JP5181143B2 - 面状デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、導電性高分子のアクチュエータ素子を用いた面状デバイスに関する。
直動するアクチュエータにおいて、厚みが数mmの薄型の面状デバイスは、例えば、ピエゾ素子、ボイスコイル、油圧シリンダー、空圧シリンダー等に代表される、圧電アクチュエータ、電磁アクチュエータ、流体アクチュエータがある。
近年、直動するアクチュエータには、その小型化、構造容易性、低印加電圧駆動等が要求されている。しかしながら、上記のアクチュエータは、以下の問題がありこの要求を満足しない。すなわち、ピエゾ素子は、直動変位が小さく、高印加電圧を必要とする。また、ボイスコイルは、構造が複雑で、部品点数が多く、重い。また、油圧/空圧シリンダーは、駆動音が大きく、また、その構成部品によりアクチュエータの小型化に限界があり、大きな駆動源を必要とする。
ところで、導電性高分子を用いたリニアアクチュエータが知られている。このアクチュエータは、軽量であることから組み込まれる装置全体の重量を軽減することが可能であり、マイクロマシン等の小型の駆動装置のみならず、大型の駆動装置として用いられることが期待されている。なかでも特に、人工筋肉、ロボットアーム、義手やアクチュエータ等の用途として応用が期待されている。たとえばポリピロールを用いたリニアアクチュエータは、電解伸縮によって、1酸化還元サイクル当たり最大で15.1%の伸縮率を示し、最大で22MPaの力を発生することができる(例えば、非特許文献1参照)。
原進、外4名、「高伸縮かつ強力なポリピロールリニアアクチュエータ(Highly Stretchable and Powerful Polypyrrole Linear Actuators)」、ケミストリーレターズ(Chemistry Letters)、日本、日本化学会発行、2003年、第32巻、第7号、p576−577。
本発明の目的は、従来の直動変位アクチュエータと比較し、低印加電圧駆動、無音、軽量化、小型化、構造容易性に優れた直動変位の面状デバイスを提供することである。
本発明者は、軽量、小型化、構造容易性等に優れた、上記の導電性高分子材料に着目し、この導電性高分子材料を用いた直動変位可能なデバイスの開発に着手し、鋭意研究を重ねた結果、本発明をするに至ったものである。
すなわち、本発明の面状デバイスは、導電性高分子アクチュエータと、当該導電性高分子アクチュエータに対する駆動電解液を含む基材とを有するアクチュエータ素子と、
前記アクチュエータ素子に対する印加電極であって、アクチュエータ素子を部分的にさらす開孔部を有する電極部材とを備え、
前記アクチュエータ素子に対する印加電圧を制御することによって、前記開孔部内に位置するアクチュエータ素子がその厚み方向に直動変位することを特徴とする。
この構成の作用効果を以下に示す。面状デバイスは、アクチュエータ素子と電極部材を備えて構成されている。アクチュエータ素子は、導電性高分子アクチュエータと基材を有し、例えば、基材の両面に導電性高分子アクチュエータが設けられる構成、或いは一方の面側のみに導電性高分子アクチュエータが設けられる構成がある。一方の面側のみに導電性高分子アクチュエータが設けられている場合、その他方面側に、導電性の部材を設けることが好ましい。基材は、駆動電解液を含み、この駆動電界液は、導電性高分子アクチュエータに対して作用する駆動液の機能を有している。電極部材は、アクチュエータ素子に対する印加電極として機能するとともに、開孔部を有し、この開孔部からアクチュエータ素子の表面が外観できるようになっている。この開孔部内に位置するアクチュエータ素子が直動変位するように構成される。
電極部材は、例えば、面状のアクチュエータ素子の両面側に設置され、一方の面に対して正極の電圧を印加し、他方の面を負極とするように構成する。正極の電圧が導電性高分子アクチュエータに印加されると、導電性高分子アクチュエータの面方向の伸長による面積変化が生じる。一方、負極の電圧が導電性高分子アクチュエータに印加されると、導電性高分子アクチュエータの面方向の収縮による面積変化が生じる。すなわち、印加電圧を制御することで、導電性高分子アクチュエータがその面方向に伸縮することにより、アクチュエータ素子が規制されていない開孔部からアクチュエータ素子の厚み方向の直動変位を取り出すことができる。
また、本発明の面状デバイスの実施形態として、導電性高分子アクチュエータを基材の少なくとも片面に構成することが好ましく、その他方面側には、導電性部材を設けるように構成する。ここでの導電性部材は、金属、貴金属、又は基材の反対面に設けられた導電性高分子アクチュエータの材料と同一の導電性高分子材料が挙げられるが、特に反対面と同一の導電性高分子材料を設けることが好ましい。同一の材料で構成することにより、導電性高分子アクチュエータの伸縮挙動がより好ましく実現されるからである。
また、本発明の面状デバイスの他の実施形態として、同じ又は略同じ厚みの導電性高分子アクチュエータを絶縁基材の両面に構成し、アクチュエータ素子に対する印加電圧の極性を制御することによって、開孔部内に位置するアクチュエータ素子がその厚み方向に直動変位するように構成できる。この構成により、例えば、正極に印加された導電性高分子アクチュエータが伸長し、負極に印加された導電性高分子アクチュエータが収縮することによって、開孔部に位置するアクチュエータ素子の正極印加面が凸形状となり、負極印加面が凹形状となる。そして、アクチュエータ素子に対する印加電圧の極性制御を、例えば、正極から負極へ互いに反転させるように制御することで、常に、正極印加面が凸形状、負極印加面が凹形状となり、極性の反転に応じて開孔部におけるアクチュエータ素子の形状を凸形状から凹形状へ、凹形状から凸形状へと切り替えることができる。
また、本発明の面状デバイスの他の実施形態として、所定の厚みの導電性高分子アクチュエータを基材の片面に構成し、正極に印加された導電性高分子アクチュエータが伸長することによって、開孔部に位置するアクチュエータ素子による押し上げ力を形成する。この構成によれば、基材の一方の面に所定厚みの導電性高分子アクチュエータを設け、その他方面側に導電性部材を設けるように構成する。そして、例えば、予め開孔部から導電性高分子アクチュエータ面を上側に凸形状に形成した場合、導電性高分子アクチュエータを正極に印加することで凸形状の頂点が高くなるように直動変位する。かかる場合、導電性高分子アクチュエータを所定の厚みに設定することで、この直動変位による押し上げ力を強く(又は大きく)できる。導電性高分子アクチュエータの厚みは、その材料、製造方法によって設計できるものであり、デバイス設計に合わせて厚み設計ができる。すなわち、必要な押し上げ力が決定されば、それに応じて導電性高分子アクチュエータの厚みを決定することができる。
また、本発明において、導電性高分子アクチュエータを基材に設ける場合、金属電極層を介して設けることが好ましい。金属電極層の材料として、例えば、金、プラチナ等の貴金属が好ましい。金属電極層を介して導電性高分子を設けることで、基材との接合性、イオン伝達性が向上するからである。
以上によれば、本発明は、従来の直動変位アクチュエータと比較し、低印加電圧駆動、無音、軽量化、小型化、構造容易性に優れた直動変位の面状デバイスを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(アクチュエータ素子の構成)
本発明のアクチュエータ素子は、基材の少なくとも片面に導電性高分子アクチュエータを設けるように構成できる。また、アクチュエータ素子は、基材の両面に導電性高分子アクチュエータを同じ厚み又は略同じ厚みなるように設けるように構成できる。また、アクチュエータ素子を片面に設ける場合は、その反対面に電極層(以下において、対極又は従動対極と称することがある)を設けることが好ましい。この電極層としては、金属、貴金属、同一の導電性高分子材料が好ましい。また、導電性高分子アクチュエータは、その厚みを適宜設定できる。導電性高分子アクチュエータの製造方法は後述する。従動対極は、基材を挟んでその反対面の導電性高分子アクチュエータの挙動を実質的に邪魔しないように作用している。
(導電性高分子材料)
本発明の導電性高分子は、その膜形成体が印加電圧によって伸縮可能であれば、特に制限されず、例えば、分子鎖にピロールおよび/またはピロール誘導体を含むものが好ましい。
また、上記導電性高分子は、ドーパントとしてのアニオンを、該導電性高分子へのドーピングおよび脱ドーピングすることができるものであれば、特に限定されるものではない。上記ドーパントは、必要とされる電解伸縮量や用途等に応じて、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、BF 、PF 、過塩素酸イオンやパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを用いることができる。
特に、上記導電性高分子として、上記導電性高分子が、下記式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンがドープされた膜状導電性高分子を用いること、
(C(2m+1)SO)(C(2n+1)SO)N (1)
〔上記式(1)において、mおよびnは任意の整数。〕、
または、上記導電性高分子として、下記式(2)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンがドープされた膜状導電性高分子を用いること、
(C(2l+1)SO)(C(2m+1)SO)(C(2n+1)SO)C (2)
〔上記式(2)において、l、mおよびnは任意の整数。〕、
が、より速い駆動速度を得ることができるために好ましい。
(基材)
本発明の基材は、その面方向での伸縮が可能な素材であれば特に制限されず、例えば、不織布、紙、布、綿、メンブレン素材、織物素材、編み物素材等が例示される。また、基材は、絶縁性を有し、電解液を含浸、又は液移動可能に保持できることが好ましい。また、基材の厚み、硬度は、直動変位機能を発揮するように設計されていれば、特に制限されない。
また、基材としては、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド、ポリオレフィン、セルロースアセテートなどの多孔質基材(多孔質支持体)が好ましい。なかでも、上記多孔質基材(多孔質支持体)としては、化学的安定性や柔らかさやアクチュエータ素子の繰り返しの駆動における耐久性の観点から、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(多孔質PTFE)などをもちいることが特に好ましい。また空中で駆動させる場合は、電解液を保持している層(多孔質基材層(多孔質支持体層))のイオン導電率が高いことがより好ましく、また、空孔率は可能な限り高い方が好ましい。
(駆動電解液)
本発明に用いられる駆動電解液は、上記高分子アクチュエータ素子が電圧印可により駆動するための電解質を含み、上記電解質を溶解するための溶媒として用いられる。本発明においては、上記電解質を溶解する溶媒として有機溶媒、水、有機溶媒と水の混合溶液を用いることができる。本発明においては、上記電解質を溶解する溶媒として有機溶媒および酸の混合溶液、または有機溶媒、水、および酸の混合溶液を用いることができる。また、上記導電性高分子が酸に接触処理したものを用いる場合では、上記電解質を溶解する溶媒として、有機溶媒、または有機溶媒および水の混合溶液を用いることができる。駆動電解液としてこれらの混合溶液を含むことにより、上記高分子アクチュエータ素子は、一定の電圧を与えた状態における時間に対する伸縮量(駆動速度)を測定した場合に、上記駆動電解液中で大きな駆動速度を示すことができる。
また、本発明においては、上記有機溶媒が、エステル結合、カーボネート結合、およびニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合または官能基を含む極性有機化合物であることが好ましい。
上記有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、電気化学の反応場として用いることができる溶媒であることが好ましい。上記極性有機化合物としては、たとえば、γ−ブチロラクトン、α―メチル−γ−ブチロラクトン(以上、エステル結合を含む有機化合物)、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート(以上、カーボネート結合を含む有機化合物)、およびアセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル(以上、ニトリル基を含む有機化合物)をあげることができる。上記極性有機化合物は速い伸縮速度と大きな最大伸縮率を得ることができるために好ましい。なかでも、たとえば、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、アセトニトリル、又はエチレンカーボネイトなどが好ましく、バランスの良い駆動性能と共に、より長期の耐久性を得ることができる。
また、上記混合溶媒に水を含む場合、水と有機溶媒との混合比は、特に限定されるものではない。上記駆動電解液の溶媒として水を含む混合溶媒を用いた場合には、有機溶媒のみを用いた場合に比べて通常2倍以上の駆動速度の向上をすることができる。また、上記有機溶媒は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記駆動電解液は、導電性高分子や有機溶媒の種類により、上記混合比を特定することが難しい。有機溶媒の導電性高分子を膨潤させる能力等により、駆動速度を向上させるための有機溶媒の最小値は、上記有機溶媒の種類に依存することになる。たとえば、プロピレンカーボネートについては、特級試薬では水の含有量が0.005%であることから、水と有機溶媒との混合比を0.1:99.9とすることもできる。上記混合溶媒における水と有機溶媒との好適な混合比の範囲は、容量比で、水含有比下限が0.5、1.0、5.0、10または20から選ばれる値から、水含有比下限上限が99.5、99.0、95.0、90.0、または80.0から選ばれる範囲を、有機溶媒の種に応じて、選ぶことができる。なお、上記混合比は、ガスクロマトグラフィー法を用いた測定方法、特に水分含有率が少ない場合にはカールフィッシャー法を用いた測定方法を用いることにより、駆動電解液を分析することにより求めることができる。
たとえば、上記有機溶媒がプロピレンカーボネートである場合には、水とプロピレンカーボネートとの混合比が容量比で25:75〜75:25であることが、導電性高分子への電圧印可による駆動速度がより速くなるため好ましい。上記混合溶媒は、上記有機溶媒が複数種用いられていてもよく、この場合には、上記混合比は、水の重量と全有機溶媒の合計重量との比で計算される。
上記水は、特に限定されるものではないが、純水、蒸留水もしくはイオン交換水であることが、金属イオンや塩化物イオン等による電解伸縮への阻害因子が含まれ難いために好ましい。
また、上記の駆動電解液には、電解質としてアニオンが含まれる。上記アニオンは、ドーパントイオンとして、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、BF 、PF やパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを用いることができる。また、上記アニオンは、たとえば、Na、K、Li等とカチオンと対イオンを形成した電解質塩を用いてもよい。
上記電解質塩としては、たとえば、上記アニオンのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウムパーフルオロアルキルスルホニルイミド、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドのリチウム塩、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドのテトラブチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
上記電解質として電解質塩が加えられる場合、上記駆動電解液100重量部に対して、上記電解質塩が1〜90重量部含まれることが好ましく、5〜75重量部含まれることがより好ましく、10〜50重量部含まれることが特に好ましい。
また、上記駆動電解液には酸を含む混合溶液を用いることもできる。この酸としては、特に限定されるものではないが、一価の強酸であることが好ましい。
上記酸としては、たとえば、(CFSONH、(CSONH、(CFSO)(CSO)NHなどのパーフルオロアルキルスルホニルイミド、(CFSOCH、(CSOCH、(CFSO)(CSOCHなどのパーフルオロアルキルスルホニルメチド、硝酸などの無機酸などが好ましいものとしてあげられる。
上記酸は単独で用いてもよいし、また2種以上を混合して使用してもよいが、上記駆動電解液のpHが0〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましい。上記pHが4以上であると十分な添加効果が得られにくく、一方、上記pHが0以下では溶媒が分解してしまうおそれがある。なお、上記導電性高分子が酸に接触処理したものを用いる場合では、特に酸を駆動電解液に含まなくてもよい。
さらに、上記駆動電解液には、アニオンが含まれる。上記アニオンは、ドーパントイオンとして、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、BF 、PF やパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを用いることができる。これらのアニオンを用いた場合であっても、上記混合溶媒を用いることにより、導電性高分子を含む高分子アクチュエータ素子の駆動速度を向上することができる。
特に、上記駆動電解液において、より速い駆動速度を得るために、上記高分子アクチュエータ素子に含まれる導電性高分子のバルク中に下記式(3)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含み、かつ、上記駆動電解液中にも下記式(3)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含むことがより好ましい。
(C(2m+1)SO)(C(2n+1)SO)N (3)
〔上記式(3)において、mおよびnは任意の整数。〕
さらに、上記駆動電解液において、より速い駆動速度を得るために、上記高分子アクチュエータ素子に含まれる導電性高分子のバルク中に下記式(4)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンを含み、かつ、上記駆動電解液中にも下記式(4)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンを含むことがより好ましい。
(C(2l+1)SO)(C(2m+1)SO)(C(2n+1)SO)C (4)
〔上記式(4)において、l、mおよびnは任意の整数。〕
これらのドーパントイオンを含むことにより、上記導電性高分子のバルク中に上記パーフルオロアルキルスルホニルイミドまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンが取り込まれ、または放出されて、導電性高分子が大きな伸縮運動をすることができるので、上記高分子アクチュエータ素子は、従来の導電性高分子の電解伸縮方法に比べて、速い駆動速度を示すことができる。
また、本発明においては、上記電解質を溶解する溶媒として常温常圧下で液状の非イオン性有機化合物を含む溶液を用いることができる。上記非イオン性有機化合物は、イオン性官能基やイオン性部位を分子構造中に有していないものであれば特に限定されず適宜用いることができる。上記有機化合物としては、電荷のキャリアとなるイオンを含む塩の溶媒となることができる有機化合物、または電荷のキャリアとなることができる有機化合物であればよい。上記非イオン性有機化合物は、180℃以上の沸点または分解温度を有し、常温常圧下で液状であることが好ましく、さらに溶媒としての機能も有することが好ましい。また、245℃以上の沸点を有する有機溶媒であることがより好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記非イオン性有機化合物としては、たとえば、ジエチレングリコール、グリセリン、スルホラン、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、アセトニトリル、エチレンカーボネイト、ポリエーテル化合物などをあげることができる。なかでも、たとえば、ジエチレングリコール、グリセリン、スルホラン、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、又はポリエーテル化合物などが好ましく、さらには、ポリエーテル化合物を用いることが、バランスの良い駆動性能と共に、より長期の耐久性を得ることができるため、特に好ましい。
上記非イオン性有機化合物は単独で用いてもよいし、また2種以上を混合して使用してもよいが、配合量としては、電解液100重量部に対して、0.01〜100重量部であることが好ましく、0.05〜50重量部であることがより好ましく、0.1〜30重量部であることがさらに好ましい。0.01重量部未満であると十分な経時的耐久性が得られない場合があり、100重量部を超えると駆動周波数が低下する場合がある。
また、駆動電解液には、電解質としてアニオンが含まれる。上記アニオンは、ドーパントイオンとして、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、BF 、PF やパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを用いることができる。また、上記アニオンは、たとえば、Na、K、Li等とカチオンと対イオンを形成した電解質塩を用いてもよい。
上記電解質塩としては、たとえば、上記アニオンのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウムパーフルオロアルキルスルホニルイミド、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドのリチウム塩、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドのテトラブチルアンモニウム塩等を挙げることができる。
上記電解質として電解質塩が加えられる場合、上記駆動電解液100重量部に対して、上記電解質塩が1〜90重量部含まれることが好ましく、5〜75重量部含まれることがより好ましく、10〜50重量部含まれることが特に好ましい。
また、本発明においては、上記駆動電解液中にさらにイオン性液体を含むことができる。イオン性液体は、特に限定されないで用いることができる。なかでも、上記イオン性液体が、テトラアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルイミダゾリウムイオン、トリアルキルイミダゾリウムイオンなどのイミダゾリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリウムイオン、ピロリニウムイオン、ピロリジニウムイオン、およびピペリジニウムイオンからなる群より少なくとも一種選ばれたカチオンと、PF 、BF 、AlCl 、ClO 、および下記式(5)で示されるスルホニウムイミドアニオンからなる群より少なくとも一種選ばれたアニオンとの組合せからなる塩を含むことが好ましい。これらのイオン性液体は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
(C(2m+1)SO)(C(2n+1)SO)N (5)
[上記式(5)において、mおよびnは任意の整数である。]。
さらには、上記駆動電解液において、より速い駆動速度を得るために、上記アクチュエータ素子に含まれる導電性高分子のバルク中に下記式(6)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含み、かつ、上記駆動電解液中にも下記式(6)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含むことがより好ましい。
(C(2m+1)SO)(C(2n+1)SO)N (6)
〔上記式(6)において、mおよびnは任意の整数。〕。
また、上記駆動電解液において、より速い駆動速度を得るために、上記アクチュエータ素子に含まれる導電性高分子のバルク中に下記式(7)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンを含み、かつ、上記駆動電解液中にも下記式(7)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンを含むことがより好ましい。
(C(2l+1)SO)(C(2m+1)SO)(C(2n+1)SO)C (7)
〔上記式(7)において、l、mおよびnは任意の整数。〕。
これらのドーパントイオンを含むことにより、上記導電性高分子のバルク中に上記パーフルオロアルキルスルホニルイミドまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンが取り込まれ、または放出されて、導電性高分子が大きな伸縮運動をすることができるので、上記アクチュエータ素子は、従来の導電性高分子の電解伸縮方法に比べて、速い駆動速度を示すことができる。
なお、本発明のアクチュエータ素子においては、特定の形状を有し、かつ導電性高分子を含んでなる導電性高分子有形物に含まれるアニオンと同じアニオンが、上記駆動電解液中に含まれることが好ましい。上記アクチュエータ素子に用いられた導電性高分子のバルク中に含まれ、ドーパントとして機能し得るアニオンと同じアニオンが上記作動電解液中に含まれることにより、導電性高分子バルク中への出入りが容易となりやすく、所望の伸縮量の電解伸縮を容易に得ることができる。また、上記駆動電解液中に含まれるアニオンがパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンである場合には、上記駆動電解液中で電解伸縮をさせる導電性高分子有形物の製造用電解液中に含まれるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンとイオン半径が同程度であることが、電解伸縮を容易に行うことができるので好ましい。
(導電性高分子アクチュエータの製造方法)
導電性高分子アクチュエータは、電解重合により作用電極上に得られた導電性高分子膜をそのまま用いることができる。また、基材に直接電解重合することで、導電性高分子層(膜)を形成することもできる。また、基材の両面に同時に、導電性高分子層(膜)を電解重合により形成できる。また、基材の片面では密度の高い導電性高分子層(膜)を、その他方の面では密度の低い導電性高分子層(膜)を同時に或いは別々に形成することもできる。かかる場合、導電性高分子層(膜)が導電性高分子アクチュエータに相当し、密度の低い導電性高分子層(膜)は、従動対極に相当する。
また、電解重合により直接に基材に導電性高分子層(膜)を形成するのではなく、金属電極層を介して行なうことがより好ましい。金属電極層としては、金、白金、ニッケルなどを用いることができるが、なかでも金、白金などが好ましい。金属電極層は、公知の方法によって基材に形成することができ、例えば、スパッタリングによって基材に電極層を形成することができる。電極層の厚みは、特に制限されない。
また、上記電解重合に用いる電解液(導電性高分子製造用電解液)が、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基およびニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合または官能基を含む有機化合物および/またはハロゲン化炭化水素を溶媒として含むことが好ましい。上記の電解液中に上記溶媒を含み、さらに、パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンなどを含むことにより、得られた導電性高分子は、1酸化還元サイクル当たりにおいてより大きな電解伸縮を示すものとなる。
上記有機化合物としては、たとえば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン(以上、エーテル結合を含む有機化合物)、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸−t−ブチル、1,2−ジアセトキシエタン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル(以上、エステル結合を含む有機化合物)、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネイト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート(以上、カーボネート結合を含む有機化合物)、エチレングリコール、ブタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール(以上、ヒドロキシル基を含む有機化合物)、ニトロメタン、ニトロベンゼン(以上、ニトロ基を含む有機化合物)、スルホラン、ジメチルスルホン(以上、スルホン基を含む有機化合物)、およびアセトニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル(以上、ニトリル基を含む有機化合物)をあげることができる。なお、ヒドロキシル基を含む有機化合物は、特に限定されるものではないが、多価アルコールおよび炭素数4以上の1価アルコールであることが、伸縮率が良いためにより好ましい。なお、上記有機化合物は、上記の例示以外にも、分子中にエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基およびニトリル基のうち、2つ以上の結合または官能基を任意の組み合わせで含む有機化合物であってもよい。
また、上記導電性高分子製造用電解液に溶媒として含まれるハロゲン化炭化水素は、炭化水素中の水素が少なくとも1つ以上ハロゲン原子に置換されたもので、電解重合条件で液体として安定に存在することができるものであれば、特に限定されるものではない。上記ハロゲン化炭化水素としては、たとえば、ジクロロメタン、ジクロロエタンをあげることができる。上記ハロゲン化炭化水素は、1種類のみを上記導電性高分子製造用電解液中の溶媒として用いることもできるが、2種以上併用することもできる。また、上記ハロゲン化炭化水素は、上記の有機化合物との混合液として用いてもよく、上記有機溶媒との混合溶媒を上記導電性高分子製造用電解液中の溶媒として用いることもできる。
上記電解重合法により得られた導電性高分子のバルク中には、上記電解重合法に用いられた上記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンが存在することとなる。上記導電性高分子が上記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンを含む上記導電性高分子は、上述のように1酸化還元サイクル当りの伸縮量が大きく、駆動速度(%/s)の値も大きく、しかも、容易に得ることができるので好ましい。たとえば、上記の導電性高分子の有形物を膜状体は、従来の導電性高分子の電解伸縮がその最大の伸縮率が面方向で1酸化還元サイクル当たり10〜15%程度までしか得られていなかったのに対して、ドーパントとして上記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンを導電性高分子のバルク中に含むことにより、長さ方向において、1酸化還元サイクル当たり16%以上、特に20%以上の優れた最大の伸縮率を示すことが可能となる。上記膜状体は、人工筋肉に代表される大きな伸縮率が要求される用途に好適に用いることができる。なお、上記の導電性高分子の有形物は、ドーパントの他に、動作電極としての抵抗値を低下させるために、金属線や導電性酸化物などの導電性材料を適宜含むことができる。
上記電解重合法における上記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンまたはパーフルオロアルキルスルホニルメチドイオンの電解液中の含有量が特に限定されるものではないが、十分な電解液のイオン導電性を確保するために、パーフルオロアルキルスルホニルイミド塩として、電解液中に1〜40重量%含まれるのが好ましく、2.8〜20重量%含まれるのがより好ましい。また、電解重合法により得られる導電性高分子膜の膜質を向上させるために、トリフルオロメタンスルホン酸塩を電解液中に1〜80%加えた複合電解質を用いることもできる。また、これらのイオンは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記電解重合法にて用いられる電解液(導電性高分子製造用電解液)には、さらに、パーフルオロアルキルスルホニルイミド塩を含む以外に、導電性高分子の単量体を含んでいてもよく、さらにポリエチレングリコールやポリアクリルアミドなどの公知のその他の添加剤を含むこともできる。
上記電解重合法は、導電性高分子単量体の電解重合として、公知の電解重合方法を用いることが可能であり、定電位法、定電流法および電気掃引法のいずれをも適宜用いることができる。たとえば、上記電解重合法は、電流密度0.01〜20mA cm−2、反応温度−70〜80℃で行うことができ、良好な膜質の導電性高分子を得るために、電流密度0.1〜2mA cm−2、反応温度−40〜40℃の条件下で行うことが好ましく、反応温度が−30〜30℃の条件であることがより好ましい。
なお、上記電解重合法に用いられる作用電極は、電解重合に用いることができれば特に限定されるものではなく、ITOガラス電極、炭素電極や金属電極などを適宜用いることができる。上記金属電極は、金属を主とする電極であれば特に限定されるものではないが、Pt、Ti、Ni、Au、Ta、Mo、CrおよびWからなる群より選ばれた金属元素についての金属単体の電極または合金の電極を好適に用いることができる。なかでも、得られた導電性高分子の伸縮率および発生力が大きく、かつ電極を容易に入手できることから、金属電極に含まれる金属種がPt、Tiであることが特に好ましい。なお、上記合金としては、たとえば、商品名「INCOLOY alloy 825」、「INCONEL alloy 600」、「INCONEL alloy X−750」(以上、大同スペシャルメタル社製)を用いることができる。また、対極については公知の電極、たとえばPt、Niを好適に用いることができる。
上記電解重合法に用いられる電解液に含まれる導電性高分子の単量体としては、電解重合による酸化により高分子化して導電性を示す化合物であれば特に限定されるものではなく、たとえばピロール、チオフェン、イソチアナフテン等の複素五員環式化合物、ならびにそのアルキル基、オキシアルキル基等の誘導体があげられる。なかでも、ピロール、チオフェン等の複素五員環式化合物、ならびにその誘導体が好ましく、特にピロールおよび/またはピロール誘導体を含む導電性高分子であることが、製造が容易であり、導電性高分子として安定であるために好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
上記アクチュエータ素子において、上記導電性高分層(膜)の厚みは、デバイスの仕様により適宜設計するものであり、例えば0.01〜数百μmの範囲が例示できる。
(電極部材)
電極部材は、その形状及びサイズが特に制限されず、デバイス用途に応じて、例えば、円形、方形、多角形、異形等を適宜設計できる。また、電極部材は、ソリッド素材、フレキシブル素材で構成でき、デバイスとしてのその用途に応じた素材を選択できる。また、電極部材は、その機能を発揮するものであれば特に制限されないが、例えば、金属、貴金属が例示される。
また、電極部材は、アクチュエータ素子の両面に対して印加できるように、例えば、一対の部材で構成される。そして、電極部材に形成される開孔部は、その形状及びサイズが特に制限されず、デバイス用途に応じて、例えば、円形、方形、多角形、異形等を適宜設計できる。また、開孔部は、一方の部材に形成してもよく、両方の部材に形成することもできる。また、開孔部は複数設けることもできる。
(面状デバイスの構成)
(実施形態1)
図1を用いて面状デバイスの一例を説明する。図1(a)は面状デバイスAの外観例を示している。面状デバイスAは、その形状が円形であり、図1(b)に示すように電極部材1a、1bの各々に円形の開孔部1c、1dが形成されている。基材2の一方面には導電性高分子アクチュエータ3が、その反対面には従動対極4が形成されている。電極部材1a、1bはアクチュエータ素子A1の端部をその全周にわたり挟み込むように組み立てられている。組み立ては特に制限されないが、例えばビスで固定することができる。また、面状デバイスA又アクチュエータ素子A1は、予め駆動電解液に浸して、基材2に駆動電解液を保持させる。さらに、駆動電解液に浸した際に、アクチュエータ素子A1が膨潤し、膨潤して伸びた分が、図面上では下側に凹形状として示されている。
図1(c)(d)は、面状デバイスAに球体の錘5を載せ、電圧を印加した場合について説明する図である。図1(c)に示すように、導電性高分子アクチュエータ3に正極を印加し、従動対極4に負極を印加した場合、導電性高分子アクチュエータ3が伸長し、それに従動するように基材2、従動対極4が挙動する。その結果、アクチュエータ素子A1が錘5を載せたまま垂直下方に直動変位する。そして、電圧印加を停止すると、この直動変位も停止し、電圧印加を再度行なうと直動変位も再開する。
また、図1(d)に示すように、導電性高分子アクチュエータ3に負極を印加し、従動対極4に正極を印加した場合、導電性高分子アクチュエータ3が収縮し、それに従動するように基材2、従動対極4が挙動する。その結果、アクチュエータ素子A1が錘5を載せたまま垂直上方に直動変位する。そして、電圧印加を停止すると、この直動変位も停止し、電圧印加を再度行なうと直動変位も再開する。
実施形態1の面状デバイスAは、例えば、導電性高分子アクチュエータ3が収縮する場合の引き上げ力として機能する。
(実施形態2)
図2を用いて面状デバイスの一例を説明する。図2(a)は面状デバイスBの断面図の一例を示している。面状デバイスBは、その形状が円形であり、電極部材11a、11bの各々に円形の開孔部11c、11dが形成されている。基材2の両面には導電性高分子アクチュエータ13,14が、同じ厚み又は略同じ厚みに形成されている。また、導電性高分子アクチュエータ13,14は、円形の開孔部11c、11dよりも小さい面積に形成され、電極部材11a、11bは、基材12の端部をその全周にわたり挟み込むように組み立てられている。組み立ては特に制限されないが、例えばビスで固定することができる。また、面状デバイスB又アクチュエータ素子B1は、予め駆動電解液に浸して、基材2に駆動電解液を保持させる。さらに、駆動電解液に浸した際に、アクチュエータ素子B1が膨潤し、膨潤して伸びた分が、図面上では下側に凹形状として示されている。
図2(b)に示すように、導電性高分子アクチュエータ13に負極を印加し、導電性高分子アクチュエータ14に正極を印加した場合、導電性高分子アクチュエータ13が収縮し、導電性高分子アクチュエータ14が伸長する。それらに従動するように基材12が挙動する。その結果、アクチュエータ素子B1は、垂直上方に直動変位する。そして、電圧印加を停止すると、図2(b)に示した状態(上向きに凸形状)が維持される。
一方、導電性高分子アクチュエータ13に正極を印加し、導電性高分子アクチュエータ14に負極を印加した場合、導電性高分子アクチュエータ13が伸長し、導電性高分子アクチュエータ14が収縮する。それらに従動するように基材2が挙動する。その結果、アクチュエータ素子B1は、垂直下方に直動変位する。そして、電圧印加を停止すると、図2(a)に示した状態(下向きに凸形状)が維持される。
図2(c)は、基材2の両面には導電性高分子アクチュエータ13,14が、同じ厚み又は略同じ厚みに形成され、かつ、導電性高分子アクチュエータ13,14は、円形の開孔部11c、11dよりも大きい面積に形成され、電極部材11a、11bが導電性高分子アクチュエータ13,14の端部をその全周にわたり挟み込むように組み立てられている一例を示している。この構成においても、導電性高分子アクチュエータ13に正極を印加し、導電性高分子アクチュエータ14に負極を印加した場合、垂直下方に直動変位し、下側に凸形状を形成する。そして、導電性高分子アクチュエータ13に負極を印加し、導電性高分子アクチュエータ14に正極を印加した場合、垂直上方に直動変位し、上側に凸形状を形成する。
実施形態2の面状デバイスBは、基材12を挟んで導電性高分子アクチュエータ13、14が形成され、その各々が作用極−対極の関係となっており、一方が伸びると他方が縮むバイモルフ構成になっている。このような構成であるため、厚み方向の変位は、凹凸の変位となる。
(実施形態3)
図3を用いて面状デバイスの一例を説明する。面状デバイスCは、その形状が円形であり、図3(a)に示すように電極部材21a、21bの各々に円形の開孔部21c、21d(なお、21dは無くてもよい)が形成されている。基材22の一方面(図上で上側)には導電性高分子アクチュエータ23が、その反対面には従動対極24が形成されている。導電性高分子アクチュエータ23は、基材22に形成されるが、図3では、開孔部21c内の位置で、他の部分よりも厚みがあるように形成してある。なお、基材22に形成される全体にわたり所定の厚みを有するように形成してもよい。
電極部材21a、21bはアクチュエータ素子C1の端部をその全周にわたり挟み込むように組み立てられている。組み立ては特に制限されないが、例えばビスで固定することができる。また、面状デバイスC又アクチュエータ素子C1は、予め駆動電解液に浸して、基材22に駆動電解液を保持させる。さらに、駆動電解液に浸した際に、アクチュエータ素子C1が膨潤し、膨潤して伸びた分が、図面上では上側に凸形状として示されている。
図3(b)に示すように、導電性高分子アクチュエータ23に正極を印加し、従動対極24に負極を印加した場合、導電性高分子アクチュエータ23が伸長し、アクチュエータ素子C1全体の挙動としては、垂直上向きに直動変位する。ここで発生した押し上げ力は、導電性高分子アクチュエータ23の厚みに応じて強く(大きく)なる。さらに、導電性高分子アクチュエータ23が所定の厚みを有することで、電極部材21aの開孔部21c内壁面に規制され、垂直上向きに発生する押し上げ力が強い(大きい)ものになると推測される。なお、基材22および従動対極24は、導電性高分子アクチュエータ23の挙動に従動する。そして、電圧印加を停止すると、この直動変位も停止し、電圧印加を再度行なうと直動変位も再開する。
図3(c)に示すように、導電性高分子アクチュエータ23に負極を印加し、従動対極24に正極を印加した場合、導電性高分子アクチュエータ23が収縮し、アクチュエータ素子C1全体の挙動としては、垂直下向きに直動変位する。
実施形態3の面状デバイスCは、例えば、実施形態1の面状デバイスAを構成する導電性高分子アクチュエータ(層)を厚くすることで、その導電性高分子アクチュエータ(層)が伸び挙動を示す時に、開孔された電極部材による変位規制により盛り上げる押し上げ力として機能する。導電性高分子アクチュエータ(層)の厚みは、電極部材の開孔部の大きさに依存し、例えば、円形開孔部の直径の1%以上の厚みとなるように設定することが好ましい。例えば、円形開孔部の直径が3mmであれば、導電性高分子アクチュエータ(層)の厚みを30μm以上に設定することが好ましい。導電性高分子アクチュエータ(層)の厚みを大きくすればするほど、押し上げ力は強くなると考えられる。
(電圧印加制御)
本発明において、印加電圧の制御方法は、例えば、正負極の切り替え、電圧値制御、パルス制御、連続印加、断続的印加制御等が例示される。また、本発明において、印加する時間(期間)に比例して、伸縮が生じている。よって、印加時間を制御することで、直動変位量を簡単に制御できる。
また、印加電圧は、デバイスのサイズ・性能、電導性高分子アクチュエータの材料、厚み、サイズ等の設計に依存するが、電導性高分子としてポリピロールを用いた場合、その印加電圧は、例えば、ポリピロールが分解しない電圧値以下が望ましく、0.75Vから2Vの範囲が例示される。
<別実施形態>
電導性高分子アクチュエータを形成する場合、その形成面積は、開孔部より小さいものでもよい。また、電導性高分子アクチュエータは、電極部材に挟まれていなくてもよい。また、電極部材は、デバイスの用途に応じて、剛性のあるものに制限されず、柔軟性のある導電性部材で構成することができる。また、電極部材の形状は、デバイスの用途に応じて、形状を設計でき、さらに、開孔部のサイズも適宜設計できる。
(用途)
本発明の面状デバイスは、ダイアフラムポンプ、触覚ディスプレイ、マッサージ器等のアクチュエータとして利用可能である。
また、面状デバイスを多層に形成し、ストロークを要求するものにも利用できる。また、多層にすることで、部分的な変位を取り出せ、分解能を要求する用途にも適用できる。
本発明の面状デバイスは、より具体的には、OA機器、アンテナ、ベッドや椅子等の人を乗せる装置、医療機器、エンジン、光学機器、固定具、サイドトリマ、車両、昇降器械、食品加工装置、清掃装置、測定機器、検査機器、制御機器、工作機械、加工機械、電子機器、電子顕微鏡、電気かみそり、電動歯ブラシ、マニピュレータ、マスト、遊戯装置、アミューズメント機器、乗車用シミュレーション装置、車両乗員の押さえ装置および航空機用付属装備展張装置、OA機器や測定機器等の上記機器等を含む機械全般に用いられる弁、ブレーキおよびロック装置において、直線的な駆動力を発生する駆動部もしくは円弧部からなるトラック型の軌道を移動するための駆動力を発生する駆動部、または直線的な動作もしくは曲線的な動作をする押圧部として好適に用いることができる。
また、面状デバイスは、上記の装置、機器、器械等以外においても、機械機器類全般において、位置決め装置の駆動部、姿勢制御装置の駆動部、昇降装置の駆動部、搬送装置の駆動部、移動装置の駆動部、量や方向等の調節装置の駆動部、軸等の調整装置の駆動部、誘導装置の駆動部、および押圧装置の押圧部において、直線的な駆動力を発生する駆動部もしくは円弧部からなるトラック型の軌道を移動するための駆動力を発生する駆動部、または直線的な動作もしくは曲線的な動作をする押圧部として好適に用いることができる。
また、面状デバイスは、関節装置における駆動部として、関節中間部材等の直接駆動可能な関節部または関節に回転運動を与える駆動部に好適に用いることができる。
また、面状デバイスは、たとえば、CAD用プリンター等のインクジェットプリンターにおけるインクジェット部分の駆動部、プリンターの上記光ビームの光軸方向を変位させる駆動部、外部記憶装置等のディスクドライブ装置のヘッド駆動部、ならびに、プリンター、複写機およびファックスを含む画像形成装置の給紙装置における紙の押圧接触力調整手段の駆動部として好適に用いることができる。
面状デバイスは、たとえば、電波天文用の周波数共用アンテナ等の高周波数給電部を第2焦点へ移動させるなどの測定部や給電部の移動設置させる駆動機構の駆動部、ならびに、車両搭載圧空作動伸縮マスト(テレスコーピングマスト)等のマストやアンテナにおけるリフト機構の駆動部に好適に用いることができる。
また、面状デバイスは、たとえば、椅子状のマッサージ機のマッサージ部の駆動部、介護用または医療用ベッドの駆動部、電動リクライニング椅子の姿勢制御装置の駆動部、マッサージ機や安楽椅子等に用いられるリクライニングチェアのバックレスト・オットマンの起倒動自在にする伸縮ロッドの駆動部、椅子や介護用ベッド等における背もたれやレッグレスト等の人を乗せる家具における可倒式の椅子の背もたれやレッグレスト或いは介護用ベッドの寝台の旋回駆動等に用いられる駆動部、ならびに、起立椅子の姿勢制御のため駆動部に好適に用いることができる。
また、面状デバイスは、たとえば、検査装置の駆動部、体外血液治療装置等に用いられている血圧等の圧力測定装置の駆動部、カテーテル、内視鏡装置や鉗子等の駆動部、超音波を用いた白内障手術装置の駆動部、顎運動装置等の運動装置の駆動部、病弱者用ホイストのシャシの部材を相対的に伸縮させる手段の駆動部、ならびに、介護用ベッドの昇降、移動や姿勢制御等のための駆動部に好適に用いることができる。
面状デバイスは、たとえば、エンジン等の振動発生部からフレーム等の振動受部へ伝達される振動を減衰させる防振装置の駆動部、内燃機関の吸排気弁のための動弁装置の駆動部、エンジンの燃料制御装置の駆動部、ならびにディーゼルエンジン等のエンジンの燃料供給装置の駆動部に好適に用いることができる。
面状デバイスは、たとえば、ホース金具をホース本体にカシメ固定する等の固定具の押圧部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、自動車のサスペンションの巻ばね等の駆動部、車両のフューエルフィラーリッドを解錠するフューエルフィラーリッドオープナーの駆動部、ブルドーザーブレードの伸張および引っ込みの駆動の駆動部、自動車用変速機の変速比を自動的に切り替えるためやクラッチを自動的に断接させるための駆動装置の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、座板昇降装置付車椅子の昇降装置の駆動部、段差解消用昇降機の駆動部、昇降移載装置の駆動部、医療用ベッド、電動ベッド、電動テーブル、電動椅子、介護用ベッド、昇降テーブル、CTスキャナ、トラックのキャビンチルト装置、リフター等や各種昇降機械装置の昇降用の駆動部、ならびに重量物搬送用特殊車両の積み卸し装置の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、食品加工装置の食材吐出用ノズル装置等の吐出量調整機構の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、清掃装置の台車や清掃部等の昇降等の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、面の形状を測定する3次元測定装置の測定部の駆動部、ステージ装置の駆動部、タイヤの動作特性を検知システム等のセンサー部分の駆動部、力センサーの衝撃応答の評価装置の初速を与える装置の駆動部、孔内透水試験装置を含む装置のピストンシリンダのピストン駆動装置の駆動部、集光追尾式発電装置における仰角方向へ動かすための駆動部、気体の濃度測定装置を含む測定装置のサファイアレーザー発振波長切替機構のチューニングミラーの振動装置の駆動部、プリント基板の検査装置や液晶、PDPなどのフラットパネルディスプレイの検査装置においてアライメントを必要とする場合にXYθテーブルの駆動部、電子ビーム(Eビーム)システムまたはフォーカストイオンビーム(FIB)システムなどの荷電粒子ビームシステム等において用いる調節可能なアパーチャー装置の駆動部、平面度測定器における測定対象の支持装置もしくは検出部の駆動部、ならびに、微細デバイスの組立をはじめ、半導体露光装置や半導体検査装置、3次元形状測定装置などの精密位置決め装置の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、ゴム組成物のプレス成形加硫装置の駆動部、移送される部品について単列・単層化や所定の姿勢への整列をさせる部品整列装置の駆動部、圧縮成形装置の駆動部、溶着装置の保持機構の駆動部、製袋充填包装機の駆動部、マシニングセンタ等の工作機械や射出成形機やプレス機等の成形機械等の駆動部、印刷装置、塗装装置やラッカ吹き付け装置等の流体塗布装置の駆動部、カムシャフト等を製造する製造装置の駆動部、覆工材の吊上げ装置の駆動部、無杼織機における房耳規制体等の駆動装置、タフティング機の針駆動システム、ルーパー駆動システム、およびナイフ駆動システム等の駆動部、カム研削盤や超精密加工部品等の部品の研磨を行う研磨装置の駆動部、織機における綜絖枠の制動装置の駆動部、織機における緯糸挿通のための経糸の開孔部を形成する開口装置の駆動部、半導体基板等の保護シート剥離装置の駆動部、通糸装置の駆動部、CRT用電子銃の組立装置の駆動部、衣料用縁飾り、テーブルクロスやシートカバー等に用途をもつトーションレースを製造するためのトーションレース機におけるシフターフォーク駆動選択リニア制御装置の駆動部、アニールウィンドウ駆動装置の水平移動機構の駆動部、ガラス溶融窯フォアハースの支持アームの駆動部、カラー受像管の蛍光面形成方法等の露光装置のラックを進退動させる駆動部、ボールボンディング装置のトーチアームの駆動部、ボンディングヘッドのXY方向への駆動部、チップ部品のマウントやプローブを使った測定などにおける部品の実装工程や測定検査工程の駆動部、基板洗浄装置の洗浄具支持体の昇降駆動部、ガラス基板を走査される検出ヘッドを進退させる駆動部、パターンを基板上に転写する露光装置の位置決め装置の駆動部、精密加工などの分野におけるサブミクロンのオーダで微小位置決め装置の駆動部、ケミカルメカニカルポリシングツールの計測装置の位置決め装置の駆動部、導体回路素子や液晶表示素子等の回路デバイスをリソグラフィ工程で製造する際に用いられる露光装置および走査露光装置に好適なステージ装置の位置決めのための駆動部、ワーク等の搬送または位置決め等の手段の駆動部、レチクルステージやウエハステージ等の位置決めや搬送のための駆動部、チャンバ内の精密位置決めステージ装置の駆動部、ケミカルメカニカルポリシングシステムでのワークピースまたは半導体ウェーハの位置決め装置の駆動部、半導体のステッパー装置の駆動部、加工機械の導入ステーション内に正確に位置決めする装置の駆動部、NC機械やマシニングセンタ等の工作機械等またはIC業界のステッパーに代表される各種機器用のパッシブ除振およびアクティブ除振の除振装置の駆動部、半導体素子や液晶表示素子製造のリソグラフィ工程に使用される露光装置等において光ビーム走査装置の基準格子板を上記光ビームの光軸方向に変位させる駆動部、ならびに、コンベヤの横断方向に物品処理ユニット内へ移送する移送装置の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、電子顕微鏡等の走査プローブ顕微鏡のプローブの位置決め装置の駆動部、ならびに、電子顕微鏡用試料微動装置の位置決め等の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、自動溶接ロボット、産業用ロボットや介護用ロボットを含むロボットまたはマニピュレータにおけるロボットアームの手首等に代表される関節機構の駆動部、直接駆動型以外の関節の駆動部、ロボットの指のそのもの、ロボット等のハンドとして使用されるスライド開閉式チャック装置の運動変換機構の駆動部、細胞微小操作や微小部品の組立作業等において微小な対象物を任意の状態に操作するためのマイクロマニピュレータの駆動部、開閉可能な複数のフィンガーを有する電動義手等の義肢の駆動部、ハンドリング用ロボットの駆動部、補装具の駆動部、ならびにパワースーツの駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、サイドトリマの上回転刃または下回転刃等を押圧する装置の押圧部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、パチンコ等の遊戯装置における役物等の駆動部、人形やペットロボット等のアミューズメント機器の駆動部、ならびに、乗車用シミュレーション装置のシミュレーション装置の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、上記機器等を含む機械全般に用いられる弁の駆動部に用いることができ、たとえば、蒸発ヘリウムガスの再液化装置の弁の駆動部、ベローズ式の感圧制御弁の駆動部、綜絖枠を駆動する開口装置の駆動部、真空ゲート弁の駆動部、液圧システム用のソレノイド動作型制御バルブの駆動部、ピボットレバーを用いる運動伝達装置を組み込んだバルブの駆動部、ロケットの可動ノズルのバルブの駆動部、サックバックバルブの駆動部、ならびに、調圧弁部の駆動部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、上記機器等を含む機械全般に用いられるブレーキの押圧部として用いることができ、たとえば、非常用、保安用、停留用等のブレーキやエレベータのブレーキに用いて好適な制動装置の押圧部、ならびに、ブレーキ構造もしくはブレーキシステムの押圧部に好適に用いることができる。
上記面状デバイスは、たとえば、上記機器等を含む機械全般に用いられるロック装置の押圧部として用いることができ、たとえば、機械的ロック装置の押圧部、車両用ステアリングロック装置の押圧部、ならびに、負荷制限機構および結合解除機構を合わせ持つ動力伝達装置の押圧部に好適に用いることができる。
<実施例>
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されず、本発明の技術的思想を同じくする全ての形態、態様、製品、部品に及ぶことは言うまでもない。
[実施例1]
基材として、伸縮性不織布セパレータ(品番PTS100K 目付105g/m、倉敷繊維加工(株)製)を使用した。基材の片面にスパッタリングで約0.1μm厚みのAu層を構築した。これを対極として用い、電解重合方法(条件:ピロール、0.1mol/l、−10℃)により、TBATFSIの安息香酸メチル溶液中にて0.2mA cm−2の電流密度で12時間定電流電解重合を行った。電解重合後アセトンで洗浄し、室内で乾燥させ、基材とPPy−TFSIが複合化された、[PPy−TFSI/Au/基材]の3層構造からなる素子を得た。このとき複合化されたPPy−TFSI層の厚みは15〜20μmであった。
また、作用極として金板を用い、電解重合方法(条件:ピロール、0.1mol/l、−10℃)により、TBACFSOの安息香酸メチル溶液中にて0.2mA cm−2の電流密度で4時間定電流電解重合を行い、導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)を形成した。電解重合後アセトンで洗浄し、導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)を金板から剥離し、室内で乾燥させた。導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)の厚みは10〜15μmであった。
次いで、素子[PPy−TFSI/Au/基材]に導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)を重ね、一対の電極部材(円形開孔(直径30mm)が形成されたSUS304の金メッキ板)で挟み込みビスで固定して面状デバイスを構成した。
面状デバイスを導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)を下側として、駆動電解液(アセトニトリル:純水の混合溶媒(5:5)(1MのLiTFSI(ビストリフルオロメタンスルフォニルイミドのリチウム塩)を含有)溶液)に1時間浸し、基材に駆動電解液を含ませると共に、導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)を膨潤させた。その後、駆動電解液から引き上げ、面状デバイス表面の駆動電解液を拭った。
導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)を下側にして、球体の錘(約30g)を載せ、導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)側に正極の電圧(1.5V)を、従動対極側に負極の電圧(−1.5V)を印加させ、錘が垂直下降するのを確認した。また、導電性高分子膜(PPy−CFSO 層)側に負極の電圧(−1.5V)を、従動対極側に正極の電圧(1.5V)を印加させ、錘が垂直上昇するのを確認した。この際の垂直変位量は、約3mmであった。また、電圧印加を途中で停止した場合に、垂直変位が停止し、電圧印加を再開した場合に垂直変位が再開することを確認できた。
[実施例2]
基材としては、親水性PTFEメンブレンフィルター(厚さ29μm、空孔率60%、ジャパンゴアテックス社製)を使用した。基材の両面にスパッタリングで約0.1μm厚みのAu層を構築した。これを作用極として用い、この基材の両面を直径5mmの円形孔が形成された一対のピーク材で挟みこみ(マスキング)、電解重合方法(条件:ピロール、0.1mol/l、−10℃)により、TBATFSIの安息香酸メチル溶液中にて0.2mA cm−2の電流密度で12時間定電流電解重合(スポット重合)を行った。電解重合後アセトンで洗浄し、室内で乾燥させ、基材とPPy−TFSIが複合化された、[PPy−TFSI/Au/基材/Au/PPy−TFSI]の5層構造からなるPPyバイモルフ素子(アクチュエータ素子に相当する)を得た。このとき複合化された両方のPPy−TFSI層の厚みは20〜25μmであった。両方のPPy−TFSI層は、作用極であるAu層に形成されるため、直径約5mmの円形である。
次いで、PPyバイモルフ素子を、PPy−TFSI層が円形開孔内に位置するように、一対の電極部材(円形開孔(直径7mm)が形成されたSUS304金メッキ板)で挟み込みビスで固定して面状デバイスを構成した。
面状デバイスを駆動電解液(ガンマブチロラクトン:エチレンカーボネイトの混合溶媒(5:5)(0.5MのTBATFSI(ビストリフルオロメタンスルフォニルイミドのテトラブチルアンモニウム塩)を含有)溶液)に1時間浸し、基材に駆動電解液を含ませると共に、導電性高分子膜(PPy−TFSI層)を膨潤させた。その後、駆動電解液から引き上げ、面状デバイス表面の駆動電解液を拭った。
一方の導電性高分子膜側に正極の電圧(1.5V)を、他方の導電性高分子膜側に負極の電圧(−1.5V)を印加させ、正極印加側が凸形状となり、負極印加側が凹形状となることを確認した。また、正極と負極を交互に切り変えると、それに応じて、凹凸形状が切り換わることを確認できた。
本発明の面状デバイスの実施形態の一例を説明する図 本発明の面状デバイスの実施形態の一例を説明する図 本発明の面状デバイスの実施形態の一例を説明する図
符号の説明
A、B、C 面状デバイス
A1、B1、C1 アクチュエータ素子
1a、1b、11a、11b、21a、21b 電極部材
1c、1d、11c、11d、21c、21d 開孔部
2、12、22 基材
3、13、14、23 導電性高分子アクチュエータ
4、24 従動対極

Claims (9)

  1. 伸縮性の導電性高分子アクチュエータと、当該導電性高分子アクチュエータに対する駆動電解液を含む伸縮性の基材と、伸縮性の導電性部材とがこの順序で積層されたアクチュエータ素子と、
    前記導電性高分子アクチュエータおよび前記導電性部材のそれぞれに対して電圧を印加するための電極であって、前記導電性高分子アクチュエータ面および前記導電性部材面をそれぞれさらす開孔部を有し、少なくとも前記基材を挟むように設けられる一対の電極部材とを備え、
    前記導電性高分子アクチュエータに正あるいは負の電圧を印加し、かつ前記導電性部材に負あるいは正の電圧を印加するように制御することによって、前記導電性高分子アクチュエータが面方向に伸長あるいは収縮して、前記開孔部内に位置するアクチュエータ素子がその厚み方向に直動変位することを特徴とする面状デバイス。
  2. 正極に電圧印加された前記導電性高分子アクチュエータが面方向に伸長し、負極に電圧印加された前記導電性部材および前記基材が前記導電性高分子アクチュエータの動きに従動することによって、前記開孔部内に位置するアクチュエータ素子がその厚み方向に直動変位し、当該電圧印加を停止させた場合に前記導電性高分子アクチュエータの伸長が停止して当該直動変位が停止し、
    負極に電圧印加された前記導電性高分子アクチュエータが収縮し、正極に電圧印加された前記導電性部材および前記基材が前記導電性高分子アクチュエータの動きに従動することによって、前記開孔部内に位置するアクチュエータ素子がその厚み方向に直動変位し、当該電圧印加を停止させた場合に前記導電性高分子アクチュエータの収縮が停止して当該直動変位が停止することを特徴とする請求項1に記載の面状デバイス。
  3. 前記導電性高分子アクチュエータを上側に、前記導電性部材を下側にして配置した構成の場合に、
    前記導電性高分子アクチュエータの厚みを、前記開孔部内以外よりも前記開孔部内を大きくし、
    正極に電圧印加された前記導電性高分子アクチュエータが伸長し、負極に電圧印加された前記導電性部材および前記基材が前記導電性高分子アクチュエータの動きに従動することによって、前記開孔部内に位置するアクチュエータ素子がその厚み方向で上方に直動変位し、前記開孔部に位置するアクチュエータ素子による押し上げ力を形成したことを特徴とする請求項1に記載の面状デバイス。
  4. 前記基材に金属電極層を介して前記導電性高分子アクチュエータが構成される請求項1から3のいずれか1項に記載の面状デバイス。
  5. 前記基材が不織布である請求項1から4のいずれか1項に記載の面状デバイス。
  6. 前記基材が多孔質ポリテトラフルオロエチレンである請求項1から4のいずれか1項に記載の面状デバイス。
  7. 前記導電性高分子が分子鎖にピロールおよび/またはピロール誘導体を含む請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の面状デバイス。
  8. 伸縮性の第1の導電性高分子アクチュエータと、当該導電性高分子アクチュエータに対する駆動電解液を含む伸縮性の基材と、伸縮性の第2の導電性高分子アクチュエータとがこの順序で積層されたアクチュエータ素子と、
    前記第1の導電性高分子アクチュエータおよび前記第2の導電性高分子アクチュエータのそれぞれに対して電圧を印加するための電極であって、前記第1、第2導電性高分子アクチュエータ面をそれぞれさらす開孔部を有し、前記基材を挟むように設けられる一対の電極部材とを備え、
    前記第1、第2導電性高分子アクチュエータが同じ導電性高分子材料で、かつ同じ又は略同じ厚みで構成され、
    前記基材の両面に金属電極層が形成され、当該金属電極層を介して前記基材を前記一対の電極部材で挟んで構成され、かつ、前記第1、第2導電性高分子アクチュエータが前記開孔部よりも小さい面積で、前記金属電極層を介して前記第1、第2導電性高分子アクチュエータが前記基材に積層されていることを特徴とする、面状デバイス。
  9. 伸縮性の第1の導電性高分子アクチュエータと、当該導電性高分子アクチュエータに対する駆動電解液を含む伸縮性の基材と、伸縮性の第2の導電性高分子アクチュエータとがこの順序で積層されたアクチュエータ素子と、
    前記第1の導電性高分子アクチュエータおよび前記第2の導電性高分子アクチュエータのそれぞれに対して電圧を印加するための電極であって、前記第1、第2導電性高分子アクチュエータ面をそれぞれさらす開孔部を有し、前記アクチュエータ素子を挟むように設けられる一対の電極部材とを備え、
    前記第1、第2導電性高分子アクチュエータが同じ導電性高分子材料で、かつ同じ又は略同じ厚みで構成され、
    前記一対の電極部材がフレキシブル素材で構成したことを特徴とする面状デバイス。



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