JP4646559B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、導電性高分子を含むアクチュエータ及びその駆動方法に関する。
ポリピロールに代表される導電性高分子は、電気化学的な酸化還元により伸縮若しくは変形する現象である電解伸縮を発現することが知られている。この導電性高分子の電解伸縮は、リニアアクチュエータの駆動として使用することが可能である。そのため、導電性高分子を用いたアクチュエータは、軽量であることから組み込まれる装置全体の重量を軽減することが可能であり、マイクロマシン等の小型の駆動装置のみならず、大型の駆動装置として用いられることが期待され、特に、人工筋肉、ロボットアーム、義手やアクチュエータ等の用途として応用が期待されている。特に、ポリピロールを用いたリニアアクチュエータは、電解伸縮によって、1酸化還元サイクル当たり最大で15.1%の伸縮率を示し、最大で22MPaの力を発生することができる(例えば、非特許文献1)。そのため、大型の駆動装置として期待される。
原進、外4名、「高伸縮かつ強力なポリピロールリニアアクチュエータ(Highly Stretchable and Powerful Polypyrrole Linear Actuators)」、ケミストリーレターズ(Chemistry Letters)、日本、日本化学会発行、2003年、第32巻、第7号、p576-577
しかし、アクチュエータを、ロボットの関節部分に用いるなど、多くの実用的な用途に用いるには、より大きな伸縮量を得るために、アクチュエータを長くする必要がある。また、アクチュエータの性能により大きな伸縮量を得るためには、更なる製造方法・材料開発が必要である。従って、更に大きな伸縮量を得るためには、導電性高分子の伸縮量をより大きな距離の運動に変換することができる機構がアクチュエータとして求められる。
本発明の目的は、導電性高分子を用いていることにより軽量であり、しかも、多くの実用的な用途に用いることができるために、より大きな動作をすることができる機構を備えたアクチュエータを提供することである。
本願発明は、アクチュエータが膜状の導電性高分子と押圧部とを備え、該導電性高分子が張られた状態であり、該押圧部が、平らな膜状態における該導電性高分子の平面に対する垂線方向に長さを有するアクチュエータである。本発明者らは、鋭意検討の結果、前記アクチュエータを用いることにより、アクチュエータが導電性高分子の伸縮量よりも大きな動作をすることを見出した。
前記アクチュエータは、大きな動作をすることができる機構を備えたアクチュエータとして、実用的用途に有用である。
以下、本発明のアクチュエータについて図を用いて説明する。
図1は、本発明のアクチュエータにおける第一の実施態様例の上面図である。アクチュエータ1は、筐体中に円形である膜状の導電性高分子を備え、前記導電性高分子を固定するリング状の固定枠2を備えている。さらに、アクチュエータ1は蓋体3を備える。前記蓋体を押さえるための枠4は、蓋体を挟んで螺子5により筐体に固定される。
図2は、図1のアクチュエータのA−A断面図である。円形の膜状導電性高分子6が備えられ、固定枠2により筐体7に取付けられている。アクチュエータ1には、押圧部8を備えている。前記押圧部は、前記導電性高分子が平らな膜状態であったときの前記導電性高分子の平面に対する垂線方向Xに、長さを有している。
図2のアクチュエータにおいては、さらに蓋体3を備えている。前記蓋体は、断面が波状であり、導電性高分子膜の円形と同心円となる山部分及び谷部分を備えることにより、伸縮が自在にできるように弾性を有している。蓋体3は、中心部分において肉厚部を有し、該肉厚の凹部において押圧部8が嵌合している。これにより前記導電性高分子と伸縮性蓋体が密閉された空間部を形成し、該空間部の内部に前記押圧部を備えることとなる。
図2のアクチュエータにおいては、固定枠2に通電性を持たせ、固定枠を作用電極として円形の導電性高分子膜6に電圧を印加することにより、導電性高分子6を収縮させた場合には、該導電性高分子は、断面が水平方向に直線上となって、円筒状の押圧部8にX方向の力を与える。導電性高分子の収縮により、前記押圧部は、上方向に動作する。また、印加電圧の解放等がされた場合には蓋体の弾性により前記押圧部が導電性高分子膜6を下方向に押して、図2に示された状態にもどり、押圧部は下方向に動作する。このようにして、押圧部は、導電性高分子への電圧印可により、動作することになる。
図3は、図1のアクチュエータのB−B断面図の部分拡大図である。図1のアクチュエータにおいては、固定枠2は通電性を有し、電極としても機能する。図3において、固定枠2は、リード線10が接続されて、外部電源と繋がって、作用極として機能する。筐体7には内側面に対極9を備える。対極9は、リード線11が接続され、前記外部電源と繋がる。前記アクチュエータは、筐体7の内側に電解液を充填するなど、導電性高分子膜6が電解伸縮するように電解質を配置して、電源から電圧を導電性高分子膜6に印加すると、動作を生じる。
本発明のアクチュエータにおいて、膜状の導電性高分子に電圧が印加されて押圧部が直線運動をすることにより、前記押圧部は、導電性高分子の伸縮量よりも長い距離の上下運動をすることができる。従って、本発明のアクチュエータは、多くの実用的な用途に好適に用いることができる。
また、本発明のアクチュエータは、2つのアクチュエータの筐体の底面を互いに合わせた構造とすることで、上下に駆動するタンデム型のアクチュエータとすることもできる。
前記導電性高分子は、特に限定されるものではないが、電解重合法により製造された導電性高分子であって、前記電解重合法が、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含む電解液を用い、前記電解液中にトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含むものである、導電性高分子が好ましい。
前記電解重合法に用いられる電解液には、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/またはハロゲン化炭化水素を溶媒として含まれる。これらの溶媒を2種以上併用することもできる。
前記有機化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン(以上、エーテル結合を含む有機化合物)、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸-t-ブチル、1,2−ジアセトキシエタン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジエチル(以上、エステル結合を含む有機化合物)、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート(以上、カーボネート結合を含む有機化合物)、エチレングリコール、ブタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール(以上、ヒドロキシル基を含む有機化合物)、ニトロメタン、ニトロベンゼン(以上、ニトロ基を含む有機化合物)、スルホラン、ジメチルスルホン(以上、スルホン基を含む有機化合物)、及びアセトニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル(以上、ニトリル基を含む有機化合物)を例示することができる。なお、ヒドロキシル基を含む有機化合物は、特に限定されるものではないが、多価アルコール及び炭素数4以上の1価アルコールであることが、伸縮率が良いために好ましい。なお、前記有機化合物は、前記の例示以外にも、分子中にエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち、2つ以上の結合あるいは官能基を任意の組合わせで含む有機化合物であってもよい。また、電解液の溶媒として用いられる前記有機化合物は、得られた導電性高分子の電気化学的な伸縮(電解伸縮)が大きいことから、芳香族エステルであることが好ましく、安息香酸エチルであることがより好ましい。
前記有機化合物は、前記有機化合物を2種以上混合して電解液の溶媒に用いる場合には、エーテル結合を含む有機化合物、エステル結合を含む有機化合物、カーボネート結合を含む有機化合物、ヒドロキシル基を含む有機化合物、ニトロ基を含む有機化合物、スルホン基を含む有機化合物、及びニトリル基を含む有機化合物のうち、伸張に優れた有機化合物と収縮に優れた有機化合物とを組合わせて、電解重合により得られた導電性高分子の1酸化還元サイクル当たりの伸縮率の向上を図ることもできる。
前記の電解重合法の電解液に溶媒として含まれるハロゲン化炭化水素は、炭化水素中の水素が少なくとも1つ以上ハロゲン原子に置換されたもので、電解重合条件で液体として安定に存在することができるものであれば、特に限定されるものではない。前記ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンを挙げることができる。前記ハロゲン化炭化水素は、1種類のみを前記電解液中の溶媒として用いることもできるが、2種以上併用することもできる。また、前記ハロゲン化炭化水素は、上記の有機化合物との混合して用いてもよく、該有機溶媒との混合溶媒を前記電解液中の溶媒として用いることもできる。
前記電解重合法に用いられる電解液には、電解重合される有機化合物(例えば、ピロール)およびトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む。この電解液を用いて電解重合を行うことにより、電解伸縮において1酸化還元サイクル当たりの伸縮率及び/または特定時間あたりの変位率が優れた導電性高分子を得ることができる。上記電解重合により、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンが導電性高分子に取り込まれることになる。
前記トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、電解液中の含有量が特に限定されるものではないが、電解液中に0.1〜30重量%含まれるのが好ましく、1〜15重量%含まれるのがより好ましい。
トリフルオロメタンスルホン酸イオンは、化学式CFSO で表される化合物である。また、中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素等の中心原子に複数のフッ素原子が結合をした構造を有している。中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンとしては、特に限定されるものではないが、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF )、及びヘキサフルオロヒ酸イオン(AsF )を例示することができる。なかでも、CFSO 、BF 及びPF が人体等に対する安全性を考慮すると好ましく、CFSO 及びBF がより好ましい。前記の中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、1種類のアニオンを用いても良く、複数種のアニオンを同時に用いても良く、さらには、トリフルオロメタンスルホン酸イオンと複数種の中心原子に対しフッ素原子を複数含むアニオンとを同時に用いても良い。
前記電解液中に、上記以外のドーパントを含んでいても良い。本願発明のアクチュエータに用いられる導電性高分子は、電解重合法を用いたポリピロールの製造方法により得られたポリピロールを含む導電性高分子であって、前記製造方法が、電解重合法に用いられる電解液がピロール及び/又はピロール誘導体をモノマー成分として含み、前記電解液が芳香族エステルを溶媒として含み、前記電解液が過塩素酸イオンを含むポリピロールの製造方法であることが好ましい。このポリピロール膜は、電解伸縮による最大の伸縮率として、1酸化還元当たりの伸縮率が10%以上の伸縮をすることができ、しかも引張り強度が60MPa以上である。
また、得られた導電性高分子の1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が16%以上とするために、前記電解液中に、上記のトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンの替りに、化学式(1)
(C(2n+1)SO)(C(2m+1)SO)N- (1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンをアニオンとして含む電解液を用いることが好ましい。
前記電解重合法に用いられる電解液には、前記有機化合物溶媒と前記トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンとの溶液中に、導電性高分子の単量体を含むことができる。前記電解液中には、さらにポリエチレングリコールやポリアクリルアミドなどの公知のその他の添加剤を含むこともできる。
前記電解重合法は、導電性高分子単量体の電解重合として、公知の電解重合方法を用いることが可能であり、定電位法、定電流法及び電気掃引法のいずれをも用いることができる。例えは、前記電解重合は、電流密度0.01〜20mA/cm2、反応温度−70〜80℃、好ましくは電流密度0.1〜2mA/cm、反応温度―30〜40℃の条件下で行うことが好ましく、反応温度が−20〜30℃の条件であることがより好ましい。
前記電解重合法に用いられる電解液に含まれる導電性高分子の単量体としては、電解重合による酸化により高分子化して導電性を示す化合物であれば特に限定されるものではなく、例えばピロール、チオフェン、イソチアナフテン等の複素五員環式化合物及びそのアルキル基、オキシアルキル基等の誘導体が挙げられる。その中でもピロール、チオフェン等の複素五員環式化合物及びその誘導体が好ましく、特にピロール及び/またはピロール誘導体を含む導電性高分子であることが、製造が容易であり、導電性高分子として安定であるために好ましい。また、上記モノマーは2種以上併用することができる。
本発明における導電性高分子は、伸縮性を有していれば、特に限定されるものではなく、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンフィルムなど用いることができる。前記導電性高分子としては、分子鎖にピロール及び/またはピロール誘導体を含む導電性高分子であることが、製造が容易であり、導電性高分子として安定であるだけではなく、電解伸縮性能に優れているために好ましい。前記導電性高分子は、電解液に含まれていたトリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを、ドーパントとして含むために、電解伸縮において優れた1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を示し、特定時間あたりの変位率をも示すものと考えられる。なお、前記導電性高分子が電解伸縮により最大の伸縮率が8%以上である導電性高分子を材料として含み、駆動機構の駆動時における前記駆動部の伸縮率を最大の伸縮率の50%以下となるように前記駆動部を伸縮させる駆動機構の駆動方法を用いることにより、駆動部を長くすることにより伸縮量を大きくすることができ、伸縮速度を速くすることができる。
本発明のアクチュエータにおける膜状導電性高分子は、膜状であれば、円形、四角形、長方形でも良い。膜状体である前記膜状導電性高分子の形状としては、伸縮による力を押圧部に均等に掛けることができるので、円形が好ましい。
また、前記押圧部は、特に限定されないが、力を分散させないために、白金等の貴金属、カーボンまたは硬質プラスチックで形成されていることが好ましく、電解質と接触する場合には、耐食性を有することが好ましい。また、前記押圧部は、直接導電性高分子と接触しても良く、膜状の導電性高分子との間にスペーサーを介してもよい。前記押圧部の形状は、特に限定されないが、伸縮の長さを有し、アクチュエータ自体の大きさを小さくすることから、長さ棒状、円筒状、柱状が好ましい。
前記固定枠は、材質が特に限定されるものでは無い。前記固定枠としては、膜状の導電性高分子に電圧を印加するための作用極を別個に設ける必要がないことから、通電性を有して導電性高分子に電圧を印加し、かつ、導電性高分子を固定するものであることが好ましい。
図4(a)、(b)は、本発明のアクチュエータにおける第二の実施態様例の断面図である。図4(a)は、膜状の導電性高分子が収縮した場合の断面図である。図4(b)は、膜状の導電性高分子が伸長した場合の断面図である。アクチュエータ12は、ハウジング13の内側に膜状の導電性高分子14を備え、ハウジング13の上面に押圧部15を備える。アクチュエータ12は、固定部材16がハウジング13との間に導電性高分子14を挟持することで、膜状の導電性高分子を固定している。
図5は、図4のアクチュエータの底面図である。ハウジング17の切り込みに固定部材16の爪部17を係合させることにより、固定部材がハウジングに設置される。固定部材16は、導電性高分子14に通じる貫通孔18を備えている。
図6は、図4(a)、(b)のアクチュエータを用いたピストン装置の断面図である。アクチュエータ121〜126は、一のアクチュエータの押圧部が、他のアクチュエータの固定部材における孔部に挿入されて、ケース19の内部において積層されている。ケース19には、作用電極20を備え、該作用電極がアクチュエータ126の導電性高分子に接触するようになっている。アクチュエータの側面に項を設けるなどして、アクチュエータ素子積層体の各導電性高分子と作用電極とが、直列となるようにリード線で接続されている。ケース19の内部に対極21を設けている。ケース19の内部を電解液で満たし、作用電極及び対極に電圧を印加することで、各アクチュエータ素子の導電性高分子を電解伸縮するようにすることができる。この状態で、図6における各アクチュエータの導電性高分子を、伸長した状態から伸縮した状態とすることで、図の左方向にアクチュエータが動作して、アクチュエータ121の上面に取付けられたロッド22が左方向に動作する。また、各アクチュエータ素子の導電性高分子の印加電圧を解放するなどにより、図6の様に導電性高分子が伸長した状態とすることで、バネ23により各アクチュエータが右側に戻されて、ロッドが右方向に動作する。このロッドの動作により、ピストン装置19はピストンとして機能する。
また、本発明のアクチュエータは、膜状の導電性高分子を複数備えても良い。図7は、本発明のアクチュエータの第三の実施態様例についての断面図である。アクチュエータ30は、膜状の導電性高分子31、32を備え、平らな膜状態における該導電性高分子の平面に対する垂線方向に長さを有する押圧部33を備える。各導電性高分子膜は、それぞれ固定枠34、35で筐体36に固定されている。例えば、筐体の側面に孔を設けてリード線を通し、該リード線を通電性を有する固定枠34、35に接続し、各リード線を電源に繋いだ後にアクチュエータ30を電解液中に浸漬して、各導電性高分子膜に電圧を印加すると、各導電性高分子は電解伸縮を生じる。図7においては導電性高分子膜32が伸長し、導電性高分子膜31が収縮している状態である。電解伸縮により導電性高分子膜31が伸長し、導電性高分子膜32が収縮して、押圧部33は、図の右に駆動する。
一の導電性高分子膜が作用電極となって、他の導電性高分子膜が対極となった後に、一の導電性高分子膜を対極とし、他の導電性高分子膜を作用電極とするサイクルを繰り返すことにより、図の左右方向に押圧部をさせることができる。なお、膜状の導電性高分子の表面に、均一な電圧を印加するために伸縮可能な金属層を設けることもできる。
図8は、本発明のアクチュエータを用いた関節装置の模式図である。関節装置40は、第一支持部材41と第二支持部材42とを備え、外筒43内において本発明のアクチュエータが複数積層されている。ここで、アクチュエータ44において、押圧部の押圧方向軸が前記アクチュエータの中心から外れるように、押圧部を設けることにより、各アクチュエータが駆動することで図8に示すように湾曲した動作をすることが可能となる。本発明のアクチュエータを用いることにより、軽量な関節装置を得ることができる。
図9も、図8と同様に、本発明のアクチュエータを用いた関節装置の模式図である。関節装置50は、第一支持部材51と第二支持部材53とを備え、外筒53内において本発明のアクチュエータが複数積層されている。アクチュエータ54は、上下に駆動する既述のタンデム型のアクチュエータであり、押圧部の押圧方向軸が前記アクチュエータの中心から外れるように、押圧部が設置されている。これにより図9の関節装置では、図8の関節装置に比べて、少ないアクチュエータの個数で大きな湾曲をすることができる。
また、本発明のアクチュエータは、上記の関節装置と同様に、積層させることによって人工の背骨としても用いることができる。
また、本発明のアクチュエータは、導電性高分子に電圧を印加することにより駆動するので、軽量な装置としての位置決め装置、姿勢制御装置、昇降装置、搬送装置、移動装置、調節装置、調整装置、誘導装置、または関節装置の駆動部に、好適に用いることができる。また、本発明のアクチュエータは、軽量な関節装置、人工背骨に用いることができる。
本発明のアクチュエータは、駆動部に導電性高分子を用いている為に、軽量であり、しかも、導電性高分子の伸縮量よりも大きな、動作をすることができる機構を備えているので、多くの実用的な用途に好適に用いることができる。特に、本発明のアクチュエータは、位置決め装置、姿勢制御装置、昇降装置、搬送装置、移動装置、調節装置、調整装置、誘導装置、または関節装置の駆動部、軽量な関節装置または人工背骨に用いるアクチュエータとして好適である。
本発明のアクチュエータにおける第一の実施態様例の上面図。 図1のアクチュエータのA−A断面図。 図1のアクチュエータのB−B断面図の部分拡大図。 (a) 本発明のアクチュエータにおける第二の実施態様例において膜状の導電性高分子が収縮した場合の断面図。 (b) 本発明のアクチュエータにおける第二の実施態様例において膜状の導電性高分子が伸長した場合の断面図。 図4のアクチュエータの底面図。 図4のアクチュエータを用いたピストン装置の断面図。 本発明のアクチュエータの第三の実施態様例についての断面図。 本発明のアクチュエータを用いた関節装置の模式図。 本発明のタンデム型のアクチュエータを用いた関節装置の模式図。
符号の説明
1 アクチュエータ
2 固定枠
3 蓋体
4 枠
5 螺子
6 膜状導電性高分子
7 筐体
8 押圧部
9 対極
10 リード線
11 リード線
12 アクチュエータ
13 ハウジング
14 導電性高分子
15 押圧部
16 固定部材
17 ハウジング
18 貫通孔
19 ケース
20 作用電極
21 対極
22 ロッド
23 バネ
30 アクチュエータ
31、32 導電性高分子
33 押圧部
34、35 固定枠
36 筐体
40 関節装置
41 第一支持部材
42 第二支持部材
43 外筒
44 アクチュエータ
50 関節装置
51 第一支持部材
52 第二支持部材
53 外筒
54 アクチュエータ



Claims (10)

  1. アクチュエータが膜状の導電性高分子と押圧部とを備え、該導電性高分子が張られた状態であり、該押圧部が、平らな膜状態における該導電性高分子の平面に対する垂線方向に長さを有するアクチュエータであって、
    前記導電性高分子が、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンまたはポリフェニレンを含み、
    前記押圧部は、前記押圧部の長さ軸方向に前記導電性高分子の膜面から力を受けるように設置されている、アクチュエータ。
  2. 前記導電性高分子が筐体内側に固定枠で固定され、前記固定枠が通電性を有する請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記導電性高分子と密閉された空間部を形成する伸縮性蓋体を備え、該伸縮性蓋体に前記押圧部の一方端が固定され、該空間部の内部に前記押圧部を備えて、該押圧部の他方端が前記導電性高分子の膜面に接触する構成である、請求項1に記載のアクチュエータ。
  4. 前記伸縮性蓋体を前記導電性高分子の膜で構成し、前記押圧部の一方端を一方の導電性高分子の膜に固定し、当該押圧部の他方端を他方の導電性高分子の膜に固定する、請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 前記押圧部の押圧方向軸が前記アクチュエータの中心から外れるように、前記押圧部が設置されている請求項1に記載のアクチュエータ。
  6. 前記導電性高分子として最大伸縮率が8%以上である導電性高分子を用いた請求項1に記載のアクチュエータ。
  7. 請求項1に記載のアクチュエータを用いた位置決め装置、姿勢制御装置、昇降装置、搬送装置、移動装置、調節装置、調整装置、誘導装置、関節装置、または人工背骨。
  8. 前記請求項1に記載のアクチュエータを複数積層してなるアクチュエータ積層体であって、
    前記アクチュエータは、膜状の導電性高分子を筐体の内側に固定枠で固定してなり、かつ、当該筐体の上面に押圧部を形成してなり、
    前記押圧部が、積層される次のアクチュエータの導電性高分子膜面に固定枠側から挿入されて接触するように積層されてなる、アクチュエータ積層体。
  9. 前記押圧部の押圧方向軸が前記アクチュエータの中心から外れるように、前記押圧部が設置されている、請求項8に記載のアクチュエータ積層体。
  10. 請求項8または9に記載のアクチュエータ積層体を用いた関節装置。
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