JP2001209174A - フレキソ印刷版に用いる光退色性化合物 - Google Patents

フレキソ印刷版に用いる光退色性化合物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 露光時の散乱光の悪影響を減らすことによ
り、高解像度で、画像と非画像領域とを弁別するフレキ
ソ印刷版を提供すること。 【解決手段】 支持体、および少なくとも1種のエラス
トマーバインダと、少なくとも1種のモノマーと、活性
輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線に感受性
を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを含有する
光重合性組成物を含む光重合性層を有する感光性印刷エ
レメントを開示する。好ましい光退色性化合物は、非置
換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置
換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これ
ら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれ
ら化合物の組合せからなる群から選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキソ印刷版に
光退色性(photobleachable)化合物を用いることに関
するものである。感光度を実質的に犠牲にすることな
く、ハレーションを減少させて画像の解像度を改良す
る。
【0002】
【従来の技術】フレキソ印刷版は、段ボール厚紙箱から
板紙箱およびプラスティックフィルムの連続ウエブに至
たる種々の包装材料の印刷に広く用いられている。これ
らのフレキソ印刷版は、光架橋型のモノマー/バインダ
/開始剤組成物などの感光性材料から製造され、ポリエ
ステル(例えば、マイラー(登録商標)フィルム)支持
体シートの間に挟んで用いられる。フレキソ印刷版は、
活性輻射線を露光したときに架橋または硬化する能力が
あることを特徴としている。通常、これらの版の露光お
よび現像は、まず版の裏面を特定量の活性輻射線に均一
に露光させることから始まる。次に、例えば銀ハロゲン
化フィルムのような写真ネガや透明紙など、イメージを
持つ(image-bearing)アートワークまたはテンプレー
トを介してその版の前面をイメージ状に露光させる。そ
の版を紫外線(UV)またはブラックライトなどの活性
輻射線に露光させる。この活性輻射線は、透明紙の透明
領域を介して感光材料に進入し、透明紙の黒色または不
透明領域では進入できない。露光された材料は、架橋結
合し、画像を現像する時に用いる溶媒に対して不溶性に
なる。一方、透明紙の不透明領域下にある、未露光の架
橋結合していない感光性ポリマー領域は可溶性のまま残
る。この可溶性の部分を適切な溶媒で洗浄除去すること
により印刷に適切なレリーフ画像を残す。次いで、版を
乾燥する。さらに、印刷版の表面粘着性を取り除く処理
をしてもよい。所望する全ての加工工程を実施した後、
版をシリンダに取り付けて印刷に使用する。
【0003】印刷では、フレキソ印刷版の表面品質およ
び特性が重要な属性となる。実際に、高品質印刷画像
の、精細なハイライト−ドット、例えば1%または2%
ドット(ただし、%は、印刷インクでカバーされた紙の
面積量を指す)、などの小さいフィーチャを保持しまた
は完全に硬化させるために、しばしば長い露光時間が必
要になる。用語「露光寛容度」は、感光性成分が過剰露
光されても画像品質の劣化が無視できる程度を表す。大
きな露光寛容度をもつ感光性フレキソ印刷版は、前面イ
メージ状露光(front image-wise exposure)を行うと
きの実際の露光時間に対する許容性が高く、そのため実
際に取り扱いが容易であるという理由で好ましい。
【0004】フレキソ印刷版に関する1つの問題は、光
重合性媒体の非画像領域内で起きるUV光の散乱に起因
するハレーションである。殆ど全ての不均一な架橋結合
性組成物は、ある程度の光散乱を起こすので、長いイメ
ージ状露光が活性輻射線の高水準の背景散乱を引き起こ
す。この背景散乱は、しばしばイメージ状露光照射が行
なわれない領域内のポリマーが架橋結合または硬化を生
じるのに十分である。このような望ましくない架橋結合
の全体的な影響は、精細なネガ、すなわち非画像が埋ま
ったレリーフフィーチャおよびベタ画像域の周辺のブロ
ードショルダ、すなわち「ハロー」を生成することにな
る。これは、フレキソ印刷版の印刷品質の劣化を招き、
意図したよりも大きい画像ドットサイズを生成するドッ
トゲインの原因となる。
【0005】また、ハレーションは、版の露光寛容度の
低減によって印刷画像品質を劣化させる。特に、この問
題は、新たに押出し成型された版に言えることである。
さらに、露光寛容度は、フレキソ版上における、低光ス
ループットフィーチャ、例えば1〜2%ドット、および
高光スループットフィーチャ、例えば4ミルのリバース
ラインを同時に画像作成する能力として定義できる。よ
り広い露光寛容度およびより安定な性質を達成するため
に、現状では、新たに押出し成型された版を4〜6週間
貯蔵して熟成させる必要がある。この熟成期間に、低レ
ベルの酸素が版中に拡散して、低レベルの重合を抑制す
ると考えられる。この熟成期間の縮小または省略が可能
になれば、在庫コストを大いに節減し、かつ製品サイク
ル時間を短縮することになる。
【0006】ハレーション問題の一因は、インクの移行
性を改良するために、しばしば、フレキソ印刷版に追加
するキャッピング層にもある。このようなキャッピング
層は、印刷版のバルクとは全く違ったふうに活性輻射線
を散乱させることがある。そしてキャッピング層は、重
要な印刷表面に近接しているため、キャッピング層とバ
ルク間の屈折率の微小な差異が、重要な印刷表面の好ま
しくない光重合を引き起こす可能性がある。加えて、ポ
リマー組成物によっては、散乱紫外線の90%ほどが、
光重合性層の上部25%から発生する可能性がある。
【0007】フレキソ印刷版に関する他の問題は、イメ
ージを持つアートワークの粒状性に起因するコントラス
ト劣化である。多くの市販されているイメージを持つア
ートワークは、銀ハライドエマルジョン技術に基づいて
いる。したがって、銀ハライド粒子の粒状性が、しばし
ばアートワークの不透明および透明領域にまたがって微
視的にファジーな画像エッジをもたらす。このファジー
な画像エッジは、活性輻射線に対して部分的に透過性で
あるため、画像をアートワークからフレキソ印刷版に光
化学的に移行したときに、画像の鮮明度を劣化させるこ
とがある。フレキソ印刷版に必要な長いイメージ状露光
は、しばしばドットゲインをもたらす。この問題は、特
に小さい(<1%)印刷ドットで言えることであり、フ
ァジーな画像エッジで拡がった断面積が印刷ドットの断
面積と同等になる。
【0008】フレキソ印刷版に関するその他の問題は、
版の厚さである。薄い版は、処理時間を短縮し、乾燥時
間を短くし、ポリマー量を減量するために好ましく、か
つそのために安価になるに違いない。このような薄い版
で画像形成を高めるためには深いレリーフが必要であ
る。一般的には、薄い版構造で高画像品質を得ることは
かなり困難である。その幾つかの理由として、(1)薄
い版は、画像レリーフ深さをより正確に制御する必要が
ある、例えば、印刷版を横切るレリーフ深さの未制御の
変動が印刷画像の不十分な移行を生む可能性がある、
(2)画像レリーフの深さが減少するにしたがい、一般
的にレリーフ画像の品質が低下する、例えば、「ハロ
ー」がより発達する、および(3)ポリエステル支持体
および露光装置のガラス板表面からの活性輻射線の鏡面
反射が、感光性エレメントの非画像領域で望ましくない
光重合を引き起こすことがある、などが挙げられる。
【0009】散乱した活性輻射線の影響を軽減する従来
のアプローチは、散乱した輻射線が効果的に減衰するよ
うに、高分子媒体の吸収性を高めることである。1つの
アプローチでは、吸収性を高めるためにフレキソ印刷版
の処方に不活性なUV吸収性染料を加えている。このア
プローチは、効果的であるが、不活性な染料吸収剤が相
応な量の輻射線を吸収するために、感光度を過度に低下
してしまう。その他のアプローチは、高濃度の開始剤を
用いて媒体の吸収力を高めることである。このアプロー
チも効果的であるが、実際のところ欠点もある。高濃度
の開始剤は、散乱した活性輻射線に対して未露光領域の
感応性を高めるため、高吸収性から得られる利点に部分
的に逆行する。
【0010】カラー写真の用途では、種々の不活性な非
退色性染料がハレーション防止剤として使用されてお
り、また脱色性の、ある種のスチリルおよびブタジエニ
ル染料が、カラー写真用のハレーション防止剤として提
案されている(米国特許第3,996,215号を参
照)。しかし、このような染料のアゾ結合は、熱的に不
安定であって、高温度で容易にトランスからシスへの転
化、すなわち熱退色を受ける。この熱吸収に誘発される
退色のために、溶融押出し成型されるフレキソ印刷版の
用途では、これらのアゾ染料は適切でない。加えて、写
真用途では、薄いフィルムの使用を伴い、バルク光の伝
播の影響および硬化時の体積に関する問題の重要性は減
少する。
【0011】ある種のスチリルピリジニウム化合物が、
電子デバイス用の写真平版の水溶性コントラスト増強層
(CEL)における光退色性染料として用いられている
(Yonezawa他、Polym.Eng.Sci.
(1989)、29(14)、898〜901ページ、
および特願昭63−121039号(1989)を参
照)。一般に、このシステムは、フォトレジストを被覆
するCELを含むシリコンウエハ表面のフォトレジスト
層からなる。このCELは光退色性染料を含有し、CE
Lの非退色性の部分は、露光時にインシチュで接触マス
クとして作用する。Yonezawa他は、熱安定性お
よび光退色性を示す、ある種のスチリルピリジニウム化
合物およびある種の水溶性ポリマーからなる水溶性コン
トラスト増強剤を記載している。
【0012】米国特許第4,661,433号には、写
真平版技術で、アリールニトロンが、コントラストを増
強するための光退色性化合物として有用であると記述さ
れている。しかし、これらの染料は、高温度(約120
℃)において不飽和ビニル性モノマーおよびバインダと
容易に反応するので、このようなモノマーまたはバイン
ダと不適合となる(Hamer他、Chemical
Reviews、(1964)、64(4)474〜4
98ページを参照)。加えて、アリールニトロン染料は
水分に敏感であり、貯蔵安定性の問題が生じる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来のフレキソ
印刷版に見られる欠点に鑑みて、散乱光に対する改良さ
れた抵抗性および幅広い露光寛容度などの、所望のフレ
キソ印刷版特性を高める方法、このような版を用いた印
刷で高い画像解像性をもたらす方法、また、画像と非画
像領域との間で所望の弁別をした画像を提供する方法に
対する要望がある。また、新たに作成したフレキソ印刷
版の熟成期間の縮小または省略に対する要望、さらに、
薄いフレキソ印刷版に対する要望がある。したがって、
本発明の目的は上述の要望を満たす、露光時の散乱光の
悪影響を減少し、露光感光度を高める光重合性組成物、
該組成物を用いた感光性印刷エレメントおよびフレキソ
印刷版、これらの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマ
ーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射
線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物と
を含む光重合性組成物に関する。
【0015】また、本発明は、支持体と、上述の光重合
性組成物を含む光重合性層とを有する、フレキソ印刷版
の製造に用いる感光性印刷エレメントに関する。
【0016】さらに、本発明は、上述の光重合性組成物
を支持体に塗布して、支持体上に光重合性層を形成する
工程を有する、フレキソ印刷版の製造に用いる感光性印
刷エレメントの製造方法に関する。
【0017】また、本発明は、(a)上記の感光性印刷
エレメントを活性輻射線にイメージ状に露光させて、光
重合性層の一部分を選択的に重合させる工程と、(b)
工程(a)で得たエレメントを処理し光重合性層の未重
合部分を除去することにより、フレキソ印刷版を作成す
る工程とを有するフレキソ印刷版の製造方法に関する。
【0018】また、本発明は、フレキソ印刷版から作成
される画像の解像度を高める方法に関するものであり、
そのフレキソ印刷版が本発明の感光性印刷エレメントを
有し、少なくとも1種の光退色性化合物を光重合性組成
物に加えることを含むものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の光重合性組成物、感光性
エレメント、プロセスおよび方法は、光退色性化合物を
使用して、フレキソ印刷版およびそれらから作成される
画像の所望の特性を高めることに関する。このような所
望の特性には、高い画像解像性をもたらす、散乱光に対
する改良された抵抗性および広い露光寛容度が含まれ
る。光重合性組成物に光退色性化合物を含有させるこ
と、およびこのような光重合性組成物を用いて製造した
感光性印刷エレメントは、画像領域におけるハイライト
スループットを可能にすると共に、非画像領域への活性
輻射線の透過を阻止することになる。この方法により製
造したフレキソ印刷版の画像を非画像領域から効果的に
弁別することを助ける。
【0020】フレキソ印刷版の製造に用いる本発明の感
光性印刷エレメントは、支持体、および少なくとも1種
のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモノマー
と、活性輻射線に感受性を有する開始剤と、活性輻射線
に感受性を有する少なくとも1種の光退色性化合物とを
含む光重合性層を有する。さらに、この感光性印刷エレ
メントは、少なくとも1種の追加層を有してもよく、こ
の層は、少なくとも1種のバリア層、赤外輻射線感受性
材料の層(本明細書では赤外線感受性層と呼ぶ)、また
はこのようなバリアおよび赤外線感受性層の任意の組合
せを有してもよい。このような赤外線感受性層は活性輻
射線に対して実質的には不透明であり、赤外線レーザー
輻射線に露光させるとき、その赤外輻射線感受性材料を
光重合性層の表面から除去でき、または赤外線感受性層
を塗布する前に光重合性層の表面にバリア層を塗布した
場合には、そのバリア層の表面から除去できる。
【0021】特に言及しない限り、用語「フレキソ印刷
版またはエレメント」は、平坦なシートおよびシームレ
スの連続形態を含むフレキソ印刷に適する任意の形態の
版またはエレメントを包含するものであるが、これに限
定されるものではない。
【0022】支持体は、フレキソ印刷版の製造に用いる
感光性印刷エレメントと共に通常使用される任意の柔軟
な材料であればよい。支持体を通して「バックフラッシ
ュ」露光に適応させるために、支持体は活性輻射線に対
して透過性であることが好ましい。適切な支持体材料の
例には、付加重合ポリマーおよび線状縮合重合ポリマー
で作成するフィルムなどの高分子フィルム、透過性発泡
体および織物がある。また、金属支持体は輻射線に対し
て透過性ではないが、ある種の末端用途の条件下では、
アルミニウムなどの金属が支持体として使用できる。好
ましい支持体はポリエステルフィルムであり、特に好ま
しくはポリエチレンテレフタレートフィルムである。支
持体は、約2ミルから約10ミル(約0.0051cm
から約0.025cm)の厚み、好ましくは3ミルから
約8ミル(約0.0076cmから約0.020cm)
の厚みをもつものである。
【0023】本明細書では、用語「光重合性」は、光重
合性、光架橋結合性、またはその双方のシステムを包含
する。光重合性層は、光重合性組成物を含み、この組成
物は、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少な
くとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する
開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種
の光退色性化合物とを含んでいる。光重合性層は現像溶
液に対して溶解性、膨潤性または分散性であるため、こ
の層は、溶媒または水性溶液で洗い流し可能で(米国特
許第4,423,135号および米国特許第4,36
9,246号を参照)、および/または加熱現像時に一
部液化可能であるため、現像温度にまで加熱した時に光
重合性層の未重合領域が軟化または溶融する(しかしコ
ールドフローを受けない、すなわち通常の保存期間に寸
法変化を受けない)。
【0024】エラストマーバインダは、単一ポリマーま
たはポリマー混合物である。エラストマーバインダは、
水性、半水性、または有機溶媒現像剤に対して溶解性、
膨潤性または分散性である。水性または半水性現像剤に
溶解または分散できるエラストマーバインダは、All
esの米国特許第3,458,311号、Pohlの米
国特許第4,442,302号、Pineの米国特許第
4,361,640号、Inoue他の米国特許第3,
794,494号、Proskowの米国特許第4,1
77,074号、Proskowの米国特許第4,43
1,723号、Wornsの米国特許第4,517,2
79号、Suzuki他の米国特許第5,679,48
5号、Suzuki他の米国特許第5,830,621
号およびSakurai他の米国特許第5,863,7
04号に開示されている。有機溶媒現像剤に対して溶解
性、膨潤性または分散性のエラストマーバインダには、
ポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポ
リブタジエン、ブタジエン/アクリロニトリル、ブタジ
エン/スチレン熱可塑性−エラストマーブロックコポリ
マーおよびその他のコポリマーを含む、天然または合成
の共役ジオレフィン炭化水素のポリマーがある。Che
nの米国特許第4,323,636号、Heinz他の
米国特許第4,430,417号、およびToda他の
米国特許第4,045,231号に提案されたブロック
コポリマーを使用できる。水性、半水性または有機現像
剤中での使用に適するエラストマーバインダは、一般的
に加熱現像用としても適しており、加熱時に光重合性層
の未重合領域を軟化または溶融させる。エラストマーバ
インダは、光重合性層の少なくとも65重量%であるこ
とが好ましい。好ましいエラストマーバインダには、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよ
びスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー
がある。
【0025】本明細書では、用語「エラストマーバイン
ダ」は、さらにコアシェルミクロゲル、とミクロゲルお
よび完成した巨大分子ポリマーのブレンド物を包含する
ものであり、Fryd他の米国特許第4,956,25
2号および米国特許第5,707,773号に開示され
ている。
【0026】光重合性層は、単一モノマーまたはモノマ
ーの混合物を含んでもよく、これらは、透明かつ濁りの
ない光重合性層を作成できる程度にエラストマーバイン
ダと相溶性でなければならない。光重合性層に使用でき
るモノマーは、当業界では周知である。このようなモノ
マーの例は、Chenの米国特許第4,323,636
号、Fryd他の米国特許第4,753,865号、F
ryd他の米国特許第4,726,877号、およびF
einberg他の米国特許第4,894,315号に
見ることができる。このモノマーは、光重合性層の少な
くとも5重量%の量で存在することが好ましい。
【0027】開始剤は、活性輻射線に感受性であって、
過度の反応停止を伴うことなくモノマーの重合を開始さ
せる反応性ラジカルを発生する、単一化合物またはその
混合物である。活性輻射線への露光の間に到達する光重
合の程度は、現像剤溶液中で画像と非画像領域間に溶解
度の差異を与えるように十分に高くなければならない。
光重合性層に使用できる開始剤は当業界では周知であ
る。多くの一般的な開始剤は、熱的に安定であり、可視
光またはUV光を吸収し、そしてそのような開始剤は置
換または非置換多核キノン、および種々のアセトフェノ
ン誘導体を含む。適切な系の例は、Gruetzmac
herの米国特許第4,460,675号、Feinb
erg他の米国特許第4,894,315号、および市
販開始剤の文献、例えばDietliker他の「No
vel High Performance Bisa
cylphosphine Oxide(BAPO)p
hotoinitiators」と題する製品文献、C
iba−Geigy社、Additives Divi
sion(1994)に見ることができる。一般的に、
開始剤は、光重合性層の0.001重量%から10.0
重量%の量で存在し、通常、正確な量は、入射した活性
輻射線を有効に捕捉し、好ましくない散乱UV光を効果
的に減衰させるために必要となる所望の光学濃度によっ
て決定される。好ましい開始剤は、2,2−ジメトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシル−フェニルケトンおよびベンゾフェノン混合
物、および2−ベンジル−2−N,N−ジメチルアミノ
−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノンであ
る。
【0028】活性輻射線に感受性である少なくとも1種
の光退色性化合物が、本発明の光重合性組成物または本
発明の光重合性層に含まれる。この光退色性化合物は、
活性輻射線を吸収して、実質的に不透明から実質的に透
明に変化することができる。活性輻射線への露光におい
て、光退色性化合物は光重合性層の露光された領域で迅
速に退色して光架橋結合を通常と同様に進行させ、一
方、光退色性化合物は未露光領域で吸収性を高く保って
有害な散乱輻射線を減衰させる。このように、光退色性
化合物を含む本発明の感光性印刷エレメントから作成さ
れたフレキソ印刷版を使用して作成した画像は、このよ
うな光退色性化合物を用いないで作成した画像と比較し
て優れた画像解像性を示す。その他にも理由はあるが、
この感光性印刷エレメントは精細なドットサイズを保持
できる。
【0029】画像および非画像領域間を最高に弁別する
ためには、活性輻射線に露光したときに、光重合性層の
露光領域内で起きる光退色が、「透明である」ことが好
ましい。「透明である」とは、十分に光退色した状態
で、光退色性化合物の残存光学濃度が低く、したがっ
て、活性輻射線に対して開始剤と競合しないであろうこ
とを意味する。要するに、光退色性化合物は、有効な
「光ゲート」として作用する特性を示す。「光ゲート」
とは、非画像領域ではラジカル発生開始剤から活性輻射
線のエネルギーをそらし、その一方で、画像領域では活
性輻射線に対し実質的に透過性になることを意味する。
【0030】また、光退色性化合物を含むことは、アー
トワークの透明および黒色領域間のファジーな画像エッ
ジにまたがるコントラストの強度を高めることになる。
これはファジーな画像エッジ下でグラジエントの強さを
高め、イメージ状露光の時間を徐々に増すにつれてドッ
トゲインを大きくさせる。本発明の少なくとも1種の光
退色性化合物を含む感光性印刷エレメントを用いて作成
されたフレキソ印刷版は、光退色性化合物を含まない印
刷版と比較して活性輻射線に長時間の露光が可能であ
り、深刻なドットゲイン問題に悩まされない。少なくと
も1種の光退色性化合物を含むことにより得られた長時
間の露光は、画像の解像度を改良する。
【0031】感光度の過度の低下を避けるために、光退
色はエネルギー効率がよいことが好ましく、それによ
り、比較的少量(完全な画像露光に必要な総量と比較し
て)の活性輻射線が画像領域を効果的に実質的に透明に
する。
【0032】好ましくは、光退色性化合物は1以上の下
記特性を有する。すなわち、活性輻射線を効率的に吸収
する;少なくとも部分的に、好ましくは完全に、活性輻
射線源の発光スペクトルをカバーする吸収スペクトルを
有する;少なくとも部分的に、好ましくは完全に、開始
剤の吸収スペクトルと重なる吸収スペクトルを有する;
ひとたび活性輻射線に露光したとき、少なくとも部分的
に、好ましくは完全に、活性輻射線源の発光スペクトル
をもはやカバーしない吸収スペクトルを有する;およ
び、光重合性層に十分に溶解可能であるという特性をも
つものである。「十分に溶解可能」は、使用する光退色
性化合物の吸収係数および光退色特性に依存する。その
他の光退色性化合物と比較した時に、吸収係数の絶対値
が低く、しかも2種の光退色性化合物の退色効率が同等
である場合は、その他の光退色性化合物を用いたと同等
の効果を得るためには、吸収係数の絶対値が低い光退色
性化合物の分子は、光重合性層中により多く必要となる
であろう。
【0033】光退色能をもつ化合物は当業界では知られ
ており、それらの化合物の代表例は、「Photoch
romism,Molecules and Syst
ems」、H.DurrおよびH.Bouas−Lau
rent編集(Elsevier、1990)に記載さ
れている。光退色特性が2つ以上の分子単位の相互作用
から誘導されるある種の化合物が知られている。このよ
うなタイプの2分子または多分子光退色性化合物の例
は、「Immobilization of Enzy
mes with Use of Photosens
itive Polymers Having the
Stilbazolium Group」、K.Ic
himuraおよびS.Watanabeによる、Jo
urnalof Polymer Science、P
olymer Chemistry版、第18巻、89
1〜902ページ(1980)に記載されているような
スチバゾリウム(stibazolium)塩の誘導体を含んでい
る。
【0034】その他の分類の光退色性化合物は、共役芳
香族基をもつ化合物のトランスからシスへの異性化に基
づく重要なフォトクロミズムを示す染料である。これら
の化合物では、光異性化が分子中の電子分布を混乱さ
せ、光学吸収に変化をもたらす。これらの光退色性化合
物は、単一分子の単位から成り立っている。
【0035】約120℃を上まわる高温度に曝すことを
伴う熱押出しおよびカレンダ技術を用いて、光重合性層
または感光性印刷エレメントを作成する場合は、光退色
性化合物は、非揮発性であり、かつ、その高温度におい
て、少なくとも1種のエラストマーバインダ、少なくと
も1種のモノマー、および開始剤と非反応性であるべき
であり、さらに熱的に安定でなければならない。本明細
書では、熱安定性には、化合物の化学的分解に対する従
来の化学的安定性、および高温度における光退色特性の
減損に対する安定性を包含する。光重合性層に関して、
その成分の1以上のものが熱的に安定でない場合は、当
業界で周知の技術を用いて、液体印刷版を作成すること
が可能である。
【0036】本明細書の組成物、エレメント、プロセス
および方法に用いる好ましい光退色性化合物は、特に、
熱押出しおよびカレンダ温度で熱安定性を示す化合物で
ある。好ましい光重合性組成物および感光性印刷エレメ
ントは、このような好ましい熱安定性の光退色性化合物
を含んでいる。より好ましい光退色性化合物は、非置換
または置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換
スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら
化合物の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら
化合物の組合せからなる群から選択される。より好まし
い光重合性組成物および感光性印刷エレメントは、この
ような好ましい光退色性化合物を含んでいる。
【0037】種々のナフチルビニルピリジンおよびスチ
リルキノリン化合物の光退色は、トランスからシスへの
光異性化により起こる。このようなナフチルビニルピリ
ジン化合物の代表例は、4−(1−ナフチルビニル)−
ピリジン、4−(2−ナフチルビニル)−ピリジン、3
−(1−ナフチルビニル)−ピリジン、3−(2−ナフ
チルビニル)−ピリジン、2−(1−ナフチルビニル)
−ピリジン、2−(2−ナフチルビニル)−ピリジンを
含む。これらの中でも、4−(2−ナフチルビニル)−
ピリジンが好ましく、そのトランス−異性体が最も好ま
しい。スチリルキノリン化合物の代表例は、4−スチリ
ルキノリン、2−スチリルキノリン、3−スチリルイソ
キノリン、4−スチリルイソキノリン、1−スチリルイ
ソキノリンおよびその他の異性体などのn−スチリルキ
ノリンおよびn−スチリルイソキノリンの異性体を含
む。好ましいスチリルキノリン化合物は、4−スチリル
キノリンおよび3−スチリルキノリンであり、これら2
種の化合物のトランス−異性体が最も好ましい。置換ナ
フチルビニルピリジンおよびスチリルキノリンは、1以
上のハロゲン原子(Cl、F、BrまたはIから独立し
て選択される)、窒素などの1以上の環内ヘテロ原子、
1から10個の炭素原子を含有するアルキル基、1から
10個の炭素原子を含有するアルコキシ基、アミン基ま
たはニトロ基を含むことができる。本明細書の光退色性
化合物として有用な種々のナフチルビニルピリジンおよ
びスチリルキノリン化合物は、TCI Americ
a、Portland、ORから商業的に入手可能であ
り、またはShawのcondensation(c.
f.Shaw,B.D.およびWagstaff、J.
Chem.Soc.(1933)77ページ、またCo
zzari,C.およびHartman,B.K.のA
nalytical Biochemistry、13
3(1983)、120ページも参照)を用いて作成で
きる。
【0038】ナフチルビニルピリジンおよびスチリルキ
ノリン光退色性化合物は、350〜400nmにおける
比較的低い残存吸収に対して、比較的高い初期吸収によ
る効率のよい光退色を特徴としている。これは、画像と
非画像領域との間で優れた感光性コントラストを生み出
し、それにより画像品質を改良する。特に、4−(1−
ナフチルビニル)−ピリジンおよび4−スチリルキノリ
ンは、フィリップスUV−A「TL」シリーズ低圧水銀
蒸気蛍光ランプなどの当業界で標準の長波長UV源に対
して優れたスペクトルの重なりを示し、また、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトンおよびベンゾフェノ
ン混合物、および2−ベンジル−2−N,N−ジメチル
アミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノ
ンなどの普遍的開始剤の吸収スペクトルに対しても優れ
たスペクトルの重なりを示している。
【0039】無水ジフェニルマレイン酸化合物は、電子
環化により光退色するものであり、このような光退色性
化合物は、無水ジフェニルマレイン酸、および1以上の
独立して選択されたハロゲン原子、それぞれ独立して1
〜10個の炭素原子を有する1以上のアルキル基、およ
びそれぞれ独立して1〜10個の炭素原子を有する1以
上のアルコキシ基で置換した無水ジフェニルマレイン酸
を含む。この群の中では、非置換無水ジフェニルマレイ
ン酸が最も好ましい化合物である。無水ジフェニルマレ
イン酸は効率よく光退色するが、光退色後のその残存吸
収は、ナフチルビニルピリジンおよびスチリルキノリン
の残存吸収より高い。この高い残存吸光度は、光退色性
である開始剤との組合せ使用に対して、無水ジフェニル
マレイン酸をより適したものにしている。本明細書で有
用な無水ジフェニルマレイン酸は、Aldrich C
hemical社、Milwaukee、WIから商業
的に入手できる。
【0040】また、光退色は、1分子単位を、活性輻射
線を極弱く吸収するかまたは全く吸収しない2つ以上の
分子単位に分解することによっても達成することができ
る。数種の市販されている光退色性開始剤(例えばDi
etliker他の同書)は、活性輻射線に露光したと
きに光退色およびラジカル発生を受け、このタイプの光
退色性化合物の代表例である。しかし、光退色性開始剤
の光化学の副生物は、単独で使用して本発明で必要なハ
レーション保護作用を付与するほどには、活性輻射線を
十分に吸収しない。好ましい光退色性開始剤はホスフィ
ンオキシドであり、この化合物は、高い残存吸光度を有
する上記の光退色性化合物と共用したときに、有効にな
るであろう。好ましいホスフィンオキシドには、2,
4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィン
オキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルフェニルホスフィンオキシド、
およびビスアシルホスフィンオキシドがある。
【0041】光退色性化合物は、単一層構造の光重合性
層などの、光重合性層のバルクの至るところに存在して
もよい。あるいは、光重合性層は2層または多層構造で
もよい。このような2層または多層構造では、光退色性
化合物は、全ての層または少なくとも1層に存在すれば
よい。光重合性層が2つ以上の個別の層から構成される
場合、画像レリーフの深さは本質的に画像形成プロセス
から独立していなければならない。このような2層また
は多層フレキソ印刷版は、フレキソ印刷版作成時の1つ
の制御因子、バックフラッシュ時間を簡素化するかまた
は省略することができ、それにより使用が容易になるで
あろう。画像レリーフ深さを組み入れた2層または多層
の光重合性層は、光重合性層の各層に光重合性組成物を
用いて実施することができ、その各層において、光重合
性組成物が、光重合性層に隣接する層の組成物とは異な
る量の光退色性化合物を含有してもよい。例えば、光重
合性層が2層を含み、その各2層は異なる重量パーセン
トの光退色性化合物を含有する光重合性組成物を含むこ
とができる。
【0042】2層または多層構造の光重合性層は、慣用
技術を用いた積層または共押出しにより製造できる(米
国特許第5,049,478号を参照)。
【0043】光退色性化合物が2層または多層の光重合
性層内の隣接する層の境界にまたがって拡散することを
防ぐために、特定の層に光退色性化合物が保持されるこ
とを助けるように、光退色性化合物の溶解度を調節する
ことができる。この方法のバリエーションの1つは、光
退色性化合物に不浸透性である薄いバリア層の挿入であ
り、2層または多層の光重合性層内の隣接する層の間に
配置する。このようなバリア層は、以下に述べる剥離層
またはエラストマーキャッピング層のための組成物を含
んでもよい。あるいは、光退色性化合物を剥離ポリマー
またはオリゴマーに共有結合的に結合させて、光退色性
化合物を特定層内に固定することができ、分子の絡まり
が光退色性化合物の層境界にまたがる拡散を実質的に防
ぐことができる。光退色性化合物の共有結合に適したポ
リマーおよびオリゴマーには、ポリビニルアルコール、
ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリ
レート)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリ−イソシアナトエチルメチルメタクリレート(po
ly−ICEM)、イソシアナトエチルメチルメタクリ
レート(ICEM)およびメチルメタクリレートのコポ
リマー、およびICEMおよびジメチルアミノエチルメ
タクリレートのコポリマーがある。
【0044】両方の場合(バルクおよび層の存在)に、
光退色性化合物または光退色性化合物を含む層を剥がす
ことはなく(非画像領域を除き)、最終の感光性印刷エ
レメントの不可欠な部分になる。
【0045】少なくとも1種の光退色性化合物は、画像
と非画像領域間に所望の感光性の差異を生み出し、かつ
十分に速い硬化速度を保証する有効量で、光重合性組成
物または光重合性層内に存在できる。光重合性層の光重
合性組成物が有する固有の透明度、および光重合性層の
厚さ、および光退色性化合物の光退色特性は、光退色性
化合物の必要量を決める因子になりうる。光退色性化合
物が、光重合性組成物からなる光重合性層の約0.00
1重量%から約10重量%の範囲の量で存在することが
好ましい。より好ましくは約0.01重量%から約5重
量%の範囲の量で存在し、最も好ましくは約0.02重
量%から約2重量%の範囲の量で存在する。
【0046】さらに、光重合性層は、所望の最終特性に
応じてその他の添加剤を含有できる。このような添加剤
には、増感剤、流動変性剤、熱重合阻害剤、粘着剤、可
塑剤、着色剤、酸化防止剤、オゾン分解防止剤、または
充填剤がある。
【0047】光重合性層の厚さは、所望のフレキソ印刷
版のタイプに応じて、広範囲に、例えば約0.005イ
ンチから約0.250インチまたはそれ以上(約0.0
13cmから約0.64cmまたはそれ以上)に変更で
きる。いわゆる「薄いフレキソ印刷版」では、通常、光
重合性層の厚さは、約0.010インチから約0.06
7インチ(約0.025cmから約0.17cm)の範
囲であればよい。厚いフレキソ印刷版は、約0.067
インチから約0.250インチまたはそれ以上(約0.
17cmから約0.64cmまたはそれ以上)の光重合
性層をもつことができる。薄いフレキソ印刷版では、ハ
レーション問題が不都合であるので、薄いフレキソ印刷
版の製造に本発明の感光性印刷エレメントを用いると特
に好都合である。
【0048】さらに、本発明の感光性印刷エレメント
は、1以上の追加層を含むことができ、このような第1
の追加層を光重合性層の表面上に配置する。第1の層に
続く追加層をそれぞれの先行する層の表面上に塗布す
る。光重合性層上の追加層は、剥離層またはエラストマ
ーキャッピング層などのバリア層、赤外線感受性層、お
よびそれらの組合せを含むことができる。赤外線感受性
層が存在する場合は、光重合性層と赤外線感受性材料の
層との間に少なくとも1つのバリア層を挿入してもよ
い。バリア層が存在するならば、そのバリア層が、光重
合性層と赤外線感受性層との間で、ある種の材料の移行
を最小限にとどめる。ある種のモノマーおよび可塑剤
が、隣接する層内に存在する材料と相溶する場合は、そ
れらのモノマーおよび可塑剤は常に移行できる。例え
ば、光重合性層から赤外線感受性層へと移行することが
あり得る。この場合、赤外線感受性層中の赤外線感光度
が変化するかもしれない。加えて、この移行が原因にな
り、移行後の赤外線感受性層が汚れ、粘着性になること
がある。隣接する層の間が相溶性でない場合は、移行は
起きないであろう。バリア層なしに赤外線感受層を用い
る時には、赤外線感受性層中のバインダが、光重合性層
中に存在する少なくとも1種の移行性材料と不相溶性で
あることが好ましい。
【0049】光重合性層の表面が粘着性であるならば、
実質的に非粘着性表面を有する剥離層を光重合性層の表
面に塗布してもよい。この剥離層は、任意選択の一時的
なオーバーシートを除去する間、光重合性層の表面を損
傷から保護することができ、光重合性層がオーバーシー
トに付かないようにすることもできる。この剥離層は、
イメージ状露光の間、イメージを持つマスクが光重合性
層と結合することを防止できる。剥離層は活性輻射線に
非感受性である。加えて、この剥離層は、イメージを持
つマスクと光重合性層間に捕捉された空気の除去に役立
ち、画像伝達の忠実性を改良することが可能である。ま
た、この剥離層は、バリア層の第1の実施形態としても
適切であり(本明細書ではバリア層と呼ぶ)、この層を
光重合性層と赤外線感受性層との間に必要に応じて挿入
する。この剥離層は、活性輻射線に露光する前後に、光
重合性層の現像溶液中で溶解性、膨潤性、分散性である
か、現像溶液中ではずすことができる。「はずすことが
できる」とは、現像剤が、剥離層を少なくとも一部分は
そのままの状態で、剥がすことができることを意味す
る。このタイプのバリア層は、現像剤で処理する間に、
光重合性層の非露光領域と一緒に露光または非露光領域
で完全に除去される。剥離層に適した材料は、当業界で
は周知であって、ポリアミド、ポリビニルアルコール、
ヒドロキシアルキルセルロース、エチレンおよび酢酸ビ
ニルのコポリマー、両性インターポリマー(amphoteric
interpolymers)およびそれらの混合物がある(米国特
許第4,423,135号、米国特許第4,369,2
46号および米国特許第4,293,635号を参
照)。
【0050】エラストマーキャッピング層は、露光した
状態の光重合性層の弾性係数と比較して実質的に小さく
ない、重合した状態の弾性係数を備えていなければなら
ない。このエラストマー層の組成物は、高分子エラスト
マーバインダと、任意選択の第2の高分子バインダと、
任意選択の非移行性染料または顔料とを含む。また、こ
のエラストマー層の組成物は、1種以上のモノマーおよ
び光開始剤の系を含有できる。このエラストマー層の組
成物中の高分子エラストマーバインダは、光重合性層に
存在するエラストマーバインダと通常は同一または類似
している。エラストマーキャッピング層は、通常多層被
覆エレメントの一部であり、光重合性層をカレンダ仕上
げする際に、感光性印刷エレメントの一部になる。エラ
ストマーキャッピング層として適する多層被覆エレメン
トおよび組成物は、Gruetzmacher他の米国
特許第4,427,759号および米国特許第4,46
0,675号に開示されている。また、エラストマーキ
ャッピング層は、バリア層の第2の実施形態として適切
であり(本明細書ではバリア層と呼ぶ)、この層を光重
合性層と赤外線感受性層との間に必要に応じて挿入す
る。エラストマーキャッピング層は、活性輻射線に露光
する前は、現像溶液に対して溶解性、膨潤性、分散性で
あるが、活性輻射線に露光した後には、現像溶液の影響
を受けない。このタイプのバリア層を使用するときに
は、その層は、活性輻射線に露光していない領域に限り
現像剤で除去される。活性輻射線に露光したエラストマ
ーキャッピング層は、光重合性層の重合した領域の表面
上に残留して、実際の印刷版の印刷表面になる。
【0051】また、1種より多い追加層またはこのよう
なタイプの追加層を用いることができる。例えば、エラ
ストマーキャッピング層が光重合性層の次に存在しても
よいし、同様に、エラストマーキャッピング層を剥離層
で被覆してもよい。追加層の的確な選択は、光重合性層
の性質、赤外線感受性層が存在するか否か、その赤外線
感受性層の性質、および感光性印刷エレメントの物理的
要件に依存するであろう。
【0052】両方のタイプのバリア層は、効果的なバリ
アとして作用して移行を防ぐために十分に厚くなければ
ならず、また光重合性層を活性輻射線に露光させた時に
バリア層の影響を最小限にするためには薄くなければな
らない。一般的に、バリア層は、約0.01ミルから約
3ミル(約0.00025mmから約0.076mm)
の範囲の厚さを有するであろう。好ましい厚さの範囲
は、約0.015ミルから約2.5ミル(約0.000
38mmから約0.064mm)である。
【0053】さらに、感光性印刷エレメントは、赤外線
感受性層を含むことができ、この層は、活性輻射線に対
して不透明であり、赤外線レーザー輻射線に露光するこ
とにより除去可能(すなわち蒸発または融除)でなけれ
ばならない。この赤外線感受性層は、バリア層と共にま
たはバリア層を伴わずに使用できる。バリア層と共に使
用する場合は、好ましい実施形態は、光重合性層と赤外
線感受性層との間にバリア層を配置することを含む。赤
外線感受性層は、赤外線吸収材料と、輻射線に不透明な
材料と、任意選択のバインダとを含む。通常、カーボン
ブラックおよび黒鉛などの暗黒色の顔料が、赤外線吸収
材料および輻射線に不透明な材料として機能する。任意
選択のバインダは、高分子材料であり、自己酸化性ポリ
マー、非自己酸化性ポリマー、熱化学的分解性ポリマ
ー、ブタジエンおよびイソプレンとスチレンおよび/ま
たはオレフィンとのポリマーおよびコポリマー、熱分解
性ポリマー、両性インターポリマー、上記のような剥離
層として従来から使用されている材料、および上記した
ものの任意の混合物を含むことができる。赤外線感受性
層中の任意選択のバインダが、光重合性層中の少なくと
も1種の移行性材料、例えば低分子量(30.000未
満)の化合物、モノマーまたは可塑剤と相溶しない場合
は、赤外線感受性層と光重合性層との間にバリア層を必
要としない。このような不相溶性または相溶性が光重合
性層と赤外線感受性層の成分との間に存在するか否かを
決めること、およびバリア層を必要とするか否かを決め
ることは、当業者の知識の範囲内である。赤外線感受性
層の厚さは、感度および不透明性を最大に活用する範囲
であるべきであり、通常、約20オングストロームから
約50マイクロメータである。このような赤外線感受性
層は、米国特許第5,262,275号、米国特許第
5,719,009号、米国特許第5,607,814
号、Van Zoerenの米国特許第5,506,0
86号、および欧州特許第0741330A1号に開示
されているように、デジタルダイレクトプレート画像
(digital direct-to-plate image)技術で使用する。
【0054】さらに、本発明の感光性印刷エレメント
は、感光性印刷エレメントの最上層の表面に一時的な被
覆シートを有してもよく、この最上層は光重合性層また
は任意の追加層である。被覆シートの1つの目的は、保
管または取扱い中に感光性印刷エレメントの最上層を保
護することである。赤外線感受性層を赤外線レーザー輻
射線に露光する前に被覆シートを取り除くことは、ディ
ジタルダイレクトプレート画像処理では重要である。被
覆シートに適する材料の例には、ポリスチレン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、フルオロ
ポリマー、ポリアミド、またはポリエステルの薄いフィ
ルムがあり、このフィルムは剥離層で代替可能である。
好ましくは、被覆シートは、Mylar(登録商標)ポ
リエチレンテレフタレートフィルムから作成するもので
あり、2ミルの厚さのMylar(登録商標)が最も好
ましい。
【0055】さらに、本発明は、本明細書に記載するよ
うに、少なくとも1種のエラストマーバインダと、少な
くとも1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する
開始剤と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種
の光退色性化合物とを含む光重合性組成物を支持体に塗
布して、支持体上に光重合性層を形成する工程を有する
感光性印刷エレメントの製造方法に関するものである。
本方法は、本明細書に記載するように、光重合性層上に
1以上の追加層を塗布することを含み、光重合性層の表
面に第1の追加層を塗布し、次いで先行する層の表面に
次の各層を塗布することができる。
【0056】光重合性層は、多くの方法、例えば少なく
とも1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種の
モノマーと、開始剤と、少なくとも1種の光退色性化合
物と、任意のその他の成分とを混合して製造することが
でき、この混合物の全成分は、本感光性印刷エレメン
ト、または本光重合性組成物または層に関して上に記載
したものである。この混合は、液体、ゲルまたは固体の
形態で行うことが可能であり、後者が最も好ましい。一
般的に好ましい技術は、光重合性組成物を溶融または軟
化した状態で機械的に混合し、次いで混合物を押出し、
所望の厚さのシートにカレンダー仕上げすることであ
る。本方法は、好ましくは熱的に安定な光退色性化合物
と共に使用し、最も好ましくは置換または非置換ナフチ
ルビニルピリジンの環異性体、置換または非置換スチリ
ルキノリンの異性体、無水ジフェニルマレイン酸または
それらの誘導体、および上記した化合物の組合せからな
る群から選択された光退色性化合物と共に使用する。
【0057】光重合性組成物を溶融、混合、脱気および
ろ過するために、押出機を使用できる。押出された混合
物を支持体と一時的な被覆シートとの間でカレンダー仕
上げすることができ、前記シートには予め1種または複
数の追加層、例えば多層被覆エレメントを塗布してお
く。後者の場合、カレンダー仕上げ時に、被覆シートか
ら最も遠い位置にある追加層が光重合性層に隣接するよ
うに配列される。追加層と一時的な被覆シートとの間の
接着力は小さくなければならず、それによって、一時的
な被覆シートを除去するとき、追加層がそのままの状態
で光重合性層上に残るであろう。あるいは、光重合性層
のための光重合性組成物を、支持体と一時的な被覆シー
トまたは金型中で追加層を塗布した一時的な被覆シート
の間に配置させることができる。次いで、熱および/ま
たは圧力をかけて材料層を平坦に加圧成型する。
【0058】赤外線感受性層を用いる場合には、通常
は、第2の一時的な被覆シート上に赤外線感受性材料を
被覆して赤外線感受性層を作成する。この赤外線感受性
層は、スプレーコーティングを含む、公知の任意の塗布
技術を使用して塗布できる。また、この赤外線感受性層
は、真空下の蒸着またはスパッタリングにより塗布でき
る。最後の方法は、金属を含む赤外線感受性層に特に有
効である。次に、赤外線感受性層に任意選択のバリア層
をオーバーコートするか、あるいはこの2つの層を同時
に塗布してもよい。また、この第2の一時的な被覆シー
トの接着力を小さくして、光重合性層に塗布した後に、
赤外線感受性層から被覆シートを容易に除去できるよう
にしなければならない。あるいは、赤外線感受性層をバ
リア層または光重合層上に直接被覆することができる。
【0059】さらに、本発明は、(a)本発明の感光性
印刷エレメントを活性輻射線にイメージ状露光させて、
光重合性層の一部分を選択的に重合する工程と、(b)
工程(a)で得たエレメントを処理し光重合性層の未重
合部分を除去することによりフレキソ印刷版を作成する
工程とを含むフレキソ印刷版の製造方法に関する。フレ
キソ印刷版を作成するために、適切な光源から発した活
性輻射線に本発明の感光性印刷エレメントを露光する。
感光性印刷エレメントから約1.5から約60インチ
(約3.8から約153cm)の距離で、水銀蒸気アー
クまたは紫外線灯を使用できる。露光温度は室温または
やや高い温度、すなわち約20℃から約35℃の温度が
好ましい。露光時間は、数秒から数10分の範囲で変更
可能であり、活性輻射線の強度および波長、光重合性層
の性質および体積、所望する画像解像度、感光性印刷エ
レメントからの距離、および添加した光退色性化合物の
量により決定される。通常、露光方法は、裏面露光およ
び前面イメージ状露光を含むが、前者は厳密には必要で
はない。裏面露光または「バックフラッシュ」は、イメ
ージ状露光の前後またはその最中に行うことができる。
イメージ状露光の前に行うバックフラッシュが一般的に
好ましい。バックフラッシュ時間は、数秒から約10分
の範囲であり、光重合性層側の支持体上に浅い重合材料
層またはフロアーを形成させ、光重合性層および支持体
を敏感にし、ハイライトドット解像度を助け、かつ版レ
リーフの深さを確立する。フロアーは、支持体に対する
光重合性層の接着力を改良し、感光性印刷エレメントに
対してよりよい機械的結着性を付与する。
【0060】イメージ状露光は、イメージを持つマスク
を通して感光性印刷エレメントを露光させることにより
実施できる。イメージを持つマスク、黒白透明紙、また
は印刷すべき題材を含むネガは、銀ハライドフィルムま
たは当業界で知られたその他の手段から作成できる。ま
ず、一時的な被覆シートを剥がした後の感光性印刷エレ
メントの上部にイメージを持つマスクを置く。真空枠の
中でイメージ状の露光を行うことができ、この真空枠は
イメージを持つマスクおよび感光性印刷エレメントの上
部表面を正確に接触させ、かつフリーラジカル重合プロ
セスを妨害することで知られている雰囲気中の酸素を除
去する。次いで、感光性印刷エレメントを活性輻射線に
露光させる。露光時、ネガの透明領域では付加重合また
は架橋結合が生じ、一方、不透明領域では架橋結合しな
い状態のままとなる。十分な時間の露光は、露光領域を
下方の支持体にまたは裏面露光した層に架橋結合させ
る。イメージ状の露光の時間は、通常バックフラッシュ
時間よりかなり長く、数分から数10分の範囲である。
【0061】米国特許第5,262,275号、米国特
許第5,719,009号、米国特許第5,607,8
14号、Van Zoerenの米国特許第5,50
6,086号および欧州特許第0741330A1に開
示したようなダイレクトプレート画像転写の場合、赤外
線感受性層の存在が必要である。赤外線レーザー露光エ
ンジンを使用して、イメージを持つマスクを赤外線感受
性層上にインシチューで直接形成する。このような光融
除型マスクによる印刷版のイメージ状の露光は、真空枠
を用いずに実施でき、印刷版作成プロセスを簡略化でき
る。露光プロセスは、(1)上記のように感光性印刷エ
レメントの赤外線感受性層を画像融除してマスクを作成
する、(2)マスクを通して活性輻射線に感受性エレメ
ントを全体露光することを含む。露光は、750から2
0,000nmの範囲、好ましくは780から2,00
0nmの範囲で発光する、種々のタイプの赤外線レーザ
ーを用いて行うことができる。ダイオードレーザーが使
用できるが、1060nmで発光するNd:YAGレー
ザーが好ましい。
【0062】活性輻射線源は、紫外線、可視光線および
赤外線波長領域を含む。特定の活性輻射線源の適応性
は、フレキソ印刷版製造に用いた開始剤および少なくと
も1種のモノマーの感光性により決まる。最も普遍的な
フレキソ印刷版の好ましい感光性は、紫外線および深い
可視光スペクトル領域にあり、これらの版は室内光に安
定である。適切な可視光および紫外線源の例には、カー
ボンアーク、水銀蒸気アーク、蛍光灯、電子フラッシュ
装置、電子ビーム装置、レーザー、および写真フラッド
灯がある。最適なUV輻射線源は、水銀蒸気灯、特に紫
外線灯である。当業界の標準輻射線源の例には、Syl
vaniaの350Blacklight蛍光灯(FR
48T12/350VL/VHO/180、115
W)、およびPhilipsのUV−A「TL」シリー
ズ低圧水銀蒸気灯がある。一般的に、これらの輻射線源
は、310〜400nmの長波長のUV輻射線を放出す
る。これらの特殊なUV源に感光するフレキソ印刷版
は、310〜400nmの間で輻射線を吸収する開始剤
を用いており、適切な光退色性化合物は310〜400
nmのスペクトル範囲の少なくとも一部に吸収を持って
いる。赤外線感受性層を含むこれら実施形態のために、
赤外輻射線に対するイメージ状の露光、および活性輻射
線に対する全体露光を同一装置内で実施できることが望
ましい。作成したフレキソ印刷版は、ドラムを使用して
実施することが好ましい。すなわち、回転するドラム上
に印刷エレメントを取り付け、感光性印刷エレメントの
異なる領域に露光を実施する。
【0063】イメージを持つマスクを通してUV輻射線
に全体露光した後に、感光性印刷エレメントを処理し
て、光重合性層中の未重合領域を除去してレリーフ画像
を作成する。感光性印刷エレメントの処理は、(1)光
重合性層を適切な現像剤溶液と接触させて未重合領域を
洗い流す「湿式」現像、および(2)光重合性層を現像
温度に加熱して未重合領域を溶融または軟化させ、かつ
吸収性材料と接触させて未重合材料を除く「乾式」現像
を含むことができる。また、乾式現像は熱現像とも呼ば
れる。通常、湿式現像はほぼ室温で行う。現像剤溶液
は、有機溶媒、水性または半水性溶液または水を含んで
もよい。現像剤溶液の選択は、基本的には、除去すべき
光重合性組成物の化学的性質に依存するであろう。適切
な有機溶媒現像剤には、芳香族または脂肪族炭化水素、
脂肪族または芳香族ハロ炭化水素溶媒、またはそのよう
な溶媒と適切なアルコールとの混合物がある。その他の
有機溶媒現像剤は、公開されたドイツ国特許出願番号第
3828551号に開示されている。適切な半水性現像
剤は、水および水混和性有機溶媒およびアルカリ性材料
を含むことができる。適切な水性現像剤は、水およびア
ルカリ性材料を含むことができる。その他の適切な水性
現像剤溶液の組合せは、米国特許第3,796,602
号に開示されている。
【0064】現像時間は一様ではないが、約2から25
分の範囲内が好ましい。現像溶液は任意の使い易い方法
で適用可能であり、浸漬、スプレー、およびブラシまた
はローラ塗布がある。感光性印刷エレメントの未重合部
分を除くために酸ブラッシングが使用できる。洗い流し
を自動処理装置で行い、現像剤および機械的ブラッシン
グ操作を使用して、得られたフレキソ印刷版の未露光部
分を除き、露光した画像およびフロアーを構成したレリ
ーフを残すことができる。
【0065】フレキソ印刷版を溶液中で現像処理した後
に、通常は、吸い取り乾燥または拭き取り乾燥を行い、
次いで空気を送付するかまたは赤外線オーブンで十分に
乾燥させる。乾燥時間および温度は一様ではないが、典
型的には約60℃の温度で約60分から120分乾燥さ
せる。支持体が収縮することがあるので、高温度の乾燥
を推奨できないし、収縮すると位置合わせの問題が起き
る。
【0066】熱現像では、未重合領域を溶融または軟化
させる、典型的には約40℃と200℃の間の現像温度
に光重合性層を加熱してもよい。次いで、光重合性層を
吸収性材料と接触させて未重合の光重合性組成物を除
く。光重合性層の重合した領域は、未重合領域よりも高
い溶融温度を有し、それ故に現像温度では溶融しない
(米国特許第5,215,859号およびWO98/1
3730を参照)。感光性印刷エレメントの熱現像に適
する装置は、米国特許第5,279,697号に開示さ
れている。
【0067】本発明の感光性印刷エレメントを用いて作
成されたフレキソ印刷版に均一に後露光(post-expose
d)を行い、光重合工程の完了ならびに印刷および保管
中の感光性印刷エレメントの安定性を保証することが可
能である。後露光工程には、主露光と同一の輻射線源を
利用できる。
【0068】非粘着化は、任意選択の後現像処理であ
り、この処理はフレキソ印刷版の表面に粘着性が残る場
合に適用するものであって、このような粘着性は後露光
では通常は除くことができない。粘着性は、臭素または
塩素溶液による処理などの、当業界で周知の方法によっ
て取り除くことができる。このような処理は、例えばG
ruetzmacherの米国特許第4,400,45
9号、Fickes他の米国特許第4,400,460
号、およびドイツ国特許第2823300号に開示され
ている。また、非粘着化は、欧州公開特許出願第001
7927号およびGibsonの米国特許第4,80
6,506号に開示されているように、300nmより
長くない波長をもつ輻射線源に露光することにより達成
できる。
【0069】本発明の感光性印刷エレメントを用いて作
成されたフレキソ印刷版は、特に包装材料、例えば厚紙
やプラスティックフィルムなどの柔軟かつ変形し易い表
面への印刷を施すためのものである。本発明の感光性印
刷エレメントは、シームレスの、連続フレキソ印刷版の
作成に使用できる。平坦なシート形状の本光重合性印刷
エレメントを、円筒形状体、通常は印刷胴枠またはシリ
ンダ自体の周囲に巻きつけることができ、その縁を融着
してシームレスの、連続した感光性印刷エレメントを作
成できる。好ましい方法では、光重合性層を円筒形状体
の周囲に巻きつけ、その縁を結合させる。縁を結合する
1つの方法が、ドイツ国特許DE第2844426号に
開示されている。次いで、所望により、本明細書に記載
したように、少なくとも1つの追加層を重合性層にスプ
レー塗装することができる。
【0070】連続フレキソ印刷版は、壁紙、装飾および
ギフト包装紙などの連続的デザインのフレキソ印刷に用
途がある。連続的感光性印刷エレメントは、従来のレー
ザー装置への装着適性がよい。感光性印刷エレメントを
巻きつけ、その縁を融着した胴枠またはシリンダーを、
レーザー装置に直接固定することができ、胴枠またはシ
リンダーは露光工程で回転ドラムとして機能する。
【0071】さらに、本発明は、フレキソ印刷版から作
成される画像の解像度を高める方法を提供するものであ
り、前記の版は、光重合性組成物に少なくとも1種の光
退色性化合物を加える工程を含む、記載の本感光性印刷
エレメントを含んでいる。感光性印刷エレメントの成分
は上記したものである。光重合性層に少なくとも1種の
光退色性化合物を加えることにより、本感光性印刷エレ
メントを含むフレキソ印刷版を用いて作成した画像は、
光退色性化合物を含有しないフレキソ印刷版またはエレ
メントを超えて高められている。この方法のためのより
好ましい光退色性化合物は、熱的に安定である化合物で
ある。この方法のためのより好ましい光退色性化合物
は、非置換または置換ナフチルビニルピリジン、非置換
または置換スチリルキノリン、無水ジフェニルマレイン
酸、これら化合物の異性体、これら化合物の誘導体、お
よびこれら化合物の組合せからなる群から選択された化
合物である。
【0072】特に言及しない限り、本明細書に述べた全
ての刊行物または文献を参考として本明細書に援用す
る。
【0073】
【実施例】下記の実施例において使用される、Cyre
l(登録商標)2001E UVExposure U
nit、Cyrel(登録商標)2001P Plat
e Processor、Cyrel(登録商標)20
01D Dryer、Cyrel(登録商標)3001
DLF Plate Finisher、Optis
ol(登録商標)溶媒、Teflon(登録商標)フィ
ルム、およびMylar(登録商標)ポリエステル支持
体および被覆シートは、全て、E.I.du Pont
de Nemours and Company、W
ilmington、DEが販売する製品である。Kr
atonは、Shell Chemical、Roya
l Dutch/Shell Groupの一部門、H
ouston、TXから入手できるポリブタジエン−ス
チレンブロックコポリマーである。Huls Poly
oilおよびNisso PB液状ポリブタジエンは、
それぞれHuls(America、Somerse
t、NJ)およびNippon Soda(Toky
o、Japan)が製造している。Zappon 34
6赤色染料は、BASF、Coatings and
Colorants Division(Mt.Oli
ve、NJ)が製造している。4−(1−ナフチルビニ
ル)−ピリジンおよび2−スチリルキノリンはTCI
(America、Portland、OR)から入手
した。無水ジフェニルマレイン酸はAldrich C
hemical Co.(Milwaukee、WI)
から入手した。
【0074】(実施例1および比較例1)この実施例で
は、光退色性化合物として4−(1−ナフチルビニル)
ピリジンを含有する本発明の感光性印刷エレメントを説
明する。また、本実施例は、散乱した活性輻射線が引き
起こすハレーションの減少に及ぼす、光退色性化合物の
有益な効果を説明する。光退色性化合物を含む感光性印
刷エレメント(実施例1)と、光退色性化合物を含まな
い感光性印刷エレメント(比較例1)とは、図1および
図2によって比較できる。
【0075】117gのKraton 1102CU
と、29gのHuls Polyoil130と、28
gのNisso PB 1000と、20gの1,6−
ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒドロ
キシエチルアクリレートと、0.01gのZappon
346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノールと、4gの2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノンと、0.06gの4−(1−ナフチ
ルビニル)ピリジンと、80mlの塩化メチレンとを、
熱ロールミルを用いて140℃で均一に混合した。下記
のようにして、6インチ×7インチ×0.062インチ
(15.224cm×17.78cm×0.15748
cm)のサイズをもつ感光性印刷エレメントを作成し
た。約37gの混合物を0.067インチ(0.170
18cm)厚の、長方形のアルミニウム金型内に置き、
5ミルのMylar(登録商標)ポリエステル支持シー
トとシリコーン剥離バリアコーテイングを塗布した被覆
シートとの間に挟んだ。この組み立て品を140℃の水
圧ホットプレス内に置き、300psi(81.43メ
ガパスカル/m)に加圧した。次に、この加圧した版を
加圧下で室温に冷却した。版厚の均一性は±0.003
インチ(0.00762cm)であった。各混合物につ
いて少なくとも3版を作成した。よりよい実験精度を保
証するために、全エレメントは使用前に最低2週間にわ
たっていかなる光の暴露もないように周囲大気下で保管
した。
【0076】光退色性化合物、すなわち0.06gの4
−(1−ナフチルビニル)ピリジンを用いないことを除
いて、同一組成の混合物をロールミルで混合して対照
(比較例1)として用いた。
【0077】そのエレメントを下記のように露光した。
使用した活性輻射線源は、Philips UV−A
「TL」シリーズ低圧水銀蒸気蛍光バルブを備えた、C
yrel(登録商標)2001E UV Exposu
re Unitであった。発光波長は、主に370nm
付近に中心を置くブロードなものであった。実施例1の
エレメントには、均一な、60秒のバックフラッシュを
供給し、約0.020インチ(0.0508cm)深さ
の画像レリーフを作成した。前面のイメージ状の露光を
行うときに、3枚のエレメントに対して6枚の同一のイ
メージを持つマスクを用いた。3.5インチ×6インチ
(8.89cm×15.24cm)のハロゲン化銀マス
クは、(1)1%、2%、3%、4%、5%のポジティ
ブハイライトドットの1cm2パッチ、および70%、
80%、90%および100%ネガティブベタの1cm
2パッチ、(2)0.5%〜10%のポジティブのビネ
ット、および95%〜100%のネガティブのビネッ
ト、増分約0.4%、(3)0.1、0.2、0.4お
よび0.8mm直径の分離したポジティブおよびネガテ
ィブドット、および(4)0.1、0.2、0.4およ
び0.8mm幅のポジティブおよびネガティブリバース
ラインなどの標準画像特性を含んだ。用いた露光時間は
10、20、40、80、100および120分であっ
た。次に、露光したエレメントをCyrel(登録商
標)2001P Plate Processor中
で、Optisol(登録商標)洗浄溶液で30分間に
わたって洗浄し、標準的手順で現像した。得られたフレ
キソ印刷版をCyrel(登録商標)2001D Dr
yer中、60℃で約2時間にわたって乾燥した。Cy
rel(登録商標)3001 DLF Plate F
inisher中で、後露光(10分)および非粘着化
(10分)を行った。バックフラッシュ時間およびイメ
ージ状露光の時間を除いて、比較例1に向けたエレメン
トは、同一活性光源に露光し、かつ同一手順で現像し
た。
【0078】実施例1では、フレキソ印刷版が0.5%
のハイライトドットを確保するに要する最短時間と定義
する、イメージ状露光の最小時間を測定したところ、約
20分であった。このイメージ状露光の時間は、散乱し
た活性輻射線の通常量より多い量に曝して、エレメント
を露光過度にすることが試験の目的である故に採用した
時間である120分と比較して実質的には短かった。し
たがって、最小露光時間の20分に比べて、120分の
露光は6倍の露光過度を表している。図1は、6倍の露
光過度、すなわち120分下で行った実施例1のフレキ
ソ印刷版の画像品質を証明している。
【0079】比較例1では、20秒の均一バックフラッ
シュを2つのエレメントに供給し、深さ0.030イン
チ(0.0762cm)の画像レリーフを得た。10、
20、40および80分の前面イメージ状露光の時間
を、実施例1で用いたマスクと同一の3.5インチ×6
インチ(8.89cm×15.24cm)のハロゲン化
銀のイメージを持つマスクと共に採用した。イメージ状
露光の最小時間を測定したところ、約15分であって、
最長露光時間のエレメント(すなわち80分)は、5.
3倍の露光過度ファクターであった。図2は、比較例1
のフレキソ印刷版の画像品質を証明している。
【0080】図1および2の比較は、光退色性化合物が
存在しない場合、版を露光過度にしたとき、かなりの
「ハロー」、すなわち、ベタ(solid)画像領域周辺の
重合したブロードショルダ−形成が容易に生じる。0.
03重量%の光退色性化合物、4−(1−ナフチルビニ
ル)−ピリジンの添加は、散乱したおよび/または反射
した活性輻射線に起因する光重合を実質的に減少させ、
特にイメージ状露光の時間のもとでは「ハロー」が目に
見えにくいレリーフ画像となる。さらに、実施例1は、
4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンのような光退色
性化合物が、フレキソ印刷版の露光寛容度を高めること
ができることを証明している。
【0081】また、実施例1から得たフレキソ印刷版の
顕微鏡検査は、平均的に、これらの版が標準、比較例1
の対照版に比べてより精細なハイライトドット(<2
%)を一貫して保持することを明らかにした。より精細
なハイライトドットは、ハロゲン化銀イメージを持つマ
スクから感光性印刷エレメントに画像を転写する間に、
より小さなドットゲインが生まれるという事実に基づく
と考えられる。同様に、これは、4−(1−ナフチルビ
ニル)−ピリジンの光退色により引き起こされた強いコ
ントラスト増強に基づいていた。より小さなドットを保
持するという本発明で作成したフレキソ印刷版の能力
は、この版を使用した最終の印刷画像の色調調節にも優
れた結果を与える。それ故に、4−(1−ナフチルビニ
ル)−ピリジンなどの光退色性化合物を含む感光性印刷
エレメントから作成したフレキソ印刷版は、特に高品質
画像の再現性がよい。
【0082】(実施例2および比較例2)実施例2は、
4−(1−ナフチルビニル)−ピリジンを含む感光性印
刷エレメントが、「薄い」フレキソ印刷版の製造に特に
効果があることを証明している。薄いフレキソ印刷版
は、光重合性層が約0.010インチから約0.067
インチ(約0.0254cmから約0.17cm)の範
囲の厚さの版である。比較例2の感光性印刷エレメント
は、0.035インチ(0.085cm)の厚さの光重
合性層を有し、かつ370nmにおける吸光度が、比較
例1で作成した印刷版など、0.067インチ(約0.
17cm)の標準フレキソ印刷版の吸光度の約2倍であ
る。この2倍の高い吸光度は、より多量の開始剤、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンの添加に
より達成され、支持体および露光装置のガラス表面から
の鏡面反射をより効果的に減衰する。これは、比較例1
で用いた標準組成物を越える改良であるが、画像および
非画像領域の間には何も差異が現れない。これに反し、
実施例2では、光退色性化合物、4−(1−ナフチルビ
ニル)−ピリジンの量は、実施例1に存在する量の2倍
である。光減衰力は2倍であるが、光退色性化合物を含
む感光性印刷エレメント(実施例2)と、光退色性化合
物を含まない感光性印刷エレメント(比較例2)とは、
図3および図4によって比較できる。
【0083】117gのKraton 1102 CU
と、29gのHuls Polyoil 130と、2
8gのNisso PB 1000と、20gの1,6
−ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒド
ロキシエチルアクリレートと、0.01gのZappo
n 346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノールと、4gの2,2−ジメトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノンと、0.12gの4−(1−ナフ
チルビニル)ピリジンと、80mlの塩化メチレンと
を、熱ロールミルを用いて140℃で均一に混合した。
0.032インチ(0.08128cm)の厚さの長方
形のアルミニウム金型を使用したことを除いては、本質
的に実施例1と同様に感光性印刷エレメントを製造し
た。同様に、117gのKraton 1102 CU
と、29gのHuls Polyoil 130、28
gのNisso PB 1000と、20gの1,6−
ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒドロ
キシエチルアクリレートと、0.01gのZappon
346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノールと、8gの2,2−ジメトキシ−2−フェ
ニルアセトフェノンと、80mlの塩化メチレンとを熱
ロールミルで混合し、対照(比較例2)として使用し
た。フレキソ印刷版厚の均一性は約±0.003インチ
(0.00762cm)であった。各混合物について少
なくとも3つのエレメントを作成した。よりよい実験精
度を保証するために、全エレメントは使用前に最低2週
間にわたっていかなる光の暴露もないように周囲大気下
で保管した。
【0084】表1は、2セットのエレメントに用いた露
光パラメータをまとめたものである。
【0085】
【表1】
【0086】版の現像手順は、両セットのエレメントに
対して同一であり、約20分の洗浄時間、および約35
分の乾燥時間を用いた。
【0087】17分の前面イメージ状露光の時間では、
実施例2で得られたフレキソ印刷版について1%のハイ
ライトドットが適切に保持されていることが観察され
た。同様に、10分の前面イメージ状露光の時間では、
比較例2で得られたフレキソ印刷版について、1%のハ
イライトドットが保持された。これらの露光時間を「比
較できる」最小限の露光時間と定義すると、図3および
4は、実施例2および比較例2からそれぞれ得た版に関
して、1.8倍および1.5倍の露光過度条件下で達成
したレリーフ画像の品質を証明している。図4は、1.
5倍の露光過度(すなわち15分)で、「ハロー」形成
が明らかになり、ネガティブリバースラインの埋まりが
付随して起きることを示す。これに反して、図3は、
1.8倍の露光過度(すなわち31分)で、最小限の
「ハロー」形成が現れ、明確な輪郭をもったネガティブ
リバースラインである。これらの観察は、「薄い」フレ
キソ印刷版を作成するために4−(1−ナフチルビニ
ル)ピリジンなどの光退色性化合物を使用することで、
得られた版のレリーフ画像の全体的品質を改良できるこ
とを示した。
【0088】(実施例3)実施例3は、本発明の感光性
印刷エレメントの光重合性層を製造する際の多層構造の
利点を証明する。3つの好ましい特性、(1)光重合性
層の2層構造に光退色性化合物を適切に使用することに
よって、安定した、本来の画像レリーフ深さを持ったフ
レキソ印刷版の作成に有効であること、(2)表面キャ
ッピング層で光退色性化合物を有効に使用できること、
および(3)光退色性化合物を用いて、良好な画像品質
および稀に薄い(<0.010インチ(0.0254c
m))画像レリーフをもつフレキソ印刷版を作成できる
ことを証明する。
【0089】2層構造の光重合性層のそれぞれの層に向
けて、2種の混合物をロールミルした。底部「下地」層
用の組成物は、117gのKraton 1102 C
Uと、29gのHuls Polyoil 130と、
28gのNisso PB1000と、20gの1,6
−ヘキサンジオールジアクリレートと、0.5gのヒド
ロキシエチルアクリレートと、0.01gのZappo
n 346と、2gの2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノールと、4gの2,2−ジメトキシ−2−フ
ェニルアセトフェノンと、80mlの塩化メチレンとか
ら成るものであった。上部「キヤッピング」層用の組成
物は、0.4gの光退色性化合物として4−(1−ナフ
チルビニル)ピリジン(または0.2重量%)を加えた
ことを除いては、下地層と同一であった。下地層の最初
の吸光度は約7.1cm-1、キヤッピング層のそれは約
53cm-1であった。キヤッピング層の高い光退色性吸
収体量は、感光性を実質的に減少させ、短いバックフラ
ッシュ時の光硬化に対して事実上非感光性にした。下地
層およびキヤッピング層の感光性の実質的な差異は、光
重合層の2層形態の本来の画像レリーフ深さ特性を生み
出した。
【0090】下地組成物およびキャッピング組成物のシ
ートを、前者はポリエステル支持体と4ミルの厚さのT
eflon(登録商標)フィルムとの間、後者は4ミル
の厚さのTeflon(登録商標)フィルムとバリア層
を塗布した被覆シートとの間で、個別にホットプレスし
た。それぞれが0.015インチ(0.0381cm)
および0.008インチ(0.02032cm)厚の下
地層およびキャッピング層になるように、金型厚みを小
さくした。下地層およびキャッピン層の両者を使用前の
2週間は、いかなる光源からも隔てて保管した。
【0091】次に、Teflon(登録商標)フィルム
を剥離し、下地層と、キャッピング層とを常温積層し
て、約0.023インチ(0.05842cm)厚の2
層型光重合層を作成した。この感光性印刷エレメントを
上記実施例1および2に略述した手順に従って直ちに露
光した。均一なバックフラッシュ時間は20秒、一方前
面のイメージ状露光の時間は20、30、40および5
0分であった。露光したエレメントを、Cyrel(登
録商標)2001P Plate Processor
で20分間洗浄し、35分間にわたって乾燥した。得ら
れたフレキソ印刷版は0.008インチ(0.0203
2cm)の深さの画像レリーフを有し、キャッピング層
の厚さと同一であった。このことは、バックフラッシュ
の間に起きたキャッピング層の硬化が無視できることを
示唆した。20分のイメージ状露光で得た、1%のハイ
ライトは適切に硬化したことを示し、0.5%ドットは
部分的に洗い流された。図5は、この2層型感光性エレ
メントを用い、40分のイメージ状露光の時間で得たレ
リーフ画像品質を証明している。比較的薄い0.008
インチ(0.02032cm)の画像レリーフ深さにも
かかわらず、全てのネガティブリバースラインは埋まら
ず、輪郭を明瞭に示した。
【0092】以下の実験では、UV吸収特性を測定し
た。そのために、開始剤はUV光を吸収することがで
き、光退色性化合物に対する光退色データをマスクする
ので、開始剤を重合性媒体に含めなかった。したがっ
て、開始剤および光退色性化合物の両者を含む試料は、
開始剤による吸収および光退色性化合物による吸収の両
吸収を組み合わせた効果を示すであろう。このような試
料は、光退色性化合物のパーセント退色効果に関する情
報提供にはあまり有効ではない。一般的に、光退色性化
合物の吸光度は、開始剤および感光品の吸光度に算術的
に加算できる。(また、実験の考察に影響を与えると考
えられないので、モノマーは以下の実験には含めなかっ
た。)
【0093】(実施例4および比較例3)この実施例
は、重合媒体中における4−(1−ナフチルビニル)ピ
リジンの優れた光退色特性、およびこれらの特性が熱的
に安定であることを証明する。この特性を、実質的に同
様な予備的条件下で、光退色剤ジフェニルニトロンが高
温度において光退色性を実質的に失うことと比較する。
【0094】実施例4:Nisso PB 1000/
Huls Polyoil 130の50/50の混合
物10mlに、0.3mgの4−(1−ナフチルビニ
ル)ピリジン(NVP)を溶解し、濃厚な1.2×10
-4MのNVP溶液を作成した。この溶液を160℃のオ
ーブン中に2時間置き、次に、活性輻射線に露光する前
後のこの溶液の光学的性質を分光光度計に記録した。テ
トラヒドロフラン(THF)中の1.2×10-4MのN
VP溶液を対照として用いた。表2は、365nmにお
ける吸光度の光退色の観察結果をまとめたものであり、
NVPの光退色特性が少なくとも160℃まで熱的に安
定であることを証明する。
【0095】
【表2】
【0096】比較例3:Nisso−PB 1000/
Huls Polyoil 130の50/50の混合
物20mlに、0.25mgのジフェニルニトロン(D
PN)を溶解し、濃厚な6.2×10-5MのDPN溶液
を作成した。この溶液を140℃のオーブン中に2時間
置き、次に、活性輻射線に露光する前後のこの溶液の光
退色特性を分光光度計に記録した。テトラヒドロフラン
(THF)中の6.2×10-5MのDPN溶液を対照と
して用いた。表3は、340nmにおける吸光度の光退
色の観察結果をまとめたものであり、ジフェニルニトロ
ンが希薄溶液中で例外的な光退色特性を示すが、DPN
は、不飽和ビニル成分を含みかつ加工中に熱処理を受け
ねばならない高分子媒体中の使用には適していないこと
を証明している。
【0097】
【表3】
【0098】(実施例5)この実施例は、エラストマー
ポリマー媒体に含まれる無水ジフェニルマレイン酸の光
退色特性を証明するものであり、この媒体は感光性印刷
エレメントの製造に通常用いるものと同類である。75
mlのテトラヒドロフラン中、10.1gのKrato
n 1102と、2.4gのNisso−PB 100
0と、2.5gのHuls Polyoil 130と
からなる2つの同一溶液を作成した。各溶液に、約0.
7および2.1ccの0.12重量%の無水ジフェニル
マレイン酸溶液をそれぞれ加えた。この溶液を40℃で
数日間にわたって乾燥し、加熱した120℃の水圧プレ
スで加圧して、均一な10ミル厚さの独立したフィルム
(free-standing films)を作成した。このフィルムを
活性輻射線に連続的に露光し、かつ365nmにおける
光学濃度を各露光直後に分光光度計で監視した。表4
は、高分子媒体中の無水ジフェニルマレイン酸(DM
A)の光退色に基づく光学濃度の規則正しい減少をまと
めたものである。各露光の単位は、2.7mJ/cm2
のUVエネルギー濃度に相当する。
【0099】
【表4】
【0100】約83%の効率で光退色する4−(1−ナ
フチルビニル)ピリジン(実施例4、表2、第2列を参
照)と比較して、無水ジフェニルマレイン酸は、単に約
62%の効率、すなわち1−(156単位露光後の吸光
度)/(0単位露光後の吸光度)で光退色した。無水ジ
フェニルマレイン酸の比較的高い定常吸光度は、この光
退色性化合物を光退色性開始剤との併用に特に適したも
のとする。
【0101】(実施例6)この実施例は、エラストマー
ポリマー媒体に含まれる2−スチリルキノリンの光退色
特性を証明するものであり、この媒体は感光性印刷エレ
メントに通常用いるものと同類である。75mlのテト
ラヒドロフラン中、10.1gのKraton 110
2と、2.4gのNisso−PB 1000と、2.
5gのHuls Polyoil 130とからなる溶
液を作成した。この溶液に、約88mgの2−スチリル
キノリンを加えた。この溶液を40℃で数日間にわたっ
て乾燥し、加熱した120℃の水圧プレスで加圧して、
均一な10ミル厚さの独立したフィルムを作成した。こ
のフィルムを250単位および500単位で活性輻射線
に連続的に露光し、かつ365nmにおける光学濃度を
各露光前後に直ちに分光光度計で監視した。表5は、高
分子媒体中の2−スチリルキノリンの光退色に基づく光
学濃度の規則正しい減少をまとめたものである。各露光
の単位は、2.2mJ/cm2のUVエネルギー濃度に
相当する。
【0102】
【表5】
【0103】(実施例7)この実施例は、光退色性化合
物NVPを含む、フレキソ印刷版組成物の光退色特性を
証明する。実施例4〜6と異なりこれらの組成物はモノ
マーおよび開始剤を含んでいる。117gのKrato
n 1102 CUと、29gのHulsPolyoi
l 130と、28gのNisso PB 1000
と、20gの1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
と、0.5gのヒドロキシエチルアクリレートと、0.
01gのZappon 346と、2gの2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェノールと、4gの2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンと、0.06
gのNVPと、80mlの塩化メチレンとを含む混合物
を140℃でロールミーリングして、約0.06重量%
の光退色性化合物NVPを含む印刷版組成物を得た。ま
た、0.12gのNVPを用いることを除いて、同様な
組成物を作成し、約0.06重量%の光退色性化合物を
含む混合物を得た。これらの混合物を少量ずつ採り、こ
れを加熱した140℃の水圧プレスで加圧して、約10
ミル厚さの独立したフィルムを作成した。次に、上記の
実施例4〜6に記載したように、加圧したフィルムの3
70nmにおける吸光度を分光光度計で測定した。この
フィルムを160単位の活性輻射線(約2.7mJ/c
2)に露光し、370nmにおけるフィルムの吸光度
を再度測定して、退色した吸光度を得た。表6は、これ
らのフィルムから得た光退色の程度をまとめたものであ
る。
【0104】
【表6】
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
露光時の散乱光の悪影響を減少し、露光感光度を高める
感光性印刷エレメントおよびフレキソ印刷版を提供する
ことが可能となり、これらを用いて印刷を行うことによ
り高品質の画像が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のフレキソ印刷版の写真である。
【図2】比較例1のフレキソ印刷版の写真である。
【図3】実施例2のフレキソ印刷版の写真である。
【図4】比較例2のフレキソ印刷版の写真である。
【図5】実施例3のフレキソ印刷版の写真である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/11 G03F 7/11 (72)発明者 ラップ−タック アンドリュー チェン アメリカ合衆国 19711 デラウェア州 ニューアーク アーデレン アベニュー 11

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光重合性組成物であって、 少なくとも1種のエラストマーバインダと、 少なくとも1種のモノマーと、 活性輻射線に感受性を有する開始剤と、 活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退色性
    化合物とを含むことを特徴とする光重合性組成物。
  2. 【請求項2】 前記光退色性化合物が熱的に安定である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光重合性組成物。
  3. 【請求項3】 前記光退色性化合物が、非置換または置
    換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリル
    キノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物の
    異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物の
    組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求
    項2に記載の光重合性組成物。
  4. 【請求項4】 前記光重合性組成物中の前記光退色性化
    合物の量が、約0.001重量%から約10重量%の範
    囲であることを特徴とする請求項1に記載の光重合性組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記光退色性化合物の量が、約0.01
    重量%から約5重量%の範囲であることを特徴とする請
    求項4に記載の光重合性組成物。
  6. 【請求項6】 前記光退色性化合物の量が、約0.02
    重量%から約2重量%の範囲であることを特徴とする請
    求項5に記載の光重合性組成物。
  7. 【請求項7】 前記エラストマーバインダが、スチレン
    −ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、またはス
    チレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマーであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の光重合性組成物。
  8. 【請求項8】 フレキソ印刷版の製造に用いる感光性印
    刷エレメントであって、 支持体と、 請求項1に記載の光重合性組成物を含む光重合性層とを
    含むことを特徴とする感受性印刷エレメント。
  9. 【請求項9】 前記光退色性化合物が熱的に安定である
    ことを特徴とする請求項8に記載の感光性印刷エレメン
    ト。
  10. 【請求項10】 前記光退色性化合物が、非置換または
    置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリ
    ルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物
    の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物
    の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請
    求項9に記載の感光性印刷エレメント。
  11. 【請求項11】 前記光重合性層中の前記光退色性化合
    物の量が、約0.001重量%から約10重量%の範囲
    であることを特徴とする請求項8に記載の感光性印刷エ
    レメント。
  12. 【請求項12】 前記光退色性化合物の量が、約0.0
    1重量%から約5重量%の範囲であることを特徴とする
    請求項11に記載の感光性印刷エレメント。
  13. 【請求項13】 前記光退色性化合物の量が、約0.0
    2重量%から約2重量%の範囲であることを特徴とする
    請求項12に記載の感光性印刷エレメント。
  14. 【請求項14】 前記光重合性層が単層構造からなるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の感光性印刷エレメン
    ト。
  15. 【請求項15】 前記光重合性層が2層または多層構造
    からなることを特徴とする請求項8に記載の感光性印刷
    エレメント。
  16. 【請求項16】 前記光重合性層の少なくとも1つの層
    が前記光退色性化合物を含むことを特徴とする請求項1
    5に記載の感光性印刷エレメント。
  17. 【請求項17】 少なくとも2つの層が前記光退色性化
    合物を含み、前記2つの層のそれぞれが異なる重量パー
    セントの前記光退色性化合物を含むことを特徴とする請
    求項16に記載の感光性印刷エレメント。
  18. 【請求項18】 前記光退色性化合物がポリマーまたは
    オリゴマーに共有結合していることを特徴とする請求項
    15に記載の感光性印刷エレメント。
  19. 【請求項19】 前記ポリマーまたは前記オリゴマー
    が、ポリビニルアルコール、ポリ(メチルメタクリレー
    ト)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリスチレン、
    ポリアミド、ポリエステル、ポリイソシアナトエチルメ
    チルメタクリレート、イソシアナトエチルメチルメタク
    リレートおよびメチルメタクリレートのコポリマー、お
    よびイソシアナトエチルメチルメタクリレートおよびジ
    メチルアミノエチルメタクリレートのコポリマーからな
    る群から選択されることを特徴とする請求項18に記載
    の感光性印刷エレメント。
  20. 【請求項20】 バリア層、赤外線感受性層、およびそ
    れらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つ
    の追加層をさらに有することを特徴とする請求項8に記
    載の感光性印刷エレメント。
  21. 【請求項21】 前記少なくとも1つの追加層が赤外線
    感受性層であり、該赤外線感受性層中のバインダが、前
    記光重合性層中の少なくとも1つの移行性材料と不相溶
    性であることを特徴とする請求項20に記載の感光性印
    刷エレメント。
  22. 【請求項22】 少なくとも1つの追加層が赤外線感受
    性層およびバリア層であり、該バリア層を前記光重合性
    層と前記赤外線感受性層との間に配置することを特徴と
    する請求項20に記載の感光性印刷エレメント。
  23. 【請求項23】 光重合性層の厚さが、約0.005イ
    ンチから約0.250インチの範囲であることを特徴と
    する請求項8に記載の感光性印刷エレメント。
  24. 【請求項24】 光重合性層の厚さが、約0.010か
    ら約0.067インチの範囲であることを特徴とする請
    求項23に記載の感光性印刷エレメント。
  25. 【請求項25】 開始剤が光退色性であることを特徴と
    する請求項8に記載の感光性印刷エレメント。
  26. 【請求項26】 感光性印刷エレメントの製造方法であ
    って、 少なくとも1種のエラストマーバインダと、少なくとも
    1種のモノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤
    と、活性輻射線に感受性を有する少なくとも1種の光退
    色性化合物とを含む光重合性組成物を支持体に塗布し
    て、支持体上に光重合性層を形成する工程を有すること
    を特徴とする方法。
  27. 【請求項27】 前記光退色性化合物が、非置換または
    置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリ
    ルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物
    の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物
    の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請
    求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記光重合性層の表面に赤外線感受性
    層と、少なくとも1種のバリア層、または赤外線感受性
    層および少なくとも1種のバリア層とを塗布する工程を
    有することを特徴とする請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 フレキソ印刷版の製造方法であって、 (a)請求項7に記載の感光性印刷エレメントを活性輻
    射線にイメージ状に露光させて、その層の一部分を選択
    的に重合させる工程と、 (b)工程(a)で得たエレメントを処理してその層の
    未重合部分を除去し、フレキソ印刷版を作成する工程と
    有することを特徴とする方法。
  30. 【請求項30】 フレキソ印刷版から作成される画像の
    解像度を高める方法であって、 前記フレキソ印刷版が光重合性層を含む感光性印刷エレ
    メントを有し、前記光重合性層が支持体上に、少なくと
    も1種のエラストマーバインダと、少なくとも1種のモ
    ノマーと、活性輻射線に感受性を有する開始剤とを含む
    光重合性組成物を有し、前記光重合性組成物に少なくと
    も1種の光退色性化合物を加えることを含むことを特徴
    とする方法。
  31. 【請求項31】 前記光退色性化合物が、非置換または
    置換ナフチルビニルピリジン、非置換または置換スチリ
    ルキノリン、無水ジフェニルマレイン酸、これら化合物
    の異性体、これら化合物の誘導体、およびこれら化合物
    の組合せからなる群から選択されることを特徴とする請
    求項30に記載の方法。
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