JP4643811B2 - ピルファープルーフキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器口部を密封するための合成樹脂製のピルファープルーフキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のピルファープルーフキャップは、合成樹脂製やガラス製の容器口部に装着されて、栓抜きを要しないで、手回しで開栓可能に構成されたものであって、容器口部に螺着される筒状のスカート壁を天壁の外周部に垂下してなるキャップ本体と、破断可能なブリッジを介してスカート壁の下部に連結されたタンパーエビデンスバンド(以下、TEバンドと言う。)と、このTEバンドの内面に連設されて、容器口部の突条に下方から係止する拡径方向に弾性変形可能な係止部材とを備えて成るものがあり、かつ、係止部材は、上窄まりで連続蛇腹状を呈するフラップ状のものや、閉栓のキャップ回転方向で後退角を有せしめた多数の舌片状のものから成るものがある。
【0003】
そして、上記のキャップには、容器口部に螺着されるキャップ本体の天壁により、容器口部の上端に圧着される口部封止用の天板と、この天板の周縁部から下方に垂下して容器口部の内周面に密接する中足とから成る合成樹脂製のパッキンが備えられる。
【0004】
上記構成のピルファープルーフキャップによれば、係止部材が柔軟性を有して拡径方向に弾性変形可能であることから、キャップを容器口部に螺着する閉栓時には、係止部材が容器口部の係止突条を容易に乗り越えることになり、閉栓完了の状態では、係止部材が係止突条に係止する姿勢に復元するのであって、閉栓時におけるブリッジの破断は確実に防止される。
【0005】
一方、開栓に際しては、容器口部からのキャップの螺脱に伴って、先ずは係止部材が係止突条の下方に係止することでブリッジが切断され、次いで、TEバンドを残してのキャップ本体の螺脱に伴って、スカート壁の内部に設けたねじ山上端によってパッキンの天板が持ち上げられ、これに伴って中足が容器口部から抜け出すのであって、ここで始めてパッキンによる容器の気密が解除されるのであり、従って、ブリッジが切断されない限りは容器の気密が確実に保持されることから、ブリッジの切断を伴わない例えば悪戯や不注意によるキャップの僅かな開栓(所言胃ちょい回し)によるガス漏れや外気の吸い込み、或いは内容物の漏れ出しが確実に防止される。
【0006】
ここで、上記構成のピルファープルーフキャップは、一般には、硬質で高強度の性状を示すポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂材料によって、例えばインジェクション成形されており、このキャップを装着する容器は、がラス製であったり合成樹脂製であったりし、かつ、合成樹脂製の場合は、成形性ならびに保形性が優れることから、ポリエチレンテレフタレートやポリスチレンなどの合成樹脂材料が選択される。
【0007】
ところで、近年では、合成樹脂製品の焼却による二酸化炭素の発生と、これに伴う地球の温暖化、更には、ダイオキシン類の発生など、地球環境の破壊つまりプラスチック公害を極力防止する上で、合成樹脂製の容器を資源ゴミとして分別回収し、ガラス製の容器についても、これを分別回収して、これらをリサイクルするように行政指導が成されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この分別回収に際しては、容器とは材質の異なるキャップ本体の取り外しに加えて、容器口部に残されたTEバンドについても、これが容器とは材質が異なることから、容器口部から取り外すことが重要であるが、TEバンドは、硬質で高強度であることに加えて、容器口部の突条に下方から係止する係止部材を備えていることから、簡単には取り外すことができないのであった。
【0009】
このため、従来では、カッターナイフやニッパーなどの工具を用いて、TEバンドの一部を分断し、TEバンドの環状を切って容器口部から取り外したり、マイナスドライバー等の工具をTEバンドと容器口部との隙間に差し込んで、無理やり容器口部の突条を乗り越えさせることで、TEバンドを容器口部から取り外しており、いずれにしても、工具を用いない限りはTEバンドの取り外しが不可能であった。
【0010】
上記とは別なる構成のピルファープルーフキャップとして、開栓時にブリッジの一部を残すように、キャップ本体の下部にTEバンドを連設すると共に、このTEバンドに、このバンドを開栓に伴って周方向で分断させる機能を有せしめて、分断されたTEバンドをキャップ本体にくっつけたままで、キャップ本体を開栓できるようにしたものがある。
【0011】
かゝる構成のピルファープルーフキャップによれば、TEバンドが開栓に伴って分断さ
れ、かつ、容器口部から取り除かれることから、上記の分別回収にとっては好適であるが、容器の内容物を使い切るまでの間は、TEバンドが閉栓の邪魔になることから、このバンドをキャップ本体から取り外す必要があり、この取り外しには、やはりハサミやナイフなどの工具を必要とし、或いは、手で引き千切った際には、キャップ本体に鋭利な引き千切りの突起が残って、キャップ本体を掴んだ際に怪我をする危険性があった。
【0012】
本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、TEバンドを容器口部に残す開栓タイプのピルファープルーフキャップを対象にして、特に工具を用いなくても、TEバンドを簡易に取り外せるものにして提供する点にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明が講じた技術的手段は次の通りである。即ち、本発明は、容器口部に螺着される筒状のスカート壁を天壁の外周部に垂下してなるキャップ本体と、破断可能なブリッジを介してスカート壁の下部に連結されたタンパーエビデンスバンドと、このタンパーエビデンスバンドの内面に連設されて、容器口部の突条に下方から係止する拡径方向に弾性変形可能な係止部材とを備えた合成樹脂製のピルファープルーフキャップであって、前記タンパーエビデンスバンドに、バンド下部側に連結部分を残す状態で、周方向に所定の間隔を隔てて2本のスリットを形成し、このスリット間のバンド部分をして下方に引き倒すことができ、かつ、前記連結部分の少なくとも一方を分断するためのタブとし、さらに、前記係止部材が、上窄まりで連続蛇腹状を呈するフラップ状であって、この係止部材に、タンパーエビデンスバンドに形成の前記2本のスリットとほゞ
同じ位相でスリットを形成して成る点に特徴がある(請求項1)。
【0014】
上記の特徴構成によれば、容器口部に残ったTEバンドの取り外しに際して、容器口部にTEバンドを残した容器を手で固定した状態で、スリット間のバンド部分を下方に引き倒すのであって、これによってバンド部分両側の連結部分が捩じられることで、連結部が脆性破壊を起こすほどに性状的に脆くなる。
【0015】
一方、バンド部分の下方への引き倒しによって、円弧状のバンド部分の下縁部が平面視で直線状に切り換わり、これに伴って、TEバンドの中心から直線状の下縁部までの最短寸法がTEバンドの半径よりも短くなり、具体的には、短尺化による寸法とTEバンドの半径寸法との合計寸法が、容器口部の外径寸法よりも小さくなって、その寸法差の分、バンド部分が容器口部の外方に押し出されるようになり、この押し出し力が、上記の脆くなった連結部分に剪断の応力として加わることになる。
【0016】
この吏断応力によって、バンド部分両側の連結部分の一方が破壊されて、TEバンドの環状が分断されることから、後はバンド部分を掴み持って容器口部の外側及び上方に持ち上げて、TEバンドに容器口部の突条を乗り越えさせることで、工具を用いることなく簡単に、TEバンドを容器口部から取り外すことができる。
【0017】
この際、円弧状のバンド部分が変形を伴って、上記の寸法差が小さくなった場合や、或いは、スリット間のバンド部分の周長によっては、大きな剪断応力を得難くて、バンド部分を下方に引き倒すだけでは、連結部分を破壊によって分断し切れないことがあるが、この際は、バンド部分をタブにして引っ張ることで、連結部分を分断することができるのであって、やはり工具を用いることなく簡単に、TEバンドを容器口部から取り外すことができるのである。
【0018】
必要に応じて、一方のスリットの深さを他方のスリットの深さよりも深く形成すれば(請求項2)、連結部分の破壊による分断を一方のスリット側に特定することができるのであって、これによって連結部分の両方の破壊防止が達成されることから、大部分のTEバンドを残してのタブだけの分離が生じることはないのである。
【0019】
そして、係止部材が、上窄まりで連続蛇腹状を呈するフラップ状のものであるので、上記のスリットをTEバントにのみ形成した場合は、バント部分の下方への引き倒しによる剪断応力では、フラップ状の係止部材を分断することが困難な場合があり、また、バンド部分をタブにして係止部材を引き千切るにしても強い力を必要とするが、これについては、連続蛇腹状を呈するフラップ状の係止部材に、TEバンドに形成のスリットとほゞ同じ位相でスリットを形成することで解消してある。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は合成樹脂製のピルファープルーフキャップCを示し、例えばインジェクション成形法によって形成されている。
【0021】
このキャップCの装着対象である容器1は、ガラス製であったり合成樹脂製であったりし、の容器1の口部2には、その外面部に、雄ねじ部3と、この雄ねじ部3の下部に環状の突条4とが形成されている。
【0022】
ピルファープルーフキャップCを示す図1〜図3において、図中の符号5はキャップ本体で、天壁6とその外周部から垂下したスカート壁7とから成り、かつ、スカート壁7の外面部にはローレット溝8が形成され、内面部には、容器口部2の雄ねじ部3に螺着される雌ねじ部9が形成されている。
【0023】
10は破断可能なブリッジ11を介してスカート壁7の下部に連結されたTEバンドで、前記ブリッジ11は、例えば次のように形成されている。即ち、インジェクション成形法等により、予めスカート壁7とTEバンド10との間に、スカート壁7の下部内面とTEバンド10の上部内面とにわたって、これらを連ねる連結片aを周方向に所定間隔おきに複数個(例えば25個)形成して、キャップ成形後に、その連結片aに対応する外面側からカッターにより、連結片aの一部を残して、全周にわたってスリット12を加工することにより、ブリッジ11を形成しているのである。
【0024】
13はTEバンド10の内面に形成された拡径方向に弾性変形可能な係止部材で、TEバンド10の下端から内側斜め上方に向けて折り曲げられて、周方向で連続した上窄まりの連続蛇腹状を呈するフラップ状に形成されており、この係止部材13とTEバンド10とが形成するV字状環状溝bの底部側には、周方向に所定の間隔を隔てて排液用の小さな開口Cが形成されている。
【025】
この係止部材13は、閉栓時には拡径方向に弾性変形して環状突条4を乗り越え、閉栓状態では、環状突条4の下方に係止可能な姿勢に弾性復帰し、かつ、開栓時には、環状突条4に下方から係止するように構成されている。
【0026】
14は容器口部2に密嵌される合成樹脂製のパッキンで、容器口部2に螺着されるキャップ本体5の天壁6により、容器口部2の上端に圧着される口部封止用の天板15と、この天板15の周縁部から下方に垂下して容器口部2の内周面に密接する中足16とから成る。
【0027】
上記構成のピルファープルーフキャップCによれば、上窄まりの連続蛇腹状を呈するフラップ状の係止部材13が拡径方向に弾性変形可能であって、閉栓時には容器口部2の環状突条4を容易に乗り越えることから、ブリッジ11の破断は確実に防止される。
【0028】
そして、開栓に際して、キャップCを開栓方向に回転させると、容器口部2の環状突条4に係止部材13が下方から係止して、TEバンド10の持ち上げが阻止されることから、キャップ本体5の回転に伴って、このキャップ本体5に連設のブリッジ11が切断されることになる。
【0029】
ここで、容器口部2に密嵌されたパッキン14は、開栓に伴ってスカート壁7に設けた雌ねじ部9のねじ山によって持ち上げられ、この持ち上げに伴ってパッキン14の中足1が容器口部2から抜け出すのであって、パッキン14の持ち上げの開始がブリッジ11の切断後に成されるように、環状突条4と雌ねじ部9との配置位置を特定している。
【0030】
即ち、キャップCの開栓方向への回転によって、先ずは容器口部2の環状突条4に係止部材13が下方から係止して、ブリッジ11が切断され、その切断後にパッキン14が雌ねじ部9のねじ山によって持ち上げられて、ここで始めてパッキン14による容器1の気密が解除されるように構成している。
【0031】
従って、ブリッジ11が切断されない限りは容器1の気密が確実に保持されることから、ブリッジ11の切断を伴わない例えば悪戯や不注意によるキャップCの僅かな開栓(所謂ちょい回し)によるガス漏れや外気の吸い込み、或いは内容物の漏れ出しが確実に防止されるようになっている。
【0032】
これまでの構成にかゝるピルファープルーフキャップCは、従来のTEバンド10を容器口部2に残す開栓タイプそのもののキャップであって、本発明では、かゝる構成のピルファープルーフキャップCにおいて、図3及び図4に示すように、TEバンド10に、このバンド下部側に連結部分d,dを残す状態で、周方向に所定の間隔を隔てて2本のスリット17,17を形成し、かつ、上窄まりの連続蛇腹状を呈するフラップ状の係止部材13についても、TEバンド10に形成のスリット17,17とほゞ同じ位相でスリット18,18を形成して、TEバンド10に形成のスリット17,17間のバンド部分10aによって、連結部分d,dの少なくとも一方を分断するためのタブを構成しているのである。
【0033】
具体的には、市場に広く出回っているTEバンド10の外径が約34mmのピルファープルーフキャップCを対象にして、このキャップCの成形後に、1〜2mm程度の連結部分d,dを残す状態で、キャップ外面側からカッターにより、スカート壁7の下端側(例えば連結片aの上端よりも下端側)とTEバンド10および係止部材13に、周方向で15〜20mmの間隔を隔てて2本のスリット17,17、18,18を形成しているのである。
【0034】
このTEバンド10のバンド部分10aの周長を15mmに設定した場合の中心角θは約52度であり、バンド部分10aの周長を20mmに設定した場合の中心角θは約69度である。
【0035】
上記の構成において、図5(A),(B)に示すように、容器口部2を閉栓しているキャップCを開栓して、キャップ本体5を取り外した状態で、容器口部2に残ったTEバンド10を取り外すに際して、容器口部2にTEバンド10を残した容器1を手で固定した状態で、図5(B)及び図6(A),(B)に示すように、スリット17,17間のバンド部分10aを下方に引き倒すのであって、これによってバンド部分両側の連結部分d,dが捩じられることで、連結部分d,dは脆性破壊を起こすほどに性状的に脆くなる。
【0036】
そして、円弧状のバンド部分10aが変形を伴わないものとするが、このバンド部分10aの下方への引き倒しによって、図6(C)に示すように、円弧状のバンド部分10aの下縁部が平面視で直線状に切り換わることから、TEバンド10の中心から直線状の下縁部までの最短寸法L1がTEバンド10の半径よりも短くなり、具体的には、短尺化による寸法L1(バンド部分10aの周長を20mmに設定した場合は約14mmであって、以下、同じく周長を20mmに設定した場合の寸法を表示している。)とTEバンド10の半径寸法L2(約17mm)との合計寸法が、容器口部2の外径寸法L3(約30mm)よりも小さくなる。
【0037】
この結果、図6(C)では、容器口部2が存しないものとして仮想線で示しているように、寸法差L4(約2mm)の分、直線状に切り変わったバンド部分10aの下縁部が、容器口部2の中心側に引き戻されるようになり、ここで、容器口部2が存するものとすると、上記の寸法差L4の分、バンド部分10aが容器口部2の外方に押し出されるようになり、この押し出し力が、上記の脆くなった連結部分d,dに剪断の応力として加わることになる。
【0038】
この剪断応力によって、バンド部分10a両側の連結部分d,dの一方が破壊されて、TEバンド10の環状が分断されることから、後は図5(C)の状態のバンド部分10aを掴み持って、容器口部2に大部分が残っているバント部分10bを容器口部2の外方及び上方に持ち上げ、TEバント10に容器口部2の突条を乗り越えさせることで、工具を用いることなく簡単に、TEバンド10を容器口部2から取り外すことができる。
【0039】
上記の剪断応力のみによっては、連結部分dの破壊が成されない場合があり、また、上記の連結部分dの破壊では、円弧状のバンド部分10aが変形を伴わないものとしているが、円弧状のバンド部分10aが変形を伴って、上記の寸法L4差が小さくなった場合は、バンド部分10aの下方への引き倒しによる大きな剪断応力を得難くなつて、バンド部分10aを下方に引き倒すだけでは、連結部分dを破壊によって分断し切れないこともあるが、この際は、バント部分10aを掴んで引っ張ることで、連結部分dを分断することができるのであり、やはり工具を用いることなく簡単に、TEバンド10を容器口部2から取り外すことができる。
【0040】
上記のスリット17,17間におけるバンド部分10aは、上述したように、市場に広く出回っているTEバンド10の外径が約34mmのピルファープルーフキャップCを対象にした場合、その周長を15mmよりも短くして、例えば10mm程度にすると、バンド部分10aに指を引っ掛けることが困難になり、逆に周長を20mmよりも長くして、例えば25mm程度にすると、バンド部分10aに指を引っ掛けて、これを下方に引き倒すことが困難になることから、バンド部分10aの周長を15〜20mmとしたのであるが、12〜23mmの範囲にするなど、バンド部分10aに指を引っ掛けて、これを下方に引き倒すことが楽に行える範囲ならば、周長の範囲設定は任意である。
【0041】
因みに、TEバンド10の外径が例えば41mmのピルファープルーフキャップCを対象にして、バンド部分10aの周長を15〜20mm(中心角θは約40〜60度)の囲に設定したところ、バンド部分10aに指を引っ掛けて、これを楽に下方に引き倒すことができたのである。
【0042】
この他にも、TEバンド10の外径が例えば23mmのピルファープルーフキャップCを対象にして、バンド部分10aの周長を15〜20mm(中心角θは約70〜100度)の範囲に設定したところ、上記と同様に、バンド部分10aに指を引っ掛けて、これを楽に下方に引き倒すことができたのであり、即ち、バンド部分10aの好ましい周長の範囲は、TEバンド10の外径によって左右されるもので、一義的に決定されるものではないことが確認されたのである。
【0043】
上記の実施の形態では、TEバンド10の連結部分d,dを0.5〜2mm程度にして、互いにほゞ等しい寸法分で残しており、従って、上記の分断に際して、二箇所の連結部分d,dの何れが分断されるか特定されないが、図7に示すように、例えば一方の連結部分dを1mmとし、他方の連結部分dを2mmにするなど、スリット17,17の深さを互いに異ならせることで、連結部分の破壊による分断を一方のスリット側に特定することが可能となり、これによって連結部分d,dの同時破壊も防止されるのであって、大部分のTEバンド10bを残してのバンド部分10aのみの分離が解消されることになる。
【0044】
尚、TEバンド10に残す連結部分d,dの寸法は、0.5〜2mm程度の範囲に限られるものではなく、バンド部分10aに指を引っ掛けて、これを下方に引き倒すことと、バンド部分10aを引っ張って連結部分d,dを破壊することを楽に行える範囲ならば、連結部分d,dの寸法を0.5〜5mm程度にするなど、寸法の範囲設定は任意である。
【0045】
【0046】
【0047】
尚、上記の実施の形態では、キャップCの成形後に、スリット17,17、18,18をカッターによって形成しているが、ピルファープルーフキャップCを例えばインジェクション成形する際に、スリット17,17、18,18を同時に成形するようにしてもよいのである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、バンド部分の下方への引き倒しによって、バンド部分の下縁部が平面視で直線状に切り換わり、これに伴って、TEバンドの中心から直線状の下縁部までの最短寸法がTEバンドの半径よりも短くなり、この短尺化による寸法とTEバンドの半径寸法との合計寸法が、容器口部の外径寸法よりも小さくなって、その寸法差の分、バンド部分が容器口部の外方に押し出されるようになり、この押し出し力が、上記の脆くなった連結部分に剪断の応力として加わることによって、或いはまた、バンド部分それ自体のタブとしての機能によって、容器口部に残ったTEバンドを、特に工具を用いなくても簡易に取り外し可能な、従って、合成樹脂製やガラス製の容器を資源ゴミとして分別回収する上で好適なピルファープルーフキャップが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容器口部に螺着したピルファープルーフキャップの全体図で、左半分を断面図示している。
【図2】 (A)はピルファープルーフキャップの側面図、(B)はピルファープルーフキャップの縦断側面図である。
【図3】 図2(B)における矢符X−X線の断面図である。
【図4】 図1における矢符Y−Y線の断面図である。
【図5】 (A)〜(C)はキャップ本体の取り外し並びにバンド部分(タブ)の引き千切りの説明図である。
【図6】 (A)は容器口部に残ったTEバンドの断面図、(B)はバンド部分(タブ)の下方への引き倒し状態を示す断面図、(C)はバンド部分(タブ)を下方に引き倒した際の各部寸法の関連図である。
【図7】 スリットの深さを異ならせた別の実施の形態によるピルファープルーフキャップの側面図である。
【符号の説明】
2…容器口部、4…突条、5…キャップ本体、6…天壁、7…スカート壁、10…TEバンド、10a…バンド部分、11…ブリッジ、13…係止部材、17,18…スリット、d…連結部分。
Claims (2)
- 容器口部に螺着される筒状のスカート壁を天壁の外周部に垂下してなるキャップ本体と、破断可能なブリッジを介してスカート壁の下部に連結されたタンパーエビデンスバンドと、このタンパーエビデンスバンドの内面に連設されて、容器口部の突条に下方から係止する拡径方向に弾性変形可能な係止部材とを備えた合成樹脂製のピルファープルーフキャップであって、前記タンパーエビデンスバンドに、バンド下部側に連結部分を残す状態で、周方向に所定の間隔を隔てて2本のスリットを形成し、このスリット間のバンド部分をして下方に引き倒すことができ、かつ、前記連結部分の少なくとも一方を分断するためのタブとし、さらに、前記係止部材が、上窄まりで連続蛇腹状を呈するフラップ状であって、この係止部材に、タンパーエビデンスバンドに形成の前記2本のスリットとほゞ同じ位相でスリットを形成して成ることを特徴とするピルファープルーフキャップ。
- 2本のスリットのうち、一方のスリットの深さを他方のスリットの深さよりも深く形成して成る請求項1に記載されたピルファープルーフキャップ。
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