【発明の詳細な説明】
遊技機用メダルを計数するためのメダル計数装置
発明の分野
本発明は、遊技場に設置され、遊技者が獲得したメダルを計数するメダル計数
装置に関し、特に、消費電力を低減することができるメダル計数装置に関する。
発明の背景
スロットマシン等のメダルを用いるゲーム機が設置されている遊技場では、遊
技者が獲得した多数のメダルを、その個数に応じて、景品等に交換することが行
なわれている。その際、メダルの計数を行なう必要がある。しかし、通常多数の
メダルを人手で計数することは、手間がかかると共に、数え違いが起きやすいと
いう問題がある。そこで、メダルの計数を自動的に行なうメダル計数装置の開発
が要請されている。
ところで、メダルの計数を自動化する場合に、障害となる問題点がある。その
第1は、メダルの計数の際のメダルの大量投入による装置の駆動部に対する過負
荷の発生の問題である。遊技者側での取扱の便利を考慮すれば、メダル
の計数に際して、大量のメダルを一度に投入できることが好ましい。ところが、
計数装置側では、大量のメダルが投入された時点で、メダルの受け入れ、選別、
計数等の動作を実行するための起動が行なわれると、特に、メダルの受け入れ部
分で大きな起動トルクを要することとなり、駆動のための機構およびモータを大
型化せざるを得なくなるという問題が発生する。これに対しては、モータ等を常
時駆動状態にしておくことが考えられる。しかし、その場合には、電力が無駄に
なると共に、騒音等が常時発生するという、好ましくない新たな問題が生じる。
第2は、真正のメダルの他に、真正でないメダル、例えば、径の異なるメダル
が混入しても、それについてまでも自動的に計数してしまうという問題である。
特に、径の小さいメダルは、排除しにくいという点で問題となる。
発明の概要
本発明の第1の目的は、メダルの投入許容時には当該装置の駆動源が運転状態
にあり、メダル投入非許容時には駆動源の運転を減速ないし停止させるようにで
きて、起動トルクを低減でき、駆動源の小型化が図れると共に、省電力化が図れ
るメダル計数装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、小径のメダルを選別して除去しつつメダルを計
数することができるメダル計数装置
を提供することにある。
上記第1の目的を達成するため、本発明の第1の態様によれば、
投入されたメダルを計数するためのメダル計数装置において、
メダルを計数する計数器と、
メダルの投入を受入れ、投入されたメダルを前記計数器に順次供給するメダル
供給機構と、
前記計数器の計数動作を制御する計数制御手段と、
前記メダル供給機構へのメダルの投入を制限するための投入制限装置と、
前記メダル供給機構の動作を制御するメダル供給制御手段、および、投入制限
装置の動作を制御する投入制限制御手段を有する制御装置とを備え、
前記メダル供給制御手段は、前記メダル供給機構を、前記投入制限装置がメダ
ルの投入を制限している状態にある場合には、停止状態とし、前記投入制限装置
がメダルの投入を許容している状態にある場合には、運転状態とする制御を行な
うこと
を特徴とするメダル計数装置が提供される。
また、上記第2の目的を達成するため、本発明の第2の態様によれば、
投入されたメダルを計数するためのメダル計数装置において、
メダルを選別しつつ計数する計数器と、
計数器に、投入されたメダルを順次供給するメダル供給機構とを備え、
前記計数器は、小径メダルを排除するための選別通路と、選別通路を通過した
メダルを計数する計数部とを備え、
前記選別通路は、
メダルを扁平な状態でその上に載せて案内する一対の案内部材であって、相互
間の間隔を、真正なメダルは落下が阻止され、小径メダルは落下が阻止されない
間隔として配置されるものと、
一対の案内部材の両外側にそれぞれ配置されて、真正なメダルが通過可能な間
隔をあけて、一対配置される案内板と、
一対の案内部材の上方に配置されて、案内部材上のメダルを送り出すためのロ
ーラおよびその駆動機構とを備え、
前記メダル供給機構は、
メダルを投入するための開口を有し、該開口から投入されたメダルを、少量ず
つ送り出すための受入れホッパと、
受入れホッパから送り出されるメダルを受け入れて、それらを1個ずつ前記計
数器に送り出す計数ホッパと
を備えることを特徴とするメダル計数装置が提供される。
図面の簡単な説明
図1は、本発明のメダル計数装置の一部を破断して全体を示した側面図である
。
図2は、本発明のメダル計数装置の要部を破断して示した平面図である。
図3は、本発明のメダル計数装置の一部を破断して全体を示した正面図である
。
図4は、本発明のメダル計数装置で用いられる計数器の構成要素である選別通
路の構成を示す正面図である。
図5は、図1に示すメダル計数装置の一部を拡大して示す平面図である。
図6Aは、図4に示す選別通路において真正のメダルが送られている状態を示
す正面図である。
図6Bは、図4に示す選別通路において小径のメダルが送られている状態を示
す正面図である。
図7Aは、本発明で用いられる制御装置のハードウエア資源構成の一例を示す
ブロッグ図である。
7B図は、本発明で用いられる制御装置の機能の構成を示すブロック図である
。
図8は、制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
図9は、制御装置の制御動作のうち、起動処理の手順を示すフローチャートで
ある。
図10は、制御装置の制御動作のうち、計数動作の手順を示すフローチャート
である。
図11は、制御装置の制御動作のうち、投入制限処理の手順を示すフローチャ
ートである。
図12は、本発明のメダル計数装置の他の例を示すブロック図である。
実施例
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、
以下の実施例に限られない。
本発明のメダル計数装置は、図1−図3および図7Aおよび図7Bに示すよう
に、メダルを計数する計数器100と、メダルの投入を受入れ、投入されたメダ
ルを前記計数器100に順次供給するメダル供給機構200と、前記メダル供給
機構200へのメダルの投入を制限するための投入制限装置300と、前記メダ
ル供給機構200の動作および投入制限装置300の動作を制御する制御装置4
00と、計数器100から排出されるメダルを取り扱うメダル取扱機構500と
を備える。これらは、筐体1に収容される。
前記メダル供給機構200は、図2および図3に示すように、投入されたメダ
ルを、少量ずつ送り出すための受入れホッパ210と、受入れホッパ210から
送り出されるメダルを受け入れて、それらを1個ずつ前記計数器100に送り出
す計数ホッパ220,230と、前記受入れホッパ210へのメダル投入を検知
するメダル投入検知センサ240(図7A参照)を備える。
図3に示すように、受入れホッパ210は、メダルの投入を受け入れると共に
、投入されたメダルの排出量を絞り込むための投入部211と、その下方に配置
される、投入
部211に投入されたメダルを計数ホッパ220,230に送り出すための回転
円盤215と、駆動機構218および駆動源となるモータ219(図7A参照)
とを有する。投入部211は、一部に斜面214を有する筒状構造体に形成され
、その上部に、メダルを投入するための開口212を有し、下部に、投入された
メダルを回転円盤215に落とすための排出口213を有する。
回転円盤215は、図示しない駆動機構により一方向、例えば、時計回りに回
転される。その結果、その上に載るメダルが遠心力によって排出口213から排
出される。また、回転円盤215は、その外周部に、当該回転円盤215の上方
にある空間を囲む円筒体216を有する。円筒体216は、その上部開口が前記
排出口213と連通している。また、円筒体216の、計数ホッパ220,23
0との隣接部に、それぞれ排出口217aと217bとが設けられている。メダ
ルは、この排出口217a,217bを通って各計数ホッパ220,230に送
られる。なお、これらの排出口217a,217bに、開閉自在のシャッタを設
けてもよい。
計数ホッパ220,230は、前記受入れホッパ210の左右で、前記回転円
盤215より下部の位置に配置される。すなわち、受入れホッパ210のメダル
が排出口217a,217bを通って排出されて、その位置から落下したとき、
それを受けることができる位置にある。計数ホッ
パ220,230は、それらの構造は、左右が対象構造となっているほかは、基
本的に同じである。
計数ホッパ220(230)は、回転円盤221(231)と、その上方空間
を囲む円筒体222(232)と、メダルをガイドするガイド板223(233
)と、回転円盤221(231)を回転させる駆動機構225(235)および
駆動源となるモータ226(236)とを有する。円筒体222(232)には
、受入れホッパ210の排出口217a(217b)に隣接して、計数器接続部
227(237)が設けられている。この計数器接続部227(237)に計数
器100が連結される。前記ガイド板223(233)は、この計数器接続部2
27(237)に隣接して存在し、計数器接続部227(237)の下流側で回
転円盤221(231)の中心方向に突出する突出部223a(233a)と、
それに引き続く湾曲部223b(233b)とで構成される。この突出部223
a(233a)は、回転円盤221(231)の、外周から離れた位置に載って
いるメダルを捕捉して、計数器接続部227(237)に案内する。
回転円盤221(231)は、モータ226(236)により駆動機構225
(235)を介して回転される。本実施例では、回転円盤221は反時計回り、
回転円盤231は時計回りで回転される。ただし、これらの回転円盤221(2
31)は、それぞれ逆回転可能である。メダルは、
回転円盤221(231)の回転による遠心力で、計数器接続部227(237
)に送られる。計数器接続部227(237)は、それぞれ回転円盤221(2
31)の接線方向にメダルが移動するように設けれられている。
メダル投入検知センサ240は、図7Aに示すように、発光素子241および
受光素子242と、それらを駆動してメダル投入を検知するセンサ駆動回路24
3とを有する。発光素子241は、例えば、発光ダイオードで構成される。受光
素子242は、例えば、フォトダイオードで構成される。発光素子241と受光
素子242とは、図3に示すように、受入れホッパ210の円筒体216の側面
に対向した状態で配置される。その結果、受入れホッパ210に投入されて、排
出口213から回転円盤215に送られるメダルが光学的に検知される。なお、
少量のメダルが投入された場合でも確実に検知することができるようにするため
には、発光素子241および受光素子242の視野を広くしておくことが好まし
い。必要であれば、発光素子241および受光素子242を複数組配置してもよ
い。センサ駆動回路243の出力は、制御装置400に送られる。
計数器100は、図1に示すように、小径メダルを排除するための選別通路1
10と、選別通路110を通過したメダルを計数する計数部130とを備える。
前記選別通路110は、図5および図4に示すように、メダルを扁平な状態で
その上に載せて案内する一対の案内
部材111a,111bと、一対の案内部材111a,111bの両外側にそれ
ぞれ配置されて、真正なメダルが通過可能な間隔をあけて、一対配置される案内
板112a,112bと、一対の案内部材111a,111bの上方に配置され
て、案内部材111a,111b上のメダルを送り出すためのローラ114およ
びその駆動機構120と、一対の案内部材111a,111bの上方に配置され
た押え部材113とを備える。
案内部材111a,111bは、案内板112a,112bの対向面に、凸条
に設けられる。それらの相互間の間隔は、真正なメダルは落下が阻止され、小径
メダルは落下が阻止されない間隔として配置される。案内板112a,112b
は、図4に示すように、上部側の間隔が下部側の間隔より狭くなるように、互い
に傾斜して配置される。図4に示す例では、上部側の間隔C1を真正なメダルの
直径より狭く、下部側の間隔C2を真正なメダルの直径より広くするように設定
してある。これにより、案内部材111a,111bの下方の空間の幅が広くな
るので、小径メダルの排出が容易となる。
押え部材113は、選別通路110のほぼ全長に渡って設けられる。この部材
113により、案内部材111a,111b上のメダルが浮き上がることを阻止
する。これにより、メダルを正しい姿勢で選別することができる。なお、同様に
機能するものであれば、他の部材を用いることがで
きる。
ローラ114は、図5に示すように、選別通路110の基部側の、案内部材1
11aと111bとの間の位置に設けられる。また、ローラ114は、図6Aお
よび6Bに示すように、その外周114aが、案内部材111aと111b上に
あるメダルと接触して、それを送ることができる高さに設定される。
ローラ114を駆動するための駆動機構120は、計数ホッパ120,130
のそれぞれに設けられた選別通路110について共通に設けられる。すなわち、
図4に示すように、駆動機構120は、並設される二つの選別通路110に渡っ
て設けられる駆動軸121と、この駆動軸121の中間部分に設けられたギア1
22と、駆動軸121を駆動するためのモータ125と、このモータ125の回
転軸に設けられたギア124と、ギア122と124とにかけ渡されたチェーン
123とで構成される。駆動軸121の両端部に、それぞれローラ114が取り
付けられている。従って、モータ125によって、駆動軸121が駆動されて、
ローラ114が回転する。
計数部130は、図1および図2に示すように、選別通路110の先端側の、
案内部材111aと111bとの間の下方位置に設けられる。計数部130は、
図7Aに示すように、メダルの有無を検知するメダル検知センサ131と、この
メダル検知センサ131を駆動すると共に、メダ
ル検知センサ131の出力信号を処理して、メダル検知信号を計数する計数駆動
回路132とを有する。計数駆動回路132は、計数結果を制御装置400に送
ると共に、計数終了後は、制御装置400によってリセットされる。
投入制限装置300は、図1および図3に示すように、受入れホッパ210の
開口212を開閉するためのシャッタ310、および、その駆動機構320と、
前記シャッタ310が閉じている状態を少なくとも検出するためのシャッタ閉塞
検出センサ330とを備える。
シャッタ310は、受入れホッパ210の開口212を覆うことができる形状
および面積を有する板状部材で構成されるシャッタ板311と、このシャッタ板
311に固定された軸部材312と、この軸部材312を開閉自在に支持する軸
受部313とを備える。
駆動機構320は、動力伝達機構321と、モータ322とで構成される。動
力伝達機構321は、例えば、ギア機構で構成される。この動力伝達機構321
の入力側には、モータ322が連結される。また、動力伝達機構321の出力側
は、前記軸部材312に連結され、回転駆動力を軸部材312に与える。
シャッタ閉塞検出センサ330は、例えば、マイクロスイッチで構成される。
このシャッタ閉塞検出センサ330は、シャッタ板311が閉じたとき、シャッ
タ板311によって押圧されてオンし、シャッタ板311が開き始める
とオフする。このシャッタ閉塞検出センサ330の出力は、制御装置400に入
力される。
制御装置400は、図7Aに示すように、コンピュータ410と、ホッパ駆動
回路420と、シャッタ駆動回路430と、起動要求スイッチ440と、表示部
450、プリンタ460とで構成される。コンピュータ410は、制御のための
情報処理を実行する中央処理装置(CPU)411と、CPU411のプログラ
ム、データ等を記憶するメモリ412と、インタフェース413とを有する。ホ
ッパ駆動回路420は、コンピュータ410の指示を受けて、モータ219,2
26,236の動作を制御する。シャッタ駆動回路430は、コンピュータ41
0の指示を受けて、モータ322の動作を制御する。起動要求スイッチ440は
、例えば、押しボタンスイッチで構成され、押圧されるとオンし、メダル投入要
求信号を出力する。この押しボタンスイッチの操作部441は、例えば、図1に
示すように、筐体1の正面上部に配置される。表示部450は、例えば、パネル
表示装置、より具体的には、液晶表示装置452と、表示駆動回路451とで構
成される。
CPU411は、後述する図8−図11のフローチャートに示される手順を実
行することにより、図7Bに示す、計数器100の動作を制御する計数制御手段
401、投入制限装置300の動作を制御する投入制限制御手段402、メダル
供給機構200の動作を制御するメダル供給制御手
段403、および、表示部450の表示およびプリンタ460を制御する表示制
御手段404として機能する。
計数制御手段401は、計数機100の計数駆動回路132をリセットすると
共に、計数結果を読み取って、その結果を、表示部450に出力すると共に、プ
リンタ460に送ってレシートを発行させる処理を行なう。また、この計数制御
手段401は、計数結果を、それまでの累積値に加算してメモリ412に格納し
て、それまでの累積値を更新する。
前記投入制限制御手段402は、外部からのメダル投入制限信号が入力される
と、前記投入制限装置300に対して、受入れホッパ210の開口212の閉塞
を指示する。また、投入制限制御手段402は、前記受入れホッパ210および
計数ホッパ220,230が消費電力を低減させた運転状態にある場合に、前記
メダル投入検知センサ240によるメダル投入が検知されないことが、予め定め
た時間継続した場合に、前記投入制限装置300に対して、受入れホッパ210
の開口212の閉塞を指示する。一方、投入制限制御手段402は、外部からの
メダル投入要求信号が入力されると、前記投入制限装置300に対して、シャッ
タ310を開くことを指示する。この場合、投入制限制御手段402は、外部か
らのメダル投入制限信号が入力された場合、当該メダル投入制限信号が解除され
るまで、外部からのメダル投入要求信号の入力の受付を停止する。
上述した予め定めた時間は、適宜設定することができるが、例えば、5分とする
。
なお、投入制限制御手段402は、消費電力を低減させる運転とすることを省
くこともできる。すなわち、投入制限制御手段402は、前記メダル投入検知セ
ンサ240によるメダル投入が検知されないことが、予め定めた時間、例えば、
10分、継続した場合に、前記投入制限装置300に対して、受入れホッパ21
0の開口212の閉塞を指示するようにしてもよい。
また、投入制限制御手段402は、運転停止とする判断を行なう場合に、前記
計数器100が計数動作を実行していないことが予め定めた時間継続しているこ
とを条件として判断する構成とすることもできる。もちろん、メダル投入検知セ
ンサ240によりメダル投入が検知されないこと、および、計数器100が計数
動作を実行していないことが予め定めた時間継続していることの両者が条件とさ
れてもよい。
メダル供給制御手段403は、前記メダル供給機構200を、前記投入制限装
置300がメダルの投入を制限している状態にある場合には、停止状態とし、前
記投入制限装置300がメダルの投入を許容している状態にある場合には、運転
状態とする制御を行なう。運転状態には、通常の運転状態と、モータを減速して
運転する低消費電力運転状態とがある。通常の運転状態は、メダルの投入を受け
入れ
て、そのメダルを計数機に送る動作を行なう運転状態である。一方、低消費電力
運転状態は、前記通常の運転状態において、予め定めた一定の時間、メダル投入
検知センサ240によりメダル投入が検知されない場合、メダル供給機構の運転
を減速運転として、消費電力を低減する。この場合、運転を完全に停止させない
のは、メダルが投入された場合に、大きな起動トルクを要しないようにするため
である。
また、メダル供給制御手段403は、前記シャッタ閉塞検出センサ330の出
力信号を取り込み、シャッタが開き始めた時、前記受入れホッパ210および計
数ホッパ220,230を、停止状態から運転状態に切り換える制御を行なう。
このメダル供給制御手段403は、前記メダル供給機構200の運転を停止状
態とするモードとして、二つのモードを持つ。第1は、外部からのメダル投入制
限信号が入力された場合の運転停止モードである。このモードでは、後述する図
11に示すように、シャッタの閉塞指示が行なわれてから、前記シャッタ閉塞検
出センサ330の出力信号を取り込み、シャッタ板311が閉じたか否か監視す
る。その後、メダル投入検知センサ240からメダル投入検知信号が入力してい
れば、投入されたメダルの計数処理を行なう。そして、メダルが投入されていな
い場合、および、前記計数処理が終了した場合、メダル供給機構200の運
転を停止させる。第2は、低消費電力運転状態の前記メダル供給機構を停止する
モードである。すなわち、このモードでは、前記メダル供給機構が低消費電力運
転状態で運転されている間に、メダル投入がなかったことが予め定めた時間継続
した場合、上記第1の手順でメダル供給機構200の運転を停止させる。
前記メダル供給制御手段403は、前記受入れホッパ210および計数ホッパ
220,230が消費電力を低減させた運転状態にある場合に、前記メダル投入
検知センサ240によりメダル投入が検知されとき、前記受入れホッパ210お
よび計数ホッパ220,230を通常の運転状態とする制御を行なう。
なお、メダル供給制御手段403は、前記シャッタ閉塞検出センサ330の出
力信号を取り込み、シャッタ板311が閉じてから、前記計数器100が計数動
作を実行していないことが予め定めた時間継続したとき、前記受入れホッパ21
0および計数ホッパ220,230の運転を停止させる制御を行なうようにする
こともできる。ここでの継続時間は、シャッタ板311が閉じる直前にメダルが
投入された場合に、それらについての計数が終了するまでに要する時間によって
定められる。一般には、メダルの計数は、速いものでは、数十秒、長くても高々
1分以内に終了する。従って、ここの継続時間は、例えば、30秒ないし1分の
範囲で定めればよい。
また、前記メダル供給制御手段403は、前記計数器100が計数動作を実行
していないことが、前記予め定めた時間継続した場合であって、その間に前記メ
ダル投入検知センサ240によりメダル投入が検知されないとき、前記受入れホ
ッパ210および計数ホッパ220,230を、通常の運転状態から消費電力を
低減させた運転状態とする制御を行なうようにしてもよい。
表示制御手段404は、当該計数装置の状態を表示するための制御を行なう。
例えば、“起動ボタンを押してください”、“計数できます”、“計数中”、“
休止”等のメッセージの表示を行なう。これらのメッセージを表示するための表
示データは、メモリ412に格納しておく。また、表示制御手段404は、計数
結果、すなわち、計数値を表示する。さらに、表示制御手段404は、装置にな
んらかのトラブルがあった場合に、その表示を行なう。この他に、プリンタ46
0の出力を制御する。プリンタ460では、種として、計数結果および顧客への
案内メッセージを印字出力する。
メダル取扱機構500は、図1に示すように、計数後の真正メダルを取り扱う
真正メダル取扱部510と、小径メダルを取り扱う小径メダル取扱部530とを
備える。
真正メダル取扱部510は、選別通路110において真正メダルとして選別さ
れメダルを案内するシュート511と、シュート511を介して運ばれたメダル
を搬送するた
めのコンベア512とを有する。コンベア512は、例えば、メダル貸機、ゲー
ム装置等にメダルを搬送する。また、メダルを再使用しない場合は、例えば、金
庫に搬送する。なお、コンベア512に代えて、タンクとすることもできる。
一方、小径メダル取扱部530は、選別通路の下方に配置されたシュート53
1と、タンク532とで構成される。小径メダルは、比較的少数であること、お
よび、再使用できないことを考慮して、タンク532に蓄えている。もちろん、
これについても、コンベアで搬送するようにしてもよい。
次に、本発明のメダル計数装置動作について、図8−図11をさらに参照して
説明する。
本発明のメダル計数装置は、起動されていないときは、図1において実線で示
すように、シャッタ板311が閉じた状態にある。このメダル計数装置を使用す
るには、まず、図示していない電源スイッチをオンする。これにより、図示して
いない電源装置から装置各部に電力が供給される。また、これにともなって、制
御装置400が起動される。
制御装置400は、図8に示すように、起動されると、初期設定を行なった後
(ステップ810)、起動処理を行なう(ステップ820)。
起動処理は、投入制限制御手段402およびメダル供給制御手段403によっ
て、図9に示すように行なわれる。
CPU411は、まず、メダル投入制限信号が入力しているか否かを調べる(ス
テップ821)。メダル投入制限がある場合には、それが解除されるまで待つ。
一方、メダル投入制限がない場合には、表示制御手段404により、使用者に起
動を促すためのメッセージ、例えば、“起動ボタンを押してください”という表
示を、表示部450に送り、液晶表示装置452に表示させる(ステップ822
)。そして、起動要求スイッチ440の操作部441が操作されて、起動要求が
入力するまで待機する(ステップ823)。起動要求が入力すると、CPU41
1は、シャッタ駆動回路430に対して、“シャッタ開”の指示を与える(ステ
ッブ824)。
そして、シャッタ閉塞検出センサ330の出力信号を調べ(ステップ825)
、シャッタ閉塞検出センサ330がシャッタ板311が開き始めたことを示す信
号を出力すると、CPU411は、受入れホッパ210および計数ホッパ220
,230を起動する(ステップ826)。すなわち、ホッパ駆動回路420に各
ホッパの駆動源であるモータ219,226および236を、通常運転状態とし
て駆動するよう指示する。そして、監視時間のセットを行なう(ステップ827
)。この監視時間は、例えば、5分程度に設定される。
その後、図8に示すステップ830に進み、表示制御手段404により、使用
者に使用可能であることを示すため
のメッセージ、例えば、“使用できます”等の表示データを表示部450に送り
、液晶表示装置452に表示させる。そして、CPU411は、メダル投入制限
信号の入力、メダル投入検知信号の入力についての判定を行なう。そして、外部
からメダル投入制限信号が入力したと判断したときは、メダル投入制限処理を実
行する(ステップ840,900)。また、メダル投入検知センサ240からメ
ダル投入検知信号が入力したときは、計数処理を実行する(ステップ850,9
20)。そして、上記設定した監視時間が経過するまでに、いずれの信号も入力
しないときは、省電力駆動指示を行なう(ステップ860,870)。なお、メ
ダル投入制限信号は、外部から送られる。外部からのメダル投入制限信号信号と
しては、例えば、このメダル計数装置が設置されている遊技場の管理コンピュー
タからの指示、また、手動による指示等がある。
ステップ840において、メダル投入制限信号が入力されたと判断されると、
メダル投入制限処理手段によって、図11に示すように、メダル投入制限処理が
行なわれる。すなわち、CPU411は、シャッタ駆動回路430にシャッタ閉
塞指示を行なう(ステップ901)。また、シャッタ閉塞検知センサ330から
のシャッタ閉塞を検知する信号を調べ(ステップ902)、シャッタが閉塞され
たとき、それまでにメダル投入検知信号が入力していたか否かを調べる(ステッ
プ903)。メダル投入検知信号が入力
していたときは、計数処理を行なう(ステップ904)。この計数処理は、後述
する図10に示す計数処理と同様に行なう。
次に、メダル投入がなかったとき、または、ステップ904の計数処理が終了
したとき、CPU411は、ホッパ駆動回路420に、受入れホッパ210、計
数ホッパ220,230の駆動を停止することを指示する(ステップ905)。
これにより、メダル計数装置は、シャッタ板311が閉じられ、かつ、受入れホ
ッパ210、計数ホッパ220,230の駆動が停止されて、停止状態となる。
そして、表示制御手段404により、液晶表示装置452に、休止表示、例え
ば、“休止”のような表示を行なわせる。また、CPU411は、終了の指示が
あるか否かを調べ、終了でなければ、ステップ820に戻り、起動を待つ(ステ
ップ910)。
ここで、受入れホッパ210に、メダルが投入されると、それらの一部が、メ
ダル投入検知センサ240の発光素子241と受光素子242との間を通過し、
または、それらの間に存在して、発光素子241からの光が受光素子254に入
力しなくなる。そのため、センサ駆動回路243は、受光素子242の受光信号
の変化からメダル投入を検知することができる。従って、ステップ850におい
て、メダル投入検知センサ240からメダル投入検知信号が出力された場合、計
数制御手段401により、図10に示す計数処理が実行される。すなわち、まず
、表示制御手段404により、計数中であることの表示、例えば、“計数中”等
の表示を液晶表示装置452に行なわせる(ステップ921)。
受入れホッパ210では、投入されたメダルが投入部211で一時的に保持さ
れ、図2において符号Aで示すように、下部にあるメダルから回転円盤215に
より時計回り(α方向)に搬送されて、排出口217a,217bから計数ホッ
パ220,230にそれぞれ送り出される。計数ホッパ220では、回転円盤2
21が反時計回り(β方向)に回転し、ホッパ230では、回転円盤231が時
計回り(γ方向)に回転している。従って、送り出されたメダルは、それぞれ搬
送され、計数器接続部227,237に接近する。この時、ガイド部材223,
233により、メダルは、それぞれ回転円盤221,231の接線方向に進む
ように案内される。その結果それぞれのメダルは、選別通路110,110に送
られる。
各選別通路110では、モータ125で回転駆動されるローラ114により、
メダルが順次引き込まれ、案内部材111a,111b上を移動する。その際、
メダルは、押え部材113により、浮き上がらないように規制される。ここで、
案内部材111a,111bが挾む空間の幅より小さい径のメダルは、この部分
で落下し、シュート531を通ってタンク532に収容される。一方、真正のメ
ダルは、選別通路110を通過してシュート511を通ってコンベア512上に
達し、コンベア512で目的位置に搬送される。また、真正のメダルが選別通路
の先端部近傍を通過する際、計数部のセンサ131によりその存在が検知される
。すなわち、発光素子131aからの照射光をメダルが反射し、その反射光の一
部が受光素子131bで受光されることにより、メダルの存在が検知される。こ
の検知信号は、計数駆動回路132において計数される。
なお、本実施例では、計数部が二つ設けられているので、計数部が一つの場合
に比べ、計数が能率的に行なえる。
この間、計数制御手段401は、計数部130の計数駆動回路132を調べ、
計数動作が終了したか否かを判定する(ステップ922)。すなわち、CPU4
11は、計数駆動回路132に計数値が、0でなく、かつ、予め定めた時間継続
して変化していないとき、計数動作が終了したと
判定する。ここで、予め定めた時間は、受入れホッパ210に投入されたメダル
が計数されるに要する時間である。例えば、上述したように、30秒ないし1分
以内の時間に設定される。
計数終了後は、計数駆動回路132の各計数値を取り込み、それらを加算して
、メモリ412の現在の計数値を記憶する領域に記憶させる。そして、CPU4
11は、それまでの累積計数値を、メモリ412のそれを格納している領域から
読みだして、現在の計数値をそれに加算して、累積計数値を更新する。また、表
示制御手段404により現在の計数値を液晶表示装置452により表示させる。
さらに、プリンタ460により、現在の計数値を印字させて出力する(ステップ
923)。
その後、CPU411は、計数駆動回路132をリセットし(ステップ924
)。さらに、図9に示すステップ827と同様に、監視時間をセットして(ステ
ップ925)、ステップ830に戻る。
次に、処理が省電力駆動指示のステップに進んだ場合について説明する。この
場合には、CPU411は、ホッパ駆動回路420に、受入れホッパ210およ
び計数ホッパ220,230のそれぞれのモータ219,226,236を減速
運転するように指示する(ステップ870)。これにより、それらのホッパは、
減速された状態で運転される。この時、CPU411は、メダル投入検知センサ
24
0からの出力を監視する(ステップ880)。なお、この時、監視時間を設定し
て、その時間が経過するまで、メダル投入検知信号の入力を待つ(ステップ89
0)。その時間が経過するまでに、メダル投入検知信号の入力があれば、上述し
た計数処理920に移る。一方、タイムオーバーの場合には、上述したメダル投
入制限処理900に移る。ここでの監視時間は、上記したステップ925の監視
時間と同様に、適宜設定することができる。ここでは、10分に設定するものと
する。
このようにして、本発明のメダル計数装置は、計数が必要となった場合、起動
要求信号に基づいてシャッタ310を開き、かつ、メダルが投入される前に、受
入れホッパ210、計数ホッパ220,230を通常の運転状態となるように駆
動して、メダルの計数を可能とする。また、この計数装置は、メダルが投入され
ないことが一定時間継続したとき、すなわち、計数が行なわれていないことが一
定時間継続したとき、受入れホッパ210、計数ホッパ220,230の駆動を
省電力駆動とする。さらに、メダル投入がないことが一定時間継続した場合には
、シャッタを閉じて、受入れホッパ210、計数ホッパ220,230の駆動を
停止する。また、受入れホッパ210、計数ホッパ220,230の駆動を省電
力駆動している場合であっても、メダルが投入されると、これらのホッパを通常
の運転状態とする。
従って、本発明の計数装置は、計数が行なわれない場合には、受入れホッパ2
10、計数ホッパ220,230の駆動を停止する。また、受入れホッパ210
、計数ホッパ220,230が省電力運転ないし停止状態となるので、電力の消
費量が低減される。また、メダルの投入時は、受入れホッパ210、計数ホッパ
220,230が通常運転または省電力運転が行なわれているので、静止状態か
ら起動することを要しないので、起動トルグが低減される。
上記した説明では、受入れホッパ210、計数ホッパ220,230の駆動を
停止ないし省電力運転する場合について説明したが、本発明はこれに限られない
。例えば、計数器100の運転についても、停止ないし省電力運転する構成とす
ることができる。例えば、図4に示す、ローラ114を駆動するモータ125の
運転を制御することにより行なう。この制御は、受入れホッパ210、計数ホッ
パ220,230の駆動の制御と対応する。具体的には、図12に示すように、
制御装置400に、ローラ駆動回路470を設け、このローラ駆動回路470を
、ホッパ駆動回路420と同期して制御することにより実現される。このように
構成することにより、消費電力の低減の効果がより向上する。なお、図12の他
の構成は、図7Aに示すものと同じである。
また、上記した説明では、メダル投入検知センサ240は、発光素子241と
受光素子242を有する、光学的検
知センサの例を示した。しかし、本発明は、これに限定されない。メダル投入検
知センサ240は、例えば、投入されたメダルが接触することにより、メダルの
投入を検知するリミットセンサ、メダル投入時に生じる音響を検知してメダル投
入を検知する音響センサ等であってもよい。
【手続補正書】
【提出日】1997年5月9日
【補正内容】
(1)明細書の第12頁の第9行目に、
「ホッパ120,130」とあるのを、「ホッパ220、230」と補正する。
(2)明細書の第14頁の第16行目に、
「図1に示すように」とあるのを、「図3に示すように」と補正する
(3)図7Aを別紙1のとおり補正する。(但し、補正の対象に掲げた事項以外
に内容に変更なし)。
(4)図9を別紙2のとおり補正する。(但し、補正の対象に掲げた事項以外に
内容に変更なし)。
(5)図12を別紙3のとおり補正する。(但し、補正の対象に掲げた事項以外
に内容に変更なし)。
【図7】
【図9】
【図12】
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(72)発明者 皆川 昌男
東京都大田区西蒲田5−27−10 株式会社
ケンメック内
(72)発明者 青山 守行
愛知県知立市池之端2−43 ブラザー精密
工業株式会社内