JP4641110B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、払出球検出センサの出力信号に基づいて払出球数を確認しながら球払出装置の球払出動作を制御するパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なパチンコ機は、球払出装置の上流側に設けた供給球不足検出センサで供給球不足を検出したときに、球払出装置を停止し、その後、供給球不足検出センサで供給球不足が解消されたことを検出したときに、通常の払出制御に復帰するようにしている。ところが、近年は、球払出装置から実際に払い出された払出球(賞球又は貸球)の数をカウントするために、球払出装置の下流側に払出球検出センサを設けるようにしている。
【0003】
そこで、センサ数を削減するために、上流側の供給球不足検出センサを省略して、下流側の払出球検出センサのみで、次のように球払出動作を制御することが提案されている。図5(b)に示すように、通常払出制御時は、1球分の球払出動作を行う毎に一定の球払出動作停止時間(以下「第1の停止時間」という)を設けてその時間内に払出球検出センサで払出球を検出し、第1の停止時間の経過後に次の1球分の球払出動作を開始するという処理を繰り返す。そして、図6(b)に示すように、第1の停止時間内に払出球が検出されずに第1の停止時間が経過した場合は、球払出装置への供給球不足等の不具合が発生したと判断して、通常払出制御モードから間欠運転制御モードに切り換えて、球払出装置を第1の停止時間よりも長い時間に設定された第2の停止時間だけ停止させた後に次の球払出動作を開始するという処理を繰り返す。これにより、上流側の供給球不足検出センサを省略しても、供給球不足等の不具合を下流側の払出球検出センサのみで検出できるようにすると共に、供給球不足等の不具合が発生した時には、間欠運転制御モードに切り換えることで、無駄な球払出動作の回数を少なくしながら、パチンコ球が新たに補給されて供給球の不足が解消されたときには、それを速やかに払い出し、その払出球を払出球検出センサで検出でき次第、通常払出制御モードに自動的に復帰できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の払出制御方法では、通常払出制御時の第1の停止時間と間欠運転制御時の第2の停止時間とを別々に設定して、払出球検出センサの検出結果に応じて通常払出制御モードと間欠運転制御モードとを切り換えるようにしているため、通常払出制御時と間欠運転制御時とで別々の処理を行う必要があり、払出制御プログラムが複雑化するという欠点がある。しかも、通常払出制御時には、第1の停止時間内の初期に払出球を検出し終わったとしても、常に球払出動作が一定時間(第1の停止時間)だけ停止されるため、その分、払出スピードが遅くなるという欠点もある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、通常払出時と供給球不足等の不具合発生時との両方の払出制御を制御モードを切り換えることなく単一の処理で行うことができ、払出制御プログラムを簡単化できると共に、通常払出動作時の払出スピードを高速化することができるパチンコ機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のパチンコ機は、要求される払出球数を複数回の球払出動作で払い出すように制御すると共に、1回の球払出動作で払い出される所定球数の払出球を検出するための球払出動作停止時間に上限値(以下「最大停止時間」という)を設定し、前記最大停止時間の経過前に前記所定球数の払出球を検出したときには、前記最大停止時間の経過を待たずに次の球払出動作を開始し、前記所定球数の払出球を検出せずに前記最大停止時間が経過したときには、前記最大停止時間の経過後に次の球払出動作を開始するようにしたものである。この場合、最大停止時間は、供給球不足等の不具合が発生した時の球払出動作停止時間に適した比較的長い時間に設定すれば良い。
【0007】
この構成では、球払出装置から払出球が正常に払い出されて、1回の球払出動作に対応した所定球数の払出球を最大停止時間の経過前に検出したときには、直ちに次の球払出動作を開始して、ほぼ連続的に球払出動作を行う処理を繰り返す通常払出状態となる。そして、供給球不足等の不具合が発生して、1回の球払出動作に対応した所定球数の払出球を最大停止時間が経過しても検出しないときには、その最大停止時間が経過した直後に次の球払出動作を行う処理を繰り返す間欠運転状態となる。
【0008】
このようにすれば、従来のように、払出球検出センサの検出結果に応じて通常払出制御モードと間欠運転制御モードとを切り換えて、通常払出制御時と間欠運転制御時とで別々の処理を行うという複雑な払出制御プログラムを用いる必要がなく、通常払出時と供給球不足等の不具合発生時との両方の払出制御を制御モードを切り換えることなく単一の処理で行うことができ、払出制御プログラムを簡単化できる。しかも、通常払出動作時は、払出球を検出でき次第、最大停止時間の経過を待たずに次の球払出動作を開始するので、そのときの払出球検出タイミングに応じた最短の停止時間で次の球払出動作を開始することができ、払出スピードを速くすることができる。
【0009】
ところで、球払出装置の構成や払出球検出センサの取付位置によっては、1回の球払出動作が終了する前にその球払出動作に対応した所定球数の払出球を検出し終える場合がある。そこで、請求項2のように、1回の球払出動作の終了前に該球払出動作に対応した所定球数の払出球を検出し終えたときには、該球払出動作の終了後に直ちに次の球払出動作を開始するようにすると良い。つまり、球払出動作の終了前に所定球数の払出球を検出し終えたときには、該球払出動作後に停止時間を設けずに次の球払出動作を連続して行う。このようにすれば、払出スピードを更に高速化することができる。
【0010】
更に、請求項3のように、所定球数の払出球を検出せずに最大停止時間が経過することが連続で所定回数以上発生したときに、報知手段を報知動作させるようにしても良い。このようにすれば、供給球不足等の不具合が発生していることを報知手段の報知動作によって店員や遊技者に知らせることができる。
【0011】
また、請求項4のように、所定球数の払出球を検出せずに最大停止時間が経過したときに、次の最大停止時間を延長するようにしても良い。このようにすれば、間欠運転動作状態が長引くに従って最大停止時間を延長して、無駄な払出動作の回数を更に少なくすることができる。尚、最大停止時間の延長回数は所定回数(1回又は複数回)に制限しても良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図2に基づいてパチンコ機の裏面側の概略構成を説明する。パチンコ機の本体枠11の裏面側には、裏部品を組み付ける機構板12が取り付けられている。この機構板12の裏面上部には、パチンコ島の球補給路(図示せず)からパチンコ球が補給される球タンク13が設けられ、この球タンク13には、そこから流れ出るパチンコ球を整列状態で流下させるタンクレール14が接続されている。このタンクレール14の下端には、例えば2条の球供給路15が設けられ、その球供給路15の下端部に、球払出装置16が接続されている。
【0013】
図1に示すように、球払出装置16は、本体ケース17内の上部に、2条の球供給路15の出口通路部18が組み付けられ、各出口通路部18の下方に、それぞれスプロケット19が配置されている。各スプロケット19の外周には、パチンコ球を受け入れる複数(例えば3個)の凹部20が等間隔で形成され、各凹部20間に、出口通路部18の出口のパチンコ球を受け支える凸部21が形成されている。2条の球供給路15に対応して配置された2つのスプロケット19は、一体的に回転可能に設けられ、両スプロケット19間で凹部20(凸部21)の位置が互い違いとなっている。スプロケット19の後方には、スプロケット19を駆動するモータとしてステッピングモータ22が配置されている。このステッピングモータ22の回転軸に、スプロケット19の回転軸が連結されている。
【0014】
各スプロケット19の右側方には、出口通路部18の出口から下方に延びる賞球払出流路23が設けられ、各スプロケット19の左側方には、出口通路部18の出口から下方に延びる貸球払出流路24が設けられている。賞球払出流路23には、その最上流部で賞球の通過を検出する賞球検出センサ25(払出球検出センサ)が設けられ、貸球払出流路24には、その最上流部で貸球の通過を検出する貸球検出センサ26(払出球検出センサ)が設けられている。
【0015】
球払出装置16の停止時は、スプロケット19が所定の停止位置で停止している。このとき、一方のスプロケット19は、凸部21が出口通路部18の出口に対向してパチンコ球を受け支えて落下を阻止し、他方のスプロケット19は、凹部20が出口通路部18の出口に対向して、凹部20内にパチンコ球を受け入れて落下を阻止する。
【0016】
そして、賞球を払い出す場合は、ステッピングモータ22を正回転させて、スプロケット19を正回転方向(図1では時計回り方向)に回転させる。これにより、凹部20が出口通路部18の出口に対向する毎にパチンコ球を凹部20に受け入れ、そのパチンコ球をスプロケット19の右側の賞球払出流路23に落下させる。
【0017】
一方、貸球を払い出す場合は、ステッピングモータ22を逆回転させて、スプロケット19を逆回転方向(図1では反時計回り方向)に回転させる。これにより、凹部20に受け入れたパチンコ球をスプロケット19の左側の貸球払出流路24に落下させる。
【0018】
本実施形態(1)では、例えば4相48極のステッピングモータ22を、1−2相励磁方式で駆動するため、1回転当りのステップ数が96ステップとなる。前述したように、2つのスプロケット19には、それぞれ凹部20が3個ずつ形成されているので、ステッピングモータ22の1回転(96ステップ)当りのパチンコ球の払出数が6個となり、ステッピングモータ22が16ステップ回転する毎に1個のパチンコ球が払い出されるようになっている。また、スプロケット19と一体的に回転する回転位置検出用の回転円盤(図示せず)には、ステッピングモータ22の1回転当りのパチンコ球の払出数に相当する数(6個)のスリットが等間隔で形成されている。そして、ステッピングモータ22が検出間隔ステップ数(本実施形態では16ステップ)回転して球払出装置16がパチンコ球を1球払い出す毎に、回転位置検出センサ27がスリットを検出して、回転位置信号を出力する。そして、回転位置検出センサ27が回転位置検出信号を出力する位置が、スプロケット19の停止位置(ステッピングモータ22の停止相)と一致するように設定されている。
【0019】
上述した各種センサの出力は、パチンコ機の制御回路28に入力される。この制御回路28は、球払出装置16のステッピングモータ22を制御してパチンコ球(賞球又は貸球)を払い出す際に、図3に示す1球分払出制御を所定回数繰り返して所定球数のパチンコ球を払い出す。この1球分払出制御では、1−2相励磁方式でステッピングモータ22の励磁相を切り換えて、次のようにしてステッピングモータ22を前述した検出間隔ステップ数(16ステップ)だけ駆動することで、1球分の球払出動作を実行する。
【0020】
まず、▲1▼前回の球払出動作停止位置(スリットを検出した回転位置)からステッピングモータ22の駆動を開始し、▲2▼ステッピングモータ22が8ステップ回転したところで、ステッピングモータ22の駆動を一時的に停止させる。このときに、回転位置検出センサ27でスリットが検出されていないことを確認することで、スプロケット19(ステッピングモータ22)が正常に回転していることを確認する。確認できなければ、適宜のリトライ処理を実施する。
【0021】
その後、再び、ステッピングモータ22の駆動を開始すると、▲3▼リリースポイント(例えば12ステップ目)でスプロケット19からパチンコ球が落下し始め、▲4▼ステッピングモータ22が16ステップ回転したところで、ステッピングモータ22の駆動を停止させる。このときに、回転位置検出センサ27でスリットが検出されていることを確認して、スプロケット19の回転位置を確認する。確認できなければ、適宜のリトライ処理を実施する。
【0022】
尚、ステッピングモータ22の停止期間中は、ステッピングモータ22の停止相(停止時の励磁相)を引き続き所定時間だけ回転駆動時の励磁電流Iよりも低い励磁電流(例えばI×1/3)で励磁することで、ステッピングモータ22を停止状態に保持する。
【0023】
このようにして、1球分払出制御では、回転位置検出センサ27でステッピングモータ22(スプロケット19)の回転位置を確認しなかがら、1球分の球払出動作を実行する。
【0024】
パチンコ機の制御回路28は、図4の賞球払出制御プログラムを実行することで、入賞球センサ29からの入賞信号に応じた賞球払出指令に基づいて前述した1球分払出制御を繰り返して1球分の賞球払出動作を繰り返し実行して、賞球払出指令に応じた個数の賞球を払い出す。この際、制御回路28は、1回の賞球払出動作に対応した所定球数(本実施形態では1球)の賞球を検出するための球払出動作停止時間に上限値(以下「最大停止時間」という)Tmax を設定し、この最大停止時間Tmax の経過前に所定球数の賞球を検出したときには、最大停止時間Tmax の経過を待たずに次の賞球払出動作を開始し、所定球数の賞球を検出せずに最大停止時間Tmax が経過したときには、最大停止時間Tmax の経過後に次の賞球払出動作を開始する。
【0025】
以下、制御回路28が実行する図4の賞球払出制御プログラムの具体的な処理内容を説明する。本プログラムは、所定時間毎に実行され、特許請求の範囲でいう払出制御手段に相当する役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、賞球払出指令が有るか否かを判定する。もし、賞球払出指令がなければ、以降の処理を行うことなく本プログラムを終了する。
【0026】
その後、賞球払出指令が有ると判定されたときに、ステップ102に進み、1球分払出制御を実施して、球払出装置16を1球分だけ賞球払出動作させる。この賞球払出動作終了後は、賞球払出動作に対応した所定球数(本実施形態では1球)の賞球が賞球検出センサ25で検出されるまで賞球払出動作が停止される。
【0027】
この後、ステップ103に進み、賞球払出動作に対応した所定球数(1球)の賞球を賞球検出センサ25で検出したか否かを判定し、所定球数の賞球を検出していなければ、ステップ106に進み、賞球払出動作が停止されてから所定の最大停止時間Tmax が経過したか否かを判定し、最大停止時間Tmax が経過していなければ、ステップ103に戻り、所定球数の賞球を検出したか否かを判定する処理を繰り返す。この場合、最大停止時間Tmax は、供給球不足等の不具合が発生した時の球払出動作停止時間に適した比較的長い時間(例えば5〜10秒)に設定されている。
【0028】
その後、ステップ103で、所定球数の賞球を検出したと判定されたきに、ステップ104に進み、報知ランプ30(報知手段)が報知動作(例えば点灯)していれば、それを停止させた後、ステップ105に進み、賞球検出センサ25で検出した賞球の合計払出数が、賞球払出指令に応じた所定払出数に到達したか否かを判定する。賞球の合計払出数が所定払出数未満の期間は、上記ステップ102に戻り、次の賞球球払出動作を実行する。
【0029】
これにより、図5(a)に示すように、球払出装置16から賞球が正常に払い出されて、1回の賞球払出動作に対応した所定球数(1球)の賞球を最大停止時間Tmax の経過前に検出したときには、その時点で直ちに次の賞球払出動作を開始して、ほぼ連続的に賞球払出動作を繰り返す通常払出状態となる。尚、1回の賞球払出動作の終了前にその賞球払出動作に対応した所定球数(1球)の賞球を検出し終えたときには、賞球払出動作後の停止時間を0にして、先の賞球払出動作の終了後に直ちに次の賞球球払出動作を開始する。
【0030】
その後、ステップ105で、賞球検出センサ25で検出した合計払出数が、賞球払出指令に応じた所定払出数に到達したと判定されたときに、本プログラムを終了する。
【0031】
一方、上記ステップ106で、賞球払出動作が停止されてから最大停止時間Tmax が経過したと判定された場合、つまり、1回の賞球払出動作に対応した所定球数(1球)の賞球を検出せずに最大停止時間Tmax が経過したときには、ステップ107に進み、所定球数の賞球を検出せずに最大停止時間Tmax が経過することが連続して所定回数(例えば2回)以上発生したか否かを判定する。もし、連続して所定回数以上発生していなければ、ステップ107からステップ102に戻り、次の賞球払出動作を実行する。一方、連続して所定回数以上発生した場合は、ステップ108に進み、報知ランプ30を報知動作(例えば点灯)させてからステップ102に戻り、次の賞球払出動作を実行する。
【0032】
これにより、図6(a)に示すように、球払出装置16への供給球不足等の不具合が発生して、1回の賞球払出動作に対応した所定球数の賞球を最大停止時間Tmax が経過しても検出できないときには、球払出装置16を最大停止時間Tmax だけ停止させた後に次の賞球払出動作を行う処理を、所定球数の賞球を検出するまで繰り返す間欠運転状態となる。
【0033】
その後、ステップ103で、1回の賞球払出動作に対応した所定球数の賞球を検出したと判定されたきに、供給球不足等の不具合が解消されたと判断して、ステップ104に進み、報知ランプ30の報知動作(例えば点灯)を停止させる。この後、ステップ105に進み、賞球の合計払出数が所定払出数未満の期間は、上記ステップ102に戻り、次の賞球払出動作を実行し、前述したほぼ連続的に賞球払出動作を繰り返す通常払出状態に復帰する。その後、ステップ105で、合計払出数が所定払出数に到達したときに、本プログラムを終了する。
【0034】
以上説明した本実施形態(1)によれば、1回の賞球払出動作後の停止時間に上限値(最大停止時間)Tmax を設定し、この最大停止時間Tmax の経過前に所定球数の賞球を検出したときには、最大停止時間Tmax の経過を待たずに、次の賞球払出動作を開始することで、ほぼ連続的に賞球払出動作を行う通常払出状態となる。そして、所定球数の賞球を検出せずに最大停止時間Tmax が経過したときには、最大停止時間Tmax の経過後に次の賞球払出動作を開始することで、停止時間の長い間欠運転状態となる。このため、従来のように、賞球検出センサ25の検出結果に応じて通常払出制御モードと間欠運転制御モードとを切り換えて、通常払出制御時と間欠運転制御時とで別々の処理を行うという複雑な払出制御プログラムを用いる必要がなく、通常払出時と供給球不足等の不具合発生時との両方の払出制御を制御モードを切り換えることなく単一の処理の繰り返しで行うことができ、払出制御プログラムを簡単化できる。しかも、通常払出動作時は、賞球を検出でき次第、最大停止時間Tmax の経過を待たずに次の賞球払出動作を開始するので、賞球の検出タイミングに応じた最短の停止時間で次の賞球払出動作を開始することができ、通常払出動作時の払出スピードを高速化することができる。
【0035】
また、本実施形態(1)では、1回の賞球払出動作の終了前に所定球数の賞球を検出し終えたときには、賞球払出動作後の停止時間を0にして、その賞球払出動作の終了後に直ちに次の賞球払出動作を開始するようにしたので、先の賞球払出動作に連続して次の賞球払出動作を実行することができ、払出スピードを更に高速化することができる。
【0036】
しかしながら、賞球払出動作後の停止時間に下限値(最小停止時間)を設定して、1回の賞球払出動作後に少なくとも下限停止時間だけは払出動作を停止させることで、回転位置検出センサ27でスリットを確実に検出して、スプロケット19の回転位置を確実に確認できるようにしても良い。
【0037】
更に、本実施形態(1)では、賞球を検出せずに最大停止時間Tmax が経過することが連続して“所定回数”以上発生したときに、報知ランプ30を報知動作させるようにしたので、供給球不足等の不具合が発生していることを報知ランプ30の報知動作によって速やかに店員や遊技者に知らせることができる。尚、上記の“所定回数”は、2回又は3回以上(複数回)に限定されず、1回のみであっても良い。
【0038】
[実施形態(2)]
上記実施形態(1)では、最大停止時間Tmax を一定としたが、本発明の実施形態(2)では、図7に示すように、ステップ106で、賞球を検出せずに最大停止時間Tmax が経過する毎に、ステップ106aで、最大停止時間Tmax を所定時間ΔTずつ延長するようにしている(Tmax =Tmax +ΔT)。
【0039】
本実施形態(2)のようにすれば、間欠運転動作状態が長引くに従って最大停止時間Tmax を所定時間ΔTずつ延長して、球払出装置16の無駄な払出動作を少なくすることができる。
【0040】
尚、本実施形態(2)では、最大停止時間Tmax を延長する回数に制限を設けなかったが、この延長回数を所定回数(1回又は複数回)に制限し、最大停止時間Tmax の最大延長時間を制限するようにしても良い。
【0041】
また、本実施形態(2)では、賞球を検出せずに最大停止時間Tmax が経過する状態が1回発生する毎に、最大停止時間Tmax を所定時間ΔTずつ延長するようにしたが、賞球を検出せずに最大停止時間Tmax が経過する状態が所定回数(複数回)連続して発生する毎に、最大停止時間Tmax を所定時間ΔTずつ延長するようにしても良い。
【0042】
以上説明した各実施形態では、本発明を賞球払出制御に適用したが、本発明を貸球払出制御に適用しても良いことは言うまでもない。
また、上記各実施形態では、1回の球払出動作でパチンコ球を1球ずつ払い出すようにしたが、1回の球払出動作でパチンコ球を複数球ずつ払い出すようにしても良い。
【0043】
その他、本発明は、球払出装置の構成、払出球検出センサの取付位置、ステッピングモータの制御方法等を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1のパチンコ機によれば、1回の球払出動作後の停止時間に上限値(最大停止時間)を設定し、最大停止時間の経過前に払出球を検出したときには、最大停止時間の経過を待たずに次の球払出動作を開始し、払出球を検出せずに最大停止時間が経過したときには、最大停止時間の経過後に次の球払出動作を開始するようにしたので、通常払出時と供給球不足等の不具合発生時との両方の払出制御を制御モードを切り換えることなく単一の処理で行うことができ、払出制御プログラムを簡単化できると共に、通常払出動作時の払出スピードを高速化することができる。
【0045】
また、請求項2では、球払出動作の終了前に払出球を検出し終えたときには、球払出動作の終了後直ちに次の球払出動作を開始するようにしたので、通常払出動作時の払出スピードを更に高速化することができる。
【0046】
更に、請求項3では、払出球を検出せずに最大停止時間が経過することが連続して所定回数以上発生したときに、報知手段を報知動作させるようにしたので、供給球不足等の不具合が発生していることを報知手段の報知動作によって速やかに店員や遊技者に知らせることができる。
【0047】
また、請求項4では、払出球を検出せずに最大停止時間が経過したときに、次の最大停止時間を延長するようにしたので、間欠運転動作状態が長くなるほど球払出動作の停止時間を長くすることができ、無駄な払出動作の回数を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)のパチンコ機の球払出制御系の構成を示すブロック図
【図2】パチンコ機の裏面図
【図3】1球分払出制御を説明するための図
【図4】実施形態(1)の賞球払出制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図5】(a)は実施形態(1)の払出制御における通常払出動作時のタイムチャート、(b)は従来の払出制御における通常払出動作時のタイムチャート
【図6】(a)は実施形態(1)の払出制御における間欠運転動作時のタイムチャート、(b)は従来の払出制御における間欠運転動作時のタイムチャート
【図7】実施形態(2)の賞球払出制御プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…本体枠、16…球払出装置、19…スプロケット、22…ステッピングモータ、23…賞球払出流路、24…貸球払出流路、25…賞球検出センサ(払出球検出センサ)、26…貸球検出センサ(払出球検出センサ)、28…制御回路(払出制御手段)、30…報知ランプ(報知手段)。
Claims (4)
- 球払出装置と、この球払出装置から払い出される払出球を検出する払出球検出センサと、この払出球検出センサの出力信号に基づいて払出球数を確認しながら前記球払出装置の球払出動作を制御する払出制御手段とを備えたパチンコ機において、
前記払出制御手段は、要求される払出球数を複数回の球払出動作で払い出すように制御すると共に、1回の球払出動作で払い出される所定球数の払出球を検出するための球払出動作停止時間に上限値(以下「最大停止時間」という)を設定し、前記最大停止時間の経過前に前記所定球数の払出球を検出したときには、前記最大停止時間の経過を待たずに次の球払出動作を開始し、前記所定球数の払出球を検出せずに前記最大停止時間が経過したときには、前記最大停止時間の経過後に次の球払出動作を開始することを特徴とするパチンコ機。 - 前記払出制御手段は、1回の球払出動作の終了前に該球払出動作に対応した所定球数の払出球を検出し終えたときには、該球払出動作の終了後に直ちに次の球払出動作を開始することを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
- 前記払出制御手段は、前記所定球数の払出球を検出せずに前記最大停止時間が経過することが連続して所定回数以上発生したときに、報知手段を報知動作させることを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ機。
- 前記払出制御手段は、前記所定球数の払出球を検出せずに前記最大停止時間が経過したときに、次の最大停止時間を延長することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のパチンコ機。
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