JP4643158B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、静磁場用磁石内部に傾斜磁場コイルで傾斜磁場を形成するとともにラーモア周波数の高周波信号を被検体内部に送信することにより生じた核磁気共鳴信号を利用して画像を再構成する磁気共鳴イメージング装置に係り、特に傾斜磁場コイルの駆動に伴って発生する騒音を抑制する静音型の磁気共鳴イメージング装置に関する。
従来、医療現場におけるモニタリング装置として、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置が利用される(例えば特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
磁気共鳴イメージング装置は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石内部にセットされた被検体の撮像領域に傾斜磁場コイルで時間的に変化する傾斜磁場を形成するとともにRF(Radio Frequency)コイルからラーモア周波数の高周波(RF)信号を送信することにより被検体内の原子核スピンを磁気的に共鳴させ、励起により生じた核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)信号を利用して被検体の断層画像を再構成する装置である。
磁気共鳴イメージング装置において要求される静磁場の強度は非常に強く、通常数キロガウスから10キロガウス(1テスラ)程度である。さらに、形成させる静磁場には数10ppm以下の、空間的均一性が要求される。また、必要とされる静磁場の空間的な領域の大きさは概ね直径50cmの球状程度の大きさである。
一方、近年、磁気共鳴イメージング装置には、イメージング技術の高速化に伴って、傾斜磁場の高速スイッチングと高強度化が要求される。このため、傾斜磁場コイルに流れる電流と静磁場との相互作用により傾斜磁場コイルには磁気力が発生する。これに伴い傾斜磁場コイルの振動が大きくなり、通常100dB(A)以上の騒音が発生する。このため、患者である被検体には、耳栓やヘッドフォーン等の防音用品の着用が義務付けられている。
傾斜磁場コイルの振動による騒音には、空気を媒体として伝播する空気伝播音と、傾斜磁場コイルと接触する部材を介して伝播する固体伝播音とがある。そして、一般的な騒音低減手段としては、吸音材や遮音材で傾斜磁場コイルを囲う方法や、傾斜磁場コイルそのものを真空容器に密封し、空気による音の伝播を遮る方法がある。
さらに、固体伝播音に対する騒音低減手段としては、防振ゴムで傾斜磁場コイルを支持することにより、静磁場用磁石等の構成部材への振動伝達率を小さくして騒音を低減する方法がある。この場合、防振ゴムのバネ定数を小さくすることが有効であることが知られる。
特開昭63−246146号公報 特願平8−274609号 米国特許第5793210号明細書
従来の固体伝播音を低減するためにバネ定数が小さい防振ゴムで傾斜磁場コイルを支持する構造では、撮影シーケンスの周期や振幅等の条件によっては、傾斜磁場コイルの変位が大きくなり、画像劣化を引き起こす恐れがある。
一方、画像劣化を防止するために、傾斜磁場コイルの変位を小さくしようとすると、防振ゴムのバネ定数を大きくする必要が生じ、結果として静磁場用磁石等の構成部材への振動伝達率とともに騒音の増加に繋がるという問題がある。
本発明はかかる従来の事情に対処するためになされたものであり、画像劣化を抑制しつつ、騒音を抑制することが可能な静音型の磁気共鳴イメージング装置を提供することを目的とする。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置は、傾斜磁場コイルと、この傾斜磁場コイルを支持する傾斜磁場コイル支持系とを備える。
一実施形態では、磁気共鳴イメージング装置は、前記傾斜磁場コイルの共振周波数およびシーケンスの繰り返し時間に応じて前記傾斜磁場コイル支持系のバネ定数を調整する手段をさらに有する。
別の一実施形態では、磁気共鳴イメージング装置は、シーケンスの位相エンコード方向、読出し方向、スライスエンコード方向の周波数成分をミックスした値が予め設定された閾値を超える場合に、前記傾斜磁場コイル支持系のバネ定数を調整する手段をさらに有する。
さらに別の一実施形態では、前記傾斜磁場コイル支持系は、粘性流体が封入されていると共にピストンを介して前記傾斜磁場コイルを支持するダンパを有し、シーケンスに応じて前記ダンパ内のオリフィス径を調整することで、前記粘性流体の粘性抵抗を変化させて前記ダンパの粘性減衰係数を制御する。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置においては、画像劣化を抑制しつつ、騒音を抑制することができる。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1の実施形態を示す正面図であり、図2は図1に示す空気バネ近傍の詳細構成を示す拡大横断面図である。
磁気共鳴イメージング装置1は、静磁場を形成する筒状の静磁場用磁石2と、この静磁場用磁石2の内部に設けられた筒状の傾斜磁場コイル3とを同軸上に配置した構成である。さらに、傾斜磁場コイル3内部には筒状体4が設けられ、筒状体4内部は、撮影領域Sとされる。撮影領域Sには、被検体Pをセットするための寝台5が設けられるとともに、被検体Pにラーモア周波数の高周波信号を送信するためのRFコイル6が設けられる。
そして、傾斜磁場コイル3およびRFコイル6は制御系7と接続され、所定のシーケンスに従って撮影領域Sに時間的に変化する傾斜磁場を形成するとともに高周波信号を送信できるように構成される。
傾斜磁場コイル3の端部は、例えば支持体8により静磁場用磁石2と接続される。さらに、傾斜磁場コイル3と静磁場用磁石2との間には空気バネ9が傾斜磁場コイル支持系10の一例として設けられ、傾斜磁場コイル3は空気バネ9により保持される。空気バネ9の数や位置は任意であるが、傾斜磁場コイル3を安定的に保持するため、例えば、ほぼ軸対象となる位置に4箇所設けられる。
空気バネ9は、例えばゴム系の材料を球状に形成して構成される。そして、空気バネ9は空気配管11を介して空気ポンプ12と接続され、空気ポンプ12を駆動させて空気バネ9内部に空気Xを封入することによりバネ定数を変更できる。また、空気配管11上には電磁弁13が設けられる。さらに、電磁弁13よりも空気バネ9側の空気配管11上には、圧力センサ14が設けられる。そして、空気バネ9内部の空気圧を圧力センサ14で計測しつつ、電磁弁13の開閉度や空気ポンプ12の動力を制御することにより、空気バネ9のバネ定数を所要の値に制御することができる。
尚、傾斜磁場コイル3と静磁場用磁石2との間の空気バネ9周囲は、真空であっても大気圧であってもよい。ただし、空気バネ9周囲を真空とすれば、より防音効果が向上できるのみならず、空気バネ9内の空気圧が低くても空気バネ9内外の圧力差を大きくすることができる。
一方、制御系7は、シーケンスに従って傾斜磁場コイル3やRFコイル6を制御するシーケンスコントローラ15、圧力センサ14の空気圧計測値を入力して参照し、シーケンスに従って電磁弁13および空気ポンプ12の一方あるいは双方に制御信号を与えることにより空気バネ9のバネ定数を制御するバネ定数制御手段16、シーケンスコントローラ15およびバネ定数制御手段16に各種シーケンスを与えるシーケンス生成手段17を備える。
次に、磁気共鳴イメージング装置1の作用について説明する。
まず寝台5に被検体Pがセットされ、静磁場用磁石2に電流が供給されて撮像領域に静磁場が形成される。さらに、シーケンス生成手段17により所要のシーケンスが生成され、シーケンスコントローラ15およびバネ定数制御手段16に与えられる。
そして、バネ定数制御手段16は、シーケンス生成手段17から受けたシーケンスに従って、空気ポンプ12および電磁弁13の一方あるいは双方を制御する。ここで、シーケンスは、複数のパルスで構成されるが、シーケンスの振幅が局所的に大きくなるパルスが周期的に表れる場合がある。このため、シーケンスの励起パルスの繰り返し時間(TR:repetition time)や、振幅が局所的に大きくなるパルスの周期が傾斜磁場コイル3等の各構成要素の共振周波数に近いと、共振により振動や騒音が大きくなる恐れがある。
また、空気バネ9のバネ定数が小さい程、傾斜磁場コイル3の変位が大きくなり、画像劣化の要因となる一方、空気バネ9のバネ定数が大きい程、傾斜磁場コイル3の変位を小さくできるものの傾斜磁場コイル3から静磁場用磁石2等の構成部材への振動伝達率とともに騒音が増加する。
そこで、バネ定数制御手段16は、TR、撮影断面あるいは撮影目的等の撮影条件に応じたシーケンスによって、空気バネ9内部の空気圧を調節することにより空気バネ9のバネ定数を制御する。すなわち、通常はバネ定数を小さく設定して騒音を低減できるように調整する一方、傾斜磁場コイル3の共振周波数がシーケンスのTRや所定のパルスの周期に近いような場合や、傾斜磁場コイル3の変位を小さくして画像劣化を抑制する必要があるシーケンスの場合には、バネ定数が大きくなるように設定して傾斜磁場コイル3の変位量を低減させる。
バネ定数の調整方法としては、例えばシーケンスの位相エンコード(PE:phase encoding)方向、読出し(RO:readout)方向、スライスエンコード(SE:slice encoding)方向の周波数成分をミックスした値が、予め設定された閾値を超える場合に、バネ定数を変更させる方法が挙げられる。この際の閾値としては、例えば、傾斜磁場コイル支持系10である空気バネ9の共振による変位量が一定の値を超える場合の周波数とすることができる。すなわち、撮影条件の設定時にシーケンスが傾斜磁場コイル3の変位が大きくなる条件に合致する場合には、バネ定数を変化させることができる。バネ定数は、例えば連続的に変化させたり、多段階に切り替え制御して変化させることができる。
一方、シーケンスコントローラ15、シーケンス生成手段17から受けたシーケンスに従って傾斜磁場コイル3およびRFコイル6に所定の周期でパルスを与えることにより被検体Pがセットされた撮像領域に傾斜磁場を形成させるとともに高周波信号を発生させる。このため、被検体Pの内部において高周波信号の周波数に応じた原子核の核磁気共鳴により生じたNMR信号が、RFコイル6により受信されて制御系7に与えられ、所定の画像再構成処理により被検体Pの断層画像が得られる。
この際、傾斜磁場コイル3およびRFコイル6に与えられるパルスの周期と異なる共振周波数となり、かつ傾斜磁場コイル3の変位が小さくなるように、予め空気バネ9のバネ定数が大きくなるように調整されるため、磁気共鳴イメージング装置1においては、画像劣化を抑制しつつ、振動や騒音の増加を抑制することができる。このため、磁気共鳴イメージング装置1によれば、単位時間当たりの騒音値や傾斜磁場コイル3の変位量を低減させることができる。
図3は、1次元振動系に正弦波の加振力が働く場合において、バネ定数を変化させた際の振動の周波数と振動伝達率との関係を示す図であり、図4は、図3に示すデータを取得する際における1次元振動系の条件および変位量を示す図である。
図3において縦軸は、振動伝達率τを示し、横軸は振動の角周波数(Hz)を示す。また図3中の実線はバネaを用いた場合における振動の角周波数と振動伝達率との関係を示し、点線はバネbを用いた場合における振動の角周波数と振動伝達率との関係を示す。
図4に示すように振動体の質量はいずれの1次元振動系においても200kgとし、バネaのバネ定数は600000N/m、粘性減衰係数は0.2、共振周波数は8.72Hzであり、バネbのバネ定数は1200000N/m、粘性減衰係数は0.2、共振周波数は12.33Hzである。
この条件により公知の力学的計算により振動伝達率と周波数依存性を計算すると図3の実線および点線で示すデータが得られる。また、バネaの共振周波数における振動伝達率は5.10であり、バネbの共振周波数における振動伝達率は4.99となることが確認された。
尚、1次元振動系の振動伝達率は、角振動数をω、固有角振動数をωnとすると、公知の式(1)で示される。
[数1]
τ=[(1+tanδ)/{(1−ω/ωn+tanδ}](1/2)…(1)
さらに、共振周波数におけるバネaの変位が1.70mmであり、バネbの変位がバネaの変位の約1/2の0.80mmとなり、バネ定数を大きくすれば傾斜磁場コイル3の変位を小さすることができるということが確認された。
尚、磁気共鳴イメージング装置1において、傾斜磁場コイル支持系10として、空気バネ9の代わりに、他のバネを用いてもよい。傾斜磁場コイル支持系10を、例えば空気バネ9に限らず、他の気体を用いて気体の圧力を変化させることによりバネ定数を調整可能な気体バネとしてもよい。また、バネ定数を制御可能であれば、電磁弁13の代わりに他の弁を用いてもよい。
図5は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第2の実施形態を示す正面図である。
図5に示された、磁気共鳴イメージング装置1Aでは、傾斜磁場コイル3を傾斜磁場コイル支持系10Aを介して床面、天井面あるいは壁面等の室内面20に対して支持した点が図1に示す磁気共鳴イメージング装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示す磁気共鳴イメージング装置1と実質的に異ならないため同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
磁気共鳴イメージング装置1Aでは、傾斜磁場コイル3が空気バネ9と支持体21とで構成される傾斜磁場コイル支持系10Aを介して室内面20に設けられる。尚、傾斜磁場コイル3を設けるための室内面20は、床面、天井面あるいは壁面等の支持可能な面であれば任意の面とすることができる。
磁気共鳴イメージング装置1Aにおいて、空気バネ9および支持体21の数や位置は任意であるが、傾斜磁場コイル3を安定的に保持するため、例えば、ほぼ軸対象となる位置に3箇所設けられる。
すなわち、磁気共鳴イメージング装置1Aは、図1に示す磁気共鳴イメージング装置1が傾斜磁場コイル3を空気バネ9を介して静磁場用磁石2に設けたのに対し、傾斜磁場コイル3を空気バネ9を介して室内面20に設けたものである。
このため、磁気共鳴イメージング装置1Aでは、図1に示す磁気共鳴イメージング装置1と同様な効果を得ることができる。
図6は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第3の実施形態を示す拡大横断面図、図7は図6に示すダンパの詳細構造を示す拡大断面図、図8は図7に示すダンパの上面図である。
図6に示された、磁気共鳴イメージング装置1Bでは、傾斜磁場コイル3を静磁場用磁石2に対して支持するための傾斜磁場コイル支持系10Bとしてバネ30およびダンパ31を用いた点が図1に示す磁気共鳴イメージング装置1と相違する。他の構成および作用については図1に示す磁気共鳴イメージング装置1と実質的に異ならないため、バネ30およびダンパ31近傍の拡大断面のみ図示し、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
磁気共鳴イメージング装置1Bの傾斜磁場コイル3は、バネ30およびダンパ31により静磁場用磁石2に対して支持される。バネ30およびダンパ31は並列に傾斜磁場コイル3と静磁場用磁石2との間に設けられる。
バネ30は、任意のバネ30を用いることができる。バネ定数は固定であっても可変であってもよい。バネ定数を可変とする場合には、図1の磁気共鳴イメージング装置1と組み合わせて空気バネ9を用いることもできる。
ダンパ31は、粘性流体32を用いて構成される。例えば、ダンパ31は、防振材に粘性流体32を封入した可変オリフィス33とピストン34とを2本のパイプ35で接続して構成される。ピストン34内部には扇動可能な円板36が設けられて2つの区画に区分され、円板36は棒状部材37によりピストン34外部の傾斜磁場コイル3に固定される。そして、棒状部材37が設けられない側のピストン34の端面は、静磁場用磁石2に固定される。
また可変オリフィス33は筒状体内部に、オリフィスを有する固定円板38を設けて2つの区画に区分して構成される。固定円板38のオリフィスには、テーパ状のニードル39が位置調整可能に挿入される。ニードル39は駆動機構40と接続され、駆動機構40によりニードル39の位置を調整することができる。そして、駆動機構40によるニードル39の位置調整によりニードル39とオリフィスとの隙間のサイズを変化させて、オリフィスの粘性流体32に対するコンダクタンスを制御することができる。
さらに、双方の筒状体の対応する各区画は、それぞれパイプ35により接続される。このため、傾斜磁場コイル3と静磁場用磁石2との間に力が作用すると、ピストン34が引っ張り力あるいは圧縮力を受けて、粘性流体32がパイプ35を介して可変オリフィス33とピストン34との間を移動する。この結果、駆動機構40によりニードル39の位置を調整して粘性流体32の粘性抵抗を変化させることにより、ダンパ31の粘性減衰係数を制御することができる。
駆動機構40は、磁場の影響を回避させるために、例えば超音波モータ、空圧モータ、空圧ダイアフラム式アクチュエータで構成することができるが、磁場の影響を受けない部位に設ける場合には、任意のモータ等の機構で構成できる。
一方、制御系7は、シーケンスコントローラ15、シーケンス生成手段17、粘性減衰係数制御手段41を備える。粘性減衰係数制御手段41は駆動機構40と接続され、シーケンスに従って駆動機構40に制御信号を与えることによりダンパ31の粘性減衰係数を制御する機能を有する。
そして、磁気共鳴イメージング装置1Bでは、シーケンスに応じて粘性減衰係数制御手段41により駆動機構40に制御信号が与えられ、ダンパ31のオリフィス径が空圧等の駆動機構40の動力により調整される。このため、傾斜磁場コイル支持系10Bを構成するダンパ31の粘性抵抗が増加または減少せしめられて粘性減衰係数が制御される。これにより、傾斜磁場コイル3の騒音や変位量が低減される。
尚、粘性減衰係数の調整方法もバネ定数の調整方法と同様に、例えばシーケンスのPE方向、RO方向、SE方向の周波数成分をミックスした値が、予め設定された閾値を超える場合に、粘性減衰係数を変更させる方法とすることができる。
図9は1次元振動系に正弦波の加振力が働く場合において、粘性減衰係数を変化させた際の振動の周波数と振動伝達率との関係を示す図である。
図9において縦軸は、振動伝達率τを示し、横軸は振動の角周波数(Hz)を示す。また図9中の実線はバネaを用いた場合における振動の角周波数と振動伝達率との関係を示し、一点鎖線はバネcを用いた場合における振動の角周波数と振動伝達率との関係を示す。
振動体の質量はいずれの1次元振動系においても200kgとした。また、バネaのバネ定数は600000N/m、粘性減衰係数は0.2であり、バネcのバネ定数は600000N/m、粘性減衰係数は0.8である。
この条件により公知の力学的計算により振動伝達率と周波数依存性を計算すると図9の実線および一点鎖線で示すデータが得られる。図9によれば、バネcの共振周波数における振動伝達率は、バネaの共振周波数における振動伝達率の約1/3となることが確認できる。すなわち、粘性減衰係数を大きくすると、振動伝達率を小さくすることができるということが分かる。
このため、磁気共鳴イメージング装置1Bでは、粘性減衰係数の大きさを制御することによりシーケンスに応じて振動伝達率を調節することができる。この結果、シーケンスに応じて傾斜磁場コイル3の騒音値や変位量を調整することができる。
図10は本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第4の実施形態を示す縦断面図である。
図10に示された、磁気共鳴イメージング装置1Cでは、傾斜磁場コイル支持系10Cとしてのバネ30Aおよびダンパ31Aの構造が図6に示す磁気共鳴イメージング装置1Bと相違する。他の構成および作用については図6に示す磁気共鳴イメージング装置1Bと実質的に異ならないため、バネ30Aおよびダンパ31A近傍の拡大断面のみ図示し、同一の構成については同符号を付して説明を省略する。
磁気共鳴イメージング装置1Cでは、傾斜磁場コイル支持系10Cがバネ30Aとして機能する防振ゴム50に粘性流体32を封入して構成される。粘性流体32を封入した防振ゴム50の一端は、傾斜磁場コイル3を接触支持し、他端には可変オリフィス51が設けられる。可変オリフィス51は、オリフィス支持体52により静磁場用磁石2に固定される。可変オリフィス51の防振ゴム50の設けられない側には、例えば可撓性の袋状の粘性流体収納体53が設けられる。
そして、防振ゴム50内部の粘性流体32は、可変オリフィス51を介して粘性流体収納体53内部に移動できるように構成される。この際、防振ゴム50のバネ定数は、粘性流体収納体53の弾性係数よりも十分に大きく、粘性流体収納体53はバネとして機能しない構成とされる。
図11は、図10に示す可変オリフィス51の詳細構造を示す上面図である。
可変オリフィス51は例えば孔状の円板60の径方向にシャフト61を貫通して設けて構成される。シャフト61の円板60の孔に対応する部位には、シャフト61の径方向にオリフィスが設けられる。このためシャフト61を周方向に回転させると、オリフィス部における粘性流体32に対するコンダクタンスを変化させることがでできる。つまり、シャフト61を回転させることにより防振ゴム50内部の粘性流体32の粘性抵抗を調整し、粘性減衰係数を制御することができる。
この結果、粘性流体32を封入した防振ゴム50は、粘性流体32の粘性抵抗を可変とすることでバネ30Aとダンパ31Aとを並列接続した傾斜磁場コイル支持系10Bと等価となる。
さらに、可変オリフィス51のシャフト61は駆動機構40と接続され、シーケンスに応じて粘性減衰係数制御手段41から駆動機構40に制御信号を与えることによりシャフト61の回転位置を制御できるように構成される。
このため、磁気共鳴イメージング装置1Cでは、図6に示す磁気共鳴イメージング装置1Bと同等な効果を得ることができる。この際、バネ30とダンパ30とを個別に設ける必要がないため、部品点数を低減できる。
尚、各実施形態における磁気共鳴イメージング装置1、1A、1B、1Cを組み合わせて構成してもよい。例えば室内面20に対して傾斜磁場コイル支持系10、10A、10B、10Cで傾斜磁場コイルを支持し、傾斜磁場コイル支持系10、10A、10B、10Cのバネ定数および粘性減衰係数の双方を可変としてもよい。
本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第1の実施形態を示す正面図。 図1に示す空気バネ近傍の詳細構成を示す拡大横断面図。 1次元振動系に正弦波の加振力が働く場合において、バネ定数を変化させた際の振動の周波数と振動伝達率との関係を示す図。 図3に示すデータを取得する際における1次元振動系の条件および変位量を示す図。 本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第2の実施形態を示す正面図。 本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第3の実施形態を示す拡大横断面図。 図6に示すダンパの詳細構造を示す拡大断面図。 図7に示すダンパの上面図。 1次元振動系に正弦波の加振力が働く場合において、粘性減衰係数を変化させた際の振動の周波数と振動伝達率との関係を示す図。 本発明に係る磁気共鳴イメージング装置の第4の実施形態を示す縦断面図。 図10に示す可変オリフィスの詳細構造を示す上面図。
符号の説明
1、1A、1B、1C 磁気共鳴イメージング装置
2 静磁場用磁石
3 傾斜磁場コイル
4 筒状体
5 寝台
6 RFコイル
7 制御系
8 支持体
9 空気バネ
10、10A、10B、10C 傾斜磁場コイル支持系
11 空気配管
12 空気ポンプ
13 電磁弁
14 圧力センサ
15 シーケンスコントローラ
16 バネ定数制御手段
17 シーケンス生成手段
20 室内面
21 支持体
30、30A バネ
31、31A ダンパ
32 粘性流体
33 可変オリフィス
34 ピストン
35 パイプ
36 円板
37 棒状部材
38 固定円板
39 ニードル
40 駆動機構
41 粘性減衰係数制御手段
50 防振ゴム
51 可変オリフィス
52 オリフィス支持体
53 粘性流体収納体
60 円板
61 シャフト
S 撮影領域
P 被検体
X 空気

Claims (5)

  1. 傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場コイルを支持する傾斜磁場コイル支持系と、前記傾斜磁場コイルの共振周波数およびシーケンスの繰り返し時間に応じて前記傾斜磁場コイル支持系のバネ定数を調整する手段とを有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場コイルを支持する傾斜磁場コイル支持系とを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
    シーケンスの位相エンコード方向、読出し方向、スライスエンコード方向の周波数成分をミックスした値が予め設定された閾値を超える場合に、前記傾斜磁場コイル支持系のバネ定数を調整する手段を有することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 傾斜磁場コイルと、前記傾斜磁場コイルを支持する傾斜磁場コイル支持系とを備えた磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記傾斜磁場コイル支持系は、粘性流体が封入されていると共にピストンを介して前記傾斜磁場コイルを支持するダンパを有し、シーケンスに応じて前記ダンパ内のオリフィス径を調整することで、前記粘性流体の粘性抵抗を変化させて前記ダンパの粘性減衰係数を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記傾斜磁場コイルを前記傾斜磁場コイル支持系により静磁場用磁石に対して支持したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記傾斜磁場コイルを前記傾斜磁場コイル支持系により室内面に対して支持したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の磁気共鳴イメージング装置。
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