JP2004308338A - 既設杭の引抜き工法及び引抜き装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】短尺ケーシング付きシートパイルの一側に添設した高圧水噴射用の配管と、短尺ケーシング付きシートパイルの下部に取付けたケーシングの下端部に投げ縄状とした縁切り用ワイヤーを保持部材で取付け、高圧水の噴射と縁切り用ワイヤーの引上げにより、該杭の周壁回りの地盤と杭下部の地盤との縁切り作業とを行い、杭の引抜き作業を容易とする。
【解決手段】シートパイルの先端部に、引抜くべき既設杭の径より10cm程度大径の短尺の鋼管製のケーシングが固着された短尺ケーシング付きシートパイルの該ケーシングの上端部と下端部に、それぞれ複数個の保持部材により投げ縄状の杭吊上げ用ワイヤーと縁切り用ワイヤーとが設けられ、シートパイルの一側には、高圧水用の配管が全長にわたって添設されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、老朽化等で取り壊した建物の跡地に新たな建物に建て替える際、この跡地の地盤中に新たな基礎構造物を構築するため、地中に打ち込まれている既設の杭を引き抜く工法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−256557号公報
従来、建物の老朽化又は社会の情報化に伴ってビル等の建物の建て替えに際して、既存の建物の解体と共に地盤中に残存する既設の杭を抜き取り、新たに構築する建物の構造を支承するのに適した基礎杭や連続した地中壁等の基礎構造物を新たに構築する必要がある。このように地盤中に残存する既設の杭を抜き取るのは、取り壊す建物を支承していた既設の杭、特に、既設の杭がコンクリート製の杭である場合には、打設の際の衝撃による座屈やひび割れ、永年の使用中に杭に部分的に地圧による剪断力がかかることによる座屈やひび割れを生じており、新たに構築する建物の構造を支承するには適しておらず、また例え、座屈やひび割れを生じていなくても、新たに構築する建物の構造・形状により新たな基礎構造物の構築の際に既設の杭の存在が施工の障害となっている。
【0003】
従来、地盤中に残った既設のコンクリート製の杭を地中から引き抜く工法として、旋回掘削式の掘削機を使用し杭の周壁の地盤を杭の全長にわたって掘削して杭と地盤との縁切りをした後、杭の上部にワイヤーを掛けて杭を引き抜いていたが、杭の打設時や永年の使用により杭にひび割れや破断をしている場合があり、杭の下方部分が地盤中に取り残される場合がある。このため、上方部分の杭を抜いた後の杭孔にガイド鋼管を打込むと共に、次に、このガイド鋼管をガイドとして下部に短尺のケーシング管を取付けた鋼矢板を打込み、この短尺のケーシング管の上縁に取付けたワイヤーロープを引き上げて地盤中に取り残された杭の上部に堅く巻き付け、ワイヤーロープをクレーンで引き上げることにより杭を取り出す残された杭の下方部分を引抜く工法として「特許文献1」に記載された工法が知られている。
【0004】
この「特許文献1」に記載の引き抜き工法を図面の図13、14及び15により説明する。図13は、従来公知の残置杭の引抜きに使用する先端ケーシングの斜視図で、図14は、ケーシング管から、残置杭の上部が突出するまで先端ケーシングを打ち込んだ状態を示す図で、図15は、ケーシング管に巻き付けた台付けワイヤーロープの先端部を移動して残置杭の上部に巻き付けた状態を示す図である。
【0005】
旋回式の掘削装置などにより既設杭の長さ方向に既設杭の周壁回りの地盤を掘削し、既設杭の周壁と地盤との縁切りをする。その後、既設杭の上部に掛けたワイヤーロープをクレーン車で引き上げて杭を引き抜いたり、または、油圧式の杭抜き機により杭を引き抜いている。しかしながら上述したように、コンクリート製の杭である既設杭では、打設の際の衝撃、永年の使用中に杭に部分的に地圧による剪断力がかかることによる座屈やひび割れを生じており、既設杭を引き抜く際にこの座屈やひび割れの個所で切断されて、既設杭の下方部分が地盤中に取り残される。
【0006】
そして、この地盤中に取り残された既設杭の下方部分を引き抜くために、上方部分の既設杭が引き抜かれた杭孔にクレーン車34により第1巻上げワイヤーロープ35でガイド用鋼管39を取付けたバイブロハンマー37を吊下げて該ガイド用鋼管39を該杭孔に吊り下ろし、ガイド鋼管39の先端部を地中に残された残置杭38の上部に嵌合させる。一方、この地盤中に取り残された既設杭の下方部分を引抜く工法に用いられる先端ケーシングは、鋼矢板30の先端部に短尺の鋼管製のケーシング管31が固着されて構成されており、該ケーシング管31の上端部に一定間隔で台付けワイヤーロープ33の保持部材32が取付けられている。この保持部材32は半円形に曲げた細径の鋼線で、その両端をケーシング管31に溶接して取付けてある。台付けワイヤーロープ33の先端部を保持部材32の半円形穴を通してケーシング管31の外周に巻き付けている。
【0007】
そして、この先端ケーシングは、ガイド用鋼管39をガイドとして残置杭38の上部が一定長さだけケーシング管31から突出するまでバイブロハンマー37で打ち込まれ、残置杭38と地盤との摩擦を縁切りする。その後、台付けワイヤーロープ33を巻き上げると、保持部材32でケーシング管31の上端部に巻き付いていた台付けワイヤーロープ33は、保持部材32をケーシング管31から引き剥がし、台付けワイヤーロープ33の先端部が上昇しつつ引き絞られながら残置杭38の上部に堅く巻き付き、更に台付けワイヤーロープ33をクレーン車34からの第1巻上げワイヤーロープ35で引き上げることにより残置杭38を地上に取り出している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の残置杭の引抜き工法では、地盤中の既設杭を引き抜くための施工装置として、先ず、既設杭と地盤との縁切り作業のための施工装置である既設杭の周壁回りの地盤を掘削する旋回式の掘削装置と、次に、地盤中に取り残された既設杭の下方部分を引き抜くための鋼矢板の先端部に短尺の鋼管製のケーシング管を固着した先端ケーシングとこの先端ケーシングを打ち込む装置であるバイブロハンマーとが必要としている。このように異なる作業のために複数の施工装置を準備しなければならず、多くの施工装置により狭い施工現場が更に狭く煩雑になり、また複数の施工装置を準備するために多くの経費を要している。
【0009】
また、地盤中に残された杭の下方部分(残置杭)の先端部と地盤とは、打設や永年の使用で上部構造物からの荷重による圧密で堅く一体化しているために、台付けワイヤーロープで引き上げようとしても抜き取ることはなかなか大変な作業となっている。
【0010】
そこで、本発明は、上述した課題によりなされたもので、コンクリート製の既設杭を地盤中から全長を引き抜くため、高圧噴射水の噴射と短尺のケーシングの打込みとによる地盤と既設杭との杭全長にわたる縁切り作業と、打設の際の衝撃や永年の使用による座屈やひび割れの個所で切断された既設杭の下方部分の引き抜くため、切断された既設杭の下方部分の下部と地盤との縁切り作業とを一台の施工装置で行う既設杭の引抜き工法及びこれに使用する引抜き装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発明は、既設杭より稍大径で短尺のケーシングをシートパイルの下部に固設すると共に該ケーシングを既設杭に嵌装しつつ、シートパイルの長さ方向に添設した高圧水用の配管の下端の噴射ノズルから高圧水を噴射しながら打込み手段によりシートパイルを打込み、既設杭の周壁と地山との縁切り工程、該ケーシングの上端を既設杭の下端より下方まで打込んだ後に縁切り用ワイヤーロープを引いて既設杭の下端と地山との縁切り工程、次いで、吊上げ用ワイヤーロープを引いて既設杭の下端の緊縛工程、引抜き手段と吊上げ用ワイヤーロープにより既設杭の引抜き工程、
の各工程からなることを特徴とするものである。
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項2に記載の発明は、既設杭より稍大径で短尺のケーシングをシートパイルの下部に固設すると共に該ケーシングを既設杭に嵌装しつつ、シートパイルの長さ方向に添設した高圧水用の配管の下端の噴射ノズルから高圧水を噴射しながら打込み手段によりシートパイルを打込み、既設杭の周壁と地山との縁切り工程、短尺ケーシング付きシートパイルの引抜きと既設杭の引抜き工程、該ケーシングの上端を残置した下方部分の杭の下方まで打込んだ後に縁切り用ワイヤーロープを引いて残置した下方部分の杭の下端と地山との縁切り工程、吊上げ用ワイヤーロープを引いて残置した下方部分の杭の下端の緊縛工程、引抜き手段と吊上げ用ワイヤーロープにより残置した下方部分の杭の引抜き工程、
の各工程からなることを特徴とするものである。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、本発明の請求項3に記載の発明は、既設杭より稍大径で短尺のケーシングを下部に固設すると共に下端に噴射ノズルを有する高圧水用の配管を長さ方向に添設したシートパイルと、該シートパイルの打込み・引き抜き手段と、該短尺のケーシングの上端縁の全周及び該ケーシングの下端縁の全周にそれぞれ複数の保持部材で吊上げ用ワイヤーロープ及び縁切り用ワイヤーロープを取付け、該高圧水用の配管の上端部には高圧水供給手段が接続されていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の既設杭の引抜き工法及び既設杭の引抜き装置の実施の態様を図1〜図12によって説明する。図1は、本発明の既設杭の引抜きで使用する短尺ケーシング付きシートパイルの全体図、図2は、本発明の既設杭の引抜きで使用する短尺ケーシング付きシートパイルの平断面図、図3は、本発明の既設杭の引抜きで使用する短尺ケーシング付きシートパイルの横断面図、図4は、本発明の下部にケーシングを備えたシートパイルと高圧水供給手段との接続状態図、図5は、本発明の既設杭引抜き装置の建込み前の状態図、図6は、本発明の既設杭引抜き装置に杭吊上げ用ワイヤーをセットした建込み前の状態図、図7は、本発明の既設杭引抜き装置による既設杭の引上げ状態を示す図、図8は、本発明の既設杭引抜き装置による既設杭の引倒し状態を示す図、図9は、本発明の既設杭引抜き装置の下部にケーシングを備えたシートパイルの引き上げ状態を示す図、図10は、本発明の既設杭引抜き後の杭孔に固化材注入処理状態を示す図、図11は、本発明の既設杭引抜き後の杭孔の埋め戻し処理状態を示す図、図12は、本発明の他の実施例の既設杭引抜き装置の建込み前の状態図である。
【0015】
図1〜12に図示されている本発明の既設杭の引抜き作業に使用される短尺ケーシング付きシートパイルAは、シートパイル1の先端部に引き抜かれる既設杭8の径より10cm程度大径の短尺の鋼管製のケーシング2が固着されて構成されており、該ケーシング2の上端部に一定間隔で杭吊上げ用ワイヤー7の保持部材5、5、・が取付けられている。この一定間隔で取付けられた保持部材5、5、・に杭吊上げ用ワイヤー7の先端部を通してケーシング2の外周に巻き付けられ、その一方端に輪状部を形成し、この輪状部にもう一方の杭吊上げ用ワイヤー7の先端部を通して投げ縄状としている。
【0016】
この輪状部に通したもう一方の杭吊上げ用ワイヤー7の先端部は、短尺ケーシング付きシートパイルAの上端方に延長され、後述するクレーン車15の吊下げワイヤー16のフックに掛けられるようになっている。そして、この保持部材5は、杭吊上げ用ワイヤー7がクレーン車15の吊下げワイヤー16の吊上げによって切断され、杭吊上げ用ワイヤー7がケーシング2の周壁から離脱するようになっている。
【0017】
また、短尺ケーシング付きシートパイルAの先端部に取付けられたケーシング2の下端部は、内側に折返されて曲げられてワイヤー受け部9を形成し、このワイヤー受け部9を囲むようにして一定間隔で縁切り用ワイヤー6の保持部材5、5、・が取付けられている。この一定間隔で取付けられた保持部材5、5、・に縁切り用ワイヤー6の先端部を通してケーシング2のワイヤー受け部9に収められ、その一方端に輪状部を形成し、この輪状部にもう一方の縁切り用ワイヤー6の先端部を通して投げ縄状としている。
【0018】
この輪状部に通したもう一方の縁切り用ワイヤー6の先端部は、短尺ケーシング付きシートパイルAの上端方に延長され、後述するクレーン車15の吊下げワイヤー16のフックに掛けられるようになっている。そして、この縁切り用ワイヤー6を保持している保持部材5も縁切り用ワイヤー6がクレーン車15の吊下げワイヤー16の吊上げによって切断され、杭吊上げ用ワイヤー7がケーシング2の内周壁から離脱するようになっている。このワイヤー受け部9は、短尺ケーシング付きシートパイルAの打込み時に縁切り用ワイヤー6がケーシング2から外れないための保護部となっている。
【0019】
そして、短尺ケーシング付きシートパイルAの一側には、上端に接続口を下端に噴射ノズル14を有する配管3が全長にわたって添設されており、更に、この添設された配管3はカバー体4によって保護されている。この短尺ケーシング付きシートパイルAには、地盤中にある既設杭8の長さに対応するために全長にわたってカバー体4によって保護された配管3が添設された接続用シートパイル10を接続できるようになっている。
【0020】
短尺ケーシング付きシートパイルAに添設された配管3を通して作業個所近傍に設置された水槽13と高圧水供給手段11から給水ホース12を経由して高圧水の供給を受け、短尺ケーシング付きシートパイルAの先端部に取付けられたケーシング2の下端部の噴射ノズル14から高圧水を噴射して、該ケーシング2の内周壁と既設杭8との間の地盤を泥土化することにより地盤中から既設杭8の引き抜きを容易とする。
【0021】
次に、本発明の短尺ケーシング付きシートパイルを使用した既設杭の引抜き工法及び既設杭の引抜き装置の作業手順について図5〜9により説明する。
[第1工程]
先ず、引き抜く既設杭8の近傍に設置されたクレーン車15から吊下げワイヤー16に振動式杭打機17を吊り下げると共に、該振動式杭打機17に短尺ケーシング付きシートパイルAを掴持装置により掴んで吊上げ、短尺ケーシング付きシートパイルAの下端に設けたケーシング2を露出している既設杭8の頭部に嵌装する。
【0022】
[第2工程]
次に、高圧水供給手段11により給水ホース12を経由して水槽13の水を短尺ケーシング付きシートパイルAの一側に添設された配管3の下端の噴射ノズル14からジェット噴射aをしながら振動式杭打機17を作動させ、短尺ケーシング付きシートパイルAを地盤中に打設する。すると、短尺ケーシング付きシートパイルAの下端に設けたケーシング2は地盤中に打ち込まれると共に、噴射ノズル14からのジェット噴射aにより該ケーシング2内と既設杭8の回りとの間の地盤を崩しながら泥土化し、既設杭8の周壁と地盤との縁切りを行う。
【0023】
[第3工程]
そして、短尺ケーシング付きシートパイルAの下部に取付けられた短尺のケーシング2の下部のワイヤー受け部9に複数個の保持部材5によって取付けられた縁切り用ワイヤー6をクレーン車15から吊り下げられた吊下げワイヤー(図示されていない)により吊り上げると、縁切り用ワイヤー6の引っ張りによって上記保持部材5は切断され、短尺のケーシング2から縁切り用ワイヤー6は離脱し、更に図示されていないクレーン車15からの吊下げワイヤーによって引き上げられると、投げ縄状となっている縁切り用ワイヤー6は更に絞られるので、既設杭8の下部と既設杭8の下方の間にある地盤をワイヤーにより切断する。このため、既設杭8の下部と地盤との縁切りをすることができる。
【0024】
[第4工程]
同じく、短尺ケーシング付きシートパイルAの下部に取付けられた短尺のケーシング2の上部に複数個の保持部材5によって取付けられた杭吊上げ用ワイヤー7をクレーン車15から吊り下げられた吊下げワイヤー(図示されていない)により吊り上げると、杭吊上げ用ワイヤー7の引っ張りによって上記保持部材5は切断され、短尺のケーシング2から杭吊上げ用ワイヤー7は離脱し、杭吊上げ用ワイヤー7は投げ縄状となっているので、既設杭8の下端を緊縛する。
【0025】
[第5工程]
そして、短尺ケーシング付きシートパイルAをクレーン車15から吊り下げられた吊下げワイヤー16により吊上げて引抜き、クレーン車15から吊下げワイヤー16と同じく吊下げられた振動式杭打機17とにより既設杭8を引き抜くと、既設杭8の周壁及び下端と地盤と縁切りが既になされているので、容易に引き抜くことができる。
【0026】
[第6工程]
このようにして、既設杭8の引き抜かれた杭孔22の空洞内に泥水注入装置27によって泥水を泥水注入ホース26により注入されて、空洞となった杭孔22の孔壁を自立させると共に、泥水はサンドポンプ19によって汲み上げられ処理プラントにおくられ泥水処理される。その後、固化材供給装置20でセメントなどの固結材などを混練して注入パイプ21により杭孔22内に注入すると共に、掘削装置23によって土砂などを杭孔22内に埋め戻して埋め戻し部24を形成する。
【0027】
また、上述の工程において、コンクリート製の既設杭8が打設の際の衝撃や永年の使用による座屈やひび割れの個所で切断され、既設杭の下方部分が残置杭となっている場合には、先ず、[第A工程]として、上述の[第1工程]、[第2工程]の工程を行う。
【0028】
[第B工程]
既設杭8の上部にクレーン車15から吊り下げられた吊下げワイヤー16から吊り下げられた吊下げワイヤーを掛けると共にクレーン車15の吊下げワイヤー16により短尺ケーシング付きシートパイルAと既設杭8とを引き抜く。
【0029】
[第C工程]
そして、既設杭8の上方部分のみが引き抜かれた杭孔に再び短尺ケーシング付きシートパイルAのケーシング2の上端を下方部分の残置杭の下方まで打設する。その後、該ケーシング2の下部のワイヤー受け部9に複数個の保持部材5によって取付けられた縁切り用ワイヤー6をクレーン車15から吊り下げられた吊下げワイヤー(図示されていない)により吊り上げて、縁切り用ワイヤー6の引っ張りによって上記保持部材5は切断し、短尺のケーシング2から縁切り用ワイヤー6は離脱し、更に図示されていないクレーン車15からの吊下げワイヤーによって引き上げられると、投げ縄状となっている縁切り用ワイヤー6は更に絞られるので、下方部分の残置杭の下部の地盤をワイヤーにより切断し、下方部分の残置杭の下部と地盤との縁切りをする。
【0030】
[第D工程]
同じく、短尺ケーシング付きシートパイルAの下部に取付けられた短尺のケーシング2の上部に複数個の保持部材5によって取付けられた杭吊上げ用ワイヤー7をクレーン車15から吊り下げられた吊下げワイヤー(図示されていない)により吊り上げると、杭吊上げ用ワイヤー7の引っ張りによって上記保持部材5は切断され、短尺のケーシング2から杭吊上げ用ワイヤー7は離脱し、杭吊上げ用ワイヤー7は投げ縄状となっているので、下方部分の残置杭の下端を緊縛する。
【0031】
[第E工程]
そして、短尺ケーシング付きシートパイルAをクレーン車15から吊り下げられた吊下げワイヤー16により吊上げて引抜き、クレーン車15から吊下げワイヤー16と同じく吊下げられた振動式杭打機17とにより下方部分の残置杭を引き抜くと、下方部分の残置杭の周壁及び下端と地盤と縁切りが既になされているので、容易に引き抜くことができる。その後、前記[第6工程]を行う。
【0032】
なお、環境面から作業工事時の振動規制がある区域や時間帯では、短尺ケーシング付きシートパイルAの打込み手段として、振動式杭打機17に代えて作業中に振動の発生しない油圧式杭打機25によって短尺ケーシング付きシートパイルAを打込み又は引抜きをするようにしてもよい。
【0033】
上述したように、本発明の既設杭の引抜き工法及び引抜き装置では、従来の施工法と異なり、施工現場内に異種の複数の施工装置を搬入することなく、単一の施工装置によりコンクリート製の既設杭又は途中で切断されて地盤中に残っている既設杭の下方部分を引き抜くことができる。
【0034】
また、コンクリート製の既設杭又は途中で切断されて残っている既設杭の下方部分を引き抜くために、シートパイルの下部に短尺のケーシングを取付け、該ケーシングの上端部及び下端部のそれぞれに投げ縄状とした杭吊上げ用ワイヤー及び縁切り用ワイヤーを複数個の保持部材で取付けると共に、この短尺のケーシングをシートパイルの下部に取付けた短尺ケーシング付きシートパイルを振動式杭打機又は油圧式杭打機と該シートパイルの一側に添設した高圧水噴射装置とにより、引き抜くべき既設杭を該短尺のケーシングで嵌装しながら打設して、既設杭の周壁と地盤との縁切りを行うことができる。
【0035】
該短尺のケーシングの下端部に複数個の保持部材で取付けた投げ縄状の縁切り用ワイヤーによって、既設杭の底部と地盤との縁切りを行っているので、既設杭の周壁及び底部と地盤との縁切りが充分になされているので、既設杭の引抜き作業を容易に行うことができる。また、例え、既設のコンクリート製の杭が、打設時や永年の使用でその途中でひびや切断があり、引き抜き時に杭の下方部分が地盤中に残ったとしても、他の施工装置を狭い施工現場に搬入することなく、単一の施工装置により途中で切断されて地盤中に残っている既設杭の下方部分を引き抜くことができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1、2及び3に記載の発明は、下記の効果を奏するものである。
1)短尺ケーシング付きシートパイルの一側に添設した高圧水噴射装置と、短尺ケーシング付きシートパイルの下部に取付けたケーシングの下端部に投げ縄状とした縁切り用ワイヤーを保持部材で取付け、該杭の周壁回りの地盤や杭下部の地盤との縁切り作業とを行っているので、杭の引抜き作業を容易に行うことができる。
2)異種の複数の施工装置を搬入することなく、一台の施工装置によりコンクリート製の既設杭又は途中で切断されて残っている既設杭の下方部分を引き抜くことができ、施工装置に要する経費を軽減することができる。このため、例え狭い施工現場であっても複数の施工装置で煩雑になることはい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の既設杭の引抜きで使用する短尺ケーシング付きシートパイルの全体図、
【図2】本発明の既設杭の引抜きで使用する短尺ケーシング付きシートパイルの平断面図、
【図3】本発明の既設杭の引抜きで使用する短尺ケーシング付きシートパイルの横断面図、
【図4】本発明の下部にケーシングを備えたシートパイルと高圧水供給手段との接続状態図、
【図5】本発明の既設杭引抜き装置の建込み前の状態図、
【図6】本発明の既設杭引抜き装置に杭吊上げ用ワイヤーをセットした建込み前の状態図、
【図7】本発明の既設杭引抜き装置による既設杭の引上げ状態を示す図、
【図8】本発明の既設杭引抜き装置による既設杭の引倒し状態を示す図、
【図9】本発明の既設杭引抜き装置の下部にケーシングを備えたシートパイルの引き上げ状態を示す図、
【図10】本発明の既設杭引抜き後の杭孔に固化材注入処理状態を示す図、
【図11】本発明の既設杭引抜き後の杭孔の埋め戻し処理状態を示す図、
【図12】本発明の他の実施例の既設杭引抜き装置の建込み前の状態図、
【図13】従来公知の残置杭の引抜きに使用する先端ケーシングの斜視図、
【図14】ケーシング管から、残置杭の上部が突出するまで先端ケーシングを打ち込んだ状態を示す図、
【図15】ケーシング管に巻き付けた台付けワイヤーロープの先端部を移動して残置杭の上部に巻き付けた状態を示す図である。
【符号の説明】
A 短尺ケーシング付きシートパイル、 1 シートパイル、
2 ケーシング、 3 配管、 4 カバー体、 5 保持部材、
6 縁切り用ワイヤー、 7 杭吊上げ用ワイヤー、 8 既設杭、
9 ワイヤー受け部、 10 接続用シートパイル、 11 高圧水供給手段、
12 給水ホース、 13 水槽、 14 噴射ノズル、 15 クレーン車、
16 吊下げワイヤー、 17 振動式杭打機、 18 吊上げワイヤー、
19 サンドポンプ、 20 固化材供給装置、 21 注入パイプ、
22 杭孔、 23 掘削装置、 24 埋め戻し部、 25 油圧式杭打機、
26 泥水注入ホース、 27 泥水注入装置。

Claims (3)

  1. 既設杭より稍大径で短尺のケーシングをシートパイルの下部に固設すると共に該ケーシングを既設杭に嵌装しつつ、シートパイルの長さ方向に添設した高圧水用の配管の下端の噴射ノズルから高圧水を噴射しながら打込み手段によりシートパイルを打込み、既設杭の周壁と地山との縁切り工程、
    該ケーシングの上端を既設杭の下端より下方まで打込んだ後に縁切り用ワイヤーロープを引いて既設杭の下端と地山との縁切り工程、
    次いで、吊上げ用ワイヤーロープを引いて既設杭の下端の緊縛工程、
    短尺ケーシング付きシートパイルの引抜き工程、
    引抜き手段と吊上げ用ワイヤーロープにより既設杭の引抜き工程、
    の各工程からなることを特徴とする既設杭の引抜き工法。
  2. 既設杭より稍大径で短尺のケーシングをシートパイルの下部に固設すると共に該ケーシングを既設杭に嵌装しつつ、シートパイルの長さ方向に添設した高圧水用の配管の下端の噴射ノズルから高圧水を噴射しながら打込み手段によりシートパイルを打込み、既設杭の周壁と地山との縁切り工程、
    短尺ケーシング付きシートパイルの引抜きと既設杭の引抜き工程、
    該ケーシングの上端を残置した下方部分の杭の下方まで打込んだ後に縁切り用ワイヤーロープを引いて残置した下方部分の杭の下端と地山との縁切り工程、
    吊上げ用ワイヤーロープを引いて残置した下方部分の杭の下端の緊縛工程、
    引抜き手段と吊上げ用ワイヤーロープにより残置した下方部分の杭の引抜き工程、
    の各工程からなることを特徴とするものである。
  3. 既設杭より稍大径で短尺のケーシングを下部に固設すると共に下端に噴射ノズルを有する高圧水用の配管を長さ方向に添設したシートパイルと、該シートパイルの打込み・引き抜き手段と、該短尺のケーシングの上端縁の全周及び該ケーシングの下端縁の全周にそれぞれ複数の保持部材で吊上げ用ワイヤーロープ及び縁切り用ワイヤーロープを取付け、該高圧水用の配管の上端部には高圧水供給手段が接続されていることを特徴とする既設杭の引抜き装置。
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