(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ装置を前記図1ないし図4に基づいて説明する。本実施形態においては、脚のふくらはぎをマッサージ対象箇所として脚の膝下部分に装着されるマッサージ装置の例について説明する。
前記各図において本実施形態に係るマッサージ装置1は、マッサージ対象箇所であるふくらはぎを含む脚の所定範囲に装着される装置本体部10と、この装置本体部10に重ねて配設される前記マッサージ部としての圧電素子シート11と、この圧電素子シート11に電力を供給可能とされるバッテリー部12と、圧電素子シート11に対し通電する状態と通電しない状態とを切替可能とする切替制御部13とを備える構成である。
前記装置本体部10は、柔軟性のあるシート状体を成形した伸縮可能な筒状体とされ、使用者のふくらはぎを含む脚70の膝下部分所定範囲を取り囲むようにして着脱可能に装着されるものである。
詳細には、装置本体部10は、マッサージ対象箇所であるふくらはぎを含む脚70の膝下部分を取り囲むように装着可能な筒状体とされる構成である。この装置本体部10は、十分な伸縮性を有して、脚70の膝下部分に必要に応じて引き伸ばしながら足先から移動させて装着され、脚70の膝下部分の外周位置で周方向に連続する配設状態を維持する。この装着状態で、装置本体部10はふくらはぎの外側に圧電素子シート11を位置させており、この圧電素子シート11により、マッサージ対象箇所に振動を加えてマッサージを行える仕組みである。
この装置本体部10の装着状態で最も内側となって肌に直接触れる部分は、必要に応じて取り外して交換したり、洗って再使用することができるように、着脱可能な内カバーなど別の部品を設けるようにしてもかまわない。
なお、装置本体部10は、使用者の脚に装着された状態でも、薄く柔軟な性質を維持していることで、脚膝下部分の動きを妨げることはない。
前記圧電素子シート11は、可撓性を有する略シート状体とされ、装置本体部10に重ねて配設され、通電により作動するものである。より具体的には、圧電素子シート11は、通電により振動して、装置本体部10を通じてマッサージ対象箇所であるふくらはぎに振動を伝え、振動マッサージを実行するものである。圧電素子シートとしては、可撓性材料製シート基材の片面又は両面に圧電体膜を配置し、電極を接続した構造を有して、装置本体部10と一体に脚や腕に巻回可能な弾性変形能を有しつつ、通電により所定振動数で振動する公知のものであり、詳細な説明を省略する。
前記バッテリー部12は、薄いシート状で且つ小型の電池、例えば、ラミネート形のリチウムイオン電池など、であり、本装置装着対象の脚膝下部分の動きを妨げない配置として、装置本体部10に重ねて配設され、切替制御部13と電気的に接続され、圧電素子シート11に電力を供給可能とされる構成である。
こうして電源となるバッテリー部12を有して、外部から圧電素子シート11を作動させるための電力を導入せずに済むようにしていることから、従来の一般的なマッサージ器のように、使用にあたって装置本体部と外部の電源とをケーブル等で接続する作業を行わずに済み、使用者の煩わしさを解消できる。また、装置本体部と電源等とを接続するケーブル等の部品を省略でき、使用者がこうしたケーブル等による拘束を受けずに済む上、装置本体部をマッサージが行われない間も装着したままとしても、特に拘束を受けることもなく、機能や外観上の問題も生じず、常時装着した状態とすることもできる。
前記切替制御部13は、圧電素子シート11に対し通電する状態と通電しない状態とを切替可能とする制御回路、及び、使用者の操作用のスイッチ13aを実装した小型基板又は素子とされて、本装置装着対象の脚膝下部分の動きを妨げない配置として、且つ、スイッチ13aを装置本体部10外周に操作可能に露出させる状態で装置本体部10に配設される構成である。
この切替制御部13は、任意のタイミングでの使用者によるスイッチ13aの操作に基づいて、又は、制御用プログラムに基づいて、圧電素子シート11に対する通電、非通電を切替えて、通電状態で圧電素子シート11をバッテリー部12からの供給電力により作動させ、マッサージを実行可能とする構成である。
前記スイッチ13aは、制御用プログラムに基づいて通電、非通電を切替えるこの切替制御部13自体の起動と停止を切替えるスイッチも兼ねており、例えば、長押しで起動と停止を切替え、短い押しで通電と非通電を切替える仕組みとされる。
切替制御部13の制御用プログラムは、圧電素子シート11を通電により作動させる作動時期を、装置本体部10が使用者の脚膝下部分に装着されている期間内における、一又は複数の時期にあらかじめ設定したものである。この制御用プログラムに従って、切替制御部13は、到来した作動時期には圧電素子シート11に通電する状態とし、作動時期以外は圧電素子シート11を非通電状態とする。
なお、切替制御部13のスイッチについては、スイッチ位置が使用者から明確に識別可能とされて、別の部材を介在させても問題なく操作が行える構成であれば、スイッチが装置本体部に覆われて露出しない配設状態とされてもかまわない。また、スイッチのうち、切替制御部13自体の起動と停止を切替える機能については、使用者の脚膝下部分への装置装着状態を検知して起動状態とする一方、脚から取り外すと停止側に自動的に切替わる別のスイッチ機構が受け持つようにすることもできる。
次に、本実施形態に係るマッサージ装置の使用状態について説明する。前提として、バッテリー部12はマッサージ使用にあたり十分に電力供給可能であり、通電状態では圧電素子シート11が適切に作動可能となっているものとする。
まず、使用者はマッサージ実行に先立ち、マッサージ装置1を使用者の脚70の膝下部分に装着し、圧電素子シート11がふくらはぎの外側に位置し、また、切替制御部13のスイッチ13aが脚の側面側に位置し、バッテリー部12は脚の前面側に位置する状態としておく。
装着されたマッサージ装置1は脚に沿った形態で嵩張らず、脚の動きを妨げることもないため、マッサージを行わない間も装着したまま(常時装着状態)としていても、通常のマッサージ装置を装着していない時と同様に行動できる。
マッサージ装置1の装着後、使用者は、切替制御部13のスイッチ13aを操作して、切替制御部13を起動状態とする。起動した切替制御部13は、制御用プログラムに従って、あらかじめ設定された作動時期が到来するまで、非通電状態を維持する。
圧電素子シート11を通電により作動させる作動時期は、具体的には、一般的に使用者が他にすべきことを有してマッサージを受ける余裕がないような時間帯(例えば、昼食や夕食の時間や、仕事の繁忙時間帯、通勤時間帯など)と重ならず、使用者が一箇所に留まってほとんど動かない状態にある可能性が高い、マッサージを受けるのに適した一又は複数の時間帯、例えば、食事後しばらくの時間など、に設定される(図4参照)。こうした作動時期は、使用者に関わる状況の変化に対応して適宜調整し、使用者がマッサージを受けるのに適した時間帯にあらためて割り振るようにすることもできる。
切替制御部13の起動後、所定時間が経過して、最初の作動時期になると、切替制御部13は非通電状態から通電状態に切替わり、圧電素子シート11に対し通電を開始する。圧電素子シート11は通電により作動して、振動することとなる。
圧電素子シート11の振動は、装置本体部10を介して脚のマッサージ対象箇所であるふくらはぎに伝わり、ふくらはぎが振動マッサージを受ける状態となる。作動時期として設定された所定の期間、圧電素子シート11の作動は継続して、振動マッサージが続けて実行され、ふくらはぎにおいては振動マッサージによる疲労回復等のマッサージ効果が得られることとなる。
この後、作動時期としてあらかじめ設定された時間が経過すると、切替制御部13は通電状態から非通電状態に切替わり、圧電素子シート11に対する通電を停止する。通電の停止に伴い、圧電素子シート11は作動を停止し、マッサージが実行されない状態となる。
こうして作動時期を過ぎた後、切替制御部13は、制御用プログラムに従って、あらかじめ設定された次の作動時期が到来するまでの間、前記同様に非通電状態を維持する。そして、さらに所定時間が経過して、次の作動時期になると、切替制御部13はあらためて非通電状態から通電状態に移行して、圧電素子シート11を通電により作動させ、振動する圧電素子シート11にふくらはぎに対するマッサージを実行させ、以降、作動時期と非通電状態の期間とを交互に繰り返し、あらかじめ設定された停止時間に達するか、使用者により切替制御部13を停止させるスイッチ操作がなされると、切替制御部13の制御用プログラムに基づく作動制御が終了し、切替制御部13は停止状態となる。
切替制御部13が停止したら、マッサージ装置1を脚から外してもかまわないが、装着し続けても特に問題はないことから、入浴前や就寝前など、外す必要が生じる時点までそのまま装着状態を継続することができる。
一方、切替制御部13の起動状態で、作動時期でない期間においても、使用者が、椅子に座るなど、歩行などで脚を動かしておらず、マッサージを行うのに適した状況等の発生によって、マッサージを行いたくなった場合には、所望のタイミングで、切替制御部13のスイッチ13aを操作して、切替制御部13を非通電状態から通電状態に切替えることができる。
この使用者のスイッチ操作で切替制御部13が切替えられると、前記同様、切替制御部13は圧電素子シート11に対し通電を開始し、圧電素子シート11は通電により作動して振動する。そして、圧電素子シート11の振動は、装置本体部10を介してふくらはぎに伝わり、ふくらはぎが振動マッサージを受ける状態となる。
この後、マッサージの継続時間としてあらかじめ設定された時間が経過すると切替制御部13は自動的に通電状態から非通電状態に切替わり、圧電素子シート11に対する通電を停止し、圧電素子シート11によるマッサージの実行も終了する。
作動時期にマッサージを実行している途中や、使用者自らのスイッチ操作に基づいてマッサージを実行している時に、任意に使用者がマッサージを終了させたい場合も、使用者は切替制御部13のスイッチ13aを操作して、切替制御部13を通電状態から非通電状態に切替えることができる。これにより切替制御部13は圧電素子シート11に対する通電を停止し、こうした通電の停止に伴い、圧電素子シート11も作動を停止して、マッサージの実行が終了する。
このように、本実施形態に係るマッサージ装置は、薄く柔軟性のある装置本体部10及び可撓性を有する圧電素子シート11を含む装置各部が、マッサージ対象箇所を含む脚の所定範囲を取り囲みつつ、脚の動きを妨げず、使用者の通常通りの行動を許容した装着状態を維持でき、この装着状態から切替制御部13を切替えて圧電素子シート11への通電を行うと、圧電素子シート11が作動し、マッサージ対象箇所へのマッサージを実行できる。これにより、使用者がマッサージ装置1を常時装着しても問題なく、この常時装着状態で圧電素子シート11を作動させてマッサージを行うようにすれば、マッサージのつど、装置本体部10を着脱せずに済み、マッサージ実行ごとの装置着脱等の作業の手間が省け、使用者に煩わしさを感じさせることなくマッサージが行え、振動マッサージによるリラックス効果を最大限に得ることができる。
また、装置本体部10の装着状態で、制御用プログラムであらかじめ設定された作動時期に、圧電素子シート11に通電するようにして、圧電素子シート11を作動可能とすることから、マッサージ装置を装着状態としたら、プログラム管理された所定の時期に圧電素子シート11を作動させて、使用者が特に操作を行うことなくマッサージを受けられることとなり、あらかじめ作動時期を使用者がマッサージを無理なく受けられる時間帯に設定すれば、操作等の手間なしに定期的にマッサージを受ける状態を確保でき、マッサージの効果を確実に得られる。
なお、前記実施形態に係るマッサージ装置において、圧電素子シート11に通電して作動させるためのバッテリー部12は、装置本体部10との組合せ状態で嵩張らず、脚膝下部分の動きを妨げないような、薄いシート状で且つ小型の電池とされる構成であるが、これに限らず、装置装着対象の上肢又は下肢の動きを妨げない配置として装置本体部に重ねて又は内蔵して配設されるものであれば、小型薄板状の電池、例えばボタン形やコイン形の一次電池や二次電池をバッテリー部として一又は複数用いる構成としてもかまわない。
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係るマッサージ装置において、通電すると振動する圧電素子シート11の性質を利用して、マッサージ対象箇所に振動マッサージを実行する構成としているが、この他、圧電素子が外力により振動すると発電する性質を併せ持つことに基づいて、第2の実施形態として、図5に示すように、使用者が装置ごと脚を動かしている場合に、動きに伴う振動により圧電素子シート21で発生した電力をバッテリー部22に供給する、すなわち、マッサージ部としての圧電素子シート21を発電部としても用いて、発電で生じた電力でバッテリー部22の充電を行う構成とすることもできる。
詳細には、マッサージ部としての圧電素子シート21は、電力を加えると振動してマッサージ対象箇所に振動を伝えると共に、振動を受けると発電する機能を有し、マッサージ部と発電部を兼ねるものである。この圧電素子シート21の発電機能に対応して、バッテリー部22は充電可能な二次電池とされ、また、切替制御部23の一部として、圧電素子シート21で発生した電力をバッテリー部22に供給して充電を行う、充電制御部23cが設けられる。
さらに、切替制御部23は、脚の膝下部分の動く状態を検出する加速度センサ23bを有しており、作動時期であって、且つこの加速度センサ23bで脚の膝下部分の動く状態を検出していない場合に、圧電素子シート21への通電を許容して、圧電素子シート21を通電により作動させ、マッサージを実行させる構成である。一方、切替制御部23は、作動時期であっても、使用者が装置ごと脚を動かす状況など、加速度センサ23bで脚の膝下部分の動く状態を検出している場合には、その動きに伴う振動により圧電素子シート21で発生する電力に基づいて、充電制御部23cでバッテリー部22の充電を行うようにしている(図6参照)。
本実施形態に係るマッサージ装置の使用状態について具体的に説明すると、前記第1の実施形態同様、使用者はあらかじめマッサージ装置を脚70の膝下部分に装着している状態で、切替制御部23を起動状態とする。起動した切替制御部23は、あらかじめ設定された作動時期が到来するまで、非通電状態を維持する。
切替制御部23の起動後、所定時間が経過して、最初の作動時期になると、切替制御部23は、例えば使用者が椅子に座ってくつろいでいるなど、歩行時等と異なり脚を動かしていない状況にあって、加速度センサ23bが脚の動く状態を検出していない場合に、非通電状態から通電状態に切替わり、圧電素子シート21への通電を許容する。
こうして、圧電素子シート21は通電により振動し、この振動がふくらはぎに伝わり、ふくらはぎが振動マッサージを受ける状態となる。この作動時期として設定された所定の期間では、加速度センサ23bが脚の動く状態を検出しない間、圧電素子シート21の作動は継続して、振動マッサージが続けて実行され、ふくらはぎにおいてマッサージ効果が得られることとなる。
一方、作動時期に至っても、例えば使用者が立ち上がって歩行するなどして脚を動かしており、加速度センサ23bが、この脚の動く状態を検出している場合には、切替制御部23はこの加速度センサ23bが脚の動く状態を検出する間、非通電状態を維持し、圧電素子シート21への通電を行わない。
また、作動時期において切替制御部23が圧電素子シート21を通電により作動させ、マッサージを実行している途中で、使用者が脚を動かし、加速度センサ23bが、この脚の動く状態を検出する場合も、切替制御部23は加速度センサ23bが脚の動く状態を検出する間、一時的に通電状態から非通電状態に移行し、圧電素子シート21への通電を停止する。
そして、上記のように、作動時期において加速度センサ23bが使用者の脚の動く状態を検出し、切替制御部23が、非通電状態として圧電素子シート21への通電を行わない間は、充電制御部23cが使用者の動きに伴う振動により圧電素子シート21で発生した電力を用いて、バッテリー部22の充電を行う。
このように、加速度センサ23bの動き検出に基づいて、圧電素子シート21が外力の付加で振動している状態では、圧電素子シート21を作動させる代わりに、振動に伴って圧電素子シート21で生じた電力を充電制御部23cでバッテリー部22に供給して充電することで、外力で振動する圧電素子シート21の発電する状況を的確に把握して、圧電素子シート21で生じた電力エネルギーを確実にバッテリー部22に充電可能となり、後で圧電素子シート21を作動させる電力として有効に活用でき、圧電素子シート21の作動に伴うバッテリー部22の電力消費の進行を抑えられる。
この後、作動時期としてあらかじめ設定された時間が経過すると、前記第1の実施形態同様、切替制御部23は通電状態から非通電状態に切替わり、圧電素子シート21に対する通電を停止する。通電の停止に伴い、圧電素子シート21は作動を停止し、マッサージが実行されない状態となる。
こうして作動時期を過ぎた後、切替制御部23は、制御用プログラムに従って、あらかじめ設定された次の作動時期が到来するまでの間、非通電状態を維持するが、この非通電状態の期間も、例えば使用者が立ち上がって歩行するなどして脚を動かし、加速度センサ23bが、この脚の動く状態を検出した場合には、充電制御部23cが使用者の動きに伴う振動により圧電素子シート21で発生した電力を用いて、バッテリー部22の充電を行うこととなる。
さらに所定時間が経過して、次の作動時期になると、切替制御部23は、前記同様、加速度センサ23bが使用者の脚の動く状態を検出しない場合、非通電状態から通電状態に移行して、圧電素子シート21を通電により作動させ、振動する圧電素子シート21にふくらはぎに対するマッサージを実行させ、また、加速度センサ23bが使用者の脚の動く状態を検出する場合、圧電素子シート21で発生した電力でバッテリー部22の充電を行わせる。そして、これ以降も同様に、作動時期と非通電状態の期間とを交互に繰り返し、あらかじめ設定された停止時間に達するか、使用者により切替制御部23を停止させるスイッチ操作がなされると、切替制御部23の制御用プログラムに基づく作動制御が終了し、切替制御部23は停止状態となる。
このように、本実施形態に係るマッサージ装置は、マッサージ部と発電部とを兼ねる圧電素子シート21が、使用者の動きにより振動している状態では、振動に伴って圧電素子シート21で生じた電力を充電制御部23cでバッテリー部22に供給して充電することから、作動時期であっても、使用者が静止状態になく、圧電素子シート21が電力を発生させており、且つそのままマッサージを実行してもその効果をあまり期待できない状況では、圧電素子シート21で生じた電力をバッテリー部22に充電するようにして、充電を行える機会を最大限活かすことができ、発生したエネルギーの有効活用が図れ、装置を使用できる時間を大幅に延ばせる。また、作動時期で使用者が脚を動かさず、マッサージを適切に受けられる状況では、加速度センサ23bの検出結果に基づいて充電状態から速やかに切替え、圧電素子シート21での振動マッサージを行わせるようにして、マッサージ対象箇所へのマッサージを効率よく実行できる。
なお、前記実施形態に係るマッサージ装置においては、加速度センサ23bを用いて、作動時期における使用者の動きにより圧電素子シート21が発電する状況を判別し、圧電素子シート21で生じた電力をバッテリー部22に充電する構成としているが、これに限らず、原則として圧電素子シート21を作動させない、作動時期以外の非通電状態の期間中のみ、使用者の動きで振動した際の圧電素子シート21が発生させた電力をバッテリー部22に充電する構成とすることもできる。この場合、加速度センサ等の、使用者が動いて圧電素子シート21が振動する状態を検出可能なセンサを使用しなくても、圧電素子シート21に通電してこれを作動させる状態と、圧電素子シート21の発電により生じた電力を充電に用いる状態とを問題なく切替えることができ、センサを省略できる分、切替制御部23のコストダウンが図れる。
また、前記実施形態に係るマッサージ装置においては、脚の動きを加速度センサ23bで検出し、この検出結果に基づき、脚が動いている場合には圧電素子シート21で生じた電力をバッテリー部22に充電する状態に、脚が動いていない場合には圧電素子シート21に通電して振動マッサージを実行する状態に、切替制御部23により自動で切替を行う構成としているが、これに限らず、使用者が脚を動かしていない状況で、圧電素子シート21での振動マッサージを実行する目的のみに、加速度センサ23bでの脚の動き検出結果を利用する構成としてもかまわない。
この場合、バッテリー部への充電を考慮しない簡略な装置構成に対応して、使用者の脚を動かしていない状態を正しく識別して通電を許容する状態に移行し、圧電素子シート21を作動させるようにすることで、使用者が脚を動かしていない脚静止状態、すなわち、使用者の脚のマッサージ対象箇所に余分な力が加わっておらず、マッサージ対象箇所でマッサージを無理なくスムーズに受けられる状態で、自動的に圧電素子シート21を振動させてマッサージを行うことができ、使用者の操作を要さず、マッサージによるリラックス状態を損なうことなく、マッサージ効果を最大限発揮させられる。また、作動時期であっても、使用者が脚を動かしている状態では、通電が許容されず圧電素子シート21が作動しないことで、使用者が静止状態になくマッサージを行っても効果をあまり期待できない状況では、無駄なマッサージが実行されず、バッテリー部の電力消費を抑えて、装置を有効に使用できる時間を最大限確保できる。
また、前記実施形態に係るマッサージ装置においては、脚が動いている場合に、本来マッサージ部である圧電素子シート21で発電状態となるのに対応して、圧電素子シート21で生じた電力をバッテリー部22に充電するようにし、脚が動いていない場合には圧電素子シート21に通電して振動マッサージを実行させるなど、マッサージ部をなす圧電素子シート21が発電部を兼ねる構成としているが、これに限らず、マッサージ部とは別に発電部を配設する構成、例えば、図7に示すように、マッサージ部をなす圧電素子シート21の他に、発電部としての別の圧電素子シート24を設ける構成とすることもできる。
この場合、圧電素子シート21は、前記第1の実施形態同様、マッサージ対象箇所近傍に位置してマッサージを実行する目的のみに使用される一方、発電部をなす圧電素子シート24は、発電専用としてバッテリー部への充電のために使用される。この発電部としての圧電素子シート24は、使用者の動きによる力を受けて振動しやすい箇所、例えば、図7に示すような足裏など、に配設するのが望ましい。また、発電部としては、圧電素子シート以外の発電機能を有するものを使用するようにしてもかまわない。この他、マッサージ部と発電部が別個に配設される場合、切替制御部の制御用プログラムに基づく制御とは完全に切り離して、発電部における発電で生じた電力を充電制御部で適宜バッテリー部に供給し、バッテリー部の充電を行う構成としてもかまわない。
さらに、前記実施形態に係るマッサージ装置においては、脚の動く状態を検出するセンサとしての加速度センサ23bを、切替制御部23の一部に組み込む形として装置本体部20に配設し、この加速度センサ23bで使用者の脚の動きを検出し、この検出結果に基づいて切替制御部23で制御を行える構成としているが、この他、脚の動く状態を検出するセンサとして、装置本体部から離して別に装着される所定のセンサや、別途装着されるウェアラブル端末60に設けられた加速度センサ等のセンサ61を用いる構成(図8参照)とすることもでき、特にマッサージ装置やウェアラブル端末を複数装着して用いる場合に、センサの重複を防いで制御を簡略化でき、コストを抑えられる。この場合、センサの検出情報を装置本体部20側の切替制御部で受け取れるようにするための無線通信部25も合わせて設けられる。このように、センサを使用者の脚以外の部位に位置させるようにしても、脚の動きに応じて使用者の他部分にも動きが少なからず生じることから、そうした動きを脚の動きを示すものとして取り扱うことで、問題なく前記実施形態同様にセンサとしての機能を果たせることとなる。ただし、こうした脚の動きを検出するセンサは、前記実施形態のように、検出対象の脚に直接装着される装置本体部と一体に設けるようにする構成が、脚の状態、特に、マッサージの実行に適した、脚が動いていない状態を正確に識別しやすく、また、切替制御部への情報伝達も有線接続で簡略に行える点でより好ましい。
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係るマッサージ装置を前記図9に基づいて説明する。本実施形態においても、前記第1の実施形態と同様に、脚のふくらはぎをマッサージ対象箇所として脚の膝下部分に装着されるマッサージ装置の例について説明する。
前記図9において本実施形態に係るマッサージ装置3は、前記第1の実施形態同様、装置本体部30と、バッテリー部32と、切替制御部33とを備える一方、異なる点として、前記第1の実施形態における圧電素子シート11に代えて、シート状の高分子アクチュエータ31を備える構成を有するものである。
前記高分子アクチュエータ31は、可撓性を有するシート状体として形成され、所定の極性設定で通電すると伸張変形する一方、前記設定とは逆の極性設定で通電すると収縮変形可能とされ、装着状態で使用者のマッサージ対象箇所(ふくらはぎ)を含む脚の所定範囲を取り囲む配置として装置本体部30に重ねて配設される構成である。
この高分子アクチュエータ31は、例えば人工筋肉に用いられる導電性高分子(CP)アクチュエータや、イオン性高分子−金属複合材(IPMC)アクチュエータなどの、電圧印加で作動し変形する公知の高分子体、又は、高分子材と他の高分子材若しくは他の材料製部材との複合体であり、詳細な説明を省略する。
こうした高分子アクチュエータ31が脚を取り囲む状態で伸縮することで、脚を締め付けて周囲から押圧したり、締め付けを緩めて解放する状態を交互に繰り返すマッサージが行える仕組みである。なお、装置本体部30における高分子アクチュエータ31の両端部に挟まれた部位は、伸縮が生じにくい構造として、高分子アクチュエータ31の伸縮変形が前記部位の逆向きの伸縮により相殺されないようにして、高分子アクチュエータ31の伸縮に伴う脚を締め付ける力の変化を適切に生じさせることが望ましい。
高分子アクチュエータ31は、一枚のシート状体として形成される他、フィルム状に形成されたものを複数枚積層して組合わせた構造とすることもできる。そして、高分子アクチュエータ31は、アクチュエータ全体の長さを変えたり、通電状態で印加する電圧の極性や大きさを制御調整されることで伸縮量の調整が可能である。また、積層構造とする場合、積層する数を変えることで、発生する力の大きさを調整可能である。こうした伸縮量や発生する力の大きさの調整により、マッサージの強度を調整できる仕組みである。
なお、この高分子アクチュエータ31は、マッサージ対象箇所を含む脚の所定範囲を所定幅にわたって取り囲むような細長い帯形のシート状体として用いる構成としているが、この他、装置本体部への配設幅がより小さくなる線状の高分子アクチュエータとすることもできる。
前記切替制御部33は、前記第1の実施形態同様、使用者によるスイッチ33aの操作に基づいて、又は、制御用プログラムに基づいて、高分子アクチュエータ31に対する通電、非通電を切替えて、通電状態で高分子アクチュエータ31をバッテリー部32からの供給電力により作動させ、マッサージを実行可能とする構成である。ただし、切替制御部33は、通電状態において、所定の極性設定で高分子アクチュエータ31に電圧印加して、この高分子アクチュエータ31を作動させて収縮変形させ、脚のマッサージ対象箇所を締め付ける状態と、前記設定とは逆の極性設定で電圧印加して、高分子アクチュエータ31を作動させて伸張変形させ、マッサージ対象箇所の締め付けを緩和する状態とを交互に繰り返す制御を実行することととなる。
次に、本実施形態に係るマッサージ装置の使用状態について説明する。前記第1の実施形態同様、まず、使用者はマッサージ実行に先立ち、マッサージ装置3を使用者の脚70の膝下部分に装着し、高分子アクチュエータ31がふくらはぎの外側に位置し、また、切替制御部33のスイッチ33aが脚の側面側に位置し、バッテリー部32は脚の前面側に位置する状態としておく。
装着されたマッサージ装置は脚に沿った形態で嵩張らず、脚の動きを妨げることもないため、マッサージを行わない間も装着したまま(常時装着状態)としていても、使用者は通常のマッサージ装置を装着していない時と同様に行動できる。
マッサージ装置3の装着後、使用者は、切替制御部33のスイッチ33aを操作して、切替制御部33を起動状態とする。起動した切替制御部33は、制御用プログラムに従って、あらかじめ設定された作動時期が到来するまで、非通電状態を維持する。
切替制御部33の起動後、所定時間が経過して、最初の作動時期になると、切替制御部33は非通電状態から通電状態に切替わり、高分子アクチュエータ31に対し通電を開始し、所定の極性設定で高分子アクチュエータ31に電圧印加して、この高分子アクチュエータ31を作動させて収縮変形させる過程と、前記設定とは逆の極性設定で電圧印加して、高分子アクチュエータ31を作動させて伸張変形させる過程とを所定の周期で交互に繰り返すようにする。
高分子アクチュエータ31のこれらの変形により生じた力は、装置本体部30を介して脚のマッサージ対象箇所であるふくらはぎに伝わり、ふくらはぎを押圧して締め付けたり締め付けを解放する状態が繰り返され、ふくらはぎが押圧と解放の繰り返しによるマッサージを受ける状態となる。作動時期として設定された所定の期間、高分子アクチュエータ31の作動は継続して、上記のマッサージが続けて実行され、ふくらはぎにおいてはマッサージによる血流促進やむくみ解消等のマッサージ効果が得られることとなる。
この後、作動時期としてあらかじめ設定された時間が経過すると、切替制御部33は通電状態から非通電状態に切り替わり、高分子アクチュエータ31に対する通電を停止する。通電の停止に伴い、高分子アクチュエータ31は作動を停止し、マッサージが実行されない状態となる。
こうして作動時期を過ぎた後、切替制御部33は、制御用プログラムに従って、あらかじめ設定された次の作動時期が到来するまでの間、前記同様に非通電状態を維持する。そして、さらに所定時間が経過して、次の作動時期になると、切替制御部33はあらためて非通電状態から通電状態に移行して、高分子アクチュエータ31を通電により作動させ、収縮、伸張変形する高分子アクチュエータ31にふくらはぎに対するマッサージを実行させ、以降、作動時期と非通電状態の期間とを交互に繰り返し、あらかじめ設定された停止時間に達するか、使用者により切替制御部33を停止させるスイッチ操作がなされると、切替制御部33の制御用プログラムに基づく作動制御が終了し、切替制御部33は停止状態となる。
一方、切替制御部33の起動状態で、作動時期でない期間においても、使用者がマッサージを行いたい場合、前記第1の実施形態同様、切替制御部33のスイッチ33aを操作して、切替制御部33を非通電状態から通電状態に切り替えることができる。
使用者のスイッチ操作で切替制御部33が切り替えられると、前記同様、切替制御部33は高分子アクチュエータ31に対し通電を開始し、高分子アクチュエータ31は通電により作動して、収縮変形する過程と伸張変形する過程とを交互に繰り返すこととなる。高分子アクチュエータ31のこれらの変形により生じた力は、装置本体部30を介して脚のふくらはぎに伝わり、ふくらはぎが押圧と解放の繰り返しによるマッサージを受ける状態となる。
この後、マッサージの継続時間としてあらかじめ設定された時間が経過すると、切替制御部33は通電状態から非通電状態に切り替わり、高分子アクチュエータ31に対する通電を停止する。
作動時期にマッサージを実行している途中や、使用者自らのスイッチ操作でマッサージを行っている時に、任意に使用者がマッサージを終了させたい場合も、使用者は切替制御部33のスイッチ33aを操作して、切替制御部33を通電状態から非通電状態に切り替えることができる。これにより切替制御部33は高分子アクチュエータ31に対する通電を停止することとなる。こうした通電の停止に伴い、高分子アクチュエータ31は作動停止となり、マッサージの実行が終了する。
このように、本実施形態に係るマッサージ装置は、マッサージ部として、通電により伸張及び収縮する高分子アクチュエータ31を用い、脚のふくらはぎを取囲む配置とされる高分子アクチュエータ31を通電で作動させて、ふくらはぎを締付けたり、締付けを緩和する状態とすることから、装置本体部30を常時装着した状態から所望のタイミングで高分子アクチュエータ31を作動させて、ふくらはぎを周囲から締め付けたり、解放する過程を繰り返すマッサージを行うことができ、ふくらはぎを適切に刺激して所望のマッサージ効果を与えることができる。
なお、前記実施形態に係るマッサージ装置においては、可撓性を有するシート状の高分子アクチュエータ31を脚の所定範囲を取り囲む配置状態となるように装置本体部30に配設し、この高分子アクチュエータ31自体でマッサージ対象箇所の締め付け状態を生じさせる構成としているが、これに限らず、図10に示すように、伸縮するアクチュエータ34と、可撓性を有するが伸縮しない他のシート体35とを組み合わせて使用し、アクチュエータ34とシート体35の端部同士を接続しつつ主にシート体35で脚周囲を取り囲む配置とし、シート体35の両端部の間隔をアクチュエータ34の伸縮で変化させることで、シート体35に囲まれた部位の締め付け状態と締め付け緩和状態をそれぞれ得る構成とすることもできる。
この場合、アクチュエータがマッサージ対象箇所の周囲を取り囲まずに済むため、アクチュエータとして小型のものを使用できる。さらに、こうしたアクチュエータを、装置の脚装着状態で脚の動きの妨げにならないように装置本体部に配設できるのであれば、可撓性を有しない積層圧電アクチュエータ等を使用するようにしてもかまわない。
また、前記実施形態に係るマッサージ装置においては、通電により作動してマッサージを実行する高分子アクチュエータ31を装置本体部30に一つのみ配設する構成としているが、これに限らず、図11に示すように、高分子アクチュエータ36、37、38を、装着状態で脚の所定範囲を取囲む装置本体部に対し、脚の末端側から脚の付け根側に向かう方向に並ぶようにして複数配設する構成とすることもできる。
この場合、複数の高分子アクチュエータ36、37、38における、マッサージ対象箇所を締付けたり、締付けを緩和する、といった作動のタイミングを、脚の末端側から脚の付け根側に向かう方向への並び順に対応させてずらすように設定し、各高分子アクチュエータ36、37、38を順次作動させることで、各高分子アクチュエータ36、37、38によるマッサージを連係させて、マッサージ対象箇所を周囲から締め付けたり、解放する過程を繰り返すマッサージに方向性を与えて、脚の末端側から付け根側に向かう血流を促すことができ、下肢全体にわたり効率よくマッサージ効果を与えられる。
なお、このように複数の高分子アクチュエータを用いる場合には、装置本体部に対し、装着状態で、脚における表在静脈と深部静脈を連絡する穿通枝のある位置に重なるように各アクチュエータを配設するのが、所望の向きへの血流をより効率よく生じさせられる点で好ましい。
また、前記実施形態に係るマッサージ装置において、マッサージ部としての高分子アクチュエータ31は、所定の極性設定で通電すると伸張変形する一方、前記設定とは逆の極性設定で通電すると収縮変形する性質を有するものとしているが、これに限らず、マッサージ部としては、通電すると伸張又は収縮変形する一方、通電を停止すると変形前状態に復元する高分子アクチュエータや、通電すると伸張変形する一方、通電を停止すると復元する圧電アクチュエータを使用する構成とすることもでき、装置本体部上でアクチュエータの作動時の変形特性に応じた配置として、作動に伴って装置本体部における使用者の脚の所定範囲を取り囲む部位の長さを変化させ、前記同様にマッサージ対象箇所の締め付けと解放が行えるものであればよい。
また、前記第1ないし第3の各実施形態に係るマッサージ装置においては、脚の膝下部分に装着されて、ふくらはぎをマッサージ対象箇所としてマッサージを実行する構成としているが、これに限られるものではなく、足や膝、脚の大腿部にそれぞれ装着されて、こうした部位にマッサージを行う構成とすることもできる。加えて、こうした下肢部の各部位をまとめて覆うように装着可能として、広い範囲にわたりマッサージ効果を与えられるものとしてもかまわない。さらに、下肢部に限らず、図12に示すように、装置本体部40を腕や手など上肢部に装着して、これらの部位にマッサージ部41によりマッサージを行う装置構成とすることもできる。
また、前記第1ないし3の実施形態に係るマッサージ装置において、装置本体部は、当初から周方向に連続する筒状の形態とされ、脚を筒内に通すようにすることで脚への装着を行う構成としているが、これに限らず、装置本体部を、マッサージ対象の上肢又は下肢の所定範囲を取り囲むように巻回される薄い帯状体とし、上肢又は下肢に巻回、装着されてはじめて、周方向に連続して上肢又は下肢の外周位置から容易に離脱せず、この装着状態を維持可能な筒状形態をとる構成としてもかまわない。
また、前記第1ないし第3の各実施形態に係るマッサージ装置においては、脚の膝下部分に装着される装置本体部に対し、脚の動きを妨げないことを考慮して、マッサージ部である圧電素子シート又は高分子アクチュエータと、バッテリー部をそれぞれ分散配置する構成としているが、この他、マッサージ部やバッテリー部自体が、可撓性を有するなど使用者の被装着部分の動きを妨げないものであれば、これらが一部又は全部重なり合う配置として装置本体部に配設される構成とすることもできる。
また、前記第1ないし第3の各実施形態に係るマッサージ装置においては、筒状の装置本体部に配設された装置各部がこの装置内で完結して機能を発揮可能となっており、左右いずれか一方の脚に装着される装置に対し、仮に他方の脚に同種の他装置が装着されても、左右で全く独立して各装置が作動することとなり、使用者はマッサージに係る何らかの操作を行う場合、左右の装置ごとに別々に操作を要求される構成となっているが、この他、図13に示すように、装置本体部50に他のマッサージ装置と無線通信で情報をやり取りして作動状態を相互に調整可能とする通信制御部55を設け、左右の脚にそれぞれマッサージ装置5が装着された場合に、左右の装置間で通信を行って、左右の装置が自動的に連携して作動する構成とすることもできる。
この場合、例えば左右いずれか一方の装置に対する操作でマッサージを行わせると、他方の装置でも自動的にマッサージを開始するようにでき、使用者の操作の手間を省くことができる。また、左右で交互にマッサージを行ったり、左右同時にマッサージを行うことで、より大きなマッサージの効果が期待できる場合に、左右の装置間の通信により左右のタイミング調整を行って両装置で適切にマッサージを実行することもでき、使用者自ら装置間のタイミングを合わせるなど面倒な操作を行うことなく、左右の装置の連携による優れたマッサージ効果を発揮させられる。
さらに、前記第1ないし第3の各実施形態に係るマッサージ装置においては、マッサージ部以外に、脚の被装着部分に対し刺激を付与する手段を特に設けない構成としているが、この他、装置本体部に薄いヒータを配設し、このヒータを通電により昇温させて、マッサージ対象箇所や近傍の他部位を必要に応じて温められる構成とすることもできる。この場合、ヒータは、加温対象位置によって、マッサージ部に重ねて配置したり、マッサージ部からずらして分散配置することとなるが、このヒータも可撓性を有するなど使用者の被装着部分の動きを妨げないものであることが望ましい。なお、ヒータを新たに設ける構成に限らず、バッテリー部が放電の際に熱を放出する特性に基づいて、バッテリー部をヒータとして用いるようにしてもよい。この他、マッサージ部に圧電素子を使用し、この圧電素子が外力で振動して発電する性質を利用してバッテリー部の充電を行う構成を採用する場合に、バッテリー部が充電の際に熱を放出する特性に基づいて、この際のバッテリー部をヒータとして用いることもできる。