しかしながら、上記特許文献1の着信分配システムによれば、予め準備した業務毎のグループの受付担当者の人員構成内で顧客からの着信呼を均等分配することになるが、予め準備した業務毎のグループの受付担当者の人員の数が上限となるため、同着信呼が予想ピークを超えた場合、同グループ内に新たに受付担当者を投入することができず、着信受付の遅れが生じる。
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、予め定めたグループ内の通常担当者では着信受付に対応しきれない場合は順次新たな担当者をグループ内に増員することで、円滑な着信受付業務を実現することができる着信分配システムを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の着信分配システムは、業務内容毎の複数グループに対して複数ログオンすることが可能な通信端末と、前記通信端末を複数収容する構内交換機と、着信呼をログオン中の前記複数の通信端末に分配着信する着信分配装置とを有する着信分配システムであって、前記通信端末は、複数の前記グループに対してログオンする場合に、前記グループ別に能力レベルを指定するレベル指定手段を備え、前記着信分配装置は、前記通信端末の前記レベル指定手段によるレベル指定に応じて、所定のレベル指定のあった前記グループに対してログオン状態とするログオン手段と、前記グループ毎の前記通信端末の応答待ち着信呼数が所定呼数以上であるか否かを判定する待ち呼数判定手段と、前記待ち呼数判定手段が、前記応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定した場合、前記所定レベル以外のグループに対してログオン状態とするログ設定手段とを備えるようにした。
従って、本発明の着信分配システムによれば、前記通信端末の前記レベル指定手段によるレベル指定に応じて、所定のレベル指定のあった前記グループに対してログオン状態とし、前記グループ毎の前記通信端末の応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定した場合、前記所定レベル以外のグループに対してログオン状態とするようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上となると、所定レベル以外の新たな通信端末を自動的にグループ内の受付業務に投入することで着信受付業務を円滑に進めることができる。
また、本発明の着信分配システムは、前記ログ設定手段が、前記待ち呼数判定手段にて前記応答待ち着信呼数が所定呼数以上でないと判定されると、前記ログオン中の前記所定レベル以外の通信端末をログオフ状態に切替設定するようにした。
従って、本発明の着信分配システムによれば、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でない、すなわち現在の応答待ち着信呼数が所定呼数未満であると判定されると、ログオン中の所定レベル以外の通信端末をログオフ状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定着信呼数未満となると、所定レベル以外の通信端末のユーザが現在の受付業務から自動的に解放されて、受付業務投入前の元の業務に復帰することができる。
また、本発明の着信分配システムは、前記着信分配装置が、前記所定レベル以外の通信端末内の優先レベル順序を管理した優先レベル管理手段を有し、前記ログ設定手段は、前記待ち呼数判定手段にて前記応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定されると、前記優先レベル管理手段にて管理した前記優先レベル順序に基づき、ログオフ中の前記通信端末をログオン状態に順次切替設定するようにした。
従って、本発明の着信分配システムによれば、前記所定レベル以外の通信端末内の優先レベル順序を管理した優先レベル管理手段を有し、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定されると、前記優先レベル順序に基づき、ログオフ中の通信端末をログオン状態に順次切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上の場合、優先レベル順序に基づき、ログオフ中の通信端末を段階的にログオン状態に切替設定して、所定レベル以外の新たな通信端末を段階的に受付業務に投入することで同受付業務を円滑に進めることができる。
また、本発明の着信分配システムは、前記ログ設定手段が、前記待ち呼数判定手段にて前記応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定されると、前記優先レベル順序に基づき、ログオフ中の最下位の通信端末をログオン状態に切替設定した後、前記待ち呼数判定手段にて現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定されると、前記優先レベル順序に基づき、ログオフ中の次位の通信端末をログオン状態に切替設定するようにした。
従って、本発明の着信分配システムによれば、前記優先レベル順序に基づき、ログオフ中の最下位の通信端末をログオン状態に切替設定した後、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定されると、前記優先レベル順序に基づき、ログオフ中の次位の通信端末をログオン状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上の場合、優先レベル順序に基づき、ログオフ中の次位の通信端末を段階的にログオン状態に切替設定して、所定レベル以外の新たな通信端末を段階的に受付業務に投入することで同受付業務を円滑に進めることができる。
また、本発明の着信分配システムは、前記ログ設定手段が、前記優先レベル順序に基づき、前記通信端末をログオン状態に切替設定した後、前記待ち呼数判定手段にて現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でないと判定されると、前記優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の最上位の通信端末をログオフ状態に順次切替設定するようにした。
従って、本発明の着信分配システムによれば、前記優先レベル順序に基づき、前記通信端末をログオン状態に切替設定した後、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でないと判定されると、前記優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の最上位の通信端末をログオフ状態に順序切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でない場合、前記優先レベル順序に基づき、ログオン中の最上位の通信端末を段階的にログオフ状態に切替設定して同通信端末のユーザを受付業務から元の業務に戻すことができる。
また、本発明の着信分配システムは、前記ログ設定手段が、前記優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の前記通信端末をログオフ状態に切替設定した後、前記待ち呼数判定手段にて前記現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でないと判定されると、前記優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の最上位の通信端末をログオフ状態に切替設定するようにした。
従って、本発明の着信分配システムによれば、前記優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の前記通信端末をログオフ状態に切替設定した後、前記現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でないと判定されると、前記優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の最上位の通信端末をログオフ状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でない場合、優先レベル順序に基づき、ログオン中の最上位の通信端末を段階的にログオフ状態に切替設定して同通信端末のユーザを受付業務から元の業務に戻すことができる。
また、本発明の着信分配システムは、前記応答待ち着信呼数が、着信呼発生から所定時間経過中の応答待ち着信呼の数に相当するようにした。
従って、本発明の着信分配システムによれば、前記応答待ち着信呼数が、着信呼発生から所定時間、例えば30秒経過中の応答待ち着信呼の数に相当するようにしたので、顧客が30秒間以上待った応答待ち呼数が所定呼数以上の場合、所定レベル以外の新たな通信端末を受付業務に投入することができる。
上記のように構成された本発明の着信分配システムによれば、通信端末のレベル指定手段によるレベル指定に応じて、所定のレベル指定のあったグループに対してログオン状態とし、前記グループ毎の前記通信端末の応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定した場合、前記所定レベル以外のグループに対してログオン状態とするようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上となると、所定レベル以外の新たな通信端末を自動的にグループ内の受付業務に投入することで着信受付業務を円滑に進めることができる。
また、本発明の着信分配システムによれば、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でない、すなわち現在の応答待ち着信呼数が所定呼数未満であると判定されると、ログオン中の所定レベル以外の通信端末をログオフ状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定着信呼数未満となると、所定レベル以外の通信端末のユーザが現在の受付業務から自動的に解放されて、受付業務投入前の元の業務に復帰することができる。
また、本発明の着信分配システムによれば、所定レベル以外の通信端末内の優先レベル順序を管理した優先レベル管理手段を有し、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定されると、前記優先レベル順序に基づき、ログオフ中の通信端末をログオン状態に順次切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上の場合、優先レベル順序に基づき、ログオフ中の通信端末を段階的にログオン状態に切替設定して、所定レベル以外の新たな通信端末を段階的に受付業務に投入することで同受付業務を円滑に進めることができる。
また、本発明の着信分配システムによれば、優先レベル順序に基づき、ログオフ中の最下位の通信端末をログオン状態に切替設定した後、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上であると判定されると、前記優先レベル順序に基づき、ログオフ中の次位の通信端末をログオン状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上の場合、優先レベル順序に基づき、ログオフ中の次位の通信端末を段階的にログオン状態に切替設定して、所定レベル以外の新たな通信端末を段階的に受付業務に投入することで同受付業務を円滑に進めることができる。
また、本発明の着信分配システムによれば、優先レベル順序に基づき、通信端末をログオン状態に切替設定した後、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でないと判定されると、前記優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の最上位の通信端末をログオフ状態に順序切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でない場合、前記優先レベル順序に基づき、ログオン中の最上位の通信端末を段階的にログオフ状態に切替設定して同通信端末のユーザを受付業務から元の業務に戻すことができる。
また、本発明の着信分配システムによれば、優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の前記通信端末をログオフ状態に切替設定した後、前記現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でないと判定されると、前記優先レベル順序に基づき、現在ログオン中の最上位の通信端末をログオフ状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数が所定呼数以上でない場合、優先レベル順序に基づき、ログオン中の最上位の通信端末を段階的にログオフ状態に切替設定して同通信端末のユーザを受付業務から元の業務に戻すことができる。
また、本発明の着信分配システムによれば、応答待ち着信呼数が、着信呼発生から所定時間、例えば30秒経過中の応答待ち着信呼の数に相当するようにしたので、顧客が30秒間以上待った応答待ち呼数が所定呼数以上の場合、所定レベル以外の新たな通信端末を受付業務に投入することができる。
以下、図面に基づいて本発明の着信分配システムに関わる実施の形態を示すACDシステムについて説明する。図1は本実施の形態を示すACDシステム内部の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すACDシステム1は、公衆網2と接続すると共に、複数の内線電話機3を収容接続する構内交換機4と、受付担当者の内線電話機3に対応付けて、LAN5と接続するパソコン端末6と、LAN5を通じて構内交換機4と接続すると共に、公衆網2を通じて顧客からの着信呼を自動分配するACD管理装置7とを有している。
構内交換機4は、公衆網2との通信インタフェースを司る複数の外線トランク11と、内線電話機3との通信インタフェースを司る複数の内線トランク12と、これら外線トランク11及び内線トランク12間の通話路を形成する通話路スイッチ13と、LAN5との通信インタフェースを司るLANインタフェース14と、局データ及び局プログラム等の各種データを記憶する記憶装置15と、この構内交換機4全体を制御する制御装置16と、通話路スイッチ13、LAN通信インタフェース14、記憶装置15及び制御装置16間のデータ伝送路となる内部バス17とを有している。
また、内線電話機3は、受付担当者毎に配置され、グループ単位で管理されているものとする。尚、受付担当者は、苦情及び、一般問合せ対処といった業務内容で分けられたグループ毎に通常担当者及び特別担当者に分別することができるものとする。
通常担当者は、グループ内の内線電話機3を通じてACD管理装置7に常時ログオンし、同グループへの顧客からの着信呼を受け付ける受付担当者に相当するものである。これに対して、特別担当者は、ACD管理装置7に対して常時ログオンしているのではなく、同グループへの応答待ち呼数がN個以上になると、ACD管理装置7に自動的にログオンし、同グループへの着信呼の受付を開始する受付担当者に相当するものである。尚、この特別担当者は同グループの業務内容を精通した担当者であることが望ましい。
尚、ACD管理装置7に対する内線電話機3のログオン操作は、図示せぬログオンボタン操作+ログオンID番号の入力操作に応じて行われるものとする。
図2は本実施の形態に関わるACD管理装置7内部の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すACD管理装置7は、LAN5との通信インタフェースを司るACD側インタフェース21と、ACD側インタフェース21を通じて構内交換機4と通信接続し、外線トランク11及び内線トランク12の通信状態を監視する通信状態監視部22と、ACDシステム1に関わる様々な情報を管理するACDデータベース23と、ACD管理装置7全体を制御するACD制御部24とを有している。
ACDデータベース23は、グループ毎の設定内容を管理するグループ管理テーブル31(図3参照)と、内線電話機3の内線番号を管理する内線番号管理テーブル32(図4参照)と、受付担当者の設定内容を管理する担当者管理テーブル33(図5参照)と、グループ単位で担当者のリアルタイム状況を管理するグループ状態管理テーブル34(図6参照)とを有している。
図3に示すグループ管理テーブル31は、同グループのグループ番号を識別するグループ番号31Aと、同グループへの特別担当者の受付業務投入タイミングに相当する応答待ち呼数閾値(所定呼数N)31Bと、グループ内の応答待ち呼数をカウントするためのカウント閾値(M秒)31Cと、特別担当者の受付業務投入後に同特別担当者を受付業務から解放するタイミングを計時する解放タイマ設定値(L秒)31Dとを有し、例えばグループG2の場合、応答待ち呼数閾値31Bは15個(N個)、カウント閾値31Cは30秒(M秒)、解放タイマ設定値31Dは30秒(L秒)とし、例えばグループG2への着信呼が発生すると、同着信呼毎に同着信呼の応答待ち時間がカウント閾値(M秒)31Cを超えると、応答待ち呼数を+1インクリメントし、同応答待ち呼数が応答待ち呼数閾値31BのN個以上になると、同グループG2に対して特別担当者を受付業務に投入するタイミングとするものである。
図4に示す内線番号管理テーブル32は、内線電話機3毎に内線番号32Aを登録管理しているものである。
図5に示す担当者管理テーブル33は、担当者毎に、ACD管理装置7に対するログオンID番号33Aと、同担当者の内線電話機3を識別する内線番号33Bと、同担当者の担当者名33Cと、同担当者の所属するグループを識別する担当グループ識別番号33Dと、同担当者の同グループでの担当レベル33Eとを登録管理している。
ログオンID番号33Aは、担当者が内線電話機3を通じてACD管理装置7にログオンする際に使用する識別番号に相当するものである。
担当レベル33Eは、担当グループ番号33D毎に設定可能であって、通常担当者の場合、業務への対処能力のレベルを最下位レベルから整数順に1、2、3…とし、特別担当者の場合、最下位レベルからアルファベット順にA,B,C…としている。尚、グループ及び、同グループ内の担当レベルは、内線電話機3を通じて指定変更可能である。
尚、担当者は、複数のグループに所属可能であるものとし、例えば“日立五郎”の場合、ログオンID番号33Aは“ID00100”、内線番号33Bは“4000”、担当グループ番号33DはグループG1及びグループGnに所属し、グループG1での担当レベル33Eは“A”、グループGnでの担当レベル33Eは“B”に相当するものである。また、担当者は、あるグループでは通常担当者、あるグループでは特別担当者といった具合に設定することも可能である。
図6に示すグループ状態管理テーブル34は、グループ毎に、同担当者のログオンID番号34Aと、担当レベル34Bと、同担当者の内線電話機3の内線番号34Cと、同担当者の内線電話機3の通信状態34Dとを管理し、例えばグループG1のログオンID番号34A“ID00001”の担当者は、担当レベル34Bが“1”、内線番号34Cが“3000”、通信状態34Dは“通話中”とし、例えばグループG1のログオンID番号34A“ID00100”の担当者は、担当レベル34Bが“A”、内線番号34Cが“4000”、通信状態34Eは“仮ログオン”ということになる。尚、仮ログオンとは、同グループに所属する特別担当者の内線電話機3がログオフ状態、すなわち受付業務投入前の状態に相当するものである。
また、図2に示すACD制御部24は、グループ毎に、同グループに対する顧客からの応答待ち呼数がN個(応答待ち呼数閾値31B)以上であるか否かを判定する待ち呼数判定部41と、通常担当者及び特別担当者の内線電話機3に対するログオン又はログオフを切替設定するログ設定部42と、グループ毎に構内交換機4を通じて同グループへの着信呼を検出すると、同着信呼を同グループ内の受付担当者(通常担当者及び特別担当者)の内線電話機3に自動分配する着信分配部43と、各種タイマを設定監視するタイマ監視部44とを有している。
タイマ監視部44は、グループ内への着信呼が発生すると、着信呼毎にカウント動作を開始し、同着信呼のカウント値が同グループのカウント閾値31C(M秒)を超えると、応答待ち呼数として+1インクリメントするものである。
ログ設定部42は、待ち呼数判定部41にて同グループに対する顧客の応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、特別担当者を同グループの受付業務に投入するタイミングであると判断し、特別担当者の担当レベル31Eに基づき、ログオフ中の最下位(A)の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定するものである。尚、最下位(A)の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定すると、同グループでは、同最下位(A)の特別担当者は、同ログオン中の内線電話機3を使用して顧客からの着信呼を受付けることができるものである。
また、ログ設定部42は、最下位(A)の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に設定した後、さらに待ち呼数判定部41にて同グループに対する顧客の応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、次位(B)の特別担当者を同グループの受付業務に投入するタイミングであると判断し、特別担当者の担当レベル31Eに基づき、ログオフ中の次位(B)の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定するものである。尚、担当レベル“B”の特別担当者の内線電話機3をログオン状態にした後、さらに同グループの応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、ログオフ中の次位(C)の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に設定する、すなわち担当レベルが下位の特別担当者から、A,B,C…の順に順次段階的に受付業務に投入されるものである。
また、ログ設定部42は、特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定した後、待ち呼数判定部41にて同グループに対する顧客の応答待ち呼数がN個以上でないと判定されると、タイマ監視部44を通じて解放タイマ設定値(L秒)31Dのタイマ動作を開始し、待ち呼数判定部41にて応答待ち呼数がN個以上でないと判定され、かつ解放タイマ設定値31Dがタイムアップしたと判定されると、現在ログオン中の最上位(例えばC)の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に切替設定するものである。尚、例えば担当レベル“C”の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に切替設定すると、同グループでは、担当レベル“C”の特別担当者は、同グループの受付業務から解放されて受付業務投入タイミング前の元の業務に戻ることができるものである。
また、ログ設定部42は、例えば担当レベル“C”の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に切替設定した後、なおも待ち呼数判定部41にて同グループに対する顧客の応答待ち呼数がN個以上でないと判定されると、タイマ監視部44を通じて再度解放タイマ設定値(L秒)31Dのタイマ動作を開始し、待ち呼数判定部41にて応答待ち呼数がN個以上でなく、かつ解放タイマ設定値がタイムアップしたと判定されると、現在ログオン中の最上位(例えば“B”)の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に切替設定するものである。尚、担当レベル“B”の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に切替設定すると、同グループでは、担当レベル“B”の特別担当者は、同グループの受付業務から解放されて受付業務投入タイミング前の元の業務に戻ることができ、すなわち担当レベルが上位の特別担当者から順次段階的に解放されるものである。
尚、請求項記載の着信分配システムはACDシステム1、構内交換機は構内交換機4、通信端末は内線電話機3、着信分配装置はACD管理装置7、レベル指定手段は内線電話機3、待ち呼数判定手段は待ち呼数判定部41、ログ設定手段及びログオン手段はログ設定部42に相当するものである。
次に本実施の形態を示すACDシステム1の動作について説明する。図7は本実施の形態を示すACDシステム1の動作を端的に示す説明図である。
グループG1は、担当レベル“1”の通常担当者、担当レベル“2”の通常担当者、担当レベル“3”の通常担当者の各内線電話機3をログオン状態とし、担当レベル“1”の通常担当者の内線電話機3に優先的に同グループの着信呼を自動分配し(ステップS11)、担当レベル“1”の全通常担当者が受付応答中となると(ステップS12)、同グループの着信呼を担当レベル“2”の通常担当者の内線電話機3に優先的に同グループの着信呼を自動分配する(ステップS13)。
また、担当レベル“2”の全通常担当者が受付応答中となると(ステップS14)、担当レベル“3”の通常担当者の内線電話機3に優先的に同グループの着信呼を自動分配する(ステップS15)。尚、ステップS15では、担当レベル“1”及び担当レベル“2”の全通常担当者は受付応答中であることを前提とする。例えば担当レベル“1”の一部の通常担当者が空き中の場合、担当レベル“2”の内線電話機3の全通常担当者が受付応答中であっても、同グループの着信呼を空き中の通常担当者に優先的に自動分配するものである。
また、担当レベル“3”の全通常担当者が受付応答中となると(ステップS16)、ログオフ(仮ログオン)中の最下位の担当レベル“A”の特別担当者の内線電話機3をログオン状態(本ログオン)に切替設定し(ステップS17)、担当レベル“A”の内線電話機3に優先的に同グループの着信呼を自動分配する(ステップS18)。
さらに、担当レベル“A”の全特別担当者が受付応答中となると(ステップS19)、ログオフ(仮ログオン)中の担当レベル“B”の特別担当者の内線電話機3をログオン状態(本ログオン)に切替設定し(ステップS20)、担当レベル“B”の内線電話機3に優先的に同グループの着信呼を自動分配し(ステップS21)、このように段階的に特別担当者を順次投入するものである。
では、特別担当者の受付業務への投入を実行する特別担当者受付処理について説明する。図8及び図9は本実施の形態に関わるACD管理装置7の特別担当者受付処理に関わるACD制御部の処理動作を示すフローチャートである。
図8及び図9に示す特別担当者受付処理とは、全通常担当者がグループ内の顧客の着信呼に対して受付応答中に、同グループ内の顧客の応答待ち呼数がN個以上となると、ログオフ(仮ログオン)中の特別担当者の内線電話機3をログオン状態(本ログオン)に切替設定して、同グループ内の応答待ち着信呼を受け付ける特別担当者を同グループの受付業務に投入する処理である。
図8においてACD制御部24は、待ち呼数判定部41を通じて同グループ内の応答待ち呼数がN個以上であるか否かを判定する(ステップS31)。
ACD制御部24は、待ち呼数判定部41を通じて同グループ内の応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、図6に示すグループ状態管理テーブル34のテーブル内容に基づき、ログオフ中(仮ログオン中)の担当レベル“A”の特別担当者がいるか否かを判定する(ステップS32)。
ACD制御部24は、ログオフ中の担当レベル“A”の特別担当者がいると判定されると、ログ設定部42を通じてログオフ中の担当レベル“A”の特別担当者の内線電話機3を自動的にログオン状態(本ログオン)に切替設定する(ステップS33)。尚、ログオフ中の担当レベル“A”の特別担当者の内線電話機3をログオン状態(本ログオン)に切替設定すると、担当レベル“A”の特別担当者は同グループの顧客の着信呼に対して受付応答可能となる。
ACD制御部24は、直近でログオン状態に切替設定した担当レベルの全特別担当者が受付応答中であるか否かを判定する(ステップS34)。尚、直近でログオン状態に切替設定した担当レベルの特別担当者は、直近で投入された特別担当者に相当するものである。
ACD制御部24は、直近でログオン状態に切替設定した担当レベルの全特別担当者が受付応答中、すなわち直近で投入された全特別担当者が受付応答中であると判定されると、待ち呼数判定部41を通じて現在の応答待ち呼数がN個以上であるか否かを判定する(ステップS35)。
ACD制御部24は、現在の応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、図6に示すグループ状態管理テーブル34内の担当レベル34Bに基づき、ログオフ(仮ログオン)中の次位(例えば担当レベル“A”の次位に相当する“B”)の特別担当者がいるか否かを判定する(ステップS36)。
ACD制御部24は、ログオフ(仮ログオン)中の次位の特別担当者がいると判定されると、ログ設定部42を通じてログオフ中の次位の特別担当者の内線電話機3を自動的にログオン状態(本ログオン)に切替設定し(ステップS37)、同次位の特別担当者が受付応答中であるか否かを判定すべく、ステップS34に移行する。尚、ステップS37にてログオフ中の次位の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定すると、次位の特別担当者は同グループの顧客の着信呼に対して受付応答可能となる。
また、ACD制御部24は、ステップS31にて現在の応答待ち呼数がN個以上でないと判定されると、又はステップS32にて担当レベル“A”の特別担当者がないと判定されると、この特別担当者受付処理の処理動作を終了する。
また、ACD制御部24は、ステップS34にて直近でログオン状態に切替設定した担当レベルの全特別担当者が受付応答中、すなわち直近で投入された全特別担当者が受付応答中でないと判定されると、待ち呼数判定部41を通じて現在の応答待ち呼数がN個以上であるか否かを判定する(ステップS38)。
ACD制御部24は、ステップS38にて現在の応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、直近でログオン状態に切替設定した担当レベルの全特別担当者が受付応答中、すなわち直近で投入された全特別担当者が受付応答中であるか否かを判定すべく、ステップS34に移行する。
ACD制御部24は、ステップS38にて現在の応答待ち呼数がN個以上でないと判定されると、又はステップS35にて現在の応答待ち呼数がN個以上でないと判定されると、現在ログオン中の特別担当者がいるか否かを監視すべく、図9に示すM1に移行する。
また、ACD制御部24は、ステップS36にてログオフ中の次位の特別担当者がいないと判定されると、直近でログオン状態に切替設定した担当レベルの全特別担当者が受付応答中、すなわち直近で投入された全特別担当者が受付応答中であるか否かを判定すべく、ステップS34に移行する。
図9に示すM1においてACD制御部24は、現在ログオン中の特別担当者がいるか否かを判定する(ステップS41)。
ACD制御部24は、現在ログオン中の特別担当者がいると判定されると、現在ログオン中の特別担当者の内、最上位の特別担当者の着信受付を解放すべく、図3に示す同グループに対応した解放タイマ設定値(L秒)31Dのタイマ動作を開始し(ステップS42)、待ち呼数判定部41を通じて現在の応答待ち呼数がN個以上であるか否かを判定する(ステップS43)。
ACD制御部24は、待ち呼数判定部41を通じて現在の応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、ステップS42にて開始した解放タイマ設定値(L秒)31Dのタイマ動作がタイムアップしたか否かを判定する(ステップS44)。
ACD制御部24は、解放タイマ設定値(L秒)31Dのタイマ動作がタイムアップしたと判定されると、ログ設定部42を通じて、現在ログオン中の特別担当者の内、最上位レベルの特別担当者の内線電話機3のログオン状態をログオフ状態に切替設定、すなわち最上位レベルの特別担当者の本ログオンを解放して仮ログオン状態とし(ステップS45)、現在の応答待ち呼数がN個以上であるか否かを判定すべく、図8に示すM2に移行する。尚、仮ログオン状態になった特別担当者、受付業務投入前の元の業務に復帰できるものとする。
ACD制御部24は、ステップS41にて現在ログオン中の特別担当者がいないと判定されると、全ての特別担当者の受付が解放されたものと判断し、応答待ち呼数がN個以上であるか否かを監視すべく、図8に示すM4に移行する。
ACD制御部24は、ステップS43にて応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、依然として特別担当者の投入が必要であると判断し、現在ログオフ中の次位の特別担当者がいるか否かを判定すべく、図8に示すM3に移行する。
また、ACD制御部24は、ステップS44解放タイマ設定値(L秒)31Dのタイマ動作がタイムアップしたのでなければ、現在の応答待ち呼数がN個以上であるか否かを判定すべく、ステップS43に移行する。
図8及び図9に示す特別担当者受付処理によれば、全通常担当者がグループ内の顧客の着信呼に対して受付応答中に、同グループ内の応答待ち呼数がN個以上となると、ログオフ(仮ログオン)中の特別担当者の担当レベルの最下位レベルから、現在ログオフ(仮ログオン)中の特別担当者の内線電話機3を順次ログオン(本ログオン)させ、特別担当者をグループ内の着信受付業務に順次投入するようにしたので、新たな特別担当者を自動的に受付業務に投入することで着信受付業務を円滑に進めることができる。
また、特別担当者受付処理によれば、特別担当者のグループ投入後、同グループにおける現在の応答待ち呼数がN個以上にないと判定されると、ログオン中の特別担当者の担当レベルの最上位レベルから、現在ログオン中の特別担当者の内線電話機3を順次ログオフするようにしたので、特別担当者が現在の受付業務から自動的に解放されて、受付業務投入前の元の業務に順次復帰することができる。
本実施の形態によれば、通常担当者とは異なる特別担当者の内線電話機3を構内交換機4に収容接続し、ログオン中の通常担当者の内線電話機3の現在応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、ログオフ中の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定し、ログオン中の通常担当者及び特別担当者の内線電話機に対して、着信呼を分配するようにしたので、現在の応答待ち呼数がN個以上となると、新たな特別担当者を自動的に受付業務に投入することで着信受付業務を円滑に進めることができる。
本実施の形態によれば、現在の応答待ち呼数がN個以上でないと判定されると、ログオン中の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち着信呼数がN個未満となると、特別担当者が現在の受付業務から自動的に解放されて、受付業務投入前の元の業務に復帰することができる。
本実施の形態によれば、特別担当者毎に担当レベル順序を予め登録管理しておき、現在の応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、特別担当者の担当レベル順序に基づき、ログオフ(仮ログオン)中の最下位の特別担当者の内線電話機3からログオン状態に順次切替設定するようにしたので、現在の応答待ち呼数がN個以上の場合、特別担当者の担当レベル順序に基づき、ログオフ中の特別担当者の内線電話機3を段階的にログオン状態に切替設定して、新たな特別担当者を段階的に受付業務に投入することで同受付業務を円滑に進めることができる。
本実施の形態によれば、特別担当者の担当レベル順序に基づき、ログオフ中の最下位の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定した後、現在の応答待ち呼数がN個以上であると判定されると、担当レベル順序に基づき、ログオフ(仮ログオン)中の次位の特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち呼数がN個以上の場合、特別担当者の担当レベル順序に基づき、ログオフ中の次位の特別担当者の内線電話機3を段階的にログオン状態に切替設定して、新たな特別担当者を段階的に受付業務に投入することで同受付業務を円滑に進めることができる。
また、本実施の形態によれば、特別担当者の担当レベル順序に基づき、特別担当者の内線電話機3をログオン状態に切替設定した後、現在の応答待ち呼数がN個以上でないと判定されると、担当レベル順序に基づき、現在ログオン中の最上位の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に順序切替設定するようにしたので、現在の応答待ち呼数がN個未満の場合、特別担当者の担当レベル順序に基づき、ログオン中の最上位の特別担当者の内線電話機3を段階的にログオフ状態に切替設定して特別担当者を受付業務から元の業務に戻すことができる。
また、本実施の形態によれば、特別担当者の担当レベル順序に基づき、現在ログオン中の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に切替設定した後、現在の応答待ち呼数がN個以上でないと判定されると、担当レベル順序に基づき、現在ログオン中の最上位の特別担当者の内線電話機3をログオフ状態に切替設定するようにしたので、現在の応答待ち呼数がN個未満の場合、特別担当者の担当レベル順序に基づき、ログオン中の最上位の特別担当者の内線電話機3を段階的にログオフ状態に切替設定して特別担当者を受付業務から元の業務に戻すことができる。