの供給
源から固化材,エア注入ホース25を通じて固化材注入
パイプ24に固化材26とエア27とを供給し、杭穴2
内にエアブローしながら、セメント系または石灰系等の
材料で作成された固化材26を充填し、杭穴2内の泥水
を低強度の泥土に固化処理する。
【0036】さらに、鋼製ケーシング16の内部を土砂
等により埋め戻す。ついで、鋼製ケーシング16をバイ
ブロハンマーまたは油圧式圧入機等により引き抜き、一
連の作業を終了する。
【0037】以上説明した例によれば、杭1を引き抜く
に当たって、杭引き抜き装置3のウォータジェット装置
5により、あらかじめ杭1と地山Gとの周面摩擦力をカ
ットしたうえで杭1を引き抜くようにしているので、 (1)杭1を超低振動および超低騒音で確実に引き抜く
ことができ、したがって市街地での杭引き抜き作業に適
用できるし、 (2)引き抜くべき杭1の周辺を大規模に掘削する必要
がないため、狭い敷地内でも施工可能であり、 (3)杭1と地山Gとの周面摩擦力をカットできるた
め、杭1の引き抜き力が小さくて済み、したがって小型
のクレーンで賄うことができるし、 (4)杭1と地山Gとの周面摩擦力を効率よくカットで
きるので、杭1の引き抜きを短時間で行うことができ、
したがって工期の短縮を図ることができ、またウォータ
ジェット13による地山切削時の高濃度の泥水を排出し
ないため、地山Gの崩壊を防ぐことができる外、杭穴2
の崩壊をも防ぐことができるし、(5)地山Gおよび杭
穴2の崩壊を防ぐことができる結果、周辺地盤や構造物
に対する地盤の沈下等の影響を与えずに済むし、 (6)引き抜きべき杭1の周辺を大規模に切削する必要
がないため、杭1と地山Gとの周面摩擦力をカットする
ときに排出される泥水を処理する設備や産業廃棄物処理
等を省略することが可能となる、等の利益がある。
【0038】また、この例では杭引き抜き装置3の治具
4を、引き抜くべき杭1の幅より狭く、ウォータジェッ
ト装置5のケーシング6よりも小さい平面形状である開
口したコ字状に形成しているので、杭1への密着性が良
く、杭引き抜き装置3自体の圧入時や引き抜き時の摩擦
や付着物の量を少なくでき、したがって杭引き抜き装置
3を小さい力で圧入および引き抜くことができる。
【0039】また、この例では杭引き抜き装置3のウォ
ータジェット装置5のケーシング6を円弧状の断面、つ
まりクレセント型に形成し、その外側に、互いに所定の
間隔をおいて複数本の高圧水ノズル7を取り付けている
ので、PC杭,RC杭、鋼管杭,松杭,三角杭,場所打
ち杭等の種々の杭1の引き抜きに適用できるし、引き抜
くべき杭1の形状が変化しても、前記ケーシングの形状
をその杭の形状に合わせることで(例えば角形)、その
杭1と地山Gとの周面摩擦力を効率よくカットすること
ができる。
【0040】また、この例ではウォータジェット装置5
のケーシング6の外側に高圧水ノズル7を取り付けてい
るので、引き抜くべき杭1の側面にケーシング6の内面
を接近させることができ、したがって杭1と地山Gとの
周面摩擦力のカットによる摩擦力の低減効果をより一層
大きくすることができるし、バイブロハンマー19によ
り杭引き抜き装置3を杭1の長さ方向に沿って圧入する
ときに高圧水ノズル7が杭1の側面や突起物を強打し、
破損する事故を未然に防ぐことができる。
【0041】また、この例では治具4およびウォータジ
ェット装置5のケーシング6の下端部よりも高圧水ノズ
ル7の下端部を僅かな間隔hをおいた上の位置にとどめ
ているので、杭1の側面や杭1の突起物を強打すること
による高圧水ノズル7の破損をより良く防止することが
できる。
【0042】また、この例ではウォータジェット装置5
のケーシング6に取り付けられている高圧水ノズル7
を、下方に垂直なものと、斜め内側に向けて取り付けら
れているものとを交互に配置しているため、杭1の周辺
部の地山Gを隈無く掘削することができる。
【0043】さらに、この例では引き抜くべき杭1の頭
部周辺を、あらかじめ鋼製ケーシング16で囲んでいる
ので、引き抜くべく杭1の周辺の地山Gの崩壊をより良
く防止することができる。
【0044】そして、この例ではウォータジェット13
による杭1と地山Gとの周面摩擦力をカットするときに
生じる泥水を排出しないで、低強度の泥土固化を行うよ
うにしているので、この点でも泥水処理設備および産業
廃棄物処理等を省略することができる。
【0045】
【実施例】次に、図9は本発明装置にかかるウォータジ
ェット装置5のより具体的な実施例を示すもので、治具
4およびウォータジェット装置5部分の拡大側面図であ
る。
【0046】この図9に示す実施例では、治具4の下端
部およびウォータジェット装置5のケーシング6の下端
部に、エッジ状に形成された超硬チップや硬化肉盛りに
よる切断刃14が設けられている。
【0047】この実施例では切断刃14により、節のあ
る杭や拡底杭、施工不良により中間部に瘤のある杭など
の出っ張り部分を切断しながら、杭引き抜き装置3を圧
入し、杭と地山との周面摩擦力をカットすることができ
る。
【0048】この図9に示す実施例の他の構成および作
用については、前記図1〜図8に示した例と同様であ
る。
【0049】ついで、図10は本発明装置のさらに他の
実施例を示すもので、治具およびウォータジェット装置
部分の拡大側面図である。
【0050】この図10に示す実施例では、治具4の下
端部およびウォータジェット装置5のケーシング6の下
端部に、エッジ状の切断刃15が設けられている。
【0051】この図10に示す実施例においても切断刃
15により、節のある杭や拡底杭、施工不良により中間
部に瘤のある杭などの出っ張り部分を切断しながら、杭
引き抜き装置3を圧入し、杭と地山との周面摩擦力をカ
ットすることができる。
【0052】なお、この図10に示す実施例の他の構成
および作用については、前記図1〜図8に示した例と同
様である。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法及び装
置は、 (1)引き抜くべき杭と地山との周面摩擦力をウォータ
ジェットによりカットしたうえで杭1を引き抜くことが
でき、したがって杭を超低振動および超低騒音で確実に
引き抜くことができるので、市街地での杭引き抜き作業
に適用できる。 (2)引き抜くべき杭の周辺を大規模に掘削する必要が
ないため、狭い敷地内でも施工可能である。 (3)杭と地山との周面摩擦力をカットできるため、杭
の引き抜き力が小さくて済み、したがって小型のクレー
ンで賄うことができる。 (4)杭と地山との周面摩擦力を効率よくカットできる
ので、杭の引き抜きを短時間で行うことができ、したが
って工期の短縮を図ることができ、またウォータジェッ
トによる地山切削時の高濃度の泥水を排出しないため、
地山の崩壊を防ぐことができる外、杭穴の崩壊をも防ぐ
ことができる。 (5)地山および杭穴の崩壊を防ぐことができる結果、
周辺地盤や構造物に対する地盤の沈下等の影響を与えず
に済む。 (6)引き抜きべき杭の周辺を大規模に切削する必要が
ないため、杭と地山との周面摩擦力をカットするときに
排出される泥水を処理する設備や産業廃棄物処理等を省
略することが可能となる。 (7)種々の杭引き抜きに適用でき、引き抜くべき杭の
周辺を大規模に掘削する必要がなく、杭引き抜き後の杭
穴の崩壊を高濃度の泥水で防ぐことができ、ウォータジ
ェットにより杭とその周辺の地山との周面摩擦力をカッ
トするときに排出される泥水を処理する設備や産業廃棄
物処理等を省略することもできる。という効果がある。
【0054】また、本発明方法では引き抜くべき杭の頭
部周辺を、杭とその周辺部にセットされるウォータジェ
ット装置とを合わせた平面よりも大径の鋼製ケーシング
であらかじめ囲むようにしているので、引き抜くべき杭
の周辺の地山の崩壊をあらかじめ防止しつつ杭を引き抜
き得る効果がある。
【0055】また、本発明方法では前記杭を引き抜いた
後、その杭穴にエアブローしながら泥土の固化材を充填
するするようにしているので、杭を引き抜いた後の杭穴
を、その内部の泥土を利用して埋め戻しし得る効果があ
る。
【0056】あるいは、本発明装置では治具の下端部お
よびウォータジェット装置のケーシングの下端部の回り
に、場所打ち杭の出っ張り等を切断可能な切断刃を設け
ているので、節のある杭や拡底杭、施工不良により中間
部に瘤がある杭などにも有効に適用し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の実施形態の一例を示した正面図で
ある。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図2のB部分の拡大図である。
【図5】引き抜くべき柱の引き抜き過程を示す説明図で
ある。
【図6】図5に続く引き抜き過程の説明図である。
【図7】図6に続く引き抜き過程の説明図である。
【図8】杭を引き抜いた後の後処理工程の説明図であ
る。
【図9】本発明装置にかかるウォータジェット装置の実
施例を示すもので、ウォータジェット装置部分の拡大側
面図である。
【図10】本発明装置のさらに他の実施例を示すもの
で、ウォータジェット装置部分の拡大側面図である。
【図11】杭引き抜き装置と地中に打ち込んだ鋼管矢板
との関係を示した斜視図である。
【図12】杭引き抜き装置を構成する杭の平面図であ
る。
【図13】鋼管矢板と断面コ字型の杭あるいは断面C字
型の杭との関係を示した拡大平面図である。
【符号の説明】
1 引き抜くべき杭 2 杭穴 3 杭引き抜き装置 4 治具 5 ウォータジェット装置 6 ウォータジェット装置のケーシング 7 高圧水ノズル h 治具およびケーシングの下端部と高圧水ノズルの下
端部間の間隔 8 ノズル分岐部 9 高圧水パイプ 11 高圧水ホース 12 高圧水供給源 13 ウォータジェット 14,15 切断刃 G 地山 16 鋼製ケーシング 19 バイブロハンマー 24 固化材充填装置の固化材注入パイプ 25 固化材,エア注入ホース 26 固化材 27 エア 31 杭 32 ウォータジェット 33 排土管 34 管支持板 35 シール部材 36 ボルト 40 バイブロハンマー 41 ポンプ 42 地中 43 既設杭 44 鋼管矢板 45 ジャンクション
フロントページの続き (72)発明者 本田 靖典 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 阿久津 英一 東京都中央区新川1丁目24番4号 大豊 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−302687(JP,A) 特開 平8−3999(JP,A) 特開 平6−240670(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 治具(4)と、この治具(4)の下端部
    に固定され断面が引き抜こうとする杭の形状に合わせて
    形成されかつ前記杭の外形より大であって杭(1)の外
    周のほぼ半部を囲む断面クレセント型のケーシング
    (6)と、このケーシング(6)の外周に所定の間隔を
    おいて取り付けられた2本以上の高圧水ノズル(7)
    と、前記治具(4)の内部に、この治具(4)の上端部
    から前記ケーシング(6)の近傍にわたって取り付けら
    れ、かつ前記高圧水ノズル(7)の上端部に接続される
    高圧水パイプ(9)とを有してなるウォータジェット装
    置(5)を備え、 引き抜くべき杭(1)の頭部周辺を、この杭(1)とそ
    の周辺部にセットされる前記ウォータジェット装置
    (5)とを合わせた平面よりも大径の鋼製ケーシング
    (16)であらかじめ囲み、 かつウォータジェット装置(5)の治具(4)の上端部
    にバイブロハンマー(19)を固定し、 前記ウォータジェット装置(5)の各高圧水ノズル
    (7)からウォータジェット(13)を噴射させ、かつ
    ウォータジェット装置(5)を杭(1)の長さ方向に沿
    って前記バイブロハンマー(19)により圧入し、 杭(1)と地山(G)との周面摩擦力をカットした後、 前記ウォータジェット装置(5)を引き上げ、ついで杭
    (1)を引き抜くことを特徴とする杭引き抜き方法。
  2. 【請求項2】 前記杭(1)を引き抜いた後、その杭穴
    (2)に充填用パイプ(24)を挿入し、エアブローし
    ながら泥土の固化材(26)を充填することを特徴とす
    る請求項1記載の杭引き抜き方法。
  3. 【請求項3】 治具(4)と、この治具(4)の下端部
    に固定され断面が引き抜こうとする杭(1)の形状に合
    わせて形成されかつ前記杭(1)の外形より大であって
    杭(1)の外周のほぼ半部を囲む断面クレセント型のケ
    ーシング(6)と、このケーシング(6)の外周に所定
    の間隔をおいて取り付けられた2本以上の高圧水ノズル
    (7)と、前記治具(4)の内部に、この治具(4)の
    上端部から前記ケーシング(6)の近傍にわたって取り
    付けられ、かつ前記高圧水ノズル(7)の上端部に接続
    される高圧水パイプ(9)とを有してなるウォータジェ
    ット装置(5)と、 前記引き抜くべき杭(1)の頭部周辺に設けられ、杭
    (1)とその周辺部にセットされる前記ウォータジェッ
    ト装置(5)とを合わせた平面より大径の鋼製ケーシン
    グ(16)と、 前記治具(4)の上端部に取り付けられ治具(4)に対
    し所定の振動を与えるバイブロハンマー(19)と、 前記ウォータジェット装置(5)の高圧水パイプ(9)
    の上端部より高圧水を供給し前記高圧水ノズル(7)よ
    りウォータジェット(13)を噴出させる高圧水供給源
    (12)とを備えてなることを特徴とする杭引き抜き装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ウォータジェット装置(5)のケー
    シング(6)の下端部の回りに、エッジ状に形成された
    超硬チップあるいは硬化肉盛り(14)を設けてなるこ
    とを特徴とする請求項3記載の杭引き抜き装置。
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