JP4643568B2 - 観察装置および双眼鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、表示機能を備えた観察装置および双眼鏡に関するものである。
従来より、対物レンズによって形成された物体の中間像を、接眼レンズによって観察する望遠鏡などの観察装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、液晶技術などを用いた小型の表示装置が知られている。
特許第3070429号公報
前述した小型の表示装置を前述した観察装置に搭載して、情報の表示を行うことを考えた場合、装置が大型化するという問題がある。望遠鏡などの観察装置は、屋外などで使用する場合も多く、表示装置を搭載する場合には、携帯性を考えると小型化が望まれる。
本発明は、表示機能を備えた小型の観察装置および双眼鏡を提供することを目的とする。
本発明の観察装置は、接眼レンズと、対物レンズとを備え、前記対物レンズによって形成された物体の中間像を、前記接眼レンズによって観察する観察装置において、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上、または前記光路から分岐された光路上に設けられ、画像を表示する表示部と、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に出し入れ可能な光学部材を備え、前記光学部材が前記光路上から退避した状態においては前記接眼レンズからの光を前記対物レンズに導き、前記光学部材が前記光路上に挿入された状態においては前記表示部に表示された前記画像を前記対物レンズに導く光路切換部とを備えたことを特徴とする。
本発明の別の観察装置は、接眼レンズと、対物レンズとを備え、前記対物レンズによって形成された物体の中間像を、前記接眼レンズによって観察する観察装置において、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上、または前記光路から分岐された光路上に設けられ、画像を表示する表示部と、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に設けられ、前記接眼レンズからの光を前記対物レンズに導くとともに、前記表示部に表示された前記画像を前記対物レンズに導く光路分割部とを備えたことを特徴とする。
本発明の双眼鏡は、上述した観察装置の何れかを2つ有する双眼鏡であって、前記接眼レンズと前記対物レンズと前記光路切換部または前記光路分割部とを左右それぞれに備えることを特徴とする
なお、前記光路切換部または前記光路分割部と前記表示部との間に表示レンズをさらに備えても良い。
また、前記対物レンズの全部または一部は、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能であっても良い
また、前記対物レンズと前記表示部とを結ぶ光路上に設けられ、前記対物レンズ側から観察者により観察される中間像の位置を、前記観察者の眼の光軸方向と輻輳方向との少なくとも一方に変更する位置変更部と、前記表示部と、前記光路切換部または前記光路分割部と、前記位置変更部とを制御する制御部とをさらに備えても良い
また、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に、その光路に沿った方向に移動可能な兼用レンズをさらに備え、前記位置変更部は、前記兼用レンズを含み、前記制御部は、前記兼用レンズの位置を移動させることにより、前記観察装置の焦点調節と、前記対物レンズ側から前記観察者により観察される中間像の位置の前記観察者の眼の光軸方向への変更とを行っても良い
また、前記兼用レンズの位置を検出する検出部を備え、前記焦点調節を行った際および前記中間像の位置の変更を行った際に前記検出部により検出された前記兼用レンズの位置を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記兼用レンズの位置を読み出す指示を受け付ける受付部とを備え、前記受付部により前記指示を受け付けると、前記制御部は、前記記憶部から前記兼用レンズの位置を読み出し、読み出した位置に前記兼用レンズを移動させても良い
また、前記対物レンズの近傍に目当て部材を備えても良い
、前記接眼レンズの全部または一部は、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能であっても良い。
また、上述した双眼鏡において、2つの前記接眼レンズの間隔は調整可能であっても良い。
本発明によれば、表示機能を備えた小型の観察装置および双眼鏡を提供することができる。
本発明の観察装置の原理を説明する原理図である。 第1実施形態の観察装置10の構成を示す図である。 ポロタイプのプリズムを示す図である。 第2実施形態の観察装置20の構成を示す図である。 第3実施形態の観察装置30の構成を示す図である。 第4実施形態の観察装置40の構成を示す図である。 第5実施形態の双眼鏡101の上面外観図である。 第5実施形態の双眼鏡101の内部構成図である。 第5実施形態の双眼鏡101の内部断面図である。 第5実施形態の双眼鏡101の制御ブロック図である。 目当て部材190について説明する図である。 鼻逃げ凹み部材191について説明する図である。 第5実施形態の双眼鏡101の別の内部断面図である。 第6実施形態の双眼鏡150の内部構成図である。 第7実施形態の双眼鏡160の内部構成図である。 第8実施形態の双眼鏡201の内部構成図である。 第8実施形態の双眼鏡201の内部断面図である。 第9実施形態の双眼鏡250の内部構成図である。 第10実施形態の双眼鏡260の内部構成図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。はじめに、目的に応じて接眼レンズ側か対物レンズ側の何れかから観察を行う実施形態について説明し、次に、常に接眼レンズ側から観察を行う実施形態について説明する。なお、第1実施形態から第7実施形態は、目的に応じて接眼レンズ側か対物レンズ側の何れかから観察を行う実施形態であり、第8実施形態以降は、常に接眼レンズ側から観察を行う実施形態である。
まず、図1に示す原理図を用いて、本発明の観察装置の原理について説明する。本発明の観察装置1は、図1に示すように、接眼レンズ2と、対物レンズ3と、接眼レンズ2と対物レンズ3とを結ぶ光路から分岐された光路上に設けられた表示部4と、接眼レンズ2と対物レンズ3とを結ぶ光路上で、かつ、対物レンズ3と物体の中間像Iが形成される位置との間に設けられた光路切換部5とを備える。なお、表示部4は、物体の中間像Iが形成される位置と略共役な位置に配置される。
光路切換部5は、対物レンズ3と接眼レンズ2との間に光束を導くか、表示部4と対物レンズ3との間に光束を導くかを切り換える光学部材(例えば、全反射ミラー)であり、不図示の駆動部により駆動される。
光路切換部5により、接眼レンズ2と対物レンズ3との間に光束が導かれる場合、観察者は、対物レンズ3によって形成された物体の中間像Iを、接眼レンズ2を介して観察することができる。一方、光路切換部5により、表示部4と対物レンズ3との間に光束が導かれる場合、観察者は、表示部4に表示された画像を、対物レンズ3を介して観察することができる。
なお、光路切換部5を光路分割部に置き換えた構成にしても良い。すなわち、対物レンズ3と接眼レンズ2との間に光束を導くとともに、表示部4と対物レンズ3との間に光束を導く光学部材(例えば、ハーフミラー)から成る光路分割部を光路切換部5の代わりに備える。
観察者は、接眼レンズ2側から観察を行う場合には、対物レンズと接眼レンズとの間に導かれた光束を利用して物体の中間像Iを観察し、対物レンズ3側から観察を行う場合には、表示部4と対物レンズ3との間に導かれた光束を利用して表示部4を観察することができる。
以上説明した原理に基づく実施形態を、図面を用いて説明する。
《第1実施形態》
第1実施形態の観察装置10は、図2に示すように、接眼レンズ12と、対物レンズ13と、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路から分岐された光路上に設けられた表示部14と、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路上で、かつ、対物レンズ13と物体の中間像Iが形成される位置との間に設けられた光路切換部15と、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路上に設けられた正立光学系16と、ミラー17とを備える。
対物レンズ13は、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である。表示部14は、小型液晶などの表示器である。光路切換部15は、全反射ミラーであり、不図示の駆動部により、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路上に出し入れ可能な構成である。正立光学系16は、例えば、図3に示すようなポロタイプのプリズム16A,16Bを含み、対物レンズ13によって形成された像を適切に反転して接眼レンズ12に導く。前述した光路切換部15は、このプリズム16A,16Bと対物レンズ13との間に設けられる。ミラー17は、表示部14からの光束を光路切換部15に導き、ミラー17を介した表示部14の位置は、物体の中間像Iが形成される位置と略共役な位置である。
以上説明した構成の観察装置10において、観察者は、不図示の操作部を介して、光路切換部15に指示を出す。
対物レンズ13によって形成された物体の中間像Iを、接眼レンズ12を介して観察する観察装置として観察装置10を使用したい場合、観察者は、光路切換部15により、接眼レンズ12と対物レンズ13との間に光束を導く。このとき、対物レンズ13を、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路に沿った方向に移動することにより、観察対象の物体に対する焦点調節を行う。
一方、表示部14に表示された画像を、対物レンズ13を介して観察する表示装置として観察装置10を使用したい場合、観察者は、光路切換部15により、表示部14と対物レンズ13との間に光束を導く。このとき、対物レンズ13を、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路に沿った方向に移動することにより、表示部14に対する焦点調節を行う。
以上説明したように、第1実施形態によれば、接眼レンズと、対物レンズと、表示部とを備え、対物レンズによって形成された物体の中間像を、接眼レンズによって観察する観察装置において、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くか、表示部と対物レンズとの間に光束を導くかを切り換える。そのため、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導く場合には、観察装置として使用し、表示部と対物レンズとの間に光束を導く場合には、対物レンズを介して表示部を観察することにより表示装置として使用することができる。特に、第1実施形態によれば、観察装置が備える構造を応用して、表示機能を備えることができるので、表示機能を備えた小型の観察装置を実現可能である。
また、第1実施形態によれば、接眼レンズと対物レンズとを結ぶ光路上に正立光学系をさらに備える。そのため、観察装置として使用する際に、対物レンズによって形成された像を適切に反転して接眼レンズに導くことができる。
また、第1実施形態によれば、前述した正立光学系にプリズムを含む。そのため、さらなる小型化が実現できる。
また、第1実施形態によれば、光路切換部は、プリズムと対物レンズとの間に設けられる。そのため、空間を有効に利用して小型化を実現できる。
また、第1実施形態によれば、対物レンズは、接眼レンズと対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である。そのため、対物レンズを移動することにより、観察装置として使用する場合の観察対象の物体に対する焦点調節と、表示装置として使用する場合の表示部に対する焦点調節とを行うことができる。
なお、第1実施形態では、正立光学系16が含むプリズムとして、図3に示すようなポロタイプのプリズム16A,16Bを例に挙げて説明を行ったが、他のプリズム(例えば、ダハタイプのプリズムなど)を使用するようにしても良い。また、プリズムを用いずに、レンズなどを使用して正立光学系16を構成するようにしても良い。
また、表示部14が表示する画像は、どのようなものであっても良い。例えば、観察装置10にチューナーを内蔵してテレビ表示を行うようにしても良いし、観察装置10に無線機能を備えて画像情報を取得するようにしても良いし、メモリカードなどの記憶媒体を観察装置10に着脱可能にしても良い。
また、表示部14は、小型液晶である場合を例に挙げて説明を行ったが、プラズマ表示器などどのような構成であっても良い。
《第2実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。また、第1実施形態の観察装置と同様の部材には第1実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。
第2実施形態の観察装置20は、図4に示すように、第1実施形態の観察装置10の光路切換部15に換えて光路分割部21を備えるとともに、表示部14と光路分割部21との間に表示レンズ22を備える。光路分割部21は、ハーフミラーである
以上説明した構成の観察装置20において、観察者は、接眼レンズ12側から観察を行う場合には、対物レンズ13と接眼レンズ12との間に導かれた光束を利用して物体の中間像Iを観察し、対物レンズ13側から観察を行う場合には、表示部14と対物レンズ13との間に導かれた光束を利用して表示部14を観察することができる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、接眼レンズと、対物レンズと、表示部とを備え、対物レンズによって形成された物体の中間像を、接眼レンズによって観察する観察装置において、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くとともに、表示部と対物レンズとの間に光束を導く。そのため、対物レンズと接眼レンズとの間に導かれた光束を利用して観察装置を実現し、表示部と対物レンズとの間に導かれた光束を利用して、対物レンズを介して表示部を観察することにより表示装置を実現することができる。特に、第2実施形態によれば、観察装置が備える構造を応用して、表示機能を備えることができるので、表示機能を備えた小型の観察装置を実現可能である。
また、第2実施形態によれば、光路分割部と表示部との間に表示レンズをさらに備えることにより、対物レンズを介して表示部を観察する際の視野を大きく取ることができる。
また、第2実施形態によれば、光路分割部21としてハーフミラーを用いることにより、可動部分の無い、簡略化した構成とすることができる。
《第3実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。また、第1実施形態の観察装置と同様の部材には第1実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。
第3実施形態の観察装置30は、図5に示すように、第1実施形態の観察装置10の対物レンズ13に換えて対物レンズ31を備える。対物レンズ31は、凸レンズ32と内焦レンズ33とで構成される。そして、対物レンズ31のうち、内焦レンズ33のみが、接眼レンズ12と対物レンズ31とを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である
以上説明した構成の観察装置30において、観察者は、第1実施形態と同様に、不図示の操作部を介して、光路切換部15に指示を出す。
そして、観察者は、第1実施形態と同様に、光路切換部15により光路を切り換えて、それぞれの観察を行う。なお、表示部14に対する焦点調節を行う場合、および観察対象の物体に対する焦点調節を行う場合には、第1実施形態とは異なり、対物レンズ31の内焦レンズ33のみを、接眼レンズ12と対物レンズ13とを結ぶ光路に沿った方向に移動する。そのため、焦点調節のためにレンズを移動させるのに必要な移動範囲を狭くすることができる。
以上説明したように、第3実施形態によれば、対物レンズは複数枚のレンズにより構成され、一部のレンズは、接眼レンズと対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である。そのため、第1実施形態の観察装置10と同様の効果に加えて、さらなる小型化が期待できる。
《第4実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。また、第1実施形態の観察装置と同様の部材には第1実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。
第4実施形態の観察装置40は、図6に示すように、第1実施形態の観察装置10と同様の接眼レンズ12、対物レンズ13、光路切換部15、正立光学系16を左右それぞれに備えるとともに、左右共有の表示部41、ハーフミラー42、ミラー43を備える。
表示部41は、第1実施形態の観察装置10の表示部14と同様の構成である。ハーフミラー42は、表示部41に表示された画像を2分割し、左右それぞれの光路切換部15を介して、左右それぞれの対物レンズ13に導く。なお、観察装置40は、左右それぞれの対物レンズ13から表示部41までの光路長を等しくするための光学素子(例えば、ダミーガラスなど)を備える。
以上説明した構成の観察装置40において、観察者は、第1実施形態と同様に、不図示の操作部を介して、光路切換部15に指示を出す。
そして、観察者は、第1実施形態と同様に、左右それぞれの光路切換部15により光路を切り換えて、それぞれの観察を行う。なお、表示装置として使用する場合、観察者は、左右両眼で、一つの表示部41を同時に観察することになる。
なお、第1実施形態から第3実施形態で説明した観察装置と同様の構成を左右それぞれに備えるようにしても良い。
以上説明したように、第4実施形態によれば、第1実施形態から第3実施形態で説明した構成を左右それぞれに備える。そのため、双眼鏡など、左右両眼で同時に観察を行う観察装置にも本発明を適用することができる。
また、第4実施形態によれば、表示部に表示された画像を左右それぞれの対物レンズに分割して導く分割光学系をさらに備える。そのため、左右両眼で同時に観察を行う観察装置に本発明を適用する際に、表示部を共有することができるので小型化が実現可能である。また、表示部を左右それぞれに備える場合に発生する2つの表示部の間の位置ずれや、2つの表示部における画像の品質などの相違を回避することが可能である。
なお、第1実施形態から第4実施形態の観察装置の構成および機能を組み合わせて実施するようにしても良い。
以下、本発明の観察装置に眼疲労回復機能を備えた実施形態について図面を用いて説明する。観察装置を使用する際、観察者は、観察対象を長時間に渡って凝視することがある。このような場合、観察者の眼の毛様体筋が動かず、眼の疲労や視力の低下などの問題が懸念される。そこで、以下に説明する眼疲労回復機能を備えることにより、手軽に眼疲労を回復することができる。
以下の各実施形態では、本発明の観察装置の一例として、双眼鏡を用いて説明を行う。以下の各実施形態において、双眼鏡は、遠方の物体を観察するためのモードと、眼疲労回復のためのモードとを備える。そして、観察者は、遠方の物体を観察するためのモードにおいては、後述する接眼レンズ側から観察を行い、眼疲労回復のためのモードにおいては、後述する対物レンズ側から観察を行う(詳細は後述する)。
《第5実施形態》
第5実施形態の双眼鏡101は、遠方の物体を観察するための「双眼鏡モード」と、眼疲労回復のための「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」を有する。第1眼疲労回復モードは、双眼鏡による観察像を使用して眼疲労回復動作を行うモードであり、第2眼疲労回復モードは、眼疲労回復用の画像を使用して眼疲労回復動作を行うモードである。
双眼鏡101は、図7の上面外観図に示すように、電源ボタン102、双眼鏡のピント合わせに用いるフォーカスノブ103、前述したモードの設定を行うモードボタン104、各モードにおける動作を開始するスタートボタン105、各種情報を表示するための情報表示部106を備える。情報表示部106は、モードボタン104により設定されるモードの種類などを表示する。
また、双眼鏡101は、図8の内部構成図に示すように、左接眼レンズ107、右接眼レンズ108、左対物レンズ109、右対物レンズ110、ピント合わせに関わる左フォーカスレンズ111および右フォーカスレンズ112、前述したフォーカスノブ103と連動して左フォーカスレンズ111および右フォーカスレンズ112を移動するフォーカスレンズ移動部113、フォーカスレンズの移動量を検出する検出部114、倒立像を正立像にする左正立プリズム115および右正立プリズム116を備える。
観察者がピント合わせを行うためにフォーカスノブ103を操作すると、フォーカスレンズ移動部113はこれに連動して移動し、左フォーカスレンズ111および右フォーカスレンズ112を移動する。
さらに、双眼鏡101は、図8の内部構成図および図8のAA断面図である図9Aに示すように、左右全く同一の構成である。また、双眼鏡101は、眼疲労回復用の画像を表示する左表示部117および右表示部118、左表示部用結像レンズ119、右表示部用結像レンズ120(不図示)を備えるとともに、左反射ミラー121および右反射ミラー122を備える。左表示部117および右表示部118は、小型液晶ディスプレイなどの表示器であり、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108と左対物レンズ109および右対物レンズ110とを結ぶ光路から分岐された光路上に設けられる。
また、左反射ミラー121および右反射ミラー122は、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108と左対物レンズ109および右対物レンズ110とを結ぶ光路上で、かつ、左表示部117および右表示部118と左対物レンズ109および右対物レンズ110とを結ぶ光路上に設けられ、光路に導く光束を左右同時に切り換える光学素子である。左反射ミラー121および右反射ミラー122は、不図示のミラー駆動部により、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108と左対物レンズ109および右対物レンズ110とを結ぶ光軸上に同時に出し入れ可能である。
図8に示すように、左反射ミラー121および右反射ミラー122は同様の構成であるため、図9Aから図9Cを用いて、左反射ミラー121について説明する。
左反射ミラー121は、不図示のミラー駆動部により、図9Aに示すように、軸aを中心に回転され、左接眼レンズ107と左対物レンズ109とを結ぶ光軸上に出し入れ可能である。図9Bに示すように、左反射ミラー121を左接眼レンズ107と左対物レンズ109とを結ぶ光軸上から退避させると、左対物レンズ109が左接眼レンズ107の光軸上に配置され、左対物レンズ109と左接眼レンズ107との間に光束が導かれることになる。このような配置は、双眼鏡モードおよび第1眼疲労回復モードの実行時に行われる。
一方、図9Cに示すように、左反射ミラー121を左接眼レンズ107と左対物レンズ109とを結ぶ光軸上に挿入させると、左表示部117が左対物レンズ109の光軸上に配置され、左表示部117と左対物レンズ109との間に光束が導かれることになる。このような配置は、第2眼疲労回復モードの実行時に行われる。
なお、右反射ミラー122も、上述した左反射ミラー121同様の構成である。
すなわち、左反射ミラー121および右反射ミラー122を移動することにより、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左接眼レンズ107および右接眼レンズ108との間に光束を導くか、左表示部117および右表示部118と左対物レンズ109および右対物レンズ110との間に光束を導くかを切り換える。したがって、左反射ミラー121および右反射ミラー122を移動するだけで、各モードを簡単に切り換えることができる。
さらに、双眼鏡101は、図8に示すように、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左反射ミラー121および右反射ミラー122とを結ぶ光路上に設けられ、「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」において、観察者により観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する位置変更部140を備える。位置変更部140は、左シフトレンズ123、右シフトレンズ124、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124をそれぞれ保持する左保持部125および右保持部126を備える。また、左保持部125および右保持部126にそれぞれ接続される左カムピン127および右カムピン128、左カムピン127および右カムピン128にそれぞれ対応する左カム溝129および右カム溝130を備える。
また、位置変更部140は、図8および図9に示すように、左保持部125および右保持部126を保持するシフトレンズ保持部131、シフトレンズ保持部131に接続され、シフトレンズ保持部131を駆動するシフトレンズ駆動部132、シフトレンズ保持部131の位置を検出するためのホール素子133A〜133Cおよびマグネット134を備える。
シフトレンズ駆動部132は、保持部31を図8の矢印aの方向に駆動する。保持部31が図8の矢印aの方向に駆動されると、左保持部125および右保持部126に接続された左カムピン127および右カムピン128が左カム溝129および右カム溝130に沿って図8矢印bおよびcの方向に移動する。したがって、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124が、図8矢印bおよびcの方向に移動される。
なお、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の位置は、ホール素子133A〜133Cおよびマグネット134の位置関係に応じて検出される。図8において、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124が実線で示されている位置を、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の「初期位置」と称し、その上下に破線で示されている位置を、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の「リミット位置」と称する。
このように、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を移動することにより、「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」において、左対物レンズ109および右対物レンズ110側から観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに移動することができる。
さらに、双眼鏡101は、図8に示すように、ホール素子133A〜133Cの近傍に、制御部135を備える。図10は、双眼鏡101の制御ブロック図である。制御部135は、図10に示すように、電源ボタン102、モードボタン104、スタートボタン105などの操作部材の状態を検知するとともに、検出部114やホール素子133A〜133Cの状態も検知する。また、制御部135は、左表示部117および右表示部118、左反射ミラー121および右反射ミラー122の不図示のミラー駆動部、シフトレンズ駆動部132を制御する。
また、双眼鏡101は、図11に示すように、左対物レンズ109および右対物レンズ110の近傍に、目当て部材190を備える。双眼鏡101は、第2眼疲労回復モードの実行時に、観察者が、左対物レンズ109および右対物レンズ110側から観察を行う際の使用感を高める目的で目当て部材190を備える。目当て部材190は、双眼鏡101から着脱可能であり、鼻に当たる部分に、鼻逃げ凹み部材191を備える。図12Aに、図11のBの方向から見た図を示す。目当て部材190のうち、左対物レンズ109および右対物レンズ110に対応する部分は、フレア防止形状として、階段状に構成される。このようなフレア防止形状により、余分な外光を防具ことができ、双眼鏡101により通常の観察を行う際に、フードとして使用することができる。
鼻逃げ凹み部材191は、形状記憶可能である素材で構成され、観察者の鼻近傍の形状に沿う形に形成される。
このように、左対物レンズ109および右対物レンズ110の近傍に、目当て部材190を備えることにより、安定した使用感を観察者に与えることができるので、疲れにくいなどの効果が期待できる。また、フレア防止形状により、余分な外光を防ぐことができる。
なお、目当て部材190は、本体と一体化した形状(着脱不可)であっても良いし、折りたたみ機構などによって、出し入れ可能であっても良い。
また、目当て部材190の素材は、ゴム、樹脂、プラスチックなど、どのようなものであっても良い。また、部位によってこれらの素材を組み合わせるようにしても良い。また、鼻逃げ凹み部材191と同様に形状記憶可能である素材であっても良い。
また、目当て部材190は、眼鏡を掛けた観察者も使用可能にするために、眼鏡全体を覆うような形状であっても良い。また、左対物レンズ109および右対物レンズ110に対応する部分は、真円である例を示したが、横長の楕円や、左右一体型などどのような形状であっても良い。
また、鼻逃げ凹み部材191は、図12Bに示すように、目当て部材190から着脱可能に構成しても良い。例えば、予め子供用、大人用等に合わせた寸法の部材を用意しておき、交換するようにしても良い。
以上説明した構成の双眼鏡101において、電源ボタン102がONされると制御部135はこれを検知し、モードボタン104によりモードが設定され、スタートボタン105が押圧されるまで待機する。なお、ここで設定されるモードとは、前述した「双眼鏡モード」、「第1眼疲労回復モード」、「第2眼疲労回復モード」の何れかである。
スタートボタン105が押圧されると、制御部5は、設定されたモードに応じて各部を以下のように制御する。
(1)双眼鏡モード
双眼鏡モードが設定されると、制御部135は、まず、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を、「初期位置」に移動する。そして、左反射ミラー121および右反射ミラー122を図9Bで説明したように、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上から退避させて、左対物レンズ109および右対物レンズ110を左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上に配置する。このように配置することにより、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左接眼レンズ107および右接眼レンズ108との間に光束が導かれ、観察者は、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108側から、遠方の物体を観察することができる。
(2)第1眼疲労回復モード
第1眼疲労回復モードが設定されると、制御部135は、まず、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を、「初期位置」に移動する。そして、左反射ミラー121および右反射ミラー122を図9Bで説明したように、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上から退避させて、左対物レンズ109および右対物レンズ110を左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上に配置する。このように配置することにより、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左接眼レンズ107および右接眼レンズ108との間に光束が導かれる。
そして、制御部135は、シフトレンズ駆動部132を介して、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を、「初期位置」を挟んだ両方の「リミット位置」まで往復移動させる。このように左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を移動することにより、観察者により、左対物レンズ109および右対物レンズ110側から観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する。そのため、観察者の眼の毛様体筋の運動を促すことができる。
特に、第1眼疲労回復モードでは、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左接眼レンズ107および右接眼レンズ108との間に光束が導かれるので、双眼鏡101による観察像を使用した眼疲労回復動作を行うことができる。したがって、観察者は、双眼鏡101の左対物レンズ109および右対物レンズ110側から、好みの外観を観察し、その観察像を使用して眼疲労を回復することができる。
(3)第2眼疲労回復モード
第2疲労回復モードが設定されると、制御部135は、まず、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を、「初期位置」に移動する。そして、左反射ミラー121および右反射ミラー122を図9Cで説明したように、左接眼レンズ107および右接眼レンズ108の光軸上に挿入させて、左表示部117および右表示部118を左対物レンズ109および右対物レンズ110の光軸上に配置する。このように配置することにより、左表示部117および右表示部118と左対物レンズ109および右対物レンズ110との間に光束が導かれる。
そして、制御部135は、左表示部117および右表示部118に眼疲労回復用の画像を表示する。眼疲労回復用の画像とは、観察者が認知しやすく、しかも視線の定まりやすい位置(中心付近)に、視標(観察者の視線を集める対象)となる絵柄(例えば、飛行機、自動車など、前後移動可能なものの絵図)を含む画像である。なお、このような画像は、予め制御部135内の不図示のメモリに記録されている。
そして、制御部135は、シフトレンズ駆動部132を介して、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を、「初期位置」を挟んだ両方の「リミット位置」まで往復移動させる。このように左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を移動することにより、観察者により、左対物レンズ109および右対物レンズ110側から観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する。そのため、観察者の眼の毛様体筋の運動を促すことができる。
特に、第2眼疲労回復モードでは、左表示部117および右表示部118と左対物レンズ109および右対物レンズ110との間に光束が導かれるので、眼疲労回復用の画像を使用した眼疲労回復動作を行うことができる。したがって、眼疲労回復に特化した画像を使用し、双眼鏡101の左対物レンズ109および右対物レンズ110側から眼疲労回復動作を行うことにより、眼疲労回復の効果が上がることが期待できる。
以上説明したように、第5実施形態によれば、接眼レンズおよび対物レンズと、表示部とを備え、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くか、表示部と対物レンズとの間に光束を導くかを切り換えるとともに、観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する。そのため、観察装置(双眼鏡)を使用する際に、手軽に眼疲労を回復することができる。特に、第5実施形態によれば、観察装置(双眼鏡)が一般的に備える構造を応用して、眼疲労回復動作を行うので、一般的な観察装置(双眼鏡)の大きさと略同等であり、手軽に眼疲労を回復することができる。
また、第5実施形態によれば、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導く第1のモードと、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導きつつ中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する第2のモードと、表示部と対物レンズとの間に光束を導きつつ中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する第3のモードとの何れかを、観察者の操作に応じて設定し、実行する。そのため、第1のモードにより遠方の物体を観察する通常の観察装置(双眼鏡)として使用し、第2のモードおよび第3のモードにより眼疲労回復用の装置として使用することができる。特に第2のモードでは、双眼鏡101による観察像を使用した眼疲労回復動作を行うことができる。したがって、観察者は双眼鏡101の左対物レンズ109および右対物レンズ110側から、好みの外観を観察し、その観察像を使用して眼疲労を回復することができる。また、第3のモードでは、眼疲労回復に特化した画像を使用して眼疲労回復動作を行うことにより、眼疲労回復の効果が上がることが期待できる。
なお、第5実施形態では、観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する例を示したが、光軸方向のみに変更しても良いし、輻輳方向のみに変更しても良い。
また、第5実施形態では、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を移動することにより、観察者により観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する例を示したが、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の移動により、光軸方向の変更のみを行い、左表示部117および右表示部118を移動することにより輻輳方向の変更を行うようにしても良い。このとき、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の移動と、左表示部117および右表示部118の輻輳方向への移動は同期させるようにするのが好ましい。このように、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124の移動により光軸方向の変更を行い、左表示部117および右表示部118の移動により輻輳方向の変更を行うことにより、位置変更部140の構成を簡単にすることができる。
また、左シフトレンズ123および右シフトレンズ124を移動することにより、観察者により観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更し、さらに、左表示部117および右表示部118を移動することにより輻輳方向の変更量を増大させるようにしても良い。
また、第5実施形態では、左表示部117および右表示部118は、小型液晶ディスプレイなどの表示器である例を示したが、スライドフィルムを入れたホルダ141およびバックライト142に置き換えても良い。例えば、図13に示すように、ホルダ141を双眼鏡101に対して着脱可能にしても良い。このような構成にすることにより、電源を節約することができ、また、観察者は好みのスライドフィルムを使用して眼疲労回復動作を行うことができる。
さらに、第5実施形態では、左反射ミラー121および右反射ミラー122を用いて、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左接眼レンズ107および右接眼レンズ108との間に光束を導くか、左表示部117および右表示部118と左対物レンズ109および右対物レンズ110との間に光束を導くかを切り換える例を示したが、以下のような構成にしても良い。
例えば、左反射ミラー121および右反射ミラー122の位置にハーフミラーを備えるとともに、左右の接眼レンズの外側または内側にシャッタを備える。そして、左対物レンズ109および右対物レンズ110と左接眼レンズ107および右接眼レンズ108との間に光束を導く場合には、シャッタを開放するとともに、左表示部117および右表示部118の表示を中止する。一方、左表示部117および右表示部118と左対物レンズ109および右対物レンズ110との間に光束を導く場合には、シャッタを閉鎖するとともに、左表示部117および右表示部118の表示を開始する。
また、別の構成として、例えば、左反射ミラー121および右反射ミラー122の位置に、EL(Electric Luminance)や透過型液晶などの透過タイプの表示器を備え、シャッタと組み合わせるようにしても良い
また、第5実施形態では、双眼鏡101を用いて説明を行ったが、接眼レンズおよび対物レンズを一つずつ備える望遠鏡に適用しても良い。望遠鏡では、観察者は片方の眼で観察を行うので、観察者により観察される中間像の位置を、輻輳方向へは変更せず、光軸方向のみに変更するようにすれば良い。
《第6実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態では、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第5実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第6実施形態の双眼鏡150は、第5実施形態と同様の「第1眼疲労回復モード」と「第2眼疲労回復モード」とにおいて、観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向のみに変更する。また、双眼鏡150は、左右の接眼レンズの間隔(眼幅)を調整可能である。
図14は、双眼鏡150を左側方から見た内部構成図である。なお、第5実施形態の双眼鏡101と同様の部材には第5実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。図14に示すように、双眼鏡150は、第5実施形態における左対物レンズ109、左フォーカスレンズ111および左シフトレンズ123を兼用した、左兼用レンズ151を備える。左兼用レンズ151は、図14中の矢印dの方向に移動可能であり、この左兼用レンズ151の位置を移動することにより、双眼鏡150のピント合わせ(焦点調節)と、「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」においてレンズ51側から観察者により観察される象の位置の変更とを行うことができる。なお、中間像の位置の変更を行う際には、焦点調節を行う際よりも広い範囲で、左兼用レンズ151を移動する。それぞれの移動範囲は重複しても良いし、分離しても良い。
さらに、双眼鏡150は、図14中の軸eを中心として、矢印fに示す方向に回転可能なミラー152と左表示部117とを備え、このミラー152を駆動することにより、左兼用レンズ151と左接眼レンズ107との間に光束を導くか、左表示部117と左兼用レンズ151との間に光束を導くかを切り換えることができる。
なお、以上説明した構成は、双眼鏡150の右側についても同様である。そして、双眼鏡150は、第5実施形態の双眼鏡101と同様に、設定されたモードに応じて各動作を行う。
以上説明したように、第6実施形態によれば、接眼レンズと対物レンズとを結ぶ光路上に、その光路に沿った方向に移動可能なレンズを備え、そのレンズの位置を移動させることにより、観察装置(双眼鏡)の焦点調節と、対物レンズ側から観察者により観察される中間像の位置の観察者の眼の光軸方向への変更とを行う。したがって、対物レンズと、対物レンズ側から観察者により観察される中間像の位置を変更するシフトレンズと、双眼鏡150の焦点調節を行うフォーカスレンズとを兼用させたので、第5実施形態の双眼鏡101と同様の効果に加えて、構成の簡略化を実現することができる。
また、第6実施形態の双眼鏡150は、図14に示したように、双眼鏡150の観察状態において、接眼レンズと表示部とを上下方向に配置することにより、スペースを有効利用することができる。また、このような構成にすることにより、観察装置(双眼鏡)の左右方向の大きさを、一般的な観察装置(双眼鏡)と同じにすることができるので、使い勝手を劣化させることもない。
なお、第6実施形態では、左兼用レンズ151に、左対物レンズ109、左フォーカスレンズ111および左シフトレンズ123の機能を兼用させる例を示したが、左対物レンズ109を別に備えるようにしても良い。
また、第6実施形態では、双眼鏡150を用いて説明を行ったが、接眼レンズおよび対物レンズを一つずつ備える望遠鏡に適用しても良い。
《第7実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第7実施形態について説明する。
第7実施形態の双眼鏡160は、「双眼鏡モード」と、眼疲労回復のための「眼疲労回復モード」とを有する。眼疲労回復モードは、眼疲労回復用の画像を使用して眼疲労回復動作を行うモードである。
双眼鏡160は、図15の内部構成図に示すように、左接眼レンズ167、右接眼レンズ168、左対物レンズ169、右対物レンズ170、ピント合わせに関わる左フォーカスレンズ171および右フォーカスレンズ172、左フォーカスレンズ171および右フォーカスレンズ172を移動するフォーカスレンズ移動部173、フォーカスレンズの移動量を検出する検出部174、倒立像を正立像にする左正立プリズム175および右正立プリズム176を備える。
さらに、双眼鏡160は、第5実施形態の双眼鏡101と同様に、眼疲労回復用の画像を表示する左表示部177および右表示部178、不図示の左表示部用結像レンズおよび右表示部用結像レンズを備えるとともに、左反射ミラー179および右反射ミラー180を備える。左表示部177および右表示部178は、小型液晶ディスプレイなどの表示器であり、左接眼レンズ167および右接眼レンズ168と左対物レンズ169および右対物レンズ170とを結ぶ光路から分岐された光路上に設けられる。
また、左反射ミラー179および右反射ミラー180は、左接眼レンズ167および右接眼レンズ168と左対物レンズ169および右対物レンズ170とを結ぶ光路上で、かつ、左対物レンズ169および右対物レンズ170と左表示部177および右表示部178とを結ぶ光路上に設けられ、左対物レンズ169および右対物レンズ170と左接眼レンズ167および右接眼レンズ168との間に光束を導くか、左表示部177および右表示部178と左対物レンズ169および右対物レンズ170との間に光束を導くかを切り換える光学素子である。左反射ミラー179および右反射ミラー180の動作については、第5実施形態の双眼鏡101の左反射ミラー121および右反射ミラー122と同様であるため、図示および説明を省略する。
すなわち、左反射ミラー179および右反射ミラー180を移動することにより、左対物レンズ169および右対物レンズ170と左接眼レンズ167および右接眼レンズ168との間に光束を導くか、左表示部177および右表示部178と左対物レンズ169および右対物レンズ170との間に光束を導くかを切り換える。したがって、左反射ミラー179および右反射ミラー180を移動するだけで、各モードを簡単に切り換えることができる。
また、第7実施形態の双眼鏡160は、制御部181を備える。制御部181は、検出部174の状態も検知するとともに、左表示部177および右表示部178、左反射ミラー179および右反射ミラー180の不図示のミラー駆動部を制御する。
第7実施形態の双眼鏡160は、第5実施形態の双眼鏡101と異なり、観察者により観察される中間像の位置を変更させるための移動機構を持たない。その代わりに、第7実施形態では、左表示部177および右表示部178が表示する眼疲労回復用の画像に含まれる視標の位置を変更させる(詳細は後述する)。眼疲労回復用の画像とは、観察者が認知しやすく、しかも視線の定まりやすい位置(中心付近)に、視標となる絵柄(例えば、飛行機、自動車など、前後移動可能なものの絵図)を含む画像である。このような画像は、制御部181内の不図示のメモリに予め記録されている。
以上説明した構成の双眼鏡160において、不図示の電源ボタンがONされると制御部181はこれを検知し、不図示のモードボタンによりモードが設定され、不図示のスタートボタンが押圧されるまで待機する。なお、ここで設定されるモードとは、前述した「双眼鏡モード」、「眼疲労回復モード」の何れかである。
不図示のスタートボタンが押圧されると、制御部181は、設定されたモードに応じて各部を以下のように制御する。
(1)双眼鏡モード
双眼鏡モードが設定されると、制御部181は、第5実施形態と同様に、左反射ミラー179および右反射ミラー180を図9Bで説明したように、左接眼レンズ167および右接眼レンズ168の光軸上から退避させて、左対物レンズ169および右対物レンズ170を左接眼レンズ167および右接眼レンズ168の光軸上に配置する。このように配置することにより、左対物レンズ169および右対物レンズ170と左接眼レンズ167および右接眼レンズ168との間に光束が導かれ、観察者は、左接眼レンズ167および右接眼レンズ168側から、遠方の物体を観察することができる。
(2)眼疲労回復モード
眼疲労回復モードが設定されると、制御部181は、左反射ミラー179および右反射ミラー180を図9Cで説明したように、左接眼レンズ167および右接眼レンズ168の光軸上に挿入させて、左表示部177および右表示部178を左接眼レンズ167および右接眼レンズ168の光軸上に配置する。このように配置することにより、左表示部177および右表示部178と左対物レンズ169および右対物レンズ170との間に光束が導かれる。
そして、制御部181は、左表示部177および右表示部178に眼疲労回復用の画像を表示する。眼疲労回復用の画像とは、観察者が認知しやすく、しかも視線の定まりやすい位置(中心付近)に、視標(観察者の視線を集める対象)となる絵柄(例えば、飛行機、自動車など、前後移動可能なものの絵図)を含む画像である。なお、このような画像は、予め制御部181内の不図示のメモリに記録されている。
そして、制御部181は、眼疲労回復用の画像における視標の位置を、観察者の眼の輻輳方向に変更させる。このように視標の位置を変更させることにより、観察者の眼の毛様体筋の運動を促すことができる。
以上説明したように、第7実施形態によれば、接眼レンズおよび対物レンズと、形と明るさと色との少なくとも一つが特異な絵柄を含む画像を表示する表示部とを備え、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くか、表示部と対物レンズとの間に光束を導くかを切り換えるとともに、表示部が表示する画像における絵柄の位置と特徴との少なくとも一方を変更させる。そのため、観察装置(双眼鏡)を使用する際に、手軽に眼疲労を回復することができる。特に、第7実施形態によれば、観察装置(双眼鏡)が一般的に備える構造を応用して、眼疲労回復動作を行うので、一般的な観察装置(双眼鏡)の大きさと略同様の大きさであり、手軽に眼疲労を回復することができる。
なお、第7実施形態では、左表示部177および右表示部178が表示する画像における視標の位置を変更させることにより、観察者の眼を輻輳方向に運動させて眼疲労回復を促す例を示したが、視標の大きさを変更させるようにしても良い。視標の大きさを変更させることにより、観察者により観察される中間像の位置を光軸方向に変更する場合(第5実施形態参照)と同様の効果を得ることができる。また、視標の位置と大きさとの両方を変更させるようにしても良いし、さらに視標の形や明るさなどを変更させるようにしても良い
また、第7実施形態では、双眼鏡160を用いて説明を行ったが、接眼レンズおよび対物レンズを一つずつ備える望遠鏡に適用しても良い。
なお、第5実施形態から第7実施形態において、眼疲労回復動作用の画像は、制御部に記録されている例を示したが、何種類かの画像を予め用意しておき、観察者に選択させるようにしても良い。
以下、図面を用いて常に接眼レンズ側から観察を行う実施形態について説明する。以降の各実施形態において、双眼鏡は、遠方の物体を観察するためのモードと、眼疲労回復のためのモードとを備える。そして、観察者は、遠方の物体を観察するためのモードおよび眼疲労回復のためのモードにおいて、後述する接眼レンズ側から観察を行う(詳細は後述する)。
《第8実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第8実施形態について説明する。
本実施形態の双眼鏡201は、遠方の物体を観察するための「双眼鏡モード」と、眼疲労回復のための「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」を有する。第1眼疲労回復モードは、双眼鏡による観察像を使用して眼疲労回復動作を行うモードであり、第2眼疲労回復モードは、眼疲労回復用の画像を使用して眼疲労回復動作を行うモードである。
第8実施形態の双眼鏡201の外観は、第5実施形態の双眼鏡101と同様であるため、図示および説明を省略する。
また、双眼鏡201は、図16の内部構成図に示すように、第5実施形態の双眼鏡101と同様の構成の左接眼レンズ207、右接眼レンズ208、左対物レンズ209、右対物レンズ210、左フォーカスレンズ211および右フォーカスレンズ212、フォーカスレンズ移動部213、検出部214、左正立プリズム215および右正立プリズム216を備える。
さらに、双眼鏡201は、図16の内部構成図および図16のAA断面図である図17Aに示すように、左右全く同一の構成である。また、双眼鏡201は、第5実施形態の双眼鏡101と同様の構成の左表示部217および右表示部218、左表示部用結像レンズ219、右表示部用結像レンズ220(不図示)を備える。また、双眼鏡201は、第5実施形態の双眼鏡101と反対の構成の左反射ミラー221および右反射ミラー222を備える。左表示部217および右表示部218は、小型液晶ディスプレイなどの表示器であり、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208と左対物レンズ209および右対物レンズ210とを結ぶ光路から分岐された光路上に設けられる。
また、左反射ミラー221および右反射ミラー222は、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208と左対物レンズ209および右対物レンズ210とを結ぶ光路上で、かつ、この光路と左表示部217および右表示部218と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208とを結ぶ光路とが交差する位置に設けられ、光路に導く光束を左右同時に切り換える光学素子である。左反射ミラー221および右反射ミラー222は、不図示のミラー駆動部により、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208と左対物レンズ209および右対物レンズ210とを結ぶ光路上に同時に出し入れ可能である。
図16に示すように、左反射ミラー221および右反射ミラー222は同様の構成であるため、図17Aから図17Cを用いて、左反射ミラー221について説明する。
左反射ミラー221は、不図示のミラー駆動部により、図17Aに示すように、軸aを中心に回転され、左接眼レンズ207と左対物レンズ209とを結ぶ光路上に出し入れ可能である。図17Bに示すように、左反射ミラー221を左接眼レンズ207と左対物レンズ209とを結ぶ光路上から退避させると、左接眼レンズ207を通る光の光路上に左対物レンズ209が配置され、左対物レンズ209と左接眼レンズ207との間に光束が導かれることになる。このような配置は、双眼鏡モードおよび第1眼疲労回復モードの実行時に行われる。
一方、図17Cに示すように、左反射ミラー221を左接眼レンズ207と左対物レンズ209とを結ぶ光路上に挿入させると、左表示部217が左接眼レンズ207の光軸上配置され、左表示部217と接眼レンズ207との間に光束が導かれることになる。このような配置は、第2眼疲労回復モードの実行時に行われる。
なお、右反射ミラー222も、上述した左反射ミラー221同様の構成である。
すなわち、左反射ミラー221および右反射ミラー222を移動することにより、左対物レンズ209および右対物レンズ210と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束を導くか、左表示部217および右表示部218と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束を導くかを切り換える。したがって、左反射ミラー221および右反射ミラー222を移動するだけで、各モードを簡単に切り換えることができる。
さらに、双眼鏡201は、図16に示すように、位置変更部240を備える。位置変更部240は、第5実施形態の双眼鏡101と同様の構成の左シフトレンズ223、右シフトレンズ224、左保持部225、右保持部226、左カムピン227、右カムピン228を備えるとともに、第5実施形態の双眼鏡101と反対の構成の左カム溝229および右カム溝230を備える。
また、位置変更部240は、図16および図17に示すように、第5実施形態の双眼鏡101と同様の構成のシフトレンズ保持部231、シフトレンズ駆動部232、ホール素子233A〜233C、マグネット234を備える。
シフトレンズ駆動部232は、シフトレンズ保持部231を図16の矢印aの方向に駆動する。シフトレンズ保持部231が図16の矢印aの方向に駆動されると、左保持部225および右保持部226に接続された左カムピン227および右カムピン228が左カム溝229および右カム溝230に沿って図16矢印bおよびcの方向に移動する。したがって、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224が、図16矢印bおよびcの方向に移動される。
なお、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の位置は、ホール素子233A〜233Cおよびマグネット234の位置関係に応じて検出される。図16において、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224が実線で示されている位置を、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の「初期位置」と称し、その上下に破線で示されている位置を、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の「リミット位置」と称する。
このように、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を移動することにより、「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」において、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに移動することができる。
さらに、双眼鏡201は、図16に示すように、ホール素子233A〜233Cの近傍に、制御部235を備える。制御部235による各種制御は、第5実施形態と同様であるため、制御ブロック図の図示および説明を省略する。
以上説明した構成の双眼鏡201において、不図示の電源ボタンがONされると、第5実施形態の双眼鏡101と同様に、制御部235はこれを検知し、モードが設定された後に、不図示のスタートボタンが押圧されると、設定されたモードに応じて各部を以下のように制御する。
(1)双眼鏡モード
双眼鏡モードが設定されると、制御部235は、まず、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」に移動する。そして、図17Bで説明したように、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上から、左反射ミラー221および右反射ミラー222を退避させて、左対物レンズ209および右対物レンズ210を左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上に配置する。このように配置することにより、左対物レンズ209および右対物レンズ210と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束が導かれ、観察者は、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から、遠方の物体を観察することができる。
(2)第1眼疲労回復モード
第1眼疲労回復モードが設定されると、制御部235は、まず、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」に移動する。そして、図17Bで説明したように、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上から、左反射ミラー221および右反射ミラー222を退避させて、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上に左対物レンズ209および右対物レンズ210を配置する。このように配置することにより、左対物レンズ209および右対物レンズ210と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束が導かれる。
そして、制御部235は、シフトレンズ駆動部232を介して、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」を挟んだ両方の「リミット位置」まで往復移動させる。このように左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を移動することにより、観察者により、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する。そのため、観察者の眼の毛様体筋の運動を促すことができる。
特に、第1眼疲労回復モードでは、左対物レンズ209および右対物レンズ210と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束が導かれるので、双眼鏡201による観察像を使用した眼疲労回復動作を行うことができる。したがって、観察者は、双眼鏡201の左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から、好みの観察物を観察し、その観察像を使用して眼疲労を回復することができる。
(3)第2眼疲労回復モード
第2疲労回復モードが設定されると、制御部235は、まず、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」に移動する。そして、図17Cで説明したように、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上に左反射ミラー221および右反射ミラー222を挿入させて、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208の光軸上に左表示部217および右表示部218を配置する。このように配置することにより、左表示部217および右表示部218と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束が導かれる。
そして、制御部235は、左表示部217および右表示部218に第5実施形態と同様の眼疲労回復用の画像を表示する。
そして、制御部235は、シフトレンズ駆動部232を介して、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を、「初期位置」を挟んだ両方の「リミット位置」まで往復移動させる。このように左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を移動することにより、観察者により、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する。そのため、観察者の眼の毛様体筋の運動を促すことができる。
特に、第2眼疲労回復モードでは、左表示部217および右表示部218と左接眼レンズ207および右接眼レンズ208との間に光束が導かれるので、眼疲労回復用の画像を使用した眼疲労回復動作を行うことができる。したがって、眼疲労回復に特化した画像を使用し、双眼鏡201の左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から眼疲労回復動作を行うことにより、眼疲労回復の効果が上がることが期待できる。
以上説明したように、第8実施形態によれば、接眼レンズおよび対物レンズと、表示部とを備え、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くか、表示部と接眼レンズとの間に光束を導くかを切り換えるとともに、観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する。そのため、観察装置(双眼鏡)を使用する際に、手軽に眼疲労を回復することができる。特に、第8実施形態によれば、観察装置(双眼鏡)が一般的に備える構造を応用して、眼疲労回復動作を行うので、一般的な観察装置(双眼鏡)の大きさと略同等であり、手軽に眼疲労を回復することができる。
また、第8実施形態によれば、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導く第1のモードと、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導きつつ中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する第2のモードと、表示部と接眼レンズとの間に光束を導きつつ中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する第3のモードとの何れかを、観察者の操作に応じて設定し、実行する。そのため、第1のモードにより遠方の物体を観察する通常の観察装置(双眼鏡)として使用し、第2のモードおよび第3のモードにより眼疲労回復用の装置として使用することができる。特に第2のモードでは、双眼鏡201による観察像を使用した眼疲労回復動作を行うことができる。したがって、観察者は双眼鏡201の左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から、好みの外観を観察し、その観察像を使用して眼疲労を回復することができる。また、第3のモードでは、眼疲労回復に特化した画像を使用して眼疲労回復動作を行うことにより、眼疲労回復の効果が上がることが期待できる。
なお、第8実施形態では、観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する例を示したが、光軸方向のみに変更しても良いし、輻輳方向のみに変更しても良い。
また、第8実施形態では、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を移動することにより、観察者により観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更する例を示したが、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の移動により、光軸方向の変更のみを行い、左表示部217および右表示部218を移動することにより輻輳方向の変更を行うようにしても良い。このとき、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の移動と、左表示部217および右表示部218の輻輳方向への移動は同期させるようにするのが好ましい。このように、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224の移動により光軸方向の変更を行い、左表示部217および右表示部218の移動により輻輳方向の変更を行うことにより、位置変更部240の構成を簡単にすることができる。
また、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224を移動することにより、観察者により観察される中間像の位置を観察者の眼の光軸方向と輻輳方向とに変更し、さらに、左表示部217および右表示部218を移動することにより輻輳方向の変更量を増大させるようにしても良い。
また、第8実施形態では、左表示部217および右表示部218は、小型液晶ディスプレイなどの表示器である例を示したが、第5実施形態で図13を用いて説明したのと同様に、スライドフィルムを入れたホルダおよびバックライトなどに置き換えても良い。このような構成にすることにより、電源を節約することができ、また、観察者は好みのスライドフィルムを使用して眼疲労回復動作を行うことができる。
さらに、第8実施形態では、左反射ミラー221および右反射ミラー222として全反射ミラーを用いる例を示したが、第5実施形態で説明したものと同様に、ハーフミラーおよびシャッタを備えるようにしても良いし、左表示部217および右表示部218にとしてEL(Electric Luminance)や透過型液晶などの透過タイプの表示器を備え、シャッタと組み合わせるようにしても良い
また、第8実施形態では、双眼鏡201を用いて説明を行ったが、接眼レンズおよび対物レンズを一つずつ備える望遠鏡に適用しても良い。望遠鏡では、観察者は片方の眼で観察を行うので、観察者により観察される中間像の位置を、輻輳方向へは変更せず、光軸方向のみに変更するようにすれば良い。
また、第8実施形態では、第1眼疲労回復モードおよび第2眼疲労回復モードの2つの眼疲労回復モードを備える例を示したが、どちらか一方の眼疲労回復モードのみ備えるようにしても良い。例えば、第1眼疲労回復モードのみを備える場合には、左表示部217および右表示部218、左反射ミラー221および右反射ミラー222は不用である。
《第9実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第9実施形態について説明する。第9実施形態では、第8実施形態と異なる部分についてのみ説明を行い、第8実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第9実施形態の双眼鏡250は、第8実施形態と同様の「第1眼疲労回復モード」と「第2眼疲労回復モード」とにおいて、観察者により観察される中間像の位置を、観察者の眼の光軸方向のみに変更する。
図18は、双眼鏡250の内部構成図である。なお、第8実施形態の双眼鏡201と同様の部材には第8実施形態と同じ符号を付けて説明を行う。図18に示すように、双眼鏡250は、第8実施形態の双眼鏡201の左フォーカスレンズ211、右フォーカスレンズ212、フォーカスレンズ移動部213、検出部214が省略され、さらに、左シフトレンズ223および右シフトレンズ224に代えて左兼用レンズ251および右兼用レンズ252を備える。また、双眼鏡250は、第8実施形態の双眼鏡201の左カム溝229および右カム溝230に代えて、左カム溝253および右カム溝254を備える。その他の構成は、第8実施形態の双眼鏡201と同様である。
左カム溝253および右カム溝254は、第8実施形態の双眼鏡201の左カム溝229および右カム溝230と異なり、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208と左対物レンズ209および右対物レンズ210とを結ぶ光路に沿っている(カム溝と光路とは平行)。したがって、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252は、この両兼用レンズの光軸方向(図18中の矢印aの方向)に移動することになる。
また、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252は、「双眼鏡モード」における焦点調節にも用いられる。すなわち、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252を移動することにより、双眼鏡250使用時のピント合わせ(焦点調節)と、「第1眼疲労回復モード」および「第2眼疲労回復モード」において、左接眼レンズ207および右接眼レンズ208側から観察者により観察される中間像の位置の変更とを行うことができる。なお、中間像の位置の変更を行う際には、焦点調節を行う際よりも広い範囲で、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252を移動する。それぞれの移動範囲は重複しても良いし、分離しても良い。
また、第8実施形態の双眼鏡201と同様の構成である左反射ミラー221および右反射ミラー222を駆動することにより、左対物レンズ209および右対物レンズ210と左兼用レンズ251および右兼用レンズ252との間に光束を導くか、または、左表示部217および右表示部218と左兼用レンズ251および右兼用レンズ252との間に光束を導くかを切り換えることができる。
以上説明した構成の双眼鏡250は、第8実施形態の双眼鏡201と同様に、設定されたモードに応じて各動作を行う
以上説明したように、第9実施形態によれば、接眼レンズと対物レンズとを結ぶ光路上に、その光路に沿った方向に移動可能なレンズを備え、そのレンズの位置を移動させることにより、観察装置(双眼鏡)の焦点調節と、接眼レンズ側から観察者により観察される中間像の位置の観察者の眼の光軸方向への変更とを行う。したがって、接眼レンズ側から観察者により観察される中間像の位置を変更するシフトレンズと、双眼鏡250の焦点調節を行うフォーカスレンズとを兼用させたので、第8実施形態の双眼鏡201と同様の効果に加えて、構成の簡略化を実現することができる。
なお、第9実施形態では、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252に、シフトレンズおよびフォーカスレンズの機能を兼用させる例を示したが、さらに、左接眼レンズ207および右接眼208を兼用するようにしても良い。
また、第9実施形態では、双眼鏡250を用いて説明を行ったが、接眼レンズおよび対物レンズを一つずつ備える望遠鏡に適用しても良い。
さらに、第9実施形態の双眼鏡250において、不図示のメモリボタンと、ホール素子233A〜233Cにより検出される左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置を記憶する不図示の記憶部とを備え、以下のような動作を行っても良い
双眼鏡モードにおいて、観察者が焦点調節を行う際に、観察者により不図示のメモリボタンが操作された場合、制御部235は、焦点調節が行われた際の左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置を、ホール素子233A〜233Cを介して検出し、不図示の記憶部に記憶する。
一方、第1眼疲労回復モードおよび第2眼疲労回復モードにおいて、観察者が疲労回復モード用の焦点調節を行う際に、観察者により不図示のメモリボタンが操作された場合、制御部235は、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置を、ホール素子233A〜233Cを介して検出し、不図示の記憶部に記憶する。
そして、2回目以降に観察者が双眼鏡250を使用する場合、モードやメニューが設定され、不図示のスタートボタンが押圧されると、制御部235は、まず、不図示の記憶部に各モードにおいて焦点調節が行われた際の左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置が記憶されているか否かを判定する。そして、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置が記憶されている場合、不図示の記憶部から記憶されている位置を読み出し、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252をその位置に移動する。すなわち、観察者は、双眼鏡モードおよび眼疲労回復モードにおいて一度焦点調節を行い、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置を双眼鏡250に記憶し、記憶した情報を用いれば、以降の使用の際には焦点調節を行う手間を省くことができる。
なお、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置を記憶する際には、日時や使用者の識別情報などを併せて記憶するのが好ましい。また、複数のデータが記憶されている場合には、モードボタンなどを介して、読み出すデータを選択可能にすれば良い。さらに、焦点調節が行われた際の左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置が記憶されているかの判定を自動で行うのではなく、観察者により指示があった場合にのみ行うようにしても良い。
眼疲労回復モードでは、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置を大きく移動するので、双眼鏡モードでの焦点位置が大きく変わってしまう。そのため、眼疲労回復モードから双眼鏡モードに切り換え、焦点調節を行おうとしたとき、左兼用レンズ251および右兼用レンズ252の位置を大きく移動しなければならず、操作が煩雑になることが考えられる。しかし、上述したように、双眼鏡使用時に焦点調節を行った際および眼疲労回復動作を行った際の兼用レンズの位置を記憶し、記憶された兼用レンズの位置の読み出し指示を受け付けると、記憶部から兼用レンズの位置を読み出し、読み出した位置に兼用レンズを移動させることにより、煩雑な操作を行う必要がなくなり、操作性が向上する。
《第10実施形態》
以下、図面を用いて本発明の第10実施形態について説明する。
第10実施形態の双眼鏡260は、「双眼鏡モード」と、眼疲労回復のための「眼疲労回復モード」とを有する。眼疲労回復モードは、眼疲労回復用の画像を使用して眼疲労回復動作を行うモードである。
双眼鏡260は、図19の内部構成図に示すように、左接眼レンズ267、右接眼レンズ268、左対物レンズ269、右対物レンズ270、ピント合わせに関わる左フォーカスレンズ271および右フォーカスレンズ272、左フォーカスレンズ271および右フォーカスレンズ272を移動するフォーカスレンズ移動部273、フォーカスレンズの移動量を検出する検出部274、倒立像を正立像にする左正立プリズム275および右正立プリズム276を備える。
さらに、双眼鏡260は、第8実施形態の双眼鏡201と同様の構成の左表示部277、右表示部278、不図示の左表示部用結像レンズおよび右表示部用結像レンズ、左反射ミラー279、右反射ミラー280を備える。左表示部277および右表示部278は、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268と左対物レンズ269および右対物レンズ270とを結ぶ光路から分岐された光路上に設けられる。
また、左反射ミラー279および右反射ミラー280は、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268と左対物レンズ269および右対物レンズ270とを結ぶ光路上で、かつ、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268と左表示部277および右表示部278とを結ぶ光路上に設けられ、左対物レンズ269および右対物レンズ270と左接眼レンズ267および右接眼レンズ268との間に光束を導くか、左表示部277および右表示部278と左接眼レンズ267および右接眼レンズ268との間に光束を導くかを切り換える光学素子である。左反射ミラー279および右反射ミラー280の動作については、第8実施形態の双眼鏡201の左反射ミラー221および右反射ミラー222と同様であるため、図示および説明を省略する。
すなわち、左反射ミラー279および右反射ミラー280を移動することにより、左対物レンズ269および右対物レンズ270と左接眼レンズ267および右接眼レンズ268との間に光束を導くか、左表示部277および右表示部278と左接眼レンズ267および右接眼レンズ268との間に光束を導くかを切り換える。したがって、左反射ミラー279および右反射ミラー280を移動するだけで、各モードを簡単に切り換えることができる。
また、第10実施形態の双眼鏡260は、制御部281を備える。制御部281は、検出部274の状態も検知するとともに、左表示部277および右表示部278、左反射ミラー279および右反射ミラー280の不図示のミラー駆動部を制御する。
第10実施形態の双眼鏡260は、第8実施形態の双眼鏡201と異なり、観察者により観察される中間像の位置を変更させるための移動機構を持たない。その代わりに、第10実施形態では、第7実施形態の双眼鏡160と同様に、左表示部277および右表示部278が表示する眼疲労回復用の画像に含まれる視標の位置を変更させる。
以上説明した構成の双眼鏡260において、不図示の電源ボタンがONされると制御部281はこれを検知し、不図示のモードボタンによりモードが設定され、不図示のスタートボタンが押圧されるまで待機する。なお、ここで設定されるモードとは、前述した「双眼鏡モード」、「眼疲労回復モード」の何れかである。
不図示のスタートボタンが押圧されると、制御部281は、設定されたモードに応じて各部を以下のように制御する。
(1)双眼鏡モード
双眼鏡モードが設定されると、制御部281は、第8実施形態と同様に、図17Bで説明したように、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268を通る光の光路上から左反射ミラー279および右反射ミラー280を退避させて、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268の光軸上に左対物レンズ269および右対物レンズ270を配置する。このように配置することにより、左対物レンズ269および右対物レンズ270と左接眼レンズ267および右接眼レンズ268との間に光束が導かれ、観察者は、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268側から、遠方の物体を観察することができる。
(2)眼疲労回復モード
眼疲労回復モードが設定されると、制御部281は、図17Cで説明したように、左接眼レンズ267および右接眼レンズ268を通る光の光路上に左反射ミラー279および右反射ミラー280を挿入させて、左表示部277および右表示部278を左接眼レンズ267および右接眼レンズ268の光軸上に配置する。このように配置することにより、左表示部277および右表示部278と左接眼レンズ267および右接眼レンズ268との間に光束が導かれる。
そして、制御部281は、第7実施形態の双眼鏡160と同様に、左表示部277および右表示部278に眼疲労回復用の画像を表示する。次に、制御部281は、眼疲労回復用の画像における視標の位置を、観察者の眼の輻輳方向に変更させる。このように視標の位置を変更させることにより、観察者の眼の毛様体筋の運動を促すことができる。
以上説明したように、第10実施形態によれば、接眼レンズおよび対物レンズと、形と明るさと色との少なくとも一つが特異な絵柄を含む画像を表示する表示部とを備え、対物レンズと接眼レンズとの間に光束を導くか、表示部と接眼レンズとの間に光束を導くかを切り換えるとともに、表示部が表示する画像における絵柄の位置と特徴との少なくとも一方を変更させる。そのため、観察装置(双眼鏡)を使用する際に、手軽に眼疲労を回復することができる。特に、第10実施形態によれば、観察装置(双眼鏡)が一般的に備える構造を応用して、眼疲労回復動作を行うので、一般的な観察装置(双眼鏡)の大きさと略同様の大きさであり、手軽に眼疲労を回復することができる。
なお、第10実施形態では、左表示部277および右表示部278が表示する画像における視標の位置を変更させることにより、観察者の眼を輻輳方向に運動させて眼疲労回復を促す例を示したが、視標の大きさを変更させるようにしても良い。視標の大きさを変更させることにより、観察者により観察される中間像の位置を光軸方向に変更する場合(第8実施形態参照)と同様の効果を得ることができる。また、視標の位置と大きさとの両方を変更させるようにしても良いし、さらに視標の形や明るさなどを変更させるようにしても良い
また、第10実施形態では、双眼鏡260を用いて説明を行ったが、接眼レンズおよび対物レンズを一つずつ備える望遠鏡に適用しても良い。
なお、第8実施形態から第10実施形態において、眼疲労回復動作用の画像は、制御部に記録されている例を示したが、何種類かの画像を予め用意しておき、観察者に選択させるようにしても良い。
以上、第1実施形態から第10実施形態で説明した双眼鏡における各技術を、観察装置の構成に応じて、適宜組み合わせたり入れ替えたりするようにしても良い。

Claims (11)

  1. 接眼レンズと、対物レンズとを備え、前記対物レンズによって形成された物体の中間像を、前記接眼レンズによって観察する観察装置において、
    前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上、または前記光路から分岐された光路上に設けられ、画像を表示する表示部と、
    前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に出し入れ可能な光学部材を備え、前記光学部材が前記光路上から退避した状態においては前記接眼レンズからの光を前記対物レンズに導き、前記光学部材が前記光路上に挿入された状態においては前記表示部に表示された前記画像を前記対物レンズに導く光路切換部と
    を備えたことを特徴とする観察装置。
  2. 接眼レンズと、対物レンズとを備え、前記対物レンズによって形成された物体の中間像を、前記接眼レンズによって観察する観察装置において、
    前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上、または前記光路から分岐された光路上に設けられ、画像を表示する表示部と、
    前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に設けられ、前記接眼レンズからの光を前記対物レンズに導くとともに、前記表示部に表示された前記画像を前記対物レンズに導く光路分割部と
    を備えたことを特徴とする観察装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の観察装置を2つ有する双眼鏡であって、
    前記接眼レンズと前記対物レンズと前記光路切換部または前記光路分割部とを左右それぞれに備える
    ことを特徴とする双眼鏡。
  4. 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
    前記光路切換部または前記光路分割部と前記表示部との間に表示レンズをさらに備える
    ことを特徴とする観察装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
    前記対物レンズの全部または一部は、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である
    ことを特徴とする観察装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
    記対物レンズと前記表示部とを結ぶ光路上に設けられ、前記対物レンズ側から観察者により観察される中間像の位置を、前記観察者の眼の光軸方向と輻輳方向との少なくとも一方に変更する位置変更部と、
    前記表示部と、前記光路切換部または前記光路分割部と、前記位置変更部とを制御する制御部とをさらに備える
    ことを特徴とする観察装置。
  7. 請求項6に記載の観察装置において、
    前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路上に、その光路に沿った方向に移動可能な兼用レンズをさらに備え、
    前記位置変更部は、前記兼用レンズを含み、
    前記制御部は、前記兼用レンズの位置を移動させることにより、前記観察装置の焦点調節と、前記対物レンズ側から前記観察者により観察される中間像の位置の前記観察者の眼の光軸方向への変更とを行う
    ことを特徴とする観察装置。
  8. 請求項7に記載の観察装置において、
    前記兼用レンズの位置を検出する検出部を備え、
    前記焦点調節を行った際および前記中間像の位置の変更を行った際に前記検出部により検出された前記兼用レンズの位置を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記兼用レンズの位置を読み出す指示を受け付ける受付部とを備え、
    前記受付部により前記指示を受け付けると、前記制御部は、前記記憶部から前記兼用レンズの位置を読み出し、読み出した位置に前記兼用レンズを移動させる
    ことを特徴とする観察装置。
  9. 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
    前記対物レンズの近傍に目当て部材を備える
    ことを特徴とする観察装置。
  10. 請求項1または請求項2に記載の観察装置において、
    前記接眼レンズの全部または一部は、前記接眼レンズと前記対物レンズとを結ぶ光路に沿った方向に移動可能である
    ことを特徴とする観察装置。
  11. 請求項3に記載の双眼鏡において、
    2つの前記接眼レンズの間隔は調整可能である
    ことを特徴とする双眼鏡。
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