JP4644361B2 - フレキソ印刷版に用いる光退色性化合物 - Google Patents

フレキソ印刷版に用いる光退色性化合物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキソ印刷版に光退色性(photobleachable)化合物を用いることに関するものである。感光度を実質的に犠牲にすることなく、ハレーションを減少させて画像の解像度を改良する。
【0002】
【従来の技術】
フレキソ印刷版は、段ボール厚紙箱から板紙箱およびプラスティックフィルムの連続ウエブに至たる種々の包装材料の印刷に広く用いられている。これらのフレキソ印刷版は、光架橋型のモノマー/バインダ/開始剤組成物などの感光性材料から製造され、ポリエステル(例えば、マイラー(登録商標)フィルム)支持体シートの間に挟んで用いられる。フレキソ印刷版は、活性輻射線を露光したときに架橋または硬化する能力があることを特徴としている。通常、これらの版の露光および現像は、まず版の裏面を特定量の活性輻射線に均一に露光させることから始まる。次に、例えば銀ハロゲン化フィルムのような写真ネガや透明紙など、イメージを持つ(image-bearing)アートワークまたはテンプレートを介してその版の前面をイメージ状に露光させる。その版を紫外線(UV)またはブラックライトなどの活性輻射線に露光させる。この活性輻射線は、透明紙の透明領域を介して感光材料に進入し、透明紙の黒色または不透明領域では進入できない。露光された材料は、架橋結合し、画像を現像する時に用いる溶媒に対して不溶性になる。一方、透明紙の不透明領域下にある、未露光の架橋結合していない感光性ポリマー領域は可溶性のまま残る。この可溶性の部分を適切な溶媒で洗浄除去することにより印刷に適切なレリーフ画像を残す。次いで、版を乾燥する。さらに、印刷版の表面粘着性を取り除く処理をしてもよい。所望する全ての加工工程を実施した後、版をシリンダに取り付けて印刷に使用する。
【0003】
印刷では、フレキソ印刷版の表面品質および特性が重要な属性となる。実際に、高品質印刷画像の、精細なハイライト−ドット、例えば1%または2%ドット(ただし、%は、印刷インクでカバーされた紙の面積量を指す)、などの小さいフィーチャを保持しまたは完全に硬化させるために、しばしば長い露光時間が必要になる。用語「露光寛容度」は、感光性成分が過剰露光されても画像品質の劣化が無視できる程度を表す。大きな露光寛容度をもつ感光性フレキソ印刷版は、前面イメージ状露光(front image-wise exposure)を行うときの実際の露光時間に対する許容性が高く、そのため実際に取り扱いが容易であるという理由で好ましい。
【0004】
フレキソ印刷版に関する1つの問題は、光重合性媒体の非画像領域内で起きるUV光の散乱に起因するハレーションである。殆ど全ての不均一な架橋結合性組成物は、ある程度の光散乱を起こすので、長いイメージ状露光が活性輻射線の高水準の背景散乱を引き起こす。この背景散乱は、しばしばイメージ状露光照射が行なわれない領域内のポリマーが架橋結合または硬化を生じるのに十分である。このような望ましくない架橋結合の全体的な影響は、精細なネガ、すなわち非画像が埋まったレリーフフィーチャおよびベタ画像域の周辺のブロードショルダ、すなわち「ハロー」を生成することになる。これは、フレキソ印刷版の印刷品質の劣化を招き、意図したよりも大きい画像ドットサイズを生成するドットゲインの原因となる。
【0005】
また、ハレーションは、版の露光寛容度の低減によって印刷画像品質を劣化させる。特に、この問題は、新たに押出し成型された版に言えることである。さらに、露光寛容度は、フレキソ版上における、低光スループットフィーチャ、例えば1〜2%ドット、および高光スループットフィーチャ、例えば4ミルのリバースラインを同時に画像作成する能力として定義できる。より広い露光寛容度およびより安定な性質を達成するために、現状では、新たに押出し成型された版を4〜6週間貯蔵して熟成させる必要がある。この熟成期間に、低レベルの酸素が版中に拡散して、低レベルの重合を抑制すると考えられる。この熟成期間の縮小または省略が可能になれば、在庫コストを大いに節減し、かつ製品サイクル時間を短縮することになる。
【0006】
ハレーション問題の一因は、インクの移行性を改良するために、しばしば、フレキソ印刷版に追加するキャッピング層にもある。このようなキャッピング層は、印刷版のバルクとは全く違ったふうに活性輻射線を散乱させることがある。そしてキャッピング層は、重要な印刷表面に近接しているため、キャッピング層とバルク間の屈折率の微小な差異が、重要な印刷表面の好ましくない光重合を引き起こす可能性がある。加えて、ポリマー組成物によっては、散乱紫外線の90%ほどが、光重合性層の上部25%から発生する可能性がある。
【0007】
フレキソ印刷版に関する他の問題は、イメージを持つアートワークの粒状性に起因するコントラスト劣化である。多くの市販されているイメージを持つアートワークは、銀ハライドエマルジョン技術に基づいている。したがって、銀ハライド粒子の粒状性が、しばしばアートワークの不透明および透明領域にまたがって微視的にファジーな画像エッジをもたらす。このファジーな画像エッジは、活性輻射線に対して部分的に透過性であるため、画像をアートワークからフレキソ印刷版に光化学的に移行したときに、画像の鮮明度を劣化させることがある。フレキソ印刷版に必要な長いイメージ状露光は、しばしばドットゲインをもたらす。この問題は、特に小さい(<1%)印刷ドットで言えることであり、ファジーな画像エッジで拡がった断面積が印刷ドットの断面積と同等になる。
【0008】
フレキソ印刷版に関するその他の問題は、版の厚さである。薄い版は、処理時間を短縮し、乾燥時間を短くし、ポリマー量を減量するために好ましく、かつそのために安価になるに違いない。このような薄い版で画像形成を高めるためには深いレリーフが必要である。一般的には、薄い版構造で高画像品質を得ることはかなり困難である。その幾つかの理由として、(1)薄い版は、画像レリーフ深さをより正確に制御する必要がある、例えば、印刷版を横切るレリーフ深さの未制御の変動が印刷画像の不十分な移行を生む可能性がある、(2)画像レリーフの深さが減少するにしたがい、一般的にレリーフ画像の品質が低下する、例えば、「ハロー」がより発達する、および(3)ポリエステル支持体および露光装置のガラス板表面からの活性輻射線の鏡面反射が、感光性エレメントの非画像領域で望ましくない光重合を引き起こすことがある、などが挙げられる。
【0009】
散乱した活性輻射線の影響を軽減する従来のアプローチは、散乱した輻射線が効果的に減衰するように、高分子媒体の吸収性を高めることである。1つのアプローチでは、吸収性を高めるためにフレキソ印刷版の処方に不活性なUV吸収性染料を加えている。このアプローチは、効果的であるが、不活性な染料吸収剤が相応な量の輻射線を吸収するために、感光度を過度に低下してしまう。その他のアプローチは、高濃度の開始剤を用いて媒体の吸収力を高めることである。このアプローチも効果的であるが、実際のところ欠点もある。高濃度の開始剤は、散乱した活性輻射線に対して未露光領域の感応性を高めるため、高吸収性から得られる利点に部分的に逆行する。
【0010】
カラー写真の用途では、種々の不活性な非退色性染料がハレーション防止剤として使用されており、また脱色性の、ある種のスチリルおよびブタジエニル染料が、カラー写真用のハレーション防止剤として提案されている(米国特許第3,996,215号を参照)。しかし、このような染料のアゾ結合は、熱的に不安定であって、高温度で容易にトランスからシスへの転化、すなわち熱退色を受ける。この熱吸収に誘発される退色のために、溶融押出し成型されるフレキソ印刷版の用途では、これらのアゾ染料は適切でない。加えて、写真用途では、薄いフィルムの使用を伴い、バルク光の伝播の影響および硬化時の体積に関する問題の重要性は減少する。
【0011】
ある種のスチリルピリジニウム化合物が、電子デバイス用の写真平版の水溶性コントラスト増強層(CEL)における光退色性染料として用いられている(Yonezawa他、Polym.Eng.Sci.(1989)、29(14)、898〜901ページ、および特願昭63−121039号(1989)を参照)。一般に、このシステムは、フォトレジストを被覆するCELを含むシリコンウエハ表面のフォトレジスト層からなる。このCELは光退色性染料を含有し、CELの非退色性の部分は、露光時にインシチュで接触マスクとして作用する。Yonezawa他は、熱安定性および光退色性を示す、ある種のスチリルピリジニウム化合物およびある種の水溶性ポリマーからなる水溶性コントラスト増強剤を記載している。
【0012】
米国特許第4,661,433号には、写真平版技術で、アリールニトロンが、コントラストを増強するための光退色性化合物として有用であると記述されている。しかし、これらの染料は、高温度(約120℃)において不飽和ビニル性モノマーおよびバインダと容易に反応するので、このようなモノマーまたはバインダと不適合となる(Hamer他、Chemical Reviews、(1964)、64(4)474〜498ページを参照)。加えて、アリールニトロン染料は水分に敏感であり、貯蔵安定性の問題が生じる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のフレキソ印刷版に見られる欠点に鑑みて、散乱光に対する改良された抵抗性および幅広い露光寛容度などの、所望のフレキソ印刷版特性を高める方法、このような版を用いた印刷で高い画像解像性をもたらす方法、また、画像と非画像領域との間で所望の弁別をした画像を提供する方法に対する要望がある。また、新たに作成したフレキソ印刷版の熟成期間の縮小または省略に対する要望、さらに、薄いフレキソ印刷版に対する要望がある。したがって、本発明の目的は上述の要望を満たす、露光時の散乱光の悪影響を減少し、露光感光度を高める光重合性組成物、該組成物を用いた感光性印刷エレメントおよびフレキソ印刷版、これらの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含む光重合性組成物に関する。
【0015】
また、本発明は、支持体と、上述の光重合性組成物を含む光重合性層とを有する、フレキソ印刷版の製造に用いる感光性印刷エレメントに関する。
【0016】
さらに、本発明は、上述の光重合性組成物を支持体に塗布して、支持体上に光重合性層を形成する工程を有する、フレキソ印刷版の製造に用いる感光性印刷エレメントの製造方法に関する。
【0017】
また、本発明は、(a)上記の感光性印刷エレメントを活性輻射線にイメージ状に露光させて、光重合性層の一部分を選択的に重合させる工程と、(b)工程(a)で得たエレメントを処理し光重合性層の未重合部分を除去することにより、フレキソ印刷版を作成する工程とを有するフレキソ印刷版の製造方法に関する。
【0018】
また、本発明は、フレキソ印刷版から作成される画像の解像度を高める方法に関するものであり、そのフレキソ印刷版が本発明の感光性印刷エレメントを有し、少なくとも1種の光退色性化合物を光重合性組成物に加えることを含むものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の光重合性組成物、感光性エレメント、プロセスおよび方法は、光退色性化合物を使用して、フレキソ印刷版およびそれらから作成される画像の所望の特性を高めることに関する。このような所望の特性には、高い画像解像性をもたらす、散乱光に対する改良された抵抗性および広い露光寛容度が含まれる。光重合性組成物に光退色性化合物を含有させること、およびこのような光重合性組成物を用いて製造した感光性印刷エレメントは、画像領域におけるハイライトスループットを可能にすると共に、非画像領域への活性輻射線の透過を阻止することになる。この方法により製造したフレキソ印刷版の画像を非画像領域から効果的に弁別することを助ける。
【0020】
フレキソ印刷版の製造に用いる本発明の感光性印刷エレメントは、支持体、および少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含む光重合性層を有する。さらに、この感光性印刷エレメントは、少なくとも1種の追加層を有してもよく、この層は、少なくとも1種のバリア層、赤外輻射線感受性材料の層(本明細書では赤外線感受性層と呼ぶ)、またはこのようなバリアおよび赤外線感受性層の任意の組合せを有してもよい。このような赤外線感受性層は活性輻射線に対して実質的には不透明であり、赤外線レーザー輻射線に露光させるとき、その赤外輻射線感受性材料を光重合性層の表面から除去でき、または赤外線感受性層を塗布する前に光重合性層の表面にバリア層を塗布した場合には、そのバリア層の表面から除去できる。
【0021】
特に言及しない限り、用語「フレキソ印刷版またはエレメント」は、平坦なシートおよびシームレスの連続形態を含むフレキソ印刷に適する任意の形態の版またはエレメントを包含するものであるが、これに限定されるものではない。
【0022】
支持体は、フレキソ印刷版の製造に用いる感光性印刷エレメントと共に通常使用される任意の柔軟な材料であればよい。支持体を通して「バックフラッシュ」露光に適応させるために、支持体は活性輻射線に対して透過性であることが好ましい。適切な支持体材料の例には、付加重合ポリマーおよび線状縮合重合ポリマーで作成するフィルムなどの高分子フィルム、透過性発泡体および織物がある。また、金属支持体は輻射線に対して透過性ではないが、ある種の末端用途の条件下では、アルミニウムなどの金属が支持体として使用できる。好ましい支持体はポリエステルフィルムであり、特に好ましくはポリエチレンテレフタレートフィルムである。支持体は、約2ミルから約10ミル(約0.0051cmから約0.025cm)の厚み、好ましくは3ミルから約8ミル(約0.0076cmから約0.020cm)の厚みをもつものである。
【0023】
本明細書では、用語「光重合性」は、光重合性、光架橋結合性、またはその双方のシステムを包含する。光重合性層は、光重合性組成物を含み、この組成物は、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含んでいる。光重合性層は現像溶液に対して溶解性、膨潤性または分散性であるため、この層は、溶媒または水性溶液で洗い流し可能で(米国特許第4,423,135号および米国特許第4,369,246号を参照)、および/または加熱現像時に一部液化可能であるため、現像温度にまで加熱した時に光重合性層の未重合領域が軟化または溶融する(しかしコールドフローを受けない、すなわち通常の保存期間に寸法変化を受けない)。
【0024】
エラストマーバインダは、単一ポリマーまたはポリマー混合物である。エラストマーバインダは、水性、半水性、または有機溶媒現像剤に対して溶解性、膨潤性または分散性である。水性または半水性現像剤に溶解または分散できるエラストマーバインダは、Allesの米国特許第3,458,311号、Pohlの米国特許第4,442,302号、Pineの米国特許第4,361,640号、Inoue他の米国特許第3,794,494号、Proskowの米国特許第4,177,074号、Proskowの米国特許第4,431,723号、Wornsの米国特許第4,517,279号、Suzuki他の米国特許第5,679,485号、Suzuki他の米国特許第5,830,621号およびSakurai他の米国特許第5,863,704号に開示されている。有機溶媒現像剤に対して溶解性、膨潤性または分散性のエラストマーバインダには、ポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、ブタジエン/アクリロニトリル、ブタジエン/スチレン熱可塑性−エラストマーブロックコポリマーおよびその他のコポリマーを含む、天然または合成の共役ジオレフィン炭化水素のポリマーがある。Chenの米国特許第4,323,636号、Heinz他の米国特許第4,430,417号、およびToda他の米国特許第4,045,231号に提案されたブロックコポリマーを使用できる。水性、半水性または有機現像剤中での使用に適するエラストマーバインダは、一般的に加熱現像用としても適しており、加熱時に光重合性層の未重合領域を軟化または溶融させる。エラストマーバインダは、光重合性層の少なくとも65重量%であることが好ましい。好ましいエラストマーバインダには、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーがある。
【0025】
本明細書では、用語「エラストマーバインダ」は、さらにコアシェルミクロゲル、とミクロゲルおよび完成した巨大分子ポリマーのブレンド物を包含するものであり、Fryd他の米国特許第4,956,252号および米国特許第5,707,773号に開示されている。
【0026】
光重合性層は、単一モノマーまたはモノマーの混合物を含んでもよく、これらは、透明かつ濁りのない光重合性層を作成できる程度にエラストマーバインダと相溶性でなければならない。光重合性層に使用できるモノマーは、当業界では周知である。このようなモノマーの例は、Chenの米国特許第4,323,636号、Fryd他の米国特許第4,753,865号、Fryd他の米国特許第4,726,877号、およびFeinberg他の米国特許第4,894,315号に見ることができる。このモノマーは、光重合性層の少なくとも5重量%の量で存在することが好ましい。
【0027】
開始剤は、活性輻射線に感受性であって、過度の反応停止を伴うことなくモノマーの重合を開始させる反応性ラジカルを発生する、単一化合物またはその混合物である。活性輻射線への露光の間に到達する光重合の程度は、現像剤溶液中で画像と非画像領域間に溶解度の差異を与えるように十分に高くなければならない。光重合性層に使用できる開始剤は当業界では周知である。多くの一般的な開始剤は、熱的に安定であり、可視光またはUV光を吸収し、そしてそのような開始剤は置換または非置換多核キノン、および種々のアセトフェノン誘導体を含む。適切な系の例は、Gruetzmacherの米国特許第4,460,675号、Feinberg他の米国特許第4,894,315号、および市販開始剤の文献、例えばDietliker他の「Novel High Performance Bisacylphosphine Oxide(BAPO)photoinitiators」と題する製品文献、Ciba−Geigy社、Additives Division(1994)に見ることができる。一般的に、開始剤は、光重合性層の0.001重量%から10.0重量%の量で存在し、通常、正確な量は、入射した活性輻射線を有効に捕捉し、好ましくない散乱UV光を効果的に減衰させるために必要となる所望の光学濃度によって決定される。好ましい開始剤は、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンおよびベンゾフェノン混合物、および2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンである。
【0028】
活性輻射線に感受性である少なくとも1種の光退色性化合物が、本発明の光重合性組成物または本発明の光重合性層に含まれる。この光退色性化合物は、活性輻射線を吸収して、実質的に不透明から実質的に透明に変化することができる。活性輻射線への露光において、光退色性化合物は光重合性層の露光された領域で迅速に退色して光架橋結合を通常と同様に進行させ、一方、光退色性化合物は未露光領域で吸収性を高く保って有害な散乱輻射線を減衰させる。このように、光退色性化合物を含む本発明の感光性印刷エレメントから作成されたフレキソ印刷版を使用して作成した画像は、このような光退色性化合物を用いないで作成した画像と比較して優れた画像解像性を示す。その他にも理由はあるが、この感光性印刷エレメントは精細なドットサイズを保持できる。
【0029】
画像および非画像領域間を最高に弁別するためには、活性輻射線に露光したときに、光重合性層の露光領域内で起きる光退色が、「透明である」ことが好ましい。「透明である」とは、十分に光退色した状態で、光退色性化合物の残存光学濃度が低く、したがって、活性輻射線に対して開始剤と競合しないであろうことを意味する。要するに、光退色性化合物は、有効な「光ゲート」として作用する特性を示す。「光ゲート」とは、非画像領域ではラジカル発生開始剤から活性輻射線のエネルギーをそらし、その一方で、画像領域では活性輻射線に対し実質的に透過性になることを意味する。
【0030】
また、光退色性化合物を含むことは、アートワークの透明および黒色領域間のファジーな画像エッジにまたがるコントラストの強度を高めることになる。これはファジーな画像エッジ下でグラジエントの強さを高め、イメージ状露光の時間を徐々に増すにつれてドットゲインを大きくさせる。本発明の少なくとも1種の光退色性化合物を含む感光性印刷エレメントを用いて作成されたフレキソ印刷版は、光退色性化合物を含まない印刷版と比較して活性輻射線に長時間の露光が可能であり、深刻なドットゲイン問題に悩まされない。少なくとも1種の光退色性化合物を含むことにより得られた長時間の露光は、画像の解像度を改良する。
【0031】
感光度の過度の低下を避けるために、光退色はエネルギー効率がよいことが好ましく、それにより、比較的少量(完全な画像露光に必要な総量と比較して)の活性輻射線が画像領域を効果的に実質的に透明にする。
【0032】
好ましくは、光退色性化合物は1以上の下記特性を有する。すなわち、活性輻射線を効率的に吸収する;少なくとも部分的に、好ましくは完全に、活性輻射線源の発光スペクトルをカバーする吸収スペクトルを有する;少なくとも部分的に、好ましくは完全に、開始剤の吸収スペクトルと重なる吸収スペクトルを有する;ひとたび活性輻射線に露光したとき、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、活性輻射線源の発光スペクトルをもはやカバーしない吸収スペクトルを有する;および、光重合性層に十分に溶解可能であるという特性をもつものである。「十分に溶解可能」は、使用する光退色性化合物の吸収係数および光退色特性に依存する。その他の光退色性化合物と比較した時に、吸収係数の絶対値が低く、しかも2種の光退色性化合物の退色効率が同等である場合は、その他の光退色性化合物を用いたと同等の効果を得るためには、吸収係数の絶対値が低い光退色性化合物の分子は、光重合性層中により多く必要となるであろう。
【0033】
光退色能をもつ化合物は当業界では知られており、それらの化合物の代表例は、「Photochromism,Molecules and Systems」、H.DurrおよびH.Bouas−Laurent編集(Elsevier、1990)に記載されている。光退色特性が2つ以上の分子単位の相互作用から誘導されるある種の化合物が知られている。このようなタイプの2分子または多分子光退色性化合物の例は、「Immobilization of Enzymes with Use of Photosensitive Polymers Having the Stilbazolium Group」、K.IchimuraおよびS.Watanabeによる、Journalof Polymer Science、Polymer Chemistry版、第18巻、891〜902ページ(1980)に記載されているようなスチバゾリウム(stibazolium)塩の誘導体を含んでいる。
【0034】
その他の分類の光退色性化合物は、共役芳香族基をもつ化合物のトランスからシスへの異性化に基づく重要なフォトクロミズムを示す染料である。これらの化合物では、光異性化が分子中の電子分布を混乱させ、光学吸収に変化をもたらす。これらの光退色性化合物は、単一分子の単位から成り立っている。
【0035】
約120℃を上まわる高温度に曝すことを伴う熱押出しおよびカレンダ技術を用いて、光重合性層または感光性印刷エレメントを作成する場合は、光退色性化合物は、非揮発性であり、かつ、その高温度において、少なくとも1種のエラストマーバインダ、少なくとも1種のモノマー、および開始剤と非反応性であるべきであり、さらに熱的に安定でなければならない。本明細書では、熱安定性には、化合物の化学的分解に対する従来の化学的安定性、および高温度における光退色特性の減損に対する安定性を包含する。光重合性層に関して、その成分の1以上のものが熱的に安定でない場合は、当業界で周知の技術を用いて、液体印刷版を作成することが可能である。
【0036】
本明細書の組成物、エレメント、プロセスおよび方法に用いる好ましい光退色性化合物は、特に、熱押出しおよびカレンダ温度で熱安定性を示す化合物である。好ましい光重合性組成物および感光性印刷エレメントは、このような好ましい熱安定性の光退色性化合物を含んでいる。より好ましい光退色性化合物は、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択される。より好ましい光重合性組成物および感光性印刷エレメントは、このような好ましい光退色性化合物を含んでいる。
【0037】
種々のナフチルビニルピリジンおよびスチリルキノリン化合物の光退色は、トランスからシスへの光異性化により起こる。このようなナフチルビニルピリジン化合物の代表例は、4−(1−ナフチルビニル)−ピリジン、4−(2−ナフチルビニル)−ピリジン、3−(1−ナフチルビニル)−ピリジン、3−(2−ナフチルビニル)−ピリジン、2−(1−ナフチルビニル)−ピリジン、2−(2−ナフチルビニル)−ピリジンを含む。これらの中でも、4−(2−ナフチルビニル)−ピリジンが好ましく、そのトランス−異性体が最も好ましい。スチリルキノリン化合物の代表例は、4−スチリルキノリン、2−スチリルキノリン、3−スチリルイソキノリン、4−スチリルイソキノリン、1−スチリルイソキノリンおよびその他の異性体などのn−スチリルキノリンおよびn−スチリルイソキノリンの異性体を含む。好ましいスチリルキノリン化合物は、4−スチリルキノリンおよび3−スチリルキノリンであり、これら2種の化合物のトランス−異性体が最も好ましい。置換ナフチルビニルピリジンおよびスチリルキノリンは、1以上のハロゲン原子(Cl、F、BrまたはIから独立して選択される)、窒素などの1以上の環内ヘテロ原子、1から10個の炭素原子を含有するアルキル基、1から10個の炭素原子を含有するアルコキシ基、アミン基またはニトロ基を含むことができる。本明細書の光退色性化合物として有用な種々のナフチルビニルピリジンおよびスチリルキノリン化合物は、TCI America、Portland、ORから商業的に入手可能であり、またはShawのcondensation(c.f.Shaw,B.D.およびWagstaff、J.Chem.Soc.(1933)77ページ、またCozzari,C.およびHartman,B.K.のAnalytical Biochemistry、133(1983)、120ページも参照)を用いて作成できる。
【0038】
ナフチルビニルピリジンおよびスチリルキノリン光退色性化合物は、350〜400nmにおける比較的低い残存吸収に対して、比較的高い初期吸収による効率のよい光退色を特徴としている。これは、画像と非画像領域との間で優れた感光性コントラストを生み出し、それにより画像品質を改良する。特に、4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンおよび4−スチリルキノリンは、フィリップスUV−A「TL」シリーズ低圧水銀蒸気蛍光ランプなどの当業界で標準の長波長UV源に対して優れたスペクトルの重なりを示し、また、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびベンゾフェノン混合物、および2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンなどの普遍的開始剤の吸収スペクトルに対しても優れたスペクトルの重なりを示している。
【0039】
無水ジフェニルマレイン酸化合物は、電子環化により光退色するものであり、このような光退色性化合物は、無水ジフェニルマレイン酸、および1以上の独立して選択されたハロゲン原子、それぞれ独立して1〜10個の炭素原子を有する1以上のアルキル基、およびそれぞれ独立して1〜10個の炭素原子を有する1以上のアルコキシ基で置換した無水ジフェニルマレイン酸を含む。この群の中では、非置換無水ジフェニルマレイン酸が最も好ましい化合物である。無水ジフェニルマレイン酸は効率よく光退色するが、光退色後のその残存吸収は、ナフチルビニルピリジンおよびスチリルキノリンの残存吸収より高い。この高い残存吸光度は、光退色性である開始剤との組合せ使用に対して、無水ジフェニルマレイン酸をより適したものにしている。本明細書で有用な無水ジフェニルマレイン酸は、Aldrich Chemical社、Milwaukee、WIから商業的に入手できる。
【0040】
また、光退色は、1分子単位を、活性輻射線を極弱く吸収するかまたは全く吸収しない2つ以上の分子単位に分解することによっても達成することができる。数種の市販されている光退色性開始剤(例えばDietliker他の同書)は、活性輻射線に露光したときに光退色およびラジカル発生を受け、このタイプの光退色性化合物の代表例である。しかし、光退色性開始剤の光化学の副生物は、単独で使用して本発明で必要なハレーション保護作用を付与するほどには、活性輻射線を十分に吸収しない。好ましい光退色性開始剤はホスフィンオキシドであり、この化合物は、高い残存吸光度を有する上記の光退色性化合物と共用したときに、有効になるであろう。好ましいホスフィンオキシドには、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルフェニルホスフィンオキシド、およびビスアシルホスフィンオキシドがある。
【0041】
光退色性化合物は、単一層構造の光重合性層などの、光重合性層のバルクの至るところに存在してもよい。あるいは、光重合性層は2層または多層構造でもよい。このような2層または多層構造では、光退色性化合物は、全ての層または少なくとも1層に存在すればよい。光重合性層が2つ以上の個別の層から構成される場合、画像レリーフの深さは本質的に画像形成プロセスから独立していなければならない。このような2層または多層フレキソ印刷版は、フレキソ印刷版作成時の1つの制御因子、バックフラッシュ時間を簡素化するかまたは省略することができ、それにより使用が容易になるであろう。画像レリーフ深さを組み入れた2層または多層の光重合性層は、光重合性層の各層に光重合性組成物を用いて実施することができ、その各層において、光重合性組成物が、光重合性層に隣接する層の組成物とは異なる量の光退色性化合物を含有してもよい。例えば、光重合性層が2層を含み、その各2層は異なる重量パーセントの光退色性化合物を含有する光重合性組成物を含むことができる。
【0042】
2層または多層構造の光重合性層は、慣用技術を用いた積層または共押出しにより製造できる(米国特許第5,049,478号を参照)。
【0043】
光退色性化合物が2層または多層の光重合性層内の隣接する層の境界にまたがって拡散することを防ぐために、特定の層に光退色性化合物が保持されることを助けるように、光退色性化合物の溶解度を調節することができる。この方法のバリエーションの1つは、光退色性化合物に不浸透性である薄いバリア層の挿入であり、2層または多層の光重合性層内の隣接する層の間に配置する。このようなバリア層は、以下に述べる剥離層またはエラストマーキャッピング層のための組成物を含んでもよい。あるいは、光退色性化合物を剥離ポリマーまたはオリゴマーに共有結合的に結合させて、光退色性化合物を特定層内に固定することができ、分子の絡まりが光退色性化合物の層境界にまたがる拡散を実質的に防ぐことができる。光退色性化合物の共有結合に適したポリマーおよびオリゴマーには、ポリビニルアルコール、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ−イソシアナトエチルメチルメタクリレート(poly−ICEM)、イソシアナトエチルメチルメタクリレート(ICEM)およびメチルメタクリレートのコポリマー、およびICEMおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマーがある。
【0044】
両方の場合(バルクおよび層の存在)に、光退色性化合物または光退色性化合物を含む層を剥がすことはなく(非画像領域を除き)、最終の感光性印刷エレメントの不可欠な部分になる。
【0045】
少なくとも1種の光退色性化合物は、画像と非画像領域間に所望の感光性の差異を生み出し、かつ十分に速い硬化速度を保証する有効量で、光重合性組成物または光重合性層内に存在できる。光重合性層の光重合性組成物が有する固有の透明度、および光重合性層の厚さ、および光退色性化合物の光退色特性は、光退色性化合物の必要量を決める因子になりうる。光退色性化合物が、光重合性組成物からなる光重合性層の約0.001重量%から約10重量%の範囲の量で存在することが好ましい。より好ましくは約0.01重量%から約5重量%の範囲の量で存在し、最も好ましくは約0.02重量%から約2重量%の範囲の量で存在する。
【0046】
さらに、光重合性層は、所望の最終特性に応じてその他の添加剤を含有できる。このような添加剤には、増感剤、流動変性剤、熱重合阻害剤、粘着剤、可塑剤、着色剤、酸化防止剤、オゾン分解防止剤、または充填剤がある。
【0047】
光重合性層の厚さは、所望のフレキソ印刷版のタイプに応じて、広範囲に、例えば約0.005インチから約0.250インチまたはそれ以上(約0.013cmから約0.64cmまたはそれ以上)に変更できる。いわゆる「薄いフレキソ印刷版」では、通常、光重合性層の厚さは、約0.010インチから約0.067インチ(約0.025cmから約0.17cm)の範囲であればよい。厚いフレキソ印刷版は、約0.067インチから約0.250インチまたはそれ以上(約0.17cmから約0.64cmまたはそれ以上)の光重合性層をもつことができる。薄いフレキソ印刷版では、ハレーション問題が不都合であるので、薄いフレキソ印刷版の製造に本発明の感光性印刷エレメントを用いると特に好都合である。
【0048】
さらに、本発明の感光性印刷エレメントは、1以上の追加層を含むことができ、このような第1の追加層を光重合性層の表面上に配置する。第1の層に続く追加層をそれぞれの先行する層の表面上に塗布する。光重合性層上の追加層は、剥離層またはエラストマーキャッピング層などのバリア層、赤外線感受性層、およびそれらの組合せを含むことができる。赤外線感受性層が存在する場合は、光重合性層と赤外線感受性材料の層との間に少なくとも1つのバリア層を挿入してもよい。バリア層が存在するならば、そのバリア層が、光重合性層と赤外線感受性層との間で、ある種の材料の移行を最小限にとどめる。ある種のモノマーおよび可塑剤が、隣接する層内に存在する材料と相溶する場合は、それらのモノマーおよび可塑剤は常に移行できる。例えば、光重合性層から赤外線感受性層へと移行することがあり得る。この場合、赤外線感受性層中の赤外線感光度が変化するかもしれない。加えて、この移行が原因になり、移行後の赤外線感受性層が汚れ、粘着性になることがある。隣接する層の間が相溶性でない場合は、移行は起きないであろう。バリア層なしに赤外線感受層を用いる時には、赤外線感受性層中のバインダが、光重合性層中に存在する少なくとも1種の移行性材料と不相溶性であることが好ましい。
【0049】
光重合性層の表面が粘着性であるならば、実質的に非粘着性表面を有する剥離層を光重合性層の表面に塗布してもよい。この剥離層は、任意選択の一時的なオーバーシートを除去する間、光重合性層の表面を損傷から保護することができ、光重合性層がオーバーシートに付かないようにすることもできる。この剥離層は、イメージ状露光の間、イメージを持つマスクが光重合性層と結合することを防止できる。剥離層は活性輻射線に非感受性である。加えて、この剥離層は、イメージを持つマスクと光重合性層間に捕捉された空気の除去に役立ち、画像伝達の忠実性を改良することが可能である。また、この剥離層は、バリア層の第1の実施形態としても適切であり(本明細書ではバリア層と呼ぶ)、この層を光重合性層と赤外線感受性層との間に必要に応じて挿入する。この剥離層は、活性輻射線に露光する前後に、光重合性層の現像溶液中で溶解性、膨潤性、分散性であるか、現像溶液中ではずすことができる。「はずすことができる」とは、現像剤が、剥離層を少なくとも一部分はそのままの状態で、剥がすことができることを意味する。このタイプのバリア層は、現像剤で処理する間に、光重合性層の非露光領域と一緒に露光または非露光領域で完全に除去される。剥離層に適した材料は、当業界では周知であって、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、エチレンおよび酢酸ビニルのコポリマー、両性インターポリマー(amphoteric interpolymers)およびそれらの混合物がある(米国特許第4,423,135号、米国特許第4,369,246号および米国特許第4,293,635号を参照)。
【0050】
エラストマーキャッピング層は、露光した状態の光重合性層の弾性係数と比較して実質的に小さくない、重合した状態の弾性係数を備えていなければならない。このエラストマー層の組成物は、高分子エラストマーバインダと、任意選択の第2の高分子バインダと、任意選択の非移行性染料または顔料とを含む。また、このエラストマー層の組成物は、1種以上のモノマーおよび光開始剤の系を含有できる。このエラストマー層の組成物中の高分子エラストマーバインダは、光重合性層に存在するエラストマーバインダと通常は同一または類似している。エラストマーキャッピング層は、通常多層被覆エレメントの一部であり、光重合性層をカレンダ仕上げする際に、感光性印刷エレメントの一部になる。エラストマーキャッピング層として適する多層被覆エレメントおよび組成物は、Gruetzmacher他の米国特許第4,427,759号および米国特許第4,460,675号に開示されている。また、エラストマーキャッピング層は、バリア層の第2の実施形態として適切であり(本明細書ではバリア層と呼ぶ)、この層を光重合性層と赤外線感受性層との間に必要に応じて挿入する。エラストマーキャッピング層は、活性輻射線に露光する前は、現像溶液に対して溶解性、膨潤性、分散性であるが、活性輻射線に露光した後には、現像溶液の影響を受けない。このタイプのバリア層を使用するときには、その層は、活性輻射線に露光していない領域に限り現像剤で除去される。活性輻射線に露光したエラストマーキャッピング層は、光重合性層の重合した領域の表面上に残留して、実際の印刷版の印刷表面になる。
【0051】
また、1種より多い追加層またはこのようなタイプの追加層を用いることができる。例えば、エラストマーキャッピング層が光重合性層の次に存在してもよいし、同様に、エラストマーキャッピング層を剥離層で被覆してもよい。追加層の的確な選択は、光重合性層の性質、赤外線感受性層が存在するか否か、その赤外線感受性層の性質、および感光性印刷エレメントの物理的要件に依存するであろう。
【0052】
両方のタイプのバリア層は、効果的なバリアとして作用して移行を防ぐために十分に厚くなければならず、また光重合性層を活性輻射線に露光させた時にバリア層の影響を最小限にするためには薄くなければならない。一般的に、バリア層は、約0.01ミルから約3ミル(約0.00025mmから約0.076mm)の範囲の厚さを有するであろう。好ましい厚さの範囲は、約0.015ミルから約2.5ミル(約0.00038mmから約0.064mm)である。
【0053】
さらに、感光性印刷エレメントは、赤外線感受性層を含むことができ、この層は、活性輻射線に対して不透明であり、赤外線レーザー輻射線に露光することにより除去可能(すなわち蒸発または融除)でなければならない。この赤外線感受性層は、バリア層と共にまたはバリア層を伴わずに使用できる。バリア層と共に使用する場合は、好ましい実施形態は、光重合性層と赤外線感受性層との間にバリア層を配置することを含む。赤外線感受性層は、赤外線吸収材料と、輻射線に不透明な材料と、任意選択のバインダとを含む。通常、カーボンブラックおよび黒鉛などの暗黒色の顔料が、赤外線吸収材料および輻射線に不透明な材料として機能する。任意選択のバインダは、高分子材料であり、自己酸化性ポリマー、非自己酸化性ポリマー、熱化学的分解性ポリマー、ブタジエンおよびイソプレンとスチレンおよび/またはオレフィンとのポリマーおよびコポリマー、熱分解性ポリマー、両性インターポリマー、上記のような剥離層として従来から使用されている材料、および上記したものの任意の混合物を含むことができる。赤外線感受性層中の任意選択のバインダが、光重合性層中の少なくとも1種の移行性材料、例えば低分子量(30.000未満)の化合物、モノマーまたは可塑剤と相溶しない場合は、赤外線感受性層と光重合性層との間にバリア層を必要としない。このような不相溶性または相溶性が光重合性層と赤外線感受性層の成分との間に存在するか否かを決めること、およびバリア層を必要とするか否かを決めることは、当業者の知識の範囲内である。赤外線感受性層の厚さは、感度および不透明性を最大に活用する範囲であるべきであり、通常、約20オングストロームから約50マイクロメータである。このような赤外線感受性層は、米国特許第5,262,275号、米国特許第5,719,009号、米国特許第5,607,814号、Van Zoerenの米国特許第5,506,086号、および欧州特許第0741330A1号に開示されているように、デジタルダイレクトプレート画像(digital direct-to-plate image)技術で使用する。
【0054】
さらに、本発明の感光性印刷エレメントは、感光性印刷エレメントの最上層の表面に一時的な被覆シートを有してもよく、この最上層は光重合性層または任意の追加層である。被覆シートの1つの目的は、保管または取扱い中に感光性印刷エレメントの最上層を保護することである。赤外線感受性層を赤外線レーザー輻射線に露光する前に被覆シートを取り除くことは、ディジタルダイレクトプレート画像処理では重要である。被覆シートに適する材料の例には、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、フルオロポリマー、ポリアミド、またはポリエステルの薄いフィルムがあり、このフィルムは剥離層で代替可能である。好ましくは、被覆シートは、Mylar(登録商標)ポリエチレンテレフタレートフィルムから作成するものであり、2ミルの厚さのMylar(登録商標)が最も好ましい。
【0055】
さらに、本発明は、本明細書に記載するように、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含む光重合性組成物を支持体に塗布して、支持体上に光重合性層を形成する工程を有する感光性印刷エレメントの製造方法に関するものである。本方法は、本明細書に記載するように、光重合性層上に1以上の追加層を塗布することを含み、光重合性層の表面に第1の追加層を塗布し、次いで先行する層の表面に次の各層を塗布することができる。
【0056】
光重合性層は、多くの方法、例えば少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、開始剤と、少なくとも1種の光退色性化合物と、任意のその他の成分とを混合して製造することができ、この混合物の全成分は、本感光性印刷エレメント、または本光重合性組成物または層に関して上に記載したものである。この混合は、液体、ゲルまたは固体の形態で行うことが可能であり、後者が最も好ましい。一般的に好ましい技術は、光重合性組成物を溶融または軟化した状態で機械的に混合し、次いで混合物を押出し、所望の厚さのシートにカレンダー仕上げすることである。本方法は、好ましくは熱的に安定な光退色性化合物と共に使用し、最も好ましくは置換または非置換ナフチルビニルピリジンの環異性体、置換または非置換スチリルキノリンの異性体、無水ジフェニルマレイン酸またはそれらの誘導体、および上記した化合物の組合せからなる群から選択された光退色性化合物と共に使用する。
【0057】
光重合性組成物を溶融、混合、脱気およびろ過するために、押出機を使用できる。押出された混合物を支持体と一時的な被覆シートとの間でカレンダー仕上げすることができ、前記シートには予め1種または複数の追加層、例えば多層被覆エレメントを塗布しておく。後者の場合、カレンダー仕上げ時に、被覆シートから最も遠い位置にある追加層が光重合性層に隣接するように配列される。追加層と一時的な被覆シートとの間の接着力は小さくなければならず、それによって、一時的な被覆シートを除去するとき、追加層がそのままの状態で光重合性層上に残るであろう。あるいは、光重合性層のための光重合性組成物を、支持体と一時的な被覆シートまたは金型中で追加層を塗布した一時的な被覆シートの間に配置させることができる。次いで、熱および/または圧力をかけて材料層を平坦に加圧成型する。
【0058】
赤外線感受性層を用いる場合には、通常は、第2の一時的な被覆シート上に赤外線感受性材料を被覆して赤外線感受性層を作成する。この赤外線感受性層は、スプレーコーティングを含む、公知の任意の塗布技術を使用して塗布できる。また、この赤外線感受性層は、真空下の蒸着またはスパッタリングにより塗布できる。最後の方法は、金属を含む赤外線感受性層に特に有効である。次に、赤外線感受性層に任意選択のバリア層をオーバーコートするか、あるいはこの2つの層を同時に塗布してもよい。また、この第2の一時的な被覆シートの接着力を小さくして、光重合性層に塗布した後に、赤外線感受性層から被覆シートを容易に除去できるようにしなければならない。あるいは、赤外線感受性層をバリア層または光重合層上に直接被覆することができる。
【0059】
さらに、本発明は、(a)本発明の感光性印刷エレメントを活性輻射線にイメージ状露光させて、光重合性層の一部分を選択的に重合する工程と、(b)工程(a)で得たエレメントを処理し光重合性層の未重合部分を除去することによりフレキソ印刷版を作成する工程とを含むフレキソ印刷版の製造方法に関する。フレキソ印刷版を作成するために、適切な光源から発した活性輻射線に本発明の感光性印刷エレメントを露光する。感光性印刷エレメントから約1.5から約60インチ(約3.8から約153cm)の距離で、水銀蒸気アークまたは紫外線灯を使用できる。露光温度は室温またはやや高い温度、すなわち約20℃から約35℃の温度が好ましい。露光時間は、数秒から数10分の範囲で変更可能であり、活性輻射線の強度および波長、光重合性層の性質および体積、所望する画像解像度、感光性印刷エレメントからの距離、および添加した光退色性化合物の量により決定される。通常、露光方法は、裏面露光および前面イメージ状露光を含むが、前者は厳密には必要ではない。裏面露光または「バックフラッシュ」は、イメージ状露光の前後またはその最中に行うことができる。イメージ状露光の前に行うバックフラッシュが一般的に好ましい。バックフラッシュ時間は、数秒から約10分の範囲であり、光重合性層側の支持体上に浅い重合材料層またはフロアーを形成させ、光重合性層および支持体を敏感にし、ハイライトドット解像度を助け、かつ版レリーフの深さを確立する。フロアーは、支持体に対する光重合性層の接着力を改良し、感光性印刷エレメントに対してよりよい機械的結着性を付与する。
【0060】
イメージ状露光は、イメージを持つマスクを通して感光性印刷エレメントを露光させることにより実施できる。イメージを持つマスク、黒白透明紙、または印刷すべき題材を含むネガは、銀ハライドフィルムまたは当業界で知られたその他の手段から作成できる。まず、一時的な被覆シートを剥がした後の感光性印刷エレメントの上部にイメージを持つマスクを置く。真空枠の中でイメージ状の露光を行うことができ、この真空枠はイメージを持つマスクおよび感光性印刷エレメントの上部表面を正確に接触させ、かつフリーラジカル重合プロセスを妨害することで知られている雰囲気中の酸素を除去する。次いで、感光性印刷エレメントを活性輻射線に露光させる。露光時、ネガの透明領域では付加重合または架橋結合が生じ、一方、不透明領域では架橋結合しない状態のままとなる。十分な時間の露光は、露光領域を下方の支持体にまたは裏面露光した層に架橋結合させる。イメージ状の露光の時間は、通常バックフラッシュ時間よりかなり長く、数分から数10分の範囲である。
【0061】
米国特許第5,262,275号、米国特許第5,719,009号、米国特許第5,607,814号、Van Zoerenの米国特許第5,506,086号および欧州特許第0741330A1に開示したようなダイレクトプレート画像転写の場合、赤外線感受性層の存在が必要である。赤外線レーザー露光エンジンを使用して、イメージを持つマスクを赤外線感受性層上にインシチューで直接形成する。このような光融除型マスクによる印刷版のイメージ状の露光は、真空枠を用いずに実施でき、印刷版作成プロセスを簡略化できる。露光プロセスは、(1)上記のように感光性印刷エレメントの赤外線感受性層を画像融除してマスクを作成する、(2)マスクを通して活性輻射線に感受性エレメントを全体露光することを含む。露光は、750から20,000nmの範囲、好ましくは780から2,000nmの範囲で発光する、種々のタイプの赤外線レーザーを用いて行うことができる。ダイオードレーザーが使用できるが、1060nmで発光するNd:YAGレーザーが好ましい。
【0062】
活性輻射線源は、紫外線、可視光線および赤外線波長領域を含む。特定の活性輻射線源の適応性は、フレキソ印刷版製造に用いた開始剤および少なくとも1種のモノマーの感光性により決まる。最も普遍的なフレキソ印刷版の好ましい感光性は、紫外線および深い可視光スペクトル領域にあり、これらの版は室内光に安定である。適切な可視光および紫外線源の例には、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、蛍光灯、電子フラッシュ装置、電子ビーム装置、レーザー、および写真フラッド灯がある。最適なUV輻射線源は、水銀蒸気灯、特に紫外線灯である。当業界の標準輻射線源の例には、Sylvaniaの350Blacklight蛍光灯(FR48T12/350VL/VHO/180、115W)、およびPhilipsのUV−A「TL」シリーズ低圧水銀蒸気灯がある。一般的に、これらの輻射線源は、310〜400nmの長波長のUV輻射線を放出する。これらの特殊なUV源に感光するフレキソ印刷版は、310〜400nmの間で輻射線を吸収する開始剤を用いており、適切な光退色性化合物は310〜400nmのスペクトル範囲の少なくとも一部に吸収を持っている。赤外線感受性層を含むこれら実施形態のために、赤外輻射線に対するイメージ状の露光、および活性輻射線に対する全体露光を同一装置内で実施できることが望ましい。作成したフレキソ印刷版は、ドラムを使用して実施することが好ましい。すなわち、回転するドラム上に印刷エレメントを取り付け、感光性印刷エレメントの異なる領域に露光を実施する。
【0063】
イメージを持つマスクを通してUV輻射線に全体露光した後に、感光性印刷エレメントを処理して、光重合性層中の未重合領域を除去してレリーフ画像を作成する。感光性印刷エレメントの処理は、(1)光重合性層を適切な現像剤溶液と接触させて未重合領域を洗い流す「湿式」現像、および(2)光重合性層を現像温度に加熱して未重合領域を溶融または軟化させ、かつ吸収性材料と接触させて未重合材料を除く「乾式」現像を含むことができる。また、乾式現像は熱現像とも呼ばれる。通常、湿式現像はほぼ室温で行う。現像剤溶液は、有機溶媒、水性または半水性溶液または水を含んでもよい。現像剤溶液の選択は、基本的には、除去すべき光重合性組成物の化学的性質に依存するであろう。適切な有機溶媒現像剤には、芳香族または脂肪族炭化水素、脂肪族または芳香族ハロ炭化水素溶媒、またはそのような溶媒と適切なアルコールとの混合物がある。その他の有機溶媒現像剤は、公開されたドイツ国特許出願番号第3828551号に開示されている。適切な半水性現像剤は、水および水混和性有機溶媒およびアルカリ性材料を含むことができる。適切な水性現像剤は、水およびアルカリ性材料を含むことができる。その他の適切な水性現像剤溶液の組合せは、米国特許第3,796,602号に開示されている。
【0064】
現像時間は一様ではないが、約2から25分の範囲内が好ましい。現像溶液は任意の使い易い方法で適用可能であり、浸漬、スプレー、およびブラシまたはローラ塗布がある。感光性印刷エレメントの未重合部分を除くために酸ブラッシングが使用できる。洗い流しを自動処理装置で行い、現像剤および機械的ブラッシング操作を使用して、得られたフレキソ印刷版の未露光部分を除き、露光した画像およびフロアーを構成したレリーフを残すことができる。
【0065】
フレキソ印刷版を溶液中で現像処理した後に、通常は、吸い取り乾燥または拭き取り乾燥を行い、次いで空気を送付するかまたは赤外線オーブンで十分に乾燥させる。乾燥時間および温度は一様ではないが、典型的には約60℃の温度で約60分から120分乾燥させる。支持体が収縮することがあるので、高温度の乾燥を推奨できないし、収縮すると位置合わせの問題が起きる。
【0066】
熱現像では、未重合領域を溶融または軟化させる、典型的には約40℃と200℃の間の現像温度に光重合性層を加熱してもよい。次いで、光重合性層を吸収性材料と接触させて未重合の光重合性組成物を除く。光重合性層の重合した領域は、未重合領域よりも高い溶融温度を有し、それ故に現像温度では溶融しない(米国特許第5,215,859号およびWO98/13730を参照)。感光性印刷エレメントの熱現像に適する装置は、米国特許第5,279,697号に開示されている。
【0067】
本発明の感光性印刷エレメントを用いて作成されたフレキソ印刷版に均一に後露光(post-exposed)を行い、光重合工程の完了ならびに印刷および保管中の感光性印刷エレメントの安定性を保証することが可能である。後露光工程には、主露光と同一の輻射線源を利用できる。
【0068】
非粘着化は、任意選択の後現像処理であり、この処理はフレキソ印刷版の表面に粘着性が残る場合に適用するものであって、このような粘着性は後露光では通常は除くことができない。粘着性は、臭素または塩素溶液による処理などの、当業界で周知の方法によって取り除くことができる。このような処理は、例えばGruetzmacherの米国特許第4,400,459号、Fickes他の米国特許第4,400,460号、およびドイツ国特許第2823300号に開示されている。また、非粘着化は、欧州公開特許出願第0017927号およびGibsonの米国特許第4,806,506号に開示されているように、300nmより長くない波長をもつ輻射線源に露光することにより達成できる。
【0069】
本発明の感光性印刷エレメントを用いて作成されたフレキソ印刷版は、特に包装材料、例えば厚紙やプラスティックフィルムなどの柔軟かつ変形し易い表面への印刷を施すためのものである。本発明の感光性印刷エレメントは、シームレスの、連続フレキソ印刷版の作成に使用できる。平坦なシート形状の本光重合性印刷エレメントを、円筒形状体、通常は印刷胴枠またはシリンダ自体の周囲に巻きつけることができ、その縁を融着してシームレスの、連続した感光性印刷エレメントを作成できる。好ましい方法では、光重合性層を円筒形状体の周囲に巻きつけ、その縁を結合させる。縁を結合する1つの方法が、ドイツ国特許DE第2844426号に開示されている。次いで、所望により、本明細書に記載したように、少なくとも1つの追加層を重合性層にスプレー塗装することができる。
【0070】
連続フレキソ印刷版は、壁紙、装飾およびギフト包装紙などの連続的デザインのフレキソ印刷に用途がある。連続的感光性印刷エレメントは、従来のレーザー装置への装着適性がよい。感光性印刷エレメントを巻きつけ、その縁を融着した胴枠またはシリンダーを、レーザー装置に直接固定することができ、胴枠またはシリンダーは露光工程で回転ドラムとして機能する。
【0071】
さらに、本発明は、フレキソ印刷版から作成される画像の解像度を高める方法を提供するものであり、前記の版は、光重合性組成物に少なくとも1種の光退色性化合物を加える工程を含む、記載の本感光性印刷エレメントを含んでいる。感光性印刷エレメントの成分は上記したものである。光重合性層に少なくとも1種の光退色性化合物を加えることにより、本感光性印刷エレメントを含むフレキソ印刷版を用いて作成した画像は、光退色性化合物を含有しないフレキソ印刷版またはエレメントを超えて高められている。この方法のためのより好ましい光退色性化合物は、熱的に安定である化合物である。この方法のためのより好ましい光退色性化合物は、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択された化合物である。
【0072】
特に言及しない限り、本明細書に述べた全ての刊行物または文献を参考として本明細書に援用する。
【0073】
【実施例】
下記の実施例において使用される、Cyrel(登録商標)2001E UVExposure Unit、Cyrel(登録商標)2001P Plate Processor、Cyrel(登録商標)2001D Dryer、Cyrel(登録商標)3001 DLF Plate Finisher、Optisol(登録商標)溶媒、Teflon(登録商標)フィルム、およびMylar(登録商標)ポリエステル支持体および被覆シートは、全て、E.I.du Pont de Nemours and Company、Wilmington、DEが販売する製品である。Kratonは、Shell Chemical、Royal Dutch/Shell Groupの一部門、Houston、TXから入手できるポリブタジエン−スチレンブロックコポリマーである。Huls PolyoilおよびNisso PB液状ポリブタジエンは、それぞれHuls(America、Somerset、NJ)およびNippon Soda(Tokyo、Japan)が製造している。Zappon 346赤色染料は、BASF、Coatings and Colorants Division(Mt.Olive、NJ)が製造している。4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンおよび2−スチリルキノリンはTCI(America、Portland、OR)から入手した。無水ジフェニルマレイン酸はAldrich Chemical Co.(Milwaukee、WI)から入手した。
【0074】
(実施例1および比較例1)
この実施例では、光退色性化合物として4−(1−ナフチルビニル)ピリジンを含有する本発明の感光性印刷エレメントを説明する。また、本実施例は、散乱した活性輻射線が引き起こすハレーションの減少に及ぼす、光退色性化合物の有益な効果を説明する。光退色性化合物を含む感光性印刷エレメント(実施例1)と、光退色性化合物を含まない感光性印刷エレメント(比較例1)とは、図1および図2によって比較できる。
【0075】
117gのKraton 1102CUと、29gのHuls Polyoil130と、28gのNisso PB 1000と、20gの1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒドロキシエチルアクリレートと、0.01gのZappon 346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、4gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンと、0.06gの4−(1−ナフチルビニル)ピリジンと、80mlの塩化メチレンとを、熱ロールミルを用いて140℃で均一に混合した。下記のようにして、6インチ×7インチ×0.062インチ(15.224cm×17.78cm×0.15748cm)のサイズをもつ感光性印刷エレメントを作成した。約37gの混合物を0.067インチ(0.17018cm)厚の、長方形のアルミニウム金型内に置き、5ミルのMylar(登録商標)ポリエステル支持シートとシリコーン剥離バリアコーテイングを塗布した被覆シートとの間に挟んだ。この組み立て品を140℃の水圧ホットプレス内に置き、300psi(81.43メガパスカル/m)に加圧した。次に、この加圧した版を加圧下で室温に冷却した。版厚の均一性は±0.003インチ(0.00762cm)であった。各混合物について少なくとも3版を作成した。よりよい実験精度を保証するために、全エレメントは使用前に最低2週間にわたっていかなる光の暴露もないように周囲大気下で保管した。
【0076】
光退色性化合物、すなわち0.06gの4−(1−ナフチルビニル)ピリジンを用いないことを除いて、同一組成の混合物をロールミルで混合して対照(比較例1)として用いた。
【0077】
そのエレメントを下記のように露光した。使用した活性輻射線源は、Philips UV−A「TL」シリーズ低圧水銀蒸気蛍光バルブを備えた、Cyrel(登録商標)2001E UV Exposure Unitであった。発光波長は、主に370nm付近に中心を置くブロードなものであった。実施例1のエレメントには、均一な、60秒のバックフラッシュを供給し、約0.020インチ(0.0508cm)深さの画像レリーフを作成した。前面のイメージ状の露光を行うときに、3枚のエレメントに対して6枚の同一のイメージを持つマスクを用いた。3.5インチ×6インチ(8.89cm×15.24cm)のハロゲン化銀マスクは、(1)1%、2%、3%、4%、5%のポジティブハイライトドットの1cm2パッチ、および70%、80%、90%および100%ネガティブベタの1cm2パッチ、(2)0.5%〜10%のポジティブのビネット、および95%〜100%のネガティブのビネット、増分約0.4%、(3)0.1、0.2、0.4および0.8mm直径の分離したポジティブおよびネガティブドット、および(4)0.1、0.2、0.4および0.8mm幅のポジティブおよびネガティブリバースラインなどの標準画像特性を含んだ。用いた露光時間は10、20、40、80、100および120分であった。次に、露光したエレメントをCyrel(登録商標)2001P Plate Processor中で、Optisol(登録商標)洗浄溶液で30分間にわたって洗浄し、標準的手順で現像した。得られたフレキソ印刷版をCyrel(登録商標)2001D Dryer中、60℃で約2時間にわたって乾燥した。Cyrel(登録商標)3001 DLF Plate Finisher中で、後露光(10分)および非粘着化(10分)を行った。バックフラッシュ時間およびイメージ状露光の時間を除いて、比較例1に向けたエレメントは、同一活性光源に露光し、かつ同一手順で現像した。
【0078】
実施例1では、フレキソ印刷版が0.5%のハイライトドットを確保するに要する最短時間と定義する、イメージ状露光の最小時間を測定したところ、約20分であった。このイメージ状露光の時間は、散乱した活性輻射線の通常量より多い量に曝して、エレメントを露光過度にすることが試験の目的である故に採用した時間である120分と比較して実質的には短かった。したがって、最小露光時間の20分に比べて、120分の露光は6倍の露光過度を表している。図1は、6倍の露光過度、すなわち120分下で行った実施例1のフレキソ印刷版の画像品質を証明している。
【0079】
比較例1では、20秒の均一バックフラッシュを2つのエレメントに供給し、深さ0.030インチ(0.0762cm)の画像レリーフを得た。10、20、40および80分の前面イメージ状露光の時間を、実施例1で用いたマスクと同一の3.5インチ×6インチ(8.89cm×15.24cm)のハロゲン化銀のイメージを持つマスクと共に採用した。イメージ状露光の最小時間を測定したところ、約15分であって、最長露光時間のエレメント(すなわち80分)は、5.3倍の露光過度ファクターであった。図2は、比較例1のフレキソ印刷版の画像品質を証明している。
【0080】
図1および2の比較は、光退色性化合物が存在しない場合、版を露光過度にしたとき、かなりの「ハロー」、すなわち、ベタ(solid)画像領域周辺の重合したブロードショルダ−形成が容易に生じる。0.03重量%の光退色性化合物、4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンの添加は、散乱したおよび/または反射した活性輻射線に起因する光重合を実質的に減少させ、特にイメージ状露光の時間のもとでは「ハロー」が目に見えにくいレリーフ画像となる。さらに、実施例1は、4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンのような光退色性化合物が、フレキソ印刷版の露光寛容度を高めることができることを証明している。
【0081】
また、実施例1から得たフレキソ印刷版の顕微鏡検査は、平均的に、これらの版が標準、比較例1の対照版に比べてより精細なハイライトドット(<2%)を一貫して保持することを明らかにした。より精細なハイライトドットは、ハロゲン化銀イメージを持つマスクから感光性印刷エレメントに画像を転写する間に、より小さなドットゲインが生まれるという事実に基づくと考えられる。同様に、これは、4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンの光退色により引き起こされた強いコントラスト増強に基づいていた。より小さなドットを保持するという本発明で作成したフレキソ印刷版の能力は、この版を使用した最終の印刷画像の色調調節にも優れた結果を与える。それ故に、4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンなどの光退色性化合物を含む感光性印刷エレメントから作成したフレキソ印刷版は、特に高品質画像の再現性がよい。
【0082】
(実施例2および比較例2)
実施例2は、4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンを含む感光性印刷エレメントが、「薄い」フレキソ印刷版の製造に特に効果があることを証明している。薄いフレキソ印刷版は、光重合性層が約0.010インチから約0.067インチ(約0.0254cmから約0.17cm)の範囲の厚さの版である。比較例2の感光性印刷エレメントは、0.035インチ(0.085cm)の厚さの光重合性層を有し、かつ370nmにおける吸光度が、比較例1で作成した印刷版など、0.067インチ(約0.17cm)の標準フレキソ印刷版の吸光度の約2倍である。この2倍の高い吸光度は、より多量の開始剤、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンの添加により達成され、支持体および露光装置のガラス表面からの鏡面反射をより効果的に減衰する。これは、比較例1で用いた標準組成物を越える改良であるが、画像および非画像領域の間には何も差異が現れない。これに反し、実施例2では、光退色性化合物、4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンの量は、実施例1に存在する量の2倍である。光減衰力は2倍であるが、光退色性化合物を含む感光性印刷エレメント(実施例2)と、光退色性化合物を含まない感光性印刷エレメント(比較例2)とは、図3および図4によって比較できる。
【0083】
117gのKraton 1102 CUと、29gのHuls Polyoil 130と、28gのNisso PB 1000と、20gの1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒドロキシエチルアクリレートと、0.01gのZappon 346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、4gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンと、0.12gの4−(1−ナフチルビニル)ピリジンと、80mlの塩化メチレンとを、熱ロールミルを用いて140℃で均一に混合した。0.032インチ(0.08128cm)の厚さの長方形のアルミニウム金型を使用したことを除いては、本質的に実施例1と同様に感光性印刷エレメントを製造した。同様に、117gのKraton 1102 CUと、29gのHuls Polyoil 130、28gのNisso PB 1000と、20gの1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒドロキシエチルアクリレートと、0.01gのZappon 346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、8gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンと、80mlの塩化メチレンとを熱ロールミルで混合し、対照(比較例2)として使用した。フレキソ印刷版厚の均一性は約±0.003インチ(0.00762cm)であった。各混合物について少なくとも3つのエレメントを作成した。よりよい実験精度を保証するために、全エレメントは使用前に最低2週間にわたっていかなる光の暴露もないように周囲大気下で保管した。
【0084】
表1は、2セットのエレメントに用いた露光パラメータをまとめたものである。
【0085】
【表1】
Figure 0004644361
【0086】
版の現像手順は、両セットのエレメントに対して同一であり、約20分の洗浄時間、および約35分の乾燥時間を用いた。
【0087】
17分の前面イメージ状露光の時間では、実施例2で得られたフレキソ印刷版について1%のハイライトドットが適切に保持されていることが観察された。同様に、10分の前面イメージ状露光の時間では、比較例2で得られたフレキソ印刷版について、1%のハイライトドットが保持された。これらの露光時間を「比較できる」最小限の露光時間と定義すると、図3および4は、実施例2および比較例2からそれぞれ得た版に関して、1.8倍および1.5倍の露光過度条件下で達成したレリーフ画像の品質を証明している。図4は、1.5倍の露光過度(すなわち15分)で、「ハロー」形成が明らかになり、ネガティブリバースラインの埋まりが付随して起きることを示す。これに反して、図3は、1.8倍の露光過度(すなわち31分)で、最小限の「ハロー」形成が現れ、明確な輪郭をもったネガティブリバースラインである。これらの観察は、「薄い」フレキソ印刷版を作成するために4−(1−ナフチルビニル)ピリジンなどの光退色性化合物を使用することで、得られた版のレリーフ画像の全体的品質を改良できることを示した。
【0088】
(実施例3)
実施例3は、本発明の感光性印刷エレメントの光重合性層を製造する際の多層構造の利点を証明する。3つの好ましい特性、(1)光重合性層の2層構造に光退色性化合物を適切に使用することによって、安定した、本来の画像レリーフ深さを持ったフレキソ印刷版の作成に有効であること、(2)表面キャッピング層で光退色性化合物を有効に使用できること、および(3)光退色性化合物を用いて、良好な画像品質および稀に薄い(<0.010インチ(0.0254cm))画像レリーフをもつフレキソ印刷版を作成できることを証明する。
【0089】
2層構造の光重合性層のそれぞれの層に向けて、2種の混合物をロールミルした。底部「下地」層用の組成物は、117gのKraton 1102 CUと、29gのHuls Polyoil 130と、28gのNisso PB 1000と、20gの1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒドロキシエチルアクリレートと、0.01gのZappon 346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、4gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンと、80mlの塩化メチレンとから成るものであった。上部「キヤッピング」層用の組成物は、0.4gの光退色性化合物として4−(1−ナフチルビニル)ピリジン(または0.2重量%)を加えたことを除いては、下地層と同一であった。下地層の最初の吸光度は約7.1cm-1、キヤッピング層のそれは約53cm-1であった。キヤッピング層の高い光退色性吸収体量は、感光性を実質的に減少させ、短いバックフラッシュ時の光硬化に対して事実上非感光性にした。下地層およびキヤッピング層の感光性の実質的な差異は、光重合層の2層形態の本来の画像レリーフ深さ特性を生み出した。
【0090】
下地組成物およびキャッピング組成物のシートを、前者はポリエステル支持体と4ミルの厚さのTeflon(登録商標)フィルムとの間、後者は4ミルの厚さのTeflon(登録商標)フィルムとバリア層を塗布した被覆シートとの間で、個別にホットプレスした。それぞれが0.015インチ(0.0381cm)および0.008インチ(0.02032cm)厚の下地層およびキャッピング層になるように、金型厚みを小さくした。下地層およびキャッピン層の両者を使用前の2週間は、いかなる光源からも隔てて保管した。
【0091】
次に、Teflon(登録商標)フィルムを剥離し、下地層と、キャッピング層とを常温積層して、約0.023インチ(0.05842cm)厚の2層型光重合層を作成した。この感光性印刷エレメントを上記実施例1および2に略述した手順に従って直ちに露光した。均一なバックフラッシュ時間は20秒、一方前面のイメージ状露光の時間は20、30、40および50分であった。露光したエレメントを、Cyrel(登録商標)2001P Plate Processorで20分間洗浄し、35分間にわたって乾燥した。得られたフレキソ印刷版は0.008インチ(0.02032cm)の深さの画像レリーフを有し、キャッピング層の厚さと同一であった。このことは、バックフラッシュの間に起きたキャッピング層の硬化が無視できることを示唆した。20分のイメージ状露光で得た、1%のハイライトは適切に硬化したことを示し、0.5%ドットは部分的に洗い流された。図5は、この2層型感光性エレメントを用い、40分のイメージ状露光の時間で得たレリーフ画像品質を証明している。比較的薄い0.008インチ(0.02032cm)の画像レリーフ深さにもかかわらず、全てのネガティブリバースラインは埋まらず、輪郭を明瞭に示した。
【0092】
以下の実験では、UV吸収特性を測定した。そのために、開始剤はUV光を吸収することができ、光退色性化合物に対する光退色データをマスクするので、開始剤を重合性媒体に含めなかった。したがって、開始剤および光退色性化合物の両者を含む試料は、開始剤による吸収および光退色性化合物による吸収の両吸収を組み合わせた効果を示すであろう。このような試料は、光退色性化合物のパーセント退色効果に関する情報提供にはあまり有効ではない。一般的に、光退色性化合物の吸光度は、開始剤および感光品の吸光度に算術的に加算できる。(また、実験の考察に影響を与えると考えられないので、モノマーは以下の実験には含めなかった。)
【0093】
(実施例4および比較例3)
この実施例は、重合媒体中における4−(1−ナフチルビニル)ピリジンの優れた光退色特性、およびこれらの特性が熱的に安定であることを証明する。この特性を、実質的に同様な予備的条件下で、光退色剤ジフェニルニトロンが高温度において光退色性を実質的に失うことと比較する。
【0094】
実施例4:Nisso PB 1000/Huls Polyoil 130の50/50の混合物10mlに、0.3mgの4−(1−ナフチルビニル)ピリジン(NVP)を溶解し、濃厚な1.2×10-4MのNVP溶液を作成した。この溶液を160℃のオーブン中に2時間置き、次に、活性輻射線に露光する前後のこの溶液の光学的性質を分光光度計に記録した。テトラヒドロフラン(THF)中の1.2×10-4MのNVP溶液を対照として用いた。表2は、365nmにおける吸光度の光退色の観察結果をまとめたものであり、NVPの光退色特性が少なくとも160℃まで熱的に安定であることを証明する。
【0095】
【表2】
Figure 0004644361
【0096】
比較例3:Nisso−PB 1000/Huls Polyoil 130の50/50の混合物20mlに、0.25mgのジフェニルニトロン(DPN)を溶解し、濃厚な6.2×10-5MのDPN溶液を作成した。この溶液を140℃のオーブン中に2時間置き、次に、活性輻射線に露光する前後のこの溶液の光退色特性を分光光度計に記録した。テトラヒドロフラン(THF)中の6.2×10-5MのDPN溶液を対照として用いた。表3は、340nmにおける吸光度の光退色の観察結果をまとめたものであり、ジフェニルニトロンが希薄溶液中で例外的な光退色特性を示すが、DPNは、不飽和ビニル成分を含みかつ加工中に熱処理を受けねばならない高分子媒体中の使用には適していないことを証明している。
【0097】
【表3】
Figure 0004644361
【0098】
(実施例5)
この実施例は、エラストマーポリマー媒体に含まれる無水ジフェニルマレイン酸の光退色特性を証明するものであり、この媒体は感光性印刷エレメントの製造に通常用いるものと同類である。75mlのテトラヒドロフラン中、10.1gのKraton 1102と、2.4gのNisso−PB 1000と、2.5gのHuls Polyoil 130とからなる2つの同一溶液を作成した。各溶液に、約0.7および2.1ccの0.12重量%の無水ジフェニルマレイン酸溶液をそれぞれ加えた。この溶液を40℃で数日間にわたって乾燥し、加熱した120℃の水圧プレスで加圧して、均一な10ミル厚さの独立したフィルム(free-standing films)を作成した。このフィルムを活性輻射線に連続的に露光し、かつ365nmにおける光学濃度を各露光直後に分光光度計で監視した。表4は、高分子媒体中の無水ジフェニルマレイン酸(DMA)の光退色に基づく光学濃度の規則正しい減少をまとめたものである。各露光の単位は、2.7mJ/cm2のUVエネルギー濃度に相当する。
【0099】
【表4】
Figure 0004644361
【0100】
約83%の効率で光退色する4−(1−ナフチルビニル)ピリジン(実施例4、表2、第2列を参照)と比較して、無水ジフェニルマレイン酸は、単に約62%の効率、すなわち1−(156単位露光後の吸光度)/(0単位露光後の吸光度)で光退色した。無水ジフェニルマレイン酸の比較的高い定常吸光度は、この光退色性化合物を光退色性開始剤との併用に特に適したものとする。
【0101】
(実施例6)
この実施例は、エラストマーポリマー媒体に含まれる2−スチリルキノリンの光退色特性を証明するものであり、この媒体は感光性印刷エレメントに通常用いるものと同類である。75mlのテトラヒドロフラン中、10.1gのKraton 1102と、2.4gのNisso−PB 1000と、2.5gのHuls Polyoil 130とからなる溶液を作成した。この溶液に、約88mgの2−スチリルキノリンを加えた。この溶液を40℃で数日間にわたって乾燥し、加熱した120℃の水圧プレスで加圧して、均一な10ミル厚さの独立したフィルムを作成した。このフィルムを250単位および500単位で活性輻射線に連続的に露光し、かつ365nmにおける光学濃度を各露光前後に直ちに分光光度計で監視した。表5は、高分子媒体中の2−スチリルキノリンの光退色に基づく光学濃度の規則正しい減少をまとめたものである。各露光の単位は、2.2mJ/cm2のUVエネルギー濃度に相当する。
【0102】
【表5】
Figure 0004644361
【0103】
(実施例7)
この実施例は、光退色性化合物NVPを含む、フレキソ印刷版組成物の光退色特性を証明する。実施例4〜6と異なりこれらの組成物はモノマーおよび開始剤を含んでいる。117gのKraton 1102 CUと、29gのHulsPolyoil 130と、28gのNisso PB 1000と、20gの1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒドロキシエチルアクリレートと、0.01gのZappon 346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールと、4gの2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンと、0.06gのNVPと、80mlの塩化メチレンとを含む混合物を140℃でロールミーリングして、約0.06重量%の光退色性化合物NVPを含む印刷版組成物を得た。また、0.12gのNVPを用いることを除いて、同様な組成物を作成し、約0.06重量%の光退色性化合物を含む混合物を得た。これらの混合物を少量ずつ採り、これを加熱した140℃の水圧プレスで加圧して、約10ミル厚さの独立したフィルムを作成した。次に、上記の実施例4〜6に記載したように、加圧したフィルムの370nmにおける吸光度を分光光度計で測定した。このフィルムを160単位の活性輻射線(約2.7mJ/cm2)に露光し、370nmにおけるフィルムの吸光度を再度測定して、退色した吸光度を得た。表6は、これらのフィルムから得た光退色の程度をまとめたものである。
【0104】
【表6】
Figure 0004644361
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、露光時の散乱光の悪影響を減少し、露光感光度を高める感光性印刷エレメントおよびフレキソ印刷版を提供することが可能となり、これらを用いて印刷を行うことにより高品質の画像が得られるようになる。
本発明は以下の実施の態様を含むものである。
1. 光重合性組成物であって、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含むことを特徴とする光重合性組成物。
2. 前記光退色性化合物が熱的に安定であることを特徴とする前記1.に記載の光重合性組成物。
3. 前記光退色性化合物が、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択されることを特徴とする前記2.に記載の光重合性組成物。
4. 前記光重合性組成物中の前記光退色性化合物の量が、約0.001重量%から約10重量%の範囲であることを特徴とする前記1.に記載の光重合性組成物。
5. 前記光退色性化合物の量が、約0.01重量%から約5重量%の範囲であることを特徴とする前記4.に記載の光重合性組成物。
6.前記光退色性化合物の量が、約0.02重量%から約2重量%の範囲であることを特徴とする前記5.に記載の光重合性組成物。
7. 前記エラストマーバインダが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、またはスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであることを特徴とする前記1.に記載の光重合性組成物。
8.フレキソ印刷版の製造に用いる感光性印刷エレメントであって、支持体と、前記1.に記載の光重合性組成物を含む光重合性層とを含むことを特徴とする感受性印刷エレメント。
9. 前記光退色性化合物が熱的に安定であることを特徴とする前記8.に記載の感光性印刷エレメント。
10. 前記光退色性化合物が、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択されることを特徴とする前記9.に記載の感光性印刷エレメント。
11. 前記光重合性層中の前記光退色性化合物の量が、約0.001重量%から約10重量%の範囲であることを特徴とする前記8.に記載の感光性印刷エレメント。
12. 前記光退色性化合物の量が、約0.01重量%から約5重量%の範囲であることを特徴とする前記11.に記載の感光性印刷エレメント。
13. 前記光退色性化合物の量が、約0.02重量%から約2重量%の範囲であることを特徴とする前記12.に記載の感光性印刷エレメント。
14.前記光重合性層が単層構造からなることを特徴とする前記8.に記載の感光性印刷エレメント。
15.前記光重合性層が2層または多層構造からなることを特徴とする前記8.に記載の感光性印刷エレメント。
16. 前記光重合性層の少なくとも1つの層が前記光退色性化合物を含むことを特徴とする前記15.に記載の感光性印刷エレメント。
17.少なくとも2つの層が前記光退色性化合物を含み、前記2つの層のそれぞれが異なる重量パーセントの前記光退色性化合物を含むことを特徴とする前記16.に記載の感光性印刷エレメント。
18. 前記光退色性化合物がポリマーまたはオリゴマーに共有結合していることを特徴とする前記15.に記載の感光性印刷エレメント。
19. 前記ポリマーまたは前記オリゴマーが、ポリビニルアルコール、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリイソシアナトエチルメチルメタクリレート、イソシアナトエチルメチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートのコポリマー、およびイソシアナトエチルメチルメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマーからなる群から選択されることを特徴とする前記18.に記載の感光性印刷エレメント。
20. バリア層、赤外線感受性層、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの追加層をさらに有することを特徴とする前記8.に記載の感光性印刷エレメント。
21. 前記少なくとも1つの追加層が赤外線感受性層であり、該赤外線感受性層中のバインダが、前記光重合性層中の少なくとも1つの移行性材料と不相溶性であることを特徴とする前記20.に記載の感光性印刷エレメント。
22. 少なくとも1つの追加層が赤外線感受性層およびバリア層であり、該バリア層を前記光重合性層と前記赤外線感受性層との間に配置することを特徴とする前記20.に記載の感光性印刷エレメント。
23. 光重合性層の厚さが、約0.005インチから約0.250インチの範囲であることを特徴とする前記8.に記載の感光性印刷エレメント。
24. 光重合性層の厚さが、約0.010から約0.067インチの範囲であることを特徴とする前記23.に記載の感光性印刷エレメント。
25. 開始剤が光退色性であることを特徴とする前記8.に記載の感光性印刷エレメント。
26. 感光性印刷エレメントの製造方法であって、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含む光重合性組成物を支持体に塗布して、支持体上に光重合性層を形成する工程を有することを特徴とする方法。
27. 前記光退色性化合物が、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択されることを特徴とする前記26.に記載の方法。
28.前記光重合性層の表面に赤外線感受性層と、少なくとも1種のバリア層、または赤外線感受性層および少なくとも1種のバリア層とを塗布する工程を有することを特徴とする前記26.に記載の方法。
29.フレキソ印刷版の製造方法であって、(a)前記8.に記載の感光性印刷エレメントを活性輻射線にイメージ状に露光させて、その層の一部分を選択的に重合させる工程と、(b)工程(a)で得たエレメントを処理してその層の未重合部分を除去し、フレキソ印刷版を作成する工程と有することを特徴とする方法。
30. フレキソ印刷版から作成される画像の解像度を高める方法であって、前記フレキソ印刷版が光重合性層を含む感光性印刷エレメントを有し、前記光重合性層が支持体上に、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤とを含む光重合性組成物を有し、前記光重合性組成物に少なくとも1種の光退色性化合物を加えることを含むことを特徴とする方法。
31. 前記光退色性化合物が、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択されることを特徴とする前記30.に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフレキソ印刷版の写真である。
【図2】比較例1のフレキソ印刷版の写真である。
【図3】実施例2のフレキソ印刷版の写真である。
【図4】比較例2のフレキソ印刷版の写真である。
【図5】実施例3のフレキソ印刷版の写真である。

Claims (8)

  1. 光重合性組成物であって、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含み、前記光退色性化合物が、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択され、前記エラストマーバインダが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、またはスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであることを特徴とする光重合性組成物。
  2. 前記光重合性組成物中の前記光退色性化合物の量が、0.001重量%から10重量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光重合性組成物。
  3. 前記光退色性化合物の量が、0.01重量%から5重量%の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の光重合性組成物。
  4. 前記光退色性化合物の量が、0.02重量%から2重量%の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の光重合性組成物。
  5. フレキソ印刷版の製造に用いる感光性印刷エレメントであって、支持体と、請求項1に記載の光重合性組成物を含む光重合性層とを含むことを特徴とする感受性印刷エレメント。
  6. 感光性印刷エレメントの製造方法であって、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含む光重合性組成物を支持体に塗布して、支持体上に光重合性層を形成する工程を有し、前記光退色性化合物が、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択され、前記エラストマーバインダが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、またはスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであることを特徴とする方法。
  7. フレキソ印刷版の製造方法であって、(a)請求項5に記載の感光性印刷エレメントを活性輻射線にイメージ状に露光させて、その層の一部分を選択的に重合させる工程と、(b)工程(a)で得たエレメントを処理してその層の未重合部分を除去し、フレキソ印刷版を作成する工程と有することを特徴とする方法。
  8. フレキソ印刷版から作成される画像の解像度を高める方法であって、前記フレキソ印刷版が光重合性層を含む感光性印刷エレメントを有し、前記光重合性層が支持体上に、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤とを含む光重合性組成物を有し、前記光重合性組成物に少なくとも1種の光退色性化合物を加えることを含み、前記光退色性化合物が、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の組合せからなる群から選択され、前記エラストマーバインダが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、またはスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであることを特徴とする方法。
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